JPH11286226A - デファレンシャル装置 - Google Patents

デファレンシャル装置

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JPH11286226A
JPH11286226A JP10088890A JP8889098A JPH11286226A JP H11286226 A JPH11286226 A JP H11286226A JP 10088890 A JP10088890 A JP 10088890A JP 8889098 A JP8889098 A JP 8889098A JP H11286226 A JPH11286226 A JP H11286226A
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JP
Japan
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clutch
outer case
wheel drive
differential
case
Prior art date
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Pending
Application number
JP10088890A
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English (en)
Inventor
Masao Teraoka
正夫 寺岡
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Publication date
Application filed by Tochigi Fuji Sangyo KK filed Critical Tochigi Fuji Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アウタ−ケ−スとインナ−ケ−スの間で駆動
力の断続を行うメインクラッチの操作系が故障しても四
輪駆動走行を可能にする。 【解決手段】 エンジンの駆動力によって回転駆動され
るアウタ−ケ−ス37と、アウタ−ケ−ス37と相対回
転可能に配置されたインナ−ケ−ス39と、インナ−ケ
−ス39の回転を車輪側に分配する差動機構41と、各
ケ−ス37、39の連結を断続するメインクラッチ43
と、メインクラッチ43の連結と連結解除とを行う操作
手段45、47と、各ケ−ス37、39の間に配置さ
れ、トランスファクラッチ35の連結状態での車両の前
進走行時に連結されるワンウェイクラッチ49とを備え
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、四輪駆動車に用
いられるデファレンシャル装置および操作方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】特公平5−54574号公報に図4のよ
うなデファレンシャル装置201が記載されている。
【0003】このデファレンシャル装置201におい
て、エンジンの駆動力はアウタ−ケ−ス203から噛み
合いクラッチ205を介してインナ−ケ−ス207に伝
達され、インナ−ケ−ス207の回転は差動機構209
によって左右の車輪側に分配される。
【0004】噛み合いクラッチ205はインナ−ケ−ス
207のボス部211に移動自在に連結されたクラッチ
部材213とアウタ−ケ−ス203との間に配置されて
おり、アクチュエ−タ215によってクラッチ部材21
3が移動操作されると連結される。
【0005】このデファレンシャル装置201は、四輪
駆動車の前輪側、又は、後輪側に配置されている。噛み
合いクラッチ205が連結されると車両は四輪駆動状態
になって悪路走破性や車体の安定性などが向上し、噛み
合いクラッチ205の連結が解除されると車両は二輪駆
動状態になり、エンジンの燃費が向上する。
【0006】アクチュエ−タ215はピストン217と
シリンダ219からなり、切り換えバルブから管路を通
してシリンダ219に供給されるポンプの圧力によって
作動する。この切り換えバルブはコントロ−ラからの信
号で切り換え操作され、この信号はスイッチによって断
続される。
【0007】又、四輪駆動車のトランスファには、デフ
ァレンシャル装置201が配置されている動力伝達系の
連結と連結解除を行う2−4切り換え機構がある。この
2−4切り換え機構はギヤの噛み合いと噛み合い解除に
よって切り換えを行うものであり、ギヤの位相がシンク
