JPH1128087A - モノクローナル抗体の製造方法 - Google Patents
モノクローナル抗体の製造方法Info
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- JPH1128087A JPH1128087A JP10066555A JP6655598A JPH1128087A JP H1128087 A JPH1128087 A JP H1128087A JP 10066555 A JP10066555 A JP 10066555A JP 6655598 A JP6655598 A JP 6655598A JP H1128087 A JPH1128087 A JP H1128087A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 モノクローナル抗体の製造方法の提供。
【解決手段】 ヒト未分化細胞抗原で動物を免疫し、次
いで腫瘍細胞抗原を追加免疫して抗体産生細胞を得た
後、該抗体産生細胞をミエローマ細胞と融合させてハイ
ブリドーマを調製し、該ハイブリドーマより所望のハイ
ブリドーマを選択、培養して産生する前記腫瘍細胞抗原
に対するモノクローナル抗体を回収することを特徴とす
る前記モノクローナル抗体の製造方法。
いで腫瘍細胞抗原を追加免疫して抗体産生細胞を得た
後、該抗体産生細胞をミエローマ細胞と融合させてハイ
ブリドーマを調製し、該ハイブリドーマより所望のハイ
ブリドーマを選択、培養して産生する前記腫瘍細胞抗原
に対するモノクローナル抗体を回収することを特徴とす
る前記モノクローナル抗体の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なモノクロー
ナル抗体、その製造方法及びこの抗体を含む診断用試薬
に関する。
ナル抗体、その製造方法及びこの抗体を含む診断用試薬
に関する。
【0002】
【従来の技術】腫瘍関連抗原を特異的に認識するモノク
ローナル抗体は、該腫瘍関連抗原との抗原−抗体反応を
利用した腫瘍診断用試薬、腫瘍のミサイル療法等に使用
されている。従来、かかるモノクローナル抗体は、特開
昭60-231620 号に記載されているように、腫瘍関連抗原
を動物に免疫し、抗体産生細胞を得た後、該抗体産生細
胞とミエローマ細胞とのハイブリドーマ (融合細胞) を
調製し、このハイブリドーマを培養することによって得
られていた。
ローナル抗体は、該腫瘍関連抗原との抗原−抗体反応を
利用した腫瘍診断用試薬、腫瘍のミサイル療法等に使用
されている。従来、かかるモノクローナル抗体は、特開
昭60-231620 号に記載されているように、腫瘍関連抗原
を動物に免疫し、抗体産生細胞を得た後、該抗体産生細
胞とミエローマ細胞とのハイブリドーマ (融合細胞) を
調製し、このハイブリドーマを培養することによって得
られていた。
【0003】しかしながら、かかる方法においては、目
的とする腫瘍に固有の腫瘍関連抗原(癌マーカー) が既
知の場合は該抗原を精製して上記した動物の免疫に使用
できるので、この抗原を特異的に認識する抗体を得るた
めに有効であるが、該腫瘍関連抗原が未知の場合には上
記方法がほとんど適用し得ない。即ち、腫瘍関連抗原が
未知の場合、該抗原を精製することができないため、動
物に免疫する抗原として、目的とする腫瘍をホモゲナイ
ズして得られる、腫瘍関連抗原を含む腫瘍細胞由来抗原
を使用せざるを得ず、この場合該腫瘍関連抗原を特異的
に認識する抗体が選択的に産生されることは極めて稀で
あった。従って、腫瘍細胞由来抗原を動物に免疫し、比
較的低い確率で目的とする腫瘍関連抗原に対して特異性
を有する抗体を得ているのが現状であった。
的とする腫瘍に固有の腫瘍関連抗原(癌マーカー) が既
知の場合は該抗原を精製して上記した動物の免疫に使用
できるので、この抗原を特異的に認識する抗体を得るた
めに有効であるが、該腫瘍関連抗原が未知の場合には上
記方法がほとんど適用し得ない。即ち、腫瘍関連抗原が
未知の場合、該抗原を精製することができないため、動
物に免疫する抗原として、目的とする腫瘍をホモゲナイ
ズして得られる、腫瘍関連抗原を含む腫瘍細胞由来抗原
を使用せざるを得ず、この場合該腫瘍関連抗原を特異的
に認識する抗体が選択的に産生されることは極めて稀で
あった。従って、腫瘍細胞由来抗原を動物に免疫し、比
較的低い確率で目的とする腫瘍関連抗原に対して特異性
を有する抗体を得ているのが現状であった。
【0004】例えば、EP-145949号には、前記した特開
昭60-231620号と同様な方法で得られた、卵巣癌、腎臓
癌、子宮癌、結腸癌、乳癌、子宮けい癌等の腫瘍関連抗
原と特異的に反応するモノクローナル抗体が記載されて
いる。しかしながら、これらの文献には、卵巣癌及び肺
癌に対して特異的に反応するモノクローナル抗体につい
ては、全く記載されていないし、他に、その報告がされ
た例は殆どない。尚、上記の EP-145949号には、「MH9
4」として卵巣癌及び肺癌と反応性を有するモノクロー
ナル抗体が示されているが、このモノクローナル抗体
は、他に正常組織細胞とも反応性を示すものである。
昭60-231620号と同様な方法で得られた、卵巣癌、腎臓
癌、子宮癌、結腸癌、乳癌、子宮けい癌等の腫瘍関連抗
原と特異的に反応するモノクローナル抗体が記載されて
いる。しかしながら、これらの文献には、卵巣癌及び肺
癌に対して特異的に反応するモノクローナル抗体につい
ては、全く記載されていないし、他に、その報告がされ
た例は殆どない。尚、上記の EP-145949号には、「MH9
4」として卵巣癌及び肺癌と反応性を有するモノクロー
ナル抗体が示されているが、このモノクローナル抗体
は、他に正常組織細胞とも反応性を示すものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、モノクロー
ナル抗体の製造方法を提供することを目的とする。
ナル抗体の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、腫瘍関連
抗原が未知の特定の腫瘍に対して、その腫瘍関連抗原を
特異的に認識する抗体を得るべく研究を重ねた。その結
果、従来、腫瘍関連抗原が未知であった卵巣癌及び肺癌
の腫瘍関連抗原を特異的に認識するモノクローナル抗体
の産生に成功し、本発明を完成するに至った。
抗原が未知の特定の腫瘍に対して、その腫瘍関連抗原を
特異的に認識する抗体を得るべく研究を重ねた。その結
果、従来、腫瘍関連抗原が未知であった卵巣癌及び肺癌
の腫瘍関連抗原を特異的に認識するモノクローナル抗体
の産生に成功し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、(a) 分子量約600KD
のシアル酸含有糖蛋白よりなる抗原と反応し、(b) ヒ
ト肝臓癌細胞、ヒト膀胱癌細胞、ヒト神経癌細胞、ヒト
大腸癌細胞、ヒト胚細胞腫瘍細胞及びこれらの細胞の培
養上清、並びにこれらの細胞破砕物のノニオン界面活性
剤による可溶化成分と実質的に反応せず、(c) ヒト腎
臓正常細胞、ヒト正常胆嚢細胞、ヒト正常白血球細胞、
ヒト正常胎盤細胞、ヒト正常脾臓細胞、ヒト正常筋肉細
胞、ヒト正常肝臓細胞、ヒト正常結腸細胞、ヒト正常腸
細胞、ヒト正常膵臓細胞、ヒト正常食道細胞、ヒト正常
脳細胞、ヒト正常骨細胞及びこれらの細胞破砕物のノニ
オン界面活性剤による可溶化成分と実質的に反応せず、
(d) 正常人血清と反応せず、(e) ヒト未分化細胞由来
抗原との反応性について、固相EIA(Enzyme ImmunoAs
say) 法で測定した吸光度が、該ヒト未分化細胞由来抗
原単独について固相EIA法で測定した吸光度に対して
約2倍〜約5倍である、モノクローナル抗体 (以下、モ
ノクローナル抗体 (I) という) である。
のシアル酸含有糖蛋白よりなる抗原と反応し、(b) ヒ
ト肝臓癌細胞、ヒト膀胱癌細胞、ヒト神経癌細胞、ヒト
大腸癌細胞、ヒト胚細胞腫瘍細胞及びこれらの細胞の培
養上清、並びにこれらの細胞破砕物のノニオン界面活性
剤による可溶化成分と実質的に反応せず、(c) ヒト腎
臓正常細胞、ヒト正常胆嚢細胞、ヒト正常白血球細胞、
ヒト正常胎盤細胞、ヒト正常脾臓細胞、ヒト正常筋肉細
胞、ヒト正常肝臓細胞、ヒト正常結腸細胞、ヒト正常腸
細胞、ヒト正常膵臓細胞、ヒト正常食道細胞、ヒト正常
脳細胞、ヒト正常骨細胞及びこれらの細胞破砕物のノニ
オン界面活性剤による可溶化成分と実質的に反応せず、
(d) 正常人血清と反応せず、(e) ヒト未分化細胞由来
抗原との反応性について、固相EIA(Enzyme ImmunoAs
say) 法で測定した吸光度が、該ヒト未分化細胞由来抗
原単独について固相EIA法で測定した吸光度に対して
約2倍〜約5倍である、モノクローナル抗体 (以下、モ
ノクローナル抗体 (I) という) である。
【0008】さらに、本発明は、ヒト未分化細胞抗原で
動物を免疫し、次いで腫瘍細胞抗原を追加免疫して抗体
産生細胞を得た後、該抗体産生細胞をミエローマ細胞と
融合させてハイブリドーマを調製し、該ハイブリドーマ
より所望のハイブリドーマを選択、培養して産生する前
記腫瘍細胞抗原に対するモノクローナル抗体を回収する
ことを特徴とする前記モノクローナル抗体の製造方法で
ある。腫瘍細胞としては、例えばヒト卵巣癌細胞、ヒト
胃癌細胞、ヒト肝臓癌細胞、ヒト肺癌細胞、ヒト膀胱癌
細胞、ヒト膵臓癌細胞、ヒト腎臓癌細胞及びヒト大腸癌
からなる群から選ばれるいずれか一種が挙げられる。以
下、本発明を詳細に説明する。
動物を免疫し、次いで腫瘍細胞抗原を追加免疫して抗体
産生細胞を得た後、該抗体産生細胞をミエローマ細胞と
融合させてハイブリドーマを調製し、該ハイブリドーマ
より所望のハイブリドーマを選択、培養して産生する前
記腫瘍細胞抗原に対するモノクローナル抗体を回収する
ことを特徴とする前記モノクローナル抗体の製造方法で
ある。腫瘍細胞としては、例えばヒト卵巣癌細胞、ヒト
胃癌細胞、ヒト肝臓癌細胞、ヒト肺癌細胞、ヒト膀胱癌
細胞、ヒト膵臓癌細胞、ヒト腎臓癌細胞及びヒト大腸癌
からなる群から選ばれるいずれか一種が挙げられる。以
下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、モノクローナル
抗体 (I) は、より具体的には、下記の特性を有するも
のである。 1. 免疫源:免疫源としてヒト未分化細胞由来抗原 (以
下、HU抗原という) を使用し、且つ、該免疫源により
動物に免疫した後、被免疫動物に対して更に追加して行
う免疫 (追加免疫) において使用する免疫源 (以下、追
加免疫源という) として卵巣癌細胞由来抗原 (以下、Q
C抗原という)を使用する。
抗体 (I) は、より具体的には、下記の特性を有するも
のである。 1. 免疫源:免疫源としてヒト未分化細胞由来抗原 (以
下、HU抗原という) を使用し、且つ、該免疫源により
動物に免疫した後、被免疫動物に対して更に追加して行
う免疫 (追加免疫) において使用する免疫源 (以下、追
加免疫源という) として卵巣癌細胞由来抗原 (以下、Q
C抗原という)を使用する。
【0010】上記のHU抗原は、ヒト未分化細胞に由来
する抗原である。このヒト未分化細胞は、多潜能細胞と
も呼ばれ、まだヒトの各臓器あるいは機能を持った細胞
に完全に分化しておらず、かつ各臓器あるいは機能を持
った細胞に分化する能力を有した細胞である。すなわ
ち、心臓、肝臓、腸、脳等の臓器や赤血球、リンパ球等
の血球細胞等には、分化してはいないが、これらの臓器
や血球細胞のどれにでも分化する能力を持った細胞のこ
とである。また、QC抗原は、卵巣癌を構成する細胞に
由来する抗原である。
する抗原である。このヒト未分化細胞は、多潜能細胞と
も呼ばれ、まだヒトの各臓器あるいは機能を持った細胞
に完全に分化しておらず、かつ各臓器あるいは機能を持
った細胞に分化する能力を有した細胞である。すなわ
ち、心臓、肝臓、腸、脳等の臓器や赤血球、リンパ球等
の血球細胞等には、分化してはいないが、これらの臓器
や血球細胞のどれにでも分化する能力を持った細胞のこ
とである。また、QC抗原は、卵巣癌を構成する細胞に
由来する抗原である。
【0011】2. 特異性: (a) 分子量約600KD のシアル酸含有糖蛋白よりなる抗
原と強く反応する。 (b) ヒト肝臓癌細胞、ヒト膀胱癌細胞、ヒト神経癌細
胞、ヒト大腸癌細胞、ヒト胚細胞腫瘍細胞及びこれらの
細胞の培養上清、並びにこれらの細胞破砕物のノニオン
界面活性剤による可溶化成分と実質的に反応しない。
原と強く反応する。 (b) ヒト肝臓癌細胞、ヒト膀胱癌細胞、ヒト神経癌細
胞、ヒト大腸癌細胞、ヒト胚細胞腫瘍細胞及びこれらの
細胞の培養上清、並びにこれらの細胞破砕物のノニオン
界面活性剤による可溶化成分と実質的に反応しない。
【0012】(c) ヒト腎臓正常細胞、ヒト正常胆嚢細
胞、ヒト正常白血球細胞、ヒト正常胎盤細胞、ヒト正常
脾臓細胞、ヒト正常筋肉細胞、ヒト正常肝臓細胞、ヒト
正常結腸細胞、ヒト正常腸細胞、ヒト正常膵臓細胞、ヒ
ト正常食道細胞、ヒト正常脳細胞、ヒト正常骨細胞及び
これらの細胞破砕物のノニオン界面活性剤による可溶化
成分と実質的に反応しない。
胞、ヒト正常白血球細胞、ヒト正常胎盤細胞、ヒト正常
脾臓細胞、ヒト正常筋肉細胞、ヒト正常肝臓細胞、ヒト
正常結腸細胞、ヒト正常腸細胞、ヒト正常膵臓細胞、ヒ
ト正常食道細胞、ヒト正常脳細胞、ヒト正常骨細胞及び
これらの細胞破砕物のノニオン界面活性剤による可溶化
成分と実質的に反応しない。
【0013】(d) 正常人血清と反応しない。 (e) ヒト未分化細胞由来抗原との反応性について、固
相EIA法で測定した吸光度が、該ヒト未分化細胞由来
抗原単独について固相EIA法で測定した吸光度に対し
て約2倍〜約5倍である。
