JPH10264505A - 油性インク用インクジェット記録シート - Google Patents

油性インク用インクジェット記録シート

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JPH10264505A
JPH10264505A JP9075107A JP7510797A JPH10264505A JP H10264505 A JPH10264505 A JP H10264505A JP 9075107 A JP9075107 A JP 9075107A JP 7510797 A JP7510797 A JP 7510797A JP H10264505 A JPH10264505 A JP H10264505A
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JP
Japan
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ink
jet recording
parts
receiving layer
oil
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Application number
JP9075107A
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English (en)
Inventor
Hideki Sekiguchi
英樹 関口
Takao Chiga
孝雄 千賀
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】油溶性染料を色材にした油性インクに対し、暗
所保存性および耐可塑剤性に優れる高品質な油性インク
用インクジェット記録シートを得ること。 【解決手段】第1の油性インク用インクジェット記録シ
ートは、支持体上に(イ)顔料、(ロ)特定の単量体で
変性された塩化ビニル系樹脂からなるインク受理層を設
けてなるものである。さらに、第2の油性インク用イン
クジェット記録シートは、支持体上に(イ)顔料、
(ロ)特定の単量体で変性された塩化ビニル系樹脂およ
び(ハ)特定の可塑剤からなるインク受理層を設けてな
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油性インク用イン
クジェット記録シートに関するものであり、さらに詳し
くは、色材として油溶性染料を有機溶剤に溶解または分
散した油性インクに対し、暗所保存性および耐可塑剤性
に優れる高品質な油性インク用インクジェット記録シー
トに関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、ディフレク
ション方式、キャビティ方式、サーモジェット方式、バ
ブルジェット方式、サーマルインクジェット方式、スリ
ットジェット方式およびスパークジェット方式などに代
表される種々の作動原理により、インクの微小液滴を飛
翔させて紙などのインクジェット記録シートに付着さ
せ、画像・文字などの記録を行なう方式である。これ
は、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通
性が大きい、現像−定着が不要などの長所があり、漢字
を含め各種図形およびカラー画像などの記録装置として
種々の用途において急速に普及している。
【0003】さらに、水や親水性溶剤などの溶媒中にイ
エロー、マゼンタ、シアンおよびブラックなどの色材を
各々含有させた多色インクを用いるインクジェット記録
方式により形成された画像は、製版方式による多色印刷
と比較して遜色のない記録画像を得ることが可能であ
る。また、作成部数が少なくて済む用途においては、銀
塩写真による現像よりも安価であることからフルカラー
画像記録分野にまで広く応用されつつある。
【0004】このようなインクジェット記録方式で使用
されるインクは、水性インク、すなわち水あるいは水と
親水性溶剤の混合溶媒中に各種の水溶性染料を溶解し、
必要により各種の添加剤を配合したものが大半を占めて
いる。これは、水性インクが印字後の色調が鮮やかで明
るいこと、インクドットのコントラストが大きいこと、
インク粘度の調整が容易であることや安全性の面で利点
を有しているためである。
【0005】しかしながら、昨今のインクジェット記録
方式には、特に、銀塩写真の代替えとして、高解像度、
高画像濃度、高保存安定性などが要求されており、種々
な検討が行われているものの、従来の水性インクを用い
るシステムでは、銀塩写真並みの画像濃度や画像の保存
安定性を達成することが困難であった。
【0006】これは、色材として水溶性染料を選択して
いることが主な原因であり、具体的には、1)インク溶
媒に対する色材の溶解濃度を高めることが困難である、
2)水への溶解性や画像の発色性と、画像の保存安定性
を両立できる水性染料の設計が困難であるなどが理由と
して挙げられる。
【0007】これに対して、特に画像の保存安定性を改
良する目的から、例えば、特開昭57−10660号公
報、同57−10661号公報、特開平4−23446
7号公報、同5−156189号公報、同5−1791
83号公報、同5−202324号公報、同5−263
029号公報、同5−331397号公報、同6−12
2846号公報、同6−136311号公報などには、
水性染料の変わりに顔料を用いるインクが提案されてい
る。
【0008】しかしながら、色材として顔料を用いた場
合には、水性染料と同様にインク溶媒に対する顔料の分
散濃度を高めることが困難であるために、銀塩写真並み
の画像濃度を達成することは容易でない。
【0009】これらの諸問題を解決する手段としては、
色材として、例えば、分散染料、ナフトール染料、建染
染料、硫化染料などの油溶性染料を用い、且つインク溶
媒として、例えば、イソパラフィン類、エーテル類や可
塑剤などの溶剤を用いた油性インクが非常に有効であ
り、例えば、特公平7−78187号公報、同7−78
188号公報、同8−6057号公報、同8−2625
9号公報、同6−247034号公報や同6−3063
19号公報などに提案されているインクがこれに該当す
る。
【0010】このような油性インクは、1)油溶性染料
を溶剤中に高濃度に溶解または分散することが容易であ
り、したがって銀塩写真に匹敵する高い画像濃度を実現
することができる、2)基本的に、水性インクに比べて
耐水性が良好である、3)水溶性染料と比較して、耐光
性や耐オゾン性を考慮した染料の分子設計に自由度があ
るなどに優れるのみならず、4)ヘッドノズルの目詰ま
りが起こり難くい、5)印字した後に、インクジェット
記録シートのコックリングが全く発生しないなどの利点
も備えているために高精細、高解像、高画質の望まれる
分野では水性インクの代替えとして有望視されている。
【0011】ここで、コックリングとは、インクジェッ
ト記録シートの支持体として用いられる上質紙やコーテ
ッド紙の天然パルプ同士の水素結合が、水性インクの溶
媒(水)により切断されて部分的に伸延するために波打
つ現象を指す。コックリングは、プリンターの搬送性や
ハンドリング性が低下するのみならず、インクジェット
記録方式のプロッターで出力される図面などの精密な記
録が必要な場合や、特に近年における高画質な記録画像
を得る場合には好ましい現象ではない。
【0012】一方、インクジェット記録シートとして
は、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮やかであ
ること、インクの吸収が速くて、印字ドットが重なった
場合でもインクが流れ出したり滲んだりしないこと、印
字ドットの横方向への拡散が必要以上に大きくならない
こと、インクドットの形状が真円に近く、且つ周辺が滑
らかでぼやけないこと、白色度が高いことなどの諸要求
を満たす必要がある。これらの要求に対して、例えば、
特開昭57−157786号公報には、合成非晶質シリ
カまたはその塩、あるいはこれらの混合物を必要により
バインダー樹脂と共に紙表面に塗工し、あるいは内填す
る記録シートが提案されている。また、特開昭60−2
32990号公報では、多孔質のカチオン性水和アルミ
ニウム酸化物を含有したインク受理層を設けた記録シー
トが提案されている。さらに、特開昭60−20439
0号公報や特開平2−198889号公報などでは、B
ETによる比表面積の大きな合成非晶質シリカやカチオ
ン性コロイド粒子であるカチオン性水和アルミニウム酸
化物を含有する記録シートが提案されている。
【0013】これらの提案されたインクジェット記録シ
ートは、水溶性染料が水あるいは水と親水性溶剤の混合
溶媒などに低濃度で溶解された水性インクに対して好適
に用いられるものであり、印字した後に、多量の溶媒を
即座に吸収し、微量な水溶性染料を効率よく定着させる
ことが主な目的となっている。したがって、バインダー
樹脂も、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピ
ロリドン、澱粉やカルボキシメチルセルロースなどの水
溶性樹脂が用いられる場合が多く、一部には、耐水性を
向上させる目的から、エチレン/酢酸ビニル共重合体な
どの疎水性樹脂が用いられることもあるが、このような
インクジェット記録シートは何れも水性インクに適する
ように検討されたものであり、油溶性染料を用いた油性
インクには適さなかった。従来公知のインク受理層を塗
工した記録シートでは、油性インクが本来有する高い画
像濃度を低下させたり、発色性を損なうばかりか、特
に、画像の保存性について以下のような問題があった。
【0014】 1)耐光性 :光により、画像が変色(褪色)す
る。 2)耐オゾン性 :オゾンにより、画像が変色(褪色)
する。 3)耐画像滲み性:長期保存で画像滲みが発生する。 4)暗所保存性 :暗所保存した場合、画像の変色(褪
色)が発生する。 5)耐可塑剤性 :可塑剤を含有するプラスチック製品
などに記録シートの画像部分が接触していると、経時で
画像濃度が低下する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】色材として、ナフトー
ル染料、アゾ染料、金属錯塩染料、アントラキノン染
料、キノイミン染料、インジゴ染料、シアニン染料、キ
ノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン
染料、カーボニウム染料、ナフトキノン染料、ナフタル
イミド染料、フタロシアニン染料、ペリニン染料などの
油溶性染料を用いた油性インクにてインクジェット記録
を行う際に適した油性インク用インクジェット記録シー
トとして、本発明者らは鋭意検討を行い、以下の発明を
達成し、既に提案している。
【0016】1)顔料と密度(ρ)1.1g・cm-3以上で
疎水性の熱可塑性樹脂からなり、且つ該熱可塑性樹脂
が、顔料に対して特定量含まれるインク受理層を設けた
ジェット記録シートであれば、優れた画像濃度や発色性
が得られること。
【0017】2)顔料、密度(ρ)1.1g・cm-3
上で疎水性の熱可塑性樹脂と可塑剤からなり、且つ可塑
剤が、熱可塑性樹脂に対して特定量含まれるインク受理
層を設けたインクジェット記録シートであれば、優れた
耐光性、耐オゾン性および耐画像滲み性が得られるこ
と。
【0018】ここで、密度(ρ)1.1g・cm-3以上
で疎水性の熱可塑性樹脂とは、例えば、酢酸ビニル系樹
脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリカーボネート系樹脂、アルキッド系樹脂および
