JPH1015061A - 腹腔内留置カテーテル - Google Patents

腹腔内留置カテーテル

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JPH1015061A
JPH1015061A JP8175095A JP17509596A JPH1015061A JP H1015061 A JPH1015061 A JP H1015061A JP 8175095 A JP8175095 A JP 8175095A JP 17509596 A JP17509596 A JP 17509596A JP H1015061 A JPH1015061 A JP H1015061A
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JP
Japan
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catheter
indwelling
fixing
porous particles
intraperitoneal
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JP8175095A
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Inventor
Hideki Tsukamoto
秀樹 塚本
Masatomi Sasaki
正富 佐々木
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 経皮部のカテーテルの動きに追従し、かつ生
体組織と接合しうるカテーテルを皮下に固定することに
より、カテーテルの経皮部から細菌が体内に侵入するこ
とを防ぎ腹膜炎発生頻度を低減させる腹腔内留置カテー
テルを提供する。 【構成】 腹腔内に留置される留置部と、腹壁外に延出
される延出部と、該留置部と該延出部の間の中間部とか
らなるカテーテル本体と、該カテーテル本体に設けられ
た通路を有する腹腔内留置カテーテルの中間部外表面に
設置されるセラミック多孔質粒子を有する固定部を備え
てなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として腹膜透析療法
において、腹腔内に留置して透析液を注排出するために
用いる腹腔内留置カテーテルに関する。
【0002】
【従来の技術】腹膜透析療法は、血液透析療法が通院と
長時間の拘束を必要とし、患者の社会復帰の妨げになっ
ているのに比べ、患者に対する時間的拘束を軽減させ、
社会復帰を可能とした療法であるため、患者数が増加し
ている。
【0003】この腹膜透析療法においては、透析液(透
析灌流液)を腹腔内に注入し、一定時間経過後に透析液
の排液を腹腔外に排出するといった手技がなされる。そ
してこのような透析液の注入と排液の排出は、腹腔内に
留置されている腹腔内留置カテーテルと、このカテーテ
ルに接続される透析液交換システムとにより行われる。
【0004】従来、腹腔内留置カテーテルは、腹腔内に
留置される留置部と、腹壁外に延出される延出部と、留
置部と延出部の間の中間部とからなるカテーテル本体
と、カテーテル本体の通路とからなり、中間部の留置部
側と延出部側の2ヶ所にポリエステル製不織布が設けら
れている。そして、中間部の留置部側に設けられたカフ
(以下、「internalカフ」ともいう。)を腹膜に縫合固定
し、延出部側に設けられたカフ(以下、「externalカフ」
ともいう。)を皮下組織に位置させて、患者にカテーテ
ルを留置している。
【0005】また、カテーテルの中間部(皮下トンネル
部)を予め逆U字状に屈曲形成したスワンネック型カテ
ーテル(「Swan Neck」は、ACCURATE SURGICAL INSTRUM
ENT社製の登録商標)が開発され、汎用されている。こ
の腹腔内留置カテーテルは、逆U字状をしているため、
カテーテルチューブを歪めることなく、留置部先端を腹
腔内下方に配置し、延出部の透析液注入・排出口を下向
きにして患者に移植することを可能とした。
【0006】このように患者にカテーテルを移植した際
