JPH0954239A - 視線検出機能付光学装置及びカメラ - Google Patents

視線検出機能付光学装置及びカメラ

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JPH0954239A
JPH0954239A JP23212095A JP23212095A JPH0954239A JP H0954239 A JPH0954239 A JP H0954239A JP 23212095 A JP23212095 A JP 23212095A JP 23212095 A JP23212095 A JP 23212095A JP H0954239 A JPH0954239 A JP H0954239A
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line
sight
optical device
mode
function
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JP23212095A
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Akira Yamada
山田  晃
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 観察者が特別な操作をすることなく、様々な
観察対象物の動きや観察シーンに対しても、視線位置の
情報によって制御される機能が適切に動作し、観察者の
意志通りに機能させる。 【解決手段】 光学装置の所定の動作を動作させる動作
モードと視線位置の情報によって該光学装置の機能を制
御する制御手段100と、前記動作モードに応じて前記
制御方法を変更する変更手段100,100aとを設
け、光学装置の動作モードに応じて視線位置の情報によ
って動作する機能の制御方法を変更できるようにしてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対象物を観察する
為のファインダ手段と、ファインダ視野を覗く観察者の
視線位置を検出する視線検出手段とを備えた視線検出機
能付光学装置及びカメラの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、観察者がファインダ視野のど
の位置を観察しているかを検出するいわゆる視線検出装
置が種々提案されている。
【0003】例えば、特開平1−274736号公報に
おいては、赤外発光ダイオード等で撮影者の眼球を照明
し、この反射光をCCD等のイメージセンサに導き、眼
球像を結像させ、角膜表面で発生する角膜反射像と瞳孔
中心との相対位置のずれ量を検出して眼球の回転角を検
出する装置が提案されている。
【0004】また、同一出願人にて特開平3−1090
30号公報において、眼球の視線方向を連続的に求め、
検出された視線方向の情報により、一定時間内のうち所
定時間以上指向していた視線方向または指向する頻度が
所定回数以上の視線方向より被験者の観察範囲内におけ
る注視点を求めることが提案されている。
【0005】また、同一出願人にて開示された特開平6
−94984号公報の実施の形態においては、ファイン
ダ視野内に視線入力指標を設けて、撮影者が該指標を注
視すると、カメラに装着されているレンズの絞り込み動
作が行われ、被写界深度が確認できる視線入力機能を備
えた一眼レフカメラが提案され、又、製品化されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平3−109030号公報に開示されている実施の形
態においては、視線位置の情報が所定時間以上、又は、
所定回数以上注視していたら注視点とみなし、カメラの
自動焦点検出装置を制御しているのであるが、制御方法
がどのような条件においても常に一定であるため、ファ
インダで観察する対象物の動きや、シーンによっては適
切な制御がなされず、注視しているのに制御されないと
か、意図していないのに勝手に制御し出してしまうとい
う問題があった。
【0007】加えて観察者の眼の特性にも個人差がある
ため、人によっては適切な制御がなされないといった問
題があった。更に任意に制御方法を変更できたとして
も、観察者が変わる度に再度変更しなければならなかっ
た。
【0008】また、視線を検出する回数も常に検出し続
けており、光学機器の動作モードによっては無駄な検出
を行っていたりしていた。
【0009】また、上記特開平6−94984号公報に
おいては、視線入力機能の解除は操作部材(レリーズ
釦)から手を離すことによっているため、誤って解除し
てしまったり、動作させ続けるために押し続けなければ
ならないといった問題があった。そこで機能の解除も再
度注視することによって行うという方法が考えられる
が、光学機器のファインダで観察する対象物の動きや内
容によっては観察者の意志通りに制御しない場合があっ
た。
【0010】(発明の目的)本発明の第1の目的は、観
察者が特別な操作をすることなく、様々な観察対象物の
動きや観察シーンに対しても、視線位置の情報によって
制御される機能が適切に動作し、観察者の意志通りに機
能する操作性の良い視線検出機能付光学装置及びカメラ
を提供することにある。
【0011】本発明の第2の目的は、観察者の個性や目
の動きの特性に対しても、視線位置の情報によって制御
される機能が適切に動作し、観察者の意志通りに機能す
ると共に、観察者が変わっても容易に対応することので
きる視線検出機能付光学装置及びカメラを提供すること
である。
【0012】本発明の第3の目的は、視線検出動作に無
駄のない効率の良い視線検出機能付光学装置を提供する
ことにある。
【0013】本発明の第4の目的は、観察者の視線位置
が指標にあると所定の機能を動作させる視線入力機能の
操作性を向上させる視線検出機能付光学装置を提供する
ことにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1〜9の本発明は、該光学装置の動作
モードに応じて視線位置の情報によって動作する機能の
制御方法を変更できるようにしている。
【0015】また、上記第2の目的を達成するために、
請求項6〜9の本発明は、観察者が外部から操作するこ
とによって任意に変更できる外部操作部材を備え、さら
には眼球の個人差による視線の検出誤差を補正する補正
データを取得する個人差補正手段と、前記補正データを
記憶する記憶手段とを備え、前記外部操作部材で変更さ
れた内容を前記補正データと対応して記憶するようにし
ている。
【0016】また、上記第3の目的を達成するために、
請求項10及び11の本発明は、該光学装置の動作モー
ドに応じて視線の注視回数と検出回数を変更できるよう
にしている。
【0017】また、上記第4の目的を達成するために、
請求項12及び13の本発明は、ファインダ手段の視野
内に具備される視線入力指標と、視線検出手段によって
前記視線入力指標もしくはその近傍に観察者が注視した
と検出された場合、該光学装置の所定の機能を動作さ
せ、前記機能の動作後に再度前記視線入力指標に観察者
が注視した場合、前記機能を終了する視線入力手段とを
設け、前記機能の動作を開始する制御方法と終了する制
御方法を異ならすようにしている。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
に基づいて詳細に説明する。
【0019】図1は本発明を一眼レフカメラに適用した
ときの実施の第1の形態を示す要部構成図、図2は図1
の後方から見た断面図、図3は同じく図1の一眼レフカ
メラのファインダ内の説明図である。
【0020】これらの図において、1は撮影レンズで、
便宜上2枚のレンズで示したが、実際はさらに多数のレ
ンズから構成されている。2は主ミラーで、ファインダ
系による被写体像の観察状態と被写体像の撮影状態に応
じて撮影光路へ斜設され或は退去される。3はサブミラ
ーで、主ミラー2を透過した光束をカメラボディの下方
の後述する焦点検出装置6へ向けて反射する。
【0021】4はシャッタ、5は感光部材で、銀塩フィ
ルム或はCCDやMOS型等の固体撮像素子、或は、ビ
ディコン等の撮像管より成っている。
【0022】6は焦点検出装置であり、結像面近傍に配
置されたフィールドレンズ6a,反射ミラー6b及び6
c,二次結像レンズ6d,絞り6e、複数のCCDから
成るラインセンサ6f等から構成されている。
【0023】本実施の形態における焦点検出装置6は、
周知の位相差方式にて焦点検出を行うものであり、図3
に示すように、観察画面内(ファインダ視野内)の複数
の領域(200〜204の5箇所)を焦点検出点とし
て、焦点検出可能となるように構成されている。
【0024】7は撮影レンズ1の予定結像面に配置され
たピント板、8はファインダ光路変更用のペンタプリズ
ムである。9,10は各々観察画面内の被写体輝度を測
定するための結像レンズと測光センサであり、結像レン
ズ9はペンタプリズム8内の反射光路を介してピント板
7と測光センサ10を共役に関係付けている。
