JP2901273B2 - ポリカーボネート組成物及びその製造方法 - Google Patents

ポリカーボネート組成物及びその製造方法

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はポリカーボネート組成物及びその製造方法に
関し、さらに詳しくは自動車,OA機器,医療機器,家電
製品等の工業材料の成形に有用な耐衝撃性,耐熱性等の
すぐれたポリカーボネート組成物及びその効率のよい製
造方法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
従来、二価フェノールとカーボネート前駆体を反応さ
せてなるポリカーボネート樹脂(以下、単に「ポリカー
ボネート樹脂」又は「ポリカーボネート」ということが
ある)は、透明性,耐熱性及び耐衝撃性にすぐれ、比較
的広い範囲で利用されているが、流動特性及び耐薬品性
に劣るという欠点を有している。このようなポリカーボ
ネート樹脂の欠点を改良するために、このポリカーボネ
ート樹脂を芳香族ジカルボン酸と二価アルコールを反応
させてなるポリエステル樹脂(以下、単に「ポリエステ
ル樹脂」又は「ポリエステル」ということがある)と溶
融状態において混合する試みがなされている。例えば、
特公昭36-14035号公報には、ポリエステル樹脂とポリカ
ーボネート樹脂とを混合すると、ポリカーボネートの溶
融粘度が低下し、成形性が容易になるとともに耐溶剤性
が向上するなどの利点が得られることが開示されてい
る。しかし、このようにして得られた樹脂組成物は、ポ
リカーボネートが本来持っている耐衝撃性を著しく損な
うものであった。
そこで、かかる組成物の耐衝撃性を改良する提案が数
多くなされている。例えば、特開昭49-41442号公報に
は、ポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂及びブタ
ジエン系グラフト共重合体の三成分を混合した樹脂組成
物が提案されている。しかし、その一成分であるブタジ
エン系グラフト共重合体の不飽和結合が光及び熱によっ
て酸化劣化を受けやすく、そのため耐衝撃性が低下し、
耐候性が悪いという欠点がある。そのほか、例えば、特
開昭53-129246号公報にはポリカーボネート樹脂とポリ
エステル樹脂及びアクリレート系ゴム状重合体からなる
樹脂組成物が提案されている。この樹脂組成物は、光及
び熱によって酸化劣化を受け難く、そのため耐衝撃性の
低下が起きにくいが、アクリレート系ゴム状重合体を含
有させるため、熱変形温度及び剛性の低下が見られる。
さらに、ポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂と
の混合物に、溶融状態で触媒を添加すると両者にエステ
ル交換反応が起こることが既に知られている。〔例え
ば、P.Godardら著、Journal of Polymer Science:Part
A:Polymer Chemistry,24巻、3301〜3313(1986)及びJ.
Devauxら著、Journal of Polymer Science:Polymer Phy
sics ED.20巻1881〜1894(1982)参照〕。この技術を利
用して、ポリカーボネート樹脂及びポリ樹脂が当量であ
っても、透明でかつ単一のガラス転移温度を有する樹脂
組成物が提案されている。例えば、特開昭63-142057号
公報には、極限粘度を制限したポリエステル樹脂とポリ
カーボネート樹脂とからなるガラス転移温度が単一であ
るポリエステル組成物が提案されている。また、特開昭
63-215718号公報には、ポリカーボネート樹脂とポリエ
ステル樹脂を溶融混合し、単一のガラス転移温度を有
し、アルキレンアリレート結合の二価フェノール結合に
対する比率が約20:1以上である共重合体が提案されてい
る。両提案により得られる樹脂は、いずれも透明であ
り、かつ流動特性に優れており、特に前者では、ポリエ
ステル樹脂とポリカーボネート樹脂の極限粘度〔η〕を
制限することにより、機械的性質に優れたポリエステル
組成物を提案している。しかし、このようにして得られ
た共重合体あるいは樹脂組成物は、ポリカーボネート樹
脂が本来持っている耐衝撃性及び耐熱性を著しく損な
い、さらに有色であるという問題がある。同時に、ポリ
エステル樹脂が本来持っている耐溶剤性を著しく損なう
ものである。
そこで、本発明者は、ポリカーボネート樹脂が本来持
っている耐衝撃性及び耐熱性を保有するとともに、ポリ
エステル樹脂が本来持っている耐溶剤性をも損なうこと
のない無色のポリカーボネート組成物を開発すべく、鋭
意研究を重ねた。
〔課題を解決するための手段〕
その結果、エステル交換反応を低く抑え、コポリエス
テル化率(即ち、二官能性カルボン酸のエステル結合に
対する以下フェノール−二官能性カルボン酸結合の比
率)を一定の低いレジスタにすることにより、上記の課
題を達成し、さらに驚くべきことに原料であるポリカー
ボネート樹脂やポリエステル樹脂のそれぞれが本来有す
る物性(特に耐衝撃性,耐熱性)よりもすぐれた物性を
有するものとなることを見出した。本発明は、かかる知
見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は(A)二価フェノールとカーボネ
ート前駆体を反応させてなるポリカーボネート樹脂50〜
90重量%及び(B)ジカルボン酸と二価アルコールを反
応させてなるポリエステル樹脂50〜10重量%を配合する
とともに、二官能性カルボン酸のエステル結合に対する
二価フェノール−二官能性カルボン酸の結合の割合が0.
