JPH11279557A - 液晶組成物および液晶表示素子 - Google Patents

液晶組成物および液晶表示素子

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JPH11279557A
JPH11279557A JP8704298A JP8704298A JPH11279557A JP H11279557 A JPH11279557 A JP H11279557A JP 8704298 A JP8704298 A JP 8704298A JP 8704298 A JP8704298 A JP 8704298A JP H11279557 A JPH11279557 A JP H11279557A
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JP
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liquid crystal
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compound
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JP8704298A
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English (en)
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Osamu Yokokoji
修 横小路
Katsuhiro Kitajima
勝広 北嶋
Katsura Isono
桂 磯野
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Seimi Chemical Co Ltd
Original Assignee
Seimi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低電圧で駆動でき、高速応答性を有し、広温度
範囲内で駆動電圧変動が小さい液晶組成物および液晶表
示素子を得る。 【解決手段】シアノエステル化合物(式2)および/ま
たはシアノ化合物(式3)、ジフルオロスチルベン化合
物(式1)、および光学活性物質(式4)、を含む組成
物。ただしPhは1,4−フェニレン基。A1 、A2
1 、B2 は1,4−フェニレン基またはトランス−シ
クロヘキシレン基。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速応答性であ
り、低電圧で駆動ができ、液晶のしきい値電圧(以下、
thと記す。)の温度依存性においても改善された液晶
表示素子、および該液晶表示素子に用いられる液晶組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、時計、電卓、測定器、
自動車用計器、複写機、カメラ、OA機器表示装置、お
よび家電製品表示装置等の用途に使用されている。近年
では、カーナビゲーション、通信用機器、携帯用情報端
末などへの需要が多くなっている。それに伴い、駆動電
圧の変動が小さい、低電圧で駆動できる、高速応答性で
ある、高コントラスト比である、広視角である、および
化学的安定性が高い、等の性能が広い温度範囲で達成さ
れる必要がある。
【0003】しかし、現時点では、前記性能を1化合物
で全て満たしうる液晶化合物は提供されていないため、
1または2以上の特性を有する化合物を複数含ませた液
晶組成物を調製して性能を満たしている。特に、携帯情
報機器などにおいては、低電圧で駆動でき、温度変化に
よる駆動電圧の変動が小さく、かつ、高速で応答しうる
液晶表示素子が要求されることから、これらの性能を満
たしうる液晶組成物が求められている。
【0004】Vthは、周囲の温度変化により変動し、該
変動により表示品位が低下する問題がある。その改善策
として、Vthの温度依存性を小さくする必要がある。V
thの電圧変動の原因となる温度変化としては、液晶の弾
性定数の温度変化、誘電率異方性の温度変化、固有ピッ
チの温度変化などが挙げられる。
【0005】そして、表示セルのセル厚(d、通常は一
