JPH11285523A - ろう孔カテーテルセット - Google Patents

ろう孔カテーテルセット

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Publication number
JPH11285523A
JPH11285523A JP10088401A JP8840198A JPH11285523A JP H11285523 A JPH11285523 A JP H11285523A JP 10088401 A JP10088401 A JP 10088401A JP 8840198 A JP8840198 A JP 8840198A JP H11285523 A JPH11285523 A JP H11285523A
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JP
Japan
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catheter
indwelling
lumen
fistula
indwelling catheter
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Application number
JP10088401A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Tsukamoto
秀樹 塚本
Masatomi Sasaki
正富 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Publication date
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Publication of JPH11285523A publication Critical patent/JPH11285523A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 留置カテーテルを体外側からろう孔へ挿入あ
るいはろう孔から抜去することができ、かつ、該留置カ
テーテルの位置を体壁の体外側と体腔内側の双方から固
定でき、さらにろう孔部の体壁の厚さに応じた調節がで
きるろう孔カテーテルセットを提供する。 【構成】 体壁部に留置される体壁留置部、該体壁留置
部の近位端より体壁外表面に沿って伸展するフランジ部
および該体壁留置部と該フランジ部とを貫通するルーメ
ン部とを有するカテーテル保持管と、変形することによ
りろう孔を通過し体腔内面に係止する可撓性の内側固定
部材を有する留置カテーテルとを有し、該ルーメン部内
面は、該留置カテーテル外面と密着し、かつ該留置カテ
ーテルの移動が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術】自発的に食物の経口摂取ができない患者
における長期の栄養管理の手段としては、経静脈的栄
養、経鼻胃管による経腸栄養、胃ろうからの経腸栄養等
の方法が考えられている。この中で消化管の消化吸収や
運動機能は十分に保たれている患者においては、経腸的
な栄養が最も生理的で、有効、簡便、かつ安全な栄養管
理の方法である。
【0002】鼻腔、食道を経由し胃の中にカテーテルを
挿入した経鼻胃管を介しての経腸栄養方法は、経鼻胃管
カテーテルの留置が容易であるため多用されているが、
カテーテル挿入後、患者が不穏状態となり、カテーテル
チューブを自己抜去すると言った欠点がある。
【0003】そこで腹壁と胃壁を貫通したろう孔を形成
し、経皮的に胃の中にカテーテルを挿入した経腸栄養方
法が用いられる場合が多くなってきた。このカテーテル
の使用方法は、まず腹壁の外側から穿刺針等で胃の内部
と連通するろう孔を開け、そのろう孔からガイドワイヤ
ー等を挿入し、口から挿入した内視鏡に付設する鉗子で
ガイドワイヤーの端を掴み、内視鏡を口から抜去すると
ともに、ガイドワイヤーの一端を口まで到達させる。そ
の後、口から出したガイドワイヤーをカテーテルに通
し、ガイドワイヤーに沿って口から食道を通してカテー
