JPH11279389A - ポリエステル成形組成物 - Google Patents

ポリエステル成形組成物

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JPH11279389A
JPH11279389A JP11016457A JP1645799A JPH11279389A JP H11279389 A JPH11279389 A JP H11279389A JP 11016457 A JP11016457 A JP 11016457A JP 1645799 A JP1645799 A JP 1645799A JP H11279389 A JPH11279389 A JP H11279389A
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polyester
naphthanoate
mixture
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JP11016457A
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Bret Ja Chisholm
ブレット・ジャ・チザーム
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General Electric Co
Original Assignee
General Electric Co
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L67/00Compositions of polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L67/02Polyesters derived from dicarboxylic acids and dihydroxy compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L69/00Compositions of polycarbonates; Compositions of derivatives of polycarbonates
    • C08L69/005Polyester-carbonates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L51/00Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L51/04Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers grafted on to rubbers

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】増加されたガラス転位温度、比較的高い熱変形
温度(HDT)均質な外観を含めた向上された諸特性の
熱可塑性樹脂組成物 【解決手段】(a)下式I の反復単位(各R1 は2価の脂肪族炭化水素、脂環式炭
化水素、ポリオキシアルキレン、各A1 は二価のナフタ
リン)を含有するナフタノエートポリエステル約90乃
至約10重量%(b)下式II の反復単位(Arはジカルボン酸二価の芳香族残基であ
り、Ar′は二価フェノールまたは二価フェノールの混
合物の二価の芳香族残基である)を含有する非晶質のポ
リマー約10乃至約90重量%、(c)酸性OH基を有
するホスファイト、酸性燐酸塩、ポリ酸ピロ燐酸塩およ
びその酸性塩、周期律表第IBおよびIIB族金属の燐酸
塩並びに燐オクソ酸からなる群から選ばれる抑制剤を含
む熱可塑性樹脂組成物、

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明はポリエステル樹脂のブレンドに
係わる。
【0002】
【発明の背景】ポリカーボネート(PC)と芳香族結晶
性ポリエステルとのブレンド類は周知であり、それらの
加工性、耐溶剤性および衝撃強さの組合せのために有用
である。殆どの場合、これらのブレンドはまた良好で均
質な表面外観をも提供する。これらのブレンドの特に負
荷の下での熱的特性はそのポリカーボネートに富んだ相
のガラス転位温度(Tg)の関数である。ポリカーボネ
ートがポリエステルに部分的に混和性である限度におい
て、このブレンドのPCのTgは純粋なPCに対して低
下される。[J. Applied Polymer Sci.48,2249(1993)を
参照されたい]これは負荷の下での熱変形温度(HD
T)のような熱的特性の低下を引き起こす。
【0003】もしも比較的に高いTgのポリカーボネー
ト樹脂を使用してブレンドのTgの低下に対処しようと
試みたとしても、なお問題があろう。ポリアリーレート
およびこれに関連するポリエステルカーボネート(PE
C)樹脂は比較的に高いTgを持ったポリカーボネート
の諸特性の幾つかを持っていることが知られている。
(米国特許4,430,484参照)しかし、これらの
ポリアリーレートまたはポリエステルカーボネートをポ
リブチレンテレフタレート(PBT)のような標準のア
ルキルテレフタレートをベースとするポリエステルと混
合すると、標準の比較的に低いTgのPCのブレンドに
比べてHDTの上昇はあっても極僅かである。比較的に
高いTgのポリエステルカーボネートおよびポリアリー
レートはアルキルテレフタレート樹脂に対しより混和性
であり、得られたこのブレンドのTgは類似のPC−ア
ルキルテレフタレートブレンドとほぼ同じかあるいはそ
れより低い。
【0004】ポリエステル−ポリカーボネートブレンド
における熱的特性の喪失に取り組んだ別の方法は標準の
ポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)およびPBT PC よりも高いTgを
持っている結晶性のポリエステルを使用することであっ
た。[Research Disclosure, Nov.1987,p667-669参照]
