JPH11279164A - 5−ニトロアミノテトラゾール類の製造法 - Google Patents
5−ニトロアミノテトラゾール類の製造法Info
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- C06B25/34—Compositions containing a nitrated organic compound the compound being a nitrated acyclic, alicyclic or heterocyclic amine
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Abstract
リ金属塩を、従来法よりも工程を短縮した簡便な方法
で、しかも効率よく純度の高いものを製造する方法を提
供すること。 【解決手段】 酸性条件下で5−アミノテトラゾール1
水和物と硝酸アンモニウムを反応させた後、中和して5
−ニトロアミノテトラゾールジアンモニウム塩を得、次
いで該アンモニウム塩を無機酸と反応させることを特徴
とする5−ニトロアミノテトラゾールの製造法並びに該
5−ニトロアミノテトラゾールをアルカリ金属の水酸化
物又は塩基性アルカリ塩と反応させることを特徴とする
5−ニトロアミノテトラゾールアルカリ金属塩の製造
法。
Description
ノテトラゾール類の製造法に関し、詳しくは当該物質を
簡便な方法で効率よく製造する方法を提供すると共に、
当該物質を熱分解させたとき、CO,NOX,HCNなど
の有害ガスの発生を抑制できる5−ニトロアミノテトラ
ゾール類の製造方法を提供するものである。
ール類は、ガス発生剤として用いられており、現在は主
に自動車の衝突時などに乗員の衝撃を和らげるためのエ
アバッグの膨張圧力源として用いられている。これま
で、このガス発生剤は主にアジ化ナトリウムが用いられ
ており、これに促進剤、酸化剤等を混合して起爆剤で燃
焼反応させるている。しかし、このアジ化ナトリウム
は、人体に対して強い毒性を有していることが明らかと
なり、製造者に対して重大な危険性が伴うばかりでな
く、燃焼時に有害ガスを発生する等の問題もあることか
ら、代替ガス発生剤の早急な開発が必要とされている。
また、現状ではガス発生剤によるガスの発生は、燃焼反
応であるため、反応時の発生温度が高く、クーラントを
通しても、乗員に火傷を負わせるなどの事故が発生して
いる。
アジ化ナトリウムに代わって5−ニトロアミノテトラゾ
ール類をガス発生剤として用いることが提案されてい
る。しかし、これら物質の製造法は極めて複雑な工程を
必要とする上に、純度や収率が低いものであった。その
ため、5−ニトロアミノテトラゾール類の効率的な製造
方法の確立が強く求められていた。
は、酸性条件下で5−アミノテトラゾール1水和物と硝
酸アンモニウムを反応させた後、中和して5−ニトロア
ミノテトラゾールジアンモニウム塩を得、次いで該アン
モニウム塩を無機酸と反応させることを特徴とする5−
ニトロアミノテトラゾールの製造法である。請求項2記
載の本発明は、請求項1で得た5−ニトロアミノテトラ
ゾールをアルカリ金属の水酸化物又は塩基性アルカリ塩
と反応させることを特徴とする5−ニトロアミノテトラ
ゾールアルカリ金属塩の製造法である。
と1個の炭素原子からなり、2つの二重結合を有する5
員環化合物であり、窒素原子の1つはイミノ基で、その
位置によって1,2,3および4−テトラゾールとその
互変異性体である1,2,3および5−テトラゾールが
ある。本発明に用いる5−アミノテトラゾールは、テト
ラゾールの炭素原子にアミノ基が導入された化合物であ
る。以下に、本発明による5−ニトロアミノテトラゾー
ルとそのアルカリ金属塩の製造方法について説明する。
本発明の方法は、下記の反応工程(1)〜(3)によっ
て示される。
硝酸アンモニウムの反応は、酸性条件下に行う。ここで
用いる酸としては、濃硫酸のように酸性度の高いものが
好ましい。
ラゾール1水和物を20〜30℃で攪拌しながら加え
る。完全に溶解させた後、温度を25〜35℃程度に保
持しながら硝酸アンモニウムを徐々に加える。なお、5
−アミノテトラゾール1水和物1モルに対して1〜1.