ロして噛み合うと、アクチュエ−タ215を作動させる
上記のスイッチが入るように構成されている。
【0008】又、デファレンシャル装置201が収容さ
れているデフキャリヤ221にはオイル溜りが設けられ
ており、デファレンシャル装置201が回転すると、ア
ウタ−ケ−ス203に固定されたリングギヤ223によ
ってオイル溜りからオイルが撥ね上げられ、デファレン
シャル装置201の内部を潤滑する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、デファレンシ
ャル装置201を用いた四輪駆動車は、上記のように、
噛み合いクラッチ205の操作系を構成するアクチュエ
−タ215、ポンプ、圧力管路、切り換えバルブ、コン
トロ−ラ、配線、スイッチなどのいずれが故障しても、
四輪駆動走行ができなくなる。
【0010】又、このスイッチは、トランスファの2−
4切り換え機構が噛み合った後にON操作され、噛み合
いクラッチ205の操作系を作動させる手順になってい
るから、四輪駆動状態への切り換えが遅い。
【0011】又、燃費の低下を防止するために長期間二
輪駆動状態にしておくと、この間はアウタ−ケ−ス20
3が回転せず、従って、撥ね上げオイルによる潤滑が行
われないから、デファレンシャル装置201の各部に錆
が生じる恐れがある。
【0012】そこで、この発明は、アウタ−ケ−スとイ
ンナ−ケ−スの間で駆動力の断続を行うメインクラッチ
を備え、メインクラッチの操作系が故障しても四輪駆動
走行が可能であり、四輪駆動状態への切り換えが速いと
共に、各部の潤滑性を向上させたデファレンシャル装置
及びこのデファレンシャル装置の操作方法を提供するこ
とを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1のデファレンシ
ャル装置は、四輪駆動車の前輪側、又は、後輪側に配置
され、エンジンの駆動力によって回転駆動されるアウタ
−ケ−スと、アウタ−ケ−スと相対回転自在に配置され
たインナ−ケ−スと、インナ−ケ−スの回転を車輪側に
分配する差動機構と、アウタ−ケ−スとインナ−ケ−ス
との連結を断続するメインクラッチと、メインクラッチ
の連結と連結解除とを行う操作手段と、アウタ−ケ−ス
とインナ−ケ−スとの間に配置されるワンウェイクラッ
チとを備えたことを特徴とする。
【0014】このように、本発明のデファレンシャル装
置は、アウタ−ケ−スとインナ−ケ−スとの間にワンウ
ェイクラッチを配置した。
【0015】従って、トランスファの2−4WD切換機
構が噛み合っている状態の前進走行時に連結されるよう
ワンウェイクラッチを配置した場合は、アウタ−ケ−ス
の回転によってワンウェイクラッチが連結され、インナ
−ケ−ス(差動機構)側にエンジンの駆動力が伝達され
るから、車両は四輪駆動状態になる。
【0016】こうして、メインクラッチがワンウェイク
ラッチによってバックアップされるから、メインクラッ
チの操作系が故障しても、従来例と異なり、四輪駆動状
態での前進走行が可能である。
【0017】又、トランスファの2−4切り換え機構が
噛み合ってアウタ−ケ−スに駆動力が伝達されると、上
記のように、ワンウェイクラッチによって直ちに四輪駆
動状態になるから、2−4切り換え機構が噛み合ってか
らスイッチが操作され噛み合いクラッチ205の操作系
が作動を始める従来例と異なって、四輪駆動状態への切
り換えが極めて速い。
【0018】又、アウタ−ケ−スとインナ−ケ−スとが
切り離された二輪駆動状態でも、後進走行時は、車輪側
のインナ−ケ−スの回転によってワンウェイクラッチが
連結される。
【0019】従って、二輪駆動状態でも、時々後進走行
をすればアウタ−ケ−スが回転し、オイルが撥ね上げら
れて各部の潤滑が行われるから、錆が防止され、機能が
正常に保たれる。
【0020】請求項2の発明は、請求項1記載のデファ
レンシャル装置であって、四輪駆動車の前輪側に配置さ
れたことを特徴とし、請求項1の構成と同等の効果を得
る。
【0021】これに加えて、本発明のデファレンシャル
装置を前輪側に配置した四輪駆動車のトランスファの2
−4切り換え機構が噛み合った状態時にメインクラッチ
を解除しておくことにより、旋回時には後輪に比して前
輪の回転が速くなり、前記ワンウェイクラッチが解除さ
れ、直結四輪駆動車にみられる内部循環トルクによるタ
イトコーナブレーキング現象を起こすことなくスムーズ
な走行が得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1乃至図3によって本発明の一
実施形態のデファレンシャル装置と操作方法とを説明す