比較的に高いTgの結晶性ポリエステルはポリエチレン
ナフタノエート(PEN)あるいはポリブチレンナフタ
ノエート(PBN)のようなアルキルナフタノエートポ
リエステル樹脂として最近市販されている。残念なが
ら、これらのナフタノエートポリエステル樹脂は、ポリ
カーボネートとブレンドされると、貧弱に分散された、
非均質の、真珠層の表面を示す外観に乏しい成形部品を
与える。
【0005】このように、比較的に高い熱能力、良好な
外観および良好な機械的諸特性を有するPC−ポリエス
テルブレンドを得ることは難しい。それ故に、上昇され
たTg、高い衝撃強さ、比較的に高い熱変形温度(HD
T)並びに均質な外観を含めた諸特性を組み合わせて有
するポリカーボネート/ポリエステルブレンドを入手す
ることが望ましい。
【0006】
【発明の要約】或るポリマーに種々の添加剤または他の
ポリマーを添加してその物理的特性を改良する分野は予
測可能な化学というよりはむしろ大分経験による技術分
野であって、特定の添加剤が特定のポリマーに与える影
響の予測性はあっても極僅かであることが当業者に良く
知られている。しかし、驚くべきことに、アルキルナフ
タノエートポリエステルをポリエステルカーボネートと
ブレンドすると、外観および低いTgの問題を解決する
ブレンドを与えることが分かった。ポリアルキレンナフ
タノエートをポリエステルカーボネート樹脂とブレンド
すれば、予想される低いTgの外観の乏しいブレンドが
得られる代わりに、微細に分散されそして優れた外観の
ブレンドを与える。加えて、このブレンドは標準のアル
キルテレフタレートポリエステル−ポリエステルカーボ
ネートブレンドに比べて減少された混和性を示しそして
HDTのような改善された熱的特性と共に比較的高いT
gを有する。
【0007】ポリエステルカーボネートまたはポリアリ
ーレート樹脂とポリアルキレンナフタノエートポリエス
テルとのこの特定の組合せは外観と熱的特性の問題を両
方とも解決しながらも、溶剤抵抗性、加工性、剛性およ
び衝撃強さの利益をなお維持している。また、ポリナフ
タノエートとポリエステルカーボネート/ポリアリーレ
ートとの間の溶融加工中の反応はコポリマーの生成や熱
的特性の劣化並びに色の形成やガス発生のような加工上
望ましくない効果をもたらすので、かかる反応を防ぐこ
とが重要である。配合されたポリマー類の溶融反応を防
止するには特定の酸性燐化学種の使用が望ましい。
【0008】本発明によれば、(a)下記の式I
【0009】
【化3】
【0010】の反復単位(但し上記式中、各R1 は個々
に2価の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、ポリオキシ
アルキレンまたはこれらの基の混合物であり、各A1
個々に二価のナフタリンまたはそれらの基の混合物であ
る)を含有するナフタノエートポリエステル約90乃至
約10重量%(b)下記の式II
【0011】
【化4】
【0012】の反復単位(但し上記式中、Arはジカル
ボン酸またはジカルボン酸の混合物の二価の芳香族残基
であり、Ar′は二価フェノールまたは二価フェノール
の混合物の二価の芳香族残基である)を含有する本質的
に非晶質のポリマー約10乃至約90重量%、および
(c)少なくとも1つの酸性水素を有するホスファイ
ト、酸性燐酸塩、ポリ酸ピロ燐酸塩およびその酸性塩、
周期律表第IBおよびIIB族金属の燐酸塩並びに燐オク
ソ酸からなる群から選ばれる抑制剤、を含み、上昇され
たガラス転位温度、比較的高い熱変形温度(HDT)並
びに均質な外観および良好な溶融安定性を含めた向上さ
れた諸特性の組合せを有する熱可塑性樹脂組成物が提供
される。
【0013】更に、ポリエステルカーボネート−アルキ
ルナフタノエートポリエステルブレンドに標準の芳香族
ポリカーボネート(式IIにおいてx=0)を一部添加す
ると熱特性はナフタノエートポリエステルに添加される
いずれの非晶質樹脂自体の熱的特性を超えて向上される
ことが分かった。加えて、光反応してUV安定性の物質
を生成するポリエステルカーボネート/ポリアリーレー
ト樹脂のおかげで(J.Polymer Sci.Part A-1,9,3263,19
71参照)、これらのブレンドは標準のポリカーボネート
アルキルテレフタレートブレンドに比べて屋外での時効
に際する諸特性の維持が改善されていることも予測され
る。
【0014】
【好適な実施の態様の詳細な記述】通常コポリエステル
−ポリカーボネート樹脂とも呼ばれるポリ(エステル−
カーボネート)樹脂は、芳香族ジオールをジカルボン酸
および炭酸またはその誘導体と反応させて生成されるコ
ポリマーである。これに密接した関連のある種族の樹脂
は普通ポリアリーレート樹脂と呼ばれ、これにはカーボ
ネート結合が存在せず、ジフェノールと芳香族ジ酸また
はその誘導体から誘導された非晶質の芳香族ポリエステ
ルとして生成される。これらの種族の樹脂の両者を以後
本発明のブレンド中に使用される”PEC”と呼ぶこと
とする。これらのポリマーは例えば溶融重合あるいは界
面重合のような種々の方法で調製できる。ポリアリーレ
ート樹脂およびその合成についての論議はJames M.Marg
olisによって編集されMarcel Dekker Inc.によって1985
年に発行された"Engineering Thermoplastics Properti
es and Applications", chapter 10 p255-281に載せら
れている。
【0015】PEC樹脂類を製造する溶融重合法は例え
ば二価フェノールと例えばイソ−およびテレ−フタレー
トのジフェニル誘導体あるいはこれらの混合物のような
エステル前駆体との種々の混合物を共重合させることを
含むことができる。ポリエステルカーボネートコポリマ
ーを調製するには炭酸ジフェニルを導入することができ
る。この重合反応を促進するため例えば水酸化リチウム
およびステアリン酸リチウムのような種々の触媒または
触媒混合物を使用することもできる。
【0016】一般に、この界面重合の方法は、二相系に
おいて、触媒と、ジカルボン酸およびカーボネート前駆