5モル程度の硝酸アンモニウムを加えて反応を行いニト
ロ化させる。反応が完結した後、系の温度を上昇させな
いように注意し、これ以上の反応を進行させないように
する。また、生成物の溶解度を低下させるため、0〜5
℃の冷水を加える。
中和する。ここで用いるアルカリ性物質としては、特に
制限はないが、濃アンモニア水などが好適である。アル
カリ性物質の添加量は、反応系のpHを7〜8にするの
に十分な量であればよい。なお、アルカリ性物質の溶液
は、温度20〜30℃で用いるのが好ましい。溶液の温
度が高くなると、合成物質を分解するおそれがある 中和後、−5℃〜10℃、好ましくは約0〜5℃程度の
低温下で1〜5時間、好ましくは2〜3時間放置する
と、白色結晶物が析出する。温度が低い程効果的に結晶
化する。この結晶を濾過したのち、水にて再結晶して5
−ニトロアミノテトラゾールジアンモニウム塩(分解
点:258℃)を得る。この化合物の収率は、60〜7
5%である。
アンモニウム塩を無機酸と反応させて目的とする5−ニ
トロアミノテトラゾールを製造する。無機酸としては、
塩酸の他に硝酸、硫酸なども使用できるが塩酸が好まし
い。塩酸を用いる場合は、6N程度が適当である。他の
酸を使用するときは、これを目安として適当な濃度にて
加える。この反応は、10〜30℃、好ましくは15〜
20℃で攪拌しながら行うが、反応中に温度が上昇しな
いように注意して無機酸に5−ニトロアミノテトラゾー
ルジアンモニウム塩を加える。温度が上限を超えると、
生成物の分解が起き、下限未満であると、反応が緩慢で
5−ニトロアミノテトラゾールの生成速度が遅くなる。
加えた5−ニトロアミノテトラゾールジアンモニウム塩
が完全に溶解したことを確認した後、反応を完結させる
ために攪拌をさらに30分継続する。その後、反応系に
常温の水を加えることにより、生成物の溶解度を低下さ
せる。
物をエーテル相に移す。目的物を抽出してエーテル相に
移す操作を複数回、通常は2〜7回繰り返す。目的とす
る5−ニトロアミノテトラゾールの収率を高めるために
は、抽出操作を可及的に繰り返すべきである。しかる
後、エーテルを留去してから目的物を乾燥させる。乾燥
は、無水硫酸ナトリウムなどの乾燥剤を用いて行う。こ
のようにして、粗5−ニトロアミノテトラゾールを得
る。これをベンゼン−ジオキサン混合溶媒で再結晶する
ことにより精製された5−ニトロアミノテトラゾール
(分解点:156℃)が得られる。このときの収率は、
反応条件にも影響されるが、50〜70%である。
属塩の製造は、上記で得た5−ニトロアミノテトラゾー
ルをアルカリ金属の水酸化物又は塩基性アルカリ塩と反
応させることにより行う。アルカリ金属の水酸化物とし
ては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどが用いら
れ、特に水酸化カリウムが好適である。塩基性アルカリ
塩としては、炭酸カリウム、酢酸カリウムなどが好まし
い。まず、アルカリ金属の水酸化物を水に溶解し、中和
反応によってアルカリ塩を結晶化させるため、温度を0
〜5℃程度に調節したのち、攪拌しながら5−ニトロア
ミノテトラゾールを徐々に添加する。これにより、5−
ニトロアミノテトラゾールアルカリ金属塩の白色結晶が
析出する。なお、温度が上限を超えると、結晶化が困難
となり、下限未満では、反応が進行し難くなるので好ま
しくない。得られた結晶の精製を行うときは、該結晶を
少量の冷水(0〜5℃)で洗浄した後、水で再結晶する
ことにより、精製された5−ニトロアミノテトラゾール
アルカリ金属塩が得られる。このときの収率は75〜9
0%程度である。
テトラゾールとそのアルカリ金属塩は、従来法よりも製
造過程での危険性が低く、純度が高い。このものは、ガ
ス発生剤としてエアバックの膨張圧力源などとして利用
される。その場合、主に熱分解反応により窒素ガスや二
酸化炭素等の人体に無害なガスが生じ、有害ガスは極め
て低濃度であり、安全性に優れている。
るが、本発明はこれらによって制限されるものではな
い。 実施例1 (1)5−ニトロアミノテトラゾールジアンモニウム塩
の製造 濃硫酸90mlに対し、5−アミノテトラゾール1水和
物20.6g(0.2mol)を温度20〜30℃にて
攪拌しながら添加した。完全に溶解した後、系の温度を
30℃に保持しながら硝酸アンモニウム21.2g
(0.26mol)を徐々に加えてニトロニウムカチオ
ン化し、反応を完結させた。反応完結後、反応をさらに