相EIA法で測定した吸光度が、該ヒト未分化細胞由来
抗原単独について固相EIA法で測定した吸光度に対し
て約2倍〜約5倍である。
【0014】尚、かかる (a) 〜 (d) における反応性
についても固相EIA(Enzyme Immuno Assay) 法及びホ
ルマリン固定パラフィン切片上でのABC(Avidin Biot
inylated horseradish peroxi-dase complex assay) 法
により測定したものである。また、「実質的に反応しな
い」とは、対象とする細胞の破砕物のノニオン界面活性
剤による可溶化成分とモノクローナル抗体との反応性に
ついて、固相EIA法で測定した吸光度が、該可溶化成
分単独について固相EIA法で測定した吸光度 (ブラン
ク値) に対して5倍以下であることを意味し、「強く反
応する」とは、ブランク値に対して30倍以上の場合を言
う。
についても固相EIA(Enzyme Immuno Assay) 法及びホ
ルマリン固定パラフィン切片上でのABC(Avidin Biot
inylated horseradish peroxi-dase complex assay) 法
により測定したものである。また、「実質的に反応しな
い」とは、対象とする細胞の破砕物のノニオン界面活性
剤による可溶化成分とモノクローナル抗体との反応性に
ついて、固相EIA法で測定した吸光度が、該可溶化成
分単独について固相EIA法で測定した吸光度 (ブラン
ク値) に対して5倍以下であることを意味し、「強く反
応する」とは、ブランク値に対して30倍以上の場合を言
う。
【0015】本発明の特定モノクローナル抗体が認識す
る上記抗原は、分子量約600KD(キロダルトン) のシアル
酸含有糖蛋白を含むことが確認された。これは、分子量
については、SDS-PAGE電気泳動法及びイムノブロット法
で調べた。また、該抗原を40%ノイラミダーゼ溶液で処
理すると、該モノクローナル抗体との反応性が失活する
のに対し、トリプシン処理では、高濃度トリプシン溶液
でも反応性が失活しないことより、該抗原に糖鎖が存在
し、該糖鎖がシアル酸であることを、確認した。
る上記抗原は、分子量約600KD(キロダルトン) のシアル
酸含有糖蛋白を含むことが確認された。これは、分子量
については、SDS-PAGE電気泳動法及びイムノブロット法
で調べた。また、該抗原を40%ノイラミダーゼ溶液で処
理すると、該モノクローナル抗体との反応性が失活する
のに対し、トリプシン処理では、高濃度トリプシン溶液
でも反応性が失活しないことより、該抗原に糖鎖が存在
し、該糖鎖がシアル酸であることを、確認した。
【0016】上記シアル酸含有蛋白は、ヒト卵巣癌細胞
及びヒト肺癌細胞の細胞内に存在し、これら細胞から血
液中にも、ヒト卵巣癌細胞にあっては、羊水中にも放出
される。従って、本発明の上記モノクローナル抗体
(I) は、ヒト上皮性卵巣癌細胞、ヒト肺癌細胞、及び
これらの細胞の培養上清、並びにこれら細胞のノニオン
界面活性剤による可溶化成分と、さらに、ヒト上皮性卵
巣癌患者の血清及びヒト肺癌患者の血清とも強く反応す
ることが確認されている。
及びヒト肺癌細胞の細胞内に存在し、これら細胞から血
液中にも、ヒト卵巣癌細胞にあっては、羊水中にも放出
される。従って、本発明の上記モノクローナル抗体
(I) は、ヒト上皮性卵巣癌細胞、ヒト肺癌細胞、及び
これらの細胞の培養上清、並びにこれら細胞のノニオン
界面活性剤による可溶化成分と、さらに、ヒト上皮性卵
巣癌患者の血清及びヒト肺癌患者の血清とも強く反応す
ることが確認されている。
【0017】また、モノクローナル抗体 (I) は、その
理由はよくわからないが、ヒト正常肺細胞、ヒト正常卵
巣細胞又はヒト正常甲状腺細胞とも弱く反応し、具体的
には、ヒト正常肺細胞、ヒト正常卵巣細胞またはヒト正
常甲状腺細胞の破砕物のノニオン界面活性剤による可溶
化成分とモノクローナル抗体 (I) との反応性につい
て、固相EIA法で測定した吸光度が、該可溶化成分単
独について固相EIA法で測定した吸光度に対して、約
2倍〜約5倍反応した。
理由はよくわからないが、ヒト正常肺細胞、ヒト正常卵
巣細胞又はヒト正常甲状腺細胞とも弱く反応し、具体的
には、ヒト正常肺細胞、ヒト正常卵巣細胞またはヒト正
常甲状腺細胞の破砕物のノニオン界面活性剤による可溶
化成分とモノクローナル抗体 (I) との反応性につい
て、固相EIA法で測定した吸光度が、該可溶化成分単
独について固相EIA法で測定した吸光度に対して、約
2倍〜約5倍反応した。
【0018】この反応は、交叉反応(cross reaction)に
よるものと推定される。しかし、本発明のモノクローナ
ル抗体 (I) のHU抗原及びヒト正常肺細胞、ヒト正常
卵巣細胞又はヒト正常甲状腺細胞に対する上記の如き弱
い反応性は、前述したシアル酸含有糖蛋白に対する反応
性に比べて格段に弱く、モノクローナル抗体 (I) を利
用したシアル酸含有糖蛋白の検出に際して実質的支障を
生ずることはない。
よるものと推定される。しかし、本発明のモノクローナ
ル抗体 (I) のHU抗原及びヒト正常肺細胞、ヒト正常
卵巣細胞又はヒト正常甲状腺細胞に対する上記の如き弱
い反応性は、前述したシアル酸含有糖蛋白に対する反応
性に比べて格段に弱く、モノクローナル抗体 (I) を利
用したシアル酸含有糖蛋白の検出に際して実質的支障を
生ずることはない。
【0019】3. 抗体のタイプ:IgM である。また、本
発明は、上記の特定モノクローナル抗体を含めた、未知
の腫瘍関連抗原を特異的に認識し得るモノクローナル抗
体 (I) の新規な製造方法をも提供する。即ち、本発明
は、7〜10週齢のヒト胎児破砕物のノニオン界面活性剤
による可溶化成分 (ヒト未分化細胞抗原) で動物を免疫
し、次いでヒト癌細胞破砕物のノニオン界面活性剤によ
る可溶化成分 (腫瘍細胞由来抗原:以下、TC抗原とも
いう) を追加免疫して抗体産生細胞を得た後、該抗体産
生細胞をミエローマ細胞と融合させてハイブリドーマを
調製し、該ハイブリドーマより所望のハイブリドーマを
選択、培養して産生するモノクローナル抗体(I)を回
収することを特徴とするモノクローナル抗体(I)の製
造方法である。
発明は、上記の特定モノクローナル抗体を含めた、未知
の腫瘍関連抗原を特異的に認識し得るモノクローナル抗
体 (I) の新規な製造方法をも提供する。即ち、本発明
は、7〜10週齢のヒト胎児破砕物のノニオン界面活性剤
による可溶化成分 (ヒト未分化細胞抗原) で動物を免疫
し、次いでヒト癌細胞破砕物のノニオン界面活性剤によ
る可溶化成分 (腫瘍細胞由来抗原:以下、TC抗原とも
いう) を追加免疫して抗体産生細胞を得た後、該抗体産
生細胞をミエローマ細胞と融合させてハイブリドーマを
調製し、該ハイブリドーマより所望のハイブリドーマを
選択、培養して産生するモノクローナル抗体(I)を回
収することを特徴とするモノクローナル抗体(I)の製
造方法である。
【0020】更に、本発明はモノクローナル抗体(I)
を含む卵巣癌又は肺癌の診断用試薬である。本発明にお
いて、HU抗原は、前記したようにヒト未分化細胞に由
来する抗原である。このヒト未分化細胞は、例えば、7
〜15週齢のエンブリオ・ ヒューマン(Embryo human,以下
EHuという)、妊娠初期の羊水、骨髄等に存在する。
このうち、ヒト未分化細胞が最も大量に存在するのは上
記7〜15週齢のEHuである。上記EHuの週齢が15週
齢を超えた場合には、ヒト未分化細胞は各臓器に分化し
ており、抗原的には成人細胞と変わりなくなるため、本
発明の目的を達成することが困難となる。かかるEHu
は、日本産婦人科学会規約に従い、合法的に取得するこ
とができる。HU抗原を調製する方法は特に制限されな
いが、代表的な方法として、EHuより調製する方法を
以下に具体的に例示する。
を含む卵巣癌又は肺癌の診断用試薬である。本発明にお
いて、HU抗原は、前記したようにヒト未分化細胞に由
来する抗原である。このヒト未分化細胞は、例えば、7
〜15週齢のエンブリオ・ ヒューマン(Embryo human,以下
EHuという)、妊娠初期の羊水、骨髄等に存在する。
このうち、ヒト未分化細胞が最も大量に存在するのは上
記7〜15週齢のEHuである。上記EHuの週齢が15週
齢を超えた場合には、ヒト未分化細胞は各臓器に分化し
ており、抗原的には成人細胞と変わりなくなるため、本
発明の目的を達成することが困難となる。かかるEHu
は、日本産婦人科学会規約に従い、合法的に取得するこ
とができる。HU抗原を調製する方法は特に制限されな
いが、代表的な方法として、EHuより調製する方法を
以下に具体的に例示する。
【0021】EHuの組織の一部又は全部をホモゲナイ
ズし、その上清を抗原として用いてもよいが、該抗原の
免疫によって生成される抗体産生細胞の選択性を小さく
するため、該EHu中で分化が終了した各臓器、すなわ
ち小腸、肝臓等を取り除いて、ホモゲナイスし、その上
清を抗原として用いた方が好ましい。かかるホモゲナイ
ズは、該EHuの細胞表面抗原だけでなく、細胞内の成
分も抗原とするために、細胞膜を破壊する各種界面活性
剤を添加し、細胞を可溶化することが好ましい。即ち、
細胞の可溶化によって、未分化細胞のすべての成分を抗
原として利用することができるため、より多くの腫瘍関
連抗原を含有させることができる。該細胞を可溶化する
ための界面活性剤は、公知の細胞可溶化用界面活性剤を
用いてもなんら支障はない。該界面活性剤を具体的に例
示すれば、ノニオン系界面活性剤として、ポリオキシエ
チレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレン2−メチ
ルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘプタメチル
ヘキシルエーテル、ポリオキシエチレン1−オクチルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオシ
キエチレンソルビトールエステル等が、アニオン系界面
活性剤として、セチルトリメチルアンモニウムブロミ
ド、テトラデシルアンモニウムブロミド、ドデシルピリ
ジニウムクロリド等が、カチオン系界面活性剤として、
ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウ
ム、ドデシル−N−サルコシン酸ナトリウム等が、ま
た、両性界面活性剤として、パルミトイルリゾレシチ
ン、ドデシル−N−ペタイン、ドデシル−β−アラニン
等が挙げられる。 上記方法によりヒト未分化細胞を可
溶化した後、得られる粗未分化細胞可溶化物は、そのま
まHU抗原として用いても良いが、遠心分離により、不
溶性成分を除去した後、抗原として用いた方が好まし
い。即ち、不溶性成分が混在した場合は、抗体産生能が
低く、免疫を行う上で好ましくない。
ズし、その上清を抗原として用いてもよいが、該抗原の
免疫によって生成される抗体産生細胞の選択性を小さく
するため、該EHu中で分化が終了した各臓器、すなわ
ち小腸、肝臓等を取り除いて、ホモゲナイスし、その上
清を抗原として用いた方が好ましい。かかるホモゲナイ
ズは、該EHuの細胞表面抗原だけでなく、細胞内の成
分も抗原とするために、細胞膜を破壊する各種界面活性
剤を添加し、細胞を可溶化することが好ましい。即ち、
細胞の可溶化によって、未分化細胞のすべての成分を抗
原として利用することができるため、より多くの腫瘍関
連抗原を含有させることができる。該細胞を可溶化する
ための界面活性剤は、公知の細胞可溶化用界面活性剤を
用いてもなんら支障はない。該界面活性剤を具体的に例
示すれば、ノニオン系界面活性剤として、ポリオキシエ
チレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレン2−メチ
ルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘプタメチル
ヘキシルエーテル、ポリオキシエチレン1−オクチルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオシ
キエチレンソルビトールエステル等が、アニオン系界面
活性剤として、セチルトリメチルアンモニウムブロミ
ド、テトラデシルアンモニウムブロミド、ドデシルピリ
ジニウムクロリド等が、カチオン系界面活性剤として、
ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウ
ム、ドデシル−N−サルコシン酸ナトリウム等が、ま
た、両性界面活性剤として、パルミトイルリゾレシチ
ン、ドデシル−N−ペタイン、ドデシル−β−アラニン
等が挙げられる。 上記方法によりヒト未分化細胞を可
溶化した後、得られる粗未分化細胞可溶化物は、そのま
まHU抗原として用いても良いが、遠心分離により、不
溶性成分を除去した後、抗原として用いた方が好まし
い。即ち、不溶性成分が混在した場合は、抗体産生能が
低く、免疫を行う上で好ましくない。
【0022】本発明において、HU抗原を免疫する被免
疫動物としては、一般に用いられる各種の被免疫動物を
何等支障なく用いることが出来る。具体的に例示すれ
ば、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、ウ
マ等の哺乳動物を挙げることができる。そのうち、該免
疫によって得られた抗体産生細胞 (B細胞) と融合させ
るミエローマ細胞の入手の容易なマウス、ラットの中か
ら被免疫動物を選ぶ事が好ましい。かかるマウス及びラ
ットの系統は特に制限されるものではなく、公知のもの
から選択すれば良い。例えば、マウスの系統としては、
系統名A、AKR、BALB/c、BDP、CBA、C
E、C3H、C57BL、C57BR、C57L、DBA、F