定値)、液晶組成物の固有ピッチ(p)、誘電率異方性
(△ε)、弾性定数(K)、およびVthとの間には、下
記の数式Iの関係が成り立つことが知られている。ま
た、弾性定数(K)は、スプレイ(K11)、ツイスト
(K22)、およびベンド(K33)に分類され、下記の数
式IIの関係が成り立つことが知られている。 Vth=d×[K/(p×Δε)]1/2 ・・・数式I K=K11+(K33−2×K22)/4・・・数式II
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般に温度上昇により
弾性定数(K)と△ε値は小さくなる。従来の液晶組成
物の大部分は、温度上昇によりp値が大になるため、V
th値は小さくなる。したがって、Vthを一定にするため
には、温度上昇によりp値が小さくなる液晶組成物が要
求されていた。また、Vthの温度依存性を改善する方法
としてK値を任意に調節することはきわめて困難である
ことから、p値の温度変化をコントロールする方法が試
みられてきた。
【0007】具体的には、らせん方向が同じで、温度が
上昇すると固有ピッチの値(以下、p値と記す。)が大
きくなる光学活性化合物(下式S−811等)と、温度
が上昇するとp値が小となる光学活性化合物の2種類を
組み合わせて用いる方法が提案されている(特開平7−
258641)。しかし、この方法では、光学活性化合
物の添加量が多くなる傾向があるため、液晶組成物の動
粘度が大きくなり、応答速度が低下する問題がある。ま
た、複数の材料でp値を調整するために添加量の微調整
が難しい問題がある。
【0008】また、液晶組成物中に含ませうる光学活性
化合物としては、下式CNで表される化合物および下式
S−811で表される化合物(メルク社製商品名:S−
811)が知られている。
【0009】
【化2】
【0010】式S−811で表される化合物は温度の上
昇とともにp値が大になる特性があるので、温度上昇と
ともにVthは低下する。Vthの温度変化をより少なくす
るためには、温度の上昇に伴って液晶組成物のp値は、
小さくなる必要があり、また、温度変化の影響を最小限
にするためには、p値の変化の度合いを調整する必要が
ある。しかし、1成分の光学活性化合物でこれらの性質
を調整するのは困難であるため、現在は2成分以上の光
学活性化合物を用いている。したがって、1種類の光学
活性化合物によりp値の温度変化をコントロールできる
技術が望まれていた。
【0011】また、上記の式CNで表される光学活性化
合物は、温度上昇とともにp値が大きくなる化合物であ
り、また、ヘリカルツイストパワーが小さいので添加量
が増加し、液晶組成物の動粘度が上昇する欠点があっ
た。
【0012】また、液晶組成物中に含ませうるシアノ基
を有する化合物としては、下式5で表されるシアノ化合
物があるが、該化合物は△εの温度依存性が小さい欠点
があった。 R4 −Cy−Ph−CN ・・・式5 ただし、式5中の記号は以下の意味を示す。 R4 :アルキル基、 Ph:1,4−フェニレン基、 Cy:トランス−1,4−シクロヘキシレン基。
【0013】本発明の目的は、低電圧で駆動でき、広い
温度範囲内でVthの変動が小さく、かつ高速応答性を有
する液晶表示素子を提供しうる液晶組成物および該液晶
組成物を用いた液晶表示素子の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、p値の温
度変化および△ε値の温度変化をコントロールすること
によって、Vthの温度依存性を改善する方法に注目し
た。そして、Vthを一定にするために、温度上昇によ
り、液晶組成物のp値が小さくなる液晶組成物を見い出
し、さらに、△ε、p、K値が調整され、結果として温
度が変化してもVthが一定になることが必要であると考
え、本発明に至った。
【0015】すなわち本発明は、下式2で表されるシア
ノエステル化合物および/または下式3で表されるシア
ノ化合物、下式1で表されるジフルオロスチルベン化合
物、および下式4で表される光学活性化合物、を含むこ
とを特徴とする液晶組成物、および、該液晶組成物を電
極付基板間に挟持してなることを特徴とする液晶表示素
子を提供する。
【0016】
【化3】
【0017】ただし式中の記号は、以下の意味を示す。 Ph:1,4−フェニレン基。 R1 、R2 、R3 :それぞれ相互に独立して、炭素数1
〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルキル基の炭
素−炭素結合間に酸素原子が挿入された基、炭素数1〜
10のアルコキシ基、または炭素数2〜10のアルケニ
ル基、または炭素数3〜10のアルカポリエニル基。 A1 、A2 、B1 、B2 :それぞれ相互に独立して、ト
ランス−1,4−シクロヘキシレン基または1,4−フ
ェニレン基。 X1 、X2 、Y1 、Y2 :それぞれ相互に独立して、ハ
ロゲン原子または水素原子。 Z:−COO−または−OCO−。 m、n、p、q:それぞれ相互に独立して、0または
1。 C* :光学活性炭素原子。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の液晶組成物は、下式2で
表されるシアノエステル化合物および/または下式3で
表されるシアノ化合物、下式1で表されるジフルオロス
チルベン化合物、および下式4で表される光学活性化合
物、を含む。
【0019】それぞれの化合物において、R1 、R2
たはR3 が炭素数1〜10のアルキル基である場合、炭
素数2〜5のアルキル基が好ましい。アルキル基は直鎖
構造であっても分岐構造であってもよいが、直鎖構造が
好ましい。該アルキル基の具体例としては、エチル基、
n−プロピル基、n−ブチル基、およびn−ペンチル基
等が挙げられる。R1 、R2 またはR3 が、炭素数1〜
10のアルキル基の炭素−炭素結合間に酸素原子が挿入
された基である場合、メトキシエチル基、エトキシメチ
ル基、およびエトキシエチル基等が挙げられる。R1
2 またはR3 が、炭素数1〜10のアルコキシ基であ
る場合、メトキシ基、およびエトキシ基等が挙げられ
る。
【0020】R1 、R2 またはR3 が、炭素数2〜10
のアルケニル基である場合であって炭素−炭素二重結合
にシス結合とトランス結合が存在しうる場合には、トラ
ンス結合(すなわち、トランスアルケニル基)であるの
が好ましい。好ましい具体例としては、トランス−3−
ペンテニル基、および3−ブテニル基等が挙げられる。
1 、R2 またはR3 が、炭素数3〜10のアルカポリ
エニル基である場合、該基とは、炭素数3〜10のアル
キル基の炭素−炭素単結合の2個以上が炭素−炭素二重
結合に置換された基である。また、炭素−炭素二重結合
にシス結合とトランス結合が存在しうる場合には、トラ
ンス結合であるのが好ましい。
【0021】本発明におけるジフルオロスチルベン化合
物(式1)は、屈折率異方性(△n)が大きく、かつ動
粘度がきわめて低い化合物である。該化合物は特開平6
−329566に記載される公知の化合物である。
【0022】一般に液晶組成物の動粘度と液晶表示素子
の応答性には、正の相関があるので、液晶表示素子の高
速応答化のためには動粘度が低い化合物が有効である。
このことから、ジフルオロスチルベン化合物(式1)に
おけるR1 は、アルキル基またアルケニル基が好まし
く、特に直鎖アルキル基、または直鎖アルケニル基が好
ましく、特にエチル基、n−プロピル基、n−ブチル
基、n−ペンチル基、またはトランス−3−ペンテニル
基が好ましい。また、ジフルオロスチルベン化合物(式
1)中の−CF=CF−部分は、トランス−ジフルオロ
ビニレンであるのが好ましい。
【0023】ジフルオロスチルベン化合物(式1)の具
体例としては、下記化合物が挙げられる。なお、下式中
のアルキル基は直鎖のアルキル基であり、−CF=CF
−部分はトランス−ジフルオロビニレンであり、Phは
1,4−フェニレン基であり、特に記載しない限り本明
細書を通じて同様である。 C2H5-Ph-CF=CF-Ph-F (1. 1) C3H7-Ph-CF=CF-Ph-F (1. 2) C4H9-Ph-CF=CF-Ph-F (1. 3) C5H11-Ph-CF=CF-Ph-F (1. 4) CH3CH=CHCH2CH2-Ph-CF=CF-Ph-F(1. 5)
【0024】本発明の液晶組成物中には、シアノエステ
ル化合物(式2)およびシアノ化合物(式3)のいずれ
か一方、または、シアノエステル化合物(式2)および
シアノ化合物(式3)の両方が含まれる。
【0025】シアノエステル化合物(式2)におけるm