る。この実施形態のデファレンシャル装置は請求項1、
2の特徴を備えている。図1はこのデファレンシャル装
置を示し、図3はこれを用いた四輪駆動車の動力系を示
す。なお、左右の方向はこの車両及び図1での左右の方
向であり、符号を与えていない部材等は図示されていな
い。
【0023】図3のように、この動力系は、エンジン
1、トランスミッション3、トランスファ5、前輪側の
プロペラシャフト7、フロントデフ9(実施形態のデフ
ァレンシャル装置)、前車軸11、13、左右の前輪1
5、17、後輪側のプロペラシャフト19、リヤデフ2
1、後車軸23、25、左右の後輪27、29などから
構成されている。
【0024】エンジン1の駆動力はトランスミッション
3からトランスファ5に伝達される。
【0025】トランスファ5には、後輪側の出力軸31
と、チェ−ン伝動機構33と、これらを断続するトラン
スファクラッチ35(2−4切り換え機構)とが設けら
れている。後輪側には出力軸31を介して駆動力が常時
送られると共に、トランスファクラッチ35が連結され
ると、チェ−ン伝動機構33を介して前輪側にも駆動力
が送られる。
【0026】前輪側の駆動力はプロペラシャフト7から
フロントデフ9に伝達され、後述のように、フロントデ
フ9から車軸11、13を介して左右の前輪15、17
に分配される。又、後輪側の駆動力はプロペラシャフト
19からリヤデフ21に伝達され、リヤデフ21から車
軸23、25を介して左右の後輪27、29に分配され
る。
【0027】図1のように、フロントデフ9は、アウタ
−ケ−ス37、インナ−ケ−ス39、ベベルギヤ式の差
動機構41、噛み合いクラッチ43(メインクラッ
チ)、空気式のアクチュエ−タ45(操作手段)、リタ
−ンスプリング47(操作手段)、ワンウェイクラッチ
49などから構成されている。
【0028】アウタ−ケ−ス37はケ−シング本体51
の右側にボルトでカバ−53を固定して構成されてい
る。アウタ−ケ−ス37にはリングギヤ55(図2)が
ボルトで固定されており、このリングギヤはプロペラシ
ャフト7側のドライブピニオンギヤ57と噛み合ってい
る。こうして、アウタ−ケ−ス37はエンジンの駆動力
によって回転駆動される。
【0029】インナ−ケ−ス39はほぼリング状に形成
されており、その外周に設けられた幅の狭い環状の凸部
59、59を介してアウタ−ケ−ス37の内周に摺動回
転自在に支承されている。インナ−ケ−ス39の右端部
とアウタ−ケ−ス37のカバ−53との間には摺動ワッ
シャ61が配置されており、互いの摺動抵抗を低減させ
ている。
【0030】又、アウタ−ケ−ス37の内周とインナ−
ケ−ス39の凸部59、59との間にはオイル溜り63
が設けられており、凸部59、59とアウタ−ケ−ス3
7との摺動部とワッシャ61などにオイルを与えて潤滑
している。
【0031】フロントデフ9はデフキャリヤ65の内部
に配置されており、アウタ−ケ−ス37のボス部67、
69はベアリング71、73を介してデフキャリヤ65
に支承されている。デフキャリヤ65にはオイル溜りが
設けられており、フロントデフ9は、静止状態ではその
下部がオイル溜りに浸され、回転するとリングギヤ55
によってオイル溜りからオイルを撥ね上げる。
【0032】差動機構41は、ピニオンシャフト75
と、ピニオンシャフト75上に回転自在に支承されたピ
ニオンギヤ77と、ピニオンギヤ77と噛み合った左右
の出力側サイドギヤ79、81などから構成されてい
る。
【0033】ピニオンシャフト75の外側端部はインナ
−ケ−ス39の貫通孔83を貫通し、スプリングピンで
固定されている。ピニオンシャフト75の外周には螺旋
状のオイル溝85が設けられ、ピニオンギヤ77との摺
動部にオイルを与えて潤滑している。又、インナ−ケ−
ス39の内周にはピニオンギヤ77の遠心力と噛み合い
反力とを受ける球面ワッシャ部87が形成されている。
【0034】各サイドギヤ79、81のボス部89、9
1はアウタ−ケ−ス37の支承部93、95によって回
転自在に支承されている。又、各サイドギヤ79、81
はボス部89、91の内周に設けられたスプライン9
7、99によって前車軸11、13側に連結され、これ
らの車軸11、13を介して左右の車輪15、17に連
結されている。
【0035】又、各サイドギヤ79、81とアウタ−ケ
−ス37との間には摺動ワッシャ101、103が配置
されており、それぞれサイドギヤ79、81の噛み合い
スラスト力を受けている。
【0036】噛み合いクラッチ43は、インナ−ケ−ス
39の左端部に設けられた噛み合い歯105と、クラッ
チ部材107のリング状基部109に設けられた噛み合