L、HTH、HTI、LP、NZB、NZW、RF、R
III 、SJL、SWR、WB、129 等が挙げられる。ま
た、ラットの系統としては、Lou、Lewis、Spraque Dawl
ey、ACI、BN、Fischer 等が挙げられる。この内、
後述のミエローマ細胞との融合の適合性を勘案すれば、
マウスでは、BALB/c系統、ラットでは、Lou 系統
が最も好ましい被免疫動物である。また免疫時の該マウ
ス及び、ラットの週齢は、好ましくは、5〜12週齢、更
に好ましくは6〜8週齢である。5週齢以下では、免疫
が困難であり、12週齢以上では、免疫効率が低下する傾
向がある。
疫動物としては、一般に用いられる各種の被免疫動物を
何等支障なく用いることが出来る。具体的に例示すれ
ば、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、ウ
マ等の哺乳動物を挙げることができる。そのうち、該免
疫によって得られた抗体産生細胞 (B細胞) と融合させ
るミエローマ細胞の入手の容易なマウス、ラットの中か
ら被免疫動物を選ぶ事が好ましい。かかるマウス及びラ
ットの系統は特に制限されるものではなく、公知のもの
から選択すれば良い。例えば、マウスの系統としては、
系統名A、AKR、BALB/c、BDP、CBA、C
E、C3H、C57BL、C57BR、C57L、DBA、F
L、HTH、HTI、LP、NZB、NZW、RF、R
III 、SJL、SWR、WB、129 等が挙げられる。ま
た、ラットの系統としては、Lou、Lewis、Spraque Dawl
ey、ACI、BN、Fischer 等が挙げられる。この内、
後述のミエローマ細胞との融合の適合性を勘案すれば、
マウスでは、BALB/c系統、ラットでは、Lou 系統
が最も好ましい被免疫動物である。また免疫時の該マウ
ス及び、ラットの週齢は、好ましくは、5〜12週齢、更
に好ましくは6〜8週齢である。5週齢以下では、免疫
が困難であり、12週齢以上では、免疫効率が低下する傾
向がある。
【0023】本発明においてHU抗原を被免疫動物に免
疫する方法は、一般的な公知の免疫法を支障なく用いる
ことが出来る。例えば、日本免疫学会編:「免疫実験操
作法」 (1971〜1980) や松橋 直、成内秀雄、臼井 美
津子著:「免疫学実験入門」学会出版センター(1985)等
に詳しく掲載されている。かかる免疫法のうち、本発明
において好適な免疫法を、以下に具体的に示す。
疫する方法は、一般的な公知の免疫法を支障なく用いる
ことが出来る。例えば、日本免疫学会編:「免疫実験操
作法」 (1971〜1980) や松橋 直、成内秀雄、臼井 美
津子著:「免疫学実験入門」学会出版センター(1985)等
に詳しく掲載されている。かかる免疫法のうち、本発明
において好適な免疫法を、以下に具体的に示す。
【0024】まず、HU抗原の投与方法は、腹腔内投与
又は経静脈投与のどちらでも可能である。しかし、免疫
効率を高めるために、両者の併用が好ましい。特に免疫
効率を高めるため、前半は腹腔内投与、後半或いは、最
終回のみ経静脈投与が好ましい。免疫スケジュールとし
ては、被免疫動物の種類、個体差等により異なり一概に
決定できないが、一般に該HU抗原投与回数3〜6回、
投与間隔2〜6週間が好ましい。更に好ましくは、投与
回数3〜4回、投与間隔3〜4週間である。投与回数を
過度に増やすと、貴重な該HU抗原を浪費し、また投与
間隔を広げると、被免疫動物の老齢化ひいては、細胞の
低活性化を招くため好ましくない。また、HU抗原の被
免疫動物への免疫量は、被免疫動物の種類、個体差等に
より異なるため一概に決定できないが、一般に0.05〜5
ml、好ましくは0.1〜0.5mlが適当である。
又は経静脈投与のどちらでも可能である。しかし、免疫
効率を高めるために、両者の併用が好ましい。特に免疫
効率を高めるため、前半は腹腔内投与、後半或いは、最
終回のみ経静脈投与が好ましい。免疫スケジュールとし
ては、被免疫動物の種類、個体差等により異なり一概に
決定できないが、一般に該HU抗原投与回数3〜6回、
投与間隔2〜6週間が好ましい。更に好ましくは、投与
回数3〜4回、投与間隔3〜4週間である。投与回数を
過度に増やすと、貴重な該HU抗原を浪費し、また投与
間隔を広げると、被免疫動物の老齢化ひいては、細胞の
低活性化を招くため好ましくない。また、HU抗原の被
免疫動物への免疫量は、被免疫動物の種類、個体差等に
より異なるため一概に決定できないが、一般に0.05〜5
ml、好ましくは0.1〜0.5mlが適当である。
【0025】本発明の方法における重要な要件は、上記
したHU抗原を免疫した後、更にTC抗原を追加免疫す
ることである。即ち、HU抗原の免疫により被免疫動物
内では、該HU抗原に対応する種類の抗体産生細胞が形
成されるが、これに特定のTC抗原を追加免疫すること
により、該抗体産生細胞の中より該TC抗原を特異的に
認識する抗体産生細胞のクローンを選択的に増加させる
ことが可能となる。従って、後記の細胞融合における該
抗体産生細胞とミエローマとの融合効率を高めることが
でき、かかる細胞融合によって得られるハイブリドーマ
を培養して目的とするモノクローナル抗体を効率よく産
生することができる。
したHU抗原を免疫した後、更にTC抗原を追加免疫す
ることである。即ち、HU抗原の免疫により被免疫動物
内では、該HU抗原に対応する種類の抗体産生細胞が形
成されるが、これに特定のTC抗原を追加免疫すること
により、該抗体産生細胞の中より該TC抗原を特異的に
認識する抗体産生細胞のクローンを選択的に増加させる
ことが可能となる。従って、後記の細胞融合における該
抗体産生細胞とミエローマとの融合効率を高めることが
でき、かかる細胞融合によって得られるハイブリドーマ
を培養して目的とするモノクローナル抗体を効率よく産
生することができる。
【0026】従来、追加免疫として知られていた方法
は、被免疫動物にTC抗原を免疫した後、さらに同種の
TC抗原を免疫する方法である。かかる方法によれば、
追加免疫により増加される抗体産生細胞は、前段の免疫
において、比較的高い割合で産生されたものに限られ
る。そのため、上記の抗体産生細胞により産生される抗
体が該TC抗原中の腫瘍関連抗原を特異的に認識するも
のでない場合は、追加免疫が全く意味のないものとなる
のである。
は、被免疫動物にTC抗原を免疫した後、さらに同種の
TC抗原を免疫する方法である。かかる方法によれば、
追加免疫により増加される抗体産生細胞は、前段の免疫
において、比較的高い割合で産生されたものに限られ
る。そのため、上記の抗体産生細胞により産生される抗
体が該TC抗原中の腫瘍関連抗原を特異的に認識するも
のでない場合は、追加免疫が全く意味のないものとなる
のである。
【0027】本発明において追加免疫を行う際に用いる
TC抗原は、目的とするモノクローナル抗体に対応する
腫瘍のTC抗原が適宜選択される。例えば、ヒト卵巣癌
に対して特異的に反応性を示すモノクローナル抗体を得
ようとした場合には、ヒト卵巣癌のTC抗原が使用され
る。その他にも、目的とするモノクローナル抗体に応じ
て、ヒト胃癌、ヒト肝癌、ヒト肺癌、ヒト膀胱癌、ヒト
膵臓癌、ヒト腎臓癌、ヒト大腸癌等の公知で、かつ入手
可能な任意の癌細胞を用いてTC抗原を調製することが
できる。該腫瘍細胞からのTC抗原の調製法としては、
上記癌細胞を破砕し、そのまま用いても良いが、前述の
様に、界面活性剤を用いて可溶化し、これをそのまま、
或いは必要に応じて不溶物を遠心分離により除去し追加
免疫抗原として用いることが好ましい。
TC抗原は、目的とするモノクローナル抗体に対応する
腫瘍のTC抗原が適宜選択される。例えば、ヒト卵巣癌
に対して特異的に反応性を示すモノクローナル抗体を得
ようとした場合には、ヒト卵巣癌のTC抗原が使用され
る。その他にも、目的とするモノクローナル抗体に応じ
て、ヒト胃癌、ヒト肝癌、ヒト肺癌、ヒト膀胱癌、ヒト
膵臓癌、ヒト腎臓癌、ヒト大腸癌等の公知で、かつ入手
可能な任意の癌細胞を用いてTC抗原を調製することが
できる。該腫瘍細胞からのTC抗原の調製法としては、
上記癌細胞を破砕し、そのまま用いても良いが、前述の
様に、界面活性剤を用いて可溶化し、これをそのまま、
或いは必要に応じて不溶物を遠心分離により除去し追加
免疫抗原として用いることが好ましい。
【0028】また、追加免疫の方法としては、腹腔内投
与または、経静脈投与のどちらでも良いが、追加免疫の
効率を高めるためには、経静脈投与の方が好ましい。更
に追加免疫のスケジュールとしては、上記HU抗原の被
免疫動物への最終回の免疫後、1〜6週間、好ましく
は、2〜4週間、更に好ましくは、2〜3週間を経過
後、追加免疫を行うことが好ましい。その後、1〜10日
後、好ましくは、2〜5日後、更に好ましくは、2〜3
日後に、抗体産生細胞を含む脾臓細胞を取り出すことが
好ましい。追加免疫が免疫後6週間目より遅すぎたり、
1週目より早すぎると、追加免疫の効果が少なく、ま
た、脾臓細胞を取り出す時期が10日を過ぎると、追加免
疫したTC抗原に対する抗体産生細胞が出来易くなり、
1日以下では追加免疫の効果が少なくなる傾向がある。
与または、経静脈投与のどちらでも良いが、追加免疫の
効率を高めるためには、経静脈投与の方が好ましい。更
に追加免疫のスケジュールとしては、上記HU抗原の被
免疫動物への最終回の免疫後、1〜6週間、好ましく
は、2〜4週間、更に好ましくは、2〜3週間を経過
後、追加免疫を行うことが好ましい。その後、1〜10日
後、好ましくは、2〜5日後、更に好ましくは、2〜3
日後に、抗体産生細胞を含む脾臓細胞を取り出すことが
好ましい。追加免疫が免疫後6週間目より遅すぎたり、
1週目より早すぎると、追加免疫の効果が少なく、ま
た、脾臓細胞を取り出す時期が10日を過ぎると、追加免
疫したTC抗原に対する抗体産生細胞が出来易くなり、
1日以下では追加免疫の効果が少なくなる傾向がある。
【0029】上記の追加免疫を行う際のTC抗原の量
は、被免疫動物の種類、大きさによって異なるため、一
概には、決定できないが、マウスの場合、0.05〜5ml、
好ましくは、0.1〜0.5ml、更に好ましくは、0.1
〜0.2mlの範囲内が適当である。即ち、不必要に大量
の抗原投与は、免疫効率を低下させるだけでなく、被免
疫動物にとっても好ましいものではない。
は、被免疫動物の種類、大きさによって異なるため、一
概には、決定できないが、マウスの場合、0.05〜5ml、
好ましくは、0.1〜0.5ml、更に好ましくは、0.1
〜0.2mlの範囲内が適当である。即ち、不必要に大量
の抗原投与は、免疫効率を低下させるだけでなく、被免
疫動物にとっても好ましいものではない。
【0030】上記の被免疫動物より無菌的に取り出され
た脾臓細胞から抗体産生細胞を分離する方法は、公知の
方法が特に制限なく採用される。例えば、上記脾臓細胞
を細切し、ステンレスメッシュで濾過した後、イーグル
ス・ミニマム・エッセンシャル、メディウム (MEM)
に浮遊させて分離する方法が一般的である。本発明にお
いて、該抗体産生細胞は、モノクローナル抗体を得るた
めに、ミエローマ細胞と細胞融合してハイブリドーマと
される。
た脾臓細胞から抗体産生細胞を分離する方法は、公知の
方法が特に制限なく採用される。例えば、上記脾臓細胞
を細切し、ステンレスメッシュで濾過した後、イーグル
ス・ミニマム・エッセンシャル、メディウム (MEM)
に浮遊させて分離する方法が一般的である。本発明にお
いて、該抗体産生細胞は、モノクローナル抗体を得るた
めに、ミエローマ細胞と細胞融合してハイブリドーマと
される。
【0031】モノクローナル抗体を得るために該抗体産
生細胞とミエローマ細胞を融合する際、用いるミエロー
マ細胞は、特に制限されるものではなく、公知のミエロ
ーマ細胞株から選択することができる。これらの細胞株
を具体的に例示すると、マウス由来のX63-Ag8(X63), NS
I-Ag4/1(NSI), P3X63-Ag8U1(P3U1), X63-Ag8.653(X63.6
53), SP2/O-Ag14(SP2/O), MPC11-14.6TG1.7(45.6TG), F
O, S149/5XXO, BU.1等;ラット由来の210.RCY3.Ag1.2.3
(Y3)等;ヒト由来のU-266AR(SKO-007), GM1500・6TG-A1
2 (GM1500), UC729-6, LICR-LON-HMy2(HMy2), 8226AR/N
IP4-1(NP41) 等(但し、( )内は略号を示す。) が挙げ
られる。上記のミエローマ細胞株は、細胞融合後のハイ
ブリドーマを選択する手法が確立されているHGPRT
(Hypoxanthine-guanine phosphoribosyl-transferase)
欠損株であることが好ましい。上記例示した細胞株は、
すべてHGPRT欠損株である。
生細胞とミエローマ細胞を融合する際、用いるミエロー
マ細胞は、特に制限されるものではなく、公知のミエロ
ーマ細胞株から選択することができる。これらの細胞株
を具体的に例示すると、マウス由来のX63-Ag8(X63), NS
I-Ag4/1(NSI), P3X63-Ag8U1(P3U1), X63-Ag8.653(X63.6
53), SP2/O-Ag14(SP2/O), MPC11-14.6TG1.7(45.6TG), F
O, S149/5XXO, BU.1等;ラット由来の210.RCY3.Ag1.2.3
(Y3)等;ヒト由来のU-266AR(SKO-007), GM1500・6TG-A1
2 (GM1500), UC729-6, LICR-LON-HMy2(HMy2), 8226AR/N
IP4-1(NP41) 等(但し、( )内は略号を示す。) が挙げ
られる。上記のミエローマ細胞株は、細胞融合後のハイ
