JPH11279883A - ポリエステル複合糸 - Google Patents

ポリエステル複合糸

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JPH11279883A
JPH11279883A JP7590898A JP7590898A JPH11279883A JP H11279883 A JPH11279883 A JP H11279883A JP 7590898 A JP7590898 A JP 7590898A JP 7590898 A JP7590898 A JP 7590898A JP H11279883 A JPH11279883 A JP H11279883A
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polyester
fiber
elastic
composite yarn
elongation
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JP7590898A
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Takashi Nishiyama
尚 西山
Takashi Akita
隆 秋田
Takeshi Ishikawa
剛士 石川
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 共重合ポリエステル弾性繊維とフィブリル状
ポリエステル繊維からなり、弾性性能に優れ織編物にし
た際ドライ感のある柔軟な風合いを有するポリエステル
複合糸を提供することにある。 【解決手段】 融点が180℃以上、20%伸長時の弾
性回復率が80%以上である共重合ポリエステル弾性繊
維(A)と繊維表面に、幅0.1μm〜3μm、長さ1
0μm以上、隣接する任意の該筋状溝の間隔が5μm以
下である繊維軸方向に高配向した筋状溝を有するととも
に、直径0.05〜5μm、長さ10μm以上のフィブ
リル状超極細繊維に分割しているポリエステル繊維
(B)とが複合されているポリエステル複合糸である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドライで柔軟な風
合いと優れた弾性性能を有するポリエステル複合糸に関
する。
【従来の技術】
【0002】従来より、弾性性能が要求される繊維用途
にはポリウレタン系ポリマー以外に、ポリエーテルエス
テルブロック共重合タイプのポリエステルが主に用いら
れ、例えば、特公昭56−38604号公報、特公昭6
3−17124号公報等に開示されている。これらのポ
リエーテルエステルブロック共重合タイプのポリエステ
ル系ポリマーは、弾性性能すなわち弾性回復率という点
では優れた特性を示すものの、基本的に多量のソフトセ
グメント成分を含んだ高伸度タイプのポリマーであるた
めに、用途によっては伸びすぎるという問題点や、耐熱
性、耐薬品性、耐候性、耐光性等においても問題があっ
た。更に、これらのポリマーを溶融紡糸して繊維を製造
する際には、ポリマーそのものの物性が通常のポリエス
テルとは大きく異なるために、巻取性が悪化したり、あ
るいはフィラメント間の接着が生じるなどの工程安定性
に劣るという欠点もある。
【0003】また、これらの弾性繊維の使用方法に関し
て近年、種々の提案がなされ、例えば、特開平3−17
4043号公報、特開平3−180572号公報、特開
平5−311567号公報等がある。これらの弾性繊維
と非弾性繊維との複合糸は、膨らみ感を得る手法であ
り、良好な風合いが得られないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、これ
ら従来技術の問題点を解決し、共重合ポリエステル弾性
繊維とフィブリル状ポリエステル繊維からなり、弾性性
能に優れ、織編物にした際ドライ感のある柔軟な風合い
を有するポリエステル複合糸を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は、融点が180℃以上、20%伸長時の弾性回復率が
80%以上である共重合ポリエステル弾性繊維(A)と
繊維表面に、幅0.1μm〜3μm、長さ10μm以
上、隣接する任意の該筋状溝の間隔が5μm以下である
繊維軸方向に高配向した筋状溝を有するとともに、直径
0.05〜5μm、長さ10μm以上のフィブリル状超
極細繊維に分割しているポリエステル繊維(B)とが複
合されていることを特徴とするポリエステル複合糸にあ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】共重合ポリエステル弾性繊維
(A)の融点は180℃以上必要であり、180℃を下
回る場合には、共重合ポリエステル弾性繊維(A)を溶
融紡糸する際、工程安定性が悪化するばかりでなく後工
程における熱安定性、例えば染色工程での安定性を維持
するために必要である。共重合ポリエステル弾性繊維
(A)は20%伸長時の弾性回復率が80%以上であ
る。20%伸長時の弾性回復率が80%未満の場合、織
