JPH11279571A - 石油残渣−水スラリ−の製造方法 - Google Patents
石油残渣−水スラリ−の製造方法Info
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- JPH11279571A JPH11279571A JP10100457A JP10045798A JPH11279571A JP H11279571 A JPH11279571 A JP H11279571A JP 10100457 A JP10100457 A JP 10100457A JP 10045798 A JP10045798 A JP 10045798A JP H11279571 A JPH11279571 A JP H11279571A
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- C10—PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
- C10L—FUELS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NATURAL GAS; SYNTHETIC NATURAL GAS OBTAINED BY PROCESSES NOT COVERED BY SUBCLASSES C10G, C10K; LIQUEFIED PETROLEUM GAS; ADDING MATERIALS TO FUELS OR FIRES TO REDUCE SMOKE OR UNDESIRABLE DEPOSITS OR TO FACILITATE SOOT REMOVAL; FIRELIGHTERS
- C10L1/00—Liquid carbonaceous fuels
- C10L1/32—Liquid carbonaceous fuels consisting of coal-oil suspensions or aqueous emulsions or oil emulsions
- C10L1/326—Coal-water suspensions
Abstract
それによって安価で安定性の高い高濃度溶剤脱瀝残渣の
水スラリーを容易に得ることができる製造方法を提供す
る。 【解決手段】 低速で回転する容器2と、容器2の回転
軸に平行で回転軸が偏心して位置し、かつ容器2とは逆
向きに高速回転する羽根付きの撹拌翼3とを備えた高速
撹拌機を用いる。高速撹拌機内で溶剤脱瀝残渣を粉砕助
剤と水とともに撹拌して粉砕した後、分散剤を加えてス
ラリー化して所定粘度に調製する。それに安定化剤を加
えて安定化スラリーを得る。なお分散剤及び安定化剤
は、粉砕前から高速撹拌機内に入れておいてもよい。
Description
リーの製造方法に関する。
で、重油の需要は減少するために、残油をできるだけ分
解して白油得率をあげることが望まれている。また、原
油埋蔵量の減少に伴い、オイルサンドやオリノコタール
のような超重質原油の有効活用にも関心が高まってい
る。
ックによる重油あるいは道路建設基材として利用されて
いる。減圧残油をアップグレーディングする方法として
は、残油流動接触分解、水素化分解、熱分解などによる
軽質化とプロパンやブタン等の軽質炭化水素を溶媒に用
いて脱瀝油(脱アスファルテン油)を抽出する物理的分
離がある。溶剤脱瀝は他のアップグレーディング装置に
比べて比較的安価で、水素を使わない利点があるが、溶
剤脱瀝残渣が常温で固体のために貯蔵、運搬などのハン
ドリングが煩雑である。溶剤脱瀝残渣を液体燃料とする
ためには、分解軽油を3割から5割添加して重油並に粘
度を下げている。しかし、脱瀝油を流動接触分解して得
られた分解軽油をカッターストックとして用いるため
に、結果的に溶剤脱瀝の抽出率を下げることになる。そ
こで、溶剤脱瀝残渣を粉砕し、それを水中に高濃度に分
散させる水スラリー化技術が注目されている。
ー:CWM(Coal-Water Mixture)(以下、CWMとい
う)として液体燃料化することはすでに実用化されてい
るが、溶剤脱瀝残渣等の石油系高炭素質残渣については
石炭の水スラリー化の場合と異なる特異の技術的問題、
たとえば、軟化点が低いために温度環境に影響されやす