に、生体組織がカテーテルを異物認識し、生体組織がカ
テーテルと密着しないため、表皮がカテーテルに沿って
内側に入り込む、いわゆるダウングロース(Down Growt
h)が生じるという問題があった。ダウングロースが深
くなると、消毒が行き届かず、細菌の感染経路を形成す
ることとなり、皮膚の炎症やひいては腹膜炎まで引き起
こす可能性があり問題となっている。
【0007】ここで、従来の腹膜留置カテーテルにおい
て、セラミックからなる経皮素子を設け生体組織とカテ
ーテルを接合させたものが提案されている(特開昭62
−11459号、特開昭63−46171号、特開平1
−291859号、特開平1−291870号、特開平
3−82474号、特表平4−502722号)。しか
しながら、セラミックからなる経皮素子を設けたもの
は、経皮素子が硬質で柔軟性がなく耐衝撃性が低いので
破損しやすい。更に経皮的に設けられていることによ
り、透析液の注入・排液の排出の際など 腹部の動きに
伴って、カテーテルの経皮部付近の組織が追従すること
は困難であるため、生体組織から経皮素子が脱落する可
能性があった。また、カテーテル中にセラミック粉末が
含有されたものはカテーテルのもつの弾力性、柔軟性が
ほとんど減少しないもののセラミック粉末が樹脂あるい
は接着剤に被覆され、セラミック粉末と生体組織との接
触面積が小さく組織との密着性は多少得られるが十分な
接合強度が得られなかった。このため、上述のカテーテ
ルは、いずれもカテーテルの経皮部から細菌が体内に侵
入する恐れを有していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、カテ
ーテル材料の柔軟性を損なわず、かつ、セラミックと生
体組織との接触面積を確保することにより、カテーテル
と生体組織を接合させ、カテーテルが経皮部付近の生体
組織の動きに追従することを可能とし、結果としてカテ
ーテルの経皮部から細菌が体内に侵入することを防止す
ることのできる腹腔内留置カテーテルを提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的は、本発
明の腹腔内留置カテーテルにより達成される。
【0010】すなわち、本発明の腹腔内留置カテーテル
は、腹腔内に留置される留置部と、腹壁外に延出される
延出部と、該留置部と該延出部の間の中間部とからなる
カテーテル本体と、該カテーテル本体に設けられた通路
とを有する腹腔内留置カテーテルであって、前記中間部
の外表面にセラミック多孔質粒子を有する固定部を備え
ていることを特徴とする。
【0011】また、本発明は、前記セラミック多孔質粒
子を有する固定部が保護部材により覆われていることを
特徴とする。
【0012】また、本発明は、前記セラミック多孔質粒
子を有する固定部が前記中間部の延出部側に設けられて
いることを特徴とする。
【0013】さらに、本発明は、前記セラミック多孔質
粒子を有する固定部が、粒径0.1〜1.5mmのハイ
ドロキシアパタイト多孔質顆粒が散在し、固定されてい
ることを特徴とする。
【0014】さらに、本発明は、前記固定部が、チュー
ブ状材料からなり、該チューブ状材料は、前記カテーテ
ルに装着することができ、該固定部がカテーテル本体の
外周に沿って移動可能に設けられていることを特徴とす
る。
【0015】
【発明の実施の形態】
【0016】
【構成】以下、添付図を参照して、本発明の好適実施例
に係る腹腔内留置カテーテルを具体的に説明する。な
お、図1は、本発明の実施例に係る腹腔内留置カテーテ
ルの全体側面図であり、図2は、図1におけるA−A線
断面図である。
【0017】本発明の腹腔内留置カテーテル1は、腹膜
透析療法において、透析液を腹腔内に注入し、一定時間
経過した後に透析液の排液を腹腔外に排出するといった
手技を行う際、その透析液の交換経路として用いられて
いる。すなわち、この腹腔内留置カテーテル1の先端を
患者の腹腔内に腹壁を貫通させて挿入し、この腹腔内留
置カテーテル1の先端部を腹腔内に留置すると共に、腹
腔内留置カテーテル1の基端部を腹壁外に延出させた状
態を維持しながら患者は日常生活を営み、一定時間毎に