編物等製品にした場合の弾性性能が十分ではなく良好な
弾性性能を有する製品とならない。
【0007】一方ポリエステル繊維(B)は、繊維表面
に幅0.1μm〜3μm、長さ10μm以上、隣接する
任意の筋状溝の間隔が5μm以下である繊維軸方向に高
配向した筋状溝を有する。このような筋状溝を有するこ
とにより初めて、織編物等としたときドライな風合いと
することが可能である。筋溝状の幅が0.1μm未満ま
たは3μmを越えると、あるいはその長さが10μm未
満、または隣接する任意の筋状溝の間隔が5μmより大
きいと織編物等製品とした際、ドライ感が十分でなくな
る。
【0008】更に本発明に用いるポリエステル繊維
(B)は、該筋状溝を有すると同時に直径0.05〜5
μm、長さ10μm以上のフィブリル状超極細繊維に分
割している。このようにフィブリル状の超極細繊維に分
割していることにより、織編物等製品としたとき柔軟な
風合いとすることが出来る。フィブリル状超極細繊維が
直径0.05μm未満ではぺタツキ感が強くなり、5μ
mをこえると粗硬な風合いとなってしまう。またフィブ
リル状超極細繊維の長さが10μm未満では、柔軟な風
合いが発揮できなくなってしまう。
【0009】本発明のポリエステル複合糸は、該共重合
ポリエステル弾性繊維(A)とポリエステル繊維(B)
とが、カバリング撚糸、引き揃え合撚あるいは加圧空気
等により混繊交絡等により複合化されたものである。複
合形態は特に限定するものではないが、織編物等にした
際ドライで柔軟な風合いとする観点からポリエステル繊
維(B)が鞘側に位置し、弾性性能を生かす観点から共
重合ポリエステル弾性繊維(A)が芯側に位置すること
が好ましい。このような点から、芯側に共重合ポリエス
テル弾性繊維(A)鞘側にポリエステル繊維(B)とな
る如くカバリング撚糸されたものが好適であり、更には
織編物等にするための加工性及び風合いを最適にするた
めには、共重合ポリエステル弾性繊維(A)の撚数が3
00〜800T/mが好ましく、更に好ましくは400
〜600T/mである。撚数300T/m未満では、織
編物にする際の加工性及び布帛の風合いが低下する傾向
にあり、また800T/mを越えると得られた織編物等
の弾性回復率が劣る傾向を示す。
【0010】ポリエステル複合糸の風合い及び弾性性能
を更に向上させるためには、ポリエステル繊維(B)
が、沸水処理時の伸長率が0〜5%、沸水処理後130
℃以上での乾熱処理時の伸長率が1〜4%なる自発伸長
性を有することが好ましい。後加工における染色時ある
いは乾燥時に湿熱及び乾熱処理が施されるが、これらの
処理において自発伸長性を有するためポリエステル複合
糸の鞘側がポリエステル繊維(B)に覆われ、風合い効
果を一層出し得る。沸水処理時の伸長率が0%未満では
収縮を生じ、5%を越えると染色工程等の湿熱下で織編
物の形態変化を招きやすく、また乾熱処理時の伸長率が
1%未満では風合い向上効果が少なく、4%を越えると
加工工程での通過性が不安定になりやすい。
【0011】本発明に用いる共重合ポリエステル弾性繊
維(A)は、その主たる成分がハードセグメントとして
はポリエチレンテレフタレート系ポリエステル、ポリブ
チレン系ポリエステル、ポリプロピレン系ポリエステル
等があるが、ポリブチレンテレフタレート系ポリエステ
ルから構成され、またソフトセグメントとしてポリカプ
ロラクトン、脂肪族ポリエステル、ポリアルキレングリ
コール系ポリステル等があるが、ポリテトラメチレング
リコール系ポリエーテルから構成されることが、優れた
弾性性能を得るという点から好ましい。
【0012】具体的には、共重合ポリエステル弾性繊維
(A)は、85〜99モル%のテレフタル酸成分と1〜
15モル%の脂肪族ジカルボン酸とからなるジカルボン
酸成分、及び1,4−ブタンジオールと平均分子量40
0〜4000のポリテトラメチレングリコールとを主と
するグリコール成分から構成される共重合ポリエステル
であって、該ポリテトラメチレングリコール成分の含有
量が全ポリマーに対して10〜40重量%であることが
好ましい。
【0013】テレフタル酸成分としてはテレフタル酸あ
るいはテレフタル酸ジメチル等のエステル形成性誘導体
が使用される。テレフタル酸成分は85〜99モル%が
好ましく、更に好ましくは88〜98モル%である。8
5モル%未満では耐熱性が低下する傾向を示し、99モ
ル%を越えると弾性性能が不十分となる傾向にある。
【0014】ジカルボン酸成分には脂肪族ジカルボン酸
を用いることにより、共重合ポリエステル弾性繊維の結
晶化特性が向上するとともに弾性回復率が向上する。脂
肪族ジカルボン酸は、1〜15モル%好ましくは2〜1
2モル%である。1モル%未満であると結晶化特性向上
効果や弾性回復率の向上効果が不十分であり、また共重
合量が15モル%を越えると共重合ポリエステル弾性繊
維(A)の結晶化が次第に低下し弾性回復率が低下す
る。更にジカルボン酸成分としては炭素数4〜12の脂
肪族ジカルボン酸が好ましく、具体例としては、コハク
酸、アジピン酸、β−メチルアジピン酸、ピメリン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、マレ
