JPH0718277A - 石炭液化残渣含有組成物 - Google Patents

石炭液化残渣含有組成物

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JPH0718277A
JPH0718277A JP16572593A JP16572593A JPH0718277A JP H0718277 A JPH0718277 A JP H0718277A JP 16572593 A JP16572593 A JP 16572593A JP 16572593 A JP16572593 A JP 16572593A JP H0718277 A JPH0718277 A JP H0718277A
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residue
coal liquefaction
coal
oil
heavy oil
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JP16572593A
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Koichi Ikeda
耕一 池田
Mutsumaro Kawabata
睦麿 川端
Noboru Shikasumi
登 鹿住
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Nippon Steel Corp
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  • Liquid Carbonaceous Fuels (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 原料石炭を石炭液化用溶剤と混合したスラリ
ーを、高温高圧下で触媒を用い、水素化分解して燃料油
を製造する石炭液化反応において副生される残渣を有効
に利用することのできる石炭液化残渣含有組成物を提供
する。 【構成】 石炭液化方法において液化油の分離、回収時
に副生する常温では固体の残渣微粉を水と混合、調製し
てなることを特徴とする石炭液化残渣−水スラリー組成
物により達成される。 【効果】 石炭液化残渣を液体化することにより、輸
送、供給などの取り扱い性が大幅に向上し、燃料として
の利用価値が高まり、石炭液化プロセス全体の経済性を
高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原料石炭を石炭液化用
溶剤と混合したスラリーを、高温高圧下で触媒を用い、
水素化分解して燃料油(液化油)を製造する石炭液化方
法において製品である液化油以外に副生する液化残渣を
有効利用してなる新規な石炭液化残渣含有組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、石油資源の枯渇および石油価格の
高騰に伴って石油に偏重しないエネルギーの安定供給確
保の重要な手段の1つとして、石炭液化技術が見直さ
れ、こうした研究開発について数多くの研究がなされて
きている。
【0003】こうした石炭液化技術に関しては、現在ま
でに、石炭、石炭液化用溶剤および触媒を混合して調整
したスラリーを高温、高圧で触媒の存在下、水素添加に
より液化反応し、得られた液化油を軽質油、中質油およ
び重質油(残渣を含む)に分離精製し、得られた該液化
油のうち、軽質油、中質油については製品として、また
得られた該液化油のうち、重質油(残渣を含む)に対し
ては、減圧蒸留により重質油と残渣成分とを分離した
後、得られた重質油は水素化反応塔で水素化反応を行い
石炭系溶剤として再び石炭液化用溶剤とし、循環使用す
る石炭液化方法などがよく知られており、こうした石炭
液化技術では、製品となる液化油の収率を高め、該液化
油コストの低下を図るべく各工程における様々な改良が
提案されている。
【0004】上記石炭液化により副生される残渣は、全
生成物の約30重量%を占めることから、その有効利用
が重要な課題となっている。こうした残渣の利用につい
ては、H2 製造用として使用されるか、該残渣を微粉砕
したものを固体燃料に用いる利用法が提案されている。
【0005】しかしながら、H2 製造用および残渣を用
いた固体燃料では、液体燃料の場合と異なり、いずれの
場合も取扱いの対象が固体であるためパイプライン輸送
が不可能であり、また発塵が生じ易いなど取り扱いが著
しく不利であるなど、多くの課題を有しており、該残渣
を有効に利用するものとは言えないものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、原料石炭を石炭液化用溶剤と混合したスラリー