この腹腔内留置カテーテル1を介して透析液を交換する
ものである。
【0018】この腹腔内留置カテーテル1は、腹腔内に
留置される留置部2と、腹壁外に延出される延出部4
と、留置部2と延出部4の間の中間部3とからなるカテ
ーテル本体8と、カテーテル本体8に設けられた通路9
とを有し、中間部3の外表面に設置されるセラミック多
孔質粒子を有する固定部5より構成されている。そし
て、セラミック多孔質粒子を有する固定部5は、中間部
3の延出部4側に設けられている。
【0019】カテーテル本体8は管状体であって、腹腔
内に挿入される先端側は留置部2となっており、腹壁外
に延出される基端側は延出部4となっている。また、留
置部2と延出部4の間には、セラミック多孔質粒子を有
する固定部5を備えた中間部3となっている。そして、
中間部3は、腹部筋組織と皮膚との間に形成される皮下
トンネルに位置する。
【0020】そして、留置部2の先端には、カテーテル
本体10の軸方向に向けて通路9の開口10が形成され
ており、また、留置部2の外表面に軸方向に沿って穿設
された側孔11を有している。この側孔11は図2に示
すように、横断面図において、周方向に等間隔で4つ設
けられており、カテーテル本体8の軸に平行な直線上に
等間隔で配設されている。透析液は、開口10と複数の
側孔11を介して交換される。
【0021】一方、延出部4の基端には、コネクタ(図
示せず)等が設けられており、このコネクタ等を介し
て、透析液バッグや排液バッグ等をチューブで接続して
なる腹膜透析システムなどが接続される。
【0022】中間部(以下、「皮下トンネル部」ともい
う。)3は、留置部2側に内カフ(internalカフ)6
が、また、internalカフ6より延出部4側には外カフ
(externalカフ)7がそれぞれ接着剤により固定されて
おり、更にexternalカフ7より延出部4側にはセラミッ
ク多孔質粒子を有する固定部5がカテーテル本体8の外
表面に設けられている。
【0023】そして、internalカフ6及びexternalカフ
7は、ポリエステル製不織布により管状に形成され、こ
のカフ6、7を生体組織に縫合固定することにより、生
体組織である線維芽細胞がカフ6、7内に増殖して、カ
テーテル本体10は一定の位置に留置される。
【0024】また、セラミック多孔質粒子を有する固定
部5の多孔質粒子は、粒径0.1〜1.5mmの顆粒が
好ましく、より好ましくは粒径0.2〜1.0mmであ
る。0.1mmより小さい場合は、チューブへの固定面
積が大きな割合を占めることになり、適切な効果を得る
には十分でなく、1.5mmよりも大きい場合には、全
体に嵩高くなりまた、チューブの有する柔らかさを損な
うことになる。このような粒子を分散させ固定させてい
ることにより、多孔質内および粒子間の隙間に生体組織
が入り込んで接合し、カテーテルが固定される。ここで
セラミック多孔質粒子としてはハイドロキシアパタイ
ト、動物硬組織を熱処理により有機物を分解した焼成材
料、炭酸カルシウム等の無機材料を複合配合したもの等
が挙げられ、特にハイドロキシアパタイト多孔質粒子が
好ましい。これらの材料は、線維組織を構成する線維芽
細胞の増殖に適し、特にハイドロキシアパタイトは、線
維芽細胞に好適な環境を与える。
【0025】更にセラミック多孔質粒子を有する固定部
がネット状に形成された保護部材により覆われているこ
とによりカテーテルの動きに伴うセラミック多孔質粒子
の脱落を防止する。ここでネット状に形成された保護部
材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン、およびポリエステル等の素材よりなる不織
布、織布、メッシュ、スポンジ等が挙げられ、特にメッ
シュ、不織布等が好ましい。これらの材料は、生体に為
害性がなく、また、加工も容易である。
【0026】セラミック多孔質粒子を固定する方法は、
カテーテルに硬化性の接着剤を塗布しセラミック多孔質
粒子を貼着する方法、カテーテル内腔に金属等の耐熱芯
材を挿入し、セラミック多孔質粒子を熱収縮チューブと
共にカテーテルの固定部分を覆いカテーテルの融点近傍
まで加熱することにより、セラミック多孔質粒子をカテ