イン酸、フマル酸及びこれらのエステル形成性誘導体が
挙げられる。中でもアジピン酸は特に好ましく用いるこ
とができる。
【0015】共重合ポリエステル弾性繊維の融点が18
0℃以上を維持できる範囲で、ジカルボン酸成分とし
て、脂肪族ジカルボン酸以外のジカルボン酸成分を少量
併用してもよい。このようなジカルボン酸成分として
は、イソフタル酸、5−スルホイソフタル酸あるいは2
−スルホイソフタル酸、1,8−ジカルボキシナフタレ
ン−3−スルホン酸等のアルカリ金属塩、ナフタレンジ
カルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスル
ホンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸類、また
はこれらのエステル形成性誘導体、及び、p−オキシ安
息香酸、p−β−オキシエトキシ安息香酸等のオキシカ
ルボン酸類、又はこれらのエステル形成性誘導体、5−
テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸、5−テ
トラフェニルホスホニウムスルホイソフタル酸、5−ブ
チルトリフェニルホスホニウムスルホイソフタル酸等の
スルホン酸ホスホニウム塩含有ジカルボン酸類、又はこ
れらのエステル形成性誘導体等が挙げられる。
【0016】グリコール成分としては、共重合ポリエス
テル弾性繊維(A)の結晶化特性を向上させ弾性回復率
も向上させる為に1,4−ブタンジオールとポリテトラ
メチレングリコールを主成分とすることが望ましい。エ
チレングリコール等の他のグリコール成分を主として用
いた場合には、共重合ポリエステル弾性糸(A)の結晶
化特性が不十分となり、弾性回復率も低下してしまう。
ポリテトラメチレングリコールとしては、平均分子量が
400〜4000のものが好ましく、平均分子量800
〜3000のものが更に好ましい。平均分子量が400
未満であると、共重合ポリエステル繊維(A)に十分な
弾性性能が得られず、また平均分子量が4000を越え
た場合は弾性回復率が低下してしまう。尚、本発明にお
いては、用いるポリテトラメチレングリコールの平均分
子量が400〜4000であれば、平均分子量の値の異
なる複数種のポリテトラメチレングリコールを混用して
もよい。
【0017】ポリテトラメチレングリコール成分の含有
量は、全ポリマー重量に対して10〜40重量%が好ま
しく、更に好ましくは15〜35重量%である。10重
量%未満であると十分な弾性性能が得られにくく、40
重量%を越えると弾性性能は向上するものの融点が低下
し耐熱性が悪化する傾向を示し、溶融成形あるいは溶融
紡糸における工程安定性が低下する方向である。
【0018】本発明に用いる共重合ポリエステル弾性繊
維(A)は、1,4−ブタンジオール及び平均分子量4
00〜4000のポリテトラメチレングリコール以外
に、全グリコール成分の15モル%以内の範囲で、他の
低分子量グリコール成分が共重合されていてもよい。こ
のような低分子量グリコール成分としては、エチレング
リコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−
1,3−プロパンジオール又はその他の低級アルキレン
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネ
オペンチルグリコール、1,4−ビス(β−オキシエト
キシ)ベンゼン、更には、2,2´−ビス[4−(2−
ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2´−
ビス[4−(2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]プ
ロパン等のビスフェノールAのビスグリコールエーテル
等が挙げられる。
【0019】更に、本発明を構成する共重合ポリエステ
ル弾性繊維(A)の熱安定性を向上させる目的で、公知
の安定剤、抗酸化剤を少量添加配合することが望まし
い。添加配合する安定剤としては、ヒンダーフェノール
系化合物、チオエーテル系化合物、及びリン系化合物等
が挙げられるが、ヒンダートフェノール系化合物の安定
剤とチオエーテル系化合物の安定剤を好ましく用いる事
ができる。リン系化合物を用いるのは、添加配合量の増
加に従って、共重合ポリエステル弾性繊維(A)を形成
する共重合ポリマーの重合反応速度が次第に低下してい
く方向であり好ましくない。ヒンダートフェノール系化
合物安定剤とチオエーテル系化合物の安定剤を本共重合
ポリエステル弾性繊維(A)に添加配合するに際して
は、各々単独に配合添加しても良いが、得られる共重合
ポリエステル弾性繊維(A)の耐熱性を向上させる目的
で、両者を同時に使用することが好ましい。これら安定
剤の添加配合量は、共重合ポリエステル弾性繊維(A)
の重量に対し各々0.5重量%以下とすることが、共重
合ポリエステル弾性繊維(A)の力学物性を損なわず、
溶融賦形の際の工程安定性を充分に確保する上において
好ましい。
【0020】次に、本発明のポリエステル複合糸を構成