【0025】11は、ペンタプリズム8の射出後方に配
置される、光分割器11aを備えた接眼レンズ11であ
り、撮影者の眼15によるピント板7の観察に使用され
る。光分割器11aは、例えば可視光を透過し赤外光を
反射するダイクロイックミラーより成っている。
【0026】上記の主ミラー2,ピント板7,ペンタプ
リズム8,接眼レンズ11によってファインダ光学系が
構成されている。
【0027】次に、視線検出装置に関する構成について
説明する。
【0028】12は結像レンズ、14はCCD等の光電
変換素子列を二次元的に配したイメージセンサで、結像
レンズ12に関して所定の位置にある撮影者の眼球15
の瞳孔近傍と共役になるように配置されている。13a
〜13fは各々照明光源であるところの赤外発光ダイオ
ード(以下、IREDと記す)で、後述の図4(B)に
示すように接眼レンズ11の回りに配置されている。
【0029】これらと前述のダイクロイックミラー12
とによって視線検出装置が構成されている。
【0030】視線の検出方法は、先ず撮影者の眼球をI
RED(13a〜13h)の何れか選択されたIRED
で照明する。すると、眼球での反射光束が接眼レンズ1
1を通り、ダイクロイックミラー11aで反射され、結
像レンズ12によってイメージセンサ14上に結像し、
眼球像が形成される。次に、この眼球像の瞳孔中心と角
膜表面で反射したIREDの反射像との相対的なズレ量
を検出して眼球の回転角を求め、撮影者がどこを見てい
るかを、つまり視線位置を検出する。
【0031】イメージセンサ14の出力から視線位置を
求めるための具体的な処理については、既に本出願人に
よる特開平3−109029号等にて開示されている技
術を用いればよく、ここでの詳細説明は省く。
【0032】21は明るい被写体の中でも視認できる高
輝度のスーパーインポーズ用LEDで、ここから発光さ
れた光は投光用プリズム22を介し、主ミラー2で反射
されてピント板7の表示部に設けた微小プリズムアレイ
7aで垂直方向に曲げられ、ペンタプリズム8,接眼レ
ンズ11を通って撮影者の眼15に達する。
【0033】そこで、ピント板7の焦点検出領域に対応
する複数の位置(焦点検出点)にこの微小プリズムアレ
イ7aを枠状に形成し、これを各々に対応した5つのス
ーパーインポーズ用LED21(各々をLED−L1,
LED−L2,LED−C,LED−R1,LED−R
2とする)によって照明する。
【0034】これによって図3に示したファインダ視野
から判かるように、各々の測距点(マーク)200,2
01,202,203,204がファインダ視野内で光
り、焦点検出領域を表示させることができるものである
(以下、これをスーパーインポーズ表示という)。
【0035】図2に示す17はこれらのファインダ構成
要素、及び焦点検出装置を保持し、ミラーボックスを構
成する前板であり、該前板17の側面17aにはLED
21と同様な高輝度LED18(LED−S)が、光射
出方向を下に向けて取付けられている。このLED18
で発せられた光は、同じくミラーボックス側面に取付け
られた透明樹脂性のミラーレンズ19に入射する。この
ミラーレンズ19は上面19aが凸面,下面19bが平
面となっており、平面側はアルミニウムコーティングを
施した反射面である。ここで反射された光束は、ピント
板7に導かれ、前述と同様な方法で設けられた微小プリ
ズム7bによって、撮影者の眼15に達する。
【0036】図3のファインダ視野内の図中左上に見ら
れる平行四辺形の枠体は視線入力指標205であって、
前述の視線検出装置が、この視線入力指標205上又は
その近傍に撮影者の視線があると検出した時に、カメラ
の所定機能、例えば被写界深度確認の為に撮影レンズ1
の絞りを実際に設定される口径まで絞り込む視線入力機
能を発動する為に設けたもので、入力された事を撮影者
に示すために上記のLED18を所定時間点灯させ、該
視線入力指標205をファインダ内に表示させる。
【0037】図1に戻って、23はファインダ視野領域
を形成する視野マスク、24はファインダ視野外に撮影
情報を表示するためのファインダ内LCDで、照明用L
ED(F−LED)25によって照明される。
【0038】上記ファインダ内LCD24を透過した光
は三角プリズム26(図1参照)によって図3の206
で示した様にファインダ視野外に導かれ、撮影者は各種
の撮影情報を知ることができる。
【0039】27はカメラの姿勢を検知する為の公知の
水銀スイッチである。
【0040】31は撮影レンズ1内に設けた絞り、32
は後述する絞り駆動回路111を含む絞り駆動装置、3
3はレンズ駆動用モータ、34は駆動ギヤ等から成るレ
ンズ駆動部材である。35はフォトカプラで、前記レン
ズ駆動部材34に連動するパルス板36の回転を検知し
て焦点調節回路110に伝えており、該焦点調節回路1
10は、この情報とカメラ側からのレンズ駆動量の情報
に基づいて前記レンズ駆動用モータ33を所定量駆動さ
せ、撮影レンズ1を合焦位置に移動させるようになって
いる。
【0041】37は撮影レンズ1の位置を検知し、カメ
ラから被写体までの距離情報を得る為に設けた距離情報
コード板であり、例えば至近位置から無限位置までを4
bit程度のコードパターンから成り、不図示のブラシ
接点を用いて合焦位置での被写体距離が検出できるよう
になっている。38は撮影レンズ1の焦点距離を検知す
る焦点距離情報コード板であり、不図示のブラシ接点を
用いてズーミングするレンズの動きに応じた焦点距離情
報が検出できるようになっている。37,38のいずれ
もレンズ焦点調節回路110に接続されている。39は
公知のカメラとレンズとのインターフェースとなるマウ
ント接点である。
【0042】図4(a),(b)は、上記の構成より成
る一眼レフカメラの上面と後面の概略図である。
【0043】図4(a)において、41はレリーズ釦で
ある。42は外部モニタ表示装置としてのモニタ用LC
Dであり、予め決められたパターンを表示する固定セグ
メント表示部42aと、可変数値表示用の7セグメント
表示部42bとから成っている。43は測光値を保持す
るAEロック機能と後述のカスタムファンクションを設
定する機能を備えたAEロック/CF設定釦、44は撮
影モード等の選択を行うためのモードダイヤルである。
【0044】ここで、上記のモードダイヤル44の詳細
を、図5を用いて説明する。
【0045】44aはカメラを不作動とするロックポジ
ション、44bはカメラが予め設定した撮影プログラム
や動作機能で制御される自動撮影モードのポジションで
あり、この中の44cは既に任意設定した撮影内容をリ
セットする機能をもった自動撮影モードである全自動モ
ードで、前記の視線検出は行われない。44dは絵文字
で示されたようなシーンに適した撮影プログラムが設定
されたイメージゾーンで、人物撮影に適したポートレー
トモード,風景,記念撮影に適した風景モード,接写撮
影に適したクローズアップモード,動体写真に適したス
ポーツの4種類が設定されている。
【0046】44eは撮影者が撮影内容を設定できるマ
ニュアル撮影モードで、プログラムAE,シャッタ優先
AE,絞り優先AE,マニュアル露出,被写体深度優先
AE,シンクロ撮影の各撮影モードをもっている。ま
た、55は選択されたポジションを示す指標である。4
4fは撮影者が予めカメラ内に設定され、機能の中から
選択して使用する事ができる、いわゆるカスタムファン
クションを設定するモードである。44gは視線検出の
演算時に視線の個人差を補正するのに用いる個人差補正
データを取得する為のキャリブレーションモードであ
る。
【0047】図4(a)に戻って、45は電子ダイヤル
であり、回転してクリックパルスを発生させることによ
って上記モードダイヤル44で選択されたモードの中で
さらに選択し得る設定値を選択する為のものである。例
えば、モードダイヤル44にてシャッタ優先の撮影モー
ドを選択すると、ファインダ内LCD24及びモニタ用
LCD42には、現在設定されているシャッタ速度が表
示される。この表示を見て、撮影者が電子ダイヤル45
を回転させるとその回転方向に従って、現在設定されて
いるシャッタ速度が順次変化していくように構成されて
いる。
【0048】46は視線入力装置の機能をON/OFF
させる視線入力釦である。ON時には公知の様に撮影者
の視線位置を検出して複数の焦点検出点の中から1つの
焦点検出点を決定する「視線入力焦点検出点選択」とや
はり公知の自動選択アルゴリズムによる「自動焦点検出
点選択」とを切り換えることができる。
【0049】図4(b)において、47〜49はカメラ
の背蓋に設けられ、カメラの動作モードを切換え状態に
する切換釦で、これが押されると動作モードの切換えを
受け付ける状態となり、電子ダイヤルにて所望の動作モ
ードに設定することができる様になっている。
【0050】そのうちで、47はフィルム給送の動作モ
ードを設定する給送モード釦で、1回のレリーズ41の
押下で1駒飲みフィルム給送する単写モードと、レリー
ズ釦が押されている間中連続的にフィルムを5駒/se
c程度の高速で給送する高速連写モードと、同様に2駒