ブリドーマを選択する手法が確立されているHGPRT
(Hypoxanthine-guanine phosphoribosyl-transferase)
欠損株であることが好ましい。上記例示した細胞株は、
すべてHGPRT欠損株である。
【0032】本発明において、前記の抗体産生細胞とミ
エローマ細胞との融合方法は、ポリエチレングリコール
などの高濃度ポリマー溶液中で抗体産生細胞とミエロー
マ細胞とを混合する化学的方法、電気的刺激を利用する
物理的方法など特に制限はなく、細胞の生存率を強く低
下させない程度の条件下で適宜実施すれば良い。これら
の方法は、「免疫実験操作法」日本免疫学会編(1981)に
記載されている。例えば上記化学的方法をより具体的に
示せば、高濃度ポリマー溶液としてポリエチレングリコ
ールを用いる場合、分子量1500〜6000、好ましくは2000
〜4000のポリエチレングリコール中で、30〜40℃、好ま
しくは35〜38℃の温度下に抗体産生細胞とミエローマ細
胞とを1〜10分間、好ましくは5〜8分間混合する方法
が一般的である。
エローマ細胞との融合方法は、ポリエチレングリコール
などの高濃度ポリマー溶液中で抗体産生細胞とミエロー
マ細胞とを混合する化学的方法、電気的刺激を利用する
物理的方法など特に制限はなく、細胞の生存率を強く低
下させない程度の条件下で適宜実施すれば良い。これら
の方法は、「免疫実験操作法」日本免疫学会編(1981)に
記載されている。例えば上記化学的方法をより具体的に
示せば、高濃度ポリマー溶液としてポリエチレングリコ
ールを用いる場合、分子量1500〜6000、好ましくは2000
〜4000のポリエチレングリコール中で、30〜40℃、好ま
しくは35〜38℃の温度下に抗体産生細胞とミエローマ細
胞とを1〜10分間、好ましくは5〜8分間混合する方法
が一般的である。
【0033】上記細胞融合により得られるハイブリドー
マの選択法は特に制限はないが、通常HAT (ヒポキサ
ンチン・アミノブリテリン・チミジン) 選択法が用いら
れる。HAT選択法の詳細については、「動物組織培養
法」黒田 行昭著、共立出版(1974)P313〜329 に示され
ている方法である。この方法は、アミノプテリンで生存
し得ないHGPRT欠損株のミエローマ細胞を用いてハ
イブリドーマを得る場合に有効である。即ち、前記細胞
融合によって得られたハイブリドーマをHAT培地 (ヒ
ポキシサンチン、アミノプテリン、チミジンを含む培
地) で培養を続けることにより、アミノプテリンに対す
る耐性を持ち合わせたハイブリドーマのみ選択的に残存
させ、且つ増殖せしめることができる。
マの選択法は特に制限はないが、通常HAT (ヒポキサ
ンチン・アミノブリテリン・チミジン) 選択法が用いら
れる。HAT選択法の詳細については、「動物組織培養
法」黒田 行昭著、共立出版(1974)P313〜329 に示され
ている方法である。この方法は、アミノプテリンで生存
し得ないHGPRT欠損株のミエローマ細胞を用いてハ
イブリドーマを得る場合に有効である。即ち、前記細胞
融合によって得られたハイブリドーマをHAT培地 (ヒ
ポキシサンチン、アミノプテリン、チミジンを含む培
地) で培養を続けることにより、アミノプテリンに対す
る耐性を持ち合わせたハイブリドーマのみ選択的に残存
させ、且つ増殖せしめることができる。
【0034】また、上記ハイブリドーマのクローニング
法としては、メチルセルロース法、軟アガロース法、限
界希釈法等公知の方法が特に制限なく採用される。これ
らの方法の内、特に、限界希釈法が好適である。この方
法は、マイクロプレートにラット胎児由来線繊芽細胞
株、あるいは正常マウス脾臓細胞、胸腺細胞、腹水細胞
などのフィーダ(Feeder)を接種しておく。一方、あらか
じめハイブリドーマは培地で0.2〜0.5個/0.2ml
になるように希釈しておき、この希釈したハイブリドー
マの浮遊液を各ウェルに0.1mlずつ入れる。一定期
間、例えば3日毎に約1/3 の培地を新しいものに交換す
る。そして2週間程度培養を続けるとハイブリドーマの
クローンが増殖してくる。
法としては、メチルセルロース法、軟アガロース法、限
界希釈法等公知の方法が特に制限なく採用される。これ
らの方法の内、特に、限界希釈法が好適である。この方
法は、マイクロプレートにラット胎児由来線繊芽細胞
株、あるいは正常マウス脾臓細胞、胸腺細胞、腹水細胞
などのフィーダ(Feeder)を接種しておく。一方、あらか
じめハイブリドーマは培地で0.2〜0.5個/0.2ml
になるように希釈しておき、この希釈したハイブリドー
マの浮遊液を各ウェルに0.1mlずつ入れる。一定期
間、例えば3日毎に約1/3 の培地を新しいものに交換す
る。そして2週間程度培養を続けるとハイブリドーマの
クローンが増殖してくる。
【0035】このようにして選択されたハイブリドーマ
は、これを培養することにより、モノクローナル抗体を
効率よく産生することができるが、培養に先立ち、目的
とするモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを
スクリーニングすることが好ましい。このスクリーニン
グには、公知の方法が、採用できる。例えば、固相EI
A法又は、液相EIA法、固相RIA法又は、液相RI
A法、蛍光抗体法、等が挙げられるが、本発明では、全
く未知の抗原に対する抗体が産生されている可能性があ
るため、固相EIA法を用いることが好ましい。この方
法は、マイクロプレートの各ウェルに、腫瘍細胞関連抗
原を固定化した後、ハイブリドーマを含む上清を加え、
抗原−抗体反応をおこなわしめ、その後、ウェルを洗浄
し、ペルオキシダーゼ標識抗マウスIgG 抗体やペルオキ
シダーゼ標識抗マウスIgM 抗体等の標識抗体を加える。
更に洗浄後、基質の過酸化水素と発色剤を加え、吸光度
を測定し、活性を測定する。この方法により目的とする
モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマをスクリ
ーニングすればよい。かかるスクリーニングは、上記の
ようにハイブリドーマをクローニングした後で行っても
よいし、その前に行ってもよい。
は、これを培養することにより、モノクローナル抗体を
効率よく産生することができるが、培養に先立ち、目的
とするモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを
スクリーニングすることが好ましい。このスクリーニン
グには、公知の方法が、採用できる。例えば、固相EI
A法又は、液相EIA法、固相RIA法又は、液相RI
A法、蛍光抗体法、等が挙げられるが、本発明では、全
く未知の抗原に対する抗体が産生されている可能性があ
るため、固相EIA法を用いることが好ましい。この方
法は、マイクロプレートの各ウェルに、腫瘍細胞関連抗
原を固定化した後、ハイブリドーマを含む上清を加え、
抗原−抗体反応をおこなわしめ、その後、ウェルを洗浄
し、ペルオキシダーゼ標識抗マウスIgG 抗体やペルオキ
シダーゼ標識抗マウスIgM 抗体等の標識抗体を加える。
更に洗浄後、基質の過酸化水素と発色剤を加え、吸光度
を測定し、活性を測定する。この方法により目的とする
モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマをスクリ
ーニングすればよい。かかるスクリーニングは、上記の
ようにハイブリドーマをクローニングした後で行っても
よいし、その前に行ってもよい。
【0036】本発明において、ハイブリドーマの培養方
法は、特に制限されるものではない。例えば、前記した
クローニング法で使用した培地で培養してもよく或いは
モノクローナル抗体を大量に生産するためには、マウス
腹腔内にハイブリドーマを注射し、腹水からモノクロー
ナル抗体を採取することができる。この方法は、該ハイ
ブリドーマと同系統のマウスの腹腔内にあらかじめ免疫
抑制剤を注射し、T細胞を不活性化した後、106〜107個
の該クローン細胞を血清を含まない培地中に浮遊(0.5m
l) させ、腹腔内に入れる。通常10〜20日後に腹部が膨
満し、腹水がたまったところでマウスより腹水を採取す
る。この方法で、培養液中に比べ、約100倍以上の濃度
のモノクローナル抗体が得られる。
法は、特に制限されるものではない。例えば、前記した
クローニング法で使用した培地で培養してもよく或いは
モノクローナル抗体を大量に生産するためには、マウス
腹腔内にハイブリドーマを注射し、腹水からモノクロー
ナル抗体を採取することができる。この方法は、該ハイ
ブリドーマと同系統のマウスの腹腔内にあらかじめ免疫
抑制剤を注射し、T細胞を不活性化した後、106〜107個
の該クローン細胞を血清を含まない培地中に浮遊(0.5m
l) させ、腹腔内に入れる。通常10〜20日後に腹部が膨
満し、腹水がたまったところでマウスより腹水を採取す
る。この方法で、培養液中に比べ、約100倍以上の濃度
のモノクローナル抗体が得られる。
【0037】上記方法によって得られたモノクローナル
抗体の精製方法は特に制限されない。精製法について
は、成書「免疫実験操作法」日本免疫学会編(1981)や
「役に立つ免疫実験法」西岡 久壽彌、嶋田孝吉、真崎
知生編集、講談社サイエンティフィク(1984)に詳しく
記載されている。この内代表的な方法を例示すれば、次
の方法が挙げられる。すなわち、硫安塩析法、ゲル濾過
法、イオン交換クロマトグラフィー法、アフィニティー
クロマトグラフィー法等である。
抗体の精製方法は特に制限されない。精製法について
は、成書「免疫実験操作法」日本免疫学会編(1981)や
「役に立つ免疫実験法」西岡 久壽彌、嶋田孝吉、真崎
知生編集、講談社サイエンティフィク(1984)に詳しく
記載されている。この内代表的な方法を例示すれば、次
の方法が挙げられる。すなわち、硫安塩析法、ゲル濾過
法、イオン交換クロマトグラフィー法、アフィニティー
クロマトグラフィー法等である。
【0038】これらの方法のうち、硫安塩析法を3〜4
回、好ましくは3〜6回繰り返す事によって、該モノク
ローナル抗体を精製する事は可能である。しかしこの方
法では精製モノクローナル抗体の収率が極めて低くな
る。そのため、硫安分画法を1〜2回行った粗精製モノ
クローナル抗体について、ゲル濾過法、イオン交換クロ
マトグラフィー法、アフィニティークロマトグラフィー
法等のうち、少なくとも1種類、好ましくは2種類の方
法を選択し、行う事によって高純度に精製されたモノク
ローナル抗体を高収率で得る事ができる。硫安塩析法と
他法との組み合せと順序としては、1硫安塩析法−イオ
ン交換クロマトグラフィー法−ゲル濾過法、2硫安塩析
法−イオン交換クロマトグラフィー法−アフィニティー
クロマトグラフィー法、3硫安塩析法−ゲル濾過法−ア
フィニティークロマトグラフィー法等である。高純度で
かつ高収率にモノクローナル抗体を得るためには、3の
組み合せが最適である。
回、好ましくは3〜6回繰り返す事によって、該モノク
ローナル抗体を精製する事は可能である。しかしこの方
法では精製モノクローナル抗体の収率が極めて低くな
る。そのため、硫安分画法を1〜2回行った粗精製モノ
クローナル抗体について、ゲル濾過法、イオン交換クロ
マトグラフィー法、アフィニティークロマトグラフィー
法等のうち、少なくとも1種類、好ましくは2種類の方
法を選択し、行う事によって高純度に精製されたモノク
ローナル抗体を高収率で得る事ができる。硫安塩析法と
他法との組み合せと順序としては、1硫安塩析法−イオ
ン交換クロマトグラフィー法−ゲル濾過法、2硫安塩析
法−イオン交換クロマトグラフィー法−アフィニティー
クロマトグラフィー法、3硫安塩析法−ゲル濾過法−ア
フィニティークロマトグラフィー法等である。高純度で
かつ高収率にモノクローナル抗体を得るためには、3の
組み合せが最適である。
【0039】上記モノクローナル抗体を産生するハイブ
リドーマは、液体窒素中または−80℃以下の冷凍庫中に
凍結状態で保存することができる。なお、上記モノクロ
ーナル抗体 (I) の製造に際して使用されるHU抗原と
しては、例えば、7〜10週齢のヒト胎児の破砕物を前述
した如きノニオン界面活性剤により溶解処理して得られ
る可溶化成分が好適であり、また、ヒト卵巣癌細胞由来
抗原としては、例えばヒト卵巣癌細胞の破砕物を前述し
た如きノニオン界面活性剤により溶解処理して得られる
可溶化成分が好適に使用される。
リドーマは、液体窒素中または−80℃以下の冷凍庫中に
凍結状態で保存することができる。なお、上記モノクロ
ーナル抗体 (I) の製造に際して使用されるHU抗原と
しては、例えば、7〜10週齢のヒト胎児の破砕物を前述
した如きノニオン界面活性剤により溶解処理して得られ
る可溶化成分が好適であり、また、ヒト卵巣癌細胞由来
抗原としては、例えばヒト卵巣癌細胞の破砕物を前述し
た如きノニオン界面活性剤により溶解処理して得られる
可溶化成分が好適に使用される。
【0040】本発明の提供する前記モノクローナル抗体
(I) を産生するハイブリドーマ5F11は、寄託番号,
微工研条寄第1997号(FREM BP-1997)として工業技術院
微生物工業技術研究所に寄託されている。また、本発明
の前記したモノクローナル抗体(I) の製造方法におい
て、追加免疫の抗原として、ヒト肝臓癌細胞破砕物のノ
ニオン界面活性剤による可溶化成分 (肝臓癌細胞抗原)
を用いることにより、下記の特異性を有するモノクロー
ナル抗体(以下、モノクローナル抗体(II) という)を
得ることができる。
(I) を産生するハイブリドーマ5F11は、寄託番号,
微工研条寄第1997号(FREM BP-1997)として工業技術院
微生物工業技術研究所に寄託されている。また、本発明
の前記したモノクローナル抗体(I) の製造方法におい