い歯111とで構成されている。クラッチ部材107は
軸方向移動自在に配置されており、基部109には複数
本の腕113が設けられ、これらの腕113はケ−シン
グ本体51の開口115を外部に貫通している。
【0037】アクチュエ−タ45の圧力室117はダイ
ヤフラム119の左側とケ−ス121との間に形成され
ており、ダイヤフラム119には押圧部材123が固定
されている。ケ−ス121はボルト125により支承部
材127を介してデフキャリヤ65に固定されている。
【0038】クラッチ部材107にはプレッシャプレ−
ト129が複数本の腕部131によって連結されてお
り、リタ−ンスプリング47はプレッシャプレ−ト12
9とアウタ−ケ−ス37側のリテ−ナ133との間に配
置されている。
【0039】アクチュエ−タ45の圧力室117はエア
パイプ135を介して切り換えバルブに接続されてお
り、この切り換えバルブにはエンジンに駆動されるエア
ポンプが接続されている。
【0040】この切り換えバルブはコントロ−ラにON
−OFF操作されるスイッチによって切り換え操作さ
れ、エアポンプの圧力を圧力室117に供給し、又、こ
の圧力供給を停止する。
【0041】コントロ−ラは、車両を四輪駆動状態に切
り換えるとき、トランスファクラッチ35を連結した
後、このスイッチによって切り換えバルブを切り換えて
圧力室117に圧力を送り、二輪駆動状態に切り換える
ときは、トランスファクラッチ35の連結を解除すると
共に、スイッチと切り換えバルブとによって圧力室11
7への圧力供給を停止する。
【0042】また、圧力室117への圧力供給および停
止を行うエアポンプは、トランスファクラッチ35の断
続に関係なく、任意に作動および停止を行うことができ
る。
【0043】圧力室117に圧力が送られると、アクチ
ュエ−タ45はプレッシャプレ−ト129を介してクラ
ッチ部材107を、図1の位置から右方の噛み合い位置
に押圧し、噛み合い歯111、105を噛み合わせて噛
み合いクラッチ43を連結させる。又、圧力室117へ
の圧力供給が停止すると、リタ−ンスプリング47によ
ってクラッチ部材107が図1に示した噛み合い解除位
置に戻り、噛み合いクラッチ43の噛み合いが解除され
る。
【0044】噛み合いクラッチ43が噛み合うと、アウ
タ−ケ−ス37を回転させるエンジン1の駆動力は、イ
ンナ−ケ−ス39から差動機構41に伝達され、ピニオ
ンギヤ77からサイドギヤ79、81を介して左右の前
輪15、17に分配され、車両は四輪駆動状態になる。
【0045】又、噛み合いクラッチ43の噛み合いが解
除されると、インナ−ケ−ス39以下はエンジン側から
切り離され、前輪15、17はフリ−回転状態になり、
車両は二輪駆動状態になる。
【0046】動力の断続が可能なデファレンシャル装置
をフロントデフ9に用いた図3の四輪駆動車は、二輪駆
動状態では後輪27、29の駆動力によって優れた加速
性が得られ、四輪駆動状態では優れた悪路走破性と安定
性などが得られる。
【0047】又、上記のように、二輪駆動状態で連結が
解除されるトランスファクラッチ35からアウタ−ケ−
ス37までの動力伝達系は、エンジン1の駆動力と前輪
15、17による連れ回りの両方から遮断されて回転が
停止し、摩耗、振動、騒音などが防止されると共に、エ
ンジン1の燃費が向上する。
【0048】ワンウェイクラッチ49は、アウタ−ケ−
ス37(カバ−53)とインナ−ケ−ス39と間に配置
されている。
【0049】図2のように、ワンウェイクラッチ49は
アウタ−ケ−ス37に周方向等間隔に設けられたカム1
37と、リテ−ナ139によって回転自在に支持された
円柱型のコロ141と、インナ−ケ−ス39の円筒面1
43から構成されている。
【0050】図2の矢印145、147と矢印151
は、下記のように、それぞれアウタ−ケ−ス37とイン
ナ−ケ−ス39の回転によってワンウェイクラッチ49
に掛かるトルクの方向を示している。
【0051】矢印145は、車両がトランスファクラッ
チ35が連結された状態で前進走行するときアウタ−ケ
−ス37の回転によってワンウェイクラッチ49に掛か
るトルクの方向であり、このトルクによってコロ141
がカム137と円筒面143との間に係止してワンウェ
イクラッチ49が連結される。
【0052】このように、ワンウェイクラッチ45は車
両の前進走行時に連結される方向に配置されている。
【0053】又、この矢印145と反対方向の矢印14
7は、車両がトランスファクラッチ35が連結状態で後
進走行するときアウタ−ケ−ス37の回転によってワン
ウェイクラッチ49に掛かるトルクの方向であり、この
