JPS62225592A - 2段階粉砕による固体ピツチ水スラリ−の製造方法 - Google Patents

2段階粉砕による固体ピツチ水スラリ−の製造方法

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JPS62225592A
JPS62225592A JP6932186A JP6932186A JPS62225592A JP S62225592 A JPS62225592 A JP S62225592A JP 6932186 A JP6932186 A JP 6932186A JP 6932186 A JP6932186 A JP 6932186A JP S62225592 A JPS62225592 A JP S62225592A
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pitch
slurry
pulverization
particles
particle size
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JP6932186A
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Inventor
Koji Watanabe
光司 渡辺
Hitoshi Nishikawa
仁 西川
Zenichi Mashino
間篠 善一
Mitsuya Imai
今井 三也
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Research Association for Residual Oil Processing
Original Assignee
Research Association for Residual Oil Processing
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は固体ピッチ水スラリーの製造方法に関するもの
である。
〔従来技術〕
最近、軽質油の需要は増大しているのに対し、供給され
る原油の方はより重質なものに移行し、しかもその一部
は石炭によって代替されるように−なっている。このよ
うな社会的背景から、石油精製工場においては、重質原
油や重質残油を、溶剤脱歴、熱分解、接触分解等により
軽質化する各種の設備が設置されるようになってきてい
る。このような軽質化用の設備において副生ずるピッチ
(又はピッチ状物)は、非常に重質で、融点が高いため
に、直接燃焼しようとすると、その配管での輸送やノズ
ルからの噴霧に著しい困難が伴い、そのままの形で燃料
として利用することも極めて困難である。しかしながら
、ピッチは石炭に比べて灰分が微量で、その高位発熱量
は約8500Kcal/Kgと大きく、燃料として有利
な特性を備えているため、従来の燃焼設備に対する供給
燃料として利用し得れば非常に有利であることは明らか
である。
このようなことから、固体ピッチを微粉砕し、水中で分
散させて、固体ピッチ水スラリーの形で用いることが検
討されている。このような固体ピッチ水スラリーは、固
体ピッチとは異なり、輸送や貯蔵等のハンドリングが容
易である上、バーナ用燃料として用いることができると
いう利点を備えている。しかしながら、このような固体
ピッチ水スラリーを工業的に生産するためには、一般に
、溶融ピッチを冷却固化する工程、固体ピッチを固体輸
送及び貯蔵の可能な粒度に粗粉砕する工程。
これらの粗粉砕ピッチをベルトコンベア、サイロ等の設
備を用いて輸送、貯蔵する工程、粗粉砕ピッチを湿式微
粉砕する工程、あるいは乾式微粉砕して水と混合する工
程等が必要となる。
ところで、固体ピッチ水スラリーの場合、固体、濃度が
高いためにその流動性が悪くなる傾向があるが、取扱い
の上ではできるだけ流動性に富むものであることが望ま
しい。一般に、高濃度スラリーにおいてその流動性を高
めるためには、粒子充填率をできるだけ大きくするよう
な粒径分布を持つ粒子を分散させることが好ましいこと
が知られている。一方、粒径分布と粒子充填率との関係
は、例えばLeeの方法(D、1.Lee、J、of 
Pa1nt Technology 42(550) 