が0である場合、A1 と−COO−とは直接結合してい
ることを意味する。シアノエステル化合物(式2)とし
ては、下式2A〜式2Fのいずれかで表される化合物が
例示できる。
【0026】
【化4】
【0027】これらのうち、本発明におけるシアノエス
テル化合物(式2)としては、式2A、式2C、式2
E、または式2Fで表される化合物が好ましい。また、
2 はエチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−
ペンチル基、トランス−3−ペンテニル基、または3−
ブテニル基が好ましい。X1 は水素原子、フッ素原子、
または塩素原子が好ましい。Y1 は水素原子またはフッ
素原子が好ましい。
【0028】シアノエステル化合物(式2)は、特開平
4−300861に記載される公知化合物である。シア
ノエステル化合物(式2)の具体例としては、下記化合
物が挙げられる。なお、以下において、ハロゲン原子が
結合する1,4−フェニレン基については、ハロゲン原
子の位置および種類を括弧内に記載する。たとえば、3
位と5位にフッ素原子が置換している1,4−フェニレ
ン基はPh(3−F,5−F)と記載し、特に記載しな
い限り本明細書を通じて同様である。
【0029】 C2H5-Ph-COO-Ph-CN (2. 1) C3H7-Ph-COO-Ph-CN (2. 2) CH3CH=CHCH2CH2-Ph-COO-Ph(3-F)-CN (2. 3) CH3CH=CHCH2CH2-Ph-COO-Ph(3-Cl)-CN (2. 4) CH3CH=CHCH2CH2-Ph-COO-Ph(3-F,5-F)-CN(2. 5) C3H7-Ph-Cy-COO-Ph-CN (2. 6) C3H7-Cy-Cy-COO-Ph(3-F,5-F)-CN (2. 7) CH2=CHCH2CH2-Ph-COO-Ph(3-F)-CN (2. 8) C3H7-Cy-Ph-COO-Ph(3-F,5-F)-CN (2. 9)
【0030】
【化5】
【0031】 C4H9-Ph-COO-Ph(3-F)-CN (2. 10) C5H11-Ph-COO-Ph(3-F)-CN (2. 11)
【0032】シアノ化合物(式3)におけるnが0であ
る場合、B1 と−CH2 CH2 −とは直接結合している
ことを意味する。シアノ化合物(式3)としては、下式
3A〜式3Fのいずれかで表される化合物が例示でき
る。
【0033】
【化6】
【0034】これらのうち、本発明におけるシアノ化合
物(式3)としては、式3B、式3D、または式3Eで
表される化合物が好ましい。また、R3 はエチル基、n
−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、または
トランス−3−ペンテニル基が好ましい。X2 は水素原
子またはフッ素原子が好ましく、特にフッ素原子が好ま
しく、Y2 は水素原子またはフッ素原子が好ましく、特
にフッ素原子が好ましい。シアノ化合物(式3)は特開
昭62−103057に記載される公知の化合物であ
る。シアノ化合物(式3)の具体例としては、下記化合
物が挙げられる。
【0035】
【化7】 C3H7-Cy-CH2CH2-Ph(3-F,5-F)-CN (3. 1) C4H9-Cy-CH2CH2-Ph(3-F,5-F)-CN (3. 2) C5H11-Cy-CH2CH2-Ph(3-F,5-F)-CN (3. 3) CH3CH=CHCH2CH2-Cy-CH2CH2-Ph(3-F,5-F)-CN (3. 4) C3H7-Ph-Cy-CH2CH2-Ph(3-F,5-F)-CN (3. 5) C5H11-Ph-Cy-CH2CH2-Ph(3-F,5-F)-CN (3. 6) C3H7-Cy-Ph-CH2CH2-Ph(3-F,5-F)-CN (3. 7) C5H11-Cy-Ph-CH2CH2-Ph(3-F,5-F)-CN (3. 8)
【0036】シアノエステル化合物(式2)およびシア
ノ化合物(式3)は、Δε値が正の値(すなわちΔε>
0)であり、かつその絶対値が大である化合物である。
ΔεとVthとの間には負の相関があるので、大きなΔε
値を有するシアノエステル化合物(式2)および/また
はシアノ化合物(式3)化合物を採用することにより、
液晶表示素子の駆動電圧を低くできる。