て、追加免疫の抗原として、ヒト肝臓癌細胞破砕物のノ
ニオン界面活性剤による可溶化成分 (肝臓癌細胞抗原)
を用いることにより、下記の特異性を有するモノクロー
ナル抗体(以下、モノクローナル抗体(II) という)を
得ることができる。
【0041】(a) α−フェトプロテインよりなる抗原
と反応し、(b) ヒト卵巣癌細胞、ヒト肺癌細胞、ヒト
膀胱癌細胞、ヒト神経癌細胞、ヒト大腸癌細胞、ヒト胚
細胞腫瘍細胞及びこれらの細胞の培養上清、並びにこれ
らの細胞破砕物のノニオン界面活性剤による可溶化成分
と実質的に反応せず、(c) ヒト腎臓正常細胞、ヒト正
常胆嚢細胞、ヒト正常白血球細胞、ヒト正常胎盤細胞、
ヒト正常脾臓細胞、ヒト正常筋肉細胞、ヒト正常肝臓細
胞、ヒト正常結腸細胞、ヒト正常腸細胞、ヒト正常膵臓
細胞、ヒト正常食道細胞、ヒト正常脳細胞、ヒト正常骨
細胞及びこれらの細胞破砕物のノニオン界面活性剤によ
る可溶化成分と実質的に反応せず、(d) 正常人血清と
反応せず、(e) ヒト未分化細胞由来抗原との反応性に
ついて、固相EIA法で測定した吸光度が、該ヒト未分
化細胞由来抗原単独について固相EIA法で測定した吸
光度に対して約2倍〜約5倍である。
と反応し、(b) ヒト卵巣癌細胞、ヒト肺癌細胞、ヒト
膀胱癌細胞、ヒト神経癌細胞、ヒト大腸癌細胞、ヒト胚
細胞腫瘍細胞及びこれらの細胞の培養上清、並びにこれ
らの細胞破砕物のノニオン界面活性剤による可溶化成分
と実質的に反応せず、(c) ヒト腎臓正常細胞、ヒト正
常胆嚢細胞、ヒト正常白血球細胞、ヒト正常胎盤細胞、
ヒト正常脾臓細胞、ヒト正常筋肉細胞、ヒト正常肝臓細
胞、ヒト正常結腸細胞、ヒト正常腸細胞、ヒト正常膵臓
細胞、ヒト正常食道細胞、ヒト正常脳細胞、ヒト正常骨
細胞及びこれらの細胞破砕物のノニオン界面活性剤によ
る可溶化成分と実質的に反応せず、(d) 正常人血清と
反応せず、(e) ヒト未分化細胞由来抗原との反応性に
ついて、固相EIA法で測定した吸光度が、該ヒト未分
化細胞由来抗原単独について固相EIA法で測定した吸
光度に対して約2倍〜約5倍である。
【0042】即ち、上記モノクローナル抗体(II) は、
α−フェトプロテインよりなる抗原と強く反応し、従っ
て、α−フェトプロテインを構成成分として含む物質の
同定・確認に使用することができる。α−フェトプロテ
イン標品を、40%ノイラミダーゼ溶液で処理すると、該
モノクローナル抗体(II) との反応性が失活するのに対
し、トリプシン処理では、高濃度トリプシン処理でも反
応性が失活しないことより、該モノクローナル抗体(I
I) は、α−フェトプロテインの糖鎖部分を認識してい
るものと思われる。
α−フェトプロテインよりなる抗原と強く反応し、従っ
て、α−フェトプロテインを構成成分として含む物質の
同定・確認に使用することができる。α−フェトプロテ
イン標品を、40%ノイラミダーゼ溶液で処理すると、該
モノクローナル抗体(II) との反応性が失活するのに対
し、トリプシン処理では、高濃度トリプシン処理でも反
応性が失活しないことより、該モノクローナル抗体(I
I) は、α−フェトプロテインの糖鎖部分を認識してい
るものと思われる。
【0043】上記α−フェトプロテインは、ヒト肝臓癌
細胞の細胞内に存在し and/or 該細胞から血液中に放出
されることが知られている(T.M.Chu:“Alpha-fetoprote
in"in Biochemical Markers for Canser Kaareel Dekke
r,New York(1982))。従って、上記モノクローナル抗体
(II) は、ヒト肝臓癌細胞、ヒト肝臓癌細胞の培養上
清、肝臓癌細胞のノニオン界面活性剤による可溶化成分
と、さらにヒト肝臓癌患者の血清とも強く反応すること
が確認されている。
細胞の細胞内に存在し and/or 該細胞から血液中に放出
されることが知られている(T.M.Chu:“Alpha-fetoprote
in"in Biochemical Markers for Canser Kaareel Dekke
r,New York(1982))。従って、上記モノクローナル抗体
(II) は、ヒト肝臓癌細胞、ヒト肝臓癌細胞の培養上
清、肝臓癌細胞のノニオン界面活性剤による可溶化成分
と、さらにヒト肝臓癌患者の血清とも強く反応すること
が確認されている。
【0044】また、モノクローナル抗体(II) は、細胞
の類似性に基づく交叉反応のためヒト正常肝臓細胞の抽
出物とも弱く反応する。しかし、本発明のモノクローナ
ル抗体(II) のHU抗原及びヒト正常肝臓細胞に対する
上記の如き弱い反応性は、α−フェトプロテインに対す
る反応性に比べて格段に弱く、モノクローナル抗体(I
I) を利用したα−フェトプロテインの検出に際して実
質的支障を生ずることはない。
の類似性に基づく交叉反応のためヒト正常肝臓細胞の抽
出物とも弱く反応する。しかし、本発明のモノクローナ
ル抗体(II) のHU抗原及びヒト正常肝臓細胞に対する
上記の如き弱い反応性は、α−フェトプロテインに対す
る反応性に比べて格段に弱く、モノクローナル抗体(I
I) を利用したα−フェトプロテインの検出に際して実
質的支障を生ずることはない。
【0045】尚、上記モノクローナル抗体(II) は、ヒ
ト正常肝臓細胞の破砕物のノニオン界面活性剤による可
溶化成分との反応性について、固相EIA法で測定した
吸光度が、該可溶化成分単独について固相EIA法で測
定した吸光度に対して、約2倍〜約5倍反応した。上記
モノクローナル抗体(II) を産生するハイブリドーマ6
H13は、寄託番号,微工研条寄第2525号(FREM BP-25
25)として工業技術院微生物工業技術研究所に寄託され
ている。
ト正常肝臓細胞の破砕物のノニオン界面活性剤による可
溶化成分との反応性について、固相EIA法で測定した
吸光度が、該可溶化成分単独について固相EIA法で測
定した吸光度に対して、約2倍〜約5倍反応した。上記
モノクローナル抗体(II) を産生するハイブリドーマ6
H13は、寄託番号,微工研条寄第2525号(FREM BP-25
25)として工業技術院微生物工業技術研究所に寄託され
ている。
【0046】本発明において、提供される上記のモノク
ローナル抗体 (I) 及び (II) は、それぞれシアル酸含
有糖蛋白及びα−フェトプロテインを特異的に認識しう
るという特性を有することを利用して、以下の様な応用
が可能である。即ち、モノクローナル抗体(I) は、Wei
r.D.M.:Handbook of Expe- rimental Immunology Vol.
1,2,3 Blackwell Scien-tific Publications,Oxford(19
78) に記載されているRIA法(Radio Immuno Assay)や
固相EIA法や蛍光抗体法等を用い、体液中の抗原濃度
を測定したり、放射性同位元素で標識したモノクローナ
ル抗体 (I) の放射活性をイメージングするなどして、
卵巣癌及び肺癌の非常に精度の高い診断を行うことがで
きる。また、卵巣癌や肺癌組織を標的とした免疫療法
や、抗癌剤を卵巣癌や肺癌に特異的に運搬する抗癌剤−
モノクローナル抗体複合体によるミサイル療法等の治療
への応用も可能である。更にモノクローナル抗体(II)
も同様の方法で肝臓癌の診断及び治療に応用可能であ
る。
ローナル抗体 (I) 及び (II) は、それぞれシアル酸含
有糖蛋白及びα−フェトプロテインを特異的に認識しう
るという特性を有することを利用して、以下の様な応用
が可能である。即ち、モノクローナル抗体(I) は、Wei
r.D.M.:Handbook of Expe- rimental Immunology Vol.
1,2,3 Blackwell Scien-tific Publications,Oxford(19
78) に記載されているRIA法(Radio Immuno Assay)や
固相EIA法や蛍光抗体法等を用い、体液中の抗原濃度
を測定したり、放射性同位元素で標識したモノクローナ
ル抗体 (I) の放射活性をイメージングするなどして、
卵巣癌及び肺癌の非常に精度の高い診断を行うことがで
きる。また、卵巣癌や肺癌組織を標的とした免疫療法
や、抗癌剤を卵巣癌や肺癌に特異的に運搬する抗癌剤−
モノクローナル抗体複合体によるミサイル療法等の治療
への応用も可能である。更にモノクローナル抗体(II)
も同様の方法で肝臓癌の診断及び治療に応用可能であ
る。
【0047】上記診断用試薬としての用途において、モ
ノクローナル抗体は、0.05mg/ml〜0.5mg/ml濃度に、0.0
5M〜0.2M濃度の公知の緩衝液(pH6.5〜pH8.5)で希釈し
て用いることが好適である。このとき用いる緩衝液とし
ては、リン酸緩衝液、マクラーレン緩衝液、トリス緩衝
液、ベロナール緩衝液、グリシン緩衝液等が考えられ
る。更にこれらの緩衝液で緩衝化した生理食塩水を用い
ることも好適である。また、該モノクローナル抗体を担
体に固定化し、凝集反応用試薬として使用する場合は、
公知の担体を使用することができる。例えば、特開昭 6
1-223647号に記載されている様な担体を用いる場合、該
モノクローナル抗体を担体に0.05mg/ml〜1mg/ml濃度の
感作し、該感作担体を、0.01%〜0.1%になるように、
1%〜5%濃度の正常ウサギ血清を含む緩衝液中に分散
し、試薬として使用できる。このとき用いる緩衝液とし
ては、上記した緩衝液及び緩衝化生理食塩水が好適であ
る。
ノクローナル抗体は、0.05mg/ml〜0.5mg/ml濃度に、0.0
5M〜0.2M濃度の公知の緩衝液(pH6.5〜pH8.5)で希釈し
て用いることが好適である。このとき用いる緩衝液とし
ては、リン酸緩衝液、マクラーレン緩衝液、トリス緩衝
液、ベロナール緩衝液、グリシン緩衝液等が考えられ
る。更にこれらの緩衝液で緩衝化した生理食塩水を用い
ることも好適である。また、該モノクローナル抗体を担
体に固定化し、凝集反応用試薬として使用する場合は、
公知の担体を使用することができる。例えば、特開昭 6
1-223647号に記載されている様な担体を用いる場合、該
モノクローナル抗体を担体に0.05mg/ml〜1mg/ml濃度の
感作し、該感作担体を、0.01%〜0.1%になるように、
1%〜5%濃度の正常ウサギ血清を含む緩衝液中に分散
し、試薬として使用できる。このとき用いる緩衝液とし
ては、上記した緩衝液及び緩衝化生理食塩水が好適であ
る。
【0048】
【発明の効果】以上の説明より理解されるように本発明
によれば、今まで有効なモノクローナル抗体の存在しな
かった卵巣癌及び肺癌について、卵巣癌関連抗原及び肺
癌関連抗原を特異的に認識する新規なモノクローナル抗
体が提供される。また、上記卵巣癌及び肺癌のように、
腫瘍関連抗原が未知の腫瘍に対して、その腫瘍関連抗原
を特異的に認識するモノクローナル抗体を効率的に得る
ことができるモノクローナル抗体の製造法が提供され
る。勿論、肝臓癌等のように、腫瘍関連抗原が既知の腫
瘍に対してもかかる方法は適用可能である。
によれば、今まで有効なモノクローナル抗体の存在しな
かった卵巣癌及び肺癌について、卵巣癌関連抗原及び肺
癌関連抗原を特異的に認識する新規なモノクローナル抗
体が提供される。また、上記卵巣癌及び肺癌のように、
腫瘍関連抗原が未知の腫瘍に対して、その腫瘍関連抗原
を特異的に認識するモノクローナル抗体を効率的に得る
ことができるモノクローナル抗体の製造法が提供され
る。勿論、肝臓癌等のように、腫瘍関連抗原が既知の腫
瘍に対してもかかる方法は適用可能である。
【0049】
【実施例】次に実施例により本発明を詳細に説明する。 実施例1 1) ヒト未分化細胞抗原 (HU抗原) の調製法 日本産婦人科学会規約に基づき合法的に入手した7−10
週齢の死亡した胎児から分化済みの肝臓及び腸を取り除
き、この処理胎児に01% NP-40を含む01Mリン酸緩
衝液(pH7.4) 150mlを加え、細胞破砕機で破砕した。こ
の破砕物を4℃、一晩攪拌後、不溶成分を遠心分離(100
00rpm,1時間) した。この遠心上清をMillipore filter
0.45um (日本ミリポア社製) を通し、抗原として用い
た。この抗原の蛋白濃度は、10mg/mlであった。
週齢の死亡した胎児から分化済みの肝臓及び腸を取り除
き、この処理胎児に01% NP-40を含む01Mリン酸緩
衝液(pH7.4) 150mlを加え、細胞破砕機で破砕した。こ
の破砕物を4℃、一晩攪拌後、不溶成分を遠心分離(100
00rpm,1時間) した。この遠心上清をMillipore filter
0.45um (日本ミリポア社製) を通し、抗原として用い
た。この抗原の蛋白濃度は、10mg/mlであった。
【0050】2) 追加免疫用卵巣癌由来抗原 (QC抗
原) の調製 ヒト卵巣癌組織を、0.1% NP-40を含む0.1M PBS
中で破砕し、4℃一晩攪拌し、可溶化抽出する。この抽
出液を遠心分離し、不溶成分を除く。得られた抽出液を
Millipore filter 0.45um(日本ミリポア社製) に通し、
蛋白濃度が、5mg/mlになるように0.1M PBSで希釈
し、追加免疫抗原として用いた。
原) の調製 ヒト卵巣癌組織を、0.1% NP-40を含む0.1M PBS
中で破砕し、4℃一晩攪拌し、可溶化抽出する。この抽
出液を遠心分離し、不溶成分を除く。得られた抽出液を
Millipore filter 0.45um(日本ミリポア社製) に通し、
蛋白濃度が、5mg/mlになるように0.1M PBSで希釈
し、追加免疫抗原として用いた。
【0051】3) BALB/cマウスへの免疫 1) で得られた抗原を0.1mlずつ、2週間間隔で3
回、BALB/c系統マウスに腹腔内投与する。次いで
最終回投与として、同マウスに1) で得られた抗原0.