テルを押し込む。胃内に到達したカテーテルをさらにろ
う孔を通して体外に出す。カテーテル末端の胃内留置部
はフランジ状に形成されているので、そのフランジ部が
ろう孔を容易に通過できず、フランジ部が胃壁内面に係
止する。カテーテル外面と接触し固定されるカテーテル
保持具を、カテーテルの体外部分に装着する等により、
カテーテルがろう孔部に固定される。そして、カテーテ
ルの体外部端部を輸液容器に繋ぎ、輸液を胃内に供給す
る。
【0004】上記のカテーテルでは、輸液を供給してい
ないときにもカテーテルが腹壁の外側に延出しているの
で、体外よりカテーテルを強い力で引っ張った場合、ろ
う孔から引き抜かれてしまう虞がある。また、体表上に
大きな異物を常に装着していることになるので、患者が
違和感を強く感じる場合がある。
【0005】そこで体壁の表面には、長い延出部がな
く、胃ろうカテーテルの体壁貫通部より先端の部分だけ
を体壁に装着し、輸液注入する使用時のみ輸液容器と連
通したチューブを接続するボタン型のものが開発されて
いる。
【0006】しかし、現状のボタン型の胃ろうカテーテ
ルは、胃壁内面と接触する固定用フランジと体壁外面と
接触する固定用フランジとが1体に構成されており、患
者の体壁に形成されたろう孔の種々の厚さに対応するた
めに、上記二つのフランジの間の長さが異なる多くの品
種をそろえなくてはならない。また、上記ボタン型胃ろ
うカテーテル装着後、ろう孔部の厚さが変化した場合に
は、その変化に応じるためには、別のカテーテルとの交
換が必要となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、留置
カテーテルを体外側からろう孔へ挿入あるいはろう孔か
ら抜去することができ、かつ、該留置カテーテルの位置
を体壁の体外側と体腔内側の双方から固定でき、さらに
ろう孔部の体壁の厚さに応じた調節ができるろう孔カテ
ーテルセットを提供することにある。本発明の他の目的
は、以上の目的に加え、体外に不要なカテーテルが延出
しないろう孔カテーテルセットを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的は、本発
明のろう孔カテーテルセットにより達成される。
【0009】本発明のろう孔カテーテルセットは、体壁
部に留置される体壁留置部、該体壁留置部の近位端より
体壁外表面に沿って伸展するフランジ部および該体壁留
置部と該フランジ部とを貫通するルーメン部とを有する
カテーテル保持管と、変形することによりろう孔を通過
し体腔内面に係止する可撓性の内側固定部材を有する留
置カテーテルとを有し、該ルーメン部内面は、該留置カ
テーテル外面と密着し、かつ該留置カテーテルの移動が
可能である。
【0010】また、本発明のろう孔カテーテルセット
は、前記内部固定部材が可撓性を有するコイル状部材で
あり、該コイル状部材の少なくとも一部が前記留置カテ
ーテルに接合している。
【0011】本発明のろう孔カテーテルセットは、前記
留置カテーテルが少なくとも2つのルーメンを有し、少
なくとも1つのルーメンが該留置カテーテルの近位端か
ら遠位端まで貫通し、前記コイル状部材にコイル内ルー
メンを有し、該留置カテーテルの1つのルーメンと該コ
イル内ルーメンが連通している。
【0012】また、本発明のろう孔カテーテルセット
は、前記コイル状部材の外表面に少なくとも一部に一端
が前記留置カテーテルと接する補強部材を有するまた、
本発明のろう孔カテーテルセットは、前記内部固定部材
が可撓性を有するドーム状部材であり、該ドーム状部材
の基端部が前記留置カテーテルの遠位端部に接合してい
る。
【0013】また、本発明のろう孔カテーテルセット
は、前記留置カテーテルの留置時の体外延出部の長さが
10mm以内である。
【0014】また、本発明のろう孔カテーテルセット
は、前記体壁留置部の体壁側面に細胞侵入性材料からな
る組織形成部を有する。
【0015】また、本発明のろう孔カテーテルセット
は、前記細胞侵入性材料がコラーゲンである。
【0016】また、本発明のろう孔カテーテルセット
は、前記中値カテーテル遠位端に逆流防止弁を備えてい
る。
【0017】また、本発明のろう孔カテーテルセット
は、前記内側固定部材の少なくとも1部がX線造影性を