、579(1970))によって予測することができ、
これを第1図を参照しながら説明する。
第1図において、縦軸は対数目盛で表わした粒子径を示
し、横軸は通常目盛で表わした粒子の篩上累積率(%)
を示す。曲線A、B、Cは、平均粒径(粒子の篩上累積
率が50%における粒子径J)が等しい3種の典型的な
粒径分布カーブを示すものである。
これらの曲線で示される粒子充填率は、曲線Aに関して
は0.87.曲線Bに関しては0.81及び曲線Cに関
しては0.72であり、この図かられかるように、一定
粒径範囲内(第1図では点線で示した範囲)の粒子が増
えるに従って、即ち、粒子のつぶがそろうに従って1粒
子充填率は小さくなってくる。換言すれば、大きな粒子
充填率を得るには1曲線Aのように、粒子は、粒子径の
大きなものを相当量含むことが必要である。大粒子径の
ものが存在する時には、大粒子同志の間隙に小粒子が入
りやすく、粒子全体としてはそれだけ密になり1粒子充
填率が向上する。一般的には1通常の微粉砕では曲線C
の状態になりやすく、曲線Aないし曲線Bの状態の高い
粒子充填率を持つ粒子を得ることは困是である。高濃度
スラリーにおいて、高粒子充填率の粒子の分散によりそ
の流動性の向上が得られる理由は、前記のように、大粒
子同志の間には小粒子が入りやすいことから、固体粒子
濃度を同じにすれば1曲線へのように大粒子径の粒子が
相当量存在する場合はど粒子相互の低抗が少なく、その
結果、低粘度となり、流動性が向上するようになる。
第1図に示した曲線AやBのような高粒子充填率を与え
る粒径分布を持つ粒子のスラリーを得るには、粗粉砕ス
ラリーと微粉砕スラリーとを適当な配合で混合すること
によって可能の場合もあるが。
一般的には、適当な粒径分布を持つスラリーから大粒子
を分離ないし分級により除き、所望のものをつくること
になる。しかし、前者の配合法による場合、面倒な分離
・分級操作は不要ではあるものの、全体の粒子径レベル
を小さく要求される場合は、必然的に大粒子が入ってく
るために好ましくない。一方、後者の場合は分離・分級
操作が必要であり、高濃度スラリーを得る場合には容易
な方法ではない。こうしたことを避けるためには、予め
別に粒径サイズの異なる原料をいくつが用意しておき、
それらを適当な配合で混合してスラリーをつくればよい
が、この場合はプロセスが著しく複雑となって実用的で
はない。
従来の固体ピッチ水スラリーにおいては、前記したよう
に、高濃度スラリーの形で取扱われるため、その流動性
向上が重要な問題となるが、現在のところ、それに含ま
れる粒子径分布を制御して流動性向上を図るための満足
すべき方法は提案されていない。
〔目   的〕
本発明は、前記した如き従来技術の情況を鑑み、粒子径
分布が制御され、それによって流動性の向上された固体
ピッチ水スラリーを製造するための有利な方法を提供す
ることを目的とする。
〔構  成〕
本発明者らは、固体ピッチ水スラリーの製造において、
ピッチが極めて粉砕性にすぐれていることに着目し、分
離操作等を要せずに、粉砕条件を特定することのみによ
って前記目的を達成すべく種々研究を重ねた結果、本発
明を完成するに到った。
即ち、本発明によれば、固体ピッチ水スラリーを製造す
るに際し。
(i)分散媒としての水の存在下、衝撃破砕力を主体と
した粉砕手段を用いて原料ピッチを粉砕処理し、200
メツシュパス50〜80重量%の粒径分布を持つピッチ
粒子を含むピッチ水スラリーを得る第1粉砕工程、 (ii)前記第1粉砕工程から得られたピッチ水スラリ
ーを摩擦粉砕力を主体とした粉砕手段を用いて粉砕処理
し、200メツシュパス90重量%以上の粒径分布を持
つピッチ粒子を含むピッチ水スラリーを得る第2粉砕工
程、 を含むことを特徴とする2段階粉砕による固体ピッチ水
スラリーの製造方法が提供される。
本発明では、流動性の向上した固体ピッチ水スラリー(
本明細書では、単にピッチスラリーとも言う)を得るた
めに、衝撃破砕力を主体とした粉砕手段を用いる第1粉
砕工程と、摩擦粉砕力を主体とした粉砕手段を用いる第
2粉砕工程を採用する。本発明者らの研究によれば、前
記のような粉砕手段の異った2段階粉砕方式を採用する
ことにより、粉砕装置全体がコンパクトになる上、粒子
充填率が大きく、流動性の向上された高濃度ピッチスラ