するもう一方のポリエステル繊維(B)は、少なくとも
一種類の芳香族ジカルボン酸成分あるいはそのエステル
形成誘導体と少なくとも一種類のグリコール成分からな
り、下記一般式(1)で示される有機スルホン酸金属塩
を0.5重量%以上、好ましくは0.5〜5重量%、更
に好ましくは1〜4重量%含有する。有機スルホン酸金
属塩の含有量が0.5重量%未満であると、後述する繊
維表面の筋状溝の形成、及びフィブリル状超極細繊維の
発生が十分に達成され難く、5重量%を超えると、製糸
工程通過性が低下し易く安定して繊維を製造することが
困難になる傾向である。する。
【0021】R−SO3M ・・・(1) (式中のRは炭素数3〜30のアルキル基、または炭素
数7〜40のアリール基もしくはアルキルアリール基を
示し、Mはアルカリ金属を示す。)
【0022】一般式(1)で示される有機スルホン酸金
属塩が含有されていることにより、アルカリ減量によっ
てポリエステル繊維表面の筋状溝が形成される。本発明
に用いる有機スルホン酸金属塩の具体例としては、炭素
数3〜30のアルキルスルホン酸ナトリウム塩もしくは
カリウム塩、リチウム塩、あるいはこれらの混合物、ま
たは、トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン
酸のごときアルキルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩
もしくはカリウム塩、リチウム塩、あるいはこれらの混
合物等があげられる。中でも、本発明に用いる有機スル
ホン酸金属塩の好ましい具体例としてはアルキルスルホ
ン酸ナトリウム塩があげられる。かかる有機スルホン酸
金属塩は単一の化合物である必要はなく、一般式(1)
で示される各種有機スルホン酸金属塩の混合物であって
も良い。また、該有機スルホン酸金属塩は単独で用いて
も良いが、熱安定性を向上させる目的で、公知の安定
剤、抗酸化剤等を少量添加配合して用いることは好まし
いことである。有機スルホン酸金属塩に添加配合する安
定剤としては、ヒンダードフェノール系化合物及びチオ
エーテル系化合物等があげられる。これら化合物は単独
添加してもよいが、より耐熱性を向上させるために共同
添加することも好ましい。
【0023】有機スルホン酸金属塩のポリエステルへの
配合方法としては、格別の方法を用いる必要はなく、該
ポリエステル繊維の溶融紡糸が終了するまでの任意の段
階において、任意の方法により実施することができる。
例えば、ポリエステルの原料中に添加配合する方法、ポ
リエステルの合成中に反応容器中に添加混合する方法、
押出機中において配合混合する方法、溶融紡糸の際に添
加混合する方法等を採用することができる。そして、添
加後に有機スルホン酸金属塩とポリエステルとが溶融状
態で充分に混練されるような添加手段を用いることが好
ましい。
【0024】有機スルホン酸金属塩を配合したポリエス
テルを溶融紡糸する場合、有機スルホン酸金属塩にある
特定量以上の無機物が含有していると、その含有量に依
存して次第に紡糸口金背圧上昇を引き起こし糸切れ等の
原因となる。すなわち無機物は、溶融紡糸時にフィルタ
ーに補足されやすく経時的にフィルターに堆積してゆ
き、その結果フィルター背圧の上昇を引き起こす。これ
らの現象はポリエステルへのスルホン酸金属塩の配合量
が多くなる程、顕著な現象として現われる。従って有機
スルホン酸金属塩は、無機物含有量が1,500ppm
以下であるのが好ましく、800ppm以下であること
が更に好ましい。特にアルキルスルホン酸ナトリウム塩
を用いる場合には塩化ナトリウム含有量が500ppm
以下であり、かつ、硫酸ナトリウム含有量が1,000
ppm以下であるアルキルスルホン酸ナトリウムを用い
ることが好ましく、塩化ナトリウム含有量が250pp
m以下、かつ、硫酸ナトリウム含有量が500ppm以
下であることが更に好ましい。
【0025】また、本発明のポリエステル複合糸に用い
るポリエステル繊維(B)は、テレフタル酸またはその
エステル形成誘導体をジカルボン酸成分とし、エチレン
グリコールあるいは、1,4−ブタンジオールから選ば
れた少なくとも1種類のグリコールまたはそのエステル
形成性誘導体をグリコール成分とするものが代表的であ
るが、ジカルボン酸成分の一部を他のジカルボン酸成分
で置き換えても良く、あるいはグリコール成分の一部を
他のグリコール成分で置き換えても良い。
【0026】他のジカルボン酸成分としては、イソフタ
ル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルカルボン
酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、アジピン酸、セ
バシン酸、1,4シクロヘキサンジカルボン酸等のジカ
ルボン酸類、またはこれらのエステル形成性誘導体、5
−スルホイソフタル酸あるいは2−スルホイソフタル
酸、1,8−ジカルボキシナフタレン−3−スルホン酸
のアルカリ金属塩等の金属スルホネート基含有ジカルボ
ン酸成分、またはこれらのエステル形成性誘導体、3,