/sec程度の低速で給送する低速連写モード、の3モ
ードを設定できる。
【0051】また、48はAFの動作モードを設定する
AFモード釦で、一度AFにて合焦すると焦点調節機能
をロックさせるワンショットAFと、レリーズ釦が押さ
れている間焦点検出動作を続けるサーボAFモード、の
2モードを設定できる。
【0052】また、49は被写体の輝度を測定する測光
の動作モードを設定する測光モード釦で、後述の16分
割された測光センサの出力に応じて最適な露出値を決定
する評価測光モードと、全てのセンサ出力の平均値を用
いる平均測光モードと、16分割の内の1つのセンサ出
力を用いる部分測光モード、の3モードを設定できる。
【0053】なお、他の図4に記載されている操作部材
は本発明と特に関係しない為、説明を省略する。
【0054】図6は上記構成の一眼レフカメラに内蔵さ
れた電気的構成を示すブロック図であり、図1と同一の
ものは同一番号をつけている。
【0055】カメラ本体に内蔵されたマイクロコンピュ
ータの中央処理装置(以下、CPUと記す)100に
は、視線検出回路101,測光回路102,自動焦点検
出回路103,信号入力回路104,LCD駆動回路1
05,LED駆動回路106,シャッタ制御回路10
8,モータ制御回路109が接続されている。また、撮
影レンズ1内に配置された焦点調節回路110,絞り駆
動回路111とは、図1で示したマウント接点39を介
して信号の伝達がなされる。
【0056】CPU100に付随したEEPROM10
0aは記憶手段として撮影者が任意に設定する情報の記
憶機能を有している。又、視線の個人差を補正する個人
差補正データの記憶機能を有している。
【0057】前記視線検出回路101は、イメージセン
サ14(CCD−EYE)からの眼球像の信号をA/D
変換し、この像情報をCPU100に送信する。CPU
100は視線検出に必要な眼球像の各特徴点を所定のア
ルゴリズムに従って抽出し、さらに各特徴点の位置から
撮影者の視線を算出する。
【0058】前記測光回路102は、測光センサ10か
らの信号を増幅後、対数圧縮A/D変換し、各センサの
輝度情報としてCPU100に送信する。測光センサ1
0はSPC−0〜SPC−15の16個に分割されたフ
ォトダイオードから構成され、図3に示すように観察画
面内をA0〜C15の16に分割された領域の被写体輝
度を測光するようになっている。
【0059】ここで、図3の左端焦点検出点200を含
む領域A3をSPC3で、左から2番目の焦点検出点2
01を含む領域A1をSPC−1で、以下焦点検出点2
02〜204をそれぞれ含む領域A0,A2,A4をS
PC−0,SPC−2,SPC−4で、それぞれ測光す
るようになっている。さらに、その周囲の領域B5〜B
11をSPC−5〜SPC−11で、外周部の領域C1
2〜C15をSPC−12〜SPC−15で、それぞれ
測光するようになっている。
【0060】ラインセンサ6fは、前述の図3に示す画
面内の5つの焦点検出点200〜204に対応した、5
組のラインセンサCCD−L2,CCD−L1,CCD
−C,CCD−R1,CCD−R2から構成される公知
のCCDラインセンサである。
【0061】前記自動焦点検出回路103は、上記のラ
インセンサ6fから得た電圧をA/D変換し、CPU1
00に送る。
【0062】SW−1はレリーズ釦41の第1ストロー
クでONし、測光,AF等を開始させる為のスイッチ、
SW−2はレリーズ釦41の第2ストロークでONする
レリーズスイッチである。SW−AEL,SW−EYE
はAEロック/CF設定釦43,視線入力釦46が押さ
れた時にONするスイッチである。SW−DIAL1と
SW−DIAL2は既に説明した電子ダイヤル45内に
設けられたダイヤルスイッチであり、信号入力回路10
4のアップダウンカウンタに入力され、電子ダイヤル4
5の回転クリック量をカウントする。SW−M1〜M4
も既に説明したモードダイヤル44内に設けたダイヤル
スイッチである。
【0063】これらスイッチの状態信号が信号入力回路
104に入力され、データバスによってCPU100に
送信される。
【0064】前記LCD駆動回路105は、液晶表示素
子であるLCDを表示駆動させるための公知の構成より
成るもので、CPU100からの信号に従い、絞り値,
シャッタ秒時,設定した撮影モード等の表示をモニタ用
LCD42とファインダ内LCD24の両方に同時に表
示させることができる。
【0065】前記LED駆動回路106は、照明用LE
D(F−LED)25とスーパーインポーズ用LED1
8,21を点灯,点滅制御する。
【0066】前記IRED駆動回路107は、赤外発光
ダイオード(IRED−1〜8)13a〜13hを状況
に応じて選択的に点灯させる。
【0067】前記シャッタ制御回路108は、通電する
と先幕を走行させるマグネットMG−1と後幕を走行さ
せるマグネットMG−2を制御し、感光部材に所定光量
を露光させる。また、前記モータ制御回路109は、フ
ィルムの巻上げ,巻戻しを行うモータM1と主ミラー2
及びシャッタ4のチャージを行うモータM2を制御する
ためのものである。これらシャッタ制御回路108とモ
ータ制御回路109によって一連のカメラのレリーズシ
ーケンスが動作する。
【0068】次に、上記視線検出装置を備えたカメラの
動作モードの一つであるAFモードに応用した場合の動
作について、図7〜図9のフローチャートに従って以下
に説明する。
【0069】なお、図10,図11はこの際に用いるE
EPROM100aのデータテーブルを示したものであ
る。
【0070】モードダイヤル44を回転させてカメラを
不作動状態(ロック状態)から所定の撮影モードに設定
(ex.プログラムモードに設定)すると、カメラの電
源がONし(ステップ#101)、ステップ#102に
進む。ステップ#102では、EEPROM100aに
記憶されたデータの中でリセットされるべき変数はリセ
ットされ、ステップ#103に進む。ステップ#103
では、CPU100は設定されているカメラの動作モー
ドを読み込む。なお、AFモードはAFモード釦48を
押し、電子ダイヤル44で予め設定されているものとす
る。
【0071】続くステップ#104において、レリーズ
釦41が押されてスイッチSW1がONしているかどう
かの状態を調べ、OFFであればONになるまで、この
検出を繰り返す。そして、該スイッチSW1がONにな
ると、次のステップ#105において、CPU100は
まず測光回路102に信号を送り、ファインダ内の16
領域に対応した被写体輝度を測光し、所定のアルゴリズ
ムにて測光値を演算し、次のステップ#106にて、こ
の測光値に基づいたシャッタ秒時と絞り値をファインダ
内LCD24とモニタ用LED42に表示させる。
【0072】次に、ステップ#107に進み、設定され
ているAFモードの状態判別(ワンショットAF、サー
ボAF初回,サーボAF2巡目)を行い、次のステップ
#108にて、CPU100はEEPROM100aの
データテーブルから図10に示した様に、設定されたA
Fモードに応じた視線検出を実行する検出回数Xiと同
じ位置,領域を連続して注視していた注視回数Yiを読
み込む。
【0073】本実施の形態においては、ワンショットA
FモードとサーボAFモードに応じて視線検出回数と注
視回数を異ならせて設定している。なお、サーボAFモ
ードでは一度合焦するまではワンショットAFモードと
同様な動作をさせるため、最初に合焦させるまでの初回
と、一度合焦した後の2巡目以降の2モードに分けられ
る。
【0074】次にステップ#109にて、視線検出が既
に設定された検出回数Xiだけ実施されたかを確認する
ために検出回数の判定を行う。検出回数が設定された検
出回数Xiよりも少なければステップ#110に進み、
視線検出回路101により公知の視線検出方法に基づい
て撮影者の視線位置を検出する。ここでの視線検出は全
焦点検出点の中から一つの焦点検出点を選択するために
行われる。次にステップ#111に進み、上記視線検出
が成功したかどうかの判定を行い、成功すればステップ
#112に進み、不成功であればステップ#109に戻
る。
【0075】ステップ#112では、検出された視線位
置に最も近い焦点検出点を注視焦点検出点とし、次のス
テップ#113にて、この注視焦点検出点の注視回数を
1カウントアップするとともに、ステップ#114に
て、この注視焦点検出点以外の注視回数を0回にクリア
する。
【0076】次にステップ#115に進み、注視された
回数が設定された注視回数Yiに達したかを判定し、未
だ達していない場合は、ステップ#116に進み、焦点
検出動作が初めてであったかどうか、つまり焦点検出点
が既に選択されていたか、未だ一度も選択されていな
い、すなわち初回であるかを判定する。
【0077】初回でなければ、ステップ#117に進
み、上記ステップ#108にて設定された注視回数Yi
まで注視されていないので、撮影者は未だ焦点検出点を
切り換える意志を持って、その焦点検出点を注視したの
か判断できない為、前回焦点検出を行った焦点検出点に
決定する。
【0078】上記ステップ#116で初回であれば、未
