JPH1128366A - 触媒体の製造方法および製造装置 - Google Patents

触媒体の製造方法および製造装置

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JPH1128366A
JPH1128366A JP9182610A JP18261097A JPH1128366A JP H1128366 A JPH1128366 A JP H1128366A JP 9182610 A JP9182610 A JP 9182610A JP 18261097 A JP18261097 A JP 18261097A JP H1128366 A JPH1128366 A JP H1128366A
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catalyst
slurry
catalyst structure
gas flow
flow path
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JP9182610A
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Inventor
Naomi Yoshida
直美 吉田
Yasuyoshi Kato
泰良 加藤
Koichi Yokoyama
公一 横山
Naomi Imada
尚美 今田
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒構造体の表面に連続的かつ均一に新たな
触媒被覆層を形成する、触媒体製造方法を提供する。 【解決手段】 内部にガス流路7aを有する触媒構造体
7の表面に、この触媒構造体における触媒成分と同じか
または異なる組成の触媒成分からなる被覆層を形成す
る、触媒体の製造方法であって、触媒構造体7のガス流
路7aの一方端から被覆用スラリを供給してガス流路7
aの壁面に付着させ、余剰のスラリをガス流路7aの他
方端から流出させることにより、触媒構造体表面に触媒
被覆層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒体の製造方法
および製造装置に係り、特に、排ガス中の有害ガスを処
理する触媒や吸着剤等のうち、内部に、例えばガス流れ
と平行なガス流路を有する板状またはハニカム形状の触
媒構造体の表面に、同種または異種の触媒または吸着剤
被覆層を形成する、触媒体の製造方法および製造装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】火力発電所等の固定燃焼装置から排出さ
れる排ガス中の窒素酸化物(NOx)の処理には、一般
に、アンモニアを還元剤として用いる脱硝触媒による接
触還元分解法が広く適用されている。脱硝触媒として
は、例えば、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、
タングステン(W)を活性成分とするTiO2 系触媒を
板状またはハニカム状に成形した触媒が用いられてい
る。
【0003】ところで、近年環境保全に対する社会的関
心の高まりに伴い、上記NOxの除去のみならず、他の
排ガス成分の除去をも目的とした総合的な排ガス浄化対
策が必要となり、以下の問題が指摘されている。すなわ
ち、排ガス中の硫黄酸化物(SOx)は、一般に脱硝
装置の後流に設けられる脱硫装置によって処理される
が、排ガス中のSO2 はTiO2 系の脱硝触媒上で酸化
されてSO3 となり易いこと、およびSO3 はSO2
比べると脱硫されにくいうえ、酸性硫安を生成し易く、
この酸性硫安は後流側の装置の運転に支障をきたす虞が
あることから、脱硝触媒によるSO2 のSO3 への酸化
を防止する必要がある。また、排ガス中の一酸化炭素
(CO)や脱硝装置において還元剤として用いられるN
3 が未反応のまま大気に排出されるのを抑制する必要
もある。
【0004】このうちについては、SO2 のSO3
の酸化反応がNOxの還元反応に比べて遅いことから、
両反応に最も寄与する触媒成分であるバナジウム(V)
の濃度を触媒表面部で高め、全体としては低減させるこ
とにより、高いNOx除去率を維持しながらSO2 のS
3 への酸化を抑制できる脱硝触媒が得られること、お
よびについては、白金(Pt)、イリジウム(Ir)
などの金属を多孔体に担持したものと、上記のTiO2