体がジ酸ハロゲン化物であるときにはしばしば酸受容体
とを使用して、二価フェノールをジ酸またはその誘導体
のエステル前駆体および随意にカーボネート前駆体と反
応させることを含む。界面重合技術の例は米国特許3169
121および4487896に見ることができ、これらの記載を参
考文献としてこの明細書の記載の一部とする。
【0017】これら調製法の反応条件は変動しうるが、
好ましい方法の幾つかでは、苛性水溶液に二価フェノー
ル反応物質を溶解または分散し、こうして得られた混合
物を適当な水に非混和性の溶媒媒質と組合せ、それから
適当な触媒の存在下における制御されたpH条件下でこ
の反応物質を例えばホスゲンのようなカーボネート前駆
体およびジ酸塩化物のようなジ酸またはその誘導体と接
触させることを伴うのが典型的である。最も普通に使用
される水に非混和性の溶媒にはメチレンクロライド、
1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、トルエン等
が含まれる。
【0018】反応を促進するために反応混合物に触媒を
添加することが有利なことがある。触媒は典型的には二
価フェノール反応物質とカーボネート/エステル前駆体
との重合速度を促進する。限定はされないが、代表的な
触媒には例えばトリエチルアミンのような第三アミン、
第四ホスホニウム化合物、第四アンモニウム化合物、等
が含まれる。
【0019】ポリエステルカーボネートコポリマーを調
製する好ましい方法はホスゲン化反応を含む。ホスゲン
化反応が進行する温度は約0℃以下から約100℃で変
動しうる。ホスゲン化反応は好ましくはほぼ室温(約2
3℃)乃至約50℃の温度で進行する。この反応は発熱
反応なので、ホスゲンの添加速度を加減してこの反応温
度を制御できる。
【0020】使用される二価フェノールは知られてお
り、その反応性基はフェノール性ヒドロキシル基である
と考えられる。使用される二価フェノールの幾つかの代
表的なものはビス−フェノール例えば(4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン(ビスフェノールAとしても知られてい
る)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロ
モ−フェニル)プロパン;二価フェノールエーテル例え
ばビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス
(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)エーテ
ル;p,p′−ジヒドロキシジフェニルおよび3,3′
−ジクロロ−4,4′−ジヒドロキシジフェニル;ジヒ
ドロキシアリールスルホン例えばビス(4−ヒドロキシ
フェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホン;ジヒドロキシベンゼン例
えばレゾルシノール、ヒドロキノン;ハロ−およびアル
キル−置換ジヒドロキシベンゼン例えば1,4−ジヒド
ロキシ−2,5−ジクロロベンゼン、1,4−ジヒドロ
キシ−3−メチルベンゼン;並びにジヒドロキシジフェ
ニルスルフィドおよびスルホキシド例えばビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)スルホキシドおよびビス(3,5−ジブロモ
−4−ヒドロキシフェニル)スルホキシドである。各種
の追加の二価フェノールが入手できそして米国特許2999
835;3028365;3153008 に開示されており、これら米国特
許の全ての記載を参考文献としてこの明細書の記載の一
部とする。勿論、2種以上の異なる二価フェノールある
いは二価フェノールとグリコールの組合せを使用するこ
ともできる。
【0021】カーボネート前駆体は典型的にはハロゲン
化カルボニル、炭酸ジアリールまたはビスハロホーメー
トである。ハロゲン化カルボニルには例えば臭化カルボ
ニル、塩化カルボニルおよびこれらの混合物が含まれ
る。ビスハロホーメートには二価フェノールのビスハロ
ホーメート例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジクロロ−フェニル)プロパン、ヒドロキノン等の
ビスクロロホーメートあるいはグリコールのビスハロホ
ーメート等が含まれる。上記のカーボネート前駆体の全
てが有用であるが、ホスゲンとしても知られる塩化カル
ボニルが好ましい。
【0022】一般に、ポリエステルの調製に慣用されて
いるいずれのジカルボン酸をポリ(エステル−カーボネ
ート)樹脂の調製に使用できる。しかしながら、本発明
に使用されるPECは芳香族ジカルボン酸、特にテレフ
タル酸およびこれとイソフタル酸との混合物を使用して
調製される。ジカルボン酸自体を利用するよりはむしろ
この酸成分の種々の誘導体を使用することができるし、
ときには好ましくすらある。こうした反応性誘導体の例
は酸ハロゲン化物である。好ましい酸ハロゲン化物は酸
ジ塩化物および酸ジ臭化物である。従って、例えばテレ
フタル酸またはこれとイソフタル酸との混合物を使用す
る代わりに、テレフタロイルジクロライドおよびこれと
イソフタロイルジクロライドとの混合物を使用すること
ができる。
【0023】PEC、ポリカーボネートおよびポリアリ
ーレートを調製する慣用的な界面重合法では、カーボネ
ートおよび/またはエステル前駆体による重合反応の前
あるいはその間に、反応混合物に分子量調節剤(連鎖停
止剤)を添加するのが一般的である。有用な分子量調節
剤には例えばフェノール、クロマン−1、パラ−t−ブ
チルフェノール、p−クミルフェノール等の1価のフェ
ノールが含まれる。
【0024】このPECを調製するのに使用される反応
物質の割合はこの生成物樹脂を含有する本発明のブレン
ドの提示された用途次第で変動されよう。一般に、結合
されたエステル単位の量はカーボネート単位に対して約
20重量%乃至約100重量%、好ましくはカーボネー
ト単位に対して約40重量%乃至約90重量%でよい。