く、ハンドリング上の問題のほか、スラリー化における
粉砕特性や分散性、実現可能濃度あるいは製品の安定特
性等に関しても、CWMの場合とは一連托生に運ばない
本質的な技術課題を有しており、実用化への期待が高ま
るにしたがって、実態究明と対応がなされつつある。
求められるもっとも重要な技術的要件は、燃料固体成分
を高濃度に保持できること、スラリーとして粘度が低く
かつ貯蔵・輸送時に安定であり、かつ、粉砕エネルギー
や装置、分散剤等に係るコストが安いことであり、これ
らのいずれの要素も総合的に満足することが望ましい。
いては、後述の特開昭62−225592号公報にも指
摘されているように、CWMの場合と共通の最密充填原
理が溶剤脱瀝残渣−水スラリ−にも当てはまるものと考
えられ、20℃における見掛粘度が1,000センチポ
イズ(cP)以下を目標とする場合、65〜70wt%
あるいはそれをやや上回る程度が現実的に可能な最大濃
度である。また、ポンプ輸送可能体としての水スラリー
の流動性ならびに安定性については、主成分たる粒子の
種類、濃度、粒径分布、分散状態、分散剤の種類や量、
スラリーの安定性を維持するための安定剤の種類、量、
さらに、これらを含むすべての構成要素相互の作用関
係、製造条件、温度等の環境などの影響をうける。
つ、高い流動性をもったスラリーを得る場合の溶剤脱瀝
残渣の好ましい粒度分布は図11に示すようにおよそ1
μmから1000μmの粒子径に亘って略逆W字状をな
すような分布であることがわかっている。その理由は、
径の大きな粒子同士の隙間に径の小さな粒子が入り込
み、それによって溶剤脱瀝残渣の粒子が最密充填され、
水スラリーの流動性がよくなるからである。それに対し
て粒子径が大きくてもまた小さくても粒子径が一様に揃
うと、粒子間に隙間が生じてしまい、最密充填にはなら
ない。
に寄ってもよいが、そのような粒度分布を得ることは、
溶剤脱瀝残渣を撹拌して粉砕する装置の構造上実質不可
能である。例えば撹拌時間を長くして粒子を微細化しよ
うとすると、小径の粒子はそれ以上粉砕されずに大径の
粒子が微細化されるだけであり、それによって図11の
分布の大径端が急激に粒度分布の小径側(図11の左
側)に寄り、粒度分布が急峻になって水スラリーの流動
性が悪化してしまう。それとは逆に粒度分布がより大径
側(図11右側)に寄ると、粒子径が大きくなるため水
スラリーにおいて粒子の沈降が多くなり、長期安定性が
悪くなってしまう。
due−Water Mixture;以下RWMと称
する)の製造プロセスについて検討すると、石炭−水ス
ラリーの製造で既に用いられている典型的な方法、例え
ば粗粉砕原料を分散剤の存在下、水中で湿式高濃度微粉
砕した後、安定剤を添加、混練することからなる一段粉
砕法を適用することが実用的かつ経済的な手法と考えら
れる。
用いて溶剤脱瀝残渣の粉砕を試みたところ、破砕粒子の
粒径範囲が微粒子側に寄り、図11に示すような広い粒
径範囲の分布が得られなかった。その理由は、溶剤脱瀝
残渣は石炭に比べてオイル分や気泡、また、重金属類や
硫黄分の含有量が多いことなど構成成分の違いや、比
重、破砕粒子形状や破砕特性、更にスラリー化条件など
の違いから、両者における濃度、分散状態並びに安定性
についてかなり大きな差があることに起因するものと考
えられる。
砕機を用いて溶剤脱瀝残渣の粉砕を試みたところ、2段
階粉砕を行うことによって図11に示す粒度分布を得る
ことができることが判明した。
ミル型粉砕機を用いた2段階粉砕では、工程数が多くな
り、製造コストが高くなってしまう。これは、残渣を利
用してできるだけ低いコストで燃料化を図るという観点
からすれば好ましいことではない。
開昭62−225592号公開公報に開示された手法が
ある。この手法では偏平な円筒状の粉砕室の中に、この
粉砕室の上下両面及び側周面とわずかな間隔をもって回
転刃、あるいは固定刃と回転刃とを組み合わせた粉砕刃
を設けて構成した粉砕機を用い、ホッパーからの供給物
を粉砕機において粉砕した後、排出管から排出させるよ
うにしている。しかしながらこれらの粉砕機を用いて溶
剤脱瀝残渣の粉砕を行っても本発明者が狙っている図1
1に示すような限定された粒度分布が得られないという
ことを本発明者らは経験的に把握している。その理由に