有していることが好ましい。
【0018】また、本発明のろう孔カテーテルセット
は、前記カテーテル保持管の1部に前記留置カテーテル
のルーメンを封止可能な栓部材を備えている。
【0019】
【本発明の実施の形態】以下に、図面に基づいて本発明
を詳細に説明する。図1(1)は、本発明のろう孔カテ
ーテルセットの一態様の側面図である。本発明のろう孔
カテーテルセット1Aは、留置カテーテル2A及びカテ
ーテル保持管3Aを有する。留置カテーテル2Aは、ル
ーメン4およびルーメン5を有する。ルーメン4は、体
壁および胃壁等に形成されたろう孔を貫通して留置さ
れ、留置カテーテル2Aのルーメン4を通して栄養補給
等の輸液を注入するためのものである。ルーメン5は、
留置カテーテル2Aを伸張、変形等させるスタイレット
を挿入する。
【0020】カテーテル保持管3Aには、体壁部に留置
される体壁留置部7、該体壁留置部7の近位端より体壁
外表面に沿って伸展するフランジ部6、体壁留置部7と
フランジ部6とを貫通するルーメン部15を有する。
【0021】体壁留置部7は、腹壁、胸腔壁等の体壁に
形成されたろう孔へ挿入され、ろう孔の体壁断面と接す
る。
【0022】カテーテル保持管3Aの体壁留置部7の全
長は、5〜50mm程度、好ましくは10〜40mm程
度であり、体壁留置部7の外径は3〜20mm程度、好
ましくは5〜15mm程度である。ルーメン15の内径
は留置カテーテル2Aの外径によって決定され、留置カ
テーテル外径の30〜100%程度、好ましくは50〜
100%程度である。
【0023】カテーテル保持管3Aのルーメン部15内
面は、留置カテーテル2A外面と密着し、かつ留置カテ
ーテル2Aは、ヒトが応力を加えることにより移動を可
能とするように設定されている。例えば、留置カテーテ
ル2Aを弾性材料により作製し、留置カテーテル2Aを
伸張し細長くすることによって、ルーメン部15内を容
易に移動させることができる。この時ルーメン部15の
内径は予め留置カテーテル2Aの外径と同じかあるいは
大きく設定されているため、カテーテル復元後はルーメ
ン部15と留置カテーテル2Aの外面との接触により固
定される。このような構成とすることにより、留置カテ
ーテル2Aを体外側からろう孔へ挿入あるいはろう孔か
ら抜去することができるのである。
【0024】留置カテーテル2Aには、腹壁や胃壁等の
体腔内面と接触し、留置カテーテル2Aを固定可能な内
側固定部材12を有している。この内側固定部材12の
構造は特に制限はなくコイル巻状、ドーム状、バルーン
状等を挙げることができるが、コイル巻状あるいはドー
ム状が好適である。
【0025】図1(1)の内側固定部材12はコイル状
部材であり、可撓性を有する弾性材料よりなり、コイル
状部材12の両端部12a、12bで留置カテーテル2
Aと接合している。コイル状部材12の内部にはルーメ
ン21を有し、ルーメン21の近位端はルーメン5の遠
位端と連続している。コイル状部材12の遠位端は留置
カテーテル2Aの遠位部と接合している。コイル状部材
12のルーメン21の遠位端は閉鎖している。コイル状
部材12のルーメン21は留置カテーテル2Aの内部に
開口していてもよいが、留置カテーテル2A内部では閉
鎖していなければならない。
【0026】留置カテーテル2Aをカテーテル保持管3
Aへ、挿入及び回収する場合は、まず、ルーメン5より
コイル状部材12のルーメン21内にスタイレット等を
通してコイル状部材12および留置カテーテル2Aを伸
張させる(図1(2))。次に、伸張した留置カテーテ
ル2Aを、カテーテル保持管3Aのルーメン部15を通
過さる。最後に、スタイレットを抜き、コイル状部材1
2および留置カテーテル2Aを復元させることにより体
腔内壁に固定させる。
【0027】本発明の留置カテーテルの内側固定部材を
変形する方法は、上記の方法に限定されるものではな
く、変形することによりろう孔あるいはカテーテル保持
管のルーメン部を通過させ、体腔内面に係止できる方法
であれば、直接輸液用のルーメンを用いて留置カテーテ
ルを伸張させる等の他の方法を用いることができる。
【0028】コイル状部材等の内側固定部材12は、体
腔内に留置されるためX線造影性が付与されていること
