JP3067130B2 - 固体燃料・水スラリの製造法 - Google Patents

固体燃料・水スラリの製造法

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JP3067130B2
JP3067130B2 JP7153029A JP15302995A JP3067130B2 JP 3067130 B2 JP3067130 B2 JP 3067130B2 JP 7153029 A JP7153029 A JP 7153029A JP 15302995 A JP15302995 A JP 15302995A JP 3067130 B2 JP3067130 B2 JP 3067130B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス化装置において石
油コークスまたは石炭からなる固体燃料を部分酸化反応
しガス化するに適したスラリの製造法であり、さらに詳
しくは、噴流層型ガス化炉で発生した未反応の固体燃料
を予備湿式粉砕した後、ガス化用原料の一部として再利
用することにより高濃度で、かつガス化効率を高め得る
ようにした固体燃料・水スラリの製造法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来の技術および本発明において、上部
にガス化反応室を、下部に冷却水が張られた発生ガス急
冷室を有する竪型ガス化装置を用いて、天然ガス、ナフ
サ、原油、C重油、減圧残渣油のような重質油、石炭お
よび石油コークスなどのガス化原料を部分酸化反応する
方法は、いわゆるテキサコ法として知られている。この
方法においては、一般にガス化反応室内で発生したガス
は急冷室内で冷却され、かつ同伴する未反応のガス化原
料が洗浄除去され、急冷室上部の気相部側壁から抜出さ
れる。一方未反応のガス化原料は、急冷室下部側壁なら
びに急冷室最下部に配設されたロックホッパから排出さ
れる。
【0003】上記ガス化原料のうち、天然ガス、ナフ
サ、原油、C重油、重質油(減圧残渣油など)をガス化
反応した際に発生する未反応のガス化原料の割合は0〜
3重量%(対供給原料比)程度であり後述する石油コー
クスに比べて断然少なく、再度ガス化用原料としてリサ
イクルするという必要はなかった。
【0004】ところが、石油コークスまたは石炭からな
る固体燃料を原料とする場合は、ガス化原料としての劣
質性、すなわち固定炭素が40%以上(減圧残渣油の場
合は一般に20〜35%)と高いことにより未反応のガ
ス化原料の発生率は重質油に比べ多い。また、未反応の
ガス化原料中には約60%以上の炭素分を含むためガス
化原料の一部に再利用することが知られている。
【0005】すなわち、石油コークスまたは石炭からな
る固体燃料の部分酸化反応を、前述した如く通常のガス
化装置を用いて行なうと未反応のガス化原料の一部は急
冷室の下部側壁に設けられた排出口から、粒度の細か
い、いわゆるファインスラグとしてスラリの形で排出さ
れ、その後熱交換器にて熱交換を行なった後セトラへ供
給される。一方、未反応のガス化原料の大部分は、急冷
室最下部に配設されたロックホッパを経由し、フルイに
より比較的粒度の粗いコーススラグと粒度の細かいファ
インスラグに分級される。コーススラグは、その中に含
まれる炭素分が少なく、系外に排出され、ファインスラ
グはスラリの形でセトラへ供給される。
【0006】セトラは固形分と液体分を分離する、いわ
ゆる固液分離が行なわれる。セトラ中心部に供給された
これらファインスラグを含むスラリは、セトラ内を中心
部から外周部に流れる間に固形分(ファインスラグ)と
水とに分離され、セトラ上部域で分離された清澄水はプ
ロセス水として再利用される。また、セトラ下部域に沈
降したファインスラグは、セトラに設けられたレーキを
連続的に一定速度で駆動することにより、セトラの底部
に堆積することなく、固形分濃度の比較的高いスラリと
してセトラ下部に配設された配管を通ってセトラ系外へ
排出される。
【0007】排出された前記ファインスラグの一部は、
