JPH11286166A - 油性インク用インクジェット記録シート - Google Patents

油性インク用インクジェット記録シート

Info

Publication number
JPH11286166A
JPH11286166A JP10089831A JP8983198A JPH11286166A JP H11286166 A JPH11286166 A JP H11286166A JP 10089831 A JP10089831 A JP 10089831A JP 8983198 A JP8983198 A JP 8983198A JP H11286166 A JPH11286166 A JP H11286166A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
oil
jet recording
recording sheet
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10089831A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Sekiguchi
英樹 関口
Takao Chiga
孝雄 千賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP10089831A priority Critical patent/JPH11286166A/ja
Publication of JPH11286166A publication Critical patent/JPH11286166A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】油性インクに対し、インク吸収性、画像濃度に
優れ、且つ経時での画像滲みが抑制された油性インク用
インクジェット記録シートを得ること。 【解決手段】支持体上に炭素数4〜18の炭化水素基を
有する単量体(イ)の含有量が30重量%以上の重合体
からなるインク受理層を設ける。あるいは、該単量体
(イ)を含んだ重合体と密度(ρ)1.1g・cm-3
上で疎水性の熱可塑性樹脂からなるインク受理層を設け
る。さらに、該単量体(イ)を1分子中に2個以上の重
合性不飽和基を有する架橋性単量体(ロ)によって架橋
した架橋重合体として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色材として油溶性
染料を有機溶剤に溶解または分散した油性インクを用い
たインクジェット記録において、インク吸収性、画像濃
度に優れ、且つ経時での画像滲みが抑制された油性イン
ク用インクジェット記録シートに関するものであり、特
にオーバーヘッドプロジェクター(OHP)やバックラ
イトフィルムなどの透過材料としても好適に用いること
のできる油性インク用インクジェット記録シートに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、ディフレク
ション方式、キャビティ方式、サーモジェット方式、バ
ブルジェット方式、サーマルインクジェット方式、スリ
ットジェット方式およびスパークジェット方式などに代
表される種々の作動原理により、インクの微小液滴を飛
翔させて紙などのインクジェット記録シートに付着さ
せ、画像・文字などの記録を行なう方式である。これ
は、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通
性が大きい、現像−定着が不要などの長所があり、漢字
を含め各種図形およびカラー画像などの記録装置として
種々の用途において急速に普及している。
【0003】さらに、水や親水性溶剤などの溶媒中にイ
エロー、マゼンタ、シアンおよびブラックなどの色材を
各々含有させた多色インクを用いるインクジェット記録
方式により形成された画像は、製版方式による多色印刷
と比較して遜色のない記録画像を得ることが可能であ
る。また、作成部数が少なくて済む用途においては、銀
塩写真による現像よりも安価であることからフルカラー
画像記録分野にまで広く応用されつつある。
【0004】このようなインクジェット記録方式で使用
されるインクは、水性インク、すなわち水あるいは水と
親水性溶剤の混合溶媒中に各種の水溶性染料を溶解し、
必要により各種の添加剤を配合したものが大半を占めて
いる。これは、水性インクが記録画像の色調が鮮やかで
明るいこと、インクドットのコントラストが大きいこ
と、インク粘度の調整が容易であることや安全性の面で
利点を有しているためである。
【0005】しかしながら、昨今のインクジェット記録
方式には、特に、銀塩写真の代替えとして、高解像度、
高画像濃度、高保存安定性などが要求されており、種々
な検討が行われているものの、従来の水性インクを用い
るシステムでは、銀塩写真並みの画像濃度や画像の保存
安定性を達成することが困難であった。
【0006】これは、色材として水溶性染料を選択して
いることが主な原因であり、具体的には、1)インク溶
媒に対する色材の溶解濃度を高めることが困難である、
2)水への溶解性や画像の発色性と、画像の保存安定性
を両立できる水溶性染料の設計が困難であるなどが理由
として挙げられる。
【0007】これに対して、特に画像の保存安定性を改
良する目的から、例えば、特開昭57−10660号公
報、同57−10661号公報、特開平4−23446
7号公報、同5−156189号公報、同5−1791
83号公報、同5−202324号公報、同5−263
029号公報、同5−331397号公報、同6−12
2846号公報、同6−136311号公報などには、
水溶性染料の代わりに顔料を用いるインクが提案されて
いる。
【0008】しかしながら、色材として顔料を用いた場
合には、水性染料と同様にインク溶媒に対する顔料の分
散濃度を高めることが困難であるために、銀塩写真並み
の画像濃度を達成することは容易でない。
【0009】これらの諸問題を解決する手段としては、
色材として、例えば、分散染料、ナフトール染料、建染
染料、硫化染料などの油溶性染料を用い、且つインク溶
媒として、例えば、パラフィン類、イソパラフィン類、
フォスフェート類、エーテル類や可塑剤などの溶剤を用
いた油性インクが非常に有効であり、例えば、特公平7
−78187号公報、同7−78188号公報、同8−
6057号公報、同8−26259号公報、同6−24
7034号公報や同6−306319号公報などに提案
されているインクがこれに該当する。
【0010】このような油性インクは、1)油溶性染料
を溶剤中に高濃度に溶解または分散することが容易であ
り、したがって銀塩写真に匹敵する高い画像濃度を実現
することができる、2)基本的に、水性インクに比べて
耐水性が良好である、3)水溶性染料と比較して、耐光
性や耐オゾン性を考慮した染料の分子設計に自由度があ
るなどに優れるのみならず、4)ヘッドノズルの目詰ま
りが起こり難くいなどの利点を備えているために高精
細、高解像、高画質の望まれる分野では水性インクの代
替えとして有望視されている。
【0011】一方、インクジェット記録シートとして
は、記録ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮やかであ
ること、インクの吸収が速くて、記録ドットが重なった
場合でもインクが流れ出したり滲んだりしないこと、記
録ドットの横方向への拡散が必要以上に大きくならない
こと、記録ドットの形状が真円に近く、且つ周辺が滑ら
かでぼやけないことなどの諸要求を満たす必要がある。
【0012】これらの要求に対して、例えば、特開昭5
9−174381号公報、同60−132785号公
報、同60−145879号公報、同60−22457
8号公報、同60−262685号公報、同60−24
5586号公報、同61−32788号公報、同63−
183873号公報、特開平4−78570号公報や同
6−155895号公報などには、澱粉、カチオン澱
粉、アルギン酸ソーダ、ゼラチンカゼイン、ヒドロキシ
エチルセルロース、カチオン化ヒドロキシエチルセルロ
ース、ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニル
アルコール、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリビ
ニルピロリドン、4級化ポリビニルピロリドン、ポリ
(N−ビニル−3−メチルピロリドン)、ポリビニルイ
ミダゾール、ポリアリルアミン、ポリアリルアミン塩酸
塩、ポリエチレンイミンなどの親水性あるいは水溶性高
分子を主体としたインク受理層を透明フィルム上に塗工
したインクジェット記録シートが提案されている。
【0013】これらの提案されたインクジェット記録シ
ートは、水溶性染料が水あるいは水と親水性溶剤の混合
溶媒などに低濃度で溶解された水性インクに対して好適
に用いられるものであり、多量の溶媒を即座に吸収し、
微量な水溶性染料を効率よく定着させることが主な目的
となっている。このようなインクジェット記録シートは
何れも水性インクに適するように検討されたものであ
り、油性インクには適さなかった。すなわち、従来公知
のインク受理層を塗工した記録シートでは油性インクの
吸収性が不十分で高い画像濃度が得られないばかりか、
保存性についても多くの問題を有していた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、色材として、例えば、ナフトール染料、アゾ染
料、金属錯塩染料、アントラキノン染料、キノイミン染
料、インジゴ染料、シアニン染料、キノリン染料、ニト
ロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、カーボニウ
ム染料、ナフトキノン染料、ナフタルイミド染料、フタ
ロシアニン染料、ペリニン染料などの油溶性染料を用
い、溶媒としてパラフィン類、イソパラフィン類、フォ
スフェート類、エーテル類や可塑剤などの有機溶剤を用
いた油性インクを用いるインクジェット記録において、
油性インクの吸収性に優れ、高い画像濃度を得ることが
でき、さらには、経時での画像滲みを抑制した油性イン
ク用インクジェット記録シートを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、油性イン
ク用インクジェット記録シートにおける上記の問題につ
いて鋭意検討を重ねた結果、特定の炭化水素基を有する
単量体を含んだ重合体を用いて形成したインク受理層で
あれば、油性インクの吸収性が改良されることを見いだ
した。
【0016】また、上記のようなインク受理層におい
て、特定の熱可塑性樹脂を併用することにより、高い画
像濃度をも得られることが判明した。ここで、特定の熱
可塑性樹脂とは、油性インクに用いられる色材との相溶
性が高く、油溶性染料の優れた発色性を損なわずに高い
染着(定着)性をも有するものである。したがって、良
好な画像濃度を得ることができた。
【0017】さらに、特定の炭化水素基を有する単量体
を架橋性単量体にて3次元架橋せしめた微粒子の形態で
インク受理層に用いると、一度吸収した油性インクの有
機溶剤を微粒子が取り込み保持するため、熱可塑性樹脂
の高い染着性と相まって、経時での画像滲みを抑制する
ことができた。
【0018】すなわち、本発明の第1の油性インク用イ
ンクジェット記録シートは、支持体の少なくとも片面に
インク受理層を設けてなる油性インク用インクジェット
記録シートにおいて、該インク受理層が、主として炭素
数4〜18の炭化水素基を有する単量体(イ)の含有量
が30重量%以上の重合体からなることを特徴とする油
性インク用インクジェット記録シートである。
【0019】ここで、単量体(イ)が、炭素数8〜18
の脂肪族炭化水素基を有する、アルキル(メタ)アクリ
レート、アルキルアリール(メタ)アクリレート、アル