を、高温高圧下で触媒を用い、水素化分解して燃料油を
製造する石炭液化反応において副生される残渣を有効に
利用することのできる新規な石炭液化残渣含有組成物を
提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために、新規な石炭液化残渣含有組成物につい
て鋭意研究した結果、灰分を多く含有しているため、重
くかつなじみにいため均一に分散せず液体化しにくい固
体の残渣微粉を、水または重油と混合し、界面活性剤を
添加して調製するか、または該残渣を軟化点以上の液体
の状態で重油と混合、調製することで得られる水もしく
は重油スラリー組成物、または重油の混合油組成物が、
貯蔵時に安定しており凝集や沈降をおこさず、かつ輸
送、供給時の流動性が良好で、発泡も少ないことから、
従来の取扱いの困難な固体燃料としての利用に比して、
見掛上は液体と同じ取扱いを可能とするため、該組成物
を液体燃料などとして有効利用できることを見出だし、
これにより石炭液化プラント全体の収益率を高めること
ができることを知り、この知見に基づき本発明を完成す
るに至ったものである。
【0008】すなわち、本発明の目的は、(1−1)石
炭液化に際して液化油の分離、回収時に副生する常温で
固体の残渣微粉を水と混合、調製して水スラリーとした
ことを特徴とする石炭液化残渣−水スラリー組成物によ
り達成される。
【0009】その際、(1−2)残渣微粉として、粒度
が150メッシュアンダー80重量%以上のものを用い
る。
【0010】また、(1−3)残渣微粉の含有量は、石
炭液化残渣−水スラリー組成物全体の35〜70重量%
である。
【0011】なお、(1−4)混合の際には、界面活性
剤を添加するとよい。
【0012】一方、本発明の目的は、(2−1)石炭液
化に際して液化油の分離、回収時に副生する常温で固体
の残渣微粉を重油と混合、調製して重油スラリーとした
ことを特徴とする石炭液化残渣−重油スラリー組成物に
よっても達成される。
【0013】その際、(2−2)残渣微粉として、粒度
が150メッシュアンダー75重量%以上のものを用い
る。
【0014】また、(2−3)残渣微粉の含有量は、石
炭液化残渣−重油スラリー組成物全体の0〜75重量%
である。
【0015】なお、(2−4)混合の際には、界面活性
剤を添加するとよい。
【0016】さらに、本発明の目的は、(3−1)石炭
液化に際して、液化油の分離、回収時に副生する残渣を
軟化点以上の液体の状態で重油と混合、調製して混合油
としたことを特徴とする石炭液化残渣−重油の混合油組
成物によっても達成される。
【0017】その際、(3−2)残渣の含有量は、石炭
液化残渣−重油の混合油組成物全体の0〜80重量%で
ある。
【0018】
【作用】以下、本発明を実施態様に基づき、より詳細に
説明する。
【0019】図1は、本発明に係る石炭液化残渣−水ス
ラリー組成物の製造工程のフローチャートである。
【0020】図1より、石炭液化残渣−水スラリー組成
物は、液化工程1、分離工程2、冷却固化工程3を経て
常温で固体の残渣を得、続いて乾式法の場合には粉砕工
程4、混合工程5により、または湿式法の場合には湿式
粉砕混合工程6により製造される。
【0021】上記液化工程1では、原料石炭、石炭液化
用溶剤および触媒が常圧下で50〜70℃の範囲で撹拌
混合され、石炭スラリーが調整された後、該石炭スラリ
ーは、150〜190kg/cm2 の圧力に昇圧した後
に、高圧水素ガスを供給して水素雰囲気とし、さらに4
00〜450℃に加熱された後、反応温度430〜47
0℃、反応圧力150〜190kg/cm2 で該水素ガ
スと反応させて水素化分解させる。
【0022】ここで原料石炭としては、石炭液化反応で
水素化分解反応を行わせるために、石炭中に含まれる約
15重量%の水分を通常1〜2重量%まで乾燥した後、
150μm以下の粒度の石炭粒子の収率が80%以上と
なるように粉砕された石炭である。該石炭の粉砕には、
ロッドミル、ボールミル、振動ミルまたはディスクミル
などの粉砕機を用いることができる。
【0023】上記石炭スラリーの濃度は、前記原料石炭
の乾燥重量に対する前記溶剤の重量比(溶剤/原料石
炭)で通常1.0〜3.0程度の範囲であり、触媒の添
加量は、無水、無灰ベースの原料石炭に対して通常1〜
5%重量の範囲となるように調整される。
【0024】上記触媒としては、主に比較的安価で入手
の容易な鉄系触媒が用いられており、具体的には、合成
硫化鉄触媒または天然鉄鉱石触媒などが使用されてい
る。
【0025】次に上記分離工程2では、液化工程1の石
炭液化反応により得られた生成物が、分離操作によっ
て、生成ガス、水および軽中質油からなる成分と重質油
および残渣からなる成分とに分離され、このうち生成ガ
