JPH11280668A - 圧縮機、給油ポンプ流量制御装置およびその流量制御方法 - Google Patents

圧縮機、給油ポンプ流量制御装置およびその流量制御方法

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JPH11280668A
JPH11280668A JP7930798A JP7930798A JPH11280668A JP H11280668 A JPH11280668 A JP H11280668A JP 7930798 A JP7930798 A JP 7930798A JP 7930798 A JP7930798 A JP 7930798A JP H11280668 A JPH11280668 A JP H11280668A
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JP
Japan
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oil
oil reservoir
amount
reservoir
pump
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JP7930798A
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English (en)
Inventor
Takashi Kamikawa
隆司 上川
Takashi Ishiguro
傑 石黒
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 給油ポンプの高速回転域における潤滑油の過
剰給油が抑制される圧縮機、給油ポンプ流量制御装置お
よびその流量制御方法を提供する。 【解決手段】 ケーシング2内の下方に設けられた底部
油溜め13に中間油溜め14が設けられている。その中
間油溜め14に油吸込口16が配設された給油ポンプ1
5が設けられている。底部油溜め13の潤滑油は、オリ
フィス19を通じて中間油溜め14に流入する。特に、
給油ポンプ15の高速回転域では、最大給油量が制限さ
れて、オリフィス19を通じて中間油溜め14に流入す
る量の油が給油される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮機、給油ポン
プ流量制御装置およびその流量制御方法に関し、特に、
給油ポンプの高速回転域における潤滑油の供給量が一定
の値に抑えられる圧縮機、給油ポンプ流量制御装置およ
びその流量制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、空気調和装置の圧縮機等に潤滑油
を給油するポンプとして、遠心ポンプが使用されてい
た。一方、近年インバータ制御技術に伴い、圧縮機とし
て一定の回転速度から周波数に比例して回転速度の可変
な圧縮機へと移行しつつある。しかしながら、このよう
な圧縮機に遠心ポンプを適用した場合では、遠心ポンプ
の給油量が周波数の増大に伴い二次曲線的に増加するた
め、冷媒ガスに混入する潤滑油が増大したり、また、過
剰の潤滑油を給油するために、圧縮機の電動機に余分な
エネルギが必要(以下この現象を「パワーロス」と記
す。)となった。
【0003】そこで、この問題を解決するために、周波
数に比例した給油量が直線的に増減される容積式ポンプ
を備えた圧縮機が、特公平4−68475号公報に開示
されている。図6は、同公報に開示された圧縮機のポン
プ部分を部分的に拡大した断面構造を示したものであ
る。図6を参照して、給油ポンプ装置105は、下部架
構112の下端に固定ボルトBを介してポンプハウジン
グ151と、長円形状をなすポンプ室152aとを有し
ている。また、ポンプハウジング151に短径方向にの
み往復動自由に支持されるヨーク152を有している。
駆動軸104の軸端下方位置に連結筒153を介して固
定され、ヨーク152のポンプ室152aで遠心回転さ
れる円柱状のロータ154を有している。ロータ154
の下面側には、ヨーク152を留めてポンプ室152a
を閉鎖するように、固定ボルトBで固定された円板状の
閉鎖板155を有している。
【0004】次に、給油ポンプ装置5の動作について図
を用いて説明する。まず図7(a)を参照して、ロータ
154が矢印方向に回転して、ヨーク152が最下方位