キル(メタ)アクリルアミド、アルキルアリール(メ
タ)アクリルアミド、アルキルスチレンおよびα−オレ
フィンからなる群より選ばれる1種もしくは2種以上の
ものであるとより優れた油性インク用インクジェット記
録シートを得ることができる。
【0020】本発明の第2の油性インク用インクジェッ
ト記録シートは、支持体の少なくとも片面にインク受理
層を設けてなる油性インク用インクジェット記録シート
において、該インク受理層が、主として炭素数4〜18
の炭化水素基を有する単量体(イ)の含有量が30重量
%以上の重合体と密度(ρ)1.1g・cm-3以上で疎
水性の熱可塑性樹脂からなることを特徴とする油性イン
ク用インクジェット記録シートであり、第1の記録シー
トに比べてより高い画像濃度を得ることができる。
【0021】ここで、単量体(イ)が、炭素数8〜18
の脂肪族炭化水素基を有する、アルキル(メタ)アクリ
レート、アルキルアリール(メタ)アクリレート、アル
キル(メタ)アクリルアミド、アルキルアリール(メ
タ)アクリルアミド、アルキルスチレンおよびα−オレ
フィンからなる群より選ばれる1種もしくは2種以上の
ものであるとより好ましい。
【0022】一方、熱可塑性樹脂が、塩化ビニル系樹
脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステル系樹
脂、熱可塑性アルキッド系樹脂および熱可塑性ポリウレ
タン系樹脂の中から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂
であるとより好ましい。
【0023】本発明の第3の油性インク用インクジェッ
ト記録シートは、インク受理層中の重合体が、1分子中
に2個以上の重合性不飽和基を有する架橋性単量体
(ロ)によって架橋された架橋重合体となっているもの
であり、経時での画像滲みが抑制され、保存性に優れた
油性インク用インクジェット記録シートとなる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に本発明の油性インク用イン
クジェット記録シートを詳細に説明する。本発明におけ
る第1〜3の油性インク用インクジェット記録シートに
用いられる炭素数4〜18の炭化水素基を有する単量体
(イ)とは、例えば、ブチル(メタ)アクリレート、2
−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル
(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、
ドデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)
アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ス
テアリル(メタ)アクリレート、オクチルフェニル(メ
タ)アクリレート、ノニルフェニル(メタ)アクリレー
ト、ジノニルフェニル(メタ)アクリレート、ジオクチ
ルマレエート、ジデシルマレエート、ジドデシルマレエ
ート、ドデシルクロトネート、ジドデシルイタコネート
などのアルキル(メタ)アクリレート類;ブチル(メ
タ)アクリルアミド、(ジ)2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリルアミド、(ジ)オクチル(メタ)アクリル
アミド、(ジ)デシル(メタ)アクリルアミド、(ジ)
ドデシル(メタ)アクリルアミド、(ジ)ステアリル
(メタ)アクリルアミドなどのアルキル(メタ)アクリ
ルアミド類;ブチルスチレン、2−エチルヘキシルスチ
レン、オクチルスチレン、デシルスチレン、ドデシルス
チレン、テトラデシルスチレン、ヘキサデシルスチレ
ン、オクタデシルスチレンなどのアルキルスチレン類;
1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、イソオクテ
ン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−テト
ラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンなどの
アルキル−α−オレフィン類;オクチルアリルエーテ
ル、デシルアリルエーテル、ドデシルアリルエーテル、
テトラデシルアリルエーテル、ヘキサデシルアリルエー
テル、オクタデシルアリルエーテルなどアルキルアリル
エーテル類;カプリン酸ビニル、ステアリン酸ビニルな
どのアルキルビニルエステル類;ブチルビニルエーテ
ル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、オクチルビニ
ルエーテル、デシルビニルエーテル、ドデシルビニルエ
ーテル、テトラデシルビニルエーテル、ヘキサデシルビ
ニルエーテル、オクタデシルビニルエーテルなどのアル
キルビニルエーテル、ベンジル(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メンチル(メ
タ)アクリレートなどを挙げることができる。
【0025】本発明の第1〜3の油性インク用インクジ
ェット記録シートにおける単量体(イ)において、炭化
水素基の炭素数が4未満の場合、後述するような油性イ
ンクに用いられる有機溶剤との親和性に劣り、インクの
吸収性が低下するため好ましくない。また、炭素数が1
8を越えるような炭化水素基を有する単量体ではコスト
高になるばかりか、後述するような重合体もしくは架橋
重合体とした場合に、側鎖同士の結晶性に起因したイン
ク吸収ムラが発生し易いため好ましくない。
【0026】上記のような単量体(イ)の中でも、本発
明のインクジェット記録シートに好適に用いられるもの
は、アルキル(メタ)アクリレート、アルキルアリール
(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリルアミ
ド、アルキルアリール(メタ)アクリルアミド、アルキ
ルスチレンおよびアルキル−α−オレフィンからなる群
より選ばれる少なくとも1種以上の化合物であり、炭素
数8〜18の脂肪族炭化水素基を有する単量体であれば
さらに好ましい。
【0027】本発明の第1〜3の油性インク用インクジ
ェット記録シートにおける重合体とは、上記のような単
量体(イ)を、重合体を形成する組成物全体の30重量
%以上、より好ましくは50〜90重量%の範囲で含有
してなるものであり、その分子量は概ね2,000〜2
00,000である。ここで、単量体(イ)が30重量
%未満であると、後述するような油性インクに用いられ
る有機溶剤との親和性が低下し、インク吸収性に劣る場
合がある。また、単量体(イ)が90重量%を越えるよ
うになると、場合によっては単量体(イ)由来のタック
性が強くなり、油性インク用インクジェット記録シート
の取り扱いに不便を生じることもある。
【0028】また、上述したような単量体(イ)以外の
共重合成分としては、油溶性染料の定着性を向上させた
り、単量体(イ)由来のタックを防止するなどの目的か
ら、本発明の目的を阻害しない割合で、以下のようなも
のを併用することができる。例えば、メチル(メタ)ア
クリレート、エチル(メタ)アクリレートなどの炭素数
4未満のアルキル(メタ)アクリレート類;エイコシル
(メタ)アクリレートなどの炭素数18を超えるアルキ
ル(メタ)アクリレート類;メチルスチレン、エチルス
チレンなどの炭素数4未満のアルキルスチレン類;エイ
コシルスチレンなどの炭素数18を超えるアルキルスチ
レン類;メチルアリルエーテル、エチルアリルエーテル
など炭素数4未満のアルキルアリルエーテル類;エイコ
シルアリルエーテルなどの炭素数18を超えるアルキル
アリルエーテル類;メチルビニルエーテル、エチルビニ
ルエーテルなど炭素数4未満のアルキルビニルエーテル
類;エイコシルビニルエーテルなどの炭素数18を超え
るアルキルビニルエーテル類;ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレートなどのアミノアルキル(メタ)アクリレー
ト類;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アク
リレートなどのポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)
アクリレート類;(メタ)アクリルアミド、ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール
(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド
類;エチレン、プロピレンなどのポリオレフィン類;ス
チレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物
類;塩化ビニル;酢酸ビニル;アクリロニトリル;(メ
タ)アクリル酸などの1種または2種以上を共重合成分
として併用することができる。
【0029】上記した単量体(イ)やその他の共重合成
分を、本発明における第1〜3の油性インク用インクジ
ェット記録シートに使用するための重合体とする方法に
は、重合開始剤を用いて塊状重合法、懸濁重合法および
乳化重合法などの従来公知の重合法を用いることができ
る。特に、水或いは水と親水性溶剤の混合溶媒を用いて
製造されるインク受理層に供する場合には、懸濁重合法
或いは乳化重合法を用いることが好ましい。
【0030】ここで懸濁重合法とは、例えば、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルエステル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール
エーテル、ポリオキシエチレンソルビダンモノアルキレ
ート、エチレンオキサイド・プロピレンオキサイドブロ
ックコポリマーなどに代表される高HLBのノニオン系
界面活性剤やポリビニルアルコール、ヒドロキシメチル
セルロース、ゼラチンなどの保護コロイドを用いて単量
体(イ)、その他の共重合体成分や、あるいは下記した
ような架橋性単量体(ロ)などの成分を水中に懸濁さ
せ、油溶性の重合開始剤を用いて行う重合方法である。
ここで重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオ
キシド、ラウロイルパーオキシド、クメンハイドロパー
オキシドなどの有機過酸化物、2、2’−アゾビスイソ
ブチルニトリル、2、2’−アゾビスジメチルバレロニ
トリルなどのアゾ化合物などを挙げることができる。
【0031】また、乳化重合法とは、例えば、アルキル
硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
サルフェート、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキル
スルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホン酸
塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルアリルポリ
エーテルスルホン酸塩などのアニオン系界面活性剤類;
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェノールエーテル、ポリオキシエチレンソルビダンモノ
アルキレート、エチレンオキサイド・プロピレンオキサ
イドブロックコポリマーなどのノニオン系界面活性剤を
用いて単量体(イ)、その他の共重合成分や、あるいは
下記したような架橋性単量体(ロ)などの成分を水中に
懸濁させ、水溶性重合開始剤を用いて行う重合方法であ
る。ここで重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩や、前記過硫酸
塩と亜硫酸水素ナトリウムなどの還元剤を併用するレド
