JP2002173326A - 塩基性金属硝酸塩 - Google Patents

塩基性金属硝酸塩

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JP2002173326A JP2000371753A JP2000371753A JP2002173326A JP 2002173326 A JP2002173326 A JP 2002173326A JP 2000371753 A JP2000371753 A JP 2000371753A JP 2000371753 A JP2000371753 A JP 2000371753A JP 2002173326 A JP2002173326 A JP 2002173326A
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nitrate
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Koki Shu
興喜 周
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス発生剤用の酸化剤として適した塩基性金
属硝酸塩の提供。 【解決手段】 粒子の又は粒子が破壊された塩基性金属
硝酸塩であり、前記粒子又は粒子破壊物の表面に存在す
るヒドロキシル基が、水素結合の形成、キレート結合の
形成等によって不活性化されたものである塩基性金属硝
酸塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な塩基性金属
硝酸塩及びそれを用いたガス発生剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車における乗員保護装置としてのエ
アバッグ用ガス発生剤としては、従来からアジ化ナトリ
ウムを用いた組成物が多用されてきた。しかし、アジ化
ナトリウムの人体に対する毒性[LD50(oral−rat)
=27mg/kg]や取扱い時の危険性が問題視され、
それに替わるより安全ないわゆる非アジド系ガス発生剤
組成物として、各種の含窒素有機化合物を含むガス発生
剤組成物が開発されている。
【0003】例えば、米国特許4,909,549号に
は、水素を含むテトラゾール、トリアゾール化合物と酸
素含有酸化剤との組成物が開示されている。米国特許
4,370,181号には、水素を含まないビテトラゾ
ールの金属塩と酸素を含まない酸化剤とからなるガス発
生剤組成物が開示されている。米国特許4,369,0
79号には、水素を含まないビテトラゾールの金属塩と
アルカリ金属硝酸塩、アルカリ金属亜硝酸塩、アルカリ
土類金属硝酸塩、アルカリ土類金属亜硝酸塩及びこれら
の混合物からなるガス発生剤組成物が開示されている。
米国特許5,542,999号には、GZT,TAG
N,NG(ニトログアニジン)、NTO等の燃料、塩基
性硝酸銅、有毒ガスを低減する触媒とクーラント剤から
なるガス発生剤が開示されている。特開平10−722
73号には、ビテトラゾール金属塩、ビテトラゾールア
ンモニウム塩、アミノテトラゾールと硝酸アンモニウム
からなるガス発生剤が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】非アジド系ガス発生剤
においては、燃料と酸化剤の組合せによっては長期間に
わたって物理的及び化学的な相互作用がなされる結果、
燃料成分が徐々に分解されてしまい、燃料の熱分解温度
が当初の設計温度から低下していくという問題が生じ
る。このように燃料の熱分解温度が低下した場合、長期
間経過する過程でガス発生剤が劣化する場合があるの
で、燃料の分解が小さく保存安定性の高いガス発生剤が
求められている。
【0005】本発明の課題は、燃料成分と組み合わせた
場合に保存安定性の高いガス発生剤組成物を得ることが
できる塩基性金属硝酸塩及びそれを用いたガス発生剤組
成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、解決手段とし
て、粒子の又は粒子が破壊された塩基性金属硝酸塩であ
り、前記粒子又は粒子破壊物の表面に存在するヒドロキ
シル基が不活性化されたものである塩基性金属硝酸塩を
提供する。
【0007】更に本発明は、他の解決手段として、上記
発明において、粒子の又は粒子破壊物の表面に存在する
ヒドロキシル基が、表面改質剤との間で分子間水素結合
を形成して不活性化されている塩基性金属硝酸塩を提供
する。
【0008】更に本発明は、他の解決手段として、上記
発明において、粒子の又は粒子破壊物の表面に存在する
ヒドロキシル基が、表面改質剤との間でキレート結合を
形成して不活性化されている塩基性金属硝酸塩を提供す
る。
【0009】更に本発明は、他の解決手段として、上記
発明において、粒子の又は粒子破壊物の表面に存在する
ヒドロキシル基が、表面改質剤との間で化学結合を形成
して不活性化されている塩基性金属硝酸塩を提供する。
【0010】また本発明は、他の解決手段として、燃料
としてグアニジン誘導体を含み、酸化剤として上記の塩
基性金属硝酸塩を含むガス発生剤組成物を提供する。