リーを容易に製造し得ることが見出された。
このような特定の2段階粉砕工程による高濃度ピッチス
ラリーの製造は、従来知られていなかったものであり、
本発明者らによって初めて開発されたものである。
本発明の第1粉砕工程では、その粉砕力として。
?r7撃破撃破製力体としたものが採用され、その具体
的手段としては、高速回転刃型粉砕機が用いられる。こ
の高速回転刃型粉砕機は、その基本構造として高速(約
1000〜10000rp+s)で回転する回転刃を有
することを特徴とし、粉砕効率を上げるために1回転刃
の形に対応して適当な固定刃を有するものがより好まし
い。刃の形状は特に問わないが、ピッチを捕えて、衝撃
力が伝わりやすい溝や、突起物を持つものが好ましい。
代表的な具体例を第2図に示す。第2図(a)、(b)
、(C)は、高速回転刃型粉砕機の構造説明図を示すも
のである。第2図(a)、(b)、(C)のものは、い
ずれも、ホッパー1からの供給物を粉砕部3において粉
砕した後、排出管2から排出させる構造のもので、第2
図(a)のものは、高速回転軸4に連結した粉砕刃を有
する回転刃5の上部に固定刃6を設置した構造の粉砕部
3を有し、第2図(b)のものは、高速回転軸4に連結
した突起物(ピン)からなる粉砕刃を有する回転ピン5
の上に、この回転ピン5に対向する固定ピン6を配設し
た構造の粉砕部3を有し、第3図に示したものは、回転
刃5のみを配設した構造の粉砕部3を有するものである
。なお、第2図(b)に示した如き回転ピン5は大きな
衝撃力を与えるもので、本明ta書の場合、回転刃の節
ちゅうに含めるものとする。
この第1粉砕工程では、得られる粉砕ピッチ粒子が、2
00メツシユ(74μm)パス50〜80重量%、好ま
しくは60〜70重量%の粒径分布を持つように実施さ
れる。そして、このような第1粉砕工程で得られる粉砕
ピッチスラリーは、高速回転刃による衝撃力に加えて、
刃の高速回転によってひき起される液体の激しい流れに
よる剪断力により、粉砕性のすぐれたピッチの場′合、
更に微細化され、高い粒子充填率を示すスラリーが得ら
れる。前記Leeの方法によれば1通常、0.88〜0
.92の粒子充填率を持ち、粘度も低い。第1粉砕工程
で得られる粉砕ピッチスラリーの粘度は、一般に、ピッ
チ濃度70%において、100センチボイズ以下である
本発明の第2粉砕工程は、前記第1粉砕工程で得られた
ピッチスラリーを、摩擦粉砕力を作用させながらさらに
微粉砕する。この摩擦粉砕力を主体とする粉砕機は、そ
の基本構造として、粉砕媒体を含み、かつその粉砕媒体
を流動させて摩擦力を発生させるための適当な攪拌翼を
有することを特徴とする。粉砕媒体としては、前記第1
粉砕工程で得られる1次粉砕ピッチ粒子の最大粒径(本
発明の場合では、通常、0.2〜0.4mm程度である
)に対し、その10〜20倍の粒径を有する充填材を用
いるのが好ましい。また、この粉砕機に対しては、攪拌
による粉砕媒体の流動化において、媒体同志の相対運動
の機会をより一層増大させ、摩砕力を増強させるために
、その内壁に一方向流れを障害する突起物等の流れ障害
物を設けるのが好ましい。
粉砕機の攪拌強度は、粉砕時間(粒子滞在時間)との関
係で最適の範囲に選ばれるが、通常は、100〜110
00rpの回転速度が動力面から選定される。
本発明で用いるのに好ましい媒体攪拌型粉砕機の代表例
を第3図に示す。
第3図は媒体攪拌型粉砕機の構造説明図の1例であり、
ピッチスラリーは、導入管1から攪拌容器部2に入り、
ここで摩砕粉砕された後、排出管3を通って排出される
。容器2内には、回転軸4に設けられた攪拌翼5が配置
され、また摩擦粉砕を促進させる粉砕媒体6が充填され
る。粉砕媒体は1通常、比重が2〜8の固体物質、例え
ば、スチールボール等の材質から作られる。第2図(a
)は流れ障害物を有しない例及び第2図(b)はピッチ
スラリーの一方向流れを阻害するための流れ障害物とし
て突起物7を配置した例を示す。
この摩擦粉砕力を主体とする粉砕機においては、第1粉
砕工程からの1次粉砕されたピッチ粒子は攪拌翼により
流動させられた粉砕媒体の間隙に取込まれ、圧縮及び剪
断力により更に微粒子化されると同時に、粉砕媒体の流
動によって引起されたスラリー流れによるピッチ粒子同