熱可塑性ポリウレタン系樹脂などに代表されるものであ
って、無論塩化ビニル系樹脂を含むものである。
【0019】特に、後者の発明においては、耐光性、耐
オゾン性および耐画像滲み性について満足な改良が達成
されているものの、さらに暗所保存性および耐可塑剤性
については改良する余地があった。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、インクジ
ェット記録シートにおける上記の問題について鋭意検討
を継続した結果、支持体上に顔料と特定の単量体で変性
された塩化ビニル系樹脂からなるインク受理層を塗工し
た油性インク用インクジェット記録シートであれば、暗
所保存性をも改良できることを見いだした。
【0021】すなわち、本発明の第1の油性インク用イ
ンクジェット記録シートは、支持体の少なくとも片面に
インク受理層を設けたインクジェット記録シートにおい
て、該インク受理層が、(イ)顔料と(ロ)マレイン酸
エステルまたはフマル酸エステル、もしくはこれら単量
体の2種以上を用いて変性された塩化ビニル系樹脂から
なることを特徴とする油性インク用インクジェット記録
シートである。
【0022】暗所保存における画像の褪色は、インクジ
ェット記録シートを構成する素材に由来して引き起こさ
れるばかりでなく、例えば、「染色工業」Vol.4
1、No.5、23〜34などに記載されているよう
に、オゾンやNoX などの大気中の活性物質によって進
行する場合もある。本発明の油性インク用インクジェッ
ト記録シートにおいて、暗所保存性の改良がなされた理
由は定かでないが、インク受理層中の油溶性染料を染着
樹脂に十分拡散、安定して定着(染着)することは、上
記したような活性物質と接触させにくくするために重要
であると推測できる。
【0023】一方、耐可塑剤性を改良するためには、例
えば、「薬品と染料」第41巻、第6号、17〜28
(1996)に記載されているような、油溶性染料と染
着樹脂との相溶性を高めることが必要である。しかしな
がら、この参考文献には熱転写プリンタ用色素とバイン
ダーポリマーとの相互作用について記載されており、本
発明の油性インク用インクジェット記録シートと油性イ
ンクの関係とは異なる点もある。すなわち、油性インク
の溶媒の存在である。特に、一般的に油性インクに用い
る溶媒としては、安全性やインクジェットプリントヘッ
ドの保守性を理由に、不揮発性の高い溶剤が選ばれてい
る。すなわち、記録後のインクジェット記録シート中に
は、油溶性染料とともに、インク溶剤が長期間残存する
場合が多く、油溶性染料の染着と併せてインク溶剤に対
してもインクジェット記録シート側で鋭意検討する必要
があった。
【0024】本課題に対しても発明者らが鋭意検討を継
続した結果、本発明の第1の油性インク用インクジェッ
ト記録シートにおけるインク受理層中に特定の可塑剤を
含有せしめることで十分満足な耐可塑剤性をも達成する
ことができた。
【0025】すなわち、本発明の第2の油性インク用イ
ンクジェット記録シートは、支持体の少なくとも片面に
インク受理層を設けたインクジェット記録シートにおい
て、該インク受理層が、(イ)顔料と(ロ)マレイン酸
エステルまたはフマル酸エステル、もしくはこれら単量
体の2種以上を用いて変性された塩化ビニル系樹脂から
なり、さらに、(ハ)1価アルコールと芳香族ポリカル
ボン酸の反応により得られるエステル化合物を、該塩化
ビニル系樹脂に対して5〜60重量%含有することを特
徴とする油性インク用インクジェット記録シートであ
り、優れた暗保存性のみならず、良好な耐可塑剤性をも
得ることができる。
【0026】ここで、エステル化合物を構成する芳香族
ポリカルボン酸が、フタル酸あるいはトリメリト酸から
選ばれると、十分満足な耐可塑剤性を発現させることが
できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に本発明の油性インク用イン
クジェット記録シートを詳細に説明する。本発明の第1
および2の油性インク用インクジェット記録シートのイ
ンク受理層を形成する顔料としては、従来公知の顔料を
1種以上を単独で、あるいは混合して用いることができ
る。
【0028】顔料としては、無機顔料と有機顔料に大別
することができるが、特に、無機顔料としては、例え
ば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリ
ン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チ
タン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイ
ト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、
珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、水酸化アルミニ
ウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサ
イト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの白
色顔料が挙げられる。
【0029】上記の無機顔料の中でも、特に合成非晶質
シリカを用いることが好ましく、さらにBET法による
比表面積が20m2/g以上、より好ましくは50〜400
m2/g、吸油量としては30ml/g以上、より好ましくは5
0ml/g以上の無機顔料を好適に用いることができる。こ
のような無機顔料を用いることにより、熱可塑性樹脂の
特性を損なうことなく、高い画像濃度および優れた発色
性を発現させることができる。このような合成非晶質シ
リカとは、例えば、特開昭57−157786号公報、
同61−141584号公報、同61−230979号
公報、同62−292476号公報などに記されている
ような、ケイ酸のゲル化により、SiO2の三次元構造を
形成させた、微多孔性、不定形微粒子であり、その代表
的な物性値範囲としては、平均粒子径0.1μm〜30
μm程度、ハンター白色度90以上、細孔径10〜20
00オングストローム程度を有する。また、該シリカは
適宜表面改質されたものでもよい。シリカの表面改質
は、例えば、有機シラン、有機チタネートなどを用いて
該シリカ表面のシラノール基と化学的に反応させるか、
あるいはパラフィンワックスやグリコール類を表面に物
理的に付着させたような形態が挙げられる。
【0030】インク受理層には、上記のような無機顔料
と併用して、コロイド粒子を含有することもできる。こ
こでコロイド粒子とは、水中に懸濁分散してコロイド状
をなしているものであり、例えば、特開平1−9767
8号公報、同2−275510号公報、同3−2813
83号公報、同3−285814号公報、同3−285
815号公報、同4−92183号公報、同4−267
180号公報、同4−275917号公報などに提案さ
れている擬ベーマイトゾル、特開昭60−219083
号公報、同61−19389号公報、同61−1881
83号公報、同63−178074号公報、特開平5−
51470号公報などに記載されているようなコロイダ
ルシリカ、特公平4−19037号公報、特開昭62−
286787号公報に記載されているようなシリカ/ア
ルミナハイブリッドゾル、その他にもヘクタイト、モン
モリナイトなどのスメクタイト粘土(特開平7−812
10号公報)、ジルコニアゾル、クロミアゾル、イット
リアゾル、セリアゾル、酸化鉄ゾル、ジルコンゾル、酸
化アンチモンゾルなどを代表的なものとして挙げること
ができる。
【0031】一方、有機顔料としては、特に、白色ある
いは無色のポリマービーズを好適に用いることができ、
例えば、アクリルあるいはメタアクリル系樹脂、塩化ビ
ニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、
スチレン/アクリル系樹脂、スチレン/ブタジエン系樹
脂、ポリスチレン/アクリル系樹脂、ポリスチレン/イ
ソプレン系樹脂、メチルメタアクリレート/ブチルメタ
アクリレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シリコ
ーン系樹脂、尿素樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹
脂、フェノール系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂など
の少なくとも1種以上の樹脂からなる真球状あるいは不
定型の無孔質あるいは多孔質ビーズであり、該ビーズの
強度を保持したり、吸収した油の滲み出しを抑制する目
的から場合によっては3次元架橋せしめられたものもあ
る。
【0032】上記したようなポリマービーズは、市販の
ものを好適に用いることができる。以下に代表的な商品
を示すが、本発明がこれに限定されるものではない。例
えば、SGP−70C、SPG−15CS、SGP−3
G、MP−4009(以上、綜研化学製)、MB−90
0多孔体(以上、ホーネンコーポレーション)、ニーポ
ール3000、ニーポール4000(以上、日本ゼオン
製)、マイクロジェルE−5003、S−5003、S
−5004、S−5005(以上、日本ペイント製)、
テクノポリマーTP(以上、積水化学)などを挙げるこ
とができる。
【0033】本発明の第1および2の油性インク用イン
クジェット記録シートにおけるインク受理層には上記し
たような顔料とともに、マレイン酸エステルまたはフマ
ル酸エステル、もしくはこれら単量体の2種以上を用い
て変性された塩化ビニル系樹脂が好適に用いられる。
【0034】ここで、代表的なマレイン酸エステルおよ
びフマル酸エステルの単量体を挙げるが、本発明がこれ
に限定されるものではない。例えば、マレイン酸ジメチ
ルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン
酸ジエチルエステル、マレイン酸ジブチルエステル、マ
レイン酸ジ−2−エチルヘキシルエステル、マレイン酸
ジアリルエステル、マレイン酸モノフェニルエステル、
マレイン酸ジフェニルエステルなどを挙げることができ
る。
【0035】また、フマル酸エステルとしては、例え
ば、フマル酸モノメチルエステル、フマル酸ジメチルエ
ステル、フマル酸モノエチルエステル、フマル酸ジエチ
ルエステル、フマル酸ジブチルエステル、フマル酸ジ−
2−エチルヘキシルエステル、フマル酸p−ニトロベン
ジルエステル、フマル酸モノフェニルエステル、フマル
酸ジフェニルエステルなどを挙げることができる。
【0036】本発明の第1および2の油性インク用イン
クジェット記録シートに好適に用いられる塩化ビニル系
樹脂の組成としては、上記したようなマレイン酸エステ
ルまたはフマル酸エステル、もしくはこれら単量体の2
種以上の割合が、1〜50重量%であることが好まし
い。ここでマレイン酸エステルまたはフマル酸エステ
ル、もしくはこれら単量体の2種以上の割合が1重量%
未満であると暗所保存性の改良が不十分となり、また、
50重量%を越えるようでは、画像濃度や発色性が低下
してしまい、塩化ビニル系樹脂の利点が失われる。
【0037】このような、マレイン酸エステルまたはフ
マル酸エステル、もしくはこれら単量体の2種以上を用
いて変性された塩化ビニル系樹脂の物性としては、一般
的に平均分子量が2,000〜1,000,000、比
重が1.2〜1.4、ガラス転移温度(Tg)が80℃
以下である。また、その合成法には、懸濁重合法、乳化
重合法あるいは溶液重合法のいずれの方法を用いること