トルクによってコロ141の係止が外れ、ワンウェイク
ラッチ49の連結が解除される。
【0054】又、矢印151は、二輪駆動状態(トラン
スファクラッチ35の噛み合いが解除された状態)で車
両が後進走行するときに、前輪15、17側のインナ−
ケ−ス39回転によってワンウェイクラッチ49に掛か
るトルクの方向であり、このトルクによってワンウェイ
クラッチ49が連結され、アウタ−ケ−ス37側が連れ
回り状態になる。
【0055】上記のように、車両がトランスファクラッ
チ35が連結状態で前進走行するとき(矢印145)は
ワンウェイクラッチ49が連結されるから、噛み合いク
ラッチ43の操作系を構成するアクチュエ−タ65、エ
アポンプ、圧力管路、切り換えバルブ、コントロ−ラ、
配線、スイッチなどが故障しても、車両は四輪駆動走行
が可能である。
【0056】又、噛み合いクラッチ43は、上記のよう
に、トランスファクラッチ35が噛み合った後一定の手
順を踏んで連結されるが、ワンウェイクラッチ49はト
ランスファクラッチ35が噛み合いアウタ−ケ−ス37
が回転すると直ちに連結されるから、従来例と異なっ
て、四輪駆動状態への切り換えが極めて速い。
【0057】更に、車庫入れのような低速急旋回の際
は、実施形態の操作方法に従って、トランスファクラッ
チ35の連結を解除すれば、タイトコ−ナ−ブレ−キン
グ現象が防止される。
【0058】更に、トランスファクラッチ35が連結さ
れた状態での前進走行中の制動時に、実施形態の操作方
法に従って、噛み合いクラッチ43を連結すれば、エン
ジンブレ−キを利用することができる。
【0059】又、ワンウェイクラッチ49が連結される
トランスファクラッチ35の解除状態の後進走行時(矢
印151)は、連れ回り状態になるアウタ−ケ−ス37
の回転によってデフキャリヤ65のオイル溜りからオイ
ルが撥ね上げられる。
【0060】このオイルは、アウタ−ケ−ス37の開口
115、153から内部に入り、インナ−ケ−ス39の
凸部59、59とアウタ−ケ−ス37との摺動部、噛み
合いクラッチ43、ワンウェイクラッチ49、摺動ワッ
シャ61などを充分に潤滑する。
【0061】又、オイル溜りのオイルはアウタ−ケ−ス
37のボス部67、69に設けられた螺旋状のオイル溝
155、157から内部に入り、支承部93、95、摺
動ワッシャ101、103、差動機構41の各ギヤの噛
み合い部、球面ワッシャ部87などを潤滑し、更に、ピ
ニオンシャフト75のオイル溝85からピニオンギヤ7
7との摺動部を潤滑し、オイル溜り63に供給される。
【0062】このように、二輪駆動状態でも、時々後進
走行を行えば各部にオイルが回って潤滑されるから、フ
ロントデフ9は錆が防止され、機能が正常に保たれる。
【0063】又、後進走行時の車庫入れのような低速急
旋回の際は、ワンウェイクラッチ49が連結されていて
も、実施形態の操作方法に従って、トランスファクラッ
チ35の連結を解除すれば、タイトコ−ナ−ブレ−キン
グ現象が防止される。
【0064】こうして、フロントデフ9が構成されてい
る。
【0065】上記のように、フロントデフ9は、アウタ
−ケ−ス37とインナ−ケ−ス39との間に配置したワ
ンウェイクラッチ49によって、トランスファクラッチ
35さえ連結しておけば、前進走行時は車両が四輪駆動
状態になるから、噛み合いクラッチ43の操作系が故障
しても、従来例と異なって、四輪駆動状態での前進走行
が可能である。
【0066】又、トランスファクラッチ35が噛み合う
と、ワンウェイクラッチ49によって直ちに四輪駆動状
態になるから、トランスファのクラッチが噛み合ってか
ら一定の手順を経てアウタ−ケ−スとインナ−ケ−スの
連結クラッチを作動させる従来例に較べて、四輪駆動状
態への切り換えが極めて速い。
【0067】又、二輪駆動状態(トランスファクラッチ
35が解除状態)でも、時々後進走行すれば各部の潤滑
が行われるから、フロントデフ9は正常な機能が保たれ
る。
【0068】又、フロントデフ9を用いた図3の四輪駆
動車のトランスファの2−4切り換え機構が噛み合った
状態時にメインクラッチを解除しておくことにより、旋
回時には後輪に比して前輪の回転が速くなり、前記ワン
ウェイクラッチが解除され、直結四輪駆動車にみられる
内部循環トルクによるタイトコーナブレーキング現象を
起こすことなくスムーズな走行が得られる。
【0069】又、実施形態の操作方法によれば、ワンウ
ェイクラッチ49が連結される状態でも、車庫入れのよ
うな低速急旋回の際はトランスファクラッチ35の連結
を解除することで、タイトコ−ナ−ブレ−キング現象を
防止できる。
【0070】なお、本発明において、ワンウェイクラッ