【0037】また、弾性定数(K)値は、温度上昇とと
もに小さくなることから、液晶化合物としては、温度上
昇とともに△εが小さくなる性質の化合物を採用するの
が好ましい。本発明におけるシアノエステル化合物(式
2)およびシアノ化合物(式3)は、この性質において
も優れている。
【0038】さらに、本発明の液晶組成物は、光学活性
化合物(式4)を含む。光学活性化合物(式4)の2つ
のC* は光学活性炭素原子を示す。C* に結合する置換
基の立体配置は特に限定されず、RであってもSであっ
てもよい。光学活性化合物(式4)の具体例としては、
下記化合物が挙げられる。
【0039】
【化8】 Cl-C*H(CH3)-CH2-C*H(CH3)-O-Ph-Ph-CN (4. 1) Cl-C*H(CH3)-CH2-C*H(CH3)-O-Ph-Ph-OCO-Ph-CN(4. 2) Cl-C*H(CH3)-CH2-C*H(CH3)-O-Ph-Ph-COO-Ph-CN(4. 3)
【0040】従来の光学活性化合物は、温度が上昇する
と液晶組成物のp値を大きくする(すなわち、温度依存
性が正である)のに対し、光学活性化合物(式4)は、
液晶組成物のp値を小さくする(すなわち、温度依存性
が負である)化合物である。該光学活性化合物(式4)
は市販(旭電化工業社製等)されている。
【0041】本発明の液晶組成物におけるジフルオロス
チルベン化合物(式1)の量は、シアノエステル化合物
(式2)、シアノ化合物(式3)、およびジフルオロス
チルベン化合物(式1)の合計量に対して5〜90重量
%が好ましく、ジフルオロスチルベン化合物(式1)の
特性の点から特に20〜80重量%が好ましい。ジフル
オロスチルベン化合物(式1)を多量に含ませる場合に
はアルキル基(R1 )の鎖長の異なるジフルオロスチル
ベン化合物(式1)を併用することが他の化合物との相
溶性の点で好ましい。シアノエステル化合物(式2)お
よびエステル化合物(式3)は、シアノエステル化合物
(式2)、シアノ化合物(式3)、およびジフルオロス
チルベン化合物(式1)の合計量に対して、シアノエス
テル化合物(式2)量およびシアノ化合物(式3)量の
合計量を10〜95重量%とするのが好ましく、特に2
0〜80重量%とするのが好ましい。シアノエステル化
合物(式2)の量またはシアノ化合物(式3)量を多く
したい場合には、それぞれ、R2 の鎖長の異なるシアノ
エステル化合物(式2)またはR3 の鎖長の異なるシア
ノ化合物(式3)を併用することが他の化合物との相溶
性の点から好ましい。
【0042】光学活性化合物(式4)は、シアノエステ
ル化合物(式2)、シアノ化合物(式3)、およびジフ
ルオロスチルベン化合物(式1)の合計量に対して、
0.1〜25重量%添加するのが好ましく、特に0.1
〜10重量%添加するのが好ましい。
【0043】本発明の液晶組成物は、上記以外の他の化
合物を含んでいてもよい。他の化合物としては以下の例
が挙げられる。ただし、下式においてR5 およびR6
は、それぞれ相互に独立して、アルキル基、アルケニル
基、ハロゲン原子、またはシアノ基を示し、R7 はアル
キル基、アルケニル基、またはハロゲン原子を示す。
【0044】R5-Cy-Cy-R6 、 R5-Cy-Ph-R6 、 R5-Ph-Ph-R6 、 R5-Cy-Ph-Ph-R6、 R5-Ph-C ≡C-Ph-R6 、 R5-Cy-CH2CH2-Ph-Ph-R6 、 R5-Cy-Ph-C≡C-Ph-R6 、 R5-Cy-CH2CH2-Ph-C ≡C-Ph-R6 、 R5-Cy-Ph-Ph-Cy-R6 、 R5-Cy-COO-Ph-Ph-R6、 R5-Cy-Cy-COO-Ph-R7、 R5-Cy-Ph-COO-Ph-R7、 R5-Cy-COO-Ph-COO-Ph-R6、 R5-Ph-COO-Ph-COO-Ph-R6、 R5-Cy-CH2CH2-Cy-Ph-R6
【0045】他の化合物を含ませる場合には、シアノエ
ステル化合物(式2)、シアノ化合物(式3)、および
ジフルオロスチルベン化合物(式1)の合計量に対し
て、50〜250重量%が好ましく、特に80〜130
重量%が好ましい。
【0046】本発明の液晶組成物は、低電圧で駆動で
き、高速応答性であり、広温度範囲内で電圧変動の小さ
い液晶表示素子を提供しうる優れた組成物である。本発