【0025】本発明のブレンド中に成分として使用され
る好ましい”PEC”は好ましくは次式II
【0026】
【化5】
【0027】のエステル/カーボネート単位を有する。
ここに、上記式中、Arはジカルボン酸またはジカルボ
ン酸の混合物の二価の芳香族残基であり、Ar′は二価
フェノールまたは二価フェノールの混合物の二価の芳香
族残基である。Arはアリール基であり、最も好ましく
はイソ−およびテレ−フタレートまたはこれらの混合物
からの残基であって次式
【0028】
【化6】
【0029】を有する。二価フェノールの二価の残基A
r′は次の一般式
【0030】
【化7】
【0031】によって表すことができ、上記式中、Aは
1乃至約15個の炭素原子を含有する二価の炭化水素
基、1乃至約15個の炭素原子およびハロゲンのような
置換基を含有する置換された二価の炭化水素基、−S
−、−S(O)2 −または−O−であり、各Xは水素、
ハロゲン、並びに1価の炭化水素基例えば1乃至約8個
の炭素原子を含有するアルキル基、6乃至約18個の炭
素原子を含有するアリール基、7乃至約14個の炭素原
子を含有するアルアルキル基、1乃至約8個の炭素原子
を含有するアルコキシ基からなる群から個々に選ばれ、
mは0または1であり、そしてnは0乃至約5の整数で
ある。Ar′はヒドロキノンやレゾルシノールのような
単一の芳香族環あるいはビフェノールまたはビスフェノ
ールAのような多数の芳香族環でよい。
【0032】式IIの好ましい”PEC”樹脂において
は、カーボネート含有量yは0乃至約80、好ましくは
5乃至約70であり、芳香族エステル含有量xは約20
乃至約100、好ましくは約30乃至約95である。よ
り好ましくはxは50乃至約95である。式IIにおい
て、xおよびyは合計重量100部に基づいてそれぞれ
芳香族エステル単位およびカーボネート単位の重量を表
している。yが0のときは、カーボネート結合は存在せ
ず、このポリエステル樹脂はポリアリーレートとして知
られている。
【0033】一般に、ポリエステルの調製に慣用される
いずれのジカルボン酸もポリ(エステルカーボネート)
樹脂の調製に使用しうる。しかしながら、本発明に使用
されるPECは芳香族ジカルボン酸、特にテレフタル酸
およびこれとイソフタル酸との混合物を使って調製さ
れ、ここにテレフタル酸とイソフタル酸の重量比は約
5:95乃至約95:5の範囲である。
【0034】本発明のブレンドにおいて成分(b)とし
て使用するのに好ましいPECはビスフェノール−Aお
よびホスゲンとイソ−およびテレ−フタロイルクロライ
ドとの反応から誘導され、約0.5乃至約0.65デシ
リットル/グラム(メチレンクロライド中25℃の温度
で測定)の固有粘度を有するものである。異なるポリア
リーレート類およびポリエステルカーボネート類のブレ
ンドもこれらの組成物中に使用することができる。
【0035】本発明の組成物を調製するのに使用される
ナフタノエートポリエステルには次式I
【0036】
【化8】
【0037】の構造単位を含むものが包含される。ここ
に、上記式中、各R1 は個々に2価の脂肪族炭化水素、
脂環式炭化水素、ポリオキシアルキレンまたはこれらの
基の混合物であり、各A1 は個々に二価のナフタリンま
たはそれらの基の混合物である。式Iの構造を含有する
適当なポリエステルの例はポリ(アルキレンナフタノエ
ート)、エラストマー性ポリエステル、液晶ポリエステ
ルおよびポリエステルコポリマーである。例えば3つあ
るいはそれ以上のヒドロキシル基を有するグリコールあ
るいは三官能性または多官能性カルボン酸のような分岐
剤が導入された分岐ポリエステルを使用することもでき
る。分岐ポリエステルを製造するにはポリエステルを三
官能性または多官能性エポキシ化合物例えばトリグリシ
ジルイソシアヌレートで処理することもできる。更に、
組成物の究極の最終用途次第では、ポリエステルに種々
の濃度の酸およびヒドロキシル末端基を有することがと
きとして望ましい。
【0038】或る場合には、酸反応性化学種の使用によ
って、酸末端基の数を典型的には約30マイクロ当量/
グラム未満に減少することが望ましい。他の場合には、
このポリエステルが比較的に高いカルボキシル末端基濃
度例えば約5−250マイクロ当量/グラムあるいはよ
り好ましくは約20−70マイクロ当量/グラム有する
ことが望ましい。
【0039】R1 基は例えばC2-10アルキレン基、C
6-10脂環式基、あるいはアルキレン基が約2乃至6最も
頻繁には2または4個の炭素原子を含有するポリオキシ
アルキレン基であることができる。上記式中のA1 基は
最も頻繁には1,4−または2,6−ナフチレンであ
る。ポリ(アルキレンナフタノエート)例えばポリ(エ
チレンナフタノエート)、ポリ(シクロヘキシルジメチ
レンナフタノエート)、ポリ(プロピレンナフタノエー
ト)およびポリ(ブチレンナフタノエート)が本発明に
とって好ましいポリエステルであり、ポリ(エチレンナ
フタノエート)およびポリ(ブチレンナフタノエート)
が最も好ましいものである。上記のポリ(アルキレンナ
フタノエート)の種々の混合物も適当であり得る。
【0040】本発明の組成物が遭遇する高い押出および
成形温度においてポリエステルが加水分解による劣化を
受ける傾向があるため、このポリエステルが実質的に水
を含まないことが好ましい。従って、他の成分との混合
前にこのポリエステルを予備乾燥することができる。よ
り普通には、このポリエステルを予備乾燥せずに使用
し、押出機に真空ベントを使用することにより揮発性物
質を除去する。
【0041】これらのポリエステルはゲル透過クロマト
グラフィーで測定して約20,000−100,000
の範囲の数平均分子量を一般に有している。既述したと
おり、標準の芳香族ポリカーボネートの一部をポリエス
テルカーボネート−アルキルナフタノエートポリエステ
ルブレンドに加えると、熱的特性が更に向上することが
更に分かった。
【0042】好適な実施の態様によれば、ポリ(エステ
ルカーボネート)およびナフタノエートポリエステルの
上述したブレンドと共に追加の成分としてポリカーボネ