5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホス
ホニウム塩、3,5−ジカルボメトキシベンゼンスルホ
ン酸テトラブチルホスホニウム塩、3,5−ジカルボキ
シベンゼンスルホン酸テトラフェニルホスホニウム塩、
3,5−ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸テトラフ
ェニルホスホニウム塩、3,5−ジ(β−ヒドロキシエ
トキシカルボニル)ベンゼンスルホン酸テトラブチルホ
スホニウム塩、3,5−ジ(β−ヒドロキシエトキシカ
ルボニル)ベンゼンスルホン酸テトラフェニルホスホニ
ウム塩等のスルホン酸ホスホニウム塩含有ジカルボン酸
成分、またはこれらのエステル形成性誘導体、及びр−
オキシ安息香酸、р−β−オキシエトキシ安息香酸等の
オキシカルボン酸類、またはこれらのエステル形成性誘
導体等があげられる。
【0027】他のグリコール成分としては、炭素数3〜
10の低級アルキレングリコール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール、ネオペンチルグリコール、1,4−
ビス(β−オキシエトキシ)ベンゼン、ビスフェノ−ル
Aのビスグリコールエーテル、各種分子量のポリエチレ
ングリコールまたはポリプロピレングリコール、エチレ
ンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体、あるい
はポリアルキレングリコールの各種誘導体等があげられ
る。
【0028】更に、実質的に線状である範囲内で、トリ
メリット酸、ピロメリット酸等のポリカルボン酸、トリ
メチロールプロパンまたはそのエチレンオキサイド付加
誘導体、ペンタエリスリトール、グリセリンまたはその
エチレンオキサイド付加誘導体等のポリオール、各種分
子量のモノハイドリックポリアルキレンオキサイドまた
はその誘導体、フェニル酢酸等の重合停止剤を用いても
よく、また公知の触媒、抗酸化剤、着色防止剤、エーテ
ル結合副生抑制剤、易滑剤、難燃剤、その他の添加物を
適宜用いてもよい。
【0029】沸水処理時の伸長率が0〜5%となり、沸
水処理後130℃以上での乾熱処理時の伸長率が1〜4
%となる自発伸長性を有するポリエステル繊維(B)
は、以下の方法により得ることができる。前述の有機ス
ルホン酸金属塩を含有したポリエステルが公知の溶融紡
糸法によって未延伸繊維とし、次に複屈折率Δnが35
×10-3〜55×10-3、好ましくは40×10-3〜5
0×10-3の高配向未延伸繊維とする。未延伸繊維の複
屈折Δnが35×10-3未満では得られる糸の沸水処理
での収縮が大きくなり、55×10-3を越えると乾熱処
理の伸長はあるものの、沸水処理での伸長がなく、また
高配向化に伴い発生する収縮斑が著しくなり染色斑が生
じる。かかる高配向未延伸繊維を式(2)及び(3)で
示すように、延伸域で室温の給糸ローラーとTg〜(T
g+50℃)の表面温度に加熱された引取ローラーから
構成される一対のローラー間で延伸倍率が1.0を超
え、かつ予熱温度85〜90℃で測定した最大延伸倍率
(MDR)の40〜60%に設定した延伸倍率で延伸す
る。この際、引取ローラー上で延伸点が微妙に変動する
不均一延伸となり、太部と細部が繊維間及び繊維長手方
向に分散した太細繊維が得られる。
【0030】この太細繊維を式(4)及び(5)で示す
如く、引き続き緩和処理域で延伸域の引取ローラーの表
面温度を超え、かつ(Tc+60℃)以下の表面温度に
加熱された引取ローラーにより、5%を超える緩和率に
緩和処理する。
【0033】 1.0<MDR×0.4≦DR≦MDR×0.6 (2) Tg≦HR≦(Tg+50℃) (3) RR>5% (4) HR≦HP≦(Tc+60℃) (5) ここで、DR:延伸域での延伸倍率 MDR:予熱温度85〜90℃で測定した最大延伸倍率 HR:延伸域の引取ローラーの表面温度(℃) Tg:ガラス転移温度(℃) RR:延伸後の緩和処理域での緩和率(%) HP:緩和処理域の緩和温度(℃) Tc:結晶化温度(℃)
【0031】上記延伸と緩和処理は連続した工程で実施
しても、また独立した工程で実施してもよい。延伸と緩
和処理により、得られる太細繊維は構造歪みが緩和され
アルカリ減量処理による筋状溝とフィブリル状極細繊維
に分割したポリエステル繊維(B)となる。ポリエステ
ル繊維(B)は沸水処理時の伸長率が0〜5%となり、
沸水処理後130℃以上での乾熱処理時の伸長率が1〜
4%となる非可逆的な伸長を示す自発伸長性を有する。
延伸及び緩和熱処理の条件の範囲を外れると自発伸長性
が得られなかったり、得られても太部と細部の分散が悪
く染色斑を生じ、また繊維間及び繊維長手方向に伸長斑
を生ずる恐れがある。
【0032】本発明のポリエステル複合糸の製造方法は
前述した如く、カバリング撚糸する方法、引き揃えて合
撚する方法、さらには空気混繊・交絡させる方法、等で
も良く、特に限定されるものではない。風合い及び機能
面から芯側に共重合ポリエステル弾性糸(A)鞘側にポ
リエステル繊維(B)となるようにカバリング撚糸する
方法が好ましい。このカバリング撚糸を得るには、例え