1mlを、経静脈投与する。最終回投与後、2週間後に上
記2) で調製したQC抗原0.1mlを同マウスの経静脈
に投与し追加免疫を行った。
回、BALB/c系統マウスに腹腔内投与する。次いで
最終回投与として、同マウスに1) で得られた抗原0.
1mlを、経静脈投与する。最終回投与後、2週間後に上
記2) で調製したQC抗原0.1mlを同マウスの経静脈
に投与し追加免疫を行った。
【0052】4) 細胞融合法 3) で追加免疫を行って3日後の該被免疫マウスから脾
臓細胞を無菌的に摘出し、該脾臓細胞を細切した後、ス
テンレスメッシュで圧迫、濾過しイーグルス・ミニマム
・エッセンシャル・メディウム (MEM) に浮遊させ、
脾臓細胞浮遊液を得た。この脾臓細胞浮遊液とマウスミ
エローマ細胞 NS-1 をそれぞれ血清を含まないMEMで
3回洗浄し、脾臓細胞と NS-1 とを10:1 で混合して遠
心後 (800rpm, 5分間) 、沈澱をほぐし、44%ポリエチ
レングリコール2000/MEM溶液1mlを徐々に加え、37
℃、8分間インキュベーションし、細胞融合を行った。
8分後、MEM1mlを加え、更に毎分2mlの割合でME
Mを添加し、計10mlとした後、1000rpm、5分間遠心し
て上清を除去した。この細胞沈澱物を10%ウシ胎児血清
含有ロズウェル・パーク・メモリアル・インスティチュ
ート (RPMI) 1640培地に NS-1 が1×104 個/mlに
なるように懸濁し、96穴マイクロプレートに0.1mlず
つ植え付けた。1日後、HAT (ヒポキサンチン1×10
-4M 、アミノプテリン4×10-7M 、チミジン1.6×10
-5M)を含んだRPMI1640−10%FCS培地 (以下、H
AT培地という) を各ウェルに0.1mlずつ添加し、そ
の後、3〜4日後に1/2量をHAT培地で交換して、H
AT培地によるハイブリドーマの選択を進めた。10〜14
日後にほぼ完全ウェルでハイブリドーマが増殖した。こ
のとき、ハイブリドーマの出現率は、18.7%であった。
臓細胞を無菌的に摘出し、該脾臓細胞を細切した後、ス
テンレスメッシュで圧迫、濾過しイーグルス・ミニマム
・エッセンシャル・メディウム (MEM) に浮遊させ、
脾臓細胞浮遊液を得た。この脾臓細胞浮遊液とマウスミ
エローマ細胞 NS-1 をそれぞれ血清を含まないMEMで
3回洗浄し、脾臓細胞と NS-1 とを10:1 で混合して遠
心後 (800rpm, 5分間) 、沈澱をほぐし、44%ポリエチ
レングリコール2000/MEM溶液1mlを徐々に加え、37
℃、8分間インキュベーションし、細胞融合を行った。
8分後、MEM1mlを加え、更に毎分2mlの割合でME
Mを添加し、計10mlとした後、1000rpm、5分間遠心し
て上清を除去した。この細胞沈澱物を10%ウシ胎児血清
含有ロズウェル・パーク・メモリアル・インスティチュ
ート (RPMI) 1640培地に NS-1 が1×104 個/mlに
なるように懸濁し、96穴マイクロプレートに0.1mlず
つ植え付けた。1日後、HAT (ヒポキサンチン1×10
-4M 、アミノプテリン4×10-7M 、チミジン1.6×10
-5M)を含んだRPMI1640−10%FCS培地 (以下、H
AT培地という) を各ウェルに0.1mlずつ添加し、そ
の後、3〜4日後に1/2量をHAT培地で交換して、H
AT培地によるハイブリドーマの選択を進めた。10〜14
日後にほぼ完全ウェルでハイブリドーマが増殖した。こ
のとき、ハイブリドーマの出現率は、18.7%であった。
【0053】5) 抗体産生細胞の選択 以下のTC抗原を用意した。ヒト肺癌系列として、SK-M
ES-1, ME 180, MBI;ヒト肝臓癌系列として、 L1-7, HuH
-7, HC-4; ヒト膀胱癌として、HuB-4, HuB-15,Hu-15N,
HuB-40;ヒト神経癌として、SK-N-FI, SK-N-AS, SK-N-D
Z;ヒト大腸癌として、CO-3;ヒト卵巣癌として、NEC;以
上15種類、更にヒト正常細胞としてヒト腎臓細胞、ヒト
甲状腺細胞、ヒト胆嚢細胞、ヒト白血球細胞、ヒト胎盤
細胞、ヒト脾臓細胞、ヒト筋肉細胞、ヒト肺細胞、ヒト
肝臓細胞、ヒト結腸細胞、ヒト腸細胞、ヒト膵臓細胞、
ヒト食道細胞、ヒト脳細胞、ヒト骨細胞及びHU抗原で
ある。
ES-1, ME 180, MBI;ヒト肝臓癌系列として、 L1-7, HuH
-7, HC-4; ヒト膀胱癌として、HuB-4, HuB-15,Hu-15N,
HuB-40;ヒト神経癌として、SK-N-FI, SK-N-AS, SK-N-D
Z;ヒト大腸癌として、CO-3;ヒト卵巣癌として、NEC;以
上15種類、更にヒト正常細胞としてヒト腎臓細胞、ヒト
甲状腺細胞、ヒト胆嚢細胞、ヒト白血球細胞、ヒト胎盤
細胞、ヒト脾臓細胞、ヒト筋肉細胞、ヒト肺細胞、ヒト
肝臓細胞、ヒト結腸細胞、ヒト腸細胞、ヒト膵臓細胞、
ヒト食道細胞、ヒト脳細胞、ヒト骨細胞及びHU抗原で
ある。
【0054】SK-MES-1細胞を、0.1% NP-40を含む0.
1M PBS中で破砕し、4℃一晩攪拌し、可溶化抽出し
た。この抽出液を遠心分離し、不溶成分を除き、得られ
た抽出液の蛋白濃度が、0.5mg/mlになるように、0.
1M PBSで希釈する。次に96穴のEIA用マイクロプ
レートを用意し、このプレートに希釈した抽出液を、各
ウェルに50μlずつ分注した。分注済みプレートを、37
℃、2時間インキュベーションし、0.05% Tween80を含
むPBS(T-80PBS) で3回洗浄した後、各ウェルに
0.1%牛血清アルブミン(BSA)を50μl加え、そ
のまま4℃に保存した(腫瘍細胞固定化プレート)。
1M PBS中で破砕し、4℃一晩攪拌し、可溶化抽出し
た。この抽出液を遠心分離し、不溶成分を除き、得られ
た抽出液の蛋白濃度が、0.5mg/mlになるように、0.
1M PBSで希釈する。次に96穴のEIA用マイクロプ
レートを用意し、このプレートに希釈した抽出液を、各
ウェルに50μlずつ分注した。分注済みプレートを、37
℃、2時間インキュベーションし、0.05% Tween80を含
むPBS(T-80PBS) で3回洗浄した後、各ウェルに
0.1%牛血清アルブミン(BSA)を50μl加え、そ
のまま4℃に保存した(腫瘍細胞固定化プレート)。
【0055】同様にして、前記各TC抗原及び正常細胞
について、TC抗原固定化プレート及び正常細胞固定化
プレートを作製した。保存したTC細胞固定化プレート
を、T-80PBSで3回洗浄し、上記4) で得られた培養
上清を、各ウェルに50μlずつ加え、1時間、37℃でイ
ンキュベーションした後、T-80PBSで3回洗浄し、更
にペロオキシダーゼ (HRP) 標識抗マウスIgG 抗体
を、1000倍希釈し、各ウェルに50μlずつ加え、1時
間、37℃でインキュベーションした。
について、TC抗原固定化プレート及び正常細胞固定化
プレートを作製した。保存したTC細胞固定化プレート
を、T-80PBSで3回洗浄し、上記4) で得られた培養
上清を、各ウェルに50μlずつ加え、1時間、37℃でイ
ンキュベーションした後、T-80PBSで3回洗浄し、更
にペロオキシダーゼ (HRP) 標識抗マウスIgG 抗体
を、1000倍希釈し、各ウェルに50μlずつ加え、1時
間、37℃でインキュベーションした。
【0056】このプレートを、T-80PBSで3回洗浄
し、0.02M リン酸−クエン酸緩衝液(pH8.0)60ml、過酸
化水素水5μl、ABTS50mg含む発色液を各ウェル
に、100μlずつ加え、発色させた後、0.25%HF溶液
で反応を停止させ、510nm の吸光度を測定して抗体産生
細胞より産生される抗体の各TC抗原に対する反応性を
みた。このときのTC抗原との反応率は、15.3%であっ
た。
し、0.02M リン酸−クエン酸緩衝液(pH8.0)60ml、過酸
化水素水5μl、ABTS50mg含む発色液を各ウェル
に、100μlずつ加え、発色させた後、0.25%HF溶液
で反応を停止させ、510nm の吸光度を測定して抗体産生
細胞より産生される抗体の各TC抗原に対する反応性を
みた。このときのTC抗原との反応率は、15.3%であっ
た。
【0057】6) ハイブリドーマのクローニング 上記5)で反応性を示したマイクロプレートのウェルの
ハイブリドーマを取り出し、10%ウシ胎児血清添加RP
MI1640培地で希釈し、マイクロトレイに0.5個/ウ
ェルの割に接種した。マイクロトレイは、予め、マウス
の腹腔細胞を Feeder cellとして、2×106個/ml接
種、培養したものを用いた。培地交換しながら約2週間
培養を続け、ハイブリドーマのコロニーの出現したウェ
ル中の抗体を、5) に示した方法により測定し、QC抗
原に対して陽性を示したハイブリドーマを選択し、再度
クローニングした。得られたハイブリドーマ5F11は、
寄託番号、微工研条寄第1997号(FREM BP-1997)として
工業技術院微生物工業技術研究所に寄託した。
ハイブリドーマを取り出し、10%ウシ胎児血清添加RP
MI1640培地で希釈し、マイクロトレイに0.5個/ウ
ェルの割に接種した。マイクロトレイは、予め、マウス
の腹腔細胞を Feeder cellとして、2×106個/ml接
種、培養したものを用いた。培地交換しながら約2週間
培養を続け、ハイブリドーマのコロニーの出現したウェ
ル中の抗体を、5) に示した方法により測定し、QC抗
原に対して陽性を示したハイブリドーマを選択し、再度
クローニングした。得られたハイブリドーマ5F11は、
寄託番号、微工研条寄第1997号(FREM BP-1997)として
工業技術院微生物工業技術研究所に寄託した。
【0058】7) モノクローナル抗体の作製 7週齢以上のBALB/c系統マウスにプリンスタン
(アイドリッチ社製) 0.5mlを腹腔内投与し、1週間以
上経過した後、in vivo で培養、増殖させたハイブリド
ーマ5F11 1〜9×106個/マウスを腹腔内接種した。
ハイブリドーマ5F11を接種した1週間後から、マウス
の体重は急激に増加し、10〜15日にピークに達した。体
重がピークの前後にマウスから腹水を採取した。これを
3000rpm,10分間遠心分離し、5〜15ml/匹のモノクロー
ナル抗体含有腹水を得た。
(アイドリッチ社製) 0.5mlを腹腔内投与し、1週間以
上経過した後、in vivo で培養、増殖させたハイブリド
ーマ5F11 1〜9×106個/マウスを腹腔内接種した。
ハイブリドーマ5F11を接種した1週間後から、マウス
の体重は急激に増加し、10〜15日にピークに達した。体
重がピークの前後にマウスから腹水を採取した。これを
3000rpm,10分間遠心分離し、5〜15ml/匹のモノクロー
ナル抗体含有腹水を得た。
【0059】8) モノクローナル抗体の精製 7)で得られた腹水10mlから、Hudsonら(Precti-cal imm
unology Blackwall Sci. Pub., 1976年) の方法に準じ
てモノクローナル抗体を精製した。腹水10mlに飽和硫安
水10mlを加え、静置後、遠心分離する。得られた沈澱を
0.1M リン酸緩衝液(PB)5mlに溶解し、0.1M
PB 500mlに対し透析を行う。透析後10000rpm、10分間
遠心分離して、上清をえた。この上清をDEAEセファ
ロースカラム (ファルマシア社製) にかけ、PBで洗浄
後、塩濃度によるリニアグラジュエントをかけ、抗体画
分を溶出する。得られた抗体画分を更にセファデックス
G-200カラム (ファルマシア社製) にかけ、分画溶出
し、5F11モノクローナル抗体153μg をえた。
unology Blackwall Sci. Pub., 1976年) の方法に準じ
てモノクローナル抗体を精製した。腹水10mlに飽和硫安
水10mlを加え、静置後、遠心分離する。得られた沈澱を
0.1M リン酸緩衝液(PB)5mlに溶解し、0.1M
PB 500mlに対し透析を行う。透析後10000rpm、10分間
遠心分離して、上清をえた。この上清をDEAEセファ
ロースカラム (ファルマシア社製) にかけ、PBで洗浄
後、塩濃度によるリニアグラジュエントをかけ、抗体画
分を溶出する。得られた抗体画分を更にセファデックス
G-200カラム (ファルマシア社製) にかけ、分画溶出
し、5F11モノクローナル抗体153μg をえた。
【0060】9) モノクローナル抗体の反応性 (a) 細胞抽出物との反応性 5) で用意したTC抗原固定化プレート、正常細胞固定
化プレートHU抗原固定化プレートを用い、8) で得ら
れたモノクローナル抗体を10μg/mlになるように、P
Bで希釈し、8) の培養上清のかわりに用い同様の操作
を行い、TC抗原、正常細胞及びHU抗原の抽出物に対
するモノクローナル抗体の反応性をみた。結果を第1表
に示した。
化プレートHU抗原固定化プレートを用い、8) で得ら
れたモノクローナル抗体を10μg/mlになるように、P
Bで希釈し、8) の培養上清のかわりに用い同様の操作
を行い、TC抗原、正常細胞及びHU抗原の抽出物に対
するモノクローナル抗体の反応性をみた。結果を第1表
に示した。
【0061】
【表1】
【0062】(b) 細胞培養上清との反応性 5) のTC抗原細胞を無血清培地 (GIT・ダイゴT培
地、日本製薬(株)製) を用い、継代培養し、馴化し、