ートを含めることが好ましい。本発明のブレンドを調製
するのに有用なポリカーボネート樹脂は一般に芳香族ポ
リカーボネート樹脂である。典型的には、これらは二価
フェノールをホスゲン、ハロホーメートまたは炭酸エス
テルのようなカーボネート前駆体と反応させることによ
って調製される。一般的に述べれば、このようなカーボ
ネートポリマーは式IIでエステル含有量xが0である反
復構造単位を有するものとして特徴付けることができ
る。Ar′はポリマー生成反応に使用される既述した如
き二価フェノールの二価の芳香族残基である。
【0043】これらの芳香族ポリカーボネートは、例え
ば上述したように、上記に引用した文献および米国特許
4123436 に明らかにされている方法に従って二価フェノ
ールをホスゲンのようなカーボネート前駆体と反応させ
たり、あるいは米国特許3153008 に開示されているよう
なエステル交換法によったり、並びに当業者に周知の他
の方法によるなどして、既知の方法によって製造でき
る。
【0044】本発明のポリカーボネートを含む混合物の
調製に使用するのにホモポリマーよりもカーボネートコ
ポリマーまたはインターポリマーが望まれる場合には、
2種以上の異なる二価フェノールを使用したりあるいは
二価フェノールとグリコールとのあるいはヒドロキシ−
または酸−終端ポリエステルとのあるいは2塩基酸また
はヒドロキシ酸とのコポリマーとして使用することも可
能である。米国特許4001184 に記載されているような分
岐ポリカーボネートも有用である。また、線状ポリカー
ボネートと分岐ポリカーボネートとのブレンドも利用で
きる。更に、芳香族ポリカーボネートを与えるために本
発明の実施においては上記材料のいずれかの混合物を使
用することもできる。
【0045】いずれにしても、本発明における実施に使
用するのに好ましい芳香族カーボネートはホモポリマ
ー、例えばGeneral Electric CompanyからLEXAN という
登録商標の商品表記で市販されている2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノール−
A)およびホスゲンから誘導されたホモポリマーであ
る。本発明に使用されるポリカーボネートは好ましくは
25℃のクロロホルム中で測定して約0.3乃至約1.
5dl/g、好ましくは約0.45乃至約1.0dl/
gの固有粘度を有する高分子量芳香族カーボネートポリ
マーである。これらのポリカーボネートは分岐されてい
ても分岐されていなくてもよく、ゲル透過クロマトグラ
フィーで測定して約10,000乃至約200,00
0、好ましくは約20,000乃至約100,000の
重量平均分子量を一般に有するであろう。
【0046】あらゆるタイプのポリカーボネート末端基
が本発明の範囲内にあると考えられる。本発明の組成物
は既述した望ましい性質に干渉しない追加の成分を含む
ことができる。組成物はゴム質の耐衝撃性改良剤のよう
な耐衝撃性改良剤を随意に含むことができる。好ましく
はこのような耐衝撃性改良剤は組成物の合計重量に基づ
いて約30重量%未満、好ましくは約20重量%未満、
より好ましくは約15重量%未満の量で利用される。代
表的な耐衝撃性改良剤はオレフィン、ビニル芳香族モノ
マー、アクリルおよびアルキルアクリル酸およびこれら
のエステル誘導体並びに共役ジエンからなる群から選ば
れる1種またはそれ以上のモノマーから誘導される。特
に好ましい耐衝撃性改良剤は室温で弾性を示す天然およ
び合成ポリマー物質を含むゴム質の高分子量物質であ
る。これらにはホモポリマーと、ランダム、ブロック、
ラジアルブロック、グラフトおよびコア−シェルコポリ
マーを含むコポリマーとの両者並びにこれらの組合せが
含まれる。適当な改質剤はゴム−様コアの上に1つまた
はそれ以上のシェルがグラフトされるように形成された
コア−シェルポリマーが含まれる。このコアは典型的に
はアクリレートゴムまたはブタジエンゴムから実質的に
なる。1つまたはそれ以上のシェルがこのコアの上にグ
ラフトされるのが典型的である。このシェルは好ましく
はビニル芳香族化合物および/またはシアン化ビニルお
よび/またはアルキル(メタ)アクリレートを含んでい
る。これらのコアおよび/またはシェル(1つまたはそ
れ以上)は架橋剤および/またはグラフト剤として働く
ことのできる多官能性化合物をしばしば含んでいる。こ
れらのポリマーは通常幾つかの段階によって調製され
る。
【0047】本発明の組成物にはオレフィンアクリレー
トおよびオレフィンジエンターポリマーのようなオレフ
ィン含有コポリマーも耐衝撃性改良剤として使用でき
る。オレフィンアクリレートコポリマーの耐衝撃性改良
剤の例はエチレンエチルアクリレートである。例えば、
プロピレンとn−ブチルアクリレートのように、アルキ
ルアクリレートとのコポリマーには他のより高級なオレ
フィンモノマーも使用することができる。オレフィンジ
エンターポリマーは当業界で周知されており、一般にE
PDM(エチレン・プロピレン・ジエン)種のターポリ
マーの類に入る。これらの組成物にはポリエチレン、ア
ルファ−オレフィンとポリエチレンのコポリマーのよう
なポリオレフィンも使用される。ポリエステルを含有す
るブレンドの耐衝撃性の改良にはポリオレフィンとグリ
シジルアクリレートまたはメタクリレートとのコポリマ
ーが特に有効である。
【0048】スチレン含有ポリマーも耐衝撃性改良剤と
して使用することができる。このようなポリマーの例は
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、
アクリロニトリル−ブタジエン−α−メチルスチレン、
スチレン−ブタジエン、スチレン−ブタジエン−スチレ
ン(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレ
ン(SEBS)、メタクリレート−ブタジエン−スチレ
ン(MBS)およびその他のハイインパクトスチレン含
有ポリマーである。
【0049】更に、熱安定性、増大された密度、剛性お
よびテクスチャーのような追加の有益な特性を付与する
