JP2989698B2 - アラントインの精製方法 - Google Patents

アラントインの精製方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アラントインの精製方
法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】哺乳動物
の尿中などに存在するアラントインは、外傷治癒促進作
用を有し、工業用殺菌剤などとして使用されている。こ
のアラントインはグリオキシル酸と尿素との反応により
得られる。例えば、特公昭46−2095号公報には、
グリオキシル酸1モルに対して尿素2.5〜4モルを用
い、グリオキシル酸よりも酸性の強い酸性触媒の存在
下、65〜95℃で反応させる方法が開示されている。
【0003】一方、アラントインは局方部外品であり規
格値(例えば、純度98%以上、塩素分40ppm以下
など)が規定されている。そのため、反応により生成し
たアラントインの粗結晶を精製し、規格値に適合させる
必要がある。
【0004】前記先行技術文献には、生成したアラント
インの粗結晶を約15倍量の熱湯中に溶解し冷却する、
再結晶法により、アラントインを精製する方法も開示さ
れている。
【0005】しかし、再結晶法では、多量の水を使用す
るため、アラントインの収率が80〜84%と低い。さ
らに、熱水にアラントインの粗結晶を溶解した後、高温
の水溶液を冷却する必要があるので、溶解及び冷却に長
時間を要し、作業効率が低下する。
【0006】従って、本発明の目的は、アラントインの
粗結晶から高純度のアラントインを簡便かつ収率よく得
ることができる精製方法を提供することにある。
【0007】
【発明の構成】本発明者らは、アラントインの精製方法
について鋭意検討した結果、アラントインの粗結晶に
は、有機物と無機物とが不純物として含まれ、しかもこ
れらの不純物が結晶中に取り込まれていないことを見い
だした。本発明はこのような知見に基づいてなされたも
のである。
【0008】すなわち、本発明は、アラントインの粗結
晶を水に分散させ、回収した後、非反応性ガス気流下、
加熱乾燥するアラントインの精製方法を提供する。
【0009】アラントインの粗結晶としては、慣用の方
法、例えば、過マンガン酸カリウムによる尿酸の酸化、
グリオキシル酸又はジクロロ酢酸と尿素との反応などに
より生成した粗結晶が使用できる。アラントインの粗結
晶は、通常、針状晶である。
【0010】アラントインの粗結晶としては、グリオキ
シル酸と尿素との反応による粗結晶を用いるのが工業的
に有利である。この反応において、グリオキシル酸と尿
素との割合は、グリオキシル酸1モルに対して尿素2〜
5モル程度である。反応は、通常、酸触媒の存在下、反
応溶媒中で行なうことができる。酸触媒の種類は特に制
限されないが、例えば、塩酸が繁用される。反応溶媒と
しては、通常、水が使用されるが、反応に悪影響を及ぼ
さない限り、アルコール類、エーテル類などを併用して
もよい。反応は、例えば50〜100℃程度で行なうこ
とができ、通常30分〜24時間程度で終了する。
【0011】本発明では、不純物としての構造不明の有
機物と無機物とが結晶中に取り込まれていないことを利
用して、アラントインの粗結晶を水に分散させ、副反応
により生成した有機物および無機物を除去する。これに
より、特に有機物は効率よく除去される。例えば、純度
95%の粗結晶を水に分散処理して回収すると、純度9
9%以上の結晶が得られる。
【0012】アラントインの粗結晶に対する水の量は、
分散状態を維持し、作業性を損わない範囲であればよ
く、通常、前記粗結晶に対して2.5〜12.5倍(重
量比)、好ましくは2.5〜10倍(重量比)、さらに
好ましくは2.5〜7.5倍(重量比)程度である。
【0013】前記有機物を除去する場合、分散温度は特
に制限されず、15〜100℃程度の範囲内で選択でき
るが、無機物を除去する場合、アラントインの粗結晶
は、温度50〜100℃、特に50〜90℃程度で水に
分散するのが好ましい。従って、不純物としての無機物
も短時間内に効率よく除去するため、アラントインの粗
結晶を、温度50〜100℃で水に分散するのが好まし
い。
【0014】アラントインの粗結晶の分散時間は、温度
により変化するので一概に決定できないが、アラントイ
ンの溶解を抑制して分散状態を維持できる範囲、例え
ば、1分〜2時間、好ましくは5分〜1時間、さらに好
ましくは15分〜45分程度で十分である。なお、高温
で長時間、例えば100℃で3時間以上放置すると、ア
ラントインが加水分解する虞がある。
【0015】アラントインの粗結晶を水分散させた後、
濾過又はデカンテーションなどの回収操作に供し、残渣
を非反応性ガス気流下、乾燥することにより、高品位の
アラントインが高収率で得られる。乾燥は、常圧又は減
圧下で行なうことができる。減圧乾燥時の減圧度は、例
えば、10〜150Torr程度で十分である。
【0016】非反応性ガスとは、アラントインに対して
不活性なガスを意味し、窒素、ヘリウム、アルゴンなど
の通常の不活性ガスの他、二酸化炭素、空気なども含ま