ックス開始剤などを挙げることができる。
【0032】本発明の第3の油性インク用インクジェッ
ト記録シートに用いられる架橋重合体とは、炭素数4〜
18の炭化水素基を有する単量体(イ)を1分子中に2
個以上の重合性不飽和基を有する架橋性単量体(ロ)で
3次元架橋せしめられたものを言う。このような架橋重
合体であると、一旦吸収した有機溶剤の保持性が改良さ
れるため、画像の滲みを抑制することができる。後述す
るように油性インクに用いられる有機溶剤は高沸点溶剤
である場合が多く、画像記録後も該溶剤がインク受理層
中に長時間残存することになる。したがって、インク受
理層中の溶剤を保持(固定)せずにいると経時で層中を
拡散し、画像滲みが発生するなどの不都合を生じる。
【0033】ここで、架橋性単量体(ロ)としては、例
えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、1、3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、N、N−プロピレンビスアクリルアミド、ジアク
リルアミドジメチルエーテル、N、N−メチレンビスア
クリルアミド、グリセロールジ(メタ)アクリレート、
ネオペンチルグリセロールジ(メタ)アクリレート、
1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テト
ラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グ
リセリン、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプ
ロパン、トリメチロールエタン、テトラメチロールメタ
ンなどの多価アルコールのアルキレンオキシド付加物と
(メタ)アクリル酸とのエステル化によって得られる多
官能(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンなどを挙
げることができ、これらの架橋性単量体(ロ)の1種ま
たは2種以上を併用して用いることができる。
【0034】架橋性単量体(ロ)の含有量は、単量体
(イ)に対して、0.001〜20重量%程度である。
架橋性単量体(ロ)の含有量が0.001重量%未満で
は、十分な架橋重合体が得られないため、一旦吸収した
有機溶剤の保持性の向上は期待できず、また、20重量
%を越える場合には架橋が進行し過ぎて有機溶剤の吸収
性が低下してしまうため好ましくない。
【0035】架橋重合体は、上記したような懸濁重合
法、乳化重合法を用いて重合体と同様に製造することが
できる。さらに、製造時には単量体(イ)や架橋性単量
体(ロ)成分を水中に懸濁させた後、ホモジナイザー、
コロイドミルなどを用いてさらに微粒子化してから懸濁
重合を行うなどの方法を用いることにより、適宜調整し
た粒子径を有する架橋重合体を製造することもできる。
【0036】ここで、懸濁重合法や乳化重合法で架橋重
合体を製造する場合には、その粒子の大きさを0.01
〜1000μm程度の範囲で調整することが可能である
が、本発明のインクジェット記録シートに好適に用いる
ことができるものは、平均粒子径が30μm以下、より
好ましくは0.01〜5μmであることが好ましい。一
般に、有機溶剤の吸収速度は、粒子の比表面積と比例関
係にあるため、該溶剤を速やかに吸収するには粒子径が
小さい程好ましいが、一方では粒子の凝集力が、粒子の
比表面積と比例関係にあるために径が小さくなれば架橋
重合体同士の凝集力が増加して2〜3次凝集体を構成す
るため、見かけ上の比表面積が低下してしまうといった
不都合が生じる。架橋重合体の平均粒子径が0.01μ
m未満では特に凝集力が急激に増加するため好ましくな
く、架橋重合体とする利点が失われるばかりか、重合時
に使用する乳化剤量が多くなり画像滲みなどの弊害を起
こす場合もある。また、平均粒子径が30μmを超える
ようになるとインクジェット記録シートの平滑性が損な
われ、さらに架橋重合体粒子の比表面積が小さくなるた
めにインク吸収速度が低下してしまうため好ましくな
い。
【0037】本発明の第2および3の油性インク用イン
クジェット記録シートに用いられる熱可塑性樹脂は、
1)密度が1.1g・cm-3以上であること、および
2)疎水性であることを特徴とする。
【0038】ここで、密度とは、ASTM D792や
JIS K−7112で規定されるような試験法で測定
したものであり、該密度が1.1g・cm-3未満である
と画像濃度や発色性が劣る。この理由は定かでないが、
密度が1.1g・cm-3未満の代表的な熱可塑性樹脂と
してはポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンオ
キサイドなどの樹脂を挙げることができるものの、基本
的にこれらの樹脂は、ナフトール染料、アゾ染料、金属
錯塩染料、アントラキノン染料、キノイミン染料、イン
ジゴ染料、シアニン染料、キノリン染料、ニトロ染料、
ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、カーボニウム染料、
ナフトキノン染料、ナフタルイミド染料、フタロシアニ
ン染料、ペリニン染料などの油溶性染料との親和性に欠
けるため、染料は樹脂に染着しにくい。したがって、イ
ンクジェット記録時には、油溶性染料が熱可塑性樹脂に
十分拡散して染着しないために、画像濃度や発色性が劣
るものと推測できる。
【0039】さらに、密度が1.1g・cm-3以上の熱
可塑性樹脂であっても、例えば、ポリビニルアルコール
やポリビニルピロリドンのような親水性の樹脂である
と、やはり上記のような問題点を解決することはできな
い。基本的に、油溶性染料に対して親水性の熱可塑性樹
脂は染着性に欠けるものであるため、良好な画像濃度や
発色性を得ることができないと推測される。
【0040】本発明に用いる熱可塑性樹脂は、顔料の接
着性を高め、インク受理層の膜強度を十分なものにする
ために、平均分子量が2,000〜1,000,000
の範囲が好適である。
【0041】インク受理層に好適に用いることのでき
る、密度が1.1g・cm-3以上で疎水性の熱可塑性樹
脂について代表的なものを以下に挙げるが、本発明はこ
れに限定されるものではない。
【0042】a)ポリ塩化ビニル樹脂あるいは下記のよ
うな共重合成分との共重合体:酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、酪酸ビニルなどの飽和脂肪酸ビニルエステル
類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸ジ
エチル、マレイン酸モノ−2−エチルヘキシル、フマル
酸ジ−2−エチルヘキシルなどの不飽和カルボン酸およ
びそのアルキルエステル類;アリルグリシジルエーテ
ル、グリシジルメタクリレートなどのビニルモノマー、
アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸ベンジル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタアクリ
ル酸ベンジルなどのアクリル酸あるいはメタアクリル酸
およびそのアルキルエステル類;エチレン、プロピレ
ン、イソブチレン、シクロペンテンなどのオレフィン
類、メチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテ
ル、ラウリルビニルエーテルなどのアルキルビニルエー
テル類;ジクロロエチレン、トリクロロエチレンなどの
ハロゲン化オレフィン類;ビニルカプロエート、ビニル
ペラゴネート、ビニルラウレート、ビニルミリステー
ト、ビニルパルミテート、ビニルステアレートなどの長
鎖アルキルビニルエステル類;ビニルアルコール、塩化
ビニリデン、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル
などが挙げられる。
【0043】b)ポリ酢酸ビニル樹脂あるいは下記のよ
うな共重合成分との共重合体:アクリロニトリル、アセ
タール、エチレン、分岐脂肪酸ビニルエステル、スチレ
ン、アクリルおよびアクリル酸エステル、マレイン酸エ
ステル、フマル酸エステル、クロロプレン、フェノール
などが挙げられる。
【0044】c)ポリビニルホルマール樹脂:ポリビニ
ルアルコール溶液にホルマリンを作用せしめて得られ、
例えば、飽和脂肪酸ビニルエステル類、不飽和カルボン
酸およびそのアルキルエステル類;アクリル酸あるいは
メタクリル酸およびそのアルキルエステル類;アルキル
ビニルエーテル類;などにより各種変性されたポリビニ
ルアルコール系樹脂を挙げることができる。
【0045】d)ポリビニルアルコールを下記のような
アルデヒド類あるいはアセタール類でアセタール化する
ことにより得られるポリビニルアセタール系樹脂:例え
ば、C1 〜C20の直鎖あるいは分岐鎖状のアルキル基を
有するアルキルアルデヒドあるいはアセタール類;クロ
ロメチル基、ブロモメチル基、アミノメチル基、7−カ
ルボキシヘプチル基、ベンジル基などの置換アルキル基
を有するアルキルアルデヒドあるいはアセタール類;フ
ェニルアルデヒド;ベンゼン環にアルキル基、アルコキ
シ基、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、ハロ
ゲン原子などの置換フェニル基を有するフェニルアルデ
ヒドあるいはアセタール類;ビニル基、2−メチルビニ
ル基などのアルケニルアルデヒドあるいはアセタール類
などを挙げることができる。
【0046】e)下記のような塩基酸とグリコール類の
脱水縮合反応で得られるポリエステル系樹脂:不飽和2
塩基酸としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン
酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン
酸、塩素化マレイン酸などを挙げることができる。飽和
2塩基酸としては、例えば、フタル酸、無水フタル酸、
イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、セ
バシン酸、チオジグリコール酸、3,6−エンドメチレ
ンテトラヒドロ無水フタル酸、テトラクロール無水フタ
ル酸、3,6−エンドジクロロメチレンテトラクロロフ
タル酸などを挙げることができる。多塩基酸としては、
例えば、ピロメリック酸、無水ピロメリック酸、トリメ
リック酸などを挙げることができる。グリコール類とし
ては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、ビスフェノーエルジオイシプ
ロピルエーテル、ネオペンチルグリコールブテンジオー
ルなどを挙げることができる。
【0047】f)ジフェニルカーボネートと下記のよう
なビスフェノール類のエステル交換により得られるポリ
カーボネート系樹脂:ビスフェニール類として、例え
ば、4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル−メタン、
4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル−1,1−エタ
ン、4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル−1,1−n
−ブタン、4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル−1,
1−ヘプタン、4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル−
フェニル−メタン、4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニ
ル−2,2−プロパン、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’−ジメチル−ジフェニル−2,2−プロパン、4,
4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメフェニル−ジフェ
ニル−2,2−プロパン、4,4’−ジヒドロキシ−ジ
クロロ−ジフェニル−2,2−プロパン、4,4’−ジ
ヒドロキシ−ジフェニル−2,2−ブタン、4,4’−
ジヒドロキシ−ジフェニル−メチル−イソブチル−メタ
ン、4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル−2,2−ヘ
プタン、4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル−2,2
−オクタン、4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル−
3,3−ペンタン、4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニ
ル−4,4−n−ヘプタン、4,4’−ジヒドロキシ−
ジフェニル−1,1−シクロペンタン、4,4’−ジヒ
ドロキシ−ジフェニル−1,1−シクロヘキサン、4,
4’−ジヒドロキシ−ジフェニル−メチル−フェニル−
メタン、4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル−エチル
−フェニル−メタン、4,4’−ジヒドロキシ−ジフェ
ニル−2,2,2−トリクロロ−1,1−エタン、4,
4’−ジヒドロキシ−3−メチル−ジフェニル−2,2
−プロパン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジエ
チル−ジフェニル−2,2−プロパン、4,4’−ジヒ
ドロキシ−3,3’−ジイソプロピル−ジフェニル−ジ
フェニル−2,2−プロパン、4,4’−ジヒドロキシ
−3,3’−テトラクロロ−ジフェニル−ジフェニル−
2,2−プロパン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’
−ジシクロヘキシル−ジフェニル−ジフェニル−2,2
−プロパン、4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル−イ
ソブチル−メタンなどが挙げられる。
【0048】g)下記のような、脂肪族2塩基酸、芳香
族2塩基酸、1塩基酸、不飽和脂肪酸とグリコール類の
重縮合物である熱可塑性のアルキッド系樹脂:脂肪族2
塩基酸として、例えば、無水マレイン酸、マレイン酸、
フマル酸、シトラコン酸、無水コハク酸、コハク酸、イ
タコン酸、グルタン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベ
リン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレ
イン化脂肪酸などが挙げられる。芳香族2塩基酸とし
て、例えば、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタ
ル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラクロロ無水フ
タル酸、無水ハイミック酸、α−テレピフィン−無水マ
レイン酸付加物、α−フェランドレン−無水マレイン酸
付加物、無水ヘット酸などが挙げられる。グリコール類
として、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、プロピレングリコール(1,2)、ジプロピレ
ングリコール、ブチレングリコール(1,3)、ブチレ
ングリコール(2,3)、トリメチレングリコール、テ
トラエチレングリコール、ビスフェノールジオキシエチ
ルエーテル、ビスフェノールジオキシプロピルエーテ
ル、ネオペンチルグリコールブテンジオール(1,4)
などが挙げられる。1塩基酸として、例えば、大豆油、
アマニ油、キリ油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、ヤシ油、
およびこれらの脂肪酸、アクリル酸、メタクリル酸、ス
テアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、
エレオステアリン酸、リシノレイン酸、脱水リシノレイ
ン酸、合成脂肪酸、安息香酸、p−tert−ブチル安
息香酸、アビエチン酸などが挙げられる。不飽和脂肪酸
として、例えば、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸な
どのオキシ酸などが挙げられる。
【0049】h)2官能性活性水素化合物を用い、下記
のような全反応系のイソシアネート基と活性水素基が当
量で線状高分子化した熱可塑性ポリウレタン系樹脂:2
官能性活性水素化合物としては、例えば、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、
ネオペンチルグリコール、ポリ(オキシプロピレン)グ
リコール、ポリ(オキシプロピレン)ポリ(オキシエチ
レン)グリコール、ポリ(オキシブチレン)グリコー
ル、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、末端ヒ
ドロキシポリエステルやその他の2水酸基含有化合物な
どが挙げられる。イソシアネートとしては、例えば、
2,4−トリレンジイソシアネート、65/35トリレ
ンジイソシアネート、80/20トリレンジイソシアネ
ート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
ジアニシジンジイソシアネート、トリデンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネートの誘導体、ジメリールジイソシアネ
ート、メタキシリレンジイソシアネート、フェニルイソ
シアネート、パラクロルフェニルイソシアネート、オル
ソクロルフェニルイソシアネート、メタクロルフェニル
イソシアネート、3,4−ジクロルフェニルイソシアネ
ート、2,5−ジクロルフェニルイソシアネート、メチ
ルイソシアネート、エチルイソシアネート、n−ブチル
イソシアネート、n−プロピルイソシアネート、オクタ
デシルイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシア
ネートなどを挙げることができる。
【0050】i)エチルセルロースやプロピオン酸セル
ロースなどのセルロース系樹脂:エチルエーテルやベン
ジルエーテルなどでエーテル化せしめたセルロースエー
テル類;エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、
カルボキシメチルエチルセルロース、ソジウムカルボキ
シメチルセルロースなどの水溶性セルロース誘導体;硝
酸、硫酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、その他の高級脂
肪酸エステル、または硝酢酸の混合エステル、酢酪酸エ
ステルなどのセルロースエステル類などの各種変性セル
ロースが挙げられる。
【0051】これらの樹脂は、1種を単独で用いること
もできるし、2種以上を混合して用いることもでき、ま
た、本発明を損なわない範囲であれば市販品を好適に用
いることもできる。
【0052】本発明の油性インク用インクジェット記録
シートに用いる熱可塑性樹脂としては、上記した樹脂の
中でも特に、塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアセタール
系樹脂、アルキッド系樹脂および熱可塑性ポリウレタン
系樹脂から選ばれるものが好ましい。これらの熱可塑性
樹脂は、特に油溶性染料との親和性が高いため、より一
層画像濃度を向上させることができる。
【0053】本発明における第1〜3の油性インク用イ
ンクジェット記録シートのインク受理層には、炭化水素
基由来のタック防止、ブロッキング防止や搬送性を向上
させるために、本発明の目的を阻害しない範囲で従来公
知の顔料やコロイド粒子の1種以上を単独で、あるいは
混合して用いることができる。
【0054】顔料としては、無機顔料と有機顔料に大別
することができるが、特に、無機顔料としては、例え
ば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリ
ン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チ
タン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイ
ト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、
珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、水酸化アルミニ
ウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサ
イト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの白
色顔料が挙げられる。
【0055】一方、有機顔料としては、アクリルあるい
はメタクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系
樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン/アクリル系樹
脂、スチレン/ブタジエン系樹脂、ポリスチレン/アク
リル系樹脂、ポリスチレン/イソプレン系樹脂、メチル
メタクリレート/ブチルメタクリレート系樹脂、ポリカ
ーボネート系樹脂、シリコーン系樹脂、尿素樹脂、メラ
ミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ジア
リルフタレート系樹脂などの少なくとも1種以上の樹脂
からなる真球状あるいは不定型の無孔質あるいは多孔質
ビーズなどを挙げることができる。
【0056】コロイド粒子としては、コロイダルアルミ
ナ、擬ベーマイト、コロイダルシリカ、シリカ/アルミ
ナハイブリッドゾル、ヘクタイト、モンモリロナイトな
どのスメクタイト粘土、ジルコニアゾル、クロミアゾ
ル、イットリアゾル、セリアゾル、酸化鉄ゾル、ジルコ
ンゾル、酸化アンチモンゾルなどを代表的なものとして
挙げることができる。
【0057】本発明における第1〜3の油性インク用イ
ンクジェット記録シートにおけるインク受理層中には、
可塑剤、顔料分散剤、カチオン性樹脂、色素定着剤、撥
油性化合物、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透
剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、
防腐剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、レオロジーモデフ
ァイヤー、酸化防止剤などを適宜含有することもでき、
さらに、本発明の目的を阻害しない範囲において、従来
公知のインク受理層に用いるような親水性高分子や合成
樹脂を含有することもできる。
【0058】本発明における第2の油性インク用インク
ジェット記録シートのインク受理層では、炭素数4〜1
8の炭化水素基を有する単量体(イ)の含有量が30重
量%以上の重合体と密度(ρ)1.1g・cm-3以上で
疎水性の熱可塑性樹脂の混合重量比を3/7〜9/1と
することが好ましい。ここで、該重合体の混合比が3未
満では、油性インクの有機溶剤を満足に吸収することが
できず、一方、該熱可塑性樹脂の混合比が1未満では、
より優れた画像濃度を得るのに不十分となる。