系触媒とを混合することにより、NOx除去−CO酸
化、NOx除去−NH3 分解、およびNOx除去−CO
酸化−NH3 分解が可能であることから、上記混合触媒
を成形し、その表面に高い濃度の(V)含有TiO2
触媒を担持させることにより、表面部でNOx除去を効
率よく行ないながら、内部でNH3 の分解、COの酸化
を促進できることがそれぞれ未公知ではあるが、本発明
者によって提案されている。
【0005】いずれにしても、窒素酸化物の高効率除去
を達成しつつ、それぞれの目的反応を促進させたり、抑
制したりするためには、板状またはハニカム構造体の脱
硝触媒表面にバナジウム濃度の高いTiO2 系触媒を担
持する必要があり、いかにして母地となる触媒構造体
(以下、母地触媒構造体ともいう)表面にV濃度の高い
TiO2 系触媒を担持して触媒被覆層を形成するかが重
要な問題となる。
【0006】このような触被覆層の形成方法として、例
えば一対の回転ローラに触媒スラリをしみ込ませて、そ
の間に母地触媒構造体を通過させるコーティング法、触
媒スラリを満たした含浸槽に母地触媒構造体を浸漬させ
る含浸法等があげられ、含浸法は触媒の形状にかかわら
ず対応できるという利点がある。また、含浸法は、例え
ば板状触媒における金属枠のユニットを壊すことなくそ
の表面に新たな触媒層を形成することができるので、長
年使用してきた触媒の活性を回復させて再生できるとい
うメリットもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、単に母
地触媒構造体を含浸槽に浸漬する、上記含浸法には、含
浸槽内のスラリ中の触媒粒子の沈降や、母地触媒構造体
中への水分の浸透に起因して表面に粘度の高い皮膜が形
成されるという問題があり、この粘度の高い皮膜が、母
地触媒構造体の細孔構造や含浸前後のスラリの緩慢な液
流れ等に敏感に影響を与え、担持量がばらついたり、被
覆層が厚くなって剥離し易くなるという問題があった。
また、母地触媒構造体は、通常、炭素鋼等の金属製のユ
ニットに納められているために、そのまま含浸槽に浸漬
するとユニットが腐食し易くなるだけでなく、ユニット
を複数並べて実機に装填する際、ユニットの外表面に付
着したスラリに起因してユニット間に隙間が生じ、限ら
れたスペース内へ設置できなくなるという問題もある。
さらに、上記含浸法には、ユニットに付着した鉄イオン
が被覆用スラリに混入してスラリの性状を変化させると
いう問題も考えられる。
【0008】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解決し、例えば500mm角×500mm程度の大容積の触
媒構造体であっても、その表面に、連続的かつ容易に、
均一かつ密着性良好に触媒被覆層を成形することがで
き、しかも触媒構造体またはその枠体への触媒成分の付
着を効果的に回避することができる触媒体の製造方法お
よび製造装置を提案することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願で特許請求する発明は以下のとおりである。 (1)内部にガス流路を有する触媒構造体の表面に、該
触媒構造体における触媒成分と同じ組成または異なる組
成の触媒成分からなる被覆層を形成する、触媒体の製造
方法であって、前記触媒構造体のガス流路の一方端から
被覆用の触媒成分を含むスラリを供給してガス流路壁に
付着させ、余剰のスラリをガス流路の他方端から流出さ
せることにより、前記触媒構造体表面に触媒被覆層を形
成することを特徴とする触媒体の製造方法。
【0010】(2)前記ガス流路の他方端から流出した
余剰のスラリをガス流路の一方端に循環して再度使用す
ることを特徴とする上記(1)記載の触媒体の製造方
法。 (3)前記触媒構造体が、脱硝触媒構造体であり、被覆
用の触媒成分が、脱硝触媒成分であることを特徴とする
上記(1)または(2)に記載の触媒体の製造方法。 (4)前記触媒構造体が、ガス流れ方向に平行な山形ま
たは波形の突起を所定間隔で設けた板状触媒を枠体内に
組み込んだ触媒構造体であることを特徴とする上記
(1)〜(3)の何れかに記載の触媒体の製造方法。
【0011】(5)前記触媒構造体が、ハニカム触媒ま
たはハニカム触媒を複数個枠体内に組み込んだ触媒構造
体であることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか
に記載の触媒体の製造方法。 (6)前記触媒構造体が、使用済みの触媒構造体である
ことを特徴とする上記(1)〜(5)の何れかに記載の
触媒体の製造方法。
【0012】(7)内部にガス流路を有する触媒構造体
の表面に、該触媒構造体における触媒成分と同じ組成ま
たは異なる組成の触媒成分からなる被覆層を形成する触
媒体の製造装置であって、被覆用の触媒成分を含むスラ
リの貯槽と、該スラリ貯槽内のスラリを触媒構造体のガ
ス流路の一方端から供給してガス流路壁に付着させるス
ラリ供給手段と、触媒構造体の前記ガス流路の他方端か
ら流出した余剰スラリを前記スラリ貯槽に戻す手段とを
有することを特徴とする触媒体の製造装置。 (8)前記スラリ供給手段におけるスラリ供給部の面積
を、前記触媒構造体におけるスラリ供給側面積よりも小
さくしたことを特徴とする上記(7)に記載の触媒体の
製造装置。
【0013】(9)前記スラリ供給手段が、スラリ吹き
付け装置であり、該スラリ吹き付け装置におけるスラリ
吹き付け部を、前記触媒構造体の枠体内に嵌合し、前記
枠体の外周面への吹き付けスラリの付着を防止するよう
にしたことを特徴とする上記(7)または(8)に記載
の触媒体の製造装置。 (10)前記触媒構造体が、脱硝触媒構造体であり、被
覆用の触媒成分が、脱硝触媒成分であることを特徴とす
る上記(7)〜(9)のいずれかに記載の触媒体の製造
装置。
【0014】本発明においては、内部にガス流路を有す
る触媒構造体のガス流路の一方端から被覆用の触媒成分
を含むスラリ(以下、被覆用スラリという)を供給して
ガス流路壁に付着させ、余剰のスラリをガス流路の他方
端から流出させることにより、前記触媒構造体表面、す
なわちガス流路壁面に新しい触媒被覆層を形成する。母
地触媒構造体となる、内部にガス流路を有する触媒構造
体としては、例えばガス流れ方向に平行な山形、波形な
どの突起を一定間隔で設けた板状触媒を複数、金属枠に
組み込んだものか、またはハニカム触媒やハニカム触媒
を複数個、金属枠に組み込んだ脱硝触媒があげられる。
触媒構造体は、使用済みのものであってもよい。
【0015】本発明において被覆用触媒成分とは、上記
触媒構造体を構成する触媒成分と同じ組成または異なる
組成のものであり、例えば触媒構造体における脱硝活性
成分に較べてバナジウム含有率の高いTiO2 系の脱硝
触媒成分があげられる。本発明において、被覆用スラリ
は循環使用されることが好ましい。これによって被覆用
スラリの攪拌が充分に行われ、スラリ濃度が常に一定に
保たれるので、担持触媒層がより均一になる。
【0016】本発明装置において、スラリ供給手段にお
ける触媒スラリ供給部の構造は、多数の触媒スラリ流出
孔を有する、回転式のシャワー構造であることが好まし
い。これによって触媒構造体に万遍なく、スラリが供給
され、担持むらがなくなる。また、触媒スラリ供給部の
先端部の面積を触媒構造体のスラリ供給側の面積よりも
小さくすること、すなわち、触媒スラリ供給部の先端部
が前記触媒構造体の支持枠内に収まるように構成するこ
とが好ましい。これによって、噴霧または滴下された触
媒スラリが、触媒構造体の外側に漏れることがなくな
り、ユニット枠が腐食する等の問題が従来の含浸法に比
べて格段に少なくなる。また実機装填時の触媒構造体の
組み込みに支障をきたすこともない。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明である触媒体製造
装置の説明図である。この装置は、被覆用スラリの貯槽
としての含浸槽5と、該含浸槽5内のスラリを触媒構造
体(以下、触媒ユニットともいう)7のガス流路7aの
一方端から供給してガス流路壁に付着させるスラリ供給
手段としての触媒スラリ供給部8とを有し、前記含浸槽
5内の被覆用スラリを前記スラリ供給部8に循環するス
ラリ循環路9と、該スラリ循環路9に設けられた排出ポ
ンプ10と、前記含浸槽5上で触媒ユニット7を支持す
るユニット支持台6とから主として構成されている。前
記触媒スラリ供給部8は、図2に断面図として、また図
3にその一部の下方視図として示したように、触媒スラ
リ流出孔12が多数設けられた、回転式のシャワー構造
体11が組み込まれており、該触媒スラリ供給部8の先
端部は、図4に示したように、触媒ユニット7のユニッ
ト支持枠2の内側に嵌まるように構成されている。また
触媒ユニット7は、図5に示したように、板状の触媒エ
レメント13を多数積層し、枠体14に装填して一体化
したものである。