だ何れの焦点検出点も選択されていないので、ステップ
#118で注視された焦点検出点に決定する。
【0079】上記ステップ#115にて注視された回数
が設定された注視回数Yiに達していればステップ#1
19に進み、撮影者は焦点検出点を切り換える意志を持
っていると判断し、焦点検出点を注視した焦点検出点に
切り換える動作を行う。
【0080】以上のステップ#117,#118,#1
19で焦点調節を行うべき焦点検出点が決定されると、
ステップ#120で焦点検出動作を行う。
【0081】次いでステップ#121にて、焦点検出が
できたかどうかを判定し、検出可能であればステップ#
122に進み、検出不能であれば図8のステップ#12
4に進む。
【0082】ステップ#124では、ファインダ内LC
D24を点滅表示させて合焦不能表示を行う。続くステ
ップ#125にて、ワンショットAFモードであったか
を確認し、ワンショットAFモードであれば続くステッ
プ#126にて、レリーズ釦41から手が離れ、スイッ
チSW1がOFFになるまで該スイッチSW1の状態検
知を行い、OFFされると初期状態のステップ#102
に戻る。
【0083】また、上記ステップ#125にてサーボA
Fモードであれば、ステップ#127に進み、レリーズ
釦41が押されている間は常に焦点検出動作を続けるべ
くステップ#109へ戻り、スイッチSW1がOFFし
ていてばステップ#102に戻る。
【0084】前に戻って、ステップ#109にて視線検
出回数が設定された検出回数Xiに達していれば、ステ
ップ#128に進む。そしてこのステップ#128で
は、前述したサーボAFモードでの2巡目以降であるか
判定し、そうであればステップ#129に進み、レリー
ズ釦41から手が離れ、スイッチSW1がOFFするま
で該スイッチSW1の状態検知を行い、OFFされると
初期状態のステップ#102に戻る。
【0085】本実施の形態においては、サーボAFモー
ドでの2巡目では実際にありえない数の検出回数Xiを
EEPROM100aに入れてある為、実際はステップ
#129を実行することはないようになっているが、省
エネの為に視線検出回数を限定することができるように
したものである。
【0086】上記ステップ#128でサーボAFでの2
巡目以降でない場合、すなわちワンショットAFモード
かサーボAFモードの初回の場合は、ステップ#130
に進む。このステップ#130に進んできたのは、設定
回数だけ視線検出動作を行っても視線検出が不可能で焦
点検出点を特定できない場合であり、本実施の形態では
検出回数Xiを2回に設定して、いつまでも視線検出が
できないからといってAF動作が行えなくなるのを避け
ている。ここで全焦点検出点のディフォーカス量を検出
し、続くステップ#131にて焦点検出ができたかどう
かを判定し、一点でも検出可能であればステップ#13
2に進み、いずれも検出不能であればステップ#124
に進む。
【0087】ステップ#132では、検出したディフォ
ーカス量と絶対距離情報も踏まえて主被写体があると思
われる焦点検出点を一つ選択する公知の「自動焦点検出
点選択」を実行し、図8のステップ#122に進む。
【0088】ステップ#122では、焦点検出されたデ
ィフォーカス量によって撮影レンズ1が合焦しているか
否かを判定し、合焦していなければステップ#123に
進み、CPU100は焦点調節回路110に信号を送っ
て、該ディフォーカス量に応じて撮影レンズ1を所定量
だけ駆動させる。撮影レンズ1の駆動後はステップ#1
20に戻り、前述の一連の焦点検出動作を行い、再びス
テップ#122にて合焦していると判定されると、ステ
ップ#133に進む。
【0089】ステップ#133では、上記ステップ#1
05と同様に測光を行い、露出制御値を演算すると次の
ステップ#134へ進み、ここではこの測光値に基づ
き、被写体に対して適切な明るさになるように焦点検出
点マーク200〜204のいずれかの合焦した焦点検出
点のスーパーインポーズ用LED21を駆動させ、合焦
点表示を行なう。
【0090】続くステップ#135では、ファインダ内
LCD24とモニタ用LCD42に露出制御値を表示す
る。次のステップ#136では、サーボAFモードであ
るかを判別し、サーボAFモードであればステップ#1
37に進み、サーボAF動作を続けるか判別を行うべく
スイッチSW1の状態を判別し、該スイッチSW1がO
FFであればステップ#102に戻り、一方ONであれ
ば次のステップ#138でその条件下で露光動作を行う
かどうか判別を行うべくレリーズスイッチSW2の状態
を調べる。ここで、レリーズスイッチSW2がONであ
れば、ステップ#139に進み、ここでCPU100は
シャッタ制御回路108,モータ制御回路109,絞り
駆動回路111にそれぞれ信号を送信して、一連のレリ
ーズシーケンスの動作を行う。
【0091】更に詳述すると、まずモータM2に通電し
て主ミラー2をアップさせ、次に前記露出値に基づいて
絞り31を絞り込んだ後、マグネットMG1に通電して
シャッタ4の先幕を開放する。続いて前記露出値のシャ
ッタ秒時経過後、マグネットMG2に再度通電し、ミラ
ーダウン,シャッタチャージを行うと共に,モータM1
にも通電し、フィルムの駒送りを行い、一連のレリーズ
シーケンスを終了する。
【0092】ステップ#138でレリーズスイッチSW
2がONしていないとステップ#140へ進み、「サー
ボAF2巡目以降のモード」であることのフラグを立
て、図7のステップ#107に戻る。
【0093】前に戻って、上記ステップ#136でワン
ショットAFモードであればステップ#141に進み、
撮影レンズの焦点位置をロックし、また前記測光値をロ
ックする。次にステップ#142に進み、視線入力指標
を注視すると所定の機能を動作させる視線入力機能を開
始させる動作のステータスに入り、図11に示すように
EEPROM100aのデータテーブルから開始動作時
と終了動作時のそれぞれの視線検出回数Xiと注視回数
Yiを読み込む。なお、本実施の形態では、視線入力機
能として被写界深度確認機能を設定している場合につい
て説明する。
【0094】次のステップ#143にてスイッチSW1
の状態を判別し、該スイッチSW1がOFFであればス
テップ#102に戻り、ONであれば次のステップ#1
44でレリーズスイッチSW2の状態を調べる。ここ
で、レリーズスイッチSW2がONであればステップ#
145に進み、ステップ#139と同じ一連のレリーズ
シーケンスの動作を行い、OFFであればステップ#1
46に進む。
【0095】ここまでのシーケンスで視線入力機能はワ
ンショットAFモードでAF合焦後、スイッチSW1の
みONしているシャッタ釦41が半押し状態のときの
み、入力できるようになっていることがわかる。
【0096】ステップ#146では、既に視線検出が先
程読み込まれて設定された視線入力機能を開始させる動
作の際の検出回数Xiまで実行されたかを確認するため
に検出回数の判定を行なう。検出回数が設定された検出
回数Xiよりも少なければステップ#147に進み、上
記ステップ#110と同様に視線検出回路101により
撮影者の視線位置を検出する。ここではステップ#11
0とは異なり、視線検出は視線入力指標205を注視し
て視線入力機能を動作させるか否かのスイッチ動作のた
めに行われる。検出回数が設定された検出回数Xiに達
していればステップ#143に戻る。
【0097】ステップ#148では、視線検出が成功し
たかどうか判定し、成功すればステップ#149に進
み、不成功であればステップ#143に戻り、設定検出
回数まで一連の視線検出動作を繰り返す。次のステップ
#149では、検出された視線位置が視線入力指標20
5上、又は近傍にあり、撮影者が視線入力指標205を
注視ししていたかを判別する。注視していたと判定され
るとステップ#150に進み、視線入力機能動作での注
視回数を1カウントアップする。注視していなければス
テップ#151にて、視線入力機能動作での注視回数を
0回にクリアにし、ステップ#143に戻る。
【0098】続いてステップ#152に進み、注視され
た回数が設定された注視回数Yiに達したかを判定し、
未だ達していない場合はステップ#143に戻り、達し
ていればステップ#153に進む。
【0099】ステップ#153では、CPU100はL
ED駆動回路106に信号を送り、LED18(LED
−S)によって視線入力指標を所定時間照明し、撮影者
が視線入力機能を受けつけたことを確認できるように表
示を行う。この表示も又、前記ステップ#133で得ら
れた測光領域C13の測光値に対応した公知の輝度変調
制御にてLED18を発光させる。
【0100】上記表示が終了すると、ステップ#154
に進み、予め撮影モードによって設定された絞り値、又
はステップ#133で演算された絞り値に基づいてCP
U100は制御信号を生成して絞り駆動回路111に送
り、絞り31を所定開口まで駆動する(図3のように表
示された場合はF11まで絞られる)。
【0101】これにより、露光時と同一条件の光束によ
る被写体像をファインダスクリーン7上に形成し、被写