志の摩擦及び剪断力により更に微粒子化される。
この第2粉砕工程では、得られるスラリー中のピッチ粒
子が、200メツシユパス(74μm) 90重量%以
上、好ましくは95重量%以上の粒径分布を持つように
実施される。この第2粉砕工程では、前記第1粉砕工程
における粉砕と比較すると、得られる粉砕ピッチ粒子に
r粒ぞろい」化の傾向が見られ、粒子充填率の幾分の低
下は見られるものの、その粒子充填率の低下は小さい。
従って、この第2粉砕工程から得られるピッチスラリー
は、依然として充分大きな粒子充填率を持つもので、前
記Leeの方法によれば、通常、0.80〜0.85の
粒子充填率を持ち、粘度も低く、その粘度は、ピッチ濃
度70%において、約150センチポイズ程度である。
前記第2粉砕工程から得られたピッチスラリーは、前記
のように微細かつ低粘度であり、従来の重油代替燃料と
してそのままパイプライン輸送し得るものであるが、長
期の保存や、遠距離への輸送を考えた場合の安定性の向
上、更には燃焼性の改質、変質防止等を目的として、必
要に応じて、慣用されている各種添加剤(以下、単に分
散助剤と総称する)を添加することが好ましい。この分
散助剤は、前記ピッチスラリー製造工程の任意の工程で
添加することも可能であるが、分散剤は第1粉砕工程で
添加し、それ以外の分散助剤は第2粉砕工程で得られた
ピッチスラリーに添加混合するのが好ましい。この場合
、混合機としては、分散助剤を均一に混合し得るもので
あれば任意の混合機が使用可能で、例えば、高剪断型ラ
インミキサー等が挙げられる。分散助剤を例示すると、
スラリーの分散化促進する分散剤(界面活性剤)の他、
スラリー沈降防止用安定化剤、スラリーの変質を防ぐ殺
菌剤、さらには、スラリーの燃焼改善を目的とした燃焼
助剤、アッシュ改質剤、脱硫剤及び脱硝剤等が挙げられ
る。
本発明で用いる原料ピッチとしては、従来公知の各種の
もの、例えば、(、)原油減圧蒸留残渣油等の重質油を
、プロパン、ブタン等の溶剤で油分を抽出処理する際に
得られる抽出残渣(溶剤脱歴アスファルト、あるいはS
DAアスファルト等と呼ばれる)、(b)重質油を熱分
解して軽質油を製造する際に得られる副生残渣、(c)
石油留分を接触分解(一般にFCC法と呼ばれる)して
得られる副生残渣、(d)重質油をスチーム熱処理して
軽質油を製造する際に得られる副生残渣等の石油系ピッ
チ、(e)液化石炭の蒸留残渣やコールタールピッチ等
の石炭系ピッチ等の他、さらに前記ピッチを水素化や熱
処理して得られる変性ピッチ等が挙げられる。本発明で
は、これらのピッチは固体フレーク状又は溶融状で用い
られる。
次に本発明の方法の実施態様の1例について図面により
説明する。
第4図において、固体フレーク状ピッチはライン1を通
り、第1粉砕工程Aに供給される。また、この第1粉砕
工程Aには分散剤を含む分散媒体としての水がライン2
を通って供給され、さらに、必要に応じ、第1粉砕工程
Aから得られた1次粉砕ピッチスラリーの一部がライン
4を通って循環される。
第1粉砕工程Aからの1次粉砕ピッチスラリーは。
ライン3によって抜出され、その循環量を除き、その全
量が第2粉砕工程Bへ送られる。
第2粉砕工程Bで得られた2次粉砕ピッチスラリーは、
ライン5を通って抜出され、分散助剤混合工程Cへ送ら
れ、ここでライン6からの分散助剤を混合された後、ラ
イン7を通って、高濃度ピッチスラリーが製品として抜
出される。
第1粉砕工程Aに供給する固体フレーク状ピッチは、ハ
ードグローブインデックス(11,1,指数)で約15
0程度であり1石炭やコークス等と比べ、粉砕性にすぐ
れ、衝撃力により容易に微粉砕化されるもので、粉砕機
にスムースに供給し得るものであれば特にその大きさは
制約されない。一般には、その大きさは、取扱い上の観
点から、数IIII〜数10−糟の範囲の大きさを持つ
ものが好ましい。また、ピッチの水中分散化に用いる分
散剤としては、疎水性であるピッチと水とをなじませる
界面活性作用を有するものであればどのようなものでも
使用可能であり、例えば、特開昭58−117253号
公報等に示されている活性水素化合物に酸化エチレンと
酸化プロピレンを付加重合させた構造の界面活性剤又は
その硫酸エステル塩は低濃度で使用し得るので特に好ま