培養上清をえた。これらの培養上清を1mg/mlの蛋白濃
度になるように、濃縮し、5) と同様の方法で各TC抗
原細胞培養上清固定化プレートをえた。このTC抗原細
胞培養上清固定化プレートを用い、9)、(a) と同様の
方法でモノクローナル抗体との反応性をみた。結果を第
2表に示した。
地、日本製薬(株)製) を用い、継代培養し、馴化し、
培養上清をえた。これらの培養上清を1mg/mlの蛋白濃
度になるように、濃縮し、5) と同様の方法で各TC抗
原細胞培養上清固定化プレートをえた。このTC抗原細
胞培養上清固定化プレートを用い、9)、(a) と同様の
方法でモノクローナル抗体との反応性をみた。結果を第
2表に示した。
【0063】
【表2】
【0064】(c) 細胞との反応性 5) で用意したTC抗原細胞及び正常細胞についてパラ
フィン切片上でのABC法による免疫組織染色法(Hsu,e
t al.,J.Histochem.Cytochem.,29, 577-581,1981) を用
いて該モノクローナル抗体との反応性を調べた。細胞の
パラフィン切片は、細胞を10%リン酸緩衝ホルマリンで
固定化し、パラフィン包埋し、薄切した後、スライドグ
ラスに貼布する。次いで20分間脱パラフィンした後、P
BSで洗浄し、0.25%トリプシン溶液に37℃、1時間浸
漬する。浸漬後、PBSで洗浄し、0.3%H2O2溶液
に室温、30分間浸漬する。ついで、ヤギ正常血清 (NG
S)でマスキングを行い、該モノクローナル抗体を1mg/
ml濃度で1時間反応させる。反応後PBSで洗浄し、ビ
オチン標識ヤギ抗マウスIgG(TAGO社製) を20倍希釈
で反応させ、PBSで洗浄する。洗浄後、ペクタスティ
ンABCキットより調製したABC溶液0.5mlを反応
させ、PBSで洗浄し、0.005%H2O2・Diaminoben-zid
inetetrahydrochloride (DAB) 溶液と反応させ、P
BSで洗浄し、1%メチルグリーンで後染し、グリセリ
ンセラチンで封入する。封入後のサンプルを光学顕微鏡
で観察し、細胞の被染色度からモノクローナル抗体と細
胞の反応性を調べた。結果を第3表に示した。
フィン切片上でのABC法による免疫組織染色法(Hsu,e
t al.,J.Histochem.Cytochem.,29, 577-581,1981) を用
いて該モノクローナル抗体との反応性を調べた。細胞の
パラフィン切片は、細胞を10%リン酸緩衝ホルマリンで
固定化し、パラフィン包埋し、薄切した後、スライドグ
ラスに貼布する。次いで20分間脱パラフィンした後、P
BSで洗浄し、0.25%トリプシン溶液に37℃、1時間浸
漬する。浸漬後、PBSで洗浄し、0.3%H2O2溶液
に室温、30分間浸漬する。ついで、ヤギ正常血清 (NG
S)でマスキングを行い、該モノクローナル抗体を1mg/
ml濃度で1時間反応させる。反応後PBSで洗浄し、ビ
オチン標識ヤギ抗マウスIgG(TAGO社製) を20倍希釈
で反応させ、PBSで洗浄する。洗浄後、ペクタスティ
ンABCキットより調製したABC溶液0.5mlを反応
させ、PBSで洗浄し、0.005%H2O2・Diaminoben-zid
inetetrahydrochloride (DAB) 溶液と反応させ、P
BSで洗浄し、1%メチルグリーンで後染し、グリセリ
ンセラチンで封入する。封入後のサンプルを光学顕微鏡
で観察し、細胞の被染色度からモノクローナル抗体と細
胞の反応性を調べた。結果を第3表に示した。
【0065】
【表3】
【0066】10) モノクローナル抗体(I)のIg クラ
ス 1/15M PBSにアガロース1%を加え、煮沸溶解後、ス
ライドグラス上で厚さ1mmに固化する。直径3mmの穴を
3mm間隔で開け、各穴に、抗マウスIg クラスの血清15
μlと、8) で得られたモノクローナル抗体溶液15μl
を入れ、湿潤箱中に16時間放置する。8) で得られたモ
ノクローナル抗体は、抗マウスIgM 血清に抗原−抗体反
応に基づく沈降線を示した。
ス 1/15M PBSにアガロース1%を加え、煮沸溶解後、ス
ライドグラス上で厚さ1mmに固化する。直径3mmの穴を
3mm間隔で開け、各穴に、抗マウスIg クラスの血清15
μlと、8) で得られたモノクローナル抗体溶液15μl
を入れ、湿潤箱中に16時間放置する。8) で得られたモ
ノクローナル抗体は、抗マウスIgM 血清に抗原−抗体反
応に基づく沈降線を示した。
【0067】11) モノクローナル抗体(I)の認識抗原
の同定 スラブ電気泳動装置 (アトー社製) の10cm×10cmのガラ
ス板2枚の間に、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム (S
DS) を含む5%アクリルアミド溶液と0.1過硫酸ナ
トリウムを注入し、固化させ、SDS電気泳動用プレー
トを2枚作製する。2) で得られたQC抗原10μlと、
0.01%ブロモフェニールブルー (シグマ社製) を含む2
mMトデシル硫酸ナトリウム (SDS) 溶液40μlを加
え、 100℃、1分間加熱した。加熱後、各々のSDS電
気泳動用プレートに添加し、5mAで10時間通電し電気泳
動を行った。通電後、一枚のプレートは、クマシーブリ
リアントブルー (シグマ社製) で染色し、分子量を測定
した。ニトロセルロース膜を用意し、もう一枚のプレー
トをブロッティング装置 (アトー社製) を用いて、ニト
ロセルロース膜に転写した後、モノクローナル抗体と反
応させた。
の同定 スラブ電気泳動装置 (アトー社製) の10cm×10cmのガラ
ス板2枚の間に、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム (S
DS) を含む5%アクリルアミド溶液と0.1過硫酸ナ
トリウムを注入し、固化させ、SDS電気泳動用プレー
トを2枚作製する。2) で得られたQC抗原10μlと、
0.01%ブロモフェニールブルー (シグマ社製) を含む2
mMトデシル硫酸ナトリウム (SDS) 溶液40μlを加
え、 100℃、1分間加熱した。加熱後、各々のSDS電
気泳動用プレートに添加し、5mAで10時間通電し電気泳
動を行った。通電後、一枚のプレートは、クマシーブリ
リアントブルー (シグマ社製) で染色し、分子量を測定
した。ニトロセルロース膜を用意し、もう一枚のプレー
トをブロッティング装置 (アトー社製) を用いて、ニト
ロセルロース膜に転写した後、モノクローナル抗体と反
応させた。
【0068】次いで、HRP標識抗マウスIgM 抗体を反
応させた後、発色液を用いて染色し、抗原のバンドを確
認した。このとき、該抗原の分子量は、約60万であっ
た。更にこの抗原を40%のノイラモダーゼ溶液で、37
℃、30分間処理し、5) と同様に腫瘍細胞固定化プレー
トを作製し、反応を調べたところ、反応性が消失した。
このことより、この抗原は糖鎖を含み、この糖鎖は、シ
アル酸であると推測された。
応させた後、発色液を用いて染色し、抗原のバンドを確
認した。このとき、該抗原の分子量は、約60万であっ
た。更にこの抗原を40%のノイラモダーゼ溶液で、37
℃、30分間処理し、5) と同様に腫瘍細胞固定化プレー
トを作製し、反応を調べたところ、反応性が消失した。
このことより、この抗原は糖鎖を含み、この糖鎖は、シ
アル酸であると推測された。
【0069】実施例2 実施例1の1) と同様の方法で、HU抗原を調製した。
次いで、ヒト肝臓癌細胞から実施例1の2) と同様の方
法で、TC抗原を調製した。これらの抗原を、実施例1
の3) と同様の方法で、免疫及び、追加免疫した。追加
免疫後、実施例1の4) と同様に細胞融合を行い、実施
例1の5) と同様に、ハイブリドーマから抗体産生細胞
を選択した。このときの融合率は18.6%、反応率は15.3
%であった。そのうちの反応陽性のハイブリドーマを実
施例1の6) と同様の方法でクローニングし、得られた
ハイブリドーマ6H13を得た。この6H13は、寄託番
号、微工研条寄第2525号(FREM BP-2525)として工業技
術院微生物工業技術研究所に寄託した。このハイブリド
ーマより実施例1の7)、8)と同様の方法で、モノク
ローナル抗体(II)を精製した。得られたモノクローナ
ル抗体(II)の反応性を前記第1表に示した。
次いで、ヒト肝臓癌細胞から実施例1の2) と同様の方
法で、TC抗原を調製した。これらの抗原を、実施例1
の3) と同様の方法で、免疫及び、追加免疫した。追加
免疫後、実施例1の4) と同様に細胞融合を行い、実施
例1の5) と同様に、ハイブリドーマから抗体産生細胞
を選択した。このときの融合率は18.6%、反応率は15.3
%であった。そのうちの反応陽性のハイブリドーマを実
施例1の6) と同様の方法でクローニングし、得られた
ハイブリドーマ6H13を得た。この6H13は、寄託番
号、微工研条寄第2525号(FREM BP-2525)として工業技
術院微生物工業技術研究所に寄託した。このハイブリド
ーマより実施例1の7)、8)と同様の方法で、モノク
ローナル抗体(II)を精製した。得られたモノクローナ
ル抗体(II)の反応性を前記第1表に示した。
【0070】実施例3 実施例1の1) と同様の方法で、HU抗原を調製した。
次いで、ヒト膀胱癌細胞から実施例1の2) と同様の方
法で、TC抗原を調製した。これらの抗原を、実施例1
の3) と同様の方法で、免疫及び、追加免疫した。追加
免疫後、実施例1の4) と同様に細胞融合を行い、実施
例1の5) と同様に、ハイブリドーマから抗体産生細胞
を選択した。このときの融合率は16.2%、反応率は14.3
%であった。反応陽性のハイブリドーマを、実施例1の
6) と同様の方法でクローニングし、得られたハイブリ
ドーマ6G12から、実施例1の7)、8) と同様の方法
で、モノクローナル抗体を精製した。得られたモノクロ
ーナル抗体の反応性を、前記第1表に示した。
次いで、ヒト膀胱癌細胞から実施例1の2) と同様の方
法で、TC抗原を調製した。これらの抗原を、実施例1
の3) と同様の方法で、免疫及び、追加免疫した。追加
免疫後、実施例1の4) と同様に細胞融合を行い、実施
例1の5) と同様に、ハイブリドーマから抗体産生細胞
を選択した。このときの融合率は16.2%、反応率は14.3
%であった。反応陽性のハイブリドーマを、実施例1の
6) と同様の方法でクローニングし、得られたハイブリ
ドーマ6G12から、実施例1の7)、8) と同様の方法
で、モノクローナル抗体を精製した。得られたモノクロ
ーナル抗体の反応性を、前記第1表に示した。
【0071】比較例1 1) HU抗原の調製法 日本産婦人科学会規約に基づき合法的に入手した7−10
週齢の死亡したEHuに、01% NP-40を含む01M リ
ン酸緩衝液(pH7.4) 150mlを加え、ホモゲナイズした。
この物を4℃、一晩攪拌後、不溶成分を遠心分離(10000
rpm,1時間) した。この遠心上清をMillipore filter
0.45μm(日本ミリポア社製) に通し、HU抗原として
用いた。このHU抗原の蛋白濃度は、15mg/mlであっ
た。
週齢の死亡したEHuに、01% NP-40を含む01M リ
ン酸緩衝液(pH7.4) 150mlを加え、ホモゲナイズした。
この物を4℃、一晩攪拌後、不溶成分を遠心分離(10000
rpm,1時間) した。この遠心上清をMillipore filter
0.45μm(日本ミリポア社製) に通し、HU抗原として
用いた。このHU抗原の蛋白濃度は、15mg/mlであっ
た。
【0072】2) BALB/cマウスへの免疫 1) で得られたHU抗原を0.1mlずつ、2週間間隔で
3回、BALB/c系統マウスに腹腔内投与する。次い
で最終回投与として、同マウスに1) で得られた抗原
0.1mlを、経静脈投与する。最終回投与後、3日目
に、マウスから全採血した。
3回、BALB/c系統マウスに腹腔内投与する。次い
で最終回投与として、同マウスに1) で得られた抗原
0.1mlを、経静脈投与する。最終回投与後、3日目
に、マウスから全採血した。
【0073】3) 抗体の精製 2) で得られた血液を、室温に2時間放置し、凝固さ
せ、血清化する。この血清を飽和硫安を用い、33%飽和
硫安塩析を3回繰り返し、0.15Mリン酸緩衝化生理食塩
水(PBS) (pH7.4)に対し透析を行い、精製抗体を得
た。精製抗体の蛋白濃度は、1.5mg/mlであった。抗体
使用時は、PBSで10倍希釈して用いた。
せ、血清化する。この血清を飽和硫安を用い、33%飽和
硫安塩析を3回繰り返し、0.15Mリン酸緩衝化生理食塩
水(PBS) (pH7.4)に対し透析を行い、精製抗体を得
た。精製抗体の蛋白濃度は、1.5mg/mlであった。抗体
使用時は、PBSで10倍希釈して用いた。
【0074】4) 抗体の反応特異性の検討 以下のTC抗原を用意した。ヒト肺癌系列として、SK-M
ES-1, ME 180, MBI;ヒト肝臓癌系列として、LI-7, HuH-
7, HC-4;ヒト膀胱癌として、HuB-4, HuB-15, Hu-15N, H
uB-40;ヒト神経癌として、SK-N-FI, SK-N-AS, SK-N-DZ;
ヒト大腸癌として、CO-3;ヒト卵巣癌として、NEC;以上
15種類及びヒト正常細胞である。 SK-MES-1 細胞を、