ーテルに一部埋没させる方法等を使用することができ
る。
【0027】また、保護部材の開孔径よりも大きなセラ
ミック多孔質粒子を、粒子自体を固定せずに、カテーテ
ルとその周りの保護部材により形成される空間に充填
し、セラミック多孔質粒子をカテーテル近傍に実質的に
固定することもできる。
【0028】上記のように樹脂とセラミック多孔質粒子
を混合物として使用しないので、セラミック粒子の全面
が樹脂に被覆されることがないので、セラミック多孔質
粒子の特性を生かすことができる。また、セラミック多
孔質粒子を有する固定部5が表皮下に位置されるので、
ダウングロースが深くなっていくことが防止される。
【0029】カテーテル本体8の全長は、250〜60
0mm程度、好ましくは300〜550mm程度、より
好ましくは350〜500mm程度であり、このうち留
置部2は、150〜200mm程度であり、皮下トンネ
ル部3は、100〜150mm程度であり、延出部4
は、100〜150mm程度であることが好ましい。全
長が短すぎる場合、カテーテルを体外へ延出することが
できず、長すぎる場合には、体外延出部が長くなり、患
者が不快である。その他のカテーテル長についても、患
者に適合することが重要である。
【0030】更に、皮下トンネル部3に位置するセラミ
ック多孔質粒子を有する固定部5は、3〜50mm程
度、好ましくは5〜30mm程度、internal及びextern
alカフ6、7は 5.0〜15mm程度であることが望
ましい。短い場合には、カテーテルを固定する力が弱く
なり、長い場合には過剰の材料を用いることとなり、不
経済である。
【0031】そして、カテーテル本体8の内径は、1.
0〜3.5mm程度、好ましくは2.0〜3.0mm程
度であり、またカテーテル本体10の外径は4.0〜
6.0mm程度であることが好ましい。更に、留置部2
の側孔の径は0.5〜1.0mmが好ましい。カテーテ
ル本体8は、例えば、フッ素エラストマー、シリコーン
ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリ
ウレタン等が用いられ可撓性を有する材料によって構成
されていることが好ましい。特に熱可塑性フッ素エラス
トマー、シリコーンゴムを用いることが好ましい。これ
らの材料は、生体為害性が少なく、柔軟であるので物理
的刺激も少ない。
【0032】
【作用】本発明の腹腔内留置カテーテルによれば、中間
部の外表面にセラミック多孔質粒子を有する固定部を備
えているので、カテーテルが腹壁内に位置されたとき、
カテーテル経皮部の動きに追随した状態で、セラミック
多孔質粒子を有する固定部と生体組織との接合力が増
し、カテーテルが固定される。
【0033】セラミック多孔質粒子を用いた場合、該粒
子の一方の面がカテーテルとの接合に用いられ、他の面
を生体組織と接触させることができる。従来のセラミッ
ク粉末と樹脂との混合物を用いる場合には、セラミック
粉末は、全面が樹脂により被覆されてしまうので、表面
の研磨等により、樹脂の被覆を剥がさなければならなか
った。 さらに、セラミック多孔質粒子を用いるので、
セラミック成形体を用いる場合に比べ、固定部のカテー
テルの柔軟性を損なうことがない。また、溶射法による
コーティングに比べ、セラミックの組成や、構造を損な
うことがない。また、スパッタリング法、イオンプレー
ティング法に比べ、マクロな多孔構造を賦与することが
できるので、カテーテルの高い固定力を得ることができ
る。
【0034】また、セラミック多孔質粒子を有する固定
部が、保護部材により覆われていることにより、カテー
テルの動きに伴うセラミック多孔質粒子の脱落が防止さ
れる。
【0035】図3は、本発明の模式図である。カテーテ
ル10の表面にセラミック多孔質粒子20が接着剤層2
1を介して結合している。さらに、保護部材30がセラ
ミック多孔質粒子20覆っている。保護部材30は接合
部31によりカテーテル10に結合している。
【0036】図3aはカテーテル断面図、図3bは保護
部材31を用いない固定部を表す。図3cは、保護部材
31を用いた場合を表す。
【0037】また、セラミック多孔質粒子を有する固定