ついては、溶剤脱瀝残渣に対して剪断力の他に大きな摩
擦力を利用して粉砕しているが、減圧残油の溶剤脱瀝残
渣の軟化点は一般に120℃〜200℃であり、大きな
摩擦力を受けて高い温度になり一部が軟化することが一
つの要因ではないかと推察される。
ものであり、その目的は、1段階のスラリ−生成工程に
より好ましい粒度分布を有し、それによって安価で安定
性の高い高濃度溶剤脱瀝残渣などの高濃度石油残渣の水
スラリーを容易に得ることができる製造方法を提供する
ことにある。
ラリ−の製造方法は、容器の底部に撹拌翼を備えた高速
撹拌機内に石油残渣を入れ、前記撹拌翼を高速回転させ
ることにより石油残渣を粉砕する工程と、水及び分散剤
を、石油残渣を粉砕する前または石油残渣を粉砕する工
程の途中あるいは終了後に石油残渣に加えると共に、粉
砕助剤を石油残渣を粉砕する前または石油残渣を粉砕す
る工程の途中に石油残渣に加え、石油残渣と共に撹拌し
て石油残渣−水スラリ−を得る工程と、を含むスラリ−
生成工程により石油残渣−水スラリ−を製造することを
特徴とする。この方法は、軟化点120〜200℃の石
油残渣、特に溶剤脱瀝残渣をスラリ−化する場合に適し
ている。高速撹拌機の容器は撹拌翼と逆回転することが
好ましく、また高速撹拌機の容器は傾けて設けられると
共に撹拌翼の回転中心軸は容器の中心軸よりも偏心して
いることが好ましい。更に容器の隅部には石油残渣が滞
留しないように仕切り部が設けられていることが好まし
い。
は、例えば粒径5.5μm以下が15wt%〜40wt
%、粒径710μm以下が80%以上である。水の添加
量は、石油残渣及び水の総量に対して例えば25〜50
wt%である。また本発明は、得られた石油残渣−水ス
ラリ−をストレーナーを通して濾過する工程、得られた
石油残渣−水スラリ−に安定化剤を加える工程を含むこ
とが好ましい。
いて説明する。
される高速撹拌機の一例が示されている。この高速撹拌
機1は、有底円筒状でその中心軸を回転軸(図1及び図
2に一点鎖線で示す)として比較的低速で回転する撹拌
槽をなす容器2と、その容器2とは逆向きに高速回転す
る撹拌翼3を備えている。容器2は、例えばその中心軸
が斜めに傾いた状態で支持台4により支持されている。
傾斜の角度は、約30°以下、例えば10〜15°程度
あるいはそれ以下が好ましい。容器2の内部には、その
中心軸よりも上側の容器内隅部に溶媒脱瀝残渣等が撹拌
されずに留まるのを防ぐ仕切り部材21が設けられる。
仕切り部材21は例えば容器2の蓋体22に取り付けら
れている。
に延びて設けられている。撹拌翼3は、そのシャフト3
1すなわち撹拌翼3の回転軸が容器2の中心軸と平行で
かつ容器2の中心軸よりも前後左右に位置するように、
即ち容器2の中心軸に対して偏心した位置にて支持台4
により支持されている。偏心の度合は、粉砕効率および
動力費が有利な範囲で撹拌翼3の先端と容器2の内壁と
の間隔ができるだけ狭くなるようにするのが好ましい。
その間隔は装置の大きさにもよるが、例えば30cm以
下が好ましい。撹拌翼3の羽根32は容器2の底面23
の近くに位置しており、それによって容器2内の上部か
ら下降してくる溶剤脱瀝残渣の粒子を効率よく撹拌する
ことができるようになっている。支持台4には、容器2
及び撹拌翼3を回転させるモータ41,42が取り付け
られている。
うに水平に支持されていてもよい。その場合には、容器
底部の隅部に仕切り部材等を設け、その隅部に溶剤脱瀝
残渣等が撹拌されずに留まるのを防ぐようにすればよ
い。また撹拌翼3としては羽根がシャフト31に沿って
2段以上設けられていてもよいし、羽根の数は3本以下
または5本以上でもよく、更にはまたシャフト31の先
端にこれと直交するようにディスク部材を設け、このデ
ィスク部材の外周に沿って例えば前記シャフト31と平
行な羽根を設けた構成のものであってもよい。そしてま
た撹拌翼3を2個以上設ける構成、例えば2本のシャフ
ト31を容器の中心軸に対して偏心した2カ所の位置に
配置し、これらシャフトに夫々羽根32を設けた構成と
してもよい。
係る製造方法の実施の形態を図3〜5を参照しながら説
明する。まず図3に示す例について述べると、前記高速
撹拌機1の撹拌槽(容器2)内に溶剤脱瀝残渣と適量の