ができる。
【0038】その他にも、以下のような、少なくとも1
種以上の単量体を用いた多元共重合体としても好適に用
いることができる。例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、酪酸ビニルなどの飽和脂肪酸ビニルエステル
類;アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレ
ートなどのビニル単量体、アクリル酸、メタクリル酸、
アクリル酸メチル、アクリル酸ベンジル、メタアクリル
酸エチル、アクリル酸ブチル、メタアクリル酸−2−ヒ
ドロキシエチル、メタアクリル酸ベンジルなどのアクリ
ル酸あるいはメタアクリル酸およびそのアルキルエステ
ル類;エチレン、プロピレン、イソブチレン、シクロペ
ンテンなどのオレフィン類;メチルビニルエーテル、イ
ソブチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテルなど
のアルキルビニルエーテル類;ジクロロエチレン、トリ
クロロエチレンなどのハロゲン化オレフィン類;ビニル
カプロエート、ビニルペラゴネート、ビニルラウレー
ト、ビニルミリステート、ビニルパルミテート、ビニル
ステアレートなどの長鎖アルキルビニルエステル類;ビ
ニルアルコール、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、
メタアクリロニトリルなどを挙げることができる。
【0039】さらに、本発明の目的を阻害しない範囲で
あれば、特に、以下に挙げた少なくとも1種以上の樹脂
を併用することができる。 a)ポリ酢酸ビニル樹脂あるいは下記のような共重合成
分との共重合体:アクリロニトリル、アセタール、エチ
レン、分岐脂肪酸ビニルエステル、スチレン、アクリル
およびアクリル酸エステル、マレイン酸エステル、フマ
ル酸エステル、クロロプレン、フェノールなどが挙げら
れる。
【0040】b)ポリビニルホルマール樹脂:
【0041】c)ポリビニルアルコールを下記のような
アルデヒド類あるいはアセタール類でアセタール化する
ことにより得られるポリビニルアセタール系樹脂:例え
ば、C1 〜C20の直鎖あるいは分岐鎖状のアルキル基を
有するアルキルアルデヒドあるいはアセタール類;クロ
ロメチル基、ブロモメチル基、アミノメチル基、7−カ
ルボキシヘプチル基、ベンジル基などの置換アルキル基
を有するアルキルアルデヒドあるいはアセタール類;フ
ェニルアルデヒド;ベンゼン環にアルキル基、アルコキ
シ基、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、ハロ
ゲン原子などの置換フェニル基を有するフェニルアルデ
ヒドあるいはアセタール類;ビニル基、2−メチルビニ
ル基などのアルケニルアルデヒドあるいはアセタール類
などを挙げることができる。
【0042】d)下記のような塩基酸とグリコール類の
脱水縮合反応で得られるポリエステル系樹脂:不飽和2
塩基酸としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン
酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン
酸、塩素化マレイン酸などを挙げることができる。飽和
2塩基酸としては、例えば、フタル酸、無水フタル酸、
イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、セ
バシン酸、チオジグリコール酸、3,6−エンドメチレ
ンテトラヒドロ無水フタル酸、テトラクロール無水フタ
ル酸、3,6−エンドジクロロメチレンテトラクロロフ
タル酸などを挙げることができる。多塩基酸としては、
例えば、ピロメリック酸、無水ピロメリック酸、トリメ
リック酸などを挙げることができる。グリコール類とし
ては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、ビスフェノーエルジオイシプ
ロピルエーテル、ネオペンチルグリコールブテンジオー
ルなどを挙げることができる。
【0043】e)ジフェニルカーボネートと下記のよう
なビスフェノール類のエステル交換により得られるポリ
カーボネート系樹脂:ビスフェニール類として、例え
ば、4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル−メタン、
4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル−1,1−エタ
ン、4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル−1,1−n
−ブタン、4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル−1,
1−ヘプタン、4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル−
フェニル−メタン、4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニ
ル−2,2−プロパン、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’−ジメチル−ジフェニル−2,2−プロパン、4,
4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメフェニル−ジフェ
ニル−2,2−プロパン、4,4’−ジヒドロキシ−ジ
クロロ−ジフェニル−2,2−プロパン、4,4’−ジ
ヒドロキシ−ジフェニル−2,2−ブタン、4,4’−
ジヒドロキシ−ジフェニル−メチル−イソブチル−メタ
ン、4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル−2,2−ヘ
プタン、4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル−2,2
−オクタン、4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル−
3,3−ペンタン、4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニ
ル−4,4−n−ヘプタン、4,4’−ジヒドロキシ−
ジフェニル−1,1−シクロペンタン、4,4’−ジヒ
ドロキシ−ジフェニル−1,1−シクロヘキサン、4,
4’−ジヒドロキシ−ジフェニル−メチル−フェニル−
メタン、4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル−エチル
−フェニル−メタン、4,4’−ジヒドロキシ−ジフェ
ニル−2,2,2−トリクロロ−1,1−エタン、4,
4’−ジヒドロキシ−3−メチル−ジフェニル−2,2
−プロパン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジエ
チル−ジフェニル−2,2−プロパン、4,4’−ジヒ
ドロキシ−3,3’−ジイソプロピル−ジフェニル−ジ
フェニル−2,2−プロパン、4,4’−ジヒドロキシ
−3,3’−テトラクロロ−ジフェニル−ジフェニル−
2,2−プロパン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’
−ジシクロヘキシル−ジフェニル−ジフェニル−2,2
−プロパン、4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル−イ
ソブチル−メタンなどが挙げられる。
【0044】f)下記のような、脂肪族2塩基酸、芳香
族2塩基酸、1塩基酸、不飽和脂肪酸とグリコール類の
重縮合物であるアルキッド系樹脂:脂肪族2塩基酸とし
て、例えば、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、
シトラコン酸、無水コハク酸、コハク酸、イタコン酸、
グルタン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン化脂肪
酸などが挙げられる。芳香族2塩基酸として、例えば、
無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒ
ドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラ
ブロム無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、無水
ハイミック酸、α−テレピフィン−無水マレイン酸付加
物、α−フェランドレン−無水マレイン酸付加物、無水
ヘット酸などが挙げられる。グリコール類として、例え
ば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール(1,2)、ジプロピレングリコー
ル、ブチレングリコール(1,3)、ブチレングリコー
ル(2,3)、トリメチレングリコール、テトラエチレ
ングリコール、ビスフェノールジオキシエチルエーテ
ル、ビスフェノールジオキシプロピルエーテル、ネオペ
ンチルグリコールブテンジオール(1,4)などが挙げ
られる。1塩基酸として、例えば、大豆油、アマニ油、
キリ油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、ヤシ油、およびこれ
らの脂肪酸、アクリル酸、メタクリル酸、ステアリン
酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エレオス
テアリン酸、リシノレイン酸、脱水リシノレイン酸、合
成脂肪酸、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、
アビエチン酸などが挙げられる。不飽和脂肪酸として、
例えば、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸などのオキ
シ酸などが挙げられる。
【0045】g)2官能性活性水素化合物を用い、下記
のような全反応系のイソシアネート基と活性水素基が当
量で線状高分子化した熱可塑性ポリウレタン系樹脂:2
官能性活性水素化合物としては、例えば、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、
ネオペンチルグリコール、ポリ(オキシプロピレン)グ
リコール、ポリ(オキシプロピレン)ポリ(オキシエチ
レン)グリコール、ポリ(オキシブチレン)グリコー
ル、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、末端ヒ
ドロキシポリエステルやその他の2水酸基含有化合物な
どが挙げられる。イソシアネートとしては、例えば、
2,4−トリレンジイソシアネート、65/35トリレ
ンジイソシアネート、80/20トリレンジイソシアネ
ート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
ジアニシジンジイソシアネート、トリデンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネートの誘導体、ジメリールジイソシアネ
ート、メタキシリレンジイソシアネート、フェニルイソ
シアネート、パラクロルフェニルイソシアネート、オル
ソクロルフェニルイソシアネート、メタクロルフェニル
イソシアネート、3,4−ジクロルフェニルイソシアネ
ート、2,5−ジクロルフェニルイソシアネート、メチ