【0018】このような構成において、含浸槽5内の被
覆用スラリは、排出ポンプ10により払い出され、スラ
リ循環路9を通って触媒スラリ供給部8へ供給され、該
スラリ供給部8のシャワー構造体11から、ユニット支
持台6に載置された触媒ユニット7に向かって滴下また
は噴霧され、該触媒ユニット7のガス流路7aに流入
し、前記図5に示したように触媒ユニット7の上方から
下方に向かって流通し、ガス流路7aの壁面に付着す
る。付着後の余剰の被覆用スラリはガス流路7aの下方
端から流出し、ユニット支持台6を通過して含浸槽5に
流下し、循環使用される。このようにして触媒ユニット
7の表面、すなわちガス流路7aの壁面に新たな触媒被
覆層が形成される。
【0019】本実施例によれば、触媒ユニット7のガス
流路7a内を被覆用スラリが流動しながら付着していく
ので、スラリ濃度を選択することにより、所定厚さの、
耐剥離性に優れた触媒被覆層を容易に形成することがで
きる。また、排出ポンプ10により連続的に被覆用スラ
リをスラリ供給部8に供給できるので、大容量の触媒ユ
ニットであっても担持むらを生じることなく、連続的に
処理することができる。
【0020】本実施例によれば、触媒スラリ供給部8
に、回転式のシャワー構造体11を組み込んだことによ
り、被覆用スラリを触媒ユニット7上により均一に供給
して厚みの均一な触媒被覆層を形成することができる。
また、触媒スラリ供給部8の先端部を、触媒ユニット7
のユニット支持枠2の内側に嵌まるように構成したこと
により、被覆用スラリをガス流路7aのみに流入させる
ことができので、枠体14の外面に付着させることによ
る枠体の腐食を防止することができる。
【0021】本実施例において、ユニット支持部6に被
覆用スラリの吸引装置を取り付けてもよい。これによっ
て余剰のスラリを迅速に除去することができる。本実施
例において触媒ユニットとしては、例えば板状の脱硝触
媒を枠体内に積層した脱硝触媒ユニットがあげられ、ま
た被覆用スラリとしては、例えばバナジウム(V)濃度
を高めた、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、タ
ングステン(W)のいずれか一種以上を活性成分とする
TiO2 系触媒成分が上げられるが、特に限定されるも
のではない。
【0022】本実施例において、装置構成は、図1〜図
4に示したものに限定されるものではなく、触媒スラリ
供給部がユニット枠の内側に入り込む構造であること、
および触媒スラリは循環使用可能であることが満たされ
ていればよい。また、スラリ供給方法は滴下、噴霧、吹
き付け等のいかなる方法でもよく、触媒ユニット7は、
例えば、ハニカムのように一つのセルが他のセルと隔離
されているような構造体であってもよい。
【0023】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例を説明する。 実施例1 触媒組成としてTi/Mo=95/5(モル比)となる
ように、比表面積80g/m2のTiO2 粉末と三酸化モリ
ブンデン粉末を、これら酸化物に対して15%のカオウ
ール短繊維、三酸化モリブンデンの1.2モル倍の蓚
酸、および水とともにニーダで混練して触媒ペーストを
得た。この触媒ペーストを、TiO2 /SiO2 /PV
A(ポリビニルアルコール)=50/49/1(重量
比)の3成分で強化したEガラス製のクロスからなる基
材2枚の間に挟むようにして、一対の回転ローラに送り
圧延塗布した。得られた厚さ1.2mm〜1.3mmの塗布
体を山形の付いた加熱成型機で成形した後、76枚を積
層して図6に示すようにユニット本体1に収納し、ユニ
ット蓋3を被せて一体化し、その後、500℃で2h通
気しながら焼成し、触媒ユニットとした。
【0024】次に、触媒組成としてTi/Mo/V=8
8/5/7(モル比)となるように、比表面積300g/
m2のTiO2 粉末、三酸化モリブンデン粉末、およびメ
タバナジン酸アンモニウムを水とともにニーダで混練し
て触媒ペーストを得た。ついで、この触媒ペーストを押
し出し造粒機により3φの柱状に成形し、その後、流動
層乾燥機により乾燥した。この乾燥顆粒を空気を流しな
がら、500℃で2h焼成した後、ハンマミルを用いて
20μm以下が90%以上の粒度となるように粉砕して
触媒粒子を得た。この触媒粒子を、濃度10wt%となる
ように水とともに攪拌機を用いて混合し、被覆用スラリ
とした。
【0025】次に、この被覆用スラリを含浸槽5に貯留