置に位置するときは、ロータ154の偏心部154aが
ヨーク152におけるポンプ室152aの中間部位に位
置し、偏心部154aを中心としてポンプ室152aの
横方向面側にそれぞれ所定大きさの右室イ、左室ロとが
形成される。この右室イに吸入ポート154bから吸入
通路154dを経て潤滑油が供給される。左室ロが吐出
ポート154cと吐出通路154eを介して、図6に示
された駆動軸104の給油通路141に連通され、左室
ロから給油通路141に潤滑油が吐出される。
【0005】次に図7(b)を参照して、ロータ154
の回転により、ヨーク152が最下方位置から上方に移
動したときは、ロータ154の偏心部154eにより、
ポンプ室152aの左室ロが閉塞され、かつ、右室イが
大となる。これにより、左室ロでは潤滑油の吐出が完了
し、右室イでは潤滑油の吸入が完了する。
【0006】次に図7(c)を参照して、ロータ154
の回転により、ヨーク152が最上方位置に位置すると
きには、ロータ154の偏心部154aがヨーク152
のポンプ室152aの中間部位に位置し、左室ロに吸入
ポート154bが連通され、右室イが吐出ポート154
cに連通される。この場合には、左室ロが潤滑油の吸入
途中過程であり、右室イが潤滑油の吐出途中過程であ
る。
【0007】次に図7(d)を参照して、ロータ154
の回転により、ヨーク152が最上方位置から下方に移
動したときは、ロータ154の偏心部154aによりポ
ンプ室152aの右室イが閉塞され、かつ、左室ロが大
となる。これにより、右室イでは潤滑油の吐出が完了
し、左室ロでは潤滑油の吸入が完了する。以上説明した
ように、ヨーク152のポンプ室152a内で、ロータ
154の偏心部154eが偏心回転することにより、左
右各室イ、ロで潤滑油の吸入と吐出とが繰返されて定容
量運転が行なわれる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、容積式
ポンプを用いた圧縮機では、次に示すような問題点があ
った。図8は、容積式ポンプを用いた場合における電動
機の回転数と給油量との関係を示したものである。容積
式ポンプによる潤滑油の給油においては、低速回転域で
の給油量が十分に確保される。ところが、給油量が回転
数に比例して増加するため、高速回転域では、遠心ポン
プの場合よりは給油量は減少するものの、依然として過
剰給油の状態となっていた。このため、油上がりによっ
て圧縮機が焼付現象を起こしたり、また、過剰の潤滑油
を給油することによってパワーロスとなることがあっ
た。
【0009】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであり、給油ポンプの低速回転域における給
油量を確保しつつ、高速回転域では最大給油量が制限さ
れて、一定量の給油がなされる圧縮機、給油ポンプ流量
制御装置およびその流量制御方法を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の給油ポ
ンプ流量制御装置は、第1油溜め部と、第2油溜め部
と、給油ポンプとを備えている。第2油溜め部は、第1
油溜め部とオリフィスを介して連通されている。給油ポ
ンプは、第2油溜め部に油吸込口が配置されている。給
油ポンプの吸込動作によって第2油溜め部の油面が下が
り、第1油溜め部から第2油溜め部へオリフィスを通じ
て油が供給される。
【0011】この構成によれば、給油ポンプの動作によ
り、第2油溜め部の油が吸上げられる。これに伴い第2
油溜め部の油面が一旦下がるため、その第2油溜め部の
油面と第1油溜め部の油面との高低差およびオリフィス
の形状に依存した量(Q1 )の油が第1油溜め部から第
2油溜め部へ流入して、油面が元の位置に戻ろうとす
る。給油ポンプによる給油量Q2 (吸上げ量)がQ1
り小さい場合には、吸上げられる量よりも流入する量の
方が大きいため、第2油溜め部の油面の位置が徐々に下
がることはなく、油吸込口は油面の下方にある。これに
より、Q1 >Q2の状態では、給油ポンプの給油能力に
依存した量の油を吸上げることができる。次に、給油ポ
ンプによる吸上げ量が徐々に増加すると、その給油量Q
2 がQ1 を上回るようになる。この状態では、流入する
量よりも吸上げる量の方が大きいため、第2油溜め部の
油面は徐々に下がり、油吸込口の位置にまで下がってし
まう。この状態では、給油ポンプは、第1油溜め部から