ルイソシアネート、エチルイソシアネート、n−ブチル
イソシアネート、n−プロピルイソシアネート、オクタ
デシルイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシア
ネートなどを挙げることができる。
【0046】h)エチルセルロースやプロピオン酸セル
ロースなどのセルロース系樹脂:
【0047】i)ナイロン類:
【0048】インク受理層におけるマレイン酸エステル
またはフマル酸エステル、もしくはこれら単量体の2種
以上を用いて変性された塩化ビニル系樹脂の含有量とし
ては、顔料に対して100〜300重量%が好ましく、
より好ましくは150〜200重量%である。100重
量%未満ではインク受理層の塗層強度が不足し、また、
300重量%を超えるとインクジェット記録装置の種類
によってはインク吸収能が不足するため、インクが溢れ
好ましくない。一般的な水溶性インクの場合に比べて、
油性インクを用いるインクジェット記録シートでは、イ
ンク受理層における顔料の割合が少ない傾向にある。こ
れは、油性インク中の油溶性染料の含有量が非常に高い
ために、水性インクと同等の画像濃度を得るのに必要な
インク量が少なくて済むからである。
【0049】本発明の第2の油性インク用インクジェッ
ト記録シートのインク受理層に含有せしめる可塑剤とし
ては、特に、1価アルコールと芳香族ポリカルボン酸の
反応により得られるエステル化合物を好適に用いること
ができる。
【0050】ここで、1価アルコールとしては、以下の
ようなものを挙げることができる。 a)脂肪族飽和1価アルコール類:例えば、メチルアル
コール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルア
ルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチ
ルアルコール、n−アミルアルコール、イソアミルアル
コール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オ
クチルアルコール、カプリルアルコール、ノニルアルコ
ール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、トリ
デシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシ
ルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコ
ール、ステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、
エイコシルアルコール、セリルアルコール、メリシルア
ルコールなどを挙げることができる。
【0051】b)脂肪族不飽和1価アルコール類:例え
ば、アリルアルコール、クロチルアルコール、プロパル
ギルアルコールなどを挙げることができる。
【0052】c)芳香族1価アルコール類:例えば、ベ
ンジルアルコール、シンナミルアルコールなどを挙げる
ことができる。
【0053】d)脂環式1価アルコール類:例えば、シ
クロプロピルカルビノール、シクロプロピルメチルカル
ビノール、シクロプロピルエチルカルビノール、シクロ
プロピルジメチルカルビノール、シクロブタノール、1
−メチルシクロブタノール、シクロブチルカルビノー
ル、シクロブチルメチルカルビノール、シクロブチルジ
メチルカルビノール、1−オキシメチルシクロブタノー
ル、シクロペンタノール、2−メチルシクロペンタノー
ル、1−イソプロピルシクロペンタノール、1−メチル
シクロペンタノール、1−エチニルシクロペンタノー
ル、2−プロピルシクロペンタノール、2−イソプロピ
ルシクロペンタノール、3−ブチルシクロペンタノー
ル、3−アミルシクロペンタノール、2、3−ジフェニ
ルシクロペンタノール、1、2−ジメチルシクロペンタ
ノール、1、3−ジメチルシクロペンタノール、1、
2、2−トリメチルシクロペンタノール、1−プロピル
シクロペンタノール、1−イソプロピルシクロペンタノ
ール、1−ブチルシクロペンタノール、1−デシルシク
ロペンタノール、1−テトラデシルシクロペンタノー
ル、シクロペンチルカルビノール、シクロヘキサノー
ル、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロ
ヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メ
チルシクロヘキサノール、3、3−ジメチルシクロヘキ
サノール、1、2−ジメチルシクロヘキサノール、1、
3−ジメチルシクロヘキサノール、1、4−ジメチルシ
クロヘキサノール、2、6−ジメチルシクロヘキサノー
ル、3、5−ジメチルシクロヘキサノール、1−エチル
シクロヘキサノール、2−エチルシクロヘキサノール、
2、2、5−トリメチルシクロヘキサノール、3、3、
5−トリメチルシクロヘキサノール、1−イソプロピル
シクロヘキサノール、2−n−プロピルシクロヘキサノ
ール、4−n−プロピルシクロヘキサノール、3−イソ
プロピルシクロヘキサノール、4−イソプロピルシクロ
ヘキサノール、1、3、3、5−テトラメチルシクロヘ
キサノール、3、3、5、5−テトラメチルシクロヘキ
サノール、3−メチル−n−プロピルシクロヘキサノー
ル、2−メチル−6−ブチルシクロヘキサノール、2−
m−トリルシクロヘキサノール、2、2−ジフェニルシ
クロヘキサノール、2、6−ジベンジルシクロヘキサノ
ール、シクロヘキシルカルビノール、シクロヘプタノー
ル、2−メチルシクロヘプタノール、4−メチルシクロ
ヘプタノール、1−エチルシクロヘプタノール、1−プ
ロピルシクロヘプタノール、2、2−ジメチルシクロヘ
プタノール、2、6、6−トリメチルシクロヘプタノー
ル、シクロヘプチルカルビノールシクロオクタノール、
2−メチルシクロオクタノール、1−メチルシクロオク
タノール、シクロオクチルカルビノールなどを挙げるこ
とができる。
【0054】e)複素環式1価アルコール類:例えば、
フルフリルアルコールなどを挙げることができる。
【0055】また、エステル化合物を構成する芳香族ポ
リカルボン酸とは、ベンゼン骨格を含有する化合物の核
水素をカルボキシル基で置換して得られるポリカルボン
酸であり、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸、3−メチルフタル酸、4−メチルフタル酸、2−
メチルイソフタル酸、4−メチルイソフタル酸、5−メ
チルイソフタル酸、メチルテレフタル酸(以上ベンゼン
ジカルボン酸)、ヘミメリト酸、トリメリト酸、トリメ
シン酸(以上ベンゼントリカルボン酸)、メロファン
酸、ピロメリト酸(以上ベンゼンテトラカルボン酸)や
メリト酸(ベンゼンペンタカルボン酸)などを挙げるこ
とができる。
【0056】さらに、エステル化合物を構成する芳香族
ポリカルボン酸として、フタル酸あるいはトリメリト酸
を用いることにより、より一層優れた油性インク用イン
クジェット記録シートを得ることができる。したがっ
て、フタル酸エステル類あるいはトリメリト酸エステル
類中から選択された可塑剤が、本発明の油性インク用イ
ンクジェット記録シートには最も好ましい。
【0057】以上のようなエステル化合物は、一般的な
エステル合成法により得られるが、中でも硫酸、塩酸、
p−トルエンスルホン酸などの酸触媒を用いた、1価ア
ルコールと芳香族ポリカルボン酸の脱水縮合反応による
合成法が簡便で好ましい。
【0058】本発明の第2の油性インク用インクジェッ
ト記録シートにおいて、上記したような可塑剤は、マレ
イン酸エステルまたはフマル酸エステル、もしくはこれ
ら単量体の2種以上を用いて変性された塩化ビニル系樹
脂に対して5〜60重量%、より好ましくは10〜30
重量%で含有されることが好ましい。ここで、可塑剤の
添加量が5重量%未満では、耐可塑剤性の改良効果が得
られない。また、60重量%を越えて多いと、場合によ
っては暗所保存性や耐可塑剤を悪化させることもある。
【0059】また、本発明の目的を阻害しない範囲であ
れば、以下に挙げたような従来公知の可塑剤を適宜選択
して用いることができる。 a)リン酸エステル類:例えば、トリメチルホスヘー
ト、トリエチルホスヘート、トリブチルホスヘート、ト
リ−2−エチルヘキシルホスヘート、トリブトキシエチ
ルホスヘート、トリスクロロエチルホスヘート、トリス
ジクロロプロピルホスヘート、含ハロゲン縮合リン酸エ
ステル、トリフェニルホスヘート、トリクレジルホスヘ
ート、トリキシレニルホスヘート、クレジルジフェニル
ホスヘート、キシレニルジフェニルホスフヘート、2−
エチルヘキシルジフェニルホスヘート、トリラウリルホ
スヘート、トリセチルホスヘート、トリステアリルホス
ヘート、トリオレイルホスヘート、メチルアシッドホス
ヘート、イソプロピルアシッドホスヘート、ブチルアシ
ッドホスヘート、ジブチルホスヘート、モノブチルホス
ヘート、2−エチルヘキシルアシッドホスヘート、ジ−
2−エチルヘキシルホスヘート、イソデシルアシッドホ
スヘート、モノイソデシルホスヘート、トリデシルアシ
ッドホスヘート、トリフェニルホスファイト、トリス・
トリデシルホスファイト、ジブチル・ハイドロジエン・
ホスファイトなどを挙げることができる。
【0060】b)脂肪族1塩基酸エステル類:例えば、
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル
などを挙げることができる。
【0061】c)脂肪族2塩基酸エステル類:例えば、
ジメチルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアジペー
ト、ジイソブチルアジペート、ジブチルアジペート、ジ
イソデシルアジペート、ジブチルジグリコールアジペー
ト、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、ジブチルセバ
ケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、メチル・
アセチルリシノレートなどを挙げることができる。
【0062】d)2価アルコール類:例えば、ジエチレ
ングリコールベンゾエート、トリエチレングリコールジ
−2−エチルブチラートなどを挙げることができる。
【0063】e)オキシ酸エステル類:例えば、アセチ
ルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、
ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸
トリブチルなどを挙げることができる。
【0064】f)マレイン酸、フマル酸エステル類:例
えば、ジエチルマレエート、ジブチルマレエート、ジ−
2−エチルヘキシルマレエート、ジブチルフマレート、
ジ−2−エチルヘキシルフマレートなどを挙げることが
できる。
【0065】g)ポリエステル、エポキシ化エステル
類:例えば、セバチン酸系、アジピン酸系などのポリエ
ステル、エポキシ化大豆油、エポキシ化あまに油、エポ
キシ化脂肪酸エステルなどを挙げることができる。
【0066】その他にも、塩素化パラフィン、塩素化ビ
フェニル、2−ニトロビフェニル、ジノニルナフタレ
ン、o−およびp−トルエンスルホンエチルアミド、シ
ョウ脳、アビエチン酸メチル、グリセリルトリアセテー
ト、トリメチルボーレートなどを挙げることができる。
【0067】本発明の第1および2の油性インク用イン
クジェット記録シートにおけるインク受理層中には、顔
料分散剤、カチオン性樹脂、色素定着剤、消泡剤、抑泡
剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍
光増白剤、紫外線吸収剤、防腐剤、耐水化剤、湿潤紙力
増強剤、レオロジーモデファイヤー、乾燥紙力増強剤お
よび酸化防止剤などを適宜含有することもできる、さら
に、本発明の第1および2の油性インク用インクジェッ
ト記録シートにおけるインク受理層には、本発明を阻害
しない範囲において、従来公知のバインダー樹脂を添加
することもできる。
【0068】本発明における第1および2の油性インク
用インクジェット記録シートの支持体としては、例え
ば、 a)ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポ
リエチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ノルボ
ルネン、ビニロン、ポリビニルアルコール、ナイロンな
どの合成樹脂フィルムやこれら材料に顔料、発泡剤など
を含有して透明度を低下させた半透明合成樹脂フィルム
類;
【0069】b)ポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レン/プロピレン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重
合体、ポリスチレン、アクリル酸エステル類などの熱可
塑性樹脂と炭酸カルシウム、タルク、シリカ、焼成クレ
ーなどの無機顔料を混合して延伸積層した合成紙;
【0070】c)LBKP、NBKPなどの化学パル
プ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CM
P、CGPなどの機械パルプ、DIPなどの古紙パルプ
などの木材パルプと従来公知の顔料を主成分として、バ
インダーおよびサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カ
チオン化剤、紙力増強剤などの各種添加剤を1種以上用
いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー
抄紙機などの各種装置で製造された原紙類;
【0071】d)原紙に、澱粉、ポリビニルアルコール
などでのサイズプレスやアンカーコート層を設けた原紙
や、それらの上にコート層を設けたアート紙、コート
紙、キャストコート紙などの塗工紙類;
【0072】e)マシンカレンダー、TGカレンダー、ソ
フトカレンダーなどのカレンダー装置を用いて平滑化処
理を施したような原紙類; f)塗工紙の両面または片面に溶融押し出し法などにて高
密度、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエス
テルなどをコートしたレジンコート紙類;
【0073】g)あるいはこれら支持体の表面にコロナ
放電処理、火炎処理、プラズマ処理、アンカー層塗工処
理などの易接着性を改良したようなものを好適に用いる
ことができる。
【0074】さらに、これらの支持体には、マシンカレ
ンダー、スーパーカレンダー、グロスカレンダー、艶消
しカレンダー、摩擦カレンダー、ブラシカレンダーなど
のカレンダー処理を行うことができる。支持体の坪量と
しては、通常50〜300g/m2程度のものが用いられ
る。
【0075】インク受理層の塗工量は特に制限はない
が、1〜50g/m2が好ましい。塗工量が1g/m2未満であ
ると十分な印字濃度およびインク吸収性が得られないた
め好ましくなく、塗工量が50g/m2を超えると油性イン
ク用インクジェット記録シートのカール性が悪化するた
め好ましくない。
【0076】本発明における第1および2の油性インク
用インクジェット記録シートのインク受理層を支持体上
に設ける方法としては、水または親水性有機溶剤あるい
はこれらの混合溶媒、もしくは有機溶剤を用いて、例え
ば、従来公知のエアーナイフコーター、カーテンコータ
ー、ダイコーター、リップコーター、ブレードコータ
ー、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコー
ター、ロールコーター、ビルブレードコーター、ショー
トドエルブレードコーター、サイズプレス、シムサイザ
ーなどの各種装置により支持体上に塗工することができ
る。
【0077】ここで、インク受理層は、ある一定の塗工
量を数回に分けて塗設することもできる。ここで、数回
に分割してインク受理層を塗工する方法としては、1層
ごとに乾燥して塗工する場合と、複数層をウェット・オ
ン・ウェットで同時に塗工する方法を挙げることができ
る。
【0078】特に、インク受理層の塗工液としては、イ
ンク受理層を形成する、マレイン酸エステルまたはフマ
ル酸エステル、もしくはこれら単量体の2種以上を用い
て変性された塩化ビニル系樹脂あるいは可塑剤が疎水性
であることから、これらの疎水性物質を適宜溶解できる
一般的な有機溶剤にて調整し、塗工液とすることがで
き、また、作業性や安全性を考慮して、これらの疎水性
物質を主に水を溶媒としたエマルジョンに調整し、塗工
液とすることもできる。
【0079】また、インク受理層の塗工後には、マシン
カレンダー、TGカレンダー、スーパーカレンダー、ソ
フトカレンダーなどのカレンダー装置を用いて平滑化処
理を行うことができる。
【0080】本発明の第1および2の油性インク用イン
クジェット記録シートにおいて、支持体を挟んだインク
受理層の反対面には、カール適性を付与するためにバッ
クコート層を塗設することも可能であり、その際の顔料
としては、平板状顔料や加水ハロイサイトが好ましく、
バックコートを設けない場合でも、フリューデックスな
どの加湿器により水蒸気を噴射することでカール強制を
行うこともできる。
【0081】本発明における油性インクとは、色材とし
て、例えば、ナフトール染料、アゾ染料、金属錯塩染
料、アントラキノン染料、キノイミン染料、インジゴ染
料、シアニン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロ
ソ染料、ベンゾキノン染料、カーボニウム染料、ナフト
キノン染料、ナフタルイミド染料、フタロシアニン染
料、ペリニン染料などの油溶性染料を有機溶剤に溶解ま
たは分散したものである。
【0082】特に、本発明における油性インクとは、例
えば、特公平7−78187号公報、同7−78188
号公報、同8−6057号公報や同8−26259号公
報などに提案されているものである。油性インク中に溶
解されている油溶性染料としては、例えば、C.I.Solven
t Yellow 1,2,3,4,6,7,8,10,12,13,14,16,18,19,21,25,
25:1,28,29,30,32,33,34,36,37,38,40,42,43,44,47,48,
55,56,58,60,62,64,65,72,73,77,79,81,82,83,83:1,85,
88,89,93,94,96,98,103,104,105,107,109,112,114,116,
117,122,123,124,128,129,130,131,133,134,135,138,13
9,140,141,143,146,147,148,149,150,151,152,153,157,
158,159,160:1,161,162,163,164,165,167,168,169,170,
171,172など;C.I.Solvent Red 1,2,3,4,7,8,13,14,17,
18,19,23,24,25,26,27,29,30,33,35,37,39,41,42,43,4
5,46,47,48,49,49:1,52,68,69,72,73,74,80,81,82,83,8
3:1,84,84:1,89,90,90:1,91,92,106,109,111,117,118,1
19,122,124,125,127,130,132,135,138,140,143,145,14
6,149,150,151,152,155,160,164,165,166,168,169,172,
175,176,177,179,180,181,182,185,188,189,195,198,20
2,203,204,205,206,207,208,209,210,212,213,214,215,
216,217,218,219,220,221,222,223,224,225,226,227,22
8,229など;C.I.Solvent Blue 2,4,5,7,10,11,12,22,2
5,26,35,36,37,38,43,44,45,48,49,50,51,59,63,64,66,
67,68,70,72,79,81,83,91,94,95,97,98,99,100,102,10
4,105,111,112,116,117,118,122,127,128,129,130,131,
132,133,134など;C.I.Solvent Black 3,5,6,7,8,13,2
2,22:1,23,26,27,28,29,33,34,35,39,40,41,42,43,45,4
6,47,48,49,50などを挙げることができる。
【0083】これらの油溶性染料の中でも特に、C.I.So
lvent Yellow 3,14,16,33,56、C.I.Solvent Red 18,24,2
7,122,135、C.I.Solvent Blue 14,25,35,48,108、C.I.Sol
ventBlack 3,7,22,34,50は、染料の堅牢性が高いため、
好適に用いることができる。
【0084】油性インクに用いられる溶剤としては、イ
ンクジェット記録装置のインク突出ヘッドの特性に適合
するように、あるいは安全性の観点から種々な溶剤が選
択され、場合によっては複数種の溶剤を混合して用いる
場合もある。このような溶剤の代表的な例を以下に挙げ
れば、例えば、ペガゾール(モービル石油)、シェルS
BR、シェルゾール(シェル石油製)などの石油ナフサ
系溶剤類;ハイソゾール(日本石油製)などの芳香族系
石油溶剤、ソルトール(フィリップス石油製)、エクソ
ゾール(エクソン化学製)アイソパー(エクソン製)、
IPソルベント(出光石油化学製)などの脂肪族系石油
溶剤;インクソルベント(三菱石油製)などのナフテン
系石油溶剤;モノまたはジ置換アルキルナフタレン、ビ
フェニルのアルキル誘導体、キシリルエタン、フェネチ
ルクメンなどの芳香族炭化水素系溶剤;メチルアルコー
ル、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−
ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソ
ブチルアルコールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコ
ール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド
などのアミド類;アセトン、ジアセトンアルコールなど
のケトンまたはケトンアルコール類;テトラヒドロフラ
ン、ジオキサンなどのエーテル類;ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレン
グリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、
1、2、6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、
ヘキシレングリコール、ジエチレングリコールなどのア
ルキレン基が2〜6個のアルキレングリコール類;グリ