粉砕肋剤と適量の水を仕込む。この時の溶剤脱瀝残渣は
フレーク状である。このように粉砕助剤を粉砕工程の初
期に添加すると粉砕性が高まって幅広い粒度分布が得ら
れるとともに、スラリー化のために後の工程で添加され
る分散剤の添加量を少なくすることができるので好まし
い。
出法によりアスファルトやレジン分を分離除去し、付加
価値の高い脱れき油を得る場合、脱れき油の性状が良好
でありながらある程度高い抽出率を確保しようとする
と、脱れき油の収率が一般に40wt%〜80wt%で
あり、この場合ピッチの軟化点が120℃〜200℃と
なる。前記容器2内に供給される溶剤脱瀝残渣として
は、例えばこのような軟化点が120℃〜200℃の溶
剤脱瀝残渣が用いられる。
速度が例えば10〜42m/sec 、容器2の回転数が例
えば10〜44rpmである。撹拌翼3の回転数があま
り高いと、粒度分布の山が微粒子側に寄ってしまうので
好ましくない。また粉砕時間は撹拌翼3の回転数、分散
剤の有無等にもよるが、例えば5〜60分程度行えばよ
く、本発明者らが行った実験によれば粉砕時間が15分
程度で溶剤脱瀝残渣の粒度分布に変化が見られなくな
り、あまり長時間粉砕を続けると造粒されてしまう。
ェットパウダー)状になる。この場合水の添加量は、溶
剤脱瀝残渣あたり25〜50wt%、好ましくは25〜3
0wt%である。粉砕助剤は、カルボキシメチルセルロー
ス(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HE
C)、ポリビニルアルコール及びポリエチレングリコー
ル等の増粘剤から選択される1種または2種以上よりな
る。粉砕助剤の添加量は、溶剤脱瀝残渣と水の総量あた
り50〜3000wtppm がよく、好ましくは100〜1
000wtppm であるのがよい。
加し、高速撹拌機を5分間駆動してウェットパウダーを
液化し、その粘度を調整してスラリー化する。分散剤と
して各種界面活性剤が使用され得る。アニオン系界面活
性剤では、リグニンスルホン酸塩、特にそのカルシウ
ム、マグネシウム及びナトリウムの塩、部分脱スルホン
リグニンスルホン酸塩であって官能基としてスルホン酸
基、カルボキシル基、フェノール性水酸基またはアルコ
ール性水酸基をもつもの、ナフタレンスルホン酸塩、特
にそのナトリウムまたはマグネシウムの塩、ポリスチレ
ンスルホン酸塩、特にそのナトリウムの塩、並びにナフ
タレンスルホン酸ホルマリン縮合物(NSF)またはそ
のナトリウムもしくはマグネシウムの塩が好適である。
分散剤はこれらのうちから選択される1種または2種以
上よりなる。これらの列挙したアニオン系界面活性剤の
うちナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物やポリスチ
レンスルホン酸塩は、温度の高低による性能の変化が小
さく、かつ粉砕助剤に対して悪影響を与えず、スラリー
化に必要な添加量が少ないという利点を有する。
リオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキ
シエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンソルビ
タンモノラウレート及びポリオキシエチレンソルビタン
モノパルミテートなどが有用である。一般にノニオン系
界面活性剤は、泡立ちやすく温度の高低による性能変化
が大きいが、親油性が強いため溶剤脱瀝残渣のスラリー
化を著しく促進することができるという利点がある。分
散剤の添加量は、溶剤脱瀝残渣1kgに対して2〜20g
がよく、好ましくは3〜10gである。
ら取り出し、それを混合槽である中間タンクに一旦入れ
る。さらにその中間タンク内のスラリーをストレーナ等
によりろ過する。このろ過工程によって例えば粒子径が
800μmよりも大きな溶剤脱瀝残渣粒子を除去する。
ろ過されたスラリー(その粒子径は例えば800μm以
下である)を撹拌槽内に所定量の安定剤とともに入れ、
例えば10分間滞留させて安定化させる。
ース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース( HE
C)、ポリビニルアルコール及びポリエチレングリコー
ルよりなるグループから選択される1種または2種以