れる。好ましい非反応性ガスには窒素などが含まれる。
非反応性ガスの流量は、除去効率を損わない範囲であれ
ばよく、例えば、アラントイン100gに対して、1〜
50L/Hr、好ましくは2〜20L/Hr程度であ
る。また、乾燥は加熱下で行なうのが好ましい。乾燥温
度は、50〜150℃、好ましくは50〜100℃程度
である。乾燥時間は、温度に応じて選択でき、例えば1
〜24時間、好ましくは3〜20℃時間程度で十分であ
る。このようにして残渣を乾燥させると、アラントイン
の粗結晶に遊離の塩素として含まれる塩素成分を、非反
応性ガスの気流と共にさらに効率よく除去できる。な
お、塩素成分は、酸触媒として用いる塩酸や原料に起因
する場合が多く、通常、遊離の塩素として存在する。
【0017】
【発明の効果】本発明の方法によれば、アラントインの
粗結晶を水に分散させ、回収し、非反応性ガス気流下、
乾燥させるという簡単な操作で、高純度のアラントイン
を収率よく得ることができる。
【0018】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明する。
【0019】実施例1 40重量%のグリオキシル酸水溶液1850g(10モ
ル)に尿素2100g(35モル)を溶解し、35%塩
酸286gを添加し、混合液を内温80±1℃で約1時
間45分間撹拌して反応させた。反応終了後、反応混合
液を10℃まで冷却し、沈澱物を濾取した。濾滓を水
洗、乾燥し、アラントインの粗結晶1130gを得た。
【0020】mp:211℃(分解) 純度:94.6% 塩素分:0.15% 前記アラントインの粗結晶166.4g(1モル)を水
500gに添加し、75℃、懸濁状態で30分間撹拌し
た。その後、懸濁液を10℃まで冷却し、濾過した後、
5L/Hrの窒素ガス気流下、温度80℃、圧力50To
rrで8時間乾燥し、アラントインの結晶149g(0.
94モル)を得た。
【0021】mp:225.6℃(分解) 純度:99.6% 塩素分:40ppm未満 白色結晶 実施例2 実施例1で得たアラントインの粗結晶166.4g(1
モル)を水700gに添加し、80℃、懸濁状態で15
分間撹拌した。その後、懸濁液を10℃まで冷却し、濾
過した後、実施例1と同様にして乾燥し、アラントイン
の結晶144g(0.91モル)を得た。
【0022】mp:225.5℃(分解) 純度:99.7% 塩素分:40ppm未満 実施例3 15L/Hrの窒素ガス気流下、温度70℃、圧力10
0Torrで10時間乾燥する以外、実施例1と同様にして
乾燥し、アラントインの結晶148g(0.93モル)
を得た。
【0023】mp:225.4℃ 純度:99.1% 塩素分:40ppm未満 実施例4 実施例1に従って合成したアラントインの粗結晶を乾燥
させることなく湿結晶のまま処理した。すなわち、湿結
晶198g(アラントインを1モル含む)を、実施例1
と同様にして、水に分散させ、濾過した後、窒素ガス気
流下で乾燥することにより、アラントインの結晶148
g(0.93モル)を得た。
【0024】mp:225.0℃ 純度:99.4% 塩素分:40ppm未満 比較例1 窒素ガスを吹込むことなく、実施例1と同様にしてアラ
ントインの粗結晶を精製した。
【0025】得量:152g(0.96モル) mp:224.4℃(分解) 純度:98.9% 塩素分:200ppm 微黄色結晶 比較例2 水500gに代えて水2500gを用い、温度75℃に
代えて25℃でアラントインの粗結晶を分散すると共
に、窒素ガスを吹込むことなく、実施例1と同様にし
て、アラントインを精製した。
【0026】得量:136g(0.86モル) 純度:99.2% 塩素分:120ppm 微黄色結晶 比較例3 水500gに代えて水2500gを用いると共に、温度
75〜80℃でアラントインの粗結晶を完溶させた後、
10℃に冷却し、生成した沈澱物を濾取した。濾滓を、
比較例1と同様にして乾燥し、アラントインの結晶を得
た。
【0027】得量:134g(0.84モル) mp:225.5℃(分解) 純度:99.7% 塩素分:40ppm未満 白色結晶 前記実施例および比較例から明らかなように、アラント
インの粗結晶を水に分散させ、回収し、窒素ガス気流下
で乾燥すると、高純度のアラントインが収率よく得られ
る。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アラントインの粗結晶を水に分散させ、
    回収した後、非反応性ガス気流下、乾燥するアラントイ
    ンの精製方法。
  2. 【請求項2】 アラントインの粗結晶に対して水を2.
    5〜12.5倍(重量比)用いる請求項1記載のアラン
    トインの精製方法。
  3. 【請求項3】 50〜100℃の温度でアラントインを
    水に分散する請求項1又は2記載のアラントインの精製
    方法。
  4. 【請求項4】 アラントインの粗結晶が塩素成分を含む
    請求項1記載のアラントインの精製方法。
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