オリフィスを通じて第2油溜め部へ流入する油の流入量
1 より多くの油を吸上げることが可能であっても、そ
の流入量Q1 しか吸上げることができず、最大給油量が
制限される。以上により、給油ポンプの給油量Q2 が流
入量Q1 よりも少ない状態では、給油ポンプの給油能力
に依存した量の油を吸上げることができ、給油量Q2
流入量Q1 を上回るような状態では、給油ポンプの給油
能力には依存せず、ほぼ一定量(Q1 )の油が吸上げら
れる。その結果、特に、給油量Q2 が流入量Q1 を上回
るような高速回転域の状態において、最大給油量が制限
されて、過剰な油が吸上げられることを防止することが
できる。
【0012】請求項2に記載の給油ポンプ流量制御装置
では、第2油溜め部は第1油溜め部内に配置されてい
る。
【0013】この場合には、給油ポンプ流量制御装置の
省スペース化を図ることができる。請求項3に記載の圧
縮機は、電動機部と、圧縮部と、給油部とを備えてい
る。電動機部は、ケーシング内に設けられ駆動軸を有し
ている。圧縮部は、駆動軸の一端に連結されている。給
油部は、駆動軸の他端に配置され、駆動軸に設けられた
給油通路を通じて潤滑油を圧縮部へ導く。その給油部
は、第1油溜め部と、その第1油溜め部内に設けられ、
第1油溜め部とオリフィスを介して連通された第2油溜
め部と、その第2油溜め部に油吸込口が配設され、駆動
軸と連動し、駆動軸の回転に比例して吸上げ量が増減さ
れる給油ポンプとを含んでいる。
【0014】この構成によれば、給油ポンプの回転によ
り、第2油溜め部の油が吸上げられて圧縮部へ供給され
る。これに伴い、第2油溜め部の油面が一旦下がるた
め、その第2油溜め部の油面と第1油溜め部の油面との
高低差およびオリフィスの形状に依存した量(Q1 )の
油が第1油溜め部から第2油溜め部へ流入して、油面が
元の位置に戻ろうとする。この給油ポンプによる給油量
2 が流入量Q1 よりも小さい場合、つまり、給油ポン
プの回転数が比較的低い場合(低速回転域)では、吸上
げられる量よりも流入する量の方が大きい。このため、
第2油溜め部の油面の位置が徐々に下がることはなく、
油吸込口は油面の下方にある。これにより、低速回転域
では、給油ポンプの回転数に比例した量の油を圧縮部へ
供給することができる。次に、給油ポンプの回転数が徐
々に上がる(高速回転域)と、その給油量Q2 がQ1
上回るようになる。この状態では、流入する量よりも吸
上げられる量の方が大きいため、第2油溜め部の油面は
徐々に下がり、油吸込口の位置にまで下がってしまう。
この状態では、給油ポンプは、第1油溜め部からオリフ
ィスを通じて第2油溜め部へ流入する油の流入量Q1
り多くの油を吸上げることが可能であっても、その流入
量Q1 しか吸上げることができず、最大給油量が制限さ
れる。以上により、給油ポンプの低速回転域(Q1 >Q
2 )では、回転数に比例した量の油が供給され、高速回
転域では、回転数に依存せず、最大給油量が制限され
て、ほぼ一定の量(Q1 )の油が供給される。その結
果、特に、高速回転域における油の圧縮部への過剰供給
が抑えられて、油上がりによる焼付現象やパワーロスを
防ぐことができる。
【0015】請求項4に記載の給油ポンプ流量制御装置
の流量制御方法は、第1油溜め部と、第1油溜め部とオ
リフィスを介して連通された第2油溜め部と、その第2
油溜め部に油吸込口が配置され、吸上げた第2油溜め部
の油を所定の場所へ送る給油ポンプとを備えた給油ポン
プ流量制御装置の流量制御方法であって、給油ポンプに
よる油の吸上げ量が、第1油溜め部からオリフィスを通
じて第2油溜め部へ流入する量よりも少ない給油動作状
態では、給油ポンプの給油能力に依存して油の吸上げ量
が増減され、給油ポンプが第1油溜め部からオリフィス
を通じて第2油溜め部へ流入する量よりも多い量の油を
吸上げることが可能な給油動作状態では、給油ポンプの
給油能力には依存せず、オリフィスを通じて流入する量
の油が吸上げられる。
【0016】この流量制御方法によれば、まず、給油ポ
ンプの給油動作により、第2油溜め部の油が吸上げられ
る。これに伴い、第2油溜め部の油面が一旦下がり、第
2油溜め部の油面と第1油溜め部の油面との高低差およ
びオリフィスの形状に依存した量の油が第1油溜め部か
ら第2油溜め部へ流入して、油面が元の位置に戻ろうと
する。給油ポンプによる吸上げ量(給油量)がその流入
量より小さい給油動作状態では、吸上げられる量よりも