界深度確認が行うことができる。
【0102】絞り込み動作が完了すると次に図9のステ
ップ#155に進み、今度は視線入力機能を終了させる
動作のステータスに切り換わり、次のステップ#156
でレリーズスイッチSW2の状態を調べる。ここで、レ
リーズスイッチSW2がONであれば、ステップ#15
7に進み、ステップ#139と同じ一連のレリーズシー
ケンスの動作を行い、OFFであればステップ#158
に進む。
【0103】ステップ#158では、既に視線検出が先
程読み込まれて設定された視線入力機能を終了させる動
作の際の検出回数Xiまで実行されたかを確認するため
に検出回数の判定を行なう。検出回数が設定された検出
回数Xiよりも少なければステップ#159に進み、上
記ステップ#110と同様に視線検出回路101により
撮影者の視線位置を検出する。ここでの視線検出は視線
入力指標205を注視して視線入力機能を終了させるか
否かのスイッチ動作のために行われる。
【0104】続くステップ#160では、検出された視
線位置が視線入力指標205上、又は近傍にあり、撮影
者が視線入力指標205を注視していたかを判別する。
注視していたと判定されるとステップ#161に進み、
視線入力機能の終了動作での注視回数を1カウントアッ
プし、ステップ#163へ進む。注視していなければス
テップ#162にて、視線入力機能の終了動作での注視
回数を0回にクリアにし、ステップ#156に戻る。
【0105】ステップ#163では、注視された回数が
設定された注視回数Yiに達したかを判定し、未だ達し
ていない場合はステップ#156に戻り、既に達してい
ればステップ#164に進む。
【0106】ステップ#164では、上記ステップ#1
53と同様に視線入力指標205を所定時間照明し、撮
影者が視線入力機能が解除されたことを確認できるよう
に表示を行う。しかしステップ#153の表示とは異な
り、より長い時間照明するか、数回点滅させるほうがよ
り効果的である。上記表示が終了すると、ステップ#1
65に進み、CPU100は制御信号を生成して絞り駆
動回路111に送り、絞り31を開放に戻す駆動をす
る。
【0107】また、前述のステップ#158にて検出回
数が設定された検出回数Xiに達していれば同様にステ
ップ#165に進み、絞り31が開放となる。
【0108】本実施の形態においては、終了動作時の設
定回数Xiを64回に設定しているが、これは1回の視
線検出時間が150ms程度であるとすると約10秒に
設定されていることに等しく、ステップ#154で絞り
込み動作が開始されてから何も操作されなくても自動的
に10秒にて絞りが開放に戻されるようになっている。
絞りが開放されるとステップ#102に戻り、一連のシ
ーケンスが終了したことになる。
【0109】以上この実施の第1の形態において、視線
検出動作が焦点検出点の選択のために用いられる時は、
AFモードに応じて焦点検出点を決定するための撮影者
の視線の注視回数を変えており、ワンショットAFモー
ドやサーボAFモードの初期はレリーズ釦が押された時
には撮影したい被写体を見ているという特性を利用し
て、1回ないし2回の注視で焦点検出点を決定している
のに対して、サーボAFモードで一度焦点検出点が決定
された後はチラッと視線を動かしたり、無意識に視線を
向けた場合には焦点検出点の変更を許可しないように前
者より多い注視回数に設定している。
【0110】さらに視線入力機能を動作させる際にはそ
の動作を開始させる時と終了させる時とで注視回数を変
えており、例えば動作開始は素早く入力できるように、
動作終了させる時には無意識に終了してしまうことがな
いように、後者の注視回数を多めに設定しているもので
ある。
【0111】この実施の第1の形態においては、AFモ
ードに応じて視線検出回数Xiと注視回数Yiをそれぞ
れ設定していたが、これに限るものではなく、他の応用
としては、例えば図12のEEPROM100aのデー
タテーブルに示すように、サーボAFモード2巡目の視
線検出回数Xiと注視回数Yiをモードダイヤル44で
選択する撮影モードに応じて設定することもできる。
【0112】また、Tv優先モードでは、被写体が動体
の場合が多いため、比較的焦点検出点の変更を容易に切
り換えられるようにし、スポーツモードでの撮影の場合
は、被写体の動きがかなり早く、頻繁に動く一方、撮影
者が主被写体をずーっと注視する場合が多いので、被写
体に追従するためには僅かな時間の視線移動に対しても
焦点検出点を変更することが必要である。この為に最も
焦点検出点の変更が容易な設定となっている。
【0113】Av優先モードでは、あまりサーボAFモ
ードに設定される機会が少ないのであるが、動きのない
被写体の場合が多く、一般に視線の動きは構図決定の為
になされるので最も焦点検出点の変更がされにくい設定
になっている。
【0114】その他の撮影モードは、前述の実施の形態
と同じ回数となっている。視線入力機能については撮影
モードに応じて注視回数設定する必要はないが、前述の
実施の形態において、図12に示すように視線検出回数
Xiを撮影モードに応じて設定している。つまり、一般
的に被写界深度確認を行わせる機会が多い撮影モードの
Av優先モードとマニュアル露出モードにのみ実行さ
せ、他のモードでは実行しないように設定することがで
きるようになっている。
【0115】更に同様に、図13のEEPROMのデー
タテーブルに示すように、給送モード釦47で設定する
フィルム給送モードに応じて注視回数Yiを設定するこ
ともできる。ここでは動きの早いもの程高速に連写する
ものと考え、高速連写モードでは焦点検出点の変更を容
易に切り換えられるようにし、単写/セルフモードでは
焦点検出点の変更がされにくい設定となっている。
【0116】なお、視線入力機能において、入力された
か否かの制御方法として注視回数を開始時と終了時とで
変えていたが、視線入力されたと判断する視線位置の領
域すなわち入力領域を変えてもよい。つまり、開始時は
入力し易くなるように入力領域を広く、終了時は入力し
づらくなるように、入力領域を狭くすることもできる。
【0117】(実施の第2の形態)次に、本発明の実施
の第2の形態として視線検出装置を備えたカメラの他の
動作モードの一つである測光モードに応用した場合につ
いて説明する。
【0118】図14及び図15はこの時の動作を示すフ
ローチャートを、図16はこの時用いるEEPROM1
00aのデータテーブルを示したものである。
【0119】図14及び図15において、上記実施の第
1の形態と全く同じフローについては説明を省略し、特
徴的なフローのみ説明する。
【0120】図14のステップ#201から#204ま
では、図7のステップ#101から#104までと全く
同じである為、省略する。
【0121】ステップ#204でスイッチSW1がON
になると、ステップ#205に進み、CPU100はま
ず測光回路102に信号を送り、設定された測光モード
に応じてファインダの16分割領域に対応した被写体輝
度を測光する。この時、評価測光モード,平均測光モー
ド,部分測光モードとも中央領域A0に重み付けをした
アルゴリズムにて露出値を演算する。
【0122】例えば評価測光モードでは Be=〔A0×3+{(A1+A2+B5+B6+B7)/5}×2+{(A3 +A4+B8+
B9+B10+B11+C12+C13+C14+C15) /10} ×1 〕÷6 といった演算式に基づいて露出値を決定する。なお、上
記の式では図3で示した各測光領域における測光値をA
0〜A4、B5〜B11、C12〜C15として示して
いる。
【0123】次のステップ#206では、露出制御値で
あるシャッタ秒時と絞り値をファインダ内LCD24と
モニタ用LCD42に表示させる。次にステップ#20
7に進み、設定されている測光モードの状態判別を行
い、次のステップ#208にてCPU100はEEPR
OM100aのデータテーブルから図16に示したよう
に設定された測光モードに応じた視線検出回数Xiと注
視回数Yiを読み込む。この実施の形態においては、評
価測光モード,部分測光モードと平均測光モードに応じ
て視線検出回数と注視回数を異ならせて設定している。
【0124】次にステップ#209にて視線検出が既に
設定された回数まで実施されたかを確認するために検出
回数の判定を行う。検出回数が設定された検出回数Xi
よりも少なければステップ#210に進み、視線検出回
路101により公知の視線検出方法に基づいて撮影者の
視線位置を検出する。ここで、視線検出は焦点検出点に
対応する測光領域A0〜A4の中から前記の測光演算に
おいて一番重み付けすべき一つの測光領域を選択するた
めに行われるものである。
【0125】次にステップ#211に進み、上記視線検
出が成功したかどうかの判定を行い、成功すればステッ
プ#212に進み、不成功であればステップ#209に
戻る。
【0126】ステップ#212では、検出された視線位
置に最も近い測光領域を注視測光領域とし、次のステッ
プ#213にて、この注視測光領域の注視回数を1カウ
ントアップするとともにステップ#214にて、この注
視測光領域以外の注視回数を0回にクリアする。