が好ましい。コイル状部材にX線造影性を付与させる方
法としては、形成材料中にX線不透過物質、例えばバリ
ウム、ビスマス、タングステン合金、金、プラチナ、プ
ラチナ−イリジウム合金、銀あるいはこれらの化合物の
微粉末を含有させる方法が挙げられる。
【0029】ルーメン4の近位端は開口しており、遠位
端には注入した液体や体腔内容物が逆流しないための逆
流防止弁13を設けることが好ましい。
【0030】本発明の留置カテーテルには、輸液注入の
ためのルーメンが、少なくとも一つ形成されている必要
がある。
【0031】また、留置カテーテル2Aには、留置カテ
ーテル2Aのろう孔あるいはカテーテル保持管3Aのル
ーメン15への挿入を容易にするためのスタイレット挿
入用のルーメン5を設けてもよい。
【0032】留置カテーテル2Aの全長は、20〜15
0mm程度、好ましくは40〜120mm程度であり、
外径は3〜15mm程度、好ましくは5〜12mm程度
であり、ルーメン4は、1〜10mm程度、好ましくは
2〜7mm程度であり、ルーメン5は0.2〜5mm程
度、好ましくは0.5〜3mmである。内側固定部材1
2であるコイル状部材の外径は1〜15mm、好ましく
は3〜10mmであり、内径は0.2〜5mm、好まし
くは0.5〜3mmである。コイル状部材12の巻き外
径は10〜50mm、好ましくは10〜30mmであ
る。コイル状部材12は、留置カテーテル2Aの体腔内
に留置される部分の適宜の位置で留置カテーテル2Aの
ルーメン5の遠位部とコイル状部材12内部のルーメン
21の少なくとも近位端が連通して固定されていればよ
い。
【0033】カテーテル保持管3Aにはフランジ部6を
有する。フランジ部6は、体壁外表面に沿って伸展し、
カテーテル保持管3Aがろう孔内へ過度に侵入すること
を防止する。フランジ部6はルーメン15を中心として
全方向へ伸展した形状でもよいが。体壁外表面を過度に
覆ってしまうと皮膚呼吸、皮膚の新陳代謝産物の除去等
を阻害し、フランジ部直下の皮膚組織に悪影響を及ぼす
可能性があるので、必要最小限の伸展が望ましい。さら
には、十字状、翼状等の一部の方向のみに伸展した形状
が好ましい。
【0034】カテーテル保持管3Aは、留置カテーテル
2Aを用いて輸液を行っている等の使用時以外は輸液用
のルーメン4を封止するための栓部材11を備えること
が好ましい。栓部材11は、フランジ部6を延長させた
部分に設けてもよく、またフランジ部6とは独立して設
けてもよい。また、他のルーメンの栓部材を設けてもよ
い。図1ではフランジ部6の延長としてフランジ部6か
ら栓部材11までの栓支持部9、および栓部材11から
栓支持部材9の延長方向へ伸張し、栓部材11の脱着を
容易にするプルチップ10を有する。
【0035】また、カテーテル保持管3Aは、周囲皮膚
組織への縫合固定を容易にするための縫合孔を有するこ
とが好ましい。該縫合孔は、フランジ部6および/また
は体壁留置部7等に設けることができる。
【0036】留置カテーテル2A及びカテーテル保持管
3Aは、可撓性を有する弾性材料で形成されていること
が好ましく、例えば、シリコーンエラストマー、ポリウ
レタン、ポリアミドエラストマー、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体エラストマー、フッ素系エラストマー、軟質
化ビニル樹脂、ラテックスゴム等により形成されてい
る。留置カテーテル2A及びカテーテル保持管3Aの作
製方法には、特に制限はないが、射出成形機による成形
が望ましい。
【0037】本発明のろう孔カテーテルセット1Aを予
め形成されたろう孔へ装着、使用する方法を以下に説明
する。
【0038】まず、予めカテーテル保持管3Aの体壁留
置部7の遠位端側よりルーメン部15へ留置カテーテル
2Aの近位端を挿入し。適当な位置でカテーテル保持管
3Aと留置カテーテル2Aを組み合わせる。
【0039】次に留置カテーテル2Aのルーメン5およ
びコイル状部材12のルーメン21内にスタイレット等
を通してコイル状部材12および留置カテーテル2Aを
伸張する。コイル状部材12および留置カテーテル2A
を伸張させたまま、留置カテーテル2Aを、ろう孔へ挿
入する。