上、(2)水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムよりな
るグループから選択される1種または2種、(3)水酸
化マグネシウム、酸化マグネシウム、コロイダルシリ
カ、カオリン、ベントナイト及びアタパルガス粘土より
なるグループから選択される1種または2種以上よりな
る。安定剤の添加量は、スラリーあたり100〜600
0wtppm がよく、好ましくは500〜3000wtppm で
ある。
スタンク等の別のタンクへ輸送する。またストレーナ等
により除去された粒子径が800μmより大きい溶剤脱
瀝残渣粒子は例えば次の粉砕サイクルの時などに溶剤脱
瀝残渣の原料として使用され、再び水等とともに高速撹
拌機内に投入される。
の工程例に示すように、ウェットパウダーに分散剤を添
加し4分間駆動してスラリー化した後、その状態で高速
撹拌機内に所定量の安定剤をさらに添加し、高速撹拌機
の撹拌翼を例えば1分間駆動してスラリーを安定化させ
てもよい。
の工程例に示すように、溶媒脱瀝残渣、粉砕助剤、水、
分散剤及び安定化剤をはじめから高速撹拌機1内に仕込
んでおき、撹拌翼3を駆動してスラリーを生成するよう
にしてもよい。
び分散剤のタイミングについての例を図6の例1〜例4
として示す。例1は上述の実施の態様に相当し、最初に
高速撹拌機内に溶剤脱瀝残渣と水と粉砕助剤を入れて所
定時間(一例として15分として記載してある)粉砕し
た後に分散剤を添加している。例2は最初に高速撹拌機
内に溶剤脱瀝残渣と水のみを入れて所定時間粉砕した後
に粉砕助剤と分散剤を添加している。例3は最初に高速
撹拌機内に溶剤脱瀝残渣のみを入れて所定時間粉砕した
後に水と粉砕助剤と分散剤を添加している。例4は最初
に高速撹拌機内に溶剤脱瀝残渣と水と粉砕助剤と分散剤
を入れて所定時間粉砕している。
では既述の図11の粒度分布において大径側の裾の部分
は粒子の頻度がゼロになるまでなだらかに減少する。こ
れに対して例4では例1〜例3の例に比べて大径側の粒
子の頻度は高いがつまり大径側に粒度分布の山が寄って
いるが、大径側の裾の部分は急峻に下がってゼロとな
る。このように分散剤を投入する時期によって粒度分布
を調整することができ、粒度分布の山の形と大粒子径側
の裾の部分とをほど良い状態に合わせ込むことができ
る。
の底面部に撹拌翼を備えた撹拌機を用いて、溶剤脱瀝残
渣を撹拌翼との衝突により粉砕しているので、後述する
実施例からわかるように、1段階粉砕により所望の粒度
分布が得られ、それによって安価で安定性の高い高濃度
RWMを容易に得ることができる。そしてこの方法は、
特に軟化点が120℃〜200℃の溶剤脱瀝残渣の場合
に好適である。何故ならこのプロセスは発熱が低いので
軟化点が120℃と低くても軟化せず、また軟化点が2
00℃までのものであれば適度に粉砕されるからであ
る。
下の粒子の生成量が15wt%〜40wt%、710μ
m以下の粒子の生成量が80wt%以上であるような分
布である。5.5μm以下の粒子の生成量が15wt%
よりも小さいと粒度分布の微粒子側のピ−クがシャ−プ
になるので流動性が悪くなり、40wt%を越えると粗
い粒子が少なくなるので粒径が揃ってしまい、やはり流
動性が悪くなる。また710μm以下の粒子の生成量が
80wt%よりも小さくなると、燃焼効率が悪くなり、
燃料供給ノズルを通りにくくなる。
器の底部に設けられた撹拌翼により3000rpmを越
える高速撹拌を行い、これにより形成された激しい渦流
による剪断力と、撹拌機と粒子との衝撃力との作用に基
づくと考えられる。更に容器2が回転することに加え、
撹拌翼3のシャフト31が容器2の中心軸から偏心して
いるため、不均一な流れが形成され、結果として均一な
粉砕作用が得られる。即ち容器2の中心軸に対して均一
な流れの場合には、スラリ−の一部は常に大きな剪断力
を受け、他の部分は常に小さな剪断力しか受けないが、
不均一な流れを形成すれば、ある時間で見た場合、スラ
リ−のどの部分も概ね同じ剪断力を受けることになる。
更にまた容器2の隅部のうち底面中心部よりも上側に位
置する部分に仕切り部材21を設けて当該隅部に粒子が
滞留しないようにしていることも、高い粉砕機能が得ら
れている要因の一つであると考えられる。