明の液晶組成物は、液晶セル間に注入し、つぎに該液晶
セルを電極付きの基板間に挟持することにより液晶表示
素子とする。代表的な液晶セルとしては、ツイストネマ
チック(TN)型液晶表示素子またはスーパーツイスト
ネマチック(STN)型液晶表示素子が挙げられる。な
お、液晶表示素子としては、表示用途以外の用途にも使
用できる。表示用途以外の用途としては、調光窓、光シ
ャッタ、偏光交換素子等が挙げられる。液晶表示素子の
駆動方式としては、STN方式、TN方式、ゲスト・ホ
スト(GH)方式、動的散乱方式、フェーズチェンジ方
式、DAP方式、または二周波駆動方式等が採用でき
る。
【0047】本発明の液晶組成物を注入する液晶セル
は、TFT(薄膜トランジスタ)方式、MIM(金属絶
縁体金属非線形抵抗素子)方式、STN方式、またはT
N方式等に用いられる液晶セルが好ましく、特にSTN
方式またはTN方式に用いられる液晶セルが好ましい。
STN方式等に用いられるセルとしては、1対の電極付
きの基板を間隙を設けて向かい合わせ、周囲をシールし
たものが好ましい。さらに該電極付きの基板は、ストラ
イプ状にパターニングした電極付きの基板であるのが好
ましく、これらを、ストライプの方向が交差するように
向かい合わせるのが好ましい。
【0048】液晶組成物が注入された液晶セルは時分割
駆動するのが好ましい。該時分割駆動においては、駆動
デューティ比を大きくすると、きわめて高い効果が得ら
れる利点があることから、駆動デューティ比を100以
上とするのが好ましい。
【0049】また液晶セルのうち、TFT方式、MIM
方式等に用いられる液晶セルとしては、能動素子を画素
毎に設けた能動素子基板と対向電極を設けた対向基板を
用い、その電極面が相対向するように配置し、周囲をシ
ールした液晶セルが挙げられる。この液晶セルはアクテ
ィブ駆動するのが好ましく、該駆動により、ビデオ信号
で駆動した場合に、残像の少ない画像が得られる利点が
ある。
【0050】これらの液晶セル、および液晶表示素子の
具体的な製造方法としては、以下の方法が挙げられる。
まず、ガラス、プラスチック等の基板上に、必要に応じ
てSiO2 、Al23 等のアンダーコート層やカラー
フィルタ層を形成し、In23 −SnO2 (ITO)
等の電極を設け、パターニングする。さらに、必要に応
じて、ポリイミド、ポリアミド、SiO2 、Al23
等のオーバーコート層を形成し、配向処理してもよい。
つぎに、シール材を印刷し、電極面が相対向するように
配して周辺をシールし、シール材を硬化して空の液晶セ
ルを得る。基板が能動素子基板である場合には、各画素
の能動素子を形成する。この液晶空セルに、本発明の液
晶組成物を注入し、注入口を封止剤で封止して液晶セル
を構成する。この液晶セルに必要に応じて偏光板、カラ
ー偏光板、光源、カラーフィルタ、半透過反射板、反射
板、導光板、紫外線カットフィルタ等を積層し、文字、
または図形等を印刷し、ノングレア加工等をして液晶電
気素子が製造できる。
【0051】本発明の液晶組成物は、相溶性の点でも問
題なく広い温度域での対応が可能である。本発明の液晶
表示素子は、時計、電卓、測定器、自動車用計器、複写
機、カメラ、OA機器表示装置、家電製品表示装置、カ
ーナビゲーション、通信用機器、携帯用情報端末等にお
ける表示画面に使用できる。
【0052】
【実施例】以下に本発明の実施例(例8、例13)、比
較例(例9〜12、例14、例15)、参考例(例1〜
7)を説明するが、本発明はこれらによって限定されな
い。
【0053】[例1〜4(いずれも参考例)]表1に示
す化合物を同表に示す割合(重量比)で配合し、例1〜
4の液晶組成物を調製した。例1〜4の液晶組成物は、
光学活性化合物(式4)が添加されていない組成物であ
る。それぞれについて、Δε値および動粘度(いずれも
25℃における値)を測定した結果を表3に示す。
【0054】
【表1】
【0055】[例5〜7(いずれも参考例)]表2に示
す化合物を同表に示す割合(重量比)で配合し、例5〜
7の液晶組成物を調製した。例5の液晶組成物は、ジフ
ルオロスチルベン化合物(式1)および光学活性化合物
(式4)が添加されていない液晶組成物である。例6の
液晶組成物は、シアノエステル化合物(式2)、シアノ
化合物(式3)、および光学活性化合物(式4)が添加