セリン、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールメチル(またはエチル)エーテル、トリエ
チレングリコールモノメチルエーテルなどの多価アルコ
ールの低級アルキルエーテル類;リン酸トリブチル、リ
ン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、
リン酸トリクレシンルなどのリン酸エステル類;フタル
酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フ
タル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル
酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フ
タル酸オクチルデシル、フタル酸ブチルベンジルなどの
フタル酸エステル類;オレイン酸ブチル、グリセリンモ
ノオレイン酸エステルなどの脂肪族1塩基酸エステル
類;アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−2−エチルヘ
キシル、アジピン酸アルキル610、アゼライン酸ジ−
2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸
ジ−2−エチルヘキシルなどの脂肪族ニ塩基酸エステル
類;アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール
酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチ
ルクエン酸トリブチルなどのオキシ酸エステル類;塩素
化パラフィン、塩素化ビフェニル、2−ニトロビフェニ
ル、ジノニルナフタレン、o−およびp−トルエンスル
ホンエチルアミド、ショウ脳、アビエチン酸メチルなど
の可塑剤類などを挙げることができる。
【0085】また、例えば、特公平6−247034号
公報や同6−306319号公報などに提案されてい
る、いわゆる熱溶融タイプインクジェット記録用の油性
インクであっても、本発明の油性インク用インクジェッ
ト記録シートであれば好適なインクジェット記録を行う
ことができる。熱溶融タイプインクジェット記録用油性
インクでは、以下のような溶剤が一般的に用いられる。
例えば、ポリエチレンワックス、オゾケライト、セレシ
ン、キャンデリラワックス、ライスワックス、ホホバ固
体ロウ、ミツロウ、ラノリン、鯨ロウ、フィッシャート
ロプシュワックス、カルナバワックス、パラフィンワッ
クス、サゾールワックス、マイクロクリスタリンワック
ス、エステルワックスなどのワックス類;1,8−オク
タンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−
ドデカンジオールなどのジオール類;ラウリン酸、ステ
アリン酸、パルミチン酸などの脂肪酸類;ラウリン酸ア
ミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ
酸アミド、リシノール酸アミド、12−ヒドロキシステ
アリン酸アミド、特殊脂肪酸アミドなどの脂肪酸アミド
類;一般式RCONHR’あるいはRNHCOR’CO
NHRで表されるN−置換脂肪酸アミド類;アルキロー
ルアミド類;セチルアルコール、ステアリルアルコール
などの高級アルコール類;芳香族エステル、芳香族アル
コールなどの芳香族化合物;ラウリン酸メチル、ミリス
チン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチ
ル、やし脂肪酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、ス
テアリン酸ブチル、ステアリン酸オクタデシル、オレイ
ン酸オレイルなどの1価アルコール脂肪酸エステル類;
グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、エチレング
リコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エ
ステルなどの多価アルコール脂肪酸エステル類;エポキ
シ樹脂類;ポリアミド樹脂類;ポリエステル樹脂類;ポ
リアクリル樹脂類;ポリウレタン樹脂類;ポリオレフィ
ン樹脂類。
【0086】上記したような各種油性インクでは、その
保存安定性や印字後の耐擦過性などを向上させる目的
で、例えば、ポリアクリル酸エステル、アマニ油変性ア
ルキッド樹脂、ポリスチレン、ロジン系樹脂、テルペン
フェノール系樹脂、アルキルフェノール変性キシレン樹
脂などの極性樹脂を添加したり、金属封鎖剤、表面張力
調整剤、界面活性剤、粘度調整剤、消泡剤、抑泡剤、離
型剤、発泡剤、浸透剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、防
腐剤、耐水化剤、レオロジーモデファイヤーおよび酸化
防止剤などの添加剤を適宜含有することもできる。
【0087】上記したような何れの油性インクにおいて
も、従来公知の水性インクに比べて色材、すなわち油溶
性染料の溶解濃度を高くすることが容易である。一概に
は言えないが、水性インクの数倍から十数倍の濃度で溶
解あるいは分散し、良好なインク突出ヘッドの特性を達
成することが可能である。したがって、同一な画像濃度
を得る場合のインク突出量は、油性インクのほうが少な
くて済み経済的である。
【0088】本発明の第1および2の油性インク用イン
クジェット記録シートであれば、上記のような油溶性染
料を用いた油性インクのみならず、従来公知の油性顔料
インクや水性顔料インクにおいても好適に用いることも
できる。
【0089】
【実施例】以下に、本発明の実施例を挙げて説明する
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。ま
た、実施例において示す「部」および「%」は、特に明
示しない限り重量部および重量%を示す。
【0090】〈インクの作製〉下記の各成分を十分に混
合、溶解した後、0.45μmのメンブランフィルター
で濾過を行ったものを油性インクとした。
【0091】 (油性インク) 油溶性染料(スチリル系シアン染料) 6部 脂肪族系石油溶剤 86部フェネチルクメン 8部
【0092】〈評価方法〉以下に挙げた実施例および比
較例の各インクジェット記録シートは次の方法で評価を
行った。
【0093】(1)暗所保存性 上記の油性インクを充填したドロップオンデマンド方式
のインクジェットプリンターを用いて、各インクジェッ
ト記録シートにシアンのベタ画像印字を行った。これら
のインクジェット記録シートを、20℃、65%RHの
暗所下に2ヶ月間放置した前後のベタ画像印字部の光学
濃度をマクベスRD−919にて測定した。もちろん放
置前後での光学濃度の差は少ないほうが好ましい。評価
は下記数式1で求められる光学濃度の残存率(%)にて
行った。
【0094】
【数1】(数式1) 残存率(%)=100×〔1−(放置前のOD−放置後の
OD)/放置前のOD〕
【0095】 ◎:残存率100〜90% ○:残存率89〜80% △:残存率79〜50% ×:残存率49〜0%
【0096】(2)耐可塑剤性 上記の油性インクを充填したドロップオンデマンド方式
のインクジェットプリンターを用いて、各インクジェッ
ト記録シートにシアンのベタ画像印字を行った。これら
のインクジェット記録シートのインク受理層表面に、可
塑剤を含有した塩化ビニルシートを圧着し、30℃、8
5%RHの環境下に1週間放置した前後のベタ画像印字
部の光学濃度をマクベスRD−919にて測定した。も
ちろん放置前後での光学濃度の差は少ないほうが好まし
い。評価に用いた残存率は、暗所保存性の評価と同じ数
式を用いている。
【0097】以下に、本発明の第1の油性インク用イン
クジェット記録シートに関する実施例および比較例を示
す。
【0098】実施例1 LBKP(濾水度380mlcsf)90部とNBKP
(濾水度480mlcsf)10部から成る木材パルプ
100部に対して、軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カル
シウム/タルクの比率が10/10/10の顔料20
部、市販アルキルケテンダイマー0.10部、市販カチ
オン系アクリルアミド0.03部、市販カチオン化澱粉
1.0部、硫酸バンド0.5部を調製後、長網抄紙機で
抄造し、坪量90g/m2の支持体を得た。
【0099】支持体上に、下記配合のインク受理層塗工
液をワイヤーバーにより乾燥塗工量が7g/m2となるよう
に塗工、乾燥し、次いでカレンダー処理を施して実施例
1の油性インク用インクジェット記録シートを得た。な
お、マレイン酸エステル変性塩化ヒ゛ニル系樹脂は乳化重合法により
合成したものである。カッコ内は樹脂組成比を表してい
る。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(合成非晶質シリカ:ミス゛カシルP-78D、水沢化学製) 10部 塩化ヒ゛ニル/酢酸ヒ゛ニル/マレイン酸シ゛-2-エチルヘキシルエステル(6/2/2)エマルシ゛ョン、50%水溶液 30部 水 60部
【0100】実施例2 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例2の油性インク用イン
クジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(焼成カオリン:アンシレックス、エンケ゛ルハート゛製) 10部 塩化ヒ゛ニル/酢酸ヒ゛ニル/マレイン酸シ゛フ゛チルエステル(8/1/1)エマルシ゛ョン、55%水溶液 30部 水 60部
【0101】実施例3 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例3の油性インク用イン
クジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(スチレン系多孔質ホ゜リマーヒ゛ース゛:ニーホ゜ールU3000、10%、日本セ゛オン製) 50部 塩化ヒ゛ニル/酢酸ヒ゛ニル/マレイン酸シ゛エチルエステル(7/1/2)エマルシ゛ョン、50%水溶液 10部 水 60部
【0102】実施例4 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例4の油性インク用イン
クジェット記録シートを得た。なお、マレイン酸エステ
ル変性塩化ビニル系樹脂は、懸濁重合を行った後にスプ
レードライ法で乾燥して得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(合成非晶質シリカ:サイロホーヒ゛ック、富士シリシア化学製) 15部 塩化ヒ゛ニル/酢酸ヒ゛ニル/マレイン酸シ゛エチルエステル(7/1/2) 15部メチルエチルケトン 35部トルエン 35部
【0103】実施例5 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例5の油性インク用イン
クジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(焼成カオリン:アンシレックス、エンケ゛ルハート゛製) 10部 塩化ヒ゛ニル/酢酸ヒ゛ニル/フマル酸シ゛-2-エチルヘキシルエステル(6/2/2)エマルシ゛ョン、50%水溶液 30部 水 60部
【0104】実施例6 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例6の油性インク用イン
クジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(合成非晶質シリカ:サイロホーヒ゛ック、富士シリシア化学製) 15部 塩化ヒ゛ニル/酢酸ヒ゛ニル/フマル酸シ゛フ゛チルエステル(7/1/2) 15部メチルエチルケトン 35部トルエン 35部
【0105】比較例1 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、比較例1のインクジェット記
録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(合成非晶質シリカ:ミス゛カシルP-78D、水沢化学製) 10部 NBR ラックスター、40%、大日本インキ化学製 37.5部 水 52.5部
【0106】比較例2 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、比較例2のインクジェット記
録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(合成非晶質シリカ:ミス゛カシルP-78D、水沢化学製) 10部 MBR ラックスター、45%、大日本インキ化学製 40部 水 50部
【0107】比較例3 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、比較例3のインクジェット記
録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(合成非晶質シリカ:ミス゛カシルP-78D、水沢化学製) 10部ホ゜リエチレンク゛リコール PEG20000、三洋化成工業製 20部 水 70部
【0108】比較例4 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、比較例4のインクジェット記
録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(合成非晶質シリカ:サイロホーヒ゛ック、富士シリシア化学製) 15部イソフ゛チレン /ノルマルフ゛チレン 出光石油化学製) 20部トルエン 65部
【0109】比較例5 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、比較例5のインクジェット記
録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(合成非晶質シリカ:サイロホーヒ゛ック、富士シリシア化学製) 15部ホ゜リエチレン フローセンUF15、製鉄化学工業製 20部 四塩化炭素 65部
【0110】比較例6 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、比較例6のインクジェット記
録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(合成非晶質シリカ:ミス゛カシルP-78D、水沢化学製) 10部スチレン /フ゛タシ゛エン JSR0642、48%、日本合成コ゛ム製 25部 水 65部
【0111】比較例7 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、比較例7のインクジェット記
録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(合成非晶質シリカ:ミス゛カシルP-78D、水沢化学製) 10部スチレン /アクリル モヒ゛ニール767、46%、ヘキスト合成製 43.5部 水 46.5部
【0112】比較例8 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、比較例8のインクジェット記
録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(合成非晶質シリカ:ミス゛カシルP-78D、水沢化学製) 10部 PVA PVA117、10%水溶液、クラレ製 30部 水 60部
【0113】比較例9 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、比較例9のインクジェット記
録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(合成非晶質シリカ:ミス゛カシルP-78D、水沢化学製) 15部 PVP BASF製 20部 水 70部
【0114】比較例10 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、比較例10のインクジェット
記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(合成非晶質シリカ:サイロホーヒ゛ック、富士シリシア化学製) 15部 塩酸ヒ゛/ヒト゛ロキシアルキルアクリレート VAGC、UCC製 20部メチルイソフ゛チルケトン 32部トルエン 33部
【0115】比較例11 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、比較例11の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(焼成カオリン:アンシレックス、エンケ゛ルハート゛製) 5部 塩化ヒ゛ニリテ゛ン クレハロンAO、48%、呉羽化学製 22部 水 73部
【0116】比較例12 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、比較例12の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(スチレン系多孔質ホ゜リマーヒ゛ース゛:ニーホ゜ールU3000、10%、日本セ゛オン製) 40部イソフ゛チレン /無水マレイン酸/スチレン 出光石油化学製) 6部 水 52部 苛性ソータ゛ 2部
【0117】比較例13 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、比較例13の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(合成非晶質シリカ:サイロホーヒ゛ック、富士シリシア化学製) 10部 熱可塑性樹脂(メチルメタクリレート ρ=1.17:ローム&ハース製) 15部メチルエチルケトン 75部
【0118】比較例14 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、比較例14の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(アクリル系ホ゜リマーヒ゛ース゛:M-610、松本油脂製薬製) 10部 熱可塑性樹脂(エチルセルロース ρ=1.14:N100G、信越化学製) 15部イソフ゜ロヒ゜ルアルコール 75部
【0119】比較例15 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、比較例15の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(合成非晶質シリカ:サイロホーヒ゛ック、富士シリシア化学製) 10部 塩化ヒ゛ニル/酢酸ヒ゛ニル VYNS3、UCC製 15部メチルエチルケトン 40部トルエン 35部
【0120】比較例16 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、比較例16の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(合成非晶質シリカ:サイロホーヒ゛ック、富士シリシア化学製) 10部フ゛チラール エスレックBMS、積水化学工業製 15部エタノール 40部トルエン 35部
【0121】比較例17 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、比較例17の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(合成非晶質シリカ:サイロホーヒ゛ック、富士シリシア化学製) 10部ホ゜リカーホ゛ネート ノハ゛レックス、三菱化学製 20部 四塩化炭素 70部
【0122】比較例18 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、比較例18の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(スチレン系多孔質ホ゜リマーヒ゛ース゛:ニーホ゜ールU3000、10%、日本セ゛オン製) 40部アルキト゛ ハリテ゛ッフ゜L116、60%、ハリマ化成製 10部 水 50部
【0123】比較例19 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、比較例19の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(合成非晶質シリカ:サイロホーヒ゛ック、富士シリシア化学製) 15部 熱可塑性ウレタン テ゛モスハ゜ン、住友ハ゛イエルウレタン製 20部トルエン 30部メチルエチルケトン 35部
【0124】比較例20 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、比較例20の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(合成非晶質シリカ:サイロホーヒ゛ック、富士シリシア化学製) 15部 飽和ホ゜リエステル ハ゛イロン200、東洋紡製 20部トルエン 30部メチルエチルケトン 35部
【0125】比較例21 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、比較例21の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(合成非晶質シリカ:ミス゛カシルP-78D、水沢化学製) 5部 塩酢ヒ゛/ヒト゛ロキシアルキルアクリレート AW875、39%、UCC製 25.6部 水 69.4部
【0126】比較例22 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、比較例22の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(合成非晶質シリカ:サイロホーヒ゛ック、富士シリシア化学製) 10部 塩酢ヒ゛/ヒト゛ロキシアルキルアクリレート VAGC、UCC製 15部メチルイソフ゛チルケトン 35部トルエン 40部
【0127】以上、実施例1〜6および比較例1〜22
に示した、本発明の第1の油性インク用インクジェット
記録シートに関する評価結果をまとめて表1に示した。
【0128】
【表1】
【0129】(評価)以上のように、実施例1〜6にお
ける本発明の第1の油性インク用インクジェット記録シ
ートであれば、暗所保存性に優れた。
【0130】しかしながら、比較例1〜22では、マレ
イン酸エステルまたはフマル酸エステル、もしくはこれ
ら単量体の2種以上を用いて変性された塩化ビニル系樹
脂を用いなかったため、暗所保存性は悪かった。ここ
で、比較例10〜22は、本発明者らが先に発明し提案
した、優れた画像濃度および発色性を有する油性インク
用インクジェット記録シートにあたる。この発明をもと
に、さらに鋭意検討を継続した結果、特に暗所保存性に