【0040】さらに、留置カテーテル2Aを伸張させた
まま、コイル状部材12が体腔内壁に設置される位置に
留置カテーテル2Aをルーメン部15内を移動させ、ス
タイレットを抜く。スタイレットを抜き、コイル状部材
12および留置カテーテル2Aを復元させることにより
コイル状部材12は留置カテーテル2Aを抜去使用とす
る力に対抗し、カテーテル保持管3Aのルーメン部15
と留置カテーテル2Aの外面との間に発生する摩擦力に
より、留置カテーテル2Aをろう孔へ固定させる。必要
により、カテーテル保持管3Aに設けられた縫合孔に縫
合糸を挿入し周辺組織と縫合固定する。
【0041】次に、留置カテーテル2Aの体外延出部の
不必要な部分を切断し、栓部材11によりルーメン4を
封止する。体外に不要な延出部がないため、使用者の異
物感を減少させることができる。留置カテーテル2Aの
留置時の体外延出部の長さは10mm以内、好ましくは
5mm以内、より好ましくは1〜5mmが好ましい。こ
の範囲の上限以上では使用者の異物感が強い。1mm以
上であれば、カテーテルを引き抜く場合に容易となる。
【0042】輸液を行う場合は、栓部材11をとり、輸
液チューブをルーメン4へ接続して行う。
【0043】上記留置方法において、まず、カテーテル
保持管3Aの体壁留置部7を体壁外側よりろう孔へ挿入
し、カテーテル保持管3に設けられた縫合孔に縫合糸を
挿入し周辺組織と縫合固定したのち、ルーメン5を経由
してルーメン21へスタイレットを挿入し、内側固定部
材12および留置カテーテル2を伸張させた状態で、留
置カテーテル2Aをルーメン部15に挿入してもよい。
【0044】以上図1のろう孔カテーテル1Aについ
て、留置カテーテル2A、カテーテル保持管3Aを用い
て説明したが、他の実施例に適用できることは言うまで
もない。
【0045】図2に、もう一つの実施例の側面図を示
す。ろう孔カテーテルセット1Bでは、コイル状部材2
2の先端側は、留置カテーテル2Bには接合しておら
ず、かつコイル状部材22設けられたルーメン221の
先端は閉鎖している。ルーメン221の近位端は留置カ
テーテル2Bのルーメン5の遠位端と連通している。ま
た、コイル状部材22の外表面には留置カテーテル2B
に接した補強部材31が備えられている。補強部材31
は、留置カテーテル2Bが体腔内に留置された際、体腔
内壁からコイル状部材22へ加わる力を支えるために設
けられるものであり、体腔壁への固定性の向上を図るこ
とができる。
【0046】留置カテーテル2Bをカテーテル保持管3
Bまたはろう孔へ挿入する場合には、ルーメン5へスタ
イレットを挿入し、ルーメン221の遠位端閉鎖部へ突
き当てることにより、コイル状部材22および留置カテ
ーテル2Bを伸張する。コイル状部材22および留置カ
テーテル2Bを伸張させたまま、カテーテル保持管3B
またはろう孔へ挿入し、適切な位置で、スタイレットを
引き抜く。スタイレットを引き抜くことによって、コイ
ル状部材22および留置カテーテル2Bの形状が復元
し、カテーテル保持管3Bと留置カテーテル2Bが接触
し、留置カテーテル2Bがカテーテル保持管3Bに保持
されると同時に、コイル状部材22が体腔壁内面で、ろ
う孔の内径および体壁留置部7の外径よりも大きく広が
ることによって、留置カテーテル2Bを引き抜こうとす
る力に抗することができる。さらに、コイル状部材22
には、補強部材31が備えられているので、留置カテー
テル2Bを引き抜こうとする力にさらに強く抗すること
ができる。
【0047】図3は、別の実施例の側面図を示す。ろう
孔カテーテルセット1Cでは、留置カテーテル2Cの遠
位端には、逆流防止弁13が設けられており、さらに、
内側固定部材として開口部41を有するドーム状部材4
2が設けられている。留置カテーテル2Cには、ルーメ
ンとしては、輸液用のルーメン4が設けられているのみ
である。
【0048】留置カテーテル2Cをカテーテル保持管3
Cまたはろう孔へ挿入する場合には、ルーメン4へスタ
イレットを挿入し、逆流防止弁13を押し広げ、ドーム
状部材42の先端にスタイレット先端を突き当てること
によって、ドーム状部材42および留置カテーテル2C
を伸張する。または、ドーム状部材42の開口部41か