05〜1.0モル%となるように反応させてなるポリカーボ
ネート組成物を提供するものであり、またこの混合物を
溶融混練することを特徴とする上記のポリカーボネート
組成物の製造方法を提供するものである。
本発明において、(A)成分として用いられるポリカ
ーボネート樹脂としては、各種のものがあるが、一般式 〔式中、Zは炭素数1〜8のアルキレン基,炭素数2
〜8のアルキリデン基,炭素巣5〜15のシクロアルキレ
ン基,単結合,−SO2−,−SO−,−S−,−O−,−C
O−又は を示し、Rは水素原子,塩素原子,臭素原子又は炭素数
1〜8のアルキル基を示し、nは0又は1〜4の整数で
ある。〕 で表わされる構造単位を有する重合体を挙げることが
できる。
このようなポリカーボネート樹脂は、溶剤法、すなわ
ち、塩化メチレンなどの溶剤中で、公知の酸受容体や分
子量調節剤の存在下に、二価フェノールとホスゲンのよ
うなカーボネート前駆体との反応あるいは二価フェノー
ルとジフェニルカーボネートのようなカーボネート前駆
体とエステル交換反応によって製造することができる。
ここで二価フェノールとしては、例えば2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔通称ビスフェノ
ールA〕;2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン;1,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン;3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ペンタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シ
クロヘキサン;4,4'−ジヒドロキシジフェニル;ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド;ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホン;ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)スルホキシド;ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エーテル;1,4'−ジヒドロキシベンゾフェノンな
ど、あるいは2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−クロ
ロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3
−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンのような
ハロゲン化ビスフェノール類などを挙げることができる
が、これらの二価フェノールの中で、特にビスフェノー
ルAが好適である。また、これらの二価フェノールはそ
れぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて
用いてもよい。さらに、本発明で用いるポリカーボネー
ト樹脂は、多官能性芳香族化合物を二価フェノール及び
/又はカーボネート前駆体と反応させてなる熱可塑性ラ
ンダム分枝ポリカーボネートであってもよいし、2種以
上のポリカーボネート樹脂のブレンド物であってもよ
い。
ポリカーボネート樹脂は、機械的強度や成形性の点か
ら、その粘度平均分子量(Mv)が10,000〜100,000のも
のが好ましく、特に20,000〜40,000のものが最適であ
る。
本発明において、(B)成分として用いられるポリエ
ステル樹脂は、各種のものがあるが、一般には、二官能
性カルボン酸である芳香族ジカルボン酸と二価アルコー
ルとを重縮合して得られるものである。ここで、芳香族
ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸,イソフタ
ル酸,ナフタレン−2,6−ジカルボン酸;−フェニル−
4,4'−ジカルボン酸;メチルテレフタル酸;メチルイソ
フタル酸;ジフェニルエーテル−4,4'−ジカルボン酸;
ジフェニルチオエーテル−4,4'−ジカルボン酸;ジフェ
ニルスルホン−4,4'−ジカルボン酸;ジフェニルケトン
−4,4'−ジカルボン酸;2,2−ジフェニルプロパン−4,4'
−ジカルボン酸などを挙げることができるが、これらの
中で特にテレフタル酸が好適である。これらの芳香族ジ
カルボン酸は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。
また、本発明の目的を損なわない範囲で、他の二官能
性カルボン酸を併用することもできる。他の二官能性カ