ガス化用原料の一部に再利用するためにリサイクルタン
クに一旦貯蔵後、新たな固体燃料と一緒にミルなどの粉
砕装置に供給され、湿式粉砕されて、固体燃料・水スラ
リとなる。この固体燃料・水スラリは、ガス化反応室上
部のバーナに供給され、同時に供給された酸素によって
ガス化反応室において高温部分酸化反応が行なわれる。
さらに、前記したセトラ下部から排出された残部のファ
インスラグは脱水機で水と分離され、系外に排出され
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、リサイクル
タンクに貯蔵された未反応のガス化用原料を含むファイ
ンスラグを、そのまま新たな固体燃料とともに1次湿式
粉砕機に供給し、粉砕してガス化原料用スラリとした場
合、得られるスラリの流動性は著しく低下する。このた
め、1次湿式粉砕機におけるスラリの排出、バーナまで
の配管輸送上でのハンドリングなどを容易にするため
に、スラリ濃度を低下させるとか、スラリ化に使用する
添加剤量を増加させる場合などの問題がある。このた
め、再利用できるファインスラグの量に制限があり、固
体燃料のガス化効率を十分に高めることが難しい。。あ
るいは、低濃度の固体燃料・水スラリとしてガス化装置
へ供給すると、部分酸化率が増加して、冷ガス効率を低
くした運転をする必要がある。
【0009】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、本発明の目的は石油コークスまたは石炭からなる固
体燃料をガス化装置で部分酸化反応した際に生成する未
反応の固体燃料を含むファインスラグをガス化用原料の
一部に再利用し、予備湿式粉砕することによって高濃度
でかつガス化効率を高め得る固体燃料・水スラリの製造
法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る第1の発明では、石油コークスまたは
石炭からなる固体燃料をガス化装置で部分酸化反応さ
せ、冷却して得られた未反応の固体燃料を含むファイン
スラグをガス化用原料の一部に再利用する過程で、前記
ファインスラグを10〜40重量%含むスラリとして予
備湿式粉砕機で予備粉砕した後、引続く1次湿式粉砕機
にて新たな固体燃料とともに混合させながら幾何平均径
30〜125μmの範囲まで粉砕してガス化用原料を得
るようにした。また、第2の発明では、スラリ中のファ
インスラグを予備湿式粉砕機で幾何平均径45μm
下、好ましくは5〜30μmの範囲になるように予備粉
砕するようにし、さらに、第3の発明では、1次湿式粉
砕機に供給されるガス化原料において、再利用されるフ
ァインスラグと新たな固体燃料との混合重量割合を5重
量%:95重量%〜20重量%:80重量%の範囲とな
るようにした。
【0011】
【作用】本発明によると、ガス化装置下部の冷却室から
ロックホッパを介して取出されたファインスラグと、前
記冷却室下部の側壁から取出されたファインスラグは、
予備湿式粉砕機で幾何平均径45μm以下、好ましくは
5〜30μmの範囲になるように予備粉砕された後、引
続き新たな固体燃料と一緒に1次湿式粉砕機に供給して
幾何平均径が30〜125μmの範囲で粉砕を行なうよ
うにしたことで、流動性の高い、高濃度のガス化用固体
燃料・水スラリが得られる。また、ファインスラグの再
利用によりガス化効率もアップする。
【0012】
【実施例】以下に本発明に係る固体燃料・水スラリの製
造法を図面を用いて詳細に説明する。
【0013】図1は本発明方法を実施するために好適な
装置の系統図を示す。図1において、固体燃料はライン
1を通って1次湿式粉砕機2に導入される。一方、ガス
化装置11から排出された未反応の固体燃料を含むファ
インスラグは予備湿式粉砕機30で細かく粉砕された
後、1次湿式粉砕機2に導入される。そこでこれら固体
燃料は湿式粉砕される。
【0014】調整された固体燃料・水スラリは、ライン
4を通ってスラリタンク5に送られる。固体燃料・水ス
ラリは、スラリ供給ポンプ7によりライン8を通ってバ