ら、スタイレットを通し、ドーム状部材42を伸張し、
細径化してろう孔へ挿入してもよい。ドーム状部材42
および留置カテーテル2Cを伸張させたまま、カテーテ
ル保持管3Cまたはろう孔へ挿入し、適切な位置で、ス
タイレットを引き抜く。スタイレットを引き抜くことに
よって、ドーム状部材42および留置カテーテル2Cの
形状が復元し、カテーテル保持管3Cと留置カテーテル
2Cが接触し、留置カテーテル2Cがカテーテル保持管
3Cに保持されると同時に、ドーム状部材42が体腔壁
内面で、ろう孔の内径および体壁留置部7の外径よりも
大きく広がることによって、留置カテーテル2Cを引き
抜こうとする力に抗することができる。
【0049】ドーム状部材42の外径は10から50m
m、好ましくは10から30mmである。ドーム状部材
42の高さは5から50mm、好ましくは10から30
mmである。
【0050】図4は、図1の実施例の体壁留置部の体壁
側面である外面に組織形成部8を設けたものである。
(1D)本発明のろう孔カテーテルセットを挿入するろ
う孔の体壁断面には、表皮組織が欠損しているので、細
菌、異物等の侵入による感染、炎症が発生しやすい環境
である。組織形成部8は、組織侵入性を有する材料で構
成し、ろう孔の体壁面とカテーテル保持管3Dの体壁留
置部7との密着性が向上し、細菌、異物等の侵入による
感染や炎症の発生の危険性を少なくすることができる。
【0051】組織形成部8は、コラーゲン多孔質体、ポ
リエステル繊維とコラーゲンの複合体、ポリ−β−ヒド
ロキシアルカン酸の繊維材料、ハイドロキシアパタイト
等のリン酸カルシウム系の焼結多孔体、あるいはポリエ
ステル、ウレタン、ポリエチレン、シリコン樹脂、ポリ
−β−ヒドロキシアルキル酸等の繊維材料からなる不織
布、編み物、織物および多孔体等の処理基材にコラーゲ
ン、ポリ−β−ヒドロキシアルキル酸、ハイドロキシア
パタイト等のリン酸カルシウム系材料等を付着させたも
の等の細胞侵入性材料を用いることができる。
【0052】中でもコラーゲンを主材料とすることが好
ましい。コラーゲンを主材料とするものとしては、コラ
ーゲン自体でもよいが、より好ましくは線維化コラーゲ
ンあるいは変性コラーゲンを主材料とするものがよく、
さらにアテロコラーゲンを再線維化した線維化コラーゲ
ンあるいは熱変性コラーゲンを主材料とする多孔質体が
より好適である。これによりカテーテル保持管周囲の皮
化組織内に真皮様組織が形成され、カテーテル保持管と
生体組織が密着する。
【0053】線維化コラーゲンと変性コラーゲンを主材
料とする多孔質体を生成する方法としては、例えば、テ
ロペプチドを除去されたアテロコラーゲン溶液をリン酸
緩衝液のような平衡塩溶液と混合して、37℃において
4時間インキュベートすることにより、コラーゲンを線
維化する。一方、コラーゲン溶液を加熱することにより
熱変性させ、変性処理する。尚、コラーゲンの熱変性
は、37℃前後を境として起こるので、40〜100℃
の範囲で変性させるが、好ましくは60〜80℃で変性
させる。好適な加熱変性処理は60℃で30分間であ
る。このようにして得られた線維化されたコラーゲン溶
液と変性コラーゲン溶液を混合して、管状容器内で凍結
乾燥した後、熱脱水架橋を行うことにより、コラーゲン
多孔質体が得られる。尚、線維化コラーゲンと熱変性コ
ラーゲンは、30分間〜12時間、好ましくは1〜6時
間熱脱水することにより架橋されるが、好適な熱脱水架
橋は110℃で2時間である。このようにして作製した
管状のコラーゲン多孔質体をカテーテル保持管の体壁留
置部へ被せることにより組織形成部を設けることができ
る。
【0054】また、上記の線維化されたコラーゲン溶液
および/または変性コラーゲン溶液を混合して、管状容
器内で凍結乾燥する際、上記処理基材と複合して組織形
成部を作製することができるさらに上記の線維化された
コラーゲン溶液および/または変性コラーゲン溶液を混
合して、容器内で凍結乾燥する際、カテーテル保持管を
容器に入れカテーテル保持管の体壁留置部と容器の間に
コラーゲン溶液を注入して行うことにより、また、上記
の処理基材と組み合わせた後、コラーゲン溶液を注入し
て行うことにより、さらにまた、上記の処理基材を予め