流入する量の方が多いため、第2油溜め部の油面の位置
が徐々に下がることはなく、油吸込口は油面の下方にあ
る。したがって、この状態では、給油ポンプの給油能力
に依存した量の油を吸上げることができる。次に、給油
ポンプによる吸上げ量が徐々に増加すると、その吸上げ
量が流入量を上回るようになる。この状態では、流入す
る量よりも吸上げる量の方が大きいため、第2油溜め部
の油面は徐々に下がり、油吸込口の位置にまで下がる。
この状態では、給油ポンプは、オリフィスを通じて流入
する流入量以上の油を吸上げることが可能な状態であっ
ても、その位置の油面の高低差等に依存した流入量分の
油しか吸上げることができず、最大給油量が制限され
る。その結果、過剰の油が吸上げられて所定の場所へ送
られるのを防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態に係る給油ポ
ンプ流量制御装置とそれを用いた圧縮機について図を用
いて説明する。図1を参照して、ケーシング2内の上方
には固定スクロール10と可動スクロール11とを含む
圧縮部12がハウジング4によって支持さている。ハウ
ジング4の下方には、周波数変換により回転数を可変と
した電動機Mが配置されている。その電動機Mと圧縮部
12とは、ハウジング4によって軸受支持されたクラン
クシャフト8により連動連結されている。電動機Mの駆
動に伴うクランクシャフト8の回転により、圧縮部12
の可動スクロール11が固定スクロール10に対して公
転駆動し、これら固定スクロール10および可動スクロ
ール11の間で冷媒ガスの圧縮が行なわれる。電動機M
の下方では、クランクシャフト8は下部軸受6によって
軸受支持されている。クランクシャフト8の下端部に
は、底部油溜め13に臨む給油ポンプ15が設けられて
いる。その底部油溜め13には、オリフィス19が形成
された中間油溜め14が設けられている。オリフィス1
9の開口径は、2〜6mmφ程度である。給油ポンプ1
5の油吸込口16は、中間油溜め14に臨むように配置
されている。その油吸込口16の開口端は、停止状態に
おける底部油溜め13の潤滑油面の位置よりも低い位置
にある。中間油溜め14の潤滑油面上方の空間と底部油
溜め13の潤滑油面上方の空間とは、それぞれ同じ圧力
になるように、連通管18によって連通されている。
【0018】クランクシャフト8と連結された給油ポン
プシャフト17の駆動によって給油ポンプ15が作動
し、中間油溜め14内の潤滑油がクランクシャフト8内
部に設けられた給油通路20に吸上げられる。吸上げら
れた潤滑油は給油通路20からハウジング4とクランク
シャフト8との軸受箇所や、クランクシャフト8と可動
スクロール11との軸受箇所などに給油される。給油ポ
ンプ15は、電動機Mの回転数に比例して給油量が直線
的に増減される容積式の給油ポンプである。給油ポンプ
15の給油能力としては、たとえば、60Hzおいて、
1000ml/min程度である。
【0019】次に、上記の圧縮機の給油動作(流量制御
方法)について図を用いて説明する。まず、図2は圧縮
機が停止している状態における給油ポンプ5周辺の状態
を示した図である。図2に示す状態では、連通管18が
中間油溜め14に取付けられている位置の関係から、潤
滑油の油面はほぼ連通管18の水平部分の位置にまで達
している。
【0020】次に図3を参照して、給油ポンプ15の動
作により、中間油溜め14の潤滑油が吸上げられて圧縮
部等へ供給される。これに伴い、中間油溜め14の潤滑
油面が下がるため、その中間油溜め14の潤滑油面と底
部油溜め13の潤滑油面との高低差およびオリフィス1
9の形状に依存した量(Q1 )の潤滑油が底部油溜め1
3から中間油溜め14へ流入して、潤滑油面が元に位置
に戻ろうとする。
【0021】このときの流入量Q1 は、底部油溜め13
の潤滑油面と中間油溜め14の潤滑油面との高低差を
h、オリフィス19の開口断面積をAとすると、 Q1 =cA(2・g・h)1/2 となる。ここで、cはオリフィス係数であり、gは重力
加速度である。
【0022】この給油ポンプ15による給油量Q2 が流
入量Q1 よりも小さい場合、すなわち、給油ポンプ15
の回転数が比較的低い低速回転域では、給油ポンプによ
って吸上げられる潤滑油の量よりも流入する潤滑油の量
の方が大きい。このため、中間油溜め14の潤滑油面の
位置が徐々に下がることはなく、油吸込口16の開口端