ために熱可塑性樹脂に無機充填剤を使用することも望ま
れることがある。代表的な無機の充填剤にはアルミナ、
非晶質シリカ、アルミノ珪酸塩、マイカ、長石、粘土、
タルク、ガラスフレーク、ガラス繊維、ガラスマイクロ
スフェアー、二酸化チタンのような金属酸化物、硫化亜
鉛、粉砕石英、等が含まれる。好ましい無機充填剤は樹
脂組成物から成形された物品にセラミック−様の感じを
提供しうる。本発明の熱可塑性樹脂組成物に使用される
好ましい無機充填剤には硫酸バリウムおよびガラス繊維
が含まれる。
【0050】本発明の成形組成物は組成物全体の重量に
基づいて0乃至約65重量%、好ましくは約10乃至約
50重量%、最も好ましくは約10乃至約40重量%の
無機充填剤成分を含むことができる。ガラス繊維が好ま
しい充填剤である。ポリエステル樹脂およびPECまた
はポリカーボネート樹脂を含有する熱可塑性樹脂組成物
においては、安定剤即ち抑制剤物質を使用することが好
ましい。典型的には、このような安定剤は0.001−
10重量%、好ましくは0.005−2重量%の添加水
準で使用される。好ましいこの安定剤には、有効量の、
酸性燐酸塩、少なくとも1つの酸性水素を有する酸、ア
ルキル、アリールまたは混成ホスファイト、周期律表第
IBおよびIIB族金属の燐酸塩、燐オクソ酸、金属酸ピ
ロ燐酸塩またはこれらの混合物が含まれる。或る特定の
化合物の安定剤として使用する適性および安定剤として
どの程度の量使用すべきかの決定は、ポリエステル樹脂
成分、PECおよび随意にはポリカーボネートにこの特
定の化合物を添加するかあるいは添加せずに混合物を調
製しそれから溶融粘度、ガスの発生、色の安定性または
インターポリマーの生成に対する効果を見ることによっ
て容易に決めることができる。酸性燐酸塩には燐酸二水
素ナトリウム、燐酸一亜鉛、燐酸水素カリウム、燐酸二
水素カルシウム、等が含まれる。ホスファイトは次式
【0051】
【化9】
【0052】からなり得る。ここに、上記式中、R1
2 およびR3 は水素、アルキルおよびアリールからな
る群から個々に選ばれ、但しR1 、R2 およびR3 の少
なくとも1つは水素である。周期律表第IBおよびIIB
族金属の燐酸塩には燐酸亜鉛、燐酸銅等が含まれる。燐
オクソ酸には亜燐酸、燐酸、ポリ燐酸または次亜燐酸が
含まれる。
【0053】ポリ酸ピロ燐酸塩は式 Mz xyn3n+1 で表すことができ、ここに、上記式中、Mは金属であ
り、xは1−12の範囲の数であり、yは1−12の範
囲の数であり、nは2−10の数であり、zは1−5の
数であり、そして(xz)+yの和はn+2に等しい。
好ましいMはアルカリ金属またはアルカリ土類金属であ
る。
【0054】好ましいブレンドの範囲は: ポリアルキレンナフタノエート 10−90重量% PEC 90−10重量% BPA−PC 0−60重量% ゴム 0−25重量% ガラスまたは鉱物質 0−60重量% 抑制剤即ち安定剤 0.005−2.0重量%
【0055】
【実施例】以下の実施例は本発明を例示しているが、本
発明の範囲を限定するような意味はない。PECおよび
ナフタノエートポリエステルからなり、或る実施例では
ポリカーボネートも添加されているポリマーブレンドを
100rpmおよび略250−265℃の素材温度で動
作されている30mm二軸スクリュー押出機の使用によ
り溶融混合して調製した。試験供試体の射出成形は26
0℃の溶融温度で完了され、金型温度は65℃であっ
た。成形前にペレットを125℃で2−4時間乾燥し
た。
【0056】以下の表Iには本発明の実施例および参照
材料を生成するために使用された原材料が記載されてい
る。機械的諸特性の測定には、ASTM試験のD256
(アイゾット衝撃強さ)、D638(引張強さおよび引
張伸び)、D790(曲げ強さおよび曲げ弾性率)、D
3763(Dynatup ブランドの計器を使用して試験した
二軸またはインスツルメンテッド衝撃強さ)およびD6
48(熱変形温度)を使用した。延性−脆性変位温度
(D/B温度)の測定は、異なる温度でノッチ付きアイ
ゾット衝撃強さを測定しどの温度で破壊挙動が延性から
脆性へ変化したかを測定して行った。D/B温度より低
い温度では、破壊挙動は脆性で亀裂の伝播が比較的に小
さなエネルギー吸収で起こるのに対して、D/B温度よ
り高い温度では、材料は延性で亀裂の伝播が比較的に大
きなエネルギー吸収で起こる。ガラス転位温度(Tg)
を測定し、そしてし或る実験例においてはTakemori[Pol
ym.Eng.Sci.,19(15),1104(1979)]の方法を使用してHD
Tを推定するために1/8インチ厚の射出成形供試体に
対して動的機械分析(DMA)を行った。
【0057】以下の表中への各記入は単一の実験を表す
ものである。従って、掲載された表中の各実施例に対
し、押出条件、成形条件、試験条件等は同一であっ
た。”R1”、”R2”等と表示された材料は参照材料
であり、”E1”、”E2”等と表示された材料は本発
明の実施例である。 表I:原材料の記述 原材料名 記述 PBT ポリブチレンテレフタレート Mw=110,000* GE PlasticsからのVALOX 315 PET ポリエチレンテレフタレート IV=1.00 ICI Inc.からのMELINAR 5922C PBN ポリブチレン−2,6−ナフタレート IV=1.00 PEN ポリエチレン−2,6−ナフタレート IV=1.68 ICI Inc.からのMELINAR X-61 PC−1 ビスフェノール−Aポリカーボネート Mw=23,300 PC−2 ビスフェノール−Aポリカーボネート Mw=30,400 PC−3 ビスフェノール−Aポリカーボネート Mw=36,000 PEC−1 ポリエステルカーボネート Mw=28,000 エステル80%;イソ/テレ=93/7 PEC−2 ポリエステルカーボネート Mw=28,000 エステル60%;イソ/テレ=50/50 MBS メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレンコア−シェル 耐衝撃性改良剤 Rohm and Haasからの商標名EXL2691 PETS ペンタエリトリットテトラステアレート Irganox 1076 ヒンダードフェノール酸化防止剤 Cibaから市販のIrganox 1076 Seenox 412S チオエステル酸化防止剤 Witcoにより市販のSeenox 412S H3PO3 亜燐酸(H3PO3)の45%水溶液 [脚註]*=ポリスチレン標準を使用してGPCで計算された分子量。