しい。第1粉砕工程(A)においては、前記のように粉
砕機は高速回転刃型のものであるために、その?lff
1!力でピッチは一気に微粉砕されるが、固体濃度が高
い場合は、ピッチができるだけ粉砕機をスムースに通過
し得るように、得られる1次粉砕ピッチスラリーの一部
を循環するのが好ましい。一般には、ピッチ濃度が約6
0重量%以下の場合には特に1次ピッチスラリーの循環
は必要とされないが、それを超えた場合は、そのピッチ
濃度に応じ、通常、10〜30重量%程度の循環を行う
のが好ましい。
本発明において、原料ピッチとしては、前記した固体ピ
ッチの他、溶融ピッチを用いることができる。この場合
の実施態様を第5図に示す。第5図において、溶融ピッ
チはライン1を通って第1粉砕工程Aへ供給される。こ
の場合、溶融ピッチは、その粘度が取扱い上支障を与え
ない範囲でできるだけ低い温度、通常ピッチの軟化点よ
り50〜150℃高い温度に維持するのが好ましい。こ
の溶融ピッチは、第1粉砕工程の高速回転刃型粉砕機の
供給ホッパに導びかれ、ライン2を通って供給される分
散剤を含む分散媒体としての水及び冷却器8によりほぼ
常温近傍まで冷却されたライン4を通って循環される1
次粉砕ピッチスラリーの1部とともに粉砕機に供給され
る。溶融ピッチは、高速回転刃により瞬間的に数mm以
下の大きさにひきちぎられ、水及び循環されている1次
粉砕ピッチスラリーにより冷却固化され、それらはただ
ちに、その場において高速回転刃により微粉砕され、更
に冷やされ、最終的に均一に混合されて1次粉砕ピッチ
スラリーとして第1粉砕工程Aから抜出される。
第1粉砕工程Aから抜出された1次粉砕ピッチスラリー
は、溶融ピッチの熱量をそのまま蓄積しているために全
体の温度が上がるので、冷却器8により常温近傍まで冷
却され、第1粉砕工程への循環量を除いてその全量が第
2粉砕工f)ijBに供給される。
以下、前記第4図の場合と同様に処理され、ライン7か
ら製品ピッチスラリーが回収される。なお。
第1粉砕工程Aへの1次粉砕ピッチスラリーの循環量は
、第1粉砕工程Aから抜出されるピッチスラリーの温度
が、通常、約60℃以下になるように選ばれる。温度は
更に高くても運転は可能であるが、水の沸点以下になる
ように制御しなければならない。
本発明の方法を実施する場合、前記した工程以外に種々
の変更を行うことが可能であり1例えば。
第4図及び第5図に示した方法において、第1粉砕工程
^から得られるピッチスラリーの一部を、第2粉砕工程
Bを経由することなく、直接分散助剤混合工程Cに供給
することも可能である。
〔効  果〕
本発明によれば、原料ピッチは、第1粉砕工程において
衝撃力を主体とした破砕力によって粉砕され、第2粉砕
工程において摩砕力を主体とした粉砕力によって粉砕さ
れることから、得られるピッチスラリーは、ピッチ粒子
充填率の高いもので。
低められた粘度を有し、しかもスラリー中のピッチ粒子
は極めて微細なものである。従って、本発明で得られる
高・濃度ピッチスラリーは、パイプライン輸送が容易で
あり、従来の重油に代る燃料として有利に利用すること
ができる。
〔実施例〕
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1 第4図に示した如き工程により固体フレーク状ピッチか
ら高濃度ピッチスラリーを製造した。この場合、原料ピ
ッチ、分散剤1分散助剤及び粉砕機としては次のものを
用いた。
(1)原料ピッチ:固体フレーク状石油系熱分解ピッチ
、軟化点220℃(JISに2531)。
ハードグローブインデックス150、 最大粒径15a+m、粒径分布:3メツシユ(6,73
mm)以上11%、3〜8メツシユ(2,38n+m)
85%、8メツシュ以下4%。
(2)分 散 剤:エチレンジアミンに酸化プロピレン
(PO)と酸化エチレン(EO)を付加重合させたもの
の硫酸エステル アンモニウム塩、分子量12000、 IEO/POモル比=773 (3)分散助剤 :ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス水溶液 (4)粉砕機 第1工程:第2図(a)に示す構造のもの(西独ジーフ
ァ社製、「トリボナール」、刃 の最大径180mm、回転数300Orpm)第2粉砕