【0059】本発明における第3の油性インク用インク
ジェット記録シートのインク受理層では、炭素数4〜1
8の炭化水素基を有する単量体(イ)の含有量が30重
量%以上の架橋重合体と密度(ρ)1.1g・cm-3
上で疎水性の熱可塑性樹脂の混合重量比を3/7〜9/
1とすることが好ましい。ここで、該架橋重合体の混合
比が3未満では、油性インクの有機溶剤を満足に吸収・
保持することができず、経時での画像滲みを満足に抑制
することが困難となる。一方、該熱可塑性樹脂の混合比
が1未満では、より優れた画像濃度を得るのに不十分と
なる。
【0060】本発明における第1〜3の油性インク用イ
ンクジェット記録シートの支持体としては、 a)ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポ
リエチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ノルボ
ルネン、ビニロン、ポリビニルアルコール、ナイロンな
どの合成樹脂フィルムやこれら材料に顔料、発泡剤など
を含有して透明度を低下させた半透明合成樹脂フィルム
類;
【0061】b)ポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レン/プロピレン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重
合体、ポリスチレン、アクリル酸エステル類などの熱可
塑性樹脂と炭酸カルシウム、タルク、シリカ、焼成クレ
ーなどの無機顔料を混合して延伸積層した合成紙;
【0062】c)LBKP、NBKPなどの化学パル
プ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CM
P、CGPなどの機械パルプ、DIPなどの古紙パルプ
などの木材パルプと従来公知の顔料を主成分として、バ
インダーおよびサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カ
チオン化剤、紙力増強剤などの各種添加剤を1種以上用
いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー
抄紙機などの各種装置で製造された原紙類;
【0063】d)原紙に、澱粉、ポリビニルアルコール
などでのサイズプレスやアンカーコート層を設けた原紙
や、それらの上にコート層を設けたアート紙、コート
紙、キャストコート紙などの塗工紙類;
【0064】e)マシンカレンダー、TGカレンダー、ソ
フトカレンダーなどのカレンダー装置を用いて平滑化処
理を施したような原紙類;f)原紙あるいは塗工紙の両面
または片面に溶融押し出し法などにて高密度、低密度ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどをコー
トしたレジンコート紙類;
【0065】g)あるいはこれら支持体の表面にコロナ
放電処理、火炎処理、プラズマ処理、アンカー層塗工処
理などの易接着性を改良したようなものを好適に用いる
ことができる。
【0066】さらに、これらの支持体には、マシンカレ
ンダー、スーパーカレンダー、グロスカレンダー、艶消
しカレンダー、摩擦カレンダー、ブラシカレンダーなど
のカレンダー処理を行うことができる。支持体の坪量と
しては、通常50〜300g/m2程度のものが用いられ
る。
【0067】ここで、本発明の油性インク用インクジェ
ット記録シートのインク受理層であれば、特にオーバー
ヘッドプロジェクター(OHP)やバックライトフィル
ムなどの透過材料として好適に用いることができる。
【0068】本発明の第1〜3における油性インク用イ
ンクジェット記録シートのインク受理層の塗工量は特に
制限はないが、1〜50g/m2が好ましい。塗工量が1g/
m2未満であると十分な画像濃度およびインク吸収性が得
られないため好ましくなく、塗工量が50g/m2を超える
と油性インク用インクジェット記録シートのカール性が
悪化するため好ましくない。
【0069】本発明におけるインク受理層を支持体上に
設ける方法としては、水または親水性有機溶剤あるいは
これらの混合溶媒、もしくは有機溶剤を用いて、例え
ば、従来公知のエアーナイフコーター、カーテンコータ
ー、ダイコーター、リップコーター、ブレードコータ
ー、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコー
ター、ロールコーター、ビルブレードコーター、ショー
トドエルブレードコーター、サイズプレス、シムサイザ
ーなどの各種装置により支持体上に塗工することができ
る。
【0070】ここで、インク受理層は、ある一定の塗工
量を数回に分けて塗設することもできる。ここで、数回
に分割してインク受理層を塗工する方法としては、1層
ごとに乾燥して塗工する場合と、複数層をウェット・オ
ン・ウェットで同時に塗工する方法を挙げることができ
る。
【0071】本発明における油性インクとは、色材とし
て、例えば、ナフトール染料、アゾ染料、金属錯塩染
料、アントラキノン染料、キノイミン染料、インジゴ染
料、シアニン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロ
ソ染料、ベンゾキノン染料、カーボニウム染料、ナフト
キノン染料、ナフタルイミド染料、フタロシアニン染
料、ペリニン染料などの油溶性染料を有機溶剤に溶解ま
たは分散したものである。
【0072】特に、本発明における油性インクとは、例
えば、特公平7−78187号公報、同7−78188
号公報、同8−6057号公報や同8−26259号公
報などに提案されているものである。油性インク中に溶
解されている油溶性染料としては、例えば、C.I.Solven
t Yellow 1,2,3,4,6,7,8,10,12,13,14,16,18,19,21,25,
25:1,28,29,30,32,33,34,36,37,38,40,42,43,44,47,48,
55,56,58,60,62,64,65,72,73,77,79,81,82,83,83:1,85,
88,89,93,94,96,98,103,104,105,107,109,112,114,116,
117,122,123,124,128,129,130,131,133,134,135,138,13
9,140,141,143,146,147,148,149,150,151,152,153,157,
158,159,160:1,161,162,163,164,165,167,168,169,170,
171,172など;C.I.Solvent Red 1,2,3,4,7,8,13,14,17,
18,19,23,24,25,26,27,29,30,33,35,37,39,41,42,43,4
5,46,47,48,49,49:1,52,68,69,72,73,74,80,81,82,83,8
3:1,84,84:1,89,90,90:1,91,92,106,109,111,117,118,1
19,122,124,125,127,130,132,135,138,140,143,145,14
6,149,150,151,152,155,160,164,165,166,168,169,172,
175,176,177,179,180,181,182,185,188,189,195,198,20
2,203,204,205,206,207,208,209,210,212,213,214,215,
216,217,218,219,220,221,222,223,224,225,226,227,22
8,229など;C.I.Solvent Blue 2,4,5,7,10,11,12,22,2
5,26,35,36,37,38,43,44,45,48,49,50,51,59,63,64,66,
67,68,70,72,79,81,83,91,94,95,97,98,99,100,102,10
4,105,111,112,116,117,118,122,127,128,129,130,131,
132,133,134など;C.I.Solvent Black 3,5,6,7,8,13,2
2,22:1,23,26,27,28,29,33,34,35,39,40,41,42,43,45,4
6,47,48,49,50などを挙げることができる。
【0073】これらの油溶性染料の中でも特に、C.I.So
lvent Yellow 3,14,16,33,56、C.I.Solvent Red 18,24,2
7,122,135、C.I.Solvent Blue 14,25,35,48,108、C.I.Sol
ventBlack 3,7,22,34,50は染料の堅牢性が高いため、好
適に用いることができる。
【0074】油性インクに用いられる有機溶剤として
は、インクジェット記録装置のインク吐出ヘッドの特性
に適合するよう種々な溶剤が選択され、場合によっては
複数種の溶剤を混合して用いる場合もある。
【0075】一方では、吸引・透皮毒性や引火性など安
全性を重視する必要があり、高沸点パラフィン類などが
多用される傾向にある。
【0076】油性インクに用いられる有機溶剤の代表的
な例を以下に挙げれば、例えば、ペガゾール(モービル
石油)、シェルSBR、シェルゾール(シェル石油製)
などの石油ナフサ系溶剤類;ハイソゾール(日本石油
製)などの芳香族系石油溶剤、ソルトール(フィリップ
ス石油製)、エクソゾール(エクソン化学製)アイソパ
ー(エクソン製)、IPソルベント(出光石油化学製)
などの脂肪族系石油溶剤;インクソルベント(三菱石油
製)などのナフテン系石油溶剤;モノまたはジ置換アル
キルナフタレン、ビフェニルのアルキル誘導体、キシリ
ルエタン、フェネチルクメンなどの芳香族炭化水素系溶
剤;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルア
ルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチ
ルアルコール、イソブチルアルコールなどの炭素数1〜
4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミドなどのアミド類;アセトン、ジアセ
トンアルコールなどのケトンまたはケトンアルコール
類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル
類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ルなどのポリアルキレングリコール類;エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ト
リエチレングリコール、1、2、6−ヘキサントリオー
ル、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチ
レングリコールなどのアルキレン基が2〜6個のアルキ
レングリコール類;グリセリン、エチレングリコールメ
チルエーテル、ジエチレングリコールメチル(またはエ
チル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチルエ
ーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテル
類;リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシ
ル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレシンルなどの
リン酸エステル類;フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチ
ル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸
ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、
フタル酸ジイソノニル、フタル酸オクチルデシル、フタ
ル酸ブチルベンジルなどのフタル酸エステル類;オレイ
ン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステルなどの
脂肪族1塩基酸エステル類;アジピン酸ジブチル、アジ
ピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸アルキル6
10、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン
酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシルなどの
脂肪族ニ塩基酸エステル類;アセチルリシノール酸メチ
ル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチ
ルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなどのオ
キシ酸エステル類;塩素化パラフィン、塩素化ビフェニ
ル、2−ニトロビフェニル、ジノニルナフタレン、o−
およびp−トルエンスルホンエチルアミド、ショウ脳、
アビエチン酸メチルなどの可塑剤類などを挙げることが
できる。
【0077】また、例えば、特公平6−247034号
公報や同6−306319号公報などに提案されてい
る、いわゆる熱溶融タイプインクジェット記録用の油性
インクであっても、本発明における第1〜3の油性イン
ク用インクジェット記録シートであれば好適なインクジ
ェット記録を行うことができる。熱溶融タイプインクジ
ェット記録用油性インクでは、以下のような溶剤が一般
的に用いられる。例えば、ポリエチレンワックス、オゾ
ケライト、セレシン、キャンデリラワックス、ライスワ
ックス、ホホバ固体ロウ、ミツロウ、ラノリン、鯨ロ
ウ、フィッシャートロプシュワックス、カルナバワック
ス、パラフィンワックス、サゾールワックス、マイクロ
クリスタリンワックス、エステルワックスなどのワック
ス類;1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジ
オール、1,12−ドデカンジオールなどのジオール
類;ラウリン酸、ステアリン酸、パルミチン酸などの脂
肪酸類;ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレ
イン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、
12−ヒドロキシステアリン酸アミド、特殊脂肪酸アミ
ドなどの脂肪酸アミド類;一般式RCONHR’あるい
はRNHCOR’CONHRで表されるN−置換脂肪酸
アミド類;アルキロールアミド類;セチルアルコール、
ステアリルアルコールなどの高級アルコール類;芳香族
エステル、芳香族アルコールなどの芳香族化合物;ラウ
リン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチ
ル、ステアリン酸メチル、やし脂肪酸メチル、ミリスチ
ン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸
オクタデシル、オレイン酸オレイルなどの1価アルコー
ル脂肪酸エステル類;グリセリン脂肪酸エステル、ソル
ビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エ
ステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレン脂肪酸エステルなどの多価アルコール脂肪酸
エステル類;エポキシ樹脂類;ポリアミド樹脂類;ポリ
エステル樹脂類;ポリアクリル樹脂類;ポリウレタン樹
脂類;ポリオレフィン樹脂類。
【0078】上記したような各種油性インクでは、その
保存安定性や記録画像の耐擦過性などを向上させる目的
で、例えば、ポリアクリル酸エステル、アマニ油変性ア
ルキッド樹脂、ポリスチレン、ロジン系樹脂、テルペン
フェノール系樹脂、アルキルフェノール変性キシレン樹
脂などの極性樹脂を添加したり、金属封鎖剤、表面張力
調整剤、界面活性剤、粘度調整剤、消泡剤、抑泡剤、離
型剤、発泡剤、浸透剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、防
腐剤、耐水化剤、レオロジーモデファイヤーおよび酸化
防止剤などの添加剤を適宜含有することもできる。
【0079】上記したような何れの油性インクにおいて
も、従来公知の水性インクに比べて色材、すなわち油溶
性染料の溶解濃度を高くすることが容易である。一概に
は言えないが、水性インクの数倍から十数倍の濃度で溶
解あるいは分散し、良好なインク吐出ヘッドの特性を達
成することが可能である。したがって、同一な画像濃度
を得る場合のインク吐出量は、油性インクのほうが少な
くて済み経済的である。
【0080】本発明の油性インク用インクジェット記録
シートであれば、上記のような油溶性染料を用いた油性
インクのみならず、従来公知の油性顔料インクにおいて
も好適に用いることができる。ここで、顔料としては、
例えば、パラニトロアニリンレッド、トルイジンレッ
ド、ファイヤーレッド、ナフチラミンボルドー、オルト
ニトロアニリンオレンジ、パーマネントレッドG、レー
キファストオレンジ3GL、リゾールレッド、レーキレ
ッドC、レーキレッドDなどのアゾ系顔料、ウオッチン
グレッド、ブリリアントカーミン6B、ボルドー10
B、マルーンライト、エローGL、オレンジG、ナフト
ールASITRなどの難溶性アゾ系顔料、パーマネント
レッドFR、パーマネントレッドFRLL、パーマネン
トレッドFGR、パーマネントレッドFBL、パーマネ
ントレッドFRR、カーミンBS、ファストエローG、
ファストエローG、ファストエロー3G、ファストエロ
ー5G、ファストエロー10G、ファストエローGR、
ベンチジンエロー、ベンチジンエローR、ベンチジンエ
ローGR、ベンチジンエローG、ベンチジンエロー5G
などの不溶性アゾ系顔料、銅フタロシアニン、塩素化銅
フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシ
アニン系顔料、シンカシアレッドY、シンカシアレッド
B、シンカシアレッドRなどのキナクリドン系顔料、ト
リフェンジオイサジン、カルバゾールジオイサジンバイ
オレッド、バイオレットなどのジオキサジン系顔料、ア
ンスラピリミジンエロー、フラバンスロンエロー、アン
スアンスロンスカーレッド、インダンスロンブルー、イ
ソベオランスロンバイオレット、チオインジゴボルド
ー、チオインジゴマルーン、ペリノンオレンジ、マルー
ン、スカーレットなどの建染染料系顔料、縮合アゾ顔
料、イソインドリノン系顔料や酸化チタン、亜鉛華、ク
ロム酸鉛系顔料、カドミウム系顔料などの無機系顔料を
挙げることができる。
【0081】
【実施例】以下に、本発明の実施例を挙げて説明する
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。ま
た、実施例において示す「部」および「%」は、特に明
示しない限り重量部および重量%を示す。
【0082】〈インクの作製〉下記の各成分を十分に混
合、溶解した後、0.45μmのメンブランフィルター
で濾過を行ったものを油性インクとした。
【0083】 (油性インク) 油溶性染料(スチリル系シアン染料) 6部 脂肪族系石油溶剤 86部フェネチルクメン 8部
【0084】〈評価方法〉以下に挙げた実施例および比
較例の各油性インク用インクジェット記録シートは次の
方法で評価を行った。
【0085】(1)インク吸収性 各インクジェット記録シートに、上記の油性インクを充
填したドロップオンデマンド方式のインクジェットプリ
ンターを用いてシアンベタ記録を行い、油性インクの浸
透・乾燥までの時間を測定し、併せてベタ記録部のムラ
を目視で評価した。 ◎:ムラがなくきれい。 ○:ごく僅かなムラがあるものの、画像品質には問題な
いレベル。 △:ムラが確認され、画像に悪影響を及ぼす。 ×:ムラが酷く、画像品質を著しく低下させる。
【0086】(2)画像濃度 各インクジェット記録シートに、上記の油性インクを充
填したドロップオンデマンド方式のインクジェットプリ
ンターを用いてシアンベタ記録を行い、マクベスTD9
04にて透過画像濃度を測定した。
【0087】(3)画像滲み 各インクジェット記録シートに、上記の油性インクを充
填したドロップオンデマンド方式のインクジェットプリ
ンターを用いてドット(6×5ヶ)を記録し、次いで、
30℃、85%RHの環境下に2週間放置した。放置前
後のドット半径を画像解析装置(ニレコ製、ルーゼック
ス、測定条件:画素数16000、1画素4μm)を用
いて測定した。処理前後のドット半径の差Δrを評価値
とした。ここで、Δrが大きいほど画像滲みが大きいこ
とを示す。
【0088】合成例1 〈重合体の作製〉付加モル数10のポリエチレングリコ
ールモノラウリルエーテル3部を水300部に溶解した
水溶液中に、炭素数4の炭化水素基を有する単量体
(イ)としてブチルアクリレート30部、その他の成分
としてメチルメタクリレート70部および重合開始剤と
して2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5部を
順次加えて水分散液を調製した。
【0089】次いで、温度計、攪拌装置、ガス導入管、
還流冷却装置を備えた500ml丸底フラスコに上記単
量体(イ)の水分散液を仕込み、400rpmの条件下
で攪拌しながらフラスコ内を窒素置換した。引き続き窒
素気流下でフラスコ内の温度を73℃に昇温し、同温度
で2時間維持して重合反応を行った。その後さらに90
℃まで昇温し2時間維持して重合を完結させて重合体
(A)の水分散液を得た。水分散液中の重合体(A)の
含有量は25重量%であった。
【0090】合成例2 〈重合体の作製〉ブチルアクリレートに代えてn−ヘキ
シルメタクリレートを用いた以外は合成例1と同様に作
製し、重合体(B)を得た。水分散液中の重合体(B)
の含有量は22.3重量%であった。
【0091】合成例3 〈重合体の作製〉ブチルアクリレートに代えてオクタデ
シルアクリレートとした以外は合成例1と同様に作製
し、重合体(C)を得た。水分散液中の重合体(C)の
含有量は22.5重量%であった。
【0092】合成例4 〈重合体の作製〉n−ヘキシルメタクリレートの含有量
を50部、メチルメタクリレートの含有量を50部とし
た以外は合成例1と同様に作製し、重合体(D)を得
た。水分散液中の重合体(D)の含有量は22.4重量
%であった。
【0093】合成例5 〈重合体の作製〉n−ヘキシルメタクリレートの含有量
を80部、メチルメタクリレートの含有量を20部とし
た以外は合成例1と同様に作製し、重合体(E)を得
た。水分散液中の重合体(E)の含有量は24.1重量
%であった。
【0094】合成例6 〈重合体の作製〉ドデシルメタクリレートの含有量を8
0部、メチルメタクリレートの含有量を20部とした以
外は合成例1と同様に作製し、重合体(F)を得た。水
分散液中の重合体(F)の含有量は23.5重量%であ
った。
【0095】合成例7 〈重合体の作製〉ヘキサデシルメタクリレートの含有量
を80部、メチルメタクリレートの含有量を20部とし
た以外は合成例1と同様に作製し、重合体(G)を得
た。水分散液中の重合体(G)の含有量は23重量%で
あった。
【0096】合成例8 〈架橋重合体の作製〉温度計、攪拌装置、ガス導入管、
2本の滴下ロートおよび還流冷却器を備えた500ml
の丸底フラスコに付加モル数17のポリエチレングリコ
ールモノノニルフェニルエーテル3部および水100部
を仕込み、300rpmの条件で攪拌しながら窒素置換
し、窒素気流下で70℃に加熱した。