【0127】次にステップ#215に進み、注視された
回数が設定された注視回数Yiに達したかを判定し、未
だ達していない場合は、ステップ#216に進み、設定
された注視回数Yiまで注視されていないので、撮影者
が測光領域を切り替える意志を持ってその測光領域を注
視したのか判断できない為、前回重み付けを行った測光
領域を測光領域に決定する。
【0128】上記ステップ#215にて注視された回数
が設定された注視回数Yiに達していればステップ#2
17に進み、撮影者は測光領域を切り換える意志を持っ
ていると判断し、重み付けする測光領域を注視した測光
領域に切り換える動作を行う。
【0129】前に戻って、ステップ#209にて検出回
数が設定された回数に達していればステップ#218に
進み、重み付け領域を中央測光領域A0に決定する。な
お、平均測光モードが設定されていると、図16のデー
タテーブルで分かるように視線検出回数が0になってい
る為、視線位置によって中央測光領域以外の測光領域に
重み付けを変えることは行わないようになっている。
【0130】以上のステップ#216,#217,#2
18で重み付けをすべき測光領域が決定されると、ステ
ップ#219にて焦点検出動作を行い、続くステップ#
220で焦点検出ができたかを判定し、検出可能であれ
ば図15のステップ#221に進み、検出不能であれば
ステップ#223に進む。
【0131】ステップ#223では、ファインダ内LC
D24を点滅表示させて合焦不能表示を行ない、続くス
テップ#224にて、レリーズ釦41から手が離れ、ス
イッチSW1がOFFになるまで該スイッチSW1の状
態検知を行い、OFFされると初期状態のステップ#2
02に戻る。
【0132】図14のステップ#221と#222は、
図8のステップ#122と#123と同じであるので説
明を省略する。
【0133】ステップ#222にて合焦していると判定
されると、ステップ#225に進む。ステップ#225
では、上記ステップ#105と同様に分割された領域に
対応した測光動作を行い、次にステップ#226に進
み、決定されたされた重み付けをすべき測光領域に基づ
き、予め設定された測光モードに応じて露出制御値を演
算する。
【0134】ここで一例として、ファインダ上で左にあ
るA3の測光領域が重み付けすべき測光領域とされた時
の各測光モードの演算式を以下に示す。
【0135】1)評価測光モード Be=〔A3×3+{(A1+B6+B8+B9)/4} ×2 +{(A0+A2+A4+B5
+B7+B10+B11+C12+C13+C14+C15) /11}×1 〕÷6 2)部分測光モード Be=〔A3×2+{(A1+B6+B8+B9)/4} ×1 〕÷3 3)平均測光モード Be=〔{(A0+A1+A2+B5)/4} ×2 +{(A3+A4+B6+B7+B8+B9
+B10+B11+C12+C13+C14+C15) /12}×1 〕÷3 以上のいずれかで演算されるとと、次のステップ#22
7にて、ファインダ内LCD24とモニタ用LCD42
に露出制御値を表示する。するとステップ#228にて
スイッチSW1の状態を判別し、該スイッチSW1がO
FFであればステップ#202に戻り、ONであれば次
のステップ#229でその条件下で露光動作を行うかど
うか判別を行うべくレリーズスイッチSW2の状態を調
べる。ここで、レリーズスイッチSW2がONであれ
ば、ステップ#230に進み、ステップ#139と同じ
く、一連のレリーズシーケンスの動作を行う。
【0136】以上の実施の第2の形態において、視線検
出動作が測光値を決定するアルゴリズムにおいて重み付
けすべき測光領域の選択のために用いられる時は、測光
モードに応じて測光領域を決定/変更する視線の注視回
数を変えており、評価測光モードの時には、重み付け測
光領域が、チラッと視線を動かしたり、無意識に視線を
向けた場合に変更を許可しないように設定し、部分測光
モードの時には、被写体の各所の部分的な輝度を知りた
い為に用いるものであることから、素早く測光領域が切
り換るように、前者より少ない注視回数に設定してい
る。
【0137】(実施の第3の形態)次に、視線情報によ
って機能を制御する際の制御方法を変更する変更手段に
関する、本発明の実施の第3の形態について説明する。
【0138】前述の実施の第1,題2の形態では、視線
情報による制御方法(注視回数、検出回数)をAFモー
ドや測光モードに応じて変更しているが、この場合はカ
メラがあらかじめ設定した内容で制御するようになって
いるのに対して、この実施の第3の形態では、撮影者が
外部操作手段により任意に、この制御方法を変更できる
ようにしたものである。
【0139】具体的には、実施の第1,第2の形態で示
した視線情報によって制御する制御方法として利用する
注視回数を撮影者がカメラ内にあらかじめ設定された機
能から好みや状況によって任意に選択して使用できる、
いわゆるカスタムファンクションモードで変更できるよ
うにしたものである。
【0140】図17はカスタムファンクション設定モー
ドでのモニタ用LCD42の表示状態を示した図であ
る。
【0141】図5のモードダイヤル44を回転させてロ
ック位置から外し、カスタムファンクション選択モード
のマーク44fを指標55に合わせると、モニタ用LC
D42には、7セグメント表示部42bを用いて、カス
タム機能の種類を示すカスタムファンクションナンバー
「CFNo」とハイフォンの右側にその設定状況が表示
される。
【0142】例えば図17(a)に示すように「CF1
−0」と表示されると、「カスタムファンクションN
o.1」の機能が「0」、すなわちデフォルトの設定状
態となっている事を示している。「0」以外であれば、
その機能のいづれかが働くようになっている。ここで電
子ダイヤル45を回転させると、図17(a)→(b)
→(c)→(d)→(e)→(f)→(a)の順に「C
FNo」とその設定状況が表示される。
【0143】この実施の形態では、「CF1」〜「CF
6」までの6種類の機能について、その機能を「働かせ
る」または「働かせない」のいずれか、或は、複数の選
択肢の中の一つを選択することが可能となっている。
【0144】例えば、「CF1」では本発明による視線
情報によって制御する制御方法としての注視回数を選択
することができるし、「CF2」ではフィルム巻き戻し
時にパトローネ内にリーダー部を「巻き込む」又は「巻
き込まない」のいずれかを選択することができるように
なっている。
【0145】そこで、この実施の第3の形態では、上記
実施の第1の形態において説明したサーボAFモード時
の2巡目以降の注視回数をカスタムファンクション1で
選択設定することについて説明する。
【0146】図18は注視回数をカスタムファンクショ
ンで選択設定する際のモニタ用LCD42の表示状態を
示した図で、図18(a)は図17(a)と同一であ
り、設定状況が「0」と表示されているので、サーボA
Fモード時の注視回数をディフォルト値として4回とな
るようにした。すなわち、撮影者がカスタムファンクシ
ョンを設定しなければ、サーボAFモード時の注視回数
は4回に固定されることになる。
【0147】ここで、AEロック/CF設定釦43(S
W−AEL)を押すと、図18(b)に示すように設定
状況が「1」に切り換わり、点滅表示する。この場合、
注視回数は1回に変更される。さらにAEロック/CF
設定釦43を押すと図18(c)に示すように設定状況
が「2」に切り換わり、注視回数は2回に変更される。
このようにして順次AEロック釦を押すことによって設
定状況を示す数字と同じ数だけの注視回数に変更するこ
とができるようになっており、本実施の形態では5回ま
で変更可能で、更にAEロク/CF設定釦43を押す
と、ディフォルトの「0」に戻る。
【0148】なお、設定状況「4」もディフォルトと同
じ4回となる。これら図18(a)〜(f)のいずれか
の状態でモードサイヤル44をカスタムファンクション
選択モードから外し、撮影モードに復帰させることによ
って図18(a)〜(f)のいずれかで示された注視回
数でサーボAFモード時の焦点検出点の変更が制御され
るように設定される。
【0149】それぞれの注視回数が設定されたときの動
作については、実施の第1の形態の図7〜図9のフロー
チャートに示した通りである。
【0150】なお、本実施の形態では注視回数を5回ま
でに限定したが、もちろんその限りでなく、EEPRO
M100aの容量の許すかぎり必要な回数だけ増やすこ
とは可能である。又奇数回偶数回の設定だけにしても良
いし、必ずしも設定状況を示す数字と設定回数を同じに
する必要はなく、あらかじめ約束事として決めておけば
「1」=5回、「2」=10回・・・とすることもでき
る。
【0151】ところで、注視回数を任意に設定できるの
で、撮影者の個性や眼の動きの特性に関わらず最適な制
御が行えるのであるが、撮影者が変わったときなどはそ
の度に変更しなければならず、煩わしくなってしまう。
【0152】そこで、このカスタムファンクションで設
定した注視回数を視線検出時に必要となる個人差補正の
データと対応させて、データのIDに相当するキャリブ