した図1の触媒体製造装置を用い、ユニット支持台6上
に前記調製した触媒ユニットを設置して、触媒スラリ供
給部8より前記被覆用スラリを流量10リットル/秒で
10秒間供給した。その後、触媒ユニットをそのまま、
すなわち含浸時と同じように開口部を上下にした状態
で、約1h放置した後、続いて開口部から通気しなが
ら、50℃で1時間、100℃で1時間、150℃で1
0時間乾燥し、500℃で2時間通気しながら焼成して
実施例1の触媒体を得た。得られた触媒ユニットの外観
は、含浸前と変わるところがなく、ユニット外表面への
スラリの付着はなかった。 実施例2 被覆用スラリの濃度を15wt%とした以外は、実施例1
と同様にして実施例2の触媒体を得た。 実施例3 被覆用スラリの濃度を20wt%とした以外は、実施例1
と同様にして実施例3の触媒体を得た。 実施例4 被覆用スラリの濃度を25wt%とした以外は、実施例1
と同様にして実施例4の触媒体を得た。
【0026】比較例1 実施例1と同様の触媒ユニットおよび被覆用スラリを用
い、触媒ユニットを濃度10wt%の被覆用スラリで満た
された含浸槽に1分間静止して浸漬した後、ユニットを
引き上げ、その後、実施例1と同様に乾燥および焼成し
て比較例1の触媒体とした。
【0027】比較例2 含浸用スラリの濃度を20wt%とした以外は、上記比較
例1と同様にして比較例2の触媒体を得た。得られた実
施例1〜4と比較例1および2の触媒体のユニット蓋を
外して、中から任意に5枚の板状触媒を取り出し、被覆
触媒の担持量を算出し、その結果を被覆用の触媒スラリ
濃度と担持量との関係で整理して図7にまとめて示し
た。
【0028】図7において、実施例1〜4の触媒体はい
ずれも担持量のばらつきがほとんどなく、スラリ濃度の
上昇とともに担持量がゆるやかに増加しており、スラリ
濃度によって触媒担持量を調整できることが分かる。一
方、比較例1のように、低濃度(10wt%)の触媒スラ
リで満たされた含浸槽に、触媒ユニットを浸漬した場合
は、スラリ中の触媒粒子の沈降により、実施例1に比べ
て被覆用スラリの担持量が少なくなることが分かる。ま
た逆に、比較例2のようにスラリ濃度が高い条件(20
wt%)では、被覆触媒が厚く付着し、担持量のばらつき
が大きいことが分かる。このように、被覆触媒層が厚く
なると、その表面に乾燥割れ生じ、剥離し易くなること
が確認された。
【0029】図8は、実施例1および比較例1における
触媒スラリ濃度10wt%で処理したときの、一枚の板状
触媒における被覆用スラリの担持量分布を示したもので
ある。この図から、比較例1では、一枚の触媒内に担持
量の分布があり、含浸時上側であった部分ほどその担持
量が少なくなっていることが分かる。これは含浸層内の
スラリ中で触媒成分が経時的に沈降し、これよにって担
持ムラが生じたものと考えられる。これに対して実施例
1では一枚の板状触媒内の担持量のばらつきはほとんど
生じていないことが分かる。
【0030】実施例5 実施例1で用いた、組成Ti/Mo=95/5(モル
比)の触媒ペーストで、カオウール短繊維の代わりに6
μm×6mmのEガラス短繊維を用い、酸化物に対して3
%のメトロースを添加し、150mm角で500mmの長さ
の3.5mmピッチ、0.5mmリブ厚さのハニカムに成形
し、これを9本上から見て正方形となるように組み、炭
素鋼製のユニットに納めて母地触媒構造体とした。次い
で図2の装置を用い、実施例2で用いたと同様の15wt
%濃度の被覆用スラリを実施例2と同様にして、前記ハ
ニカム状の母地触媒構造体表面に付着させて触媒被覆層
を形成して実施例5の触媒体を得た。得られた触媒体に
ついて被覆触媒の担持量を調べたところ、各ハニカムご
との担持量はそれぞれ約30g/m2とほとんど一定であ
り、また高さ方向の担持量もほぼ均一であり、分布はほ
とんど生じていなかった。
【0031】実施例6 実施例1で用いた、組成Ti/Mo=95/5(モル
比)の触媒ペーストを金属ラス基板に塗布し、成形によ
り山形を付けた後、乾燥を施し、厚さ0.8mmの板状触
媒とし、これを72枚重ねて炭素鋼製のユニットに納
め、通気しながら450℃で2h焼成して母地触媒構造
体を得た。次いで、550℃で10h焼成して強制的に
劣化させた後、実施例4で用いた25wt%濃度の被覆用
スラリを用い、実施例1と同様にして、前記母地触媒構
造体表面に触媒被覆層を形成し、触媒担持量105g/m2
の触媒体を得た。強制劣化前の触媒構造体、強制劣化後