部が、粒径0.1〜1.5mmのハイドロキシアパタイ
ト顆粒が分散し、固定していることにより多孔質内およ
び粒子間の隙間に生体組織が入り込んで接合しやすくな
り、カテーテルの固定力が向上する。
【0038】図4は、腹腔内留置カテーテルを埋入した
状態の、カテーテル中間部のexternalカフ7から延出部
までを表した模式図である。カテーテル10は腹部筋組
織44と皮膚41との間の皮下組織43に位置され、体
外へ連絡している。従来のカテーテルにおいてダウング
ロースが生じた状態の模式図である図4aでは、皮膚が
カテーテル外壁に沿って内方へ入り込み、ダウングロー
ス42を形成している。
【0039】本発明のセラミック多孔質粒子を有する固
定部5を有するカテーテルを埋入した状態の模式図であ
る図4bは、固定部5が周囲の皮下組織43と結合して
いるため、皮膚の内方への入り込みが阻止されるのであ
る。
【0040】また、セラミック多孔質粒子を有する固定
部が、カテーテルに装着できるチューブ状材料であり、
カテーテル本体の外周に沿って移動可能であることによ
り、カテーテル留置手術において、皮下トンネル穿刺の
際に、セラミック多孔質粒子を有する固定部を装着し、
カテーテル中間部延出側体内の任意の位置に設置するこ
とが可能である。従って、固定部を留置する直前まで汚
染されることがなく、所定の機能を果たすための妨害因
子を少なくすることができ、患者の個体差に応じ、適切
な位置に設置することができる。
【0041】
【実施例1】セラミック多孔質粒子を主材料とする部材
5の作製方法を具体的に説明する。
【0042】外径5.0mm、内径2.7mmのシリコ
ーン製カテーテルのexternalカフより5cm延出部側外
表面の幅10mmにシリコーン接着剤を塗布した。この
接着剤を塗布した部分に粒径0.3〜0.6mmのハイ
ドロキシアパタイト顆粒を分散し、更にその顆粒径の一
部を接着剤に埋没させた状態で接着剤を硬化し、固定し
た。
【0043】
【実施例2】外径5.0mm、内径2.7mmのシリコ
ーン製カテーテルのexternalカフより5cm延出部側外
表面の幅10mmにシリコーン接着剤を塗布した。この
接着剤を塗布した部分に粒径0.3〜0.6mmのハイ
ドロキシアパタイト顆粒を分散し、さらにその顆粒径の
一部を接着剤に埋没させ、接着剤を硬化し、固定した。
【0044】次に、このハイドロキシアパタイト顆粒固
定部を被覆するように繊維径20μm、厚さ300μm
のポリエステル製不織布をハイドロキシアパタイト顆粒
固定部分の両端各2mm幅に接着剤を塗布し、不織布を
カテーテルに接着した。この不織布によりカテーテルの
動きに伴うカテーテル表面からのハイドロキシアパタイ
ト顆粒の脱落が防止できた。
【0045】
【実施例3】実施例1に記載の方法により作製したカテ
ーテルを用いて動物実験を行った。
【0046】動物実験によりハイドロキシアパタイト顆
粒をカテーテル外表面に固定したカテーテルの組織接合
性を調べた。ラット背部皮下に体内外を貫通する状態で
長さ5cmのカテーテル片を埋入し、ハイドロキシアパ
タイト顆粒固定部が経皮部より5mm体内側に設置され
るようにした。埋入4週後のカテーテル引き抜き強度を
測定したところカテーテルのみのものについては経皮部
の固定強度はほぼ0kgfで組織との接着は認められな
かった。これに対し、ハイドロキシアパタイト顆粒を固
定したカテーテルの経皮部の固定強度は5.3kgfで
あり、固定性に差が見られた。また、病理学的検索を行
ったところハイドロキシアパタイト多孔質顆粒間への組
織侵入が認められた。更に多孔質内部にコラーゲン線維
の産生が認められたが、炎症性細胞は認められなかっ
た。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の腹腔内留
置カテーテルによれば、腹腔内に留置される留置部と、
腹壁外に延出される延出部と、該留置部と該延出部の間
の中間部とからなるカテーテル本体と、該カテーテル本
体に設けられた通路を有する腹腔内留置カテーテルの外
表面に設置されるセラミック多孔質粒子を有する固定部
を備えていることにより、経皮部のカテーテルの動きに