ルボン酸としては、例えば、シュウ酸,マロン酸,コハ
ク酸,グルタル酸,アジピン酸,ピメリン酸,スベリン
酸,アゼライン酸,セバシン酸,デカンジカルボン酸な
どの鎖状脂肪族ジカルボン酸;1,4−シクロヘキシルジカ
ルボン酸;11,3−シクロヘキシルジカルボン酸;1,2−シ
クロヘキシルジカルボン酸;1,3−シクロペンチルジカル
ボン酸などの環状脂肪族ジカルボン酸及びこれらのエス
テル形成性誘導体が挙げられる。これらは1種用いても
よいし、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、その
配合量は全ジカルボン酸に対して一般に20モル%以内が
望ましい。
一方、二価アルコールとしては、例えばエチレングリ
コール;ジエチレングリコール;1,2−プロパンジオー
ル;1,3−プロパンジオール;1,3−ブタンジオール;1,4−
ブタンジオール;1,5−ペンタンジオール;1,6−ヘキサン
ジオール;1,8−オクタンジオール;1,10−デカンジオー
ル;2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペン
チルグリコール);2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタン
ジオール;2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール;
1,4−シクロヘキサンジオール;1,4−シクロヘキサンジ
メタノールなどの炭素数2〜15の鎖状又は環状脂肪族ジ
オール類が挙げられるが、これらの中でエチレングリコ
ール及び1,4−ブタンジオールが好適である。また、こ
れらのグリコールは1種用いてもよいし、2種以上を組
み合わせて用いてもよい。
(B)成分のポリエステル樹脂の分子量については、
固有粘度が0.5〜1.5dl/g、特に0.8〜1.3dl/gのものが好
ましい。
このようなポリエステル樹脂の製造は、常法に従いチ
タン,ゲルマニウム,アンチモン等を含有する重縮合触
媒の存在下又は不存在下で、二官能性カルボン酸成分及
び二価アルコール成分を加熱重合させ、副生する水又は
低級アルコール等を系外に排出することにより行うこと
ができる。
また、本発明の方法は、単に前述のポリカーボネート
樹脂とポリエステル樹脂との混合物を溶融混練するだけ
でよいが、コポリエステル化率が0.05〜1.0モル%とな
るように、必要に応じてエステル交換反応触媒や安定剤
の存在下で上記混合物を溶融混練する。この際に用いる
エステル交換反応触媒については、特に制限はなく、従
来公知の各種のエステル交換反応触媒の中から任意のも
のを選択して用いることができる。該エステル交換反応
触媒としては、例えばアルミニウム,カルシウム,銀,
銅,タリウム,ナトリウム,鉛,ニッケル,バリウム,
ベリリウム,マグネシウム,ストロンチウム,ランタ
ン,セリウム,マンガン,コバルト,亜鉛,ゲルマニウ
ム,スズ,アンチモン,ビスマスなどの金属の酸化物,
アルコキシド,カルボン酸塩などが挙げられるが、これ
らの中で炭素数4〜24のチタン系アルコキシド,炭素数
2〜30のカルボン酸塩,酸化マグネシウム,酸化カルシ
ウム,酸化バリウムが好ましく、特にステアリン酸カル
シウムが好適である。これらのエステル交換反応触媒は
1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いても
よい。
安定剤としては、従来公知の三価若しくは五価のリン
化合物又はそのエステル類を挙げることができる。三価
のリン化合物としては、例えば亜リン酸,フェニルホス
ホン酸,メチルホスホン酸,エチルホスホン酸、プロピ
ルホスホン酸,ブチルホスホン酸,ベンジルホスホン酸
などが、五価のリン化合物としては、例えばリン酸など
が挙げられる。また、リン化合物のエステル類として
は、例えば、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト,
トリフェニルホスファイト,トリメチルホスフェート,
トリメチルホスフェート,トリエチルホスフェート,ト
リブチルホスフェート,トリフェニルホスフェート,ジ
エチルフェニルホスホネート,ジメチル−(メチル)ホ
スホネート,ジメチル−(エチル)ホスホネート,ジメ
チル−(ベンジル)ホスホネートなどが挙げられる。こ
れらの安定剤の中で特に好適なものはトリス(ノニルフ
ェニル)ホスファイト,トリフェニルホスファイトある
いはビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリトリット−ジ−ホスファイトである。ま
た、これらの安定剤は1種用いてもよいし、2種以上を