特徴をより明らかとする。以下の各実施例及び各比較例
においては、中東系原油を処理する典型的な石油精製工
場において入手可能な溶剤脱瀝残渣を用いた。この溶剤
脱瀝残渣の組成及び特性を調べたところ、高発熱量は9
610cal /g (試験法:JIS M8814(19
93))であり、灰分は0.5wt%(試験法:JIS
M 8812(1993))であり、炭素は84.2wt
%(試験法:JIS M 8813(1988))であ
り、水素は8.46wt%(試験法:JIS M 881
3(1988))であり、窒素は1.16wt%(試験
法:JIS M 8813(1988))であり、酸素
は0.3wt%(試験法:JIS M 8813(198
8))であり、全硫黄は5.42wt%(試験法:JIS
M 8813(1988))であった。軟化点は14
2.5℃(試験法:JIS K 2207(199
3))であった。HGI(Hard Globe In
dex)は155(試験法:JIS M 8801(1
993))であった。
図2に示す構成と同様の高速撹拌機(最大回転数:50
00rpm )を用いた。ただし容器の内径は26cm、容
器の底面から上面までの高さ(軸方向の長さ)は26c
m、羽根の外径及び幅は夫々14cm及び1.5cmで
あった。この傾きは約10°、羽根の先端と容器の内壁
との間隔は約10mmであった。
するために、最初に高速撹拌機内に溶剤脱瀝残渣のみを
2160gを入れ、撹拌翼及び容器の回転数をそれぞれ
2082rpm 、44rpm として粉砕処理を40分間行っ
た。得られた粉砕品の性状は粉末であり、溶剤脱瀝残渣
の濃度は100%であった。図7に、粉砕品の収量、粒
子径が710μm以上の残存量(+710μmの欄)、
粒子径が710μm未満の粒子の粒度分布、平均体積粒
径及び粒子径が5.5μm以下の生成量(−5.5μm
の欄)を示す。なお、粒度分布の欄の10%、50%及
び90%の欄は、粒子径の小さいものから大きいものへ
と順次粒子を取り出した時に累積値がそれぞれ10%、
50%及び90%に相当する粒子の径を表している。
ル型粉砕機を用いた場合に比べて、分布幅の広い粒度分
布が得られることがわかる。
するために、最初に高速撹拌機内に2160gの溶剤脱
瀝残渣とともに水を総量に対して28wt%加えて、撹拌
翼及び容器の回転数をそれぞれ2082rpm 、44rpm
として粉砕処理を30分間行った。得られた粉砕品の性
状は粉末であり、溶剤脱瀝残渣の濃度は74.0%であ
った。図7に、粉砕品の収量、粒子径が710μm以上
の残存量、粒子径が710μm未満の粒子の粒度分布、
平均体積粒径及び粒子径が5.5μm以下の生成量を示
す。
型粉砕機を用いた場合に比べて、より短時間で粒子径が
5.5μm以下の粒子が20wt%以上生成し、かつ90
wt%パスの粒子径が180μm以上を含むような分布幅
の広い粒度分布が得られることがわかる。
末に溶剤脱瀝残渣1kg当たり9g/kgの分散剤であるN
SF(ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物)、及び
溶剤脱瀝残渣と水の総量あたり300wtppm の粉砕助剤
であるCMC(カルボキシメチルセルロース)を添加
し、さらに安定剤としてスラリーあたり2000ppm の
アタパルガス粘土を添加して、粘度調製及び安定化を行
ってスラリーを得た。得られたスラリーにおける溶剤脱
瀝残渣の濃度及びスラリーの見掛粘度を図8に示す。
リリットルのトールビーカーに185g採取し、これを
左右振動幅が50mm幅で振動回数が145rpm の振動機
により24時間振動させた後、5分間排出させて、沈降
状態を評価した。その結果を図8に併せて示す。
するために、最初に高速撹拌機内に2160gの溶剤脱
瀝残渣とともに、溶剤脱瀝残渣と水との総量に対して2
8wt%の水、及び溶剤脱瀝残渣と水の総量あたり300
ppm の粉砕助剤であるCMCを入れ、撹拌翼及び容器の
回転数をそれぞれ2082rpm 、44rpm として粉砕処
理を30分間行った。得られた粉砕品の性状は粉末であ
り、溶剤脱瀝残渣の濃度は74.5%であった。図7
に、粉砕品の収量、粒子径が710μm以上の溶剤脱瀝
残渣の残存量、粒子径が710μm未満の粒子の粒度分