進行させないよう温度の上昇に注意し、また生成物の溶
解度を低下させるため、400mlの冷水(0〜5℃)
を加えた。次に、温度20〜30℃の範囲で濃アンモニ
ア水約270mlを添加し、系のpHが7〜8となるよ
うに中和した。しかる後、0℃の温度で約2時間放置し
たところ、白色の結晶物が析出した。これを濾過した
後、水にて再結晶して精製された5−ニトロアミノテト
ラゾールジアンモニウム塩19.6g(収率約67%)
を得た。この化合物の分解点は258℃である。
造 温度15〜20℃に調節した6N塩酸50mlに対し、
上記(1)で得た5−ニトロアミノテトラゾールジアン
モニウム塩14.7gを温度が上昇しないように注意し
ながら加え、完全に溶解するまで攪拌した。反応を完結
させるため、攪拌をさらに約30分継続してから、生成
物の溶解度を低下させるため常温の水50mlを添加し
た。次いで、水溶液中の反応物質をエーテルに移行させ
るため、180mlのエーテルを加えた。目的物質の収
率を高めるため、エーテルによる抽出操作を5回実施し
た。この抽出液に無水硫酸ナトリウムを加えて放置し、
乾燥させた。乾燥した抽出液を濃縮して粗5−ニトロア
ミノテトラゾールを得た。これをベンゼン−ジオキサン
混合溶媒で再結晶して7.7g(収率60%)の精製5
−ニトロアミノテトラゾール(分解点:156℃)を得
た。
低温(0〜5℃)下で攪拌し、かつ温度の上昇による反
応物の蒸発に注意しながら、これに実施例1で得た5−
ニトロアミノテトラゾール16gを徐々に添加した。そ
の結果、白色結晶の粗5−ニトロアミノテトラゾールカ
リウム塩が析出した。次に、これを少量の冷水で洗浄し
た後、水で再結晶化を行い、精製された5−ニトロアミ
ノテトラゾールカリウム塩を17.3g(収率84%)
得た。
ニジン48.8g(0.4mol)を少量ずつ添加し
た。その際、反応温度が20℃以下となるように調節し
た。添加終了後、約3時間攪拌を継続して均等に溶解さ
せると、内容物は半固体状となった。次に、常温にて放
置すると、反応液は次第に透明になり、1晩放置したと
ころ、完全な透明液が得られた。これに5℃の冷水50
0mlを加えて希釈し、結晶を析出させた。濾過により
結晶を分離し、少量の水で再結晶を行って、ニトログア
ニジン(分解点:232℃)を32g(収率78%)得
た。
(2リットル容)に上記(1)で得たニトログアニジン
26gと60〜70℃の水500mlを仕込んだ。これ
を良く攪拌してスラリーを得た。250mlの水に17
gのヒドラジンを溶解した溶液を、該スラリーに約1時
間かけて滴下した。このとき、温度は55〜60℃を保
持するように注意する。滴下終了後、さらに10〜20
分間攪拌を続けると、アンモニアが多量に発生する。反
応終了後、オレンジ色の溶液を45℃以下に冷却し、反
応が進行しないように濃塩酸を加えて中和した。この反
応液を0℃で2時間冷却したのち、濾過を行い不純物を
含む結晶生成物を分離した。これを少量の冷水で洗浄
し、風乾させた後、150mlの水を用いて再結晶さ
せ、比較的純度の高いニトロアミノグアニジン12g
(収率40%)を得た。
ウム塩の製造 水80mlに亜硝酸カリウム17g(0.2mol)を
攪拌しながら加えて溶解し、その温度を70℃に保っ
た。これに、70℃の水200mlに上記ニトロアミノ
グアニジン19.04g(0.16mol)を攪拌しな
がら加え、さらに10〜20分間攪拌したものを添加し
た。次いで、濾過して得た生成物を少量の水で洗浄し、
さらに60mlの水で再結晶することにより、5−ニト
ロアミノテトラゾールカリウム塩16g(収率59%)
を得た。
造 65mlの水と53mlの塩酸混合液に、上記(3)で
得た5−ニトロアミノテトラゾールカリウム塩20.4
g(0.122mol)を加え、溶液が完全に均一にな
るまでゆっくりと加熱した後、放冷し、濾過して固形物
を得た。濾液を濃縮してしてさらに生成物を回収し、前
記の固形物と合一した。このようにして得た粗5−ニト
ロアミノテトラゾールを少量のジオキサンに溶解し、こ
れに大量の乾燥ベンゼンを加え、溶液を冷却することに
よって、精製された5−ニトロアミノテトラゾールの白
色結晶14.5g(収率93%)を得た。
ウム塩0.2gの水溶液700mlに金魚(和金)3匹
を入れ、経時的に健康状態を観察したところ、200時
間経過後も、通常の水(対照)中で飼育した場合と全く
同様で、異常は認められなかった。
熱し、その時のガス発生温度と残留物の有無を調べた。