ス、水および軽中質油からなる成分は、さらに蒸留操作
によって生成ガス、水および軽中質油成分に分離回収さ
れる。一方、重質油および残渣からなる成分は、減圧蒸
留(30〜50mmHgまで減圧)により分離され、こ
のうち残渣についてはそのまま回収され、また重質油
は、高温高圧で触媒の存在下に水素雰囲気下で、水素ガ
スと反応させて水素化反応を行って溶剤を生成し、石炭
液化用溶剤として循環使用される。
【0026】ここで分離回収される残渣としては、通常
538℃以上の沸点留分の液化油を含む、主に灰分およ
び未反応石炭からなるものをいう。
【0027】続いて、冷却固化工程3では、上記分離工
程2で分離回収された残渣を室温まで冷却し、固化する
ことで、固体残渣を得る。
【0028】次に乾式法による場合、粉砕工程4では、
上記冷却固化工程3により得られた常温で固体の残渣
は、粉砕、輸送のシステムや残渣性状、界面活性剤の添
加の有無などにより異なるが、好ましくは150メッシ
ュ篩で80%通過する範囲の粒度に粉砕される。該残渣
粉末の粒度が、上記範囲外の場合には、分散安定性、燃
焼性が低下し好ましくない。実際には、該粒度は上記範
囲内で小さいほど分散安定性など向上する反面、粉砕に
要するコストおよびスラリーの粘度は増加するため、こ
れらの諸条件を勘案した上で上記範囲内で適宜選択する
ことが望ましい。
【0029】ここで固体残渣の粉砕には、ハンマーミ
ル、アトマイザー、ロッドミル、ボールミル、振動ミル
またはディスクミルなどの粉砕機を用いることができ
る。なお使用に際しては、該固体残渣の摩擦熱による溶
融付着や発塵性などを考慮し、適宜選択する必要があ
る。
【0030】続いて、混合工程5では、粉砕工程4で得
られた上記残渣微粉を水と混合、調製して所望の石炭液
化残渣−水スラリー組成物を製造するものである。
【0031】ここで残渣微粉の含有量は、粉砕、輸送の
システムや残渣性状、特に界面活性剤の添加の有無など
により異なるが、石炭液化残渣−水スラリー組成物に対
して35〜70重量%の範囲が望ましい。該含有量が3
5重量%未満の場合には、得られる上記スラリーの燃料
効率が低くなるため好ましくなく、また含有量が70重
量%を越える場合には、得られる該スラリーの粘度が増
加するため、該スラリーをパイプラインなどで輸送、供
給する際に該パイプが閉塞するなど好ましくない。
【0032】さらに上記混合工程5では、界面活性剤を
添加することが望ましい。該界面活性剤としては、水に
可溶のものであれば、特に制限されるものでなく、陰イ
オン、陽イオン、非イオン、両性の各界面活性剤および
これらの高分子化合物による各界面活性剤のいずれでも
使用することができる。
【0033】これらの界面活性剤は撹拌混合により水中
に残渣微粉を分散させる働きをするもので、該界面活性
剤の果たす役割としては、該微粉の表面に吸着し、該残
渣微粉表面を水により濡れ易くすると共に、外力(せん
断力)が加わった場合に該微粉間の凝集体構造を破壊
し、該微粉同士の直接接触を防ぐことによって再凝集を
防ぎ、良好な分散を行わしめるものであり、該スラリー
の流動性を高め、液体と同じ取扱いを可能とするもので
ある。
【0034】次に、上記乾式法における粉塵、発火およ
び摩擦熱による液化残渣の溶融付着などの抑制の観点か
ら、以下に説明する湿式法を用いることが望ましい。
【0035】すなわち湿式法の場合、湿式粉砕混合工程
6では、上記冷却固化工程3により得られた常温で固体
の液化残渣は、混合する水を加えながら、湿式粉砕しな
がら混合、調製して所望の石炭液化残渣−水スラリー組
成物を製造するものである。その他の残渣微粉の粒度、
含有量、界面活性剤の添加の条件などについては、上述
の乾式法と同様である。
【0036】次に図2は、本発明に係る石炭液化残渣−
重油スラリー組成物の製造工程のフローチャートであ
る。
【0037】図2より、石炭液化残渣−重油スラリー組
成物は、液化工程11、分離工程12、冷却固化工程1
3を経て常温で固体の残渣を得、続いて粉砕工程14、
混合工程15により製造される。
【0038】本発明に係る石炭液化残渣−重油スラリー
組成物の製造工程における液化工程11、分離工程12
および冷却固化工程13に関しては、先述の石炭液化残
渣−水スラリー組成物の製造工程における液化工程1、
分離工程2および冷却固化工程3と同様である。
【0039】次に、粉砕工程4では、上記冷却固化工程
3により得られた常温で固体の残渣は、粉砕、輸送のシ
ステムや残渣性状、重油性状、界面活性剤の添加の有無
などにより異なるが、好ましくは150メッシュ篩で7
5%通過する範囲の粒度に粉砕される。該残渣微粉の粒
度が、上記範囲外の場合には、先述の石炭液化残渣−水
スラリー組成物と同様の問題が生ずるため好ましくな
い。
【0040】ここで固体の残渣粉砕には、先述の石炭液