されない液晶組成物である。例7の液晶組成物は、ジフ
ルオロスチルベン化合物(式1)、シアノエステル化合
物(式2)、シアノ化合物(式3)、および光学活性化
合物(式4)が添加されない液晶組成物である。例5〜
7の液晶組成物について、Δε値および動粘度(いずれ
も25℃における値)を測定した結果を表3に示す。
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】[例8(実施例)]例1の液晶組成物に対
して、光学活性物質として前記式(4. 3)で表される
化合物を1.0重量%添加して例8の液晶組成物を得
た。例8の液晶組成物をストライプ状の電極付きの基板
間に挟持してコモン電極が120本のSTN型液晶表示
素子を作成した。電圧平均化法による時分割駆動を行っ
た。25℃における応答時間およびVthの測定結果を表
4に、−10℃、25℃、および50℃の各温度におけ
るVthの変動を図1に示す。
【0059】[例9(比較例)]例1の液晶組成物に対
して、光学活性物質として前記式S−811で表される
光学活性化合物を1.0重量%添加して例9の液晶組成
物を得た。例9の液晶組成物を用いて例8と同様に液晶
表示素子を作成した。例8と同様の測定を行った結果を
表4および図1に示す。
【0060】[例10(比較例)]例5の液晶組成物に
対して、光学活性物質として前記式(4. 3)で表され
る化合物を1.0重量%添加して例10の液晶組成物を
得た。例10の液晶組成物を用いて例8と同様に液晶表
示素子を作成した。25℃における応答時間およびVth
の測定結果を表4に示す。
【0061】[例11(比較例)]例6の液晶組成物に
対して、光学活性物質として前記式(4. 3)で表され
る化合物を1.0重量%添加して例11の液晶組成物を
得た。例11の液晶組成物を用いて例8と同様に液晶表
示素子を作成した。例8と同様の測定を行った結果を表
4および図1に示す。
【0062】[例12(比較例)]例7の液晶組成物に
対して、光学活性物質として前記式(4. 3)で表され
る化合物を1.0重量%添加して例12の液晶組成物を
得た。例12の液晶組成物を用いて例8と同様に液晶表
示素子を作成した。25℃における応答時間およびVth
の測定結果を表4に示す。
【0063】
【表4】
【0064】[例13(実施例)]例8の液晶組成物に
ついて、15℃、25℃、および50℃の固有ピッチを
測定し、25℃における固有ピッチに対する比を求め
た。結果を図2に示す。
【0065】[例14(比較例)]例9の液晶組成物に
ついて、例13と同様に固有ピッチを測定し、25℃に
おける固有ピッチに対する比を求めた。結果を図2に示
す。
【0066】[例15(比較例)]例1の液晶組成物に
対して、式CNで表される化合物を1.0重量%添加し
た液晶組成物について、例13と同様に固有ピッチを測
定し、25℃における固有ピッチに対する比を求めた。
結果を図2に示す。
【0067】
【発明の効果】本発明の液晶組成物は、温度上昇により
p値が小さくなる液晶組成物である。さらに該液晶組成
物を用いた液晶表示素子は、温度変化に対するVthの変
化が小さくなる。これは、ジフルオロスチルベン化合物
(式1)と、式2および/または式3で表されるシアノ
基含有の特定化合物と、光学活性化合物との特定の組み
合わせを選択することにより、p値とΔε値の温度変化
の度合いが弾性定数(K)値の温度変化を相殺できる程
度に適度に調節された結果である。また、本発明の液晶
組成物は、温度上昇とともにp値が小さくなる特定の光
学活性化合物(式4)を含ませることにより、高温でV
thが低下するのを防止しうる。
【0068】さらに、本発明の液晶表示素子は、ジフル
オロスチルベン化合物(式1)の低粘度、高速応答とい
う特性を保持したまま、低電圧で駆動できる。
【0069】また、本発明の液晶組成物は低粘度でもあ
ることから製造された液晶表示素子は、高速応答性であ
る。さらに、該素子を、時分割駆動で高デューティ駆動
を行った場合、動画表示をした場合、またはスクロール
機能表示をした場合においても、残像が少なく、画像が
見やすい利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】例8、9、11で得た液晶表示素子におけるV