ーナ9に送られ、ライン10を通ってバーナ9に導入さ
れる高純度酸素(99.6モル%の酸素)とともにガス
化装置11の頂部からガス化反応室12に供給されるよ
うになっている。
【0015】ガス化装置11は上段に耐火物12aで内
張りされたガス化反応室12を備え、下段に発生ガスを
急冷するために水を張った急冷室14を備えており、ガ
ス化反応室12と急冷室14はスロート部13にて連通
されている。急冷室14には水が適宜な高さまで張られ
ており、下端がこの水に没するように筒状のディップチ
ューブ14aおよびドラフトチューブ14bが同軸的に
設けられている。
【0016】上記にて発生したガスは、急冷室14の水
面上部域に設けられたガス排出口14cからライン15
を通って、図示しないカーボン捕集器を経由してカーボ
ンスクラバ16の下部に送られて、カーボンスクラバ1
6の上部に配設されたライン17より供給された水によ
って、気液接触して洗浄され、カーボンスクラバ16頂
部よりライン18を通って次工程に送られる。また、カ
ーボンスクラバ16底部においては、後で述べるセトラ
35の清澄水の一部がライン20を通って還流され、カ
ーボンスクラバ16底部の液面を一定に保つようにする
と同時に、底部液の一部はライン19を通って急冷室1
4に還流されるように配管が設けられている。
【0017】他方、急冷室14の下部側壁においては、
後記する比較的粒度の細かいファインスラグと同質のス
ラグ(ファインスラグと称する)がスラリの形で排出口
14dからライン23を通って取出ライン27を通って
取出されるファインスラグと一緒になり、ライン26を
経てセトラ35へ送出されるようになっている。
【0018】一方、急冷室14の最下部域にはガス化反
応により発生した未反応の固体燃料は水との混合によっ
てスラリとなり、急冷室14の最下部に配設されたロッ
クホッパ22の上下のバルブを開閉することによって、
ライン21を通ってガス化装置11系外へ排出されるよ
うになっている。
【0019】こうしてロックホッパ22からライン24
を通って排出された未反応の固体燃料は適宜な目開きを
したフルイ25で振分けされ、前記フルイ25を通過し
た比較的粒度の細かいファインスラグを含有するスラリ
のみが取出され、このスラリはライン27を通ってライ
ン23へ接続された構成となっている。なお、フルイ2
5を通過しなかったフルイ25上の残分である粒度の粗
いコーススラグは次工程で埋立てなどで処分されるよう
になっている。
【0020】セトラ35へ供給されたこれらのファイン
スラグを含有するスラリは、セトラ35内で固・液分離
が行なわれ、セトラ35上部からの清澄水はカーボンス
クラバ16の底部に伸びるライン20などにプロセス水
として利用される。
【0021】また、セトラ30内で分離された濃度の比
較的高いファインスラグの一部は、セトラ35の底部か
らライン28、ライン29を通って脱水機37へ送給さ
れ、脱水機37で強制脱水されるようになっている。
【0022】脱水機37で脱水されたファインスラグ
は、前記セトラ35の底部からライン28を通って排出
されるスラリと一緒になってライン38を介してリサイ
クルタンク40へ送出されるようになっている。
【0023】リサイクルタンク40内ではファインスラ
グを適宜な濃度に調整ができるようになっており、濃度
調整されたファインスラグのスラリ(リサイクルスラリ
と称する)はポンプ41によってライン42を介して予
備湿式粉砕機30に適量送給されるようになっている。
【0024】予備湿式粉砕機30で所望する粒径まで粉
砕されたファインスラグを含有するリサイクルスラリは
1次湿式粉砕機2で新たな固体燃料と一緒に粉砕される
のである。
【0025】図1に示されるように添加剤はライン43
を通って1次湿式粉砕機2または予備湿式粉砕機30へ
適宜それぞれ送給されるようになっている。
【0026】以上のように構成されたガス化装置11に
供給される固体燃料・水スラリの製造法について述べ
る。
【0027】本実施例に用いる出発原料である石油コー
クスは、例えば固定炭素89.1重量%、アッシュ0.