は潤滑油面の下方にある。これにより、給油ポンプの低
速回転域では、給油ポンプの回転数に比例した量の油を
圧縮部へ供給することができる。
【0023】次に図4を参照して、給油ポンプ15の回
転数が徐々に上昇して、高速回転域の状態になると、給
油ポンプ15による給油量Q2 が流入量Q1 を上回るよ
うになる。この状態では、オリフィス19を通じて流入
する潤滑油の量よりも給油ポンプによって吸上げられる
潤滑油の量の方が大きいため、中間油溜め14の潤滑油
面は徐々に下がり、油吸込口16の開口端の位置にまで
下がってしまう。この状態では、給油ポンプ15は、底
部油溜め13からオリフィス19を通じて中間油溜め1
4へ流入する潤滑油の量(Q1 )より多くの潤滑油を吸
上げることが可能であっても、その流入量Q1 しか吸上
げることができず、最大給油量が制限される。
【0024】以上により、給油ポンプ15の低速回転域
では、回転数に比例した量の潤滑油が吸上げられて圧縮
部へ供給される。一方、高速回転域では、給油ポンプの
回転数には依存せず、最大給油量が制限されて、ほぼ一
定量の潤滑油が吸上げられて圧縮部へ供給される。これ
により、特に、圧縮機の高速回転域における潤滑油の圧
縮部等への過剰供給が抑えられて、油上がりによる焼付
現象やパワーロスを効果的に防止することができる。
【0025】ここで、給油ポンプの回転数と給油量との
関係を図5に示す。図5を参照して、給油ポンプの低速
回転域では、回転数に比例した量Q2 の潤滑油が給油ポ
ンプ15によって給油される。そして、給油ポンプのあ
る回転数以上の高速回転域では、給油ポンプによる給油
量Q2 は、回転数には依存せず、ほぼ一定の給油量Q 1
となる。つまり、高速回転域であっても、最大給油量が
制限されて、給油量Q 1 を超える過剰の潤滑油を供給す
るのを防止することができる。
【0026】この給油量Q1 として、既に説明したよう
に、底部油溜め13の潤滑油面の位置と油吸込口の開口
端の位置との高低差の値や、オリフィスの開口断面積を
調整することによって、圧縮機の性能に合わせた適切な
値に設定することができる。このような圧縮機では、高
速回転域において潤滑油の過剰供給が抑えられて、底部
油溜め13の潤滑油の油上がりによる焼付現象や、パワ
ーロスなどを効果的に抑制することができる。
【0027】なお、上記の式において、オリフィス係数
cは一定の値としているが、実際にはオリフィスを通る
潤滑油のレイノルズ数によって、この値が変動すること
がある。
【0028】また、給油ポンプ流量制御装置として、圧
縮機に適用した場合について説明したが、圧縮機に限ら
れず、油溜めを有してその潤滑油を所定の場所に供給す
る構造を備えた他の装置へも容易に適用することができ
る。
【0029】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0030】
【発明の効果】請求項1に記載の給油ポンプ流量制御装
置によれば、給油ポンプの給油量Q2が流入量Q1 より
も少ない状態では、給油ポンプの給油能力に依存した量
の油を吸上げることができ、給油量Q2 が流入量Q1
上回るような状態では、給油ポンプの給油能力には依存
せず、ほぼ一定量(Q1 )の油が吸上げられる。その結
果、特に、給油量Q2 が流入量Q1 を上回るような高速
回転域の状態において、最大給油量が制限されて、過剰
な油が吸上げられることを防止することができる。
【0031】請求項2に記載の給油ポンプ流量制御装置
では、第2油溜め部は第1油溜め部内に配置されている
ことにより、給油ポンプ流量制御装置の省スペース化を
図ることができる。
【0032】請求項3に記載の圧縮機によれば、給油ポ
ンプの低速回転域(Q1 >Q2 )では、回転数に比例し
た量の油が供給され、高速回転域では、回転数に依存せ
ず、最大給油量が制限されて、ほぼ一定の量(Q1 )の
油が供給される。その結果、特に、高速回転域における
油の圧縮部への過剰供給が抑えられて、油上がりによる
焼付現象やパワーロスを防ぐことができる。
【0033】請求項4に記載の給油ポンプ流量制御装置
の流量制御方法によれば、給油ポンプによる吸上げ量
(給油量)が流入量より小さい給油動作状態では、給油
ポンプの給油能力に依存した量の油を吸上げることがで
きる。給油ポンプによる吸上げ量が流入量を上回るよう
な状態では、最大給油量が制限されて、過剰の油が吸上