0.1% NP-40を含む0.1M PBS中で破砕し、4℃一
晩攪拌し、可溶化抽出した。この抽出液を遠心分離し、
不溶成分を除き、得られた抽出液の蛋白濃度が、0.5m
g/mlになるように、0.1M PBSで希釈した。
ES-1, ME 180, MBI;ヒト肝臓癌系列として、LI-7, HuH-
7, HC-4;ヒト膀胱癌として、HuB-4, HuB-15, Hu-15N, H
uB-40;ヒト神経癌として、SK-N-FI, SK-N-AS, SK-N-DZ;
ヒト大腸癌として、CO-3;ヒト卵巣癌として、NEC;以上
15種類及びヒト正常細胞である。 SK-MES-1 細胞を、
0.1% NP-40を含む0.1M PBS中で破砕し、4℃一
晩攪拌し、可溶化抽出した。この抽出液を遠心分離し、
不溶成分を除き、得られた抽出液の蛋白濃度が、0.5m
g/mlになるように、0.1M PBSで希釈した。
【0075】次に、96穴のEIA用マイクロプレートを
用意し、このプレートに希釈した抽出液を、各ウェルに
50μlずつ分注した。分注済みプレートを、37℃、2時
間インキュベーションし、0.05% Tween80を含むPBS
(T-80PBS) で3回洗浄した後、各ウェルに01%牛
血清アルブミン(BSAを50μl加え、そのまま4℃に
保存した(TC抗原固定化プレート)。
用意し、このプレートに希釈した抽出液を、各ウェルに
50μlずつ分注した。分注済みプレートを、37℃、2時
間インキュベーションし、0.05% Tween80を含むPBS
(T-80PBS) で3回洗浄した後、各ウェルに01%牛
血清アルブミン(BSAを50μl加え、そのまま4℃に
保存した(TC抗原固定化プレート)。
【0076】同様にして、各腫瘍培養細胞について、腫
瘍細胞固定化プレートを作製した。保存したTC抗原固
定化プレートを、T-80PBSで3回洗浄し、3) で得ら
れた精製抗体を、各ウェルに50μlずつ加え、1時間、
37℃でインキュベーションした後、T-80PBSで3回洗
浄し、更にペロオキシダーゼ (HRP) 標識抗マウスIg
G 抗体を、1000倍希釈し、各ウェルに50μlずつ加え、
1時間、37℃でインキューベーションした。
瘍細胞固定化プレートを作製した。保存したTC抗原固
定化プレートを、T-80PBSで3回洗浄し、3) で得ら
れた精製抗体を、各ウェルに50μlずつ加え、1時間、
37℃でインキュベーションした後、T-80PBSで3回洗
浄し、更にペロオキシダーゼ (HRP) 標識抗マウスIg
G 抗体を、1000倍希釈し、各ウェルに50μlずつ加え、
1時間、37℃でインキューベーションした。
【0077】このプレートを、T-80PBSで3回洗浄
し、0.02M リン酸−クエン酸緩衝液(pH8.0)60ml、過酸
化水素5μl、ABTS50mg含む発色液を各ウェルに、
100μlずつ加え、発色させた後、0.25%HF溶液で反
応を停止させ、510nm の吸光度を測定した。この結果、
得られた抗体は、すべての腫瘍細胞系列及び正常細胞に
対して反応性を示した。また、該抗体より特定のTC抗
原に対して特異的に反応する有用な抗体を単離すること
はほとんど不可能であった。
し、0.02M リン酸−クエン酸緩衝液(pH8.0)60ml、過酸
化水素5μl、ABTS50mg含む発色液を各ウェルに、
100μlずつ加え、発色させた後、0.25%HF溶液で反
応を停止させ、510nm の吸光度を測定した。この結果、
得られた抗体は、すべての腫瘍細胞系列及び正常細胞に
対して反応性を示した。また、該抗体より特定のTC抗
原に対して特異的に反応する有用な抗体を単離すること
はほとんど不可能であった。
【0078】比較例2 実施例1の2) と同様にして調製されたQC抗原を実施
例1の3) の免疫に用いたHU抗原に代えて使用した以
外は実施例1と同様な方法によって追加免疫、細胞融
合、抗体産生細胞の選択、ハイブリドーマのクローニン
グ、モノクローナル抗体の作製及びモノクローナル抗体
の精製を行った。その結果、得られたモノクローナル抗
体は、いずれも卵巣癌に対する特異性は全くなく、全て
の癌のTC抗原及び正常細胞と強く反応するものであっ
た。
例1の3) の免疫に用いたHU抗原に代えて使用した以
外は実施例1と同様な方法によって追加免疫、細胞融
合、抗体産生細胞の選択、ハイブリドーマのクローニン
グ、モノクローナル抗体の作製及びモノクローナル抗体
の精製を行った。その結果、得られたモノクローナル抗
体は、いずれも卵巣癌に対する特異性は全くなく、全て
の癌のTC抗原及び正常細胞と強く反応するものであっ
た。
【0079】実施例4 モノクローナル抗体の診断薬への応用 (免疫抑制固相E
IA法) ヒト卵巣癌系列として、NEC;ヒト肺癌系列として、SK-M
ES-1, ME 180, MBI を用意した。NEC を0.1% NP-40
を含む0.1M PBS中で破砕し、4℃一晩攪拌し、可
溶化抽出する。この抽出液を遠心分離し、不溶成分を除
く。得られた抽出液の蛋白濃度が、0.5mg/mlになるよ
うに、0.1M PBSで希釈する。次に、96穴のEIA
用マイクロプレートを用意し、このプレートに希釈した
抽出液を、各ウェルに50μlずつ分注する。分注済みプ
レートを、37℃、2時間インキュベーションし、0.05%
Tween80を含むPBS(T-80PBS) で3回洗浄した
後、各ウェルに0.1%牛血清アルブミン(BSA) を5
0μl加え、そのまま4℃に保存した (TC抗原固定化
プレート) 。
IA法) ヒト卵巣癌系列として、NEC;ヒト肺癌系列として、SK-M
ES-1, ME 180, MBI を用意した。NEC を0.1% NP-40
を含む0.1M PBS中で破砕し、4℃一晩攪拌し、可
溶化抽出する。この抽出液を遠心分離し、不溶成分を除
く。得られた抽出液の蛋白濃度が、0.5mg/mlになるよ
うに、0.1M PBSで希釈する。次に、96穴のEIA
用マイクロプレートを用意し、このプレートに希釈した
抽出液を、各ウェルに50μlずつ分注する。分注済みプ
レートを、37℃、2時間インキュベーションし、0.05%
Tween80を含むPBS(T-80PBS) で3回洗浄した
後、各ウェルに0.1%牛血清アルブミン(BSA) を5
0μl加え、そのまま4℃に保存した (TC抗原固定化
プレート) 。
【0080】同様にして、各腫瘍培養細胞について、腫
瘍細胞固定化プレートを作製した。保存した腫瘍細胞固
定化プレートを、T-80PBSで3回洗浄し、実施例1の
4)で得られたモノクローナル抗体を0.1Mリン酸緩衝液
(pH7.4)で0.1mg/mlで希釈した。このモノクローナル抗
体の希釈液50μlと任意数の担癌患者血清又は、健常血
清を各ウェルに50μlずつ加え、1時間、37℃でインキ
ュベーションした後、T-80PBSで3回洗浄し、更にペ
ロオキシダーゼ (HRP) 標識抗マウスIgM 抗体を、10
00倍希釈し、各ウェルに50μlずつ加え、1時間、37℃
でインキュベーションした。
瘍細胞固定化プレートを作製した。保存した腫瘍細胞固
定化プレートを、T-80PBSで3回洗浄し、実施例1の
4)で得られたモノクローナル抗体を0.1Mリン酸緩衝液
(pH7.4)で0.1mg/mlで希釈した。このモノクローナル抗
体の希釈液50μlと任意数の担癌患者血清又は、健常血
清を各ウェルに50μlずつ加え、1時間、37℃でインキ
ュベーションした後、T-80PBSで3回洗浄し、更にペ
ロオキシダーゼ (HRP) 標識抗マウスIgM 抗体を、10
00倍希釈し、各ウェルに50μlずつ加え、1時間、37℃
でインキュベーションした。
【0081】このプレートを、T-80PBSで3回洗浄
し、0.02M リン酸−クエン酸緩衝液(pH8.0)60ml、過酸
化水素5μl、ABTS50mg含む発色液を各ウェルに、
100μlずつ加え、発色させた後、0.25%HF溶液で反
応を停止させ、510nm の吸光度を測定して陽性又は陰性
を判断し、診断した。結果を表4に示す。
し、0.02M リン酸−クエン酸緩衝液(pH8.0)60ml、過酸
化水素5μl、ABTS50mg含む発色液を各ウェルに、
100μlずつ加え、発色させた後、0.25%HF溶液で反
応を停止させ、510nm の吸光度を測定して陽性又は陰性
を判断し、診断した。結果を表4に示す。
【0082】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 33/577 A61K 39/395 J // A61K 39/395 ADUT ADU C12N 5/00 B (C12N 15/02 C12R 1:91) (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/08 C12R 1:91)
Claims (3)
- 【請求項1】 ヒト未分化細胞抗原で動物を免疫し、次
いで腫瘍細胞抗原を追加免疫して抗体産生細胞を得た
後、該抗体産生細胞をミエローマ細胞と融合させてハイ
ブリドーマを調製し、該ハイブリドーマより所望のハイ
ブリドーマを選択、培養することにより産生する前記腫
瘍細胞抗原に対するモノクローナル抗体を回収すること
を特徴とする前記モノクローナル抗体の製造方法。 - 【請求項2】 腫瘍細胞が、ヒト卵巣癌細胞、ヒト胃癌
細胞、ヒト肝臓癌細胞、ヒト肺癌細胞、ヒト膀胱癌細
胞、ヒト膵臓癌細胞、ヒト腎臓癌細胞及びヒト大腸癌か
らなる群から選ばれるいずれか一種である請求項1記載
のモノクローナル抗体の製造方法。 - 【請求項3】 腫瘍細胞が、ヒト卵巣癌細胞、ヒト肺癌
細胞、ヒト肝臓癌細胞及びヒト膀胱癌細胞からなる群か
ら選ばれるいずれか一種である請求項1記載のモノクロ
ーナル抗体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06655598A JP3223159B2 (ja) | 1988-08-09 | 1998-03-17 | モノクローナル抗体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19707888 | 1988-08-09 | ||
JP63-197078 | 1988-08-09 | ||
JP06655598A JP3223159B2 (ja) | 1988-08-09 | 1998-03-17 | モノクローナル抗体の製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19948589A Division JP2785894B2 (ja) | 1988-08-09 | 1989-08-02 | モノクローナル抗体、その製造方法及び診断用試薬 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1128087A true JPH1128087A (ja) | 1999-02-02 |
JP3223159B2 JP3223159B2 (ja) | 2001-10-29 |
Family
ID=26407755
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06655598A Expired - Fee Related JP3223159B2 (ja) | 1988-08-09 | 1998-03-17 | モノクローナル抗体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3223159B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102268061A (zh) * | 2011-04-14 | 2011-12-07 | 浙江理工大学 | 一种具有抗肿瘤活性的3-酰基-2-烯-甘草次酸及其合成方法 |
CN102875462A (zh) * | 2012-10-11 | 2013-01-16 | 中国药科大学 | 一种抗肿瘤2-氨基烟腈及其应用、制备方法 |
WO2016208041A1 (ja) * | 2015-06-25 | 2016-12-29 | 三菱化学株式会社 | 卵巣癌マーカー及び卵巣癌検出方法 |
-
1998
- 1998-03-17 JP JP06655598A patent/JP3223159B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102268061A (zh) * | 2011-04-14 | 2011-12-07 | 浙江理工大学 | 一种具有抗肿瘤活性的3-酰基-2-烯-甘草次酸及其合成方法 |
CN102875462A (zh) * | 2012-10-11 | 2013-01-16 | 中国药科大学 | 一种抗肿瘤2-氨基烟腈及其应用、制备方法 |
WO2016208041A1 (ja) * | 2015-06-25 | 2016-12-29 | 三菱化学株式会社 | 卵巣癌マーカー及び卵巣癌検出方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3223159B2 (ja) | 2001-10-29 |
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