4重量%、揮発分10.5重量%の組成を有し、燃料比
(固定炭素/揮発分)が8.5と高い上に反応性が悪
く、通常のガス化温度(1350〜1400℃)では石
油コークス中の炭素の約85%しかガス化されず、残り
の約15%はガス化されずにスラリ中に含有されたまま
ガス化装置11系外へ排出される。
【0028】一方、ガス化装置11下部の急冷室14内
には、上部のガス化反応室12で石油コークス粒子の部
分酸化反応時に生じた未反応の石油コークスが急冷水中
に懸濁溶解されてスラリとなる。前記未反応の石油コー
クスはスラグとよばれ急冷室14の下部域に沈降して堆
積するが、ガス化装置11下部に連結して配設されたロ
ックホッパ22から、ロックホッパ22の上下に設けら
れたバルブを開閉することによって間欠的に排出され、
フルイ25の分級により1168μm(14メッシュ)
以下の粒子はファインスラグとよばれ、炭素分を多く含
有するスラリとして取出されライン27を通ってセトラ
35へ供給される。
【0029】この場合、フルイ25上に残存したコース
スラグとよばれる1168μm(14メッシュ)以上の
粒子は炭素分を少量含むことから次工程へ送り廃棄処分
にしてもよいし、前記ファインスラグとともに、後述の
リサイクルタンク40に送り、ガス化用原料の一部に再
利用してもよい。
【0030】また、急冷室14の側壁からは、前記ファ
インスラグと同質の1168μm(14メッシュ)以下
の炭素分を多く含むスラリがライン23を通って取出さ
れ、セトラ35へと送給される。
【0031】セトラ35へ送給された未反応の石油コー
クスを含むファインスラグ・スラリは、セトラ35内で
固・液沈降分離される。セトラ35の下部に沈降したフ
ァインスラグはスラリとして取出され、このスラリの一
部は、次工程の脱水機37にて水と分離される。脱水し
て得られたファインスラグの量が多い場合には、その一
部が焼却炉などで処理される。
【0032】一方、脱水して得られた残りのファインス
ラグはガス化用原料に再利用のため、セトラ35の下部
から取出された残りのファインスラグとともにライン3
8を通ってリサイクルタンク40へ送給され一時貯蔵さ
れるのである。リサイクルタンク40に一時貯蔵された
ファインスラグは炭素分を多く含みガス化用原料の一部
に再利用する過程で、幾何平均径45μm以下になるよ
うに予備湿式粉砕機30で予備粉砕したものを原料であ
る石油コークスと一緒に1次湿式粉砕機2で幾何平均径
125μm以下になるまで粉砕してコークス・水スラリ
を製造しガス化装置11でガス化することで、石油コー
クスの高いガス化率が達成されることになる。
【0033】すなわち、ガス化用原料の一部に再利用す
るファインスラグは、例えば幾何平均径69.8μm
大きさであり組成は例えば固定炭素68.2重量%、ア
ッシュ27.3重量%、揮発分4.5重量%含有のもの
である。このようなファインスラグは再利用される過程
で一旦リサイクルタンク40に貯蔵される。
【0034】貯蔵されたリサイクルタンク40内のリサ
イクルスラリをポンプ41でライン42を通って予備湿
式粉砕機30に適量送給される。
【0035】予備湿式粉砕機30では、リサイクルスラ
リ、添加剤および水を適量添加し、ファインスラグの濃
度を10〜40重量%となるように調整した後、幾何平
均径が45μm以下、好ましくは5〜30μmの範囲に
なるまで粉砕する。
【0036】ファインスラグの幾何平均径が45μm
越えると、予備湿式粉砕機30からライン44を通って
1次湿式粉砕機2に送給され、新たな石油コークスと混
合し湿式粉砕する際に得られるガス化用固体燃料・水ス
ラリの流動性が悪化しハンドリングが難しくなり本発明
の効果が得られない。こうした問題点を解消するために
ファインスラグの幾何平均径の上限値を好ましくは30
μm以下とする方が望ましい。
【0037】また、逆にファインスラグの幾何平均径の
下限値としては、ファインスラグの幾何平均径が小さく
なるに連れてガス化用固体燃料・水スラリの流動性は改
善されよくなるものの、幾何平均径が5μmより小さい
と粉砕に要する動力がかかる。
【0038】上記理由を考慮して、予備湿式粉砕機30
で粉砕されるファインスラグの幾何平均径は45μm
下、望ましくは5〜30μmの範囲になるまで粉砕され
るのが好ましい。
【0039】なお、本実施例では、予備湿式粉砕機30
としてアトリッションミルを用いたが、これはリサイク
ルスラリ中のファインスラグが比較的微粒であるため摩
砕力の大きい粉砕機の方が粒度を効率よく細かくでき好
適なためであり、これに限定せずボールミル、チューブ
ミルなどの他の粉砕機を用いてもよい。
【0040】また、予備湿式粉砕機30によるリサイク
ルスラリ中のファインスラグの粉砕時にライン43を通
って送給される添加剤としては分散剤やpH調整剤があ