化残渣−水スラリー組成物の製造工程での粉砕機と同様
のものが利用できる。
【0041】続いて、混合工程5では、粉砕工程4で得
られた上記残渣微粉を重油と混合して所望の石炭液化残
渣−重油スラリー組成物を製造するものである。
【0042】ここで残渣微粉の含有量は、粉砕、輸送の
システムや残渣性状、重油性状、界面活性剤の添加の有
無などにより異なるが、石炭液化残渣−重油スラリー組
成物に対して0〜75重量%の範囲が望ましい。含有量
が75重量%を越える場合には、得られるスラリーの粘
度が増加するため、該スラリーをパイプラインなどで輸
送、供給する際に該パイプが閉塞するなど好ましくな
い。
【0043】また、上記スラリーの調製時においては、
用いる重油性状(主に粘性)に応じて、加温し、調製時
間を短縮することも可能であり、加温に要するコスト増
と調製時間短縮によるコスト減などを比較考慮して決定
する必要がある。
【0044】また、本発明に用いられる重油としては、
特に制限されるものでなく、石炭系、石油系のいずれの
ものでもよいが、輸送、供給する際の上記スラリーの性
状(特に粘度)が適当な範囲となるように、適宜決定す
ることが望ましい。
【0045】さらに上記混合工程5では、界面活性剤を
添加することが望ましい。該界面活性剤としては、重油
に可溶のものであれば、特に制限されるものでなく、陰
イオン、陽イオン、非イオン、両性の各界面活性剤およ
びこれらの高分子化合物による各界面活性剤のいずれで
も使用することができる。
【0046】これらの界面活性剤は撹拌混合により該重
油中に残渣微粉を分散させる働きをするもので、該界面
活性剤の果たす役割としては、該微粉の表面に吸着し、
該残渣微粉表面を重油により濡れ易くすると共に、外力
(せん断力)が加わった場合に該微粉間の凝集体構造を
破壊し、該微粉同士の直接接触を防ぐことによって再凝
集を防ぎ、良好な分散を行わしめるものであり、該スラ
リーの流動性を高め、液体と同じ取扱いを可能とするも
のである。
【0047】次に図3は、本発明に係る石炭液化残渣−
重油の混合油組成物の製造工程のフローチャートであ
る。
【0048】図3より、石炭液化残渣−重油の混合油組
成物は、液化工程21、分離工程22を経て軟化点温度
以上の液体残渣を得、続いて混合工程23により製造さ
れる。
【0049】本発明に係る石炭液化残渣−重油混合油組
成物の製造工程における液化工程21および分離工程2
2に関しては、先述の石炭液化残渣−水スラリー組成物
の製造工程における液化工程1および分離工程2と同様
である。
【0050】次に、混合工程23では、上記分離工程2
2で得られる軟化点温度以上の液体残渣を固化しないよ
うに、加熱しながら重油と混合、調製して所望の石炭液
化残渣−重油の混合油組成物を製造するものである。
【0051】ここで液体残渣の含有量は、輸送のシステ
ムや残渣性状、重油性状などにより異なるが、石炭液化
残渣−重油の混合油組成物に対して0〜80重量%の範
囲が望ましい。含有量が80重量%を越える場合には、
得られる混合油の粘度が増加するため、該混合油をパイ
プラインなどで輸送、供給する際に該パイプが閉塞する
など好ましくない。
【0052】この場合、得られた混合油組成物は、高温
状態のまま、液体燃料などとして直接されることが好ま
しいが、該混合油組成物においては、調製後は、常温ま
で冷却して貯蔵しても安定であり、またその後の輸送、
供給時にも一定の粘度を有するためパイプの閉塞などの
問題もなく使用することができるものである。
【0053】
【実施例】以下、本発明の実施例について述べる。
【0054】実施例1 図1に示すフローチャートに従って石炭液化残渣−水ス
ラリー組成物の製造を行った。
【0055】まず、液化工程1において、水分を通常1
〜2重量%まで乾燥した後、150μm以下の粒度の石
炭粒子の収率が80%以上となるようにロッドミルを用
いて粉砕された原料石炭、石炭液化用溶剤および合成硫
化鉄触媒が、原料石炭の乾燥重量に対する溶剤の重量比
(溶剤/原料石炭)で1.5、また該触媒の添加量が無
水、無灰ベースの原料石炭に対して3重量%として添加
され、常圧下、60℃で撹拌混合して石炭スラリーを調
整した後、該石炭スラリーは、170kg/cm2 の圧
力に昇圧され、次に高圧水素ガスが供給され、さらに4
20℃に加熱された後、反応温度450℃、反応圧力1
70kg/cm2 で該水素ガスと反応させて水素化分解
した。
【0056】次に上記分離工程2において、液化工程1
により得られた生成物がガスおよびC5 〜260℃未満
の沸点留分の液化油からなる成分と260℃以上の沸点
留分の重質油および残渣からなる成分とに分離され、こ
のうちガスおよび該液化油からなる成分は、蒸留操作に