ば共重合ポリエステル弾性糸(A)を一定の糸速で糸を
供給しながら撚糸し、もう一方のポリエステル繊維
(B)を共重合ポリエステル弾性糸(A)に巻付けなが
ら巻取る方法がある。
【0033】複合糸とした後、アルカリ性化合物の水溶
液で該繊維重量の5%以上、好ましくは10%以上のア
ルカリ減量処理を施す。このアルカリ減量処理は、ポリ
エステル繊維(B)のフィブリル状極細繊維の発生にと
って必要な処理工程である。減量率が5重量%未満の場
合には、フィブリル状極細繊維は発生が不十分となる
か、あるいは全く発生されない。またポリエステル繊維
(B)の表面からフィブリル状の超極細繊維を発生させ
る為には、アルカリ減量に先立ち、繊維の熱処理を実施
しても良い。熱処理は120℃以上の温度で10秒以上
の熱処理を施すことが好ましい。この熱処理は織編物と
した後の形態で施すことが熱処理効率上有利である。
【0034】アルカリ減量処理に用いるアルカリ性化合
物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テト
ラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム等があげられ、特に好ましくは水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムを用いることができる。
アルカリ減量処理方法としては、ポリエステル織編物に
減量加工として一般的に適用される公知の任意の方法が
適用できるが、よりフィブリル状極細繊維の発生させる
ためのアルカリ減量処理の方法としては、処理中に揉み
作用が加わる方法を適用することができる。あるいはア
ルカリ減量処理と同時に、ポリエステル混繊糸に機械的
な外力を加えてもよい。機械的外力を加える方法として
は、例えば、擦過、叩解等の摩擦力、衝撃力を利用する
手段、あるいは起毛処理等を用いることができる。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。なお、実施例中の各種特性値及び、判定値は下
記の方法による。 (極限粘度)試料をフェノール/テトラクロールエタン
(50/50)混合溶媒に溶解し、ウベローデ粘度計を
用いて25℃において測定した値である。 (20%伸長時の弾性回復率)引張試験機を用いて、試
長L0=10cmの繊維サンプルを、5Kgの荷重下、
10cm/分の速度で繊維サンプル試長L0の20%、
すなわち2cm伸長した。その直後に荷重を同一速度で
徐々に取り除いて、最終的に自由状態になる繊維の長さ
1を測定し、次式により10%伸長時の弾性回復率を
求めた。 20%伸長時の弾性回復率=(1.2L0−L1)/
(0.2L0)×100(%)(強伸度) 引張試験機を用いて、試長10cm、引張速度10cm
/分で測定した。 (工程安定通過性)ポリマーの重縮合終了後にポリマー
を重合槽から吐出する際のカットチップの融着状態及び
溶融紡糸工程における巻取フィラメント間の融着状態を
観察して、以下の通り判断した。 ○:融着なく、安定性も良好。 △:部分的に融着が観察される。 ×:頻繁に融着が生じ、安定性不良である。 (沸水収縮率)1dtexあたり1/33gの張力下で
糸長1mの10回巻カセを準備し、1dtexあたり2
/3.3gの荷重を負荷して初期カセ長(L0)を測定
する。そのカセを無荷重状態で沸騰水に30分間浸漬し
た後、再び1dtexあたり2/3.3gの荷重を負荷
して測定カセ長(L1)を測定し、次式より算出した。 沸水収縮率=(L0−L1)/L0×100(%)
【0036】表1は実施例及び比較例におけるポリマー
組成とアルカリ減量処理後の繊維物性を示す。表2は、
得られた複合糸のトータル繊度、強度、伸度及び弾性回
復率並びに織物製品のハンドリングによる風合い結果を
示す。
【0037】(実施例1) 「 共重合ポリエステル弾性繊維(A)の製造」テレフ
タル酸ジメチル100重量部、アジピン酸3.96重量
部(全酸成分に対して5.0モル%)、1,4−ブタン
ジオール68.4重量部、チタンテトラブトキシド0.
09重量部をエステル交換槽に仕込み、窒素雰囲気下1
40℃〜220℃まで昇温して、生成するメタノールを
系外へ留去しながらエステル交換反応させた。エステル
交換反応終了後、得られた反応生成物に、平均分子量1
000のポリテトラメチレングリコールを28.7重量
部加えるとともに、ヒンダーフェノール系安定剤とし
て、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシハイドロシンナメート)]メタン0.2
5重量部、チオエーテル系安定剤として、テトラキス
[メチレン−3−(ドデシルチオ)プロピネート]メタ
ン0.25重量部を加え、過剰の1,4−ブタンジオー
ルを留出除去した後、重合槽に移液した。
【0038】引き続き、徐々に重合槽内を減圧してい
き、高真空下240℃にて重縮合反応を進行させ、極限
粘度1.21dl/gの共重合ポリエステルを得た。共
重合ポリエステルのポリマー組成と融点を表1に示す。
このポリマーを常法によりチップ化、乾燥し、口径0.