の触媒構造体および触媒被覆層形成後の触媒構造体につ
いて、それぞれNO:200ppm 、NH3 :240ppm
、O2 :10%、SO2 :200ppm を含む供試ガス
を用い、面積速度(AV)=51m/h 、反応温度350
℃で脱硝活性を調べたところ、強制劣化前の触媒構造体
の脱硝率は70%、強制劣化後の触媒構造体の脱硝率は
55%であったのに対し、触媒被覆層形成後の触媒構造
体の脱硝率は75%であった。
【0032】
【発明の効果】本願の請求項1記載の発明によれば、触
媒構造体のガス流路の一方端から被覆用スラリを供給し
てガス流路壁に付着させ、余剰なスラリをガス流路の他
方端から流出させることにより、触媒構造体表面に新し
い触媒被覆層を簡便、かつ均一に形成して触媒活性を付
与または回復させることができる。また、大容積の触媒
構造体であっても連続的に処理することができ、量産性
に優れるという効果がある。
【0033】本願の請求項2記載の発明によれば、ガス
流路壁と接触したのち、ガス流路の他方端から流出した
余剰のスラリを循環して再度使用することにより、前記
発明の効果に加え、スラリの均一性が確保され、触媒構
造体表面により均一な被覆層を形成することができる。
本願の請求項3記載の発明によれば、触媒構造体として
脱硝触媒構造体を用い、被覆用の触媒成分として脱硝触
媒成分を用いることにより、上記発明の効果に加え、例
えば脱硝触媒に他の触媒活性を付与するか、または脱硝
活性を回復させることができる。
【0034】本願の請求項4記載の発明によれば、触媒
構造体として、ガス流れ方向に平行な山形または波形の
突起を所定間隔で設けた板状触媒を枠体内に組み込んだ
触媒構造体を用いることにより、上記発明の効果に加
え、板状触媒表面に新しい触媒被覆層を形成して、触媒
活性を付与することができる。本願の請求項5記載の発
明によれば、触媒構造体として、ハニカム触媒またはハ
ニカム触媒を複数個枠体内に組み込んだ触媒構造体を用
いたことにより、上記発明の効果に加え、ハニカム触媒
表面に新しい触媒被覆層を形成して、触媒活性を付与す
ることができる。
【0035】本願の請求項6記載の発明によれば、触媒
構造体として、使用済みのものを用いたことにより、上
記発明の効果に加え、劣化した触媒活性を効果的に回復
させることができる。本願の請求項7記載の発明によれ
ば、触媒体の製造装置が、被覆用触媒スラリの貯槽と、
スラリを触媒構造体のガス流路の一方端から供給してガ
ス流路壁に付着させるスラリ供給手段と、触媒構造体の
前記ガス流路の他方端から流出した余剰スラリを前記ス
ラリ貯槽に戻す手段とを有することにより、触媒構造体
表面に新しい触媒被覆層を簡便、かつ均一に形成して触
媒活性を付与または回復させることができる。また、大
容積の触媒構造体であっても連続的に処理することがで
き、量産性に優れる。
【0036】本願の請求項8記載の発明によれば、スラ
リ供給装置のスラリ供給部の面積を、触媒構造体におけ
るスラリ供給側面積よりも小さくしたことにより、前記
発明の効果に加え、触媒構造体またはそのユニットの側
面へのスラリの付着を防止することができる。本願の請
求項9記載の発明によれば、スラリ供給手段を、スラリ
吹き付け装置とし、該スラリ吹き付け装置におけるスラ
リ吹き付け部を、触媒構造体の枠体内に嵌合するように
したことにより、上記発明の効果に加え、ユニットの側
面へのスラリの付着を防止してユニット枠の腐食および
スラリ性状の変化等を効果的に防止できるとともに、ユ
ニットを組み込む際、間隙を生じる等の問題が生じるこ
ともない。
【0037】本願の請求項10記載の発明によれば、触
媒構造体を、脱硝触媒とし、被覆用の触媒成分を脱硝触
媒成分としたことにより、上記発明の効果に加え、脱硝
触媒に、別の活性を付与するか、または脱硝活性を回復
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す触媒体製造装置の説明
図。
【図2】本発明装置の触媒スラリ供給部の断面図。
【図3】図2のシャワー構造体の下方視図。
【図4】本発明装置における触媒スラリ供給部と触媒ユ
ニットの位置関係を示す図。
【図5】実施例における触媒充填方向と被覆用スラリの
流下方向を示す図。
【図6】触媒ユニットの斜視図。
【図7】実施例と比較例における触媒スラリ濃度と担持
量の関係を示す図。
【図8】実施例と比較例における触媒担持量の分布を示
す図。
【符号の説明】