th値の温度変化を示すグラフ。
【図2】例13〜15の液晶組成物における固有ピッチ
(p)値の温度変化を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G02F 1/13 500 G02F 1/13 500

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下式2で表されるシアノエステル化合物お
    よび/または下式3で表されるシアノ化合物、下式1で
    表されるジフルオロスチルベン化合物、および下式4で
    表される光学活性化合物、を含むことを特徴とする液晶
    組成物。 【化1】 ただし式中の記号は、以下の意味を示す。 Ph:1,4−フェニレン基。 R1 、R2 、R3 :それぞれ相互に独立して、炭素数1
    〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルキル基の炭
    素−炭素結合間に酸素原子が挿入された基、炭素数1〜
    10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、
    または炭素数3〜10のアルカポリエニル基。 A1 、A2 、B1 、B2 :それぞれ相互に独立して、ト
    ランス−1,4−シクロヘキシレン基または1,4−フ
    ェニレン基。 X1 、X2 、Y1 、Y2 :それぞれ相互に独立して、ハ
    ロゲン原子または水素原子。 Z:−COO−または−OCO−。 m、n、p、q:それぞれ相互に独立して、0または
    1。 C* :光学活性炭素原子。
  2. 【請求項2】式1で表されるジフルオロスチルベン化合
    物、式2で表されるシアノエステル化合物、および式4
    で表される光学活性化合物を含むことを特徴とする請求
    項1記載の液晶組成物。
  3. 【請求項3】式1で表されるジフルオロスチルベン化合
    物、式3で表されるシアノ化合物、および式4で表され
    る光学活性化合物を含むことを特徴とする請求項1記載
    の液晶組成物。
  4. 【請求項4】式2で表されるシアノエステル化合物、式
    3で表されるシアノ化合物、および式1で表されるジフ
    ルオロスチルベン化合物の合計量に対して式1で表され
    るジフルオロスチルベン化合物の量が5〜90重量%で
    ある請求項1、2または3記載の液晶組成物。
  5. 【請求項5】式2で表されるシアノエステル化合物、式
    3で表されるシアノ化合物、および式1で表されるジフ
    ルオロスチルベン化合物の合計量に対して式4で表され
    る光学活性化合物の量が0.1〜25重量%である請求
    項1、2、3または4記載の液晶組成物。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3、4または5記載の液晶
    組成物を電極付基板間に挟持してなることを特徴とする
    液晶表示素子。
  7. 【請求項7】液晶表示素子がツイストネマチック型液晶
    表示素子またはスーパーツイストネマチック型液晶表示
    素子である請求項6記載の液晶表示素子。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001348371A (ja) * 2000-06-06 2001-12-18 Seimi Chem Co Ltd ジフルオロベンゾニトリル化合物およびその中間体、製造方法、液晶組成物および液晶電気光学素子
JP2002003846A (ja) * 2000-04-19 2002-01-09 Dainippon Ink & Chem Inc 液晶組成物

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JP2001348371A (ja) * 2000-06-06 2001-12-18 Seimi Chem Co Ltd ジフルオロベンゾニトリル化合物およびその中間体、製造方法、液晶組成物および液晶電気光学素子

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