25mmの円形紡糸孔を24個有する紡糸口金を通し
て、紡糸温度235℃にて溶融紡糸した。吐出糸条を冷
却気流で、冷却固化した後、油剤を付与し、1,200
m/分の紡糸速度で巻取った。次いで、この未延伸糸
を、以下の延伸条件で延伸して、33dtex/24f
の共重合ポリエステル弾性繊維(A)を得た。 一段目延伸倍率(DR1)=1.011 二段目延伸倍率(DR2)=1.75 一段目引取りローラー温度(HR1)=70℃ 熱処理温度=130℃ 得られた共重合ポリエステル弾性繊維(A)の融点は2
06℃であり、20%伸長時の弾性回復率は96%であ
った。表1のに成分と物性を示した。
【0039】「ポリエステル繊維(B)の製造」他方、
テレフタル酸100重量部、エチレングリコール52重
量部をエステル化槽に仕込み、4Kg/cm2の加圧
下、260℃にてエステル化反応を行った。引き続き、
得られた反応生成物にトリメチルフォスフェイト0.0
1重量%、三酸化アンチモンを0.04重量%、二酸化
チタンを0.5重量%、各々エチレングリコール溶液あ
るいは分散液として加え、重合槽に移液した。
【0040】引き続き、徐々に重合槽を減圧していき、
重合槽内の真空度が1トール以下になってから約30分
後、重縮合反応を開始してから約70分後に、平均の炭
素数が15.5であるアルキルスルホン酸ナトリウム
(RSO3Na)を、溶融状態で重合槽が高真空状態の
まま、生成ポリマーに対して2.0重量%となるように
添加し、引き続き、高真空下285℃にて更に重縮合反
応を進行させ、極限状態0.70dl/gのポリエステ
ルポリマーを得た。表1のに成分と物性を示した。
【0041】このポリマーを常法によりチップ化し乾燥
し、孔径0.25mmの円形紡糸孔を48個有する紡糸
口金を通して、紡糸温度288℃にて紡出した。紡出糸
条を冷却固化した後、220℃に設定した円筒型間接加
熱処理装置中を走行させ、次いで油剤を付与し、引き取
り、ローラー間に設けた流体交絡処理装置で流体交絡
し、4000m/minの紡速にて巻取り、111dt
ex/48fの延伸繊維を得た。得られたポリエステル
繊維(B)の強度は4.0cN/dtex、伸度が38
%であった。
【0042】「ポリエステル複合糸の製造」得られた共
重合ポリエステル弾性繊維(A)を、合撚機により撚数
470T/mにて撚糸しつつ、ポリエステル繊維(B)
を巻き付けながらポリエステル複合糸を得た。
【0043】「ポリエステル複合糸を用いた織物及び後
処理・仕上げ」このポリエステル複合糸を緯糸として用
い、経糸に55dtex/18fのポリエステルフィラ
メントを使用して平織織物を作成し、精練し、120
℃、60秒間の乾熱処理を施し、2%水酸化ナトリウム
を用いて沸騰温度にて40分間減量を実施し、染色、最
終セットの順で、染色仕上げを行った。得られた織物の
減量率は18%であり、ドライで柔軟な風合と優れた弾
性性能を有していた。(表2参照)
【0044】(実施例2)精練と乾熱処理を施さなかっ
た以外は全て実施例1と同じ条件として織物を得た。得
られた織物の減量率は18%であり、優れた風合いと弾
性性能を有していた。(表2参照)
【0045】(実施例3)ポリエステル繊維(B)とし
て、下記条件で110dtex/48fのポリエステル
繊維(B)(表1に成分と物性を示した。)を得た以
外は実施例1と同一条件にて織物を得た。得られた織物
の減量率は21%であり、優れた風合いと実施例1より
も優れた弾性性能を有していた。(表2参照) 一段目延伸倍率(DR1)=1.57 二段目延伸倍率(DR2)=1.12 一段目引取りローラー温度(HR1)=105℃ 熱処理温度=125℃
【0046】(実施例4)共重合ポリエステル弾性繊維
(A)のdtex/fを、66dtex/48fに変更
(表1に成分と物性を示した。)した以外は実施例1
と同一条件として織物を得た。得られた織物の減量率は
20%でありドライで柔軟性に優れた風合と弾性性能を
有していた。(表2参照)
【0047】(実施例5)共重合ポリエステル弾性繊維
(A)の撚数を650T/mとした以外は実施例1と同
一条件とし織物を得た。得られた織物の減量率は18%
であり、ドライで優れた風合いと弾性性能を有してい
た。(表2参照)
【0048】(実施例6)共重合ポリエステル弾性繊維
(A)の撚数を280T/mとした以外は実施例1と同
一条件で織物を得た。得られた織物の減量率は、20%
であった。得られた織物は、優れた風合いと弾性性能を
有していた。(表2参照)
【0049】(実施例7)共重合ポリエステル弾性繊維
(A)の撚数を850T/mとした以外は、実施1と同
一条件で実施例7を得た。得られた織物の減量率は21
%であり、優れたドライな風合いと弾性性能を有してい
た。(表2参照)
【0050】(比較例1)ポリエステル繊維(B)とし
て、極限粘度が0.65dl/gであるポリエチレンテ
レフタレートを、孔径0.25mmの孔を36個有する
円形紡糸口金を通して、紡糸温度290℃で溶融紡糸
し、1800m/分で巻取り、未延伸糸を得て、その未
延伸糸繊維を85℃で約2.6倍に延伸した83dte
x/36fのポリエステル繊維を得た。このポリエステ
ル繊維は、強度が4.3cN/dtex、伸度が29.