布、平均体積粒径及び粒子径が5.5μm以下の生成量
を示す。
型粉砕機を用いた場合に比べて、より短時間で粒子径が
5.5μm以下の粒子が20wt%以上生成し、かつ90
wt%パスの粒子径が180μm以上を含むような分布幅
の広い粒度分布が得られることがわかる。
末に溶剤脱瀝残渣1kg当たり5g/kgの分散剤であるN
SFを添加し、さらに安定剤としてスラリーあたり20
00ppm のアタパルガス粘土を添加して、粘度調製及び
安定化を行ってスラリーを得た。得られたスラリーにお
ける溶剤脱瀝残渣の濃度及びスラリーの見掛粘度を表2
に示す。
略半減してもよいことがわかる。また、得られたスラリ
ーについて実施例2と同様にして沈降状態を評価した。
その結果を図8に併せて示す。
するために、最初に高速撹拌機内に3450gの溶剤脱
瀝残渣とともに溶剤脱瀝残渣及び水の総量に対して31
wt%の水、溶剤脱瀝残渣と水の総量あたり300ppm の
粉砕助剤であるCMC、及び溶剤脱瀝残渣1kgに対して
7gの分散剤であるNSFを入れ、撹拌翼及び容器の回
転数をそれぞれ2082rpm 、44rpm として粉砕処理
を60分間行った。得られた粉砕品の性状はスラリーで
あり、溶剤脱瀝残渣の濃度は71.7%であった。また
スラリーの見掛粘度は500cP(センチポイズ)であ
った。表1に、粉砕品の収量、粒子径が710μm以上
の残存量、粒子径が710μm未満の粒子の粒度分布、
平均体積粒径及び粒子径が5.5μm以下の生成量を示
す。
型粉砕機を用いた場合に比べて、分布幅の広い粒度分布
が得られることがわかる。
としてスラリーあたり2000ppmのアタパルガス粘土
を添加して、粘度調整及び安定化を行った。最終的に得
られたスラリーにおける溶剤脱瀝残渣の濃度及びスラリ
ーの見掛粘度を図8に示す。
と同様にして沈降状態を評価した。その結果を図8に併
せて示す。
するために、最初に高速撹拌機内に2160gの溶剤脱
瀝残渣とともに溶剤脱瀝残渣及び水の総量に対して28
wt%の水、溶剤脱瀝残渣と水の総量あたり300ppm の
粉砕助剤であるCMCを入れ、撹拌翼及び容器の回転数
をそれぞれ2082rpm 、44rpm とし粉砕処理を15
分間行った。その後溶剤脱瀝残渣1kgに対して5gの分
散剤であるNSFを入れ、3分間撹拌し、最後に安定剤
としてスラリーあたり2000ppm のアタパルガス粘土
を添加して1分間撹拌し、粘度調製及び安定化を行って
スラリーを得た。図7に、得られた粉砕品の収量、粒子
径が710μm以上の残存量、粒子径が710μm未満
の粒子の粒度分布、平均体積粒径及び粒子径が5.5μ
m以下の生成量を示す。
pmとした他は実施例5と全く同様にしてスラリ−を得
た。図7に、得られた粉砕品の収量、粒子径が710μ
m以上の残存量、粒子径が710μm未満の粒子の粒度
分布、平均体積粒径及び粒子径が5.5μm以下の生成
量を示す。
瀝残渣及び、溶剤脱瀝残渣と水との総量に対して25w
t%の水を入れるとともに出来上がり後の溶剤脱瀝残渣
量に対して300ppm の粉砕助剤(カルボキシメチルセ
ルロース)を入れ、撹拌翼及び容器の回転数をそれぞれ
3740rpm 、44rpm として粉砕処理を15分間行っ
た。得られた溶剤脱瀝残渣の粉末に溶剤脱瀝残渣1kg当
たり5gの分散剤であるNSFと濃度調製用の水を添加
し、撹拌翼を2082rpm または3740rpm の回転数
で1〜2分間駆動し、さらに安定剤を添加して安定化ス
ラリーを得た。このスラリーの粒度分布を図9に示す。
同図より所望の粒度分布が得られたことが分かる。また
後述する比較例2のボールミル型粉砕機を用いた場合よ
りもより広い粒度分布幅が得られる(図9及び図10参
照)。さらに後述する比較例1,2のボールミル型粉砕
機を用いた場合のスラリーにおける溶剤脱瀝残渣の濃度
が69wt%であるのに対して、本実施例では略75wt%
とより高い濃度が得られる。
砕機を用いて溶剤脱瀝残渣の粉砕を行った。600gの
スラリーを生成するために、ボールミル型粉砕機内に4
20gの溶剤脱瀝残渣とともに180gの水、溶剤脱瀝
残渣と水との総量あたり300wtppm の粉砕助剤、及び
溶剤脱瀝残渣1kgに対して9gの分散剤であるNSFを
入れ、容器の回転数を60rpm として粉砕処理を45分