【0058】以下の表IIは耐衝撃性を改良されたPBT
/PCブレンド中のBPA−PCをTgのより高いPE
Cで置き換えると、ブレンドのPCまたはPECに富む
相のTg並びにHDTを測定することによって示される
ように熱的特性の実質的な低下が生ずることを示してい
る(R1とR2およびR3を比較されたい)。対照的
に、耐衝撃性を改良されたPBN/PCブレンド中のP
CをPECで置き換えると、ブレンドのTg(PC/P
ECに富む相のTg)の上昇および66psiでのより
高いHDTが得られる。加えて、PBN/PCブレンド
(R4)が望ましくない真珠層外観を呈しているのに対
して、PBN/PECブレンド(E1およびE2)は驚
くべきことに均質な外観を示した。それ故に、PBN/
PECブレンドは類似のPBT/PECブレンドに比較
して著しく良好な熱的特性と、PBN/PCブレンドよ
り著しく良好な外観を持つ。
【0059】 表II:PBN/PECブレンドの特性 R1 R2 R3 R4 E1 E2 原材料 PBT 42.40 42.40 42.40 ---- ---- ---- PBN ---- ---- ---- 42.40 42.40 42.40 PC−1 45.87 ---- ---- 45.87 ---- ---- PEC−1 ---- 45.87 ---- ---- 45.87 ---- PEC−2 ---- ---- 45.87 ---- ---- 45.87 MBS 11.00 11.00 11.00 11.00 11.00 11.00 諸安定剤* 0.73 0.73 0.73 0.73 0.73 0.73諸特性 Tg**(℃) 124 101 96 141 161 157 HDT;264psi(℃) 83 63 62 106 101 100 HDT;66psi(℃) 102 73 68 125 133 131 D/B温度(℃) -40 -47 <-47 -40 -35 -43 降伏応力(psi) 7300 7200 7100 7400 8000 7900 破断時応力(psi) 7500 7500 7800 6900 9000 9100 引張伸び(%) 178 154 146 84 115 108 [脚註]*=PETS:0.30重量%;Irganox 1076:0.30重量%; Seenox 412S:0.05重量%;亜燐酸:0.08重量% **=PCまたはPECに富む相のTg。
【0060】表III はPCをPBNとブレンドすると
(R6)良好な熱機械的特性(高いHDT)を有する物
質が得られるが、この物質は望ましくない真珠層外観を
呈している。ブレンドE3−E6のブレンドに対して
は、PCのPECによる置換量を増していくと、物質の
外観が益々改善され、一方良好な熱機械的特性および衝
撃特性が維持される。驚くべきことに、E3−E6の熱
機械的特性はR6とE7の特性の間でPEC含有分と共
に線形的に変化することはなかった。E3−E6はE7
より顕著に良好な熱機械的特性を持っていた。加えて、
E3−E6の外観はR6より良く、その改善の度合いは
PEC含有分の増加に伴って増大している。E4および
E5に対しては真珠層外観は辛うじて検出できる程度で
あるが、E6およびE7に対しては真珠層外観は観察さ
れなかった。
【0061】 表III:PBN/PC/PEC三元ブレンド R5 R6 E3 E4 E5 E6 E7 原材料 PBT 39.30 ---- ---- ---- ---- ---- ---- PBN ---- 39.30 39.30 39.30 39.30 39.30 39.30 PC−2 46.20 46.20 34.65 23.10 23.10 11.55 ---- PEC−2 ---- ---- 11.55 23.10 ---- 34.65 46.2 PEC−1 ---- ---- ---- ---- 23.10 ---- ---- MBS 14.00 14.00 14.00 14.00 14.00 14.00 14.00 諸安定剤* 0.50 0.50 0.50 0.50 0.50 0.50 0.50 諸特性 Tg**(℃) 142 150 154 157 163 162 157 推定HDT;264psi(℃)* 94 118 111 109 109 108 104 推定HDT;66psi(℃)** 136 150 152 155 157 154 141 D/B温度(℃) -60 -60 <-60 -60 -55 -55 -50 Dynatup -50℃最大 負荷(ft.lb) 42 47 44 42 49 38 40 Dynatup -50℃合計 エネルキ゛ー(ft.lb.) 52 50 46 44 51 41 42 引張強さ(psi) 6300 6400 6100 6500 6200 6200 6500 引張伸び(%) 96 72 54 71 62 62 63 曲げ強さ(psi) 10300 9700 9700 10000 9900 10000 10200 曲げ弾性率(psi) 230300 211100 207300 212100 204800 190000 182600 [脚註]*=3℃/分の加熱速度を使用して動的機械分析から測定された貯蔵弾 性率が108.9 パスカルであるときの温度。
【0062】 **=3℃/分の加熱速度を使用して動的機械分析から測定された貯蔵 弾性率が108.3 パスカルであるときの温度。 表IVはPEN/PEC−1ブレンド(E8)がPEN/
PCブレンド(R7)より高いHDTを有することを示
している。加えて、PEN/PEC−1ブレンドの外観
はPEN/PCブレンドよりづっと良い。PEN/PC
ブレンドは真珠層外観を有しているが、PEN/PEC