げられて所定の場所へ送られるのを防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る圧縮機の部分縦断面
図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る給油ポンプ流量制御
装置の動作を説明するための第1の状態を示す部分断面
図である。
【図3】同実施の形態において、図2に示す状態の次の
状態を示す部分断面図である。
【図4】同実施の形態において、図3に示す状態の次の
状態を示す部分断面図である。
【図5】同実施の形態において、給油ポンプの回転数と
給油量との関係を示す図である。
【図6】従来の給油ポンプの構造を示す断面図である。
【図7】従来の給油ポンプの動作を説明するための図で
あり、(a)は、その第1の状態を示し、(b)は、そ
の第2の状態を示し、(c)は、その第3の状態を示
し、(d)は、その第4の状態を示す図である。
【図8】従来の圧縮機における給油ポンプの回転数と給
油量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
2 ケーシング 4 ハウジング 6 下部軸受 8 クランクシャフト 10 固定スクロール 11 可動スクロール 12 圧縮部 13 底部油溜め 14 中間油溜め 15 給油ポンプ 16 油吸込口 17 給油ポンプシャフト 18 連通管 19 オリフィス 20 給油通路 M 電動機

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1油溜め部(13)と、 前記第1油溜め部(13)とオリフィス(19)を介し
    て連通された第2油溜め部(14)と、 前記第2油溜め部(14)に油吸込口(16)が配置さ
    れた給油ポンプ(15)とを備え、 前記給油ポンプ(15)の吸込動作によって前記第2油
    溜め部(14)の油面が下がり、前記第1油溜め部(1
    3)から前記第2油溜め部(14)へ前記オリフィス
    (19)を通じて油が供給される、給油ポンプ流量制御
    装置。
  2. 【請求項2】 前記第2油溜め部(14)は前記第1油
    溜め部(13)内に配置されている、請求項1記載の給
    油ポンプ流量制御装置。
  3. 【請求項3】 ケーシング(2)内に設けられた駆動軸
    (8)を有する電動機部(M)と、 前記駆動軸(8)の一端に連結された圧縮部(12)
    と、 前記駆動軸(8)の他端に配置され、前記駆動軸(8)
    に設けられた給油通路(20)を通じて潤滑油を前記圧
    縮部(12)へ導くための給油部とを備え、 前記給油部は、 第1油溜め部(13)と、 前記第1油溜め部(13)内に設けられ、前記第1油溜
    め部(13)とオリフィス(19)を介して連通された
    第2油溜め部(14)と、 前記第2油溜め部(14)に油吸込口(16)が配設さ
    れ、前記駆動軸(8)と連動し、前記駆動軸(8)の回
    転数に比例して吸上げ量が増減される給油ポンプ(1
    5)とを含む、圧縮機。
  4. 【請求項4】 第1油溜め部(13)と、前記第1油溜
    め部(13)とオリフィス(19)を介して連通された
    第2油溜め部(14)と、前記第2油溜め部(14)に
    油吸込口(16)が配置され、吸い上げた前記第2油溜
    め部(14)の油を所定の場所へ送る給油ポンプ(1
    5)とを備えた給油ポンプ流量制御装置の流量制御方法
    であって、 前記給油ポンプ(15)による油の吸上げ量が、前記第
    1油溜め部(13)から前記オリフィス(19)を通じ
    て前記第2油溜め部(14)へ流入する量よりも少ない
    給油動作状態では、前記給油ポンプ(15)の給油能力
    に依存して油の吸上げ量が増減され、 前記給油ポンプ(15)が、前記第1油溜め部(13)
    から前記オリフィス(19)を通じて前記第2油溜め部
    (14)へ流入する量よりも多い量の油を吸上げること
    が可能な給油動作状態では、前記給油ポンプ(15)の
    給油能力には依存せず、前記オリフィス(19)を通じ
    て前記第2油溜め部(14)へ流入する量の油が吸上げ
    られる、給油ポンプ流量制御装置の流量制御方法。
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