レーションナンバーに合わせて記憶させることによっ
て、その撮影者が視線検出動作を行わせる時には自動的
にカスタムファンクションで設定した注視回数に切り換
わるようにしている。
【0153】このカスタムファンクションで設定した注
視回数を記憶させる動作を個人差補正データを取得する
キャリブレーション動作の中で行い、図19にそのフロ
ーチャートに示す。
【0154】モードダイヤル44を回転させて「CA
L」ポジション44gを指標55に合わせると、ステッ
プ#301でキャリブレーションを実行するタイマがス
タートし、ステップ#302へ進む。ステップ#302
では、個人差補正のデータのIDに相当するキャリブレ
ーションナンバーをファインダ内LCD24,モニタ用
LCD42に「CAL−No」として表示し、キャリブ
レーションモードであることを表示する。これは個人差
補正のデータとして登録することが必要と思われる人数
分だけ用意されている。
【0155】次にステップ#303に進み、電子ダイヤ
ル45が操作されているかを調べ、操作されるとステッ
プ#304へ進み、キャリブレーションナンバー「CA
L−No」を変更し、ステップ#302ヘ戻る。操作さ
れていなければキャリブレーションナンバーをセット
し、ステップ#306に進む。ステップ#306では、
LED駆動回路106はスーパーインポーズ用LED2
1(LED−R2)を点滅させ、ファインダ視野内の右
端の焦点検出点204を点滅表示させる。
【0156】次に、ステップ#307に進み、AEロッ
ク/CF設定釦43(SW−AEL)が押されたかを調
べ、押されたらステップ#308に進み、前述の「CF
1」の機能である視線情報である注視回数の設定状態を
表示する。つまり、図18のいずれかが表示される。
【0157】次にステップ#309にて、「CF1」に
設定されている注視回数のデータYiをセットされたキ
ャルブレーションナンバーのEEPROM100aのア
ドレスに記憶するとスタンバイ状態になり、モードダイ
ヤル44が操作されるまで待機する。上記ステップ#3
07でAEロック/CF設定釦43(SW−AEL)が
押されていなかったら、ステップ#310に進み、スイ
ッチSW1がONされているか判断する。OFFしてい
ればステップ#311に進み、ステップ#301でスタ
ートしたキャリブレーションタイマが所定時間経過して
いるかを調べ、既に経過していればスタンバイ状態とな
る。所定時間経過していなければ、ステップ#307へ
戻る。
【0158】ステップ#310でスイッチSW1がON
されていれば、視線検出を行うべくステップ#312へ
進む。ここでキャリブレーション操作においてスイッチ
SW1を押した時には点滅表示している焦点検出点を注
視することを約束付けられており、この時撮影者は焦点
検出点204を注視していると判断して、視線検出を行
った後、ステップ#313にて焦点検出点204を注視
したときの眼の回転角とその状況で点灯させたIRED
をメモリする。
【0159】次にステップ#314に進み、スイッチS
W1がOFFされるまでスイッチSW1の状態を調べ続
ける。スイッチSW1をOFFするとステップ#315
へ進み、LED駆動回路106はスーパーインポーズ用
LED21(LED−L2)を点滅させ、ファインダ視
野内の左端の焦点検出点200を点滅表示させ、ステッ
プ#316へ進む。ここで前述の焦点検出点204を注
視した時の回転角をメモリしたのと同様にステップ#3
16〜319において焦点検出点200を注視した時の
回転角(左)を検出し、メモリする為の動作を行う。
【0160】そしてステップ#320へ進み、2つのメ
モリされた回転角より視線検出時に必要となる個人差補
正のデータとして、検出される眼球光軸と実際の視線方
向である視軸とのずれ量及び単位回転角当たりの視軸の
移動量を算出する。次にステップ#321に進み、算出
された個人差補正のデータの信頼性を判定し、適正であ
ればステップ#322へ進み、ステップ#309と同じ
く、「CF1」に設定されている注視回数のデータYi
をセットされたキャルブレーションナンバーのアドレス
に記憶する。これはキャリブレーションモードにおいて
前述の注視回数をキャリブレーションナンバーに対応さ
せて記憶させるのを、AEロック/CF設定釦を押すこ
とによるだけでなく、キャリブレーション動作を行い、
個人差補正データを取得させた時に自動的に設定するこ
ととの両方で行えるようになっている。
【0161】次にステップ#323に進み、検出時に点
灯させたIRED13の組み合わせ及び個人差補正デー
タをキャリブレーション値としてEEPROM100a
に記憶させる。次いでステップ#324へ進み、キャリ
ブレーション動作が終了したことを示す「END表示」
を所定時間行い、スタンバイ状態となる。またステップ
#321でデータが不適正であればステップ#325へ
進み、キャリブレーション動作が不成功であったことを
示す「NG表示」を所定時間行い、ステップ#301へ
戻り、キャリブレーション動作を繰り返す。
【0162】このように実施の第3の形態では、サーボ
AFモード時に焦点検出点の変更を制御する際の注視回
数を撮影者がカメラ内にあらかじめ設定された機能から
好みに応じて任意に選択して使用できる、いわゆるカス
タムファンクションモードで変更できるようにしたの
で、実施の第1の形態よりも更に多彩な場合に、かつ細
かな制御を行うことができる。
【0163】また、視線の動きは個人個人によって異な
るものであるが、各々の撮影者に対応した注視回数が設
定される事になるので、サーボAFモード動作をその撮
影者にとって最適な動作となるようにする事ができるも
のである。
【0164】本実施の形態においては、カスタムファン
クションで変更する事で本体の操作部材を新たに増やす
必要がなかったが、勿論変更するための専用部材として
のスイッチや釦を設けてもよい。
【0165】以上の実施の各形態例によれば、視線情報
によってカメラの撮影機能を制御するカメラにおいて、
AFモード,測光モード,給送モードや撮影モードとい
ったカメラの動作モードに応じて、焦点検出点や測光領
域を決定/変更するといった視線情報によって制御され
る機能の制御方法である視線の注視回数を変えること
で、それぞれの動作モードで想定される撮影シーンに対
して最適な制御をさせることができるため、撮影者の意
志通りに被写体の追従性が良いAFシステムや撮影シー
ンに適したAEシステムが可能となるといった効果があ
る。
【0166】さらに、視線情報によってカメラの撮影機
能を制御するカメラにおいて、焦点検出点や測光領域を
決定/変更する視線の注視回数を撮影者自身が任意に設
定できるため、撮影者の個性や眼の動きの特性に合わせ
た最適な制御が行え、撮影者の意志通りに機能する操作
性の良いAFシステムやAEシステムが可能となる効果
があるとともに、設定した注視回数を個人差補正データ
に対応させたため、撮影者が変わっても注視回数を設定
し直す煩わしさがないといった操作性上の効果もある。
【0167】更に、カメラの動作モードに応じて焦点検
出点や測光領域を決定/変更する視線の視線検出回数も
変える事によって効率の良い視線検出動作が可能となる
といった効果がある。
【0168】更に、ファインダ視野内に設けた視線入力
指標の近傍に撮影者の視線位置があると検出されると所
定の機能を動作させる視線入力機能において、動作を開
始させる時と終了させる時とで視線入力を受けつける注
視回数を変える事で、開始動作は素早く入力できるが、
終了動作はかなり意識させて入力するようにするといっ
たように機能の性格によってによって視線入力機能の操
作性を向上させることができるといった効果がある。
【0169】なお、上記実施の第1〜第3の形態におい
て、視線位置の情報によって制御される機能の制御方法
として注視回数を用いたが、所定時間入力領域を注視し
ていたかという注視時間を用いて、制御を行ってもよ
い。
【0170】(発明と実施の形態の対応)上記実施の各
形態において、AFモード,測光モード,給送モードや
撮影モードが本発明の動作モードに相当し、CPU10
0が本発明の制御手段に相当し、CPU100,EEP
ROM100a,AEロック/CF設定釦43が本発明
の変更手段に相当する。
【0171】以上が実施の形態の各構成と本発明の各構
成の対応関係であるが、本発明は、これら実施の形態の
構成に限定されるものではなく、請求項で示した機能、
又は実施の形態が持つ機能が達成できる構成であればど
のようなものであっても良い事は言うまでもない。
【0172】(変形例)本発明では、一眼レフカメラに
適用した例を説明してきたが、これに限定されるもので
はなく、ビデオカメラやスチルビデオカメラ等の映像機
器はもちろん、ファインダ装置を持つ光学測定器や医療
機器等に適用しても良い。さらには、顕微鏡,ヘッドマ
ウントディスプレイ装置,ゲーム機にも適用可能であ
る。
【0173】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
該光学装置の動作モードに応じて視線位置の情報によっ
て動作する機能の制御方法を変更できるようにしてい