組み合わせ用いてもよい。このような安定剤は、コポリ
エステル化率を0.05〜1.0モル%の範囲内に調整すると
共に、ポリマーの溶融安定性や色調を改良し、ある場合
には重縮合触媒を不活性化する。
本発明の組成物は、各種の方法によって製造すること
ができるが、好ましくは本発明の方法、つまり(A)二
価フェノールとカーボネート前駆体を反応させてなるポ
リカーボネート樹脂50〜90重量%と(B)芳香族ジカル
ボン酸と二価アルコールを反応させてなるポリエステル
樹脂50〜10重量%との混合物を溶融混練することによっ
て、あるいは該混合物100重量部に対して2.00重量部以
下のエステル交換反応触媒又は安定剤の存在下に溶融混
練することによって得られる。ポリカーボネート樹脂と
ポリエステル樹脂との混合物において、ポリカーボネー
ト樹脂の含有量が90重量%を超え、かつポリエステル樹
脂が10重量%未満である場合及び前者が50重量%未満
で、かつ後者が50重量%を超える場合には、得られる組
成物の耐衝撃性は低下する。また、エステル交換反応触
媒の量が2.00重量%を超えると、所望のコポリエステル
化率が得られない。
本発明において、溶融混練に用いられる押出機の種類
については、特に制限はなく、単軸及び二軸のいずれも
用いることができるが、特に二軸押出機が好ましい。ま
た、溶融混練温度は、通常、260〜305℃の範囲で選定さ
れる。この温度が260℃未満では、エステル交換反応が
起こりにくく実用的でない。また305℃を超えると、得
られるポリカーボネート組成物が分解して、著しく分子
量が低下するおそれがある。
溶融混練は、真空下でポリカーボネート樹脂とポリエ
ステル樹脂との混合物に、必要に応じてエステル交換反
応触媒を添加して行われるが、押出機内での樹脂の滞留
時間は、通常10〜180秒間、好ましくは20〜150秒間程度
である。
上記のようにして得られるポリカーボネート組成物
は、2つのガラス転移温度を有しており、二官能性カル
ボン酸のエステル結合(ポリエステル樹脂に由来するも
の)に対する二価フェノール−二官能性カルボン酸結合
の割合、すなわち、コポリエステル化率が0.05〜1.0モ
ル%のものである。このコポリエステル化率が0.05モル
%未満であると、成形品の耐衝撃性が低く、1.0モル%
を超えると、成形品が着色し、その耐衝撃性が劣る。こ
こで二価フェノール二官能性カルボン酸結合の二価フェ
ノールは、ポリカーボネート樹脂に由来するものであ
り、二官能性カルボン酸はポリエステル樹脂に由来する
ものである。
なお、本明細書において、コポリエステル化率は、日
本電子(株)製GSX400型核磁気共鳴装置を用い、溶媒と
して重水素化トリフルオロ酢酸/重水素化トリクロロホ
ルム(容積比1/1)の混合溶媒を用いて測定したもので
ある。また、帰属はJ.Devauxら著、Juornal of Polymer
Science Ploymer Physics Edition 20巻、1881〜1894
(1982)を参考にした。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳し
く説明する。
実施例1 120℃で12時間乾燥したポリカーボネート樹脂(出光
タフロンA3000,粘度平均分子量28400)65重量%とポリ
エチレンテレフタレート樹脂(三菱レイヨンPA200,粘度
平均分子量29400)35重量%とからなる組成物100重量部
に対し、ステアリン酸カルシウムを0.2重量部添加し、N
VC-50型一軸押出機でシリンダー温度270℃で、シリンダ
ー内の樹脂滞留時間約30秒の条件で混練し、ペレットを
得た。その後、得られたペレットを射出成形し、得られ
た射出成形品を核磁気共鳴装置で測定すると、ポリエチ
レンテレフタレートに含まれるエステル結合の0.41モル
%がポリカーボネート樹脂のビスフェノールAと結合し
ていることがわかった。
比較例1 ステアリン酸カルシウムを添加せず、NVC-50型一軸押
出機でシリンダー温度260℃の条件下で混練した以外
は、実施例1と同様に操作した。得られた射出成形品を
核磁気共鳴装置で測定すると、ポリエチレンテレフタレ
ートに含まれるエステル結合に対するポリカーボネート
樹脂のビスフェノールAと結合している割合は検出でき
なかった。
実施例2 ステアリン酸カルシウムを添加せず、NVC-50型一軸押
出機でシリンダー温度280℃の条件下で混練した以外
は、実施例1と同様に操作した。得られた射出成形品を
核磁気共鳴装置で測定すると、ポリエチレンテレフタレ
ートに含まれるエステル結合に対するポリカーボネート
樹脂のビスフェノールAと結合している割合は0.11モル
%であった。
実施例3及び4 ポリカーボネート樹脂とポリエチレンテレフタレート