る。
【0041】このような分散剤としては、例えばナフタ
レンスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩およびこれら
のホルマリン縮合物:ポリオレフィンスルホン酸塩:ポ
リカルボン酸塩:ポリスチレンスルホン酸塩:ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル硫酸塩:ポリオキシエチレ
ンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩などを挙げ
ることができる。また、pH調整剤としては、水酸化ナ
トリウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウムなど
が使用可能である。
【0042】こうして予備湿式粉砕機30で前述した所
望の粒径範囲になるまで予備粉砕された適量のリサイク
ルスラリはライン44を通って1次湿式粉砕機2に送給
される。
【0043】1次湿式粉砕機2では、新たな石油コーク
スと、予備湿式粉砕機30で予備粉砕されたファインス
ラグを含有するリサイクルスラリ、添加剤(ここで、添
加剤とは、前述した分散剤、pH調整剤の他にガス化原
料中のアッシュ分の融点降下剤として炭酸カルシウムや
酸化鉄などの無機鉱物、石炭灰を含んだものをいう)お
よび水を適量添加し、固体濃度68重量%の状態下で幾
何平均径が30〜125μmの範囲になるまで粉砕を行
なった。
【0044】リサイクルスラリとしてはファインスラグ
を10〜40重量%含有するものが望ましく、10重量
%より小さいとスラリ濃度が希薄となり予備湿式粉砕機
30内でファインスラグを所望の粒径まで粉砕する場合
の粉砕効率が低下し、逆に40重量%を越えると、粉砕
効率が上昇するもののスラリ濃度が濃厚となる結果リサ
イクルスラリ粘度が高くなり、予備湿式粉砕機30内、
ライン44におけるスラリのハンドリングが困難とな
る。
【0045】さらに、1次湿式粉砕機2内での粉砕後の
石油コークスの幾何平均径は30〜125μmの範囲の
ものが望ましい。この理由は、幾何平均径が30μm
り小さいと、ガス化反応室12内に吹込んだ石油コーク
ス・水スラリのガス化反応率が高まるものの、粉砕動力
費が嵩み、該スラリ粘度が高くなる。逆に幾何平均径が
125μmを越えると、粉砕動力費が比較的安く、かつ
スラリ粘度は低くなるものの、配管、タンク内で固体燃
料が沈降しやすく、またガス化効率も低下する。以上の
結果を考慮してより好ましくは石油コークスの幾何平均
径を30〜90μmにすることが望ましい。
【0046】なお、1次湿式粉砕機2に用いられる粉砕
機の種類、および添加剤(フラックス剤は除く)などは
前述した予備湿式粉砕機30に用いたものとほぼ同様な
ものでよい。
【0047】1次湿式粉砕機2に供給される新たな固体
燃料である石油コークスは前工程にてあらかじめ15m
m以下の粗粒に乾式粉砕機(図示略)で粗粉砕される。
【0048】1次湿式粉砕機2に供給されるリサイクル
スラリ中のファインスラグ/石油コークスの混合重量割
合の適用範囲は5/95〜20/80が好ましく、さら
に好ましくは、5/95〜15/85がより好適であ
る。
【0049】リサイクルスラリ中のファインスラグ/石
油コークスの混合重量割合が5/95より小さいとガス
化用原料としての利用効率が低く、本効果が小さくな
る。
【0050】逆に、20/80以上になると、本発明の
効果を発揮させるのにファインスラグを一層微粉化する
必要があり、予備湿式粉砕時で得られるスラリの粘度が
高くなりスラリのハンドリングが困難となる。また再利
用するファインスラグの量も多く、相乗作用により、予
備粉砕機30は大型化する。
【0051】本実施例では前記ファインスラグを30重
量%含有するリサイクルスラリを予備湿式粉砕機30で
幾何平均径が10μmになるまで粉砕した後、1次湿式
粉砕機2で前記石油コークスと混合し粉砕した。ファイ
ンスラグと新たな石油コークスの混合割合を変え、得ら
れた石油コークスと水のスラリの性状を表1に示した。
【0052】次に、表1に示す如く、本実施例と比較す
るために比較例としてファインスラグを粉砕による前処
理をせずにそのままの形で1次湿式粉砕機2に所定量供
給し、新たな石油コークスとの混合重量割合を10重量
%:90重量%に混合し粉砕したところスラリ濃度とし
て本実施例の68重量%より小さい63.5重量%のも
のが得られた。
【0053】
【表1】
【0054】この原因としては、リサイクルスラリを予
備粉砕しない場合には、過酷な操作条件のガス化反応室
12を通ってガス化装置11系外へ排出されたファイン
スラグの外部形状が例えばコンペイ糖のようにいびつ
で、かつ、内部が多孔質状を有した、いわゆる融着凝集