間行った。得られた粉砕品の性状はスラリーであり、溶
剤脱瀝残渣の濃度は69.0%であった。またスラリー
の見掛粘度は1128cPであった。図7に、粉砕品の
収量、粒子径が710μm以上の残存量、粒子径が71
0μm未満の粒子の粒度分布、平均体積粒径及び粒子径
が5.5μm以下の生成量を示す。
としてスラリーあたり2000wtppm のアタパルガス粘
土を添加して、粘度調製及び安定化を行った。最終的に
得られたスラリーにおける溶剤脱瀝残渣の濃度及びスラ
リーの見掛粘度を表2に示す。また、得られたスラリー
について実施例2と同様にして沈降状態を評価した。そ
の結果を図8に併せて示す。
砕機を用いて溶剤脱瀝残渣の粉砕を行った。ボールミル
型粉砕機内に溶剤脱瀝残渣とともに溶剤脱瀝残渣及び水
の総量に対して30wt%の水、出来上がり後の溶剤脱瀝
残渣量に対して300wtppm の粉砕助剤(カルボキシメ
チルセルロース)、及び溶剤脱瀝残渣1kg当たり9g/
kgの分散剤であるNSFを入れ、容器の回転数を41rp
m として粉砕処理を20分間行った。得られた粉砕品の
性状はスラリーであった。そのスラリーにおける溶剤脱
瀝残渣の濃度及びスラリーの見掛粘度を図8に示す。ま
たこのスラリーの粒度分布を図10に示すが、この場合
大径側に山が偏ってしまい、幅広い所望の粒度分布が得
られなかったことがわかる。
砕により分布幅の広い所望の粒度分布が得られるので安
価で安定性の高い高濃度溶剤脱瀝残渣の水スラリーを容
易に得ることができる。
例を示す部分断面図である。
視図である。
る。
である。
を対応付けて示す説明図である。
タを示す説明図である。
示す説明図である。
である。
図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 容器の底部に撹拌翼を備えた高速撹拌機
内に石油残渣を入れ、前記撹拌翼を高速回転させること
により石油残渣を粉砕する工程と、 水及び分散剤を、石油残渣を粉砕する前または石油残渣
を粉砕する工程の途中あるいは終了後に石油残渣に加え
ると共に、粉砕助剤を石油残渣を粉砕する前または石油
残渣を粉砕する工程の途中に石油残渣に加え、石油残渣
と共に撹拌して石油残渣−水スラリ−を得る工程と、 を含むスラリ−生成工程により石油残渣−水スラリ−を
製造することを特徴とする石油残渣−水スラリ−の製造
方法。 - 【請求項2】 石油残渣は、軟化点120〜200℃で
あることを特徴とす請求項1記載の石油残渣−水スラリ
−の製造方法。 - 【請求項3】 高速撹拌機の容器は撹拌翼と逆回転する
ことを特徴とする請求項1または2記載の石油残渣−水
スラリ−の製造方法。 - 【請求項4】 撹拌翼の回転中心軸は容器の中心軸より
も偏心していることを特徴とする請求項1、2または3
記載の石油残渣−水スラリ−の製造方法。 - 【請求項5】 高速撹拌機の容器の中心軸及び撹拌翼の
回転中心軸は互にほぼ平行でかつ傾いていることを特徴
とする請求項1、2、3または4記載の石油残渣−水ス
ラリ−の製造方法。 - 【請求項6】 容器の隅部には石油残渣が滞留しないよ
うに仕切り部が設けられていることを特徴とする請求項
1、2、3、4または5記載の石油残渣−水スラリ−の
製造方法。 - 【請求項7】 得られた石油残渣−水スラリ−中の粒子
は、粒径5.5μm以下が15wt%〜40wt%、粒
径710μm以下が80wt%以上であることを特徴と
する請求項1、2、3、4、5または6記載の石油残渣
−水スラリ−の製造方法。 - 【請求項8】 水の添加量は、石油残渣及び水の総量に
対して25〜50wt%であることを特徴とする請求項
1、2、3、4、5、6または7記載の石油残渣−水ス
ラリ−の製造方法。 - 【請求項9】 得られた石油残渣−水スラリ−をストレ
ーナーに通す工程を含むことを特徴とする請求項1、
2、3、4、5、6、7または8記載の石油残渣−水ス
ラリ−の製造方法。 - 【請求項10】 得られた石油残渣−水スラリ−に安定
化剤を加える工程を含むことを特徴とする1、2、3、
4、5、6、7、8または9記載の石油残渣−水スラリ
−の製造方法。
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