樹脂の配合割合を重量比で55/45(実施例3),75/25
(実施例4)とした以外は、実施例1と同様に操作し
た。得られた射出成形品を核磁気共鳴装置で測定する
と、ポリエチレンテレフタレートに含まれるエステル結
合に対するポリカーボネート樹脂のビスフェノールAと
結合している割合はそれぞれ0.35モル%(実施例3),
0.72モル%(実施例4)であった。
比較例2 ステアリン酸カルシウムを1.0重量部添加した以外
は、実施例1と同様の操作を行った。
得られた射出成形品は透明であり、ポリエチレンテレ
フタレートに含まれるエステル結合に対するテレフタレ
ート−ビスフェノールAの結合の割合は1.5モル%であ
った。
比較例3 ステアリン酸カルシウムの代わりにリン系酸化防止剤
としてビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリトリット−ジ−ホスファイト(アデカア
ーガスMARK PEP-36)を1.0重量部添加した以外は、実施
例1と同様に操作した。得られた射出成形品を核磁気共
鳴装置で測定すると、ポリエチレンテレフタレートに含
まれるエステル結合に対するポリカーボネート樹脂のビ
スフェノールAと結合している割合は検出できなかっ
た。
実施例5 120℃で12時間乾燥したポリカーボネート樹脂(出光
タフロンA3000,粘度平均分子量29400)65重量%とポリ
ブチレンテレフタレート樹脂(三菱レイヨンN1000,粘度
平均分子量29000)35重量%とからなる組成物100重量部
に対し、リン系酸化防止剤としてビス(2,6−ジ−t−
ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリット−ジ
−ホスファイト(アデカアーガスMARK PEP-36)を0.2重
量部添加し、NVC-50型一軸押出機でシリンダー温度270
℃で、シリンダー内の樹脂滞留時間約30秒の条件で混練
し、ペレットを得た。その後、得られたペレットを射出
成形し、得られた射出成形品を核磁気共鳴装置で測定す
ると、ポリブチレンテレフタレートに含まれるエステル
結合の0.33モル%がポリカーボネート樹脂のビスフェノ
ールAと結合していることがわかった。
実施例6 ポリカーボネート樹脂とポリブチレンテレフタレート
樹脂との配合割合を重量比で80/20にした以外は、実施
例5と同様に操作した。
比較例4及び5 リン系酸化防止剤を添加しなかった以外は、実施例5
及び6と同様に操作した。得られた成形品の色相は黄色
になっていた。ポリブチレンテレフタレートに含まれる
エステル結合に対するテレフタレート−ビスフェノール
Aの結合の割合がそれぞれ17.8モル%,10.9モル%であ
った。
さらに、実施例1〜6及び比較例1〜5で得られた成
形品のアイゾット衝撃強度,高速引張強度,熱変形温
度,引張特性,曲げ特性を下記の方法で測定し、結果を
第1表に示す。
(a) ノッチ付きアイゾット衝撃強度 JIS-K7110に準拠し、23℃で測定した。
(b) 熱変形温度 JIS-K7207に準拠して測定した。
(c) 引張試験 JIS-K7113に準拠して測定した。
(d) 曲げ試験 JIS-K7203に準拠して測定した。
(e) 黄色及びヘイズ JIS-K7105に準拠して測定した。
〔発明の効果〕 本発明のポリカーボネート組成物は、耐衝撃性及び耐
熱性にすぐれたものであり、特にこの組成物から得られ
る成形品は、アイゾット衝撃試験でポリカーボネート樹
脂より高い耐衝撃性を示す。
したがって、本発明のポリカーボネート組成物は、自
動車,OA機器,医療機器,家電製品等の工業材料の成形
に極めて有効に利用される。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)二価フェノールとカーボネート前駆
    体を反応させてなるポリカーボネート樹脂50〜90重量%
    及び(B)テレフタル酸とエチレングリコールを反応さ
    せてなるエチレンテレフタレート50〜10重量%を配合す
    るとともに、テレフタル酸のエステル結合に対する二価
    フェノール−テレフタル酸の結合の割合が0.05〜1.0モ
    ル%となるように反応させてなるポリカーボネート組成
    物。
  2. 【請求項2】(A)二価フェノールとカーボネート前駆
    体を反応させてなるポリカーボネート樹脂50〜90重量%
    と(B)テレフタル酸とエチレングリコールを反応させ
    てなるポリエチレンテレフタレート50〜10重量%との混
    合物を溶融混練することを特徴とする請求項1記載のポ
    リカーボネート組成物の製造方法。
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