体を形成しており、このようないびつな形状のファイン
スラグを1次湿式粉砕機2に投入した場合、あらかじめ
粗砕された15mm以下(幾何平均径6〜8mm)の石
油コークス粒間に充填されるファインスラグは見掛け上
最粗充填状態を呈することとなることからファインスラ
グの絶対供給量は自と限定され、表1に示すように1次
湿式粉砕機2内のスラリ濃度はその分低下せざるを得な
くなり、ガス化効率も低下することとなる。
【0055】これに対して、本実施例のようにファイン
スラグを予備湿式粉砕機30で所定の粒度まで予備粉砕
すると、前述した融着凝集体が粉砕によってバラバラな
状態を呈した小粒径となるため、このようなファインス
ラグを1次湿式粉砕機2に石油コークスとともに投入し
た場合、粗砕された石油コークス粒間に充填されるファ
インスラグは見掛け上最密充填状態を呈することになる
ことからスラリ濃度として68重量%のものが得られる
こととなり、このようなスラリをガス化装置11に供給
することでガス化効率を高められるのである。
【0056】こうして1次湿式粉砕機2で得られた68
重量%の石油コークススラリはライン4を通ってスラリ
タンク5に供給される。次いで、スラリタンク5内の石
油コークス−水スラリをスラリ供給ポンプ7で昇圧し、
高純度酸素(99.6モル%の濃度)とともにバーナ9
からガス化反応室12に噴霧供給する。石油コークス粒
子は温度1,000〜1,700℃、圧力1〜200k
g/cm2、望ましくは1,100〜1,500℃、圧
力10〜80kg/cm2の操作条件下で石油コークス
粒子を部分酸化により酸素と反応させると約95%のガ
ス化率が得られる。
【0057】一方、強制脱水して得られた残りの固形分
は再利用のため、セトラ35の下部から取出された残り
のリサイクルスラリとともにライン38を通ってリサイ
クルタンク40へ送給され一時貯蔵されるのである。
【0058】なお、本実施例では、テキサコ法と呼ばれ
るいわゆる噴流層型のガス化装置を用いた場合について
述べたが、これに限定せず他のガス化装置を用いてもよ
い。
【0059】さらに、ガス化原料としては、石油コーク
スや石炭などの他に石油ピッチなどについても適用可能
であり、前述したものと同様の効果が得られる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したことからも明らかなよう
に、本発明によれば、ガス化装置から排出される未反応
の固体燃料を多く含むファインスラグを予備粉砕するこ
とにより、ガス化用原料の再利用化が高まりガス化装置
に供給されるスラリとして高濃度のスラリが得られるの
でガス化効率が高まる。さらに、燃焼性の低い固体燃料
を使用でき、原料源の適用幅が広げられるなど著顕な効
果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するために好適な装置の系統
図である。
【符号の説明】
2 1次湿式粉砕機 7 スラリ供給ポンプ 9 バーナ 11 ガス化装置 12 ガス化反応室 14 急冷室 16 カーボンスクラバ 22 ロックホッパ 25 フルイ 30 予備湿式粉砕機 35 セトラ 37 脱水機 40 リサイクルタンク 41 ポンプ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】石油コークスまたは石炭からなる固体燃料
    をガス化装置で部分酸化反応させ、冷却して得られた未
    反応の固体燃料を含むファインスラグをガス化用原料の
    一部に再利用する過程で、前記ファインスラグを10〜
    40重量%含むスラリとして予備湿式粉砕機で予備粉砕
    した後、引続く1次湿式粉砕機にて新たな固体燃料とと
    もに混合させながら幾何平均径30〜125μmの範囲
    まで粉砕してガス化用原料を得るようにしたことを特徴
    とする固体燃料・水スラリの製造法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のスラリ中のファインスラグ
    を予備湿式粉砕機で幾何平均径5〜45μmの範囲にな
    るように予備粉砕するようにしたことを特徴とする固体
    燃料・水スラリの製造法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の1次湿式粉砕機に供給され
    るガス化原料において、再利用されるファインスラグと
    新たな固体燃料との混合重量割合を5重量%:95重量
    %〜20重量%:80重量%の範囲となるようにしたこ
    とを特徴とする固体燃料・水スラリの製造法。
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