よってガスと液化油に分離回収された。一方、該重質油
および残渣からなる成分は、減圧蒸留(5mmHgまで
減圧)され、260〜538℃未満の沸点留分の重質油
は、100気圧、330℃でNi−Mo触媒の存在下に
水素雰囲気下で、水素ガスと水素化反応を行って溶剤を
生成し、石炭液化用溶剤として循環使用され、538℃
以上の沸点留分および残渣成分については残渣として回
収した。
【0057】続いて、冷却固化工程3において、分離工
程2で回収した残渣を室温まで冷却し、固化すること
で、固体残渣を得た。
【0058】次に粉塵、発火、摩擦熱による残渣の溶融
付着などの抑制の観点から、湿式法とし、湿式粉砕混合
工程6において、冷却固化工程3により得られた固体残
渣を150メッシュ篩で80%通過する粒度に、該残渣
微粉の含有量が石炭液化残渣−水スラリー組成物に対し
て50重量%となるように水を加えてロールミルで粉砕
しながら混合、調製して石炭液化残渣−水スラリー組成
物を製造した。
【0059】得られたスラリー組成物を30日間貯蔵し
た後、液体燃料としてボイラー用バーナーに用いが、貯
蔵時の安定性および輸送、供給する際の取り扱い性は、
従来の固体燃料として用いる場合に比較していずれも良
好であることが確認できた。
【0060】
【発明の効果】本発明により、石炭液化方法において、
液化油の分離工程で生成する副生物である残渣を水また
は重油と混合し液体化することにより、輸送、供給など
の取り扱い性が大幅に向上し、燃料としての利用価値が
高まり、石炭液化プロセス全体の経済性を高めることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る石炭液化残渣−水スラリー組成
物の製造工程のフローチャートである。
【図2】 本発明に係る石炭液化残渣−重油スラリー組
成物の製造工程のフローチャートである。
【図3】 本発明に係る石炭液化残渣−重油の混合油組
成物の製造工程のフローチャートである。
【符号の説明】
1、11、21…液化工程、 2、12、22…分
離工程、3、13…冷却固化工程、 4、14…
粉砕工程、5、15、23…混合工程、 6…湿式
粉砕混合工程。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石炭液化に際して液化油の分離、回収時
    に副生する常温で固体の残渣微粉を水と混合、調製して
    水スラリーとしたことを特徴とする石炭液化残渣含有組
    成物。
  2. 【請求項2】 残渣微粉として、粒度が150メッシュ
    アンダー80重量%以上のものを用いた請求項1に記載
    の石炭液化残渣含有組成物。
  3. 【請求項3】 残渣微粉の含有量が、水スラリー全体の
    35〜70重量%である請求項1または2に記載の石炭
    液化残渣含有組成物。
  4. 【請求項4】 石炭液化に際して液化油の分離、回収時
    に副生する常温で固体の残渣微粉を重油と混合、調製し
    て重油スラリーとしたことを特徴とする石炭液化残渣含
    有組成物。
  5. 【請求項5】 残渣微粉として、粒度が150メッシュ
    アンダー75重量%以上のものを用いた請求項4に記載
    の石炭液化残渣含有組成物。
  6. 【請求項6】 残渣微粉の含有量が、重油スラリー全体
    の0〜75重量%である請求項4または5に記載の石炭
    液化残渣含有組成物。
  7. 【請求項7】 混合の際に、界面活性剤を添加して得ら
    れる請求項1ないし6のいずれかに記載の石炭液化残渣
    含有組成物。
  8. 【請求項8】 石炭液化に際して、液化油の分離、回収
    時に副生する残渣を軟化点以上の液体の状態で重油と混
    合、調製して混合油としたことを特徴とする石炭液化残
    渣含有組成物。
  9. 【請求項9】 残渣の含有量が、石炭液化残渣−重油の
    混合油全体の0〜80重量%である請求項8に記載の石
    炭液化残渣含有組成物。
JP16572593A 1993-07-05 1993-07-05 石炭液化残渣含有組成物 Withdrawn JPH0718277A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20150105977A (ko) * 2013-02-13 2015-09-18 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 부생탄의 제조 방법
CN105950237A (zh) * 2016-05-24 2016-09-21 江苏秋林特能装备股份有限公司 一种煤液化残渣与煤混合制浆生产线

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