【0011】本発明において「ヒドロキシル基が不活性
化された」とは、塩基性金属硝酸塩の粒子又は粒子破壊
物と他の化合物とが接触又は接近した場合に、ヒドロキ
シル基と他の化合物の官能基との間で物理的及び/又は
化学的な相互作用を生じないことを意味するものである
が、不活性化の程度は、本発明の塩基性金属硝酸塩の用
途に応じて適宜決定される。例えば、用途上問題がなけ
れば、即ち、製品としての性能上問題がなければ、ヒド
ロキシル基が完全に不活性化されていなくてもよい。こ
こでいう「他の化合物」としては、ガス発生器用のガス
発生剤に含まれる燃料成分(グアニジン誘導体、テトラ
ゾール誘導体等)、塩基性金属硝酸塩以外の酸化剤、バ
インダ、スラグ形成剤、燃焼調整剤等を挙げることがで
きる。
【0012】また、「粒子破壊物」とは、合成後の粒子
が種々の要因、例えば、ガス発生剤製造時において燃料
等と共に混合する際の外力によって、1つの粒子が割れ
て小さくなったり、凝集物が割れて個々の粒子になった
ものが含まれる。
【0013】本発明における塩基性金属硝酸塩は、次の
ような式で示される一連の化合物を挙げることができ
る。。また、更に水和水を含む化合物も存在する場合も
ある。式中、Mは金属を、x’は金属数を、y、y’は
NO3イオン数を、z’はOHイオン数を、nはM(N
3y部分に対するM(OH)z部分の比を示すもので
ある。
【0014】M(NO3y・nM(OH)z又はM
x'(NO3y'(OH)z' 前記式に相当するものの例としては、金属Mとして銅、
コバルト、亜鉛、マンガン、鉄、モリブデン、ビスマ
ス、セリウムを含む、Cu2(NO3)(OH)3、Cu3
(NO3)(OH)5・2H2O、Co2(NO3)(O
H)3、Zn2 (NO3)(OH)3、Mn(NO3)(O
H)2、Fe4(NO3)(OH)11・2H2O、Bi(N
3)(OH)2、Ce(NO33(OH)・3H2Oを
挙げることができる。。
【0015】塩基性金属硝酸塩としては、塩基性硝酸銅
(BCN)、塩基性硝酸コバルト、塩基性硝酸亜鉛、塩
基性硝酸マンガン、塩基性硝酸鉄、塩基性硝酸モリブデ
ン、塩基性硝酸ビスマス及び塩基性硝酸セリウムから選
ばれる1種以上が挙げられ、これらの中でも塩基性硝酸
銅が好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の塩基性金属硝酸塩は、粒
子形態又は粒子が破壊された粒子破壊物形態のものであ
り、それらの表面に存在するヒドロキシル基が不活性化
されたものである。ヒドロキシル基の不活性化の形態及
びその方法としては、下記のものを挙げることができ
る。
【0017】粒子又は粒子破壊物表面のヒドロキシル
基が、表面改質剤との間で分子間水素結合を形成して不
活性化されているもの。
【0018】かかる形態の塩基性金属硝酸塩は、粒子又
は粒子破壊物表面のヒドロキシル基と、表面改質剤の
O、N、F、S、CI等との間で分子間水素結合が形成
されたものである。表面改質剤としては、多価アルコー
ル類、ヒドロキシル基を有するオリゴマー、ポリマー等
を挙げることができるが、これらの中でも特にグリセリ
ン、ポリビニルアルコールが好ましい。
【0019】粒子又は粒子破壊物表面のヒドロキシル
基が、表面改質剤との間でキレート結合を形成して不活
性化されているもの。
【0020】このような表面改質剤としては、キレート
剤として作用する各種化合物、例えば、エタン-1,1-ジ
ホスホン酸、エタン-1,1,2-トリホスホン酸、エタン-1-
ヒドロキシ-1,1-ジホスホン酸及びその誘導体、エタン
ヒドロキシ-1,1,2-トリホスホン酸、エタン-1,2-ジカル
ボキシ-1,2-ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン
酸等のホスホン酸又はこれらのアルカリ金属塩もしくは
アルカノールアミン塩;ニトリロ三酢酸、イミノ二酢
酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五
酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシ
エチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、
ジエンコル酸等のアミノポリ酢酸又はこれらのアルカリ
金属塩もしくはアルカノールアミン塩;ジグリコール
酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク
酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、グ
ルコン酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキシメチ
ル酒石酸等の有機酸又はこれらのアルカリ金属塩もしく
はアルカノールアミン塩を挙げることができ、これらの
中でも特にエチレンジアミン四酢酸が好ましい。
【0021】粒子又は粒子破壊物表面のヒドロキシル
基が、表面改質剤との間で化学結合を形成して不活性化
されているもの。
【0022】このような表面改質剤としては、蓚酸、リ