【0097】一方、付加モル数17のポリエチレングリ
コールモノノニルフェニルエーテル3部を水150部に
溶解した水溶液中に、炭素数6の炭化水素基を有する単
量体(イ)としてn−ヘキシルメタクリレート40部、
その他の成分としてメチルビニルエーテル60部および
架橋性単量体(ロ)として1,6−ヘキサンジオールジ
アクリレート0.2部を加えて水分散液を調製した。ま
た、過硫酸ナトリウム1部を水50部に溶解し、重合開
始剤の水溶液を調製した。
【0098】次いで、上記の水分散液および重合開始剤
の水溶液を各々別の滴下ロートに仕込み、まず、上記の
水分散液50部と重合開始剤の水溶液5部をフラスコに
滴下して重合を開始した。その後、フラスコ内を窒素気
流下で70℃に維持しながら残りの水分散液を120分
かけて滴下し、同時に残りの重合開始剤の水溶液を24
0分かけて滴下した。滴下終了後、さらに70℃で12
0分間維持して重合を完結させて架橋重合体(H)を得
た。水分散液中の重合体(H)の含有量は25重量%で
あり、電気泳動光散乱装置により測定した粒径は5.3
μmであった。
【0099】合成例9 〈架橋重合体の作製〉n−オクチルメタクリレートの含
有量を80部、メチルビニルエーテルの含有量を20部
とした以外は合成例8と同様に作製し、架橋重合体
(I)を得た。水分散液中の重合体(I)の含有量は2
5.1重量%であり、電気泳動光散乱装置により測定し
た粒径は0.2μmであった。
【0100】合成例10 〈架橋重合体の作製〉n−ヘキシルメタクリレートに代
えて、ジデシルアクリルアミドを用いた以外は合成例8
と同様に作製し、架橋重合体(J)を得た。水分散液中
の重合体(J)の含有量は24.8重量%であり、電気
泳動光散乱装置により測定した粒径は0.7μmであっ
た。
【0101】比較合成例1 〈重合体の作製〉ブチルアクリレートに代えてエチルメ
タクリレートを用いた以外は合成例1と同様に作製し、
重合体(K)を得た。水分散液中の重合体(K)の含有
量は22.3重量%であった。
【0102】比較合成例2 〈重合体の作製〉ブチルアクリレートに代えてプロピル
メタクリレートを用いた以外は合成例1と同様に作製
し、重合体(L)を得た。水分散液中の重合体(L)の
含有量は24.3重量%であった。
【0103】比較合成例3 〈重合体の作製〉ブチルアクリレートに代えてエイコシ
ルメタクリレートを用いた以外は合成例1と同様に作製
し、重合体(M)を得た。水分散液中の重合体(M)の
含有量は25.3重量%であった。
【0104】比較合成例4 〈重合体の作製〉n−ヘキシルメタクリレートの含有量
を5部、メチルメタクリレートの含有量を95部とした
以外は合成例2と同様に作製し、重合体(N)を得た。
水分散液中の重合体(N)の含有量は22.4重量%で
あった。
【0105】比較合成例5 〈重合体の作製〉n−へキシルメタクリレートの含有量
を20部、メチルメタクリレートの含有量を80部とし
た以外は合成例2と同様に作製し、重合体(O)を得
た。水分散液中の重合体(O)の含有量は22.0重量
%であった。
【0106】以上の合成例1〜10および比較合成例1
〜5について表1に示した。
【0107】
【表1】
【0108】以下に、本発明の第1のインクジェット記
録シートに関する実施例を示す。
【0109】実施例1 易接着処理を施したアイ・シー・アイ製、透明ポリエチ
レンテレフタレートフィルム100μm上に、重合体
(A)の水分散液をワイヤーバーを用いて塗工し、12
0℃、2分間乾燥し、実施例1の油性インク用インクジ
ェット記録シートを得た。乾燥塗工量は15g/m2であ
る。
【0110】実施例2〜7 重合体の種類を表2の通りにした以外は実施例1と同様
に作製し、実施例2〜7の油性インク用インクジェット
記録シートを得た。
【0111】比較例1〜5 重合体の種類を表2の通りにした以外は実施例1と同様
に作製し、比較例1〜5のインク用インクジェット記録
シートを得た。
【0112】比較例6下記配合のインク受理層(特開昭
60−262685号公報記載)を乾燥塗工量15g/m2
となるように塗工した以外は、実施例1と同様に作製
し、比較例6のインクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉ヒト゛ロキシエチルセルロース (AH-15、フシ゛ケミカル製) 5部 水 95部
【0113】比較例7 下記配合のインク受理層(特開昭60−245586号
公報記載)を乾燥塗工量15g/m2となるように塗工した
以外は、実施例1と同様に作製し、比較例7のインクジ
ェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉ホ゜リヒ゛ニルアルコール (PVA405、クラレ製) 8部ホ゜リヒ゛ニルヒ゜ロリト゛ン 0.8部 水 100部
【0114】以上、実施例1〜7に示した本発明の第1
の油性インク用インクジェット記録シートおよびその比
較例1〜7に関する評価結果をまとめて表2に示した。
【0115】
【表2】
【0116】(評価)実施例1〜7の如く、本発明の第
1の油性インク用インクジェット記録シートは、油性イ
ンクの吸収性に優れ、ムラもなく高品質なものであっ
た。実施例の中でも特に、炭素数8〜18の脂肪族炭化
水素基を有する単量体(イ)の重合体を用いた場合に
は、さらにインク吸収性は良好なものとなった。
【0117】しかしながら、比較例1および2では、炭
化水素基がC4未満であるため、一方、比較例4および
5では、単量体(イ)の含有量が少ないためにインク吸
収性に欠けた。比較例3では単量体(イ)の炭化水素基
が長く、インク吸収にムラが見られた。比較例6および
7では従来公知の水性インクに適するインク受理層を設
けたため、インク吸収性が著しく悪くムラも酷かった。
【0118】以下に、本発明の第2の油性インク用イン
クジェット記録シートに関する実施例および比較例を示
す。
【0119】実施例8 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例8の油性インク用イン
クジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 熱可塑性樹脂(塩化ヒ゛ニリテ゛ン:塩化ヒ゛ニリテ゛ン系樹脂、ρ=1.24:クレハロンAO、48%、呉羽化 学製) 20.8部 重合体(E) 41.5部 水 37.7部
【0120】実施例9 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例9の油性インク用イン
クジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 熱可塑性樹脂(イソフ゛チレン/無水マレイン酸/スチレン:イソフ゛チレン/無水マレイン酸系樹脂、ρ=1.2:出 光石油化学製) 10部 重合体(E) 41.5部 水 46.5部 苛性ソータ゛ 2部
【0121】実施例10 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例10の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 熱可塑性樹脂(フ゛チラール:ホ゜リヒ゛ニルアセタール系樹脂、 ρ=1.1:28%、BE40 電気化学製) 35.7部 重合体(E) 41.5部 水 22.8部
【0122】実施例11 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例11の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 熱可塑性樹脂(熱可塑性アルキット゛系樹脂、ρ=1.15:ハリテ゛ッフ゜L116、60%、ハリマ化成製) 16.7部 重合体(E) 41.5部 水 41.8部
【0123】実施例12 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例12の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 熱可塑性樹脂(ウレタンエマルシ゛ョン:熱可塑性ホ゜リウレタン系樹脂、ρ=1.22:40%、大日本インキ化 学工業製) 25部 重合体(E) 41.5部 水 33.5部
【0124】実施例13 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例13の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 熱可塑性樹脂(ハ゛イロナール:ホ゜リエステル系樹脂、ρ=1.2 :20%、東洋紡製) 25部 重合体(E) 20.8部 水 54.2部
【0125】実施例14 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例14の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 熱可塑性樹脂(塩化ヒ゛ニル/酢酸ヒ゛ニル/ヒト゛ロキシアルキルアクリレート共重合体:塩化ヒ゛ニル系樹脂、 ρ=1.28、AW875、39%、ユニオンカーハ゛イト゛製) 25.6部 重合体(E) 41.5部 水 32.9部
【0126】実施例15 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例15の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 熱可塑性樹脂(塩化ヒ゛ニリテ゛ン:塩化ヒ゛ニリテ゛ン系樹脂、ρ=1.24:クレハロンAO、48%、呉羽化 学製) 20.8部 重合体(F) 42.6部 水 36.6部
【0127】実施例16 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例16の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 熱可塑性樹脂(塩化ヒ゛ニル/酢酸ヒ゛ニル/ヒト゛ロキシアルキルアクリレート共重合体:塩化ヒ゛ニル系樹脂、 ρ=1.28、AW875、39%、ユニオンカーハ゛イト゛製) 25.6部 重合体(B) 44.8部 水 29.6部
【0128】比較例8〜10 本発明における重合体を用いずに熱可塑性樹脂のみでイ
ンク受理層を設けた以外は、実施例8〜10と同様にし
て作製し、比較例8〜10のインクジェット記録シート
を得た。
【0129】以上、実施例8〜16および比較例8〜1
0に示した本発明の第2の油性インク用インクジェット
記録シートに関する評価結果をまとめて表3に示した。
【0130】
【表3】
【0131】(評価)実施例8〜16の如く、本発明の
第2の油性インク用インクジェット記録シートであれ
ば、油性インクの吸収性が良好でムラが無いのみなら
ず、画像濃度をさらに向上させることができた。実施例
の中でも特に、炭素数8〜18の炭化水素基を有する単
量体(イ)の重合体を用いた場合には、さらにインク吸
収性は良好なものとなった、特に、熱可塑性樹脂を塩化
ビニル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、熱可塑性のアル
キッド系樹脂および熱可塑性ポリウレタン系樹脂中から
選択した場合には、優れた画像濃度を得ることができ
た。
【0132】しかしながら、比較例8〜10では熱可塑
性樹脂のみのインク受理層を設けたため、インク吸収性
が劣りムラも発生した。
【0133】以下に、本発明の第3の油性インク用イン
クジェット記録シートに関する実施例を示す。
【0134】実施例17 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例17の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 熱可塑性樹脂(塩化ヒ゛ニリテ゛ン:塩化ヒ゛ニリテ゛ン系樹脂、ρ=1.24:クレハロンAO、48%、呉羽化 学製) 20.8部 重合体(H) 39.8部 水 39.4部