チは、ワンウェイクラッチ49のよううにコロ141を
用いたものに限らず、他の形式のもの、例えば、揺動す
るスプラグによって一対のトルク伝達軸を断続するワン
ウェイクラッチでもよい。
【0071】又、差動機構は、ベベルギヤ式の差動機構
に限らず、例えば、プラネタリ−ギヤ式の差動機構、デ
フケ−スの収容孔に収容したピニオンギヤを介してサイ
ドギヤを連結した差動機構などでもよい。
【0072】又、操作手段のアクチュエ−タは、空気式
のアクチュエ−タに限らず、油圧アクチュエ−タでもよ
い。更に、電動モ−タを用いたアクチュエ−タ、あるい
は、電磁式のアクチュエ−タでもよい。
【0073】又、本発明のデファレンシャル装置は、リ
ヤデフ(エンジンの駆動力を左右の後輪に分配するデフ
ァレンシャル装置)にも用いることができる。
【0074】
【発明の効果】本発明のデファレンシャル装置は、アウ
タ−ケ−スとインナ−ケ−スとの間にワンウェイクラッ
チを配置したことにより、従来例と異なって、メインク
ラッチの操作系が故障しても車両は四輪駆動状態で前進
走行が可能である。
【0075】又、トランスファの2−4切り換え機構が
噛み合ってから一定の手順を経てアウタ−ケ−スとイン
ナ−ケ−スを連結するクラッチが作動する従来例と異な
って、2−4切り換え機構が噛み合うと直ちにワンウェ
イクラッチが連結されるから、四輪駆動状態への切り換
えが極めて速い。
【0076】又、二輪駆動状態でも、車輪側のインナ−
ケ−スの回転によってワンウェイクラッチが連結される
後進走行を時々行えば、アウタ−ケ−スが回転して撥ね
上げられたオイルが各部を潤滑するから、機能が正常に
保たれる。
【0077】請求項2の発明は、請求項1の構成と同等
の効果を得ると共に、本発明のデファレンシャル装置を
前輪側に配置した四輪駆動車のトランスファの2−4切
り換え機構が噛み合った状態時にメインクラッチを解除
しておくことにより、旋回時には後輪に比して前輪の回
転が速くなり、前記ワンウェイクラッチが解除され、直
結四輪駆動車にみられる内部循環トルクによるタイトコ
ーナブレーキング現象を起こすことなくスムーズな走行
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1の実施形態を用いた四輪駆動車の動力系を
示すスケルトン機構図である。
【図4】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 エンジン 15、17 前輪 35 トランスファクラッチ(2−4切り換え機構) 37 アウタ−ケ−ス 39 インナ−ケ−ス 41 差動機構 43 噛み合いクラッチ(メインクラッチ) 45 空気式アクチュエ−タ(操作手段) 47 リタ−ンスプリング(操作手段) 49 ワンウェイクラッチ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 四輪駆動車の前輪側、又は、後輪側に配
    置され、エンジンの駆動力によって回転駆動されるアウ
    タ−ケ−スと、アウタ−ケ−スと相対回転自在に配置さ
    れたインナ−ケ−スと、インナ−ケ−スの回転を車輪側
    に分配する差動機構と、アウタ−ケ−スとインナ−ケ−
    スとの連結を断続するメインクラッチと、メインクラッ
    チの連結と連結解除とを行う操作手段と、アウタ−ケ−
    スとインナ−ケ−スとの間に配置されるワンウェイクラ
    ッチとを備えたことを特徴とするデファレンシャル装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発明であって、四輪駆動
    車の前輪側に配置されたことを特徴とするデファレンシ
    ャル装置。
JP10088890A 1998-04-01 1998-04-01 デファレンシャル装置 Pending JPH11286226A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008286408A (ja) * 2001-04-12 2008-11-27 Gkn ドライブライン トルクテクノロジー株式会社 動力断続装置及びデファレンシャル装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008286408A (ja) * 2001-04-12 2008-11-27 Gkn ドライブライン トルクテクノロジー株式会社 動力断続装置及びデファレンシャル装置

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