−1ブレンドは均質な非真珠層外観を有している。
【0063】 表IV:PEN/PEC−1ブレンド R7 E8 原材料 PEN 42.40 42.40 PC−2 45.87 --- PEC−1 --- 45.87 MBS 11.00 11.00 諸安定剤* 0.73 0.73諸特性 HDT;66psi(℃) 128 141 HDT;264psi(℃) 107 123 引張強さ(psi) 6800 6800 引張伸び(%) 40 16 曲げ弾性率(psi) 257000 248500 曲げ強さ(psi) 11600 11900 [脚註]*=表IIにおけると同じ。
【0064】表VはE9がR8より高いHDT、引張強
さ、曲げ弾性率および曲げ強さを有することを示してい
る。 表V:PEN/PC/PEC−1三元ブレンド R8 E9 原材料 PET 48.40 --- PEN --- 48.40 PC−3 22.94 22.94 PEC−1 22.94 22.94 MBS 11.00 11.00 諸安定剤* 0.73 0.73諸特性 HDT;66psi(℃) 122 133 HDT;264psi(℃) 77 109 引張強さ(psi) 5400 6700 引張伸び(%) 32 24 曲げ弾性率(psi) 246100 258300 曲げ強さ(psi) 10400 11700 [脚註]*=表IIにおけると同じ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C08L 67/02 51:04) (C08L 67/02 69:00)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)下記の式I 【化1】 の反復単位(但し上記式中、各R1 は個々に2価の脂肪
    族炭化水素、脂環式炭化水素、ポリオキシアルキレンま
    たはこれらの基の混合物であり、各A1 は個々に二価の
    ナフタリンまたはそれらの基の混合物である)を含有す
    るアルキレンナフタノエートポリエステル約90乃至約
    10重量%(b)下記の式II 【化2】 の反復単位(但し上記式中、Arはジカルボン酸または
    ジカルボン酸の混合物の二価の芳香族残基であり、A
    r′は二価フェノールまたは二価フェノールの混合物の
    二価の芳香族残基である)を含有する本質的に非晶質の
    ポリマー約10乃至約90重量%、および(c)酸性O
    H基を有するホスファイト、酸性燐酸塩、ポリ酸ピロ燐
    酸塩およびその酸性塩、周期律表第IBおよびIIB族金
    属の燐酸塩並びに燐オクソ酸からなる群から選ばれる抑
    制剤、を含む熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 式IIにおいてx=0である反復単位を有
    するポリカーボネート樹脂を更に含む請求項1記載の熱
    可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 式IIのAr′が二価フェノール成分とし
    てのビスフェノールAの芳香族残基から誘導される請求
    項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 式IIのArがイソフタル酸、テレフタル
    酸またはこれらの混合物の芳香族残基から誘導される請
    求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 式Iのナフタノエートポリエステルが、
    1 がジ酸成分の2,6−ナフタン酸またはその誘導体
    からの残基であり、そしてR1 がエチレングリコール、
    プロパンジオール、ブタンジオール、シクロヘキサンジ
    メタノールおよびこれらの誘導体から本質的になる群か
    ら選ばれるジオール成分からの残基である、ポリアルキ
    レンナフタノエートである請求項1記載の熱可塑性樹脂
    組成物。
  6. 【請求項6】 更にゴム質の耐衝撃性改良剤を含んでお
    り、この耐衝撃性改良剤がゴム質の幹部と硬質ポリマー
    性の枝部またはシェルを含むグラフトコポリマーである
    請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 グラフトコポリマーがメチルメタクリレ
    ート−ブタジエン−スチレングラフトコポリマーおよび
    アクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフトコポ
    リマーから選ばれる請求項6記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
  8. 【請求項8】 式Iのナフタノエートポリエステルが約
    10乃至約90重量%、式IIの非晶質PEC樹脂が約9
    0乃至約10重量%(但し、この非晶質のPEC熱可塑
    性樹脂は0乃至約60重量%のポリカーボネートを含
    む)、ゴム質の耐衝撃性改良剤が0乃至約25重量%、
    ガラスまたは鉱物質充填剤が0乃至約60重量%、そし
    て抑制剤が約0.005乃至約2.0重量%含まれてい
    る請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 式Iのナフタノエートポリエステルが約
    20乃至約60重量%そして式IIの非晶質PEC樹脂が
    約20乃至約60重量%含まれ、前記重量%が前記熱可
    塑性樹脂の合計重量に基づいている請求項1記載の熱可
    塑性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 式IIにおいてx=0である反復単位を
    有するポリカーボネート樹脂を約10乃至約40重量%
    含む請求項3記載の熱可塑性樹脂組成物。
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