る。
【0174】よって、観察者が特別な操作をすることな
く、様々な観察対象物の動きや観察シーンに対しても、
視線位置の情報によって制御される機能が適切に動作
し、観察者の意志通りに機能するといった効果がある。
【0175】また、本発明は、観察者が外部から操作す
ることによって任意に変更できる外部操作部材を備え、
さらには眼球の個人差による視線の検出誤差を補正する
補正データを取得する個人差補正手段と、前記補正デー
タを記憶する記憶手段とを備え、前記外部操作部材で変
更された内容を前記補正データと対応して記憶するよう
にしている。
【0176】よって、観察者の個性や目の動きの特性に
対しても、視線位置の情報によって制御される機能が適
切に動作し、観察者の意志通りに機能すると共に、観察
者が変わっても容易に対応することができるといった効
果がある。
【0177】また、本発明は、該光学装置の動作モード
に応じて視線の注視回数と検出回数を変更できるように
している。
【0178】よって、視線検出動作に無駄のない効率の
良い装置を提供することができるといった効果がある。
【0179】また、本発明は、ファインダ手段の視野内
に具備される視線入力指標と、視線検出手段によって前
記視線入力指標もしくはその近傍に観察者が注視したと
検出された場合、前記光学装置の所定の機能を動作さ
せ、前記機能が動作後に再度前記視線入力指標に観察者
が注視した場合、前記機能を終了する視線入力手段とを
設け、前記機能の動作を開始する制御方法と終了する制
御方法を異ならすようにしている。よって、観察者の視
線位置が指標にあると所定の機能を動作させる視線入力
機能の操作性を向上させるといった効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を一眼レフカメラに適用した場合の実施
の第1の形態を示す要部構成図である。
【図2】図1のカメラの後方から見た断面図である。
【図3】図1のカメラのファインダ視野を示す図であ
る。
【図4】図1のカメラの上面及び背面を示す図である。
【図5】図1のカメラのモードダイヤルを示す平面図で
ある。
【図6】図1のカメラの電気的構成の要部を示すブロッ
ク図である。
【図7】本発明の実施の第1の形態におけるカメラの動
作の一部を示すフローチャートである。
【図8】図7の動作の続きを示すフローチャートであ
る。
【図9】図8の動作の続きを示すフローチャートであ
る。
【図10】本発明の実施の第1の形態におけるカメラの
AFモードでのEEPROMのデータテーブルである。
【図11】本発明の実施の第1の形態におけるカメラの
視線入力機能でのEEPROMのデータテーブルであ
る。
【図12】本発明の実施の第1の形態におけるカメラの
撮影モードでのEEPROMのデータテーブルである。
【図13】本発明の実施の第1の形態におけるカメラの
給送モードでのEEPROMのデータテーブルである。
【図14】本発明の実施の第2の形態におけるカメラの
動作の一部を示すフローチャートである。
【図15】図14の動作の続きを示すフローチャートで
ある。
【図16】本発明の実施の第2の形態におけるカメラの
測光モードでのEEPROMのデータテーブルである。
【図17】本発明の実施の第3の形態におけるカメラの
カスタムファンクション選択モードでのモニタ用LCD
の表示状態を示す図である。
【図18】本発明の実施の第3の形態におけるカメラの
カスタムファンクション選択モードで選択設定する際の
モニタ用LCDの表示状態を示す図である。
【図19】本発明の実施の第3の形態におけるカメラの
主要部分の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
6 焦点検出装置 14 イメージセンサ 41 レリーズ釦 42 モニタ用LCD 43 AEロック/CF設定釦 44 モードダイヤル 47 給送モード釦 48 AFモード釦 49 測光モード釦 100 CPU 100a EEPROM 101 視線検出回路 103 焦点検出回路 200〜 204 焦点検出点 205 視線入力指標

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 該光学装置の動作モードに応じて、視線
    位置の情報によって動作する機能の制御方法を変更でき
    るようにしたことを特徴とする視線検出機能付光学装
    置。
  2. 【請求項2】 対象物を観察するためのファインダ手段
    と、ファインダ視野を覗く観察者の視線位置を検出する
    視線検出手段とを備えた視線検出機能付光学装置におい
    て、該光学装置の所定の動作を働かせる動作モードと前
    記視線位置の情報によって該光学装置の機能を制御する
    制御手段と、前記動作モードに応じて、前記視線位置の
    情報によって該光学装置の機能を制御する制御方法を変
    更する変更手段とを設けたことを特徴とする視線検出機
    能付光学装置。
  3. 【請求項3】 複数の焦点検出点を持つ焦点検出手段を
    備え、前記制御手段は、前記焦点検出点のいずれかを選
    択することを特徴とする請求項2記載の視線検出機能付
    光学装置。
  4. 【請求項4】 ファインダ内の複数の領域の輝度を測光
    し、該測光値を基に所定の演算を行い対象物の輝度を決
    定する測光手段を備え、前記制御手段は、前記領域のい
    ずかを選択するか、演算時に重み付けを行うことを特徴
    とする請求項2記載の視線検出機能付光学装置。
  5. 【請求項5】 前記制御方法は、ファインダ内の所定位
    置を注視していた回数もしくは注視していた時間のいず
    れかであることを特徴とする請求項2,3又は4記載の
    視線検出機能付光学装置。
  6. 【請求項6】 前記変更手段は、観察者が外部から操作
    することによって任意に変更できる外部操作部材を備え
    ていることを特徴とする請求項2,3,4又は5記載の
    視線検出機能付光学装置。
  7. 【請求項7】 眼球の個人差による視線の検出誤差を補
    正する補正データを取得する個人差補正手段と、前記補
    正データを記憶する記憶手段とを備え、前記外部操作部
    材で変更された内容を前記補正データと対応して記憶す
    ることを特徴とする請求項6記載の視線検出機能付光学
    装置。
  8. 【請求項8】 上記請求項2,3,4,5,6又は7記
    載の光学装置を具備したことを特徴とするカメラ。
  9. 【請求項9】 前記動作モードは、カメラの撮影モー
    ド,AFモード,測光モード又はフィルム給送モードの
    いずれかであることを特徴とする請求項8記載のカメ
    ラ。
  10. 【請求項10】 該光学装置の動作モードに応じて、視
    線の注視回数と検出回数を変更できるようにしたことを
    特徴とする視線検出機能付光学装置。
  11. 【請求項11】 対象物を観察するためのファインダ手
    段と、ファインダ視野を覗く観察者の視線位置を検出す
    る視線検出手段とを備えた視線検出機能付光学装置にお
    いて、該光学装置の所定の動作を働かせる動作モード
    と、前記ファインダ内の所定位置を注視していた回数に
    よって該光学装置の機能を制御する制御手段と、前記動
    作モードに応じて、前記注視回数と視線の検出回数を変
    更する変更手段とを設けたことを特徴とする視線検出機
    能付光学装置。
  12. 【請求項12】 対象物を観察するためのファインダ手
    段と、ファインダ視野を覗く観察者の視線位置を検出す
    る視線検出手段とを備えた視線検出機能付光学装置にお
    いて、前記ファインダ手段の視野内に具備される視線入
    力指標と、前記視線検出手段によって前記視線入力指標
    もしくはその近傍に観察者が注視したことが検出された
    場合、該光学装置の所定の機能を動作させ、前記機能の
    動作後に再度前記視線入力指標に観察者が注視した場
    合、前記機能を終了する視線入力手段とを設け、前記機
    能の動作を開始する制御方法と終了する制御方法を異な
    らしたことを特徴とする視線検出機能付光学装置。
  13. 【請求項13】 前記制御方法は、注視していた回数な
    いしは注視していた時間ないしは注視していたと判定す
    る領域の大きさのいずれかであることを特徴とする請求
    項12記載の視線検出機能付光学装置。
JP23212095A 1995-07-31 1995-08-18 視線検出機能付光学装置及びカメラ Pending JPH0954239A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008092882A (ja) * 2006-10-13 2008-04-24 Hitachi Medical Corp 自動培養装置
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