8%であった。ポリエステル繊維(B)を変更した以外
は実施例1と同一条件として織物を得た。得られた織物
の減量率は、19%であった。弾性回復率は優れていた
が、筋状溝もなくフィブリル状極細繊維の発生もなく優
れた風合いを得ることはできなかった。(表2参照)
【0051】(比較例2)精練と乾熱処理を行わなかっ
た以外は、比較例1と同一条件として織物を得た。得ら
れた織物の減量率は22%であり、弾性性能は優れてい
たが、筋状溝もなくフィブリル状極細繊維の発生もなく
優れた風合いを得ることはできなかった。(表2参照)
【0052】(比較例3)共重合ポリエステル弾性繊維
(A)として、表1のに記載した以外は、実施例1の
共重合ポリエステル繊維の製造法と同様に実施したが製
糸安定性に乏しかった。共重合ポリエステル弾性繊維
(A)を変更した以外は実施例1と同一条件とし織物を
得た。得られた織物の減量率は23%であった。織物は
弾性性能が大きく劣っていた。(表2参照)
【0053】(比較例4)共重合ポリエステル弾性繊維
(A)として、表1のに記載した以外は、実施例1の
共重合ポリエステル繊維の製造法と同様に実施したが製
糸安定性が若干乏しかった。共重合ポリエステル弾性繊
維(A)を変更した以外は実施例1と同一条件とし織物
を得た。得られた織物の減量率は21%であった。織物
は弾性性能が大きく劣っていた。(表2参照)
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【発明の効果】本発明は、共重合ポリエステル弾性繊維
(A)と、筋状溝とフィブリル状極細繊維に分割してい
るポリエステル繊維(B)とが複合させて形成されたポ
リエステル複合糸であり、従来にないドライで柔軟な風
合いと弾性性能を有する。更に共重合ポリエステル弾性
繊維(A)を芯側に、ポリエステル繊維(B)を鞘側に
配することによって弾性性能と風合い効果が向上し、ポ
リエステル繊維(B)が自発伸長性を有する場合、更に
顕著な風合い効果が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D02G 3/32 D02G 3/32 D02J 1/22 D02J 1/22 J D06M 11/38 D06M 5/02 F G

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点が180℃以上、20%伸長時の弾
    性回復率が80%以上である共重合ポリエステル弾性繊
    維(A)と繊維表面に、幅0.1μm〜3μm、長さ1
    0μm以上、隣接する任意の該筋状溝の間隔が5μm以
    下である繊維軸方向に高配向した筋状溝を有するととも
    に、直径0.05〜5μm、長さ10μm以上のフィブ
    リル状超極細繊維に分割しているポリエステル繊維
    (B)とが複合されていることを特徴とするポリエステ
    ル複合糸。
  2. 【請求項2】 請求項1のポリエステル繊維(B)が、
    沸水処理時の伸長率が0〜5%、沸水処理後130℃以
    上での乾熱処理時の伸長率が1〜4%なる自発伸長性を
    有するポリエステル繊維である請求項1記載のポリエス
    テル複合糸。
  3. 【請求項3】 ポリエステル繊維(B)が鞘側に位置
    し、共重合ポリエステル弾性繊維(A)が芯側に位置
    し、20%伸長時の弾性回復率が80%以上である請求
    項1または請求項2記載のポリエステル複合糸。
  4. 【請求項4】 共重合ポリエステル弾性繊維(A)の撚
    数が、300〜800T/mである請求項1〜3いずれ
    か1項に記載のポリエステル複合糸。
  5. 【請求項5】 共重合ポリエステル弾性繊維(A)の主
    たる成分が、ハードセグメントとしてポリブチレンテレ
    フタレート系ポリエステルと、ソフトセグメントとして
    ポリテトラメチレングリコール系ポリエーテルから構成
    される請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリエステ
    ル複合糸。
  6. 【請求項6】 共重合ポリエステル弾性繊維(A)が、
    85〜99モル%のテレフタル酸成分と1〜15モル%
    の脂肪族ジカルボン酸成分とからなるジカルボン酸成
    分、及び1,4−ブタンジオールと平均分子量400〜
    4000のポリテトラメチレングリコールを主とするグ
    リコール成分から構成される共重合ポリエステルであっ
    て、該ポリテトラメチレングリコール成分の含有量が全
    ポリマーに対して10〜40重量%である請求項1〜5
    のいずれか1項に記載のポリエステル複合糸。
  7. 【請求項7】 共重合ポリエステル弾性繊維(A)を構
    成する共重合ポリエステルが、テレフタル酸88〜98
    モル%と炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸成分2〜
    12モル%とからなるジカルボン酸成分、1,4−ブタ
    ンジオール並びに平均分子量400〜4000のポリテ
    トラメチレングリコールを主とするグリコール成分とか
    ら主として構成され、該ポリテトラメチレングリコール
    成分の含有量が全ポリマーに対して15〜35重量%で
    あり、更にヒンダードフェノール系化合物の安定剤及び
    /またはチオエーテル系化合物の安定剤を0.5重量%
    以下含有している請求項1〜6いずれか1項に記載のポ
    リエステル複合糸。
  8. 【請求項8】 ポリエステル繊維(B)が、少なくとも
    一種類の芳香族ジカルボン酸成分あるいはそのエステル
    形成性誘導体と、少なくとも一種類のグリコール成分か
    らなるポリエステル繊維であって、下記一般式(1)で
    示される有機スルホン酸金属塩を0.5重量%以上含有
    する請求項1〜6いずれか1項に記載のポリエステル複
    合糸。 R−SO3M ・・・(1) (式中のRは炭素数3〜30のアルキル基、または炭素
    数7〜40のアリール基もしくはアルキルアリール基を
    示し、Mはアルカリ金属を示す。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101183498B1 (ko) 2003-06-20 2012-09-20 데이진 화이바 가부시키가이샤 폴리에테르에스테르 탄성 섬유 및 이것을 사용한 포백,의료

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KR101183498B1 (ko) 2003-06-20 2012-09-20 데이진 화이바 가부시키가이샤 폴리에테르에스테르 탄성 섬유 및 이것을 사용한 포백,의료

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