カテーテル保持管の体壁留置部に接着や融着等により接
合させた後、コラーゲン溶液を注入して行うことによ
り、組織形成部を設けることができる。
【0055】
【実施例1】以上述べてきた図1に示す本発明の一実施
例について、形状を表す数値を以下に記載する。
【0056】 留置カテーテル 材質:シリコーンエラストマー 外径:10mm 初期長さ:100m m ルーメン4の内径:4mm ルーメン5の内径:2mm 逆流防止弁材質:シリコーンエラストマー コイル状部材 外径:4mm ルーメン21内径:2mm 巻き外径:20mm X線不透過部材材質:硫酸バリウム カテーテル保持管 材質:4mm 体壁留置部長さ:10mm 体壁留置部外径:11mm ルーメン部15内径:9mm フランジ部形状:翼状(巾12mm 長さ32mm 厚さ3mm ) 栓部材直径:4mm(ルーメン4用)、2mm(ルーメン5用) 栓支持部+プルチップ長さ:30mm
【0057】
【実施例2】図2に示す、実施例について、形状を表す
数値を以下に記載する。
【0058】 留置カテーテル 材質:シリコーンエラストマー 外径:10mm 初期長さ:100m m ルーメン4の内径:4mm ルーメン5の内径:2mm 逆流防止弁材質:シリコーンエラストマー コイル状部材 外径:4mm ルーメン21内径:2mm 巻き外径:20mm X線不透過部材材質:硫酸バリウム カテーテル保持管 材質:4mm 体壁留置部長さ:10mm 体壁留置部外径:11mm ルーメン部15内径:9mm フランジ部形状:翼状(巾12mm 長さ32mm 厚さ3mm ) 栓部材直径:4mm(ルーメン4用)、2mm(ルーメン5用) 栓支持部+プルチップ長さ:30mm
【0059】
【実施例3】図3に示す、実施例について、形状を表す
数値を以下に記載する。
【0060】 留置カテーテル 材質:シリコーンエラストマー 外径:8mm 初期長さ:100mm ルーメン4の内径:5mm 逆流防止弁材質:シリコーンエラストマー ドーム状部材 材質:シリコーンエラストマー 外径:20mm 開口部41径:6mm ドーム高さ:15mm カテーテル保持管 材質:シリコーンエラストマー 体壁留置部長さ:10mm 体壁留置部外径:9mm ルーメン部15内径:7mm フランジ部形状:翼状(巾12mm 長さ32mm 厚さ3mm ) 栓部材直径:5mm 栓支持部+プルチップ長さ:30mm
【0061】
【実施例4】図4に示す、実施例について、組織形成部
について以下に記載する。他の特性は実施例1と同様で
ある。
【0062】組織形成部材料:コラーゲン多孔質体(線
維化コラーゲン:熱変性コラーゲン=9:1) 組織形成部外径:15mm
【0063】
【発明の効果】本発明のろう孔カテーテルセットは、体
壁部に留置される体壁留置部、体壁外表面に沿って伸展
するフランジ部および該体壁留置部と該フランジ部とを
貫通するルーメン部とを有するカテーテル保持管と、変
形することにより該ルーメン部を通過し体腔内面に係止
する可撓性の内側固定部材を有する留置カテーテルとを
有し、該ルーメン部内面は、該留置カテーテル外面と密
着し、かつ該留置カテーテルの移動が可能であるので、
体外側からろう孔へ挿入あるいはろう孔から抜去するこ
とができ、かつ、該留置カテーテルの位置を体壁の体外
側と体腔内側の双方から固定でき、さらにろう孔部の体
壁の厚さに応じた調節ができる。
【0064】また、本発明のろう孔カテーテルセット
は、前記内部固定部材が可撓性を有するコイル状部材で
あり、該コイル状部材の少なくとも一部が前記留置カテ
ーテルに接合しているので、留置カテーテルの挿入や抜
去が容易である。
【0065】前記留置カテーテルが少なくとも2つのル
ーメンを有し、少なくとも1つのルーメンが該留置カテ
ーテルの近位端から遠位端まで貫通し、前記コイル状部
材にコイル内ルーメンを有し、該留置カテーテルの1つ
のルーメンと該コイル内ルーメンが連通しているので、
上記の効果を有効に得ることができる。
【0066】前記コイル状部材の外表面に少なくとも一
部に一端が前記留置カテーテルと接する補強部材を有す
るので、上記の効果を有効に得ることができる。
【0067】前記内部固定部材が可撓性を有するドーム
状部材であり、該ドーム状部材の基端部が前記留置カテ