工程:第3図(a)に示すもの(三井三池化工機社製「
アトライタ」、粉砕媒 体(ボール)サイズ4.8on+、回転数20゜pm なお、前記第1粉砕工程で用いる粉砕機においては、供
給口にピッチホッパーを設け、かつホッパーの下部と粉
砕機との接続部分にはピッチ供給をスムースに行わせる
ためのスクリューフィーダ(回転数約40Orpm)を
備えつけた。
先ず、第1粉砕工程を行うために、循環系路を含む第1
粉砕工程系内に、分散剤を濃度として1.2%含む分散
剤水溶液を約180Q張り、第1工程内を1000〜2
000kg/hrで循環しながら、固体フレーク状ピッ
チ約420kgを、約60分かけてスクリューフィーダ
を用いて第1粉砕工程の粉砕機ホッパーに供給し、ピッ
チ濃度約70%のピッチスラリーを調製した。その後、
ただちに新らたな分散剤水溶液320kg/hr、固体
フレーク状ピッチ750Kg/hr、及び系内のピッチ
濃度約70%のピッチスラリー約300Kg/hrを第
1粉砕工程の粉砕機のホッパーに供給し。
連続製造運転を開始した。これと同時に、第1粉砕工程
系内から1次粉砕ピンチスラリーを約tloOkg/h
rで連続して抜出し、系外の容器に貯えたのち、別途ポ
ンプにて供給量580Kg/hrにて第2粉砕工程に供
給した。この第2粉砕工程は、ピッチの滞在時間が約6
0秒となるように粉砕媒体としてのボール量を調整し、
運転を行った。第2粉砕工程を経た2次粉砕ピッチスラ
リーはいったん容器に受けたのち、ポンプにて混合工程
に供給した。この混合工程は、高剪断型ミキサー(特殊
機化工業社製、[ホモミツクラインミキサー」、300
Orpm)を用い、2次粉砕ピッチスラリー供給量約1
000Kg/hr、分散助剤溶液(濃度2%)約10.
5Kg/hrを供給し、所望の高濃度ピッチ水スラリー
を得た。
前記のようにして本発明を実施する場合、定常状態にお
いて得た各ピッチスラリーの物性を以下に示す。なお、
表−1において、ピッチ濃度は蒸発乾固法により副室し
、粘度は剪断速度100(1/5ee)、30°Cの条
件で回転粘度計を用いて測定した。
表−1 また、前記の1次粉砕ピッチスラリーと2次粉砕ピッチ
スラリーにおいて、沈降法により求めたその粒径分布を
第6図に示す。第6図おいて、曲線1は1次粉砕ピッチ
スラリー及び曲線2は2次粉砕ピッチスラリーについて
の測定結果を示す。
実施例2 第5図に示した如き工程により、下記性状の溶融ピッチ
から高濃度ピッチスラリーを製造した。
この場合、分散剤、分散助剤及び各粉砕工程で用いた粉
砕機はいずれも実施例1で示したものと同じである。
溶融ピッチ:溶融状石油系熱分解ピッチ〔軟化点220
℃(JIS K 2531))、温度320℃、粘度1
0000cp 第1粉砕工程を実施するために、実施例1と同様にして
、循環系路を含む第1粉砕工程内に分散剤1.2%を含
む水溶液約4000を張り、冷却器(水による間接冷却
型熱交換器)を通して約2500Kg/hrで循環M転
を行いながら、溶融ピッチをギヤーポンプにて口径約2
2mmの配管から棒状にて第1粉砕工程の粉砕機ホッパ
ー内に供給しく約70〜tsokg/hr) −ピッチ
濃度約70%のピッチスラリーを得た。その後、新らた
な分散剤水溶液を42Kg/hr、冷却された系内の濃
度約70%ピッチスラリー2500kg/hr及び溶融
ピッチ流量を100Kg/hrとし、連続運転に入ると
同時に、第1粉砕工程系内から1次粉砕ピッチスラリー
を生成量に見合う速度で抜き出し、系外の容器に貯えた
。この場合、定常状態に達した時の冷却器の入口及び出
口におけるピッチスラリ一温度はそれぞれ約45℃及び
30℃であった。以後の工程は実施例Iと同様にして行
った。
以上に示した実験において、1次粉砕ピッチスラリーは
ピッチ濃度69.5重量%及び粘度103c、p。
を示し、2次粉砕ピッチスラリーはピッチ濃度69.5
重量%及び粘度140c、p、を示し、製品ピッチスラ
リーはピッチ濃度68.8重量%及び粘度198c、p
を示した。また、1次粉砕ピッチスラリー及び2次粉砕
ピッチスラリーの粒径分布及び粒子充填率は実施例1で
得られたものとほぼ同じであった。
【図面の簡単な説明】
第1図は粒径分布と粒子充填率との関係を示し。 曲線A、 B、 Cはそれぞれ粒子充填率が0.87.