優れる本発明の油性インク用インクジェット記録シート
を提案することができた。ところで、比較例1〜9は、
基本的に油性インクに適さず暗所保存性は著しく悪かっ
た。
【0131】次いで、本発明の第2の油性インク用イン
クジェット記録シートに関する実施例および比較例を示
す。
【0132】実施例7 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例7の油性インク用イン
クジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(焼成カオリン:アンシレックス、エンケ゛ルハート゛製) 10部 塩化ヒ゛ニル/酢酸ヒ゛ニル/マレイン酸シ゛フ゛チルエステル(8/1/1)エマルシ゛ョン、55%水溶液 30部テレフタル 酸シ゛オクチルエステルエマルシ゛ョン 50% 1.7部 水 58.3部
【0133】実施例8 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例8の油性インク用イン
クジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(焼成カオリン:アンシレックス、エンケ゛ルハート゛製) 10部 塩化ヒ゛ニル/酢酸ヒ゛ニル/マレイン酸シ゛フ゛チルエステル(8/1/1)エマルシ゛ョン、55%水溶液 30部テレフタル 酸シ゛オクチルエステルエマルシ゛ョン 50% 5部 水 55部
【0134】実施例9 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例9の油性インク用イン
クジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(焼成カオリン:アンシレックス、エンケ゛ルハート゛製) 10部 塩化ヒ゛ニル/酢酸ヒ゛ニル/マレイン酸シ゛フ゛チルエステル(8/1/1)エマルシ゛ョン、55%水溶液 30部テレフタル 酸シ゛オクチルエステルエマルシ゛ョン 50% 9.9部 水 50.1部
【0135】実施例10 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例10の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(焼成カオリン:アンシレックス、エンケ゛ルハート゛製) 10部 塩化ヒ゛ニル/酢酸ヒ゛ニル/マレイン酸シ゛フ゛チルエステル(8/1/1)エマルシ゛ョン、55%水溶液 30部テレフタル 酸シ゛オクチルエマルシ゛ョン 50% 16.5部 水 43.5部
【0136】実施例11 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例11の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(焼成カオリン:アンシレックス、エンケ゛ルハート゛製) 10部 塩化ヒ゛ニル/酢酸ヒ゛ニル/マレイン酸シ゛フ゛チルエステル(8/1/1)エマルシ゛ョン、55%水溶液 30部テレフタル 酸シ゛オクチルエステルエマルシ゛ョン 50% 19.8部 水 40.2部
【0137】実施例12 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例12の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(スチレン系多孔質ホ゜リマーヒ゛ース゛:ニーホ゜ールU3000、10%、日本セ゛オン製) 50部 塩化ヒ゛ニル/酢酸ヒ゛ニル/マレイン酸シ゛エチルエステル(7/1/2)エマルシ゛ョン、50%水溶液 10部イソフタル 酸シ゛メチルエステルエマルシ゛ョン 50% 1部 水 60部
【0138】実施例13 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例13の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(合成非晶質シリカ:サイロホーヒ゛ック、富士シリシア化学製) 15部 塩化ヒ゛ニル/酢酸ヒ゛ニル/マレイン酸シ゛エチルエステル(7/1/2) 15部イソフタル 酸シ゛メチルエステル 2.3部メチルエチルケトン 32.7部トルエン 35部
【0139】実施例14 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例14の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(焼成カオリン:アンシレックス、エンケ゛ルハート゛製) 10部 塩化ヒ゛ニル/酢酸ヒ゛ニル/フマル酸シ゛-2-エチルヘキシルエステル(6/2/2)エマルシ゛ョン、50%水溶液 30部イソフタル 酸シ゛メチルエステルエマルシ゛ョン 50% 6部 水 54部
【0140】実施例15 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例15の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(合成非晶質シリカ:サイロホーヒ゛ック、富士シリシア化学製) 15部 塩化ヒ゛ニル/酢酸ヒ゛ニル/フマル酸シ゛フ゛チルエステル(7/1/2) 15部イソフタル 酸シ゛メチルエステル 1.5部メチルエチルケトン 33.5部トルエン 35部
【0141】実施例16 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例16の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(スチレン系多孔質ホ゜リマーヒ゛ース゛:ニーホ゜ールU3000、10%、日本セ゛オン製) 50部 塩化ヒ゛ニル/酢酸ヒ゛ニル/マレイン酸シ゛エチルエステル(7/1/2)エマルシ゛ョン、50%水溶液 10部フタル 酸シ゛-2-エチルヘキシルエステルエマルシ゛ョン 50% 1部 水 60部
【0142】実施例17 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例17の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(合成非晶質シリカ:サイロホーヒ゛ック、富士シリシア化学製) 15部 塩化ヒ゛ニル/酢酸ヒ゛ニル/マレイン酸シ゛エチルエステル(7/1/2) 15部トリメリト 酸トリエチルエステル 2.3部メチルエチルケトン 32.7部トルエン 35部
【0143】実施例18 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例18の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(焼成カオリン:アンシレックス、エンケ゛ルハート゛製) 10部 塩化ヒ゛ニル/酢酸ヒ゛ニル/フマル酸シ゛-2-エチルヘキシルエステル(6/2/2)エマルシ゛ョン、50%水溶液 30部フタル 酸シ゛エチルエステルエマルシ゛ョン 50% 6部 水 54部
【0144】実施例19 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、実施例19の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(合成非晶質シリカ:サイロホーヒ゛ック、富士シリシア化学製) 15部 塩化ヒ゛ニル/酢酸ヒ゛ニル/フマル酸シ゛フ゛チルエステル(7/1/2) 15部フタル 酸シ゛フ゛チルエステル 1.5部メチルエチルケトン 33.5部トルエン 35部
【0145】比較例23 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、比較例23の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(焼成カオリン:アンシレックス、エンケ゛ルハート゛製) 7部 塩化ヒ゛ニル/酢酸ヒ゛ニル/マレイン酸シ゛フ゛チルエステル(8/1/1)エマルシ゛ョン、55%水溶液 21部テレフタル 酸シ゛オクチルエマルシ゛ョン 50% 16.2部 水 55.8部
【0146】比較例24 インク受理層塗工液を下記配合に変更した以外は、実施
例1と同様にして作製し、比較例24の油性インク用イ
ンクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗工液配合〉 顔料(焼成カオリン:アンシレックス、エンケ゛ルハート゛製) 7部 塩化ヒ゛ニル/酢酸ヒ゛ニル/マレイン酸シ゛フ゛チルエステル(8/1/1)エマルシ゛ョン、55%水溶液 21部テレフタル 酸シ゛オクチルエステルエマルシ゛ョン 50% 20.8部 水 51.2部
【0147】以上、実施例7〜19および比較例23お
よび24に示した本発明のインクジェット記録シートに
関する評価結果をまとめて表2に示した。
【0148】
【表2】
【0149】(評価)以上のように、本発明の第2の油
性インク用インクジェット記録シートであれば、暗所保
存性のみならず、さらに耐可塑剤性に優れたものとなっ
た。ここで、特に可塑剤がフタル酸あるいはトリメリト
酸系エステルである場合には十分満足な耐可塑剤性が得
られた。
【0150】しかしながら、可塑剤の含有量には最適な
範囲があり、比較例23および24の如く、可塑剤の過
剰な含有は耐可塑剤性の悪化を招いた。
【0151】
【発明の効果】今後、油性インクは、高解像度、高精
細、高保存安定性の求められる、例えば、銀塩写真の代
替え化、CAD分野などで用いられるのみならず、イン
クジェット記録における多様なニーズに答えながら広範
囲な分野で使用されていくと推測できる。しかしなが
ら、今まで油性インクに対して十分満足な性能を有する
油性インク用インクジェット記録シートはなかった。こ
れに対して本発明の油性インク用インクジェット記録シ
ートであれば、暗所保存性および耐可塑剤性に優れたも
のとなる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の少なくとも片面にインク受理層
    を設けたインクジェット記録シートにおいて、該インク
    受理層が、(イ)顔料と(ロ)マレイン酸エステルまた
    はフマル酸エステル、もしくはこれら単量体の2種以上
    を用いて変性された塩化ビニル系樹脂からなることを特
    徴とする油性インク用インクジェット記録シート。
  2. 【請求項2】 支持体の少なくとも片面にインク受理層
    を設けたインクジェット記録シートにおいて、該インク
    受理層が、(イ)顔料と(ロ)マレイン酸エステルまた
    はフマル酸エステル、もしくはこれら単量体の2種以上
    を用いて変性された塩化ビニル系樹脂からなり、さら
    に、(ハ)1価アルコールと芳香族ポリカルボン酸の反
    応により得られるエステル化合物を、該塩化ビニル系樹
    脂に対して5〜60重量%含有することを特徴とする油
    性インク用インクジェット記録シート。
  3. 【請求項3】 エステル化合物を構成する芳香族ポリカ
    ルボン酸が、フタル酸あるいはトリメリト酸から選ばれ
    ることを特徴とする請求項2記載の油性インク用インク
    ジェット記録シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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