【0135】実施例18 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例18の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 熱可塑性樹脂(フ゛チラール:ホ゜リヒ゛ニルアセタール系樹脂、 ρ=1.1:28%、BE40 電気化学製) 35.7部 重合体(H) 39.8部 水 24.5部
【0136】実施例19 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例19の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 熱可塑性樹脂(熱可塑性アルキット゛系樹脂、ρ=1.15:ハリテ゛ッフ゜L116、60%、ハリマ化成製) 16.7部 重合体(I) 39.8部 水 43.5部
【0137】実施例20 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例20の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 熱可塑性樹脂(ウレタンエマルシ゛ョン:熱可塑性ホ゜リウレタン系樹脂、ρ=1.22:40%、大日本インキ化 学工業製) 25部 重合体(I) 39.8部 水 35.2部
【0138】実施例21 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例21の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 熱可塑性樹脂(ハ゛イロナール:ホ゜リエステル系樹脂、ρ=1.2 :20%、東洋紡製) 25部 重合体(J) 40.3部 水 37.5部
【0139】実施例22 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例22の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 熱可塑性樹脂(塩化ヒ゛ニル/酢酸ヒ゛ニル/ヒト゛ロキシアルキルアクリレート共重合体:塩化ヒ゛ニル系樹脂、 ρ=1.28、AW875、39%、ユニオンカーハ゛イト゛製) 25.6部 重合体(J) 40.3部 水 34.1部
【0140】以上、実施例17〜22に示した本発明の
第3の油性インク用インクジェット記録シートに関する
評価結果をまとめて表3に示した。
【0141】(評価)実施例17〜22の如く、本発明
の第3の油性インク用インクジェット記録シートであれ
ば、油性インク吸収性、ムラ、画像濃度のみならず経時
での画像滲みを抑制することもできた。
【0142】
【発明の効果】今後、油性インクは、高解像度、高精
細、高保存安定性の求められる、例えば、銀塩写真の代
替え化、CAD分野などで用いられるのみならず、イン
クジェット記録における多様なニーズに答えながら広範
囲な分野で使用されていくと推測できる。しかしなが
ら、今まで油性インクに対して十分満足な性能を有する
オーバーヘッドプロジェクタやバックライトフィルム用
のインクジェット記録シートはなかった。これに対して
本発明の油性インク用インクジェット記録シートであれ
ばインク吸収性、画像濃度に優れ、且つ経時での画像滲
みが抑制された高精細・高品質な画像が得られる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の少なくとも片面にインク受理層
    を設けてなる油性インク用インクジェット記録シートに
    おいて、該インク受理層が、主として炭素数4〜18の
    炭化水素基を有する単量体(イ)の含有量が30重量%
    以上の重合体からなることを特徴とする油性インク用イ
    ンクジェット記録シート。
  2. 【請求項2】 単量体(イ)が、炭素数8〜18の脂肪
    族炭化水素基を有する、アルキル(メタ)アクリレー
    ト、アルキルアリール(メタ)アクリレート、アルキル
    (メタ)アクリルアミド、アルキルアリール(メタ)ア
    クリルアミド、アルキルスチレンおよびα−オレフィン
    からなる群より選ばれる1種もしくは2種以上のもので
    あることを特徴とする請求項1記載の油性インク用イン
    クジェット記録シート。
  3. 【請求項3】 支持体の少なくとも片面にインク受理層
    を設けてなる油性インク用インクジェット記録シートに
    おいて、該インク受理層が、主として炭素数4〜18の
    炭化水素基を有する単量体(イ)の含有量が30重量%
    以上の重合体と密度(ρ)1.1g・cm-3以上で疎水
    性の熱可塑性樹脂からなることを特徴とする油性インク
    用インクジェット記録シート。
  4. 【請求項4】 単量体(イ)が、炭素数8〜18の脂肪
    族炭化水素基を有する、アルキル(メタ)アクリレー
    ト、アルキルアリール(メタ)アクリレート、アルキル
    (メタ)アクリルアミド、アルキルアリール(メタ)ア
    クリルアミド、アルキルスチレンおよびα−オレフィン
    からなる群より選ばれる1種もしくは2種以上のもので
    あることを特徴とする請求項3記載の油性インク用イン
    クジェット記録シート。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂が、塩化ビニル系樹脂、ポ
    リビニルアセタール系樹脂、ポリエステル系樹脂、熱可
    塑性アルキッド系樹脂および熱可塑性ポリウレタン系樹
    脂の中から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項3または4記載の油性インク用イ
    ンクジェット記録シート。
  6. 【請求項6】 支持体の少なくとも片面にインク受理層
    を設けてなる油性インク用インクジェット記録シートに
    おいて、該インク受理層が、炭素数4〜18の炭化水素
    基を有する単量体(イ)の含有量が30重量%以上の架
    橋重合体と密度(ρ)1.1g・cm-3以上で疎水性の
    熱可塑性樹脂からなることを特徴とする油性インク用イ
    ンクジェット記録シート。
  7. 【請求項7】 熱可塑性樹脂が、塩化ビニル系樹脂、ポ
    リビニルアセタール系樹脂、ポリエステル系樹脂、熱可
    塑性アルキッド系樹脂および熱可塑性ポリウレタン系樹
    脂の中から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項6記載の油性インク用インクジェ
    ット記録シート。
  8. 【請求項8】 架橋重合体が、1分子中に2個以上の重
    合性不飽和基を有する架橋性単量体(ロ)によって架橋
    された架橋重合体であることを特徴とする請求項6また
    は7記載の油性インク用インクジェット記録シート。
JP10089831A 1998-04-02 1998-04-02 油性インク用インクジェット記録シート Pending JPH11286166A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10089831A JPH11286166A (ja) 1998-04-02 1998-04-02 油性インク用インクジェット記録シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10089831A JPH11286166A (ja) 1998-04-02 1998-04-02 油性インク用インクジェット記録シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11286166A true JPH11286166A (ja) 1999-10-19

Family

ID=13981717

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10089831A Pending JPH11286166A (ja) 1998-04-02 1998-04-02 油性インク用インクジェット記録シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11286166A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003025723A (ja) * 2001-04-27 2003-01-29 Dainippon Ink & Chem Inc 顔料分散油性インク用インクジェット受理層樹脂組成物、被記録材、及びそれを用いた印刷物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003025723A (ja) * 2001-04-27 2003-01-29 Dainippon Ink & Chem Inc 顔料分散油性インク用インクジェット受理層樹脂組成物、被記録材、及びそれを用いた印刷物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008260300A (ja) インクジェット印刷方法
US6475603B1 (en) Ink jet recording element
JP2004524994A (ja) 受像シート
US6457824B1 (en) Ink jet printing method
EP0995611B1 (en) Ink jet recording element
US6686000B2 (en) Recording medium and image forming method
EP1855893B1 (en) Inkjet media comprising fusible reactive polymer particles
JPH10264501A (ja) 油性インク用インクジェット記録シート
US6869178B2 (en) Ink jet printing method
JP2004175113A (ja) インクジェット記録媒体およびその製造方法
JP4733174B2 (ja) 可融性反応性媒体
JPH11286166A (ja) 油性インク用インクジェット記録シート
JPH10250219A (ja) 油性インク用インクジェット記録シート
JPH10250220A (ja) 油性インク用インクジェット記録シート
JPH10264499A (ja) 油性インク用インクジェット記録シート
JPH10264503A (ja) 油性インク用インクジェット記録シート
US6861114B2 (en) Ink jet recording element
JPH11286167A (ja) 油性インク用インクジェット記録シート
JPH10264502A (ja) 油性インク用インクジェット記録シート
JP2014069462A (ja) 熱転写受像シート
JPH09254527A (ja) 非水溶性インク用インクジェット記録シート
JP2012200889A (ja) 熱転写受像シートおよびその製造方法
JP4503984B2 (ja) インクジェット記録要素
JP2002264484A (ja) 非水系インク用インクジェット記録媒体及びその記録方法
JPH10264505A (ja) 油性インク用インクジェット記録シート

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040713

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041109