0.81及び0.72を持つ粒子の粒径分布を示す。 第2図は高速回転刃型粉砕機の構造説明図の1例を示し
、第2図(a)は回転刃と固定刃を有するもの、第2図
(b)はピン状の回転刃と固定刃を有するもの及び第2
図(C)は回転刃のみを有するものの例を示す。 l・・・ホッパー、2・・・排出管、3・・・粉砕部、
4・・・回転軸、5・・・回転刃、6・・・固定刃。 第3図は媒体攪拌型粉砕機の構造説明図を示し、第3図
(a)は流れ障害物を有しないものの例、第3図(b)
は流れ障害物を有するものの例を示す。 l・・・導入管、2・・容器部、3・・・排出管、4・
・・回転軸、5・・・攪拌翼、6・・・粉砕媒体、7・
・・流れ障害物(突起物)。 第4図及び第5図は本発明の実施工程図を示し、第4図
は原料ピッチとして固体フレーク状ピッチを、第5図は
原料ピッチとして溶融ピッチを用いた場合の工程図をそ
れぞれ示す。 A・・・第1粉砕工程、B・・・第2粉砕工程、C・・
・分散助剤混合工程、1・・・原料ピッチ供給ライン、
2・・・分散媒体供給ライン、3・・・1次粉砕ピッチ
スラリー抜出ライン、4・・・1次粉砕ピッチスラリー
循環ライン、5・・・2次粉砕ピッチスラリー抜出ライ
ン、6・・・分散助剤供給ライン、7・・・製品ピッチ
スラリー抜出ライン、8・・・冷却器。 第6図は本発明の実施例1で得られた1次粉砕ピッチス
ラリーと2次粉砕ピッチスラリーの粒径分布曲線を示す
。 1・・・1次粉砕ピッチスラリー曲線、2・・・2次粉
砕ピッチスラリー曲線。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)固体ピッチ水スラリーを製造するに際し、(i)
    分散媒としての水の存在下、衝撃破砕力を主体とした粉
    砕手段を用いて原料ピッチを粉砕処理し、200メッシ
    ュパス50〜80重量%の粒径分布を持つピッチ粒子を
    含むピッチ水スラリーを得る第1粉砕工程、 (ii)前記第1粉砕工程から得られたピッチ水スラリ
    ーを摩擦粉砕力を主体とした粉砕手段を用いて粉砕処理
    し、200メッシュパス90重量%以上の粒径分布を持
    つピッチ粒子を含むピッチ水スラリーを得る第2粉砕工
    程、 を含むことを特徴とする2段階粉砕による固体ピッチ水
    スラリーの製造方法。
  2. (2)該原料ピッチが、固体フレーク状ピッチである特
    許請求の範囲第1項の方法。
  3. (3)該原料ピッチが、溶融状ピッチである特許請求の
    範囲第1項の方法。
  4. (4)該第1粉砕工程から得られたピッチ水スラリーの
    一部を第1粉砕工程へ循環する特許請求の範囲第1項〜
    第3項のいずれかの方法。
JP6932186A 1986-03-27 1986-03-27 2段階粉砕による固体ピツチ水スラリ−の製造方法 Pending JPS62225592A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6183629B1 (en) 1998-03-27 2001-02-06 Jgc Corporation Process for producing petroleum residuum-water slurry
JP2006167623A (ja) * 2004-12-16 2006-06-29 Miike Iron Works Co Ltd 流動物の超微細化装置
GB2459744A (en) * 2008-05-09 2009-11-11 Albius Ltd Milling and mixing apparatus

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