追従しかつ生体組織と接合しカテーテルが固定できるの
で、カテーテルの経皮部から細菌が体内に侵入すること
がない。このため腹膜炎発生頻度を低減できる。
【0048】また、セラミック多孔質粒子を有する固定
部が、保護部材により覆われていることにより、カテー
テルの動きに伴うセラミック多孔質粒子の脱落が防止さ
れる。
【0049】また、セラミック多孔質粒子を有する固定
部が、粒径0.1〜1.5mmのハイドロキシアパタイ
ト顆粒が分散し、固定していることにより多孔質内およ
び粒子間の隙間に生体組織が入り込んで接合しやすくな
り、カテーテルの固定力が向上する。
【0050】また、セラミック多孔質粒子を有する固定
部が、カテーテルに装着できるチューブ状材料であり、
カテーテル本体の外周に沿って移動可能であることによ
り、カテーテル留置手術において、皮下トンネル穿刺の
際に、セラミック多孔質粒子を有する固定部を装着し、
カテーテル中間部延出側体内の任意の位置に設置するこ
とが可能である。従って、固定部を留置する直前まで汚
染されることがなく、所定の機能を果たすための妨害因
子を少なくすることができ、患者の個体差に応じ、適切
な位置に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の腹腔内留置カテーテルの1実施例の
全体側面図である。
【図2】 本発明の腹腔内留置カテーテルの1実施例の
図1におけるA−A線断面図である。
【図3】 本発明の腹腔内留置カテーテルの固定部の模
式図であり、図3aは断面図、図3bは外観図、図3c
は別の実施例の外観図である。
【図4】 図4aは、従来技術の腹腔内留置カテーテル
の埋入状態の模式図であり、図4bは、本発明の腹腔内
留置カテーテルの埋入状態の模式図である。
【符号の説明】
1 腹腔内留置カテーテル 2 留置部 3 中間部 4 延出部 5 固定部 6 内カフ 7 外カフ 9 通路 10 カテーテル本体 11 側孔 12 固定部 20 セラミック多孔体粒子 21 接着剤層 30 保護部材 31 保護部材接合部 41 腹壁(皮膚) 42 ダウングロース 43 皮下組織 44 腹部筋組織

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】腹腔内に留置される留置部と、腹壁外に延
    出される延出部と、該留置部と該延出部の間の中間部と
    からなるカテーテル本体と、該カテーテル本体に設けら
    れた通路とを有する腹腔内留置カテーテルであって、 前記中間部の外表面にセラミック多孔質粒子を有する固
    定部を備えていることを特徴とする腹腔内留置カテーテ
    ル。
  2. 【請求項2】前記セラミック多孔質粒子を有する固定部
    が保護部材により覆われていることを特徴とする請求項
    1に記載の腹腔内留置カテーテル。
  3. 【請求項3】前記セラミック多孔質粒子を有する固定部
    が前記中間部の延出部側に設けられていることを特徴と
    する請求項1または2に記載の腹腔内留置カテーテル。
  4. 【請求項4】前記セラミック多孔質粒子を有する固定部
    が、粒径0.1〜1.5mmのハイドロキシアパタイト
    多孔質顆粒が散在し、固定されていることを特徴とする
    請求項1ないし3記載の腹腔内留置カテーテル。
  5. 【請求項5】前記固定部が、チューブ状材料からなり、
    該チューブ状材料は、前記カテーテルに装着することが
    でき、該固定部がカテーテル本体の外周に沿って移動可
    能に設けられていることを特徴とする請求項1ないし4
    に記載の腹腔内留置カテーテル。
JP8175095A 1996-07-04 1996-07-04 腹腔内留置カテーテル Pending JPH1015061A (ja)

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JP8175095A JPH1015061A (ja) 1996-07-04 1996-07-04 腹腔内留置カテーテル

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