ーテルの遠位端部に接合しているの上記の効果を有効に
得ることができる。
【0068】前記留置カテーテルの留置時の体外延出部
の長さが10mm以内であるので、体外に不要なカテー
テルが延出しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(1)は、本発明のろう孔カテーテルセッ
トの一実施例の側面図である。図1(2)は、本発明の
ろう孔カテーテルセットの一実施例の伸張時の側面図で
ある。
【図2】図2は、本発明のろう孔カテーテルセットの一
実施例の側面図である。
【図3】図3は、本発明のろう孔カテーテルセットの一
実施例の側面図である。
【図4】図4は、本発明のろう孔カテーテルセットの一
実施例の側面図である。
【符号の説明】
1A,1B,1C,1D ろう孔カテーテルセット 2A,2B,2C 留置カテーテル 3A,3B,3C,3D カテーテル保持管 4、5 ルーメン 6 フランジ部 7 体壁留置部 8 組織形成部 9 栓支持部 10 プルチップ 11 栓部材 12,22,42 内側固定部材 12a,22a 内側固定部材近位端 12b,22b 内側固定部材遠位端 13 逆流防止弁 14 X線造影ライン 15 ルーメン部 21,221 ルーメン 31 補強材 41 開口部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体壁部に留置される体壁留置部、該体壁
    留置部の近位端より体壁外表面に沿って伸展するフラン
    ジ部および該体壁留置部と該フランジ部とを貫通するル
    ーメン部とを有するカテーテル保持管と、変形すること
    によりろう孔を通過し体腔内面に係止する可撓性の内側
    固定部材を有する留置カテーテルとを有し、該ルーメン
    部内面は、該留置カテーテル外面と密着し、かつ該留置
    カテーテルの移動が可能であることを特徴とするろう孔
    カテーテルセット。
  2. 【請求項2】 前記内部固定部材が可撓性を有するコイ
    ル状部材であり、該コイル状部材の少なくとも一部が前
    記留置カテーテルに接合していることを特徴とする請求
    項1に記載のろう孔カテーテルセット。
  3. 【請求項3】 前記留置カテーテルが少なくとも2つの
    ルーメンを有し、少なくとも1つのルーメンが該留置カ
    テーテルの近位端から遠位端まで貫通し、前記コイル状
    部材にコイル内ルーメンを有し、該留置カテーテルの1
    つのルーメンと該コイル内ルーメンが連通していること
    を特徴とする請求項1ないし2に記載のろう孔カテーテ
    ルセット。
  4. 【請求項4】 前記コイル状部材の外表面に少なくとも
    一部に一端が前記留置カテーテルと接する補強部材を有
    することを特徴とする請求項1ないし3に記載のろう孔
    カテーテルセット。
  5. 【請求項5】 前記内部固定部材が可撓性を有するドー
    ム状部材であり、該ドーム状部材の基端部が前記留置カ
    テーテルの遠位端部に接合していることを特徴とする請
    求項1に記載のろう孔カテーテルセット。
  6. 【請求項6】 前記留置カテーテルの留置時の体外延出
    部の長さが10mm以内であることを特徴とする請求項
    1ないし5記載のろう孔カテーテルセット。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002177386A (ja) * 2000-09-30 2002-06-25 B Braun Melsungen Ag 回収スパイク
JP2005168980A (ja) * 2003-12-15 2005-06-30 Olympus Corp 瘻孔カテーテルの抜去補助具及び瘻孔カテーテルセット
US20170348803A1 (en) * 2016-06-02 2017-12-07 Priefert Mfg. Co, Inc. Apparatus, systems and methods for a brazed joint

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