その結果、これらの化合物は低温反応性を有しており、
しかも残留物が少ないことがわかった。
理的性状を調べた。すなわち、容積13mlのチャンバ
ー内で空気雰囲気下0.2gの各化合物を加熱させ、圧
力センサーにて、そのときの発生ピーク圧力および保持
圧力を測定し、時間との関係をレコーダで出力すると共
に、同様に熱伝対にて、反応時の発熱温度を測定して時
間との関係をレコーダで出力し、さらにそのときの発生
ガス量を測定した。結果を第1表に示す。また、圧力と
時間との関係を表すデータを実施例1の化合物に関して
は図1に、実施例2の化合物に関しては図2にそれぞれ
示した。
雰囲気(空気、炭酸ガス、窒素ガス、ヘリウム雰囲気)
下に実施例2で得た5−ニトロアミノテトラゾールカリ
ウム塩0.2gを加熱させ、発生ガスをサンプリングバ
ッグに採取し、ガスの種類と濃度を分析した。結果を第
2表に示す。
ラゾールとそのアルカリ金属塩を、従来法よりも工程を
短縮した簡便な方法で、効率よく純度の高いものを製造
することができる。その上、製造段階で人体に有害な成
分が発生しないため、安全に作業することができる。
張圧力源等として用いられる。しかも、この化合物は人
体に有害なガスの発生量を減少させたガス発生剤であ
る。そのため、エアバッグを膨張させたときにバッグ背
面に設けられた排気口から吐出するガスを乗員が吸って
も大事に至らない。また、このガス発生剤を未作動状態
で廃棄する場合、5−ニトロアミノテトラゾールについ
ては、アルカリで中和した後、5−ニトロアミノテトラ
ゾールアルカリ金属塩については、そのまま廃棄しても
人体に対する有害性がない。
温(700〜800℃)のガスを発生し、ガス化率も低
く、有害ガスも比較的多く発生し、金属酸化物などが残
留するため、ガス発生インフレータには、クーラント機
構やフィルター機構が必要であったが、本発明に係るガ
ス発生剤は、比較的低温で分解する上に、ガス化率もほ
ぼ100%であり、主成分が窒素ガスと二酸化炭素であ
るため、従来規模のクーラント機構やフィルター機構は
不要である。
である。
である。
Claims (2)
- 【請求項1】 酸性条件下で5−アミノテトラゾール1
水和物と硝酸アンモニウムを反応させた後、中和して5
−ニトロアミノテトラゾールジアンモニウム塩を得、次
いで該アンモニウム塩を無機酸と反応させることを特徴
とする5−ニトロアミノテトラゾールの製造法。 - 【請求項2】 請求項1で得た5−ニトロアミノテトラ
ゾールをアルカリ金属の水酸化物又は塩基性アルカリ塩
と反応させることを特徴とする5−ニトロアミノテトラ
ゾールアルカリ金属塩の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09691798A JP4308340B2 (ja) | 1998-03-26 | 1998-03-26 | 5−ニトロアミノテトラゾール類の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09691798A JP4308340B2 (ja) | 1998-03-26 | 1998-03-26 | 5−ニトロアミノテトラゾール類の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11279164A true JPH11279164A (ja) | 1999-10-12 |
JP4308340B2 JP4308340B2 (ja) | 2009-08-05 |
Family
ID=14177720
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09691798A Expired - Lifetime JP4308340B2 (ja) | 1998-03-26 | 1998-03-26 | 5−ニトロアミノテトラゾール類の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4308340B2 (ja) |
-
1998
- 1998-03-26 JP JP09691798A patent/JP4308340B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP4308340B2 (ja) | 2009-08-05 |
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