1…ユニット本体、2…支持枠、3…ユニット蓋、4…
板状触媒、5…含浸槽、6…ユニット支持台、7…触媒
ユニット、7a…ガス流路、8…触媒スラリ供給部、9
…スラリ循環路、10…排出ポンプ、11…シャワー構
造体、12…スラリ流出孔、13…触媒エレメント、1
4…枠体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今田 尚美 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部にガス流路を有する触媒構造体の表
    面に、該触媒構造体における触媒成分と同じ組成または
    異なる組成の触媒成分からなる被覆層を形成する、触媒
    体の製造方法であって、前記触媒構造体のガス流路の一
    方端から被覆用の触媒成分を含むスラリを供給してガス
    流路壁に付着させ、余剰のスラリをガス流路の他方端か
    ら流出させることにより、前記触媒構造体表面に触媒被
    覆層を形成することを特徴とする触媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ガス流路の他方端から流出した余剰
    のスラリをガス流路の一方端に循環して再度使用するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の触媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記触媒構造体が、脱硝触媒構造体であ
    り、被覆用の触媒成分が、脱硝触媒成分であることを特
    徴とする請求項1または2に記載の触媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記触媒構造体が、ガス流れ方向に平行
    な山形または波形の突起を所定間隔で設けた板状触媒を
    枠体内に組み込んだ触媒構造体であることを特徴とする
    請求項1〜3の何れかに記載の触媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記触媒構造体が、ハニカム触媒または
    ハニカム触媒を複数個枠体内に組み込んだ触媒構造体で
    あることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の触
    媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記触媒構造体が、使用済みの触媒構造
    体であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載
    の触媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】 内部にガス流路を有する触媒構造体の表
    面に、該触媒構造体における触媒成分と同じ組成または
    異なる組成の触媒成分からなる被覆層を形成する触媒体
    の製造装置であって、被覆用の触媒成分を含むスラリの
    貯槽と、該スラリ貯槽内のスラリを触媒構造体のガス流
    路の一方端から供給してガス流路壁に付着させるスラリ
    供給手段と、触媒構造体の前記ガス流路の他方端から流
    出した余剰スラリを前記スラリ貯槽に戻す手段とを有す
    ることを特徴とする触媒体の製造装置。
  8. 【請求項8】 前記スラリ供給手段におけるスラリ供給
    部の面積を、前記触媒構造体におけるスラリ供給側面積
    よりも小さくしたことを特徴とする請求項7記載の触媒
    体の製造装置。
  9. 【請求項9】 前記スラリ供給手段が、スラリ吹き付け
    装置であり、該スラリ吹き付け装置におけるスラリ吹き
    付け部を、前記触媒構造体の枠体内に嵌合し、前記枠体
    の外周面への吹き付けスラリの付着を防止するようにし
    たことを特徴とする請求項7または8に記載の触媒体の
    製造装置。
  10. 【請求項10】 前記触媒構造体が、脱硝触媒構造体で
    あり、被覆用の触媒成分が、脱硝触媒成分であることを
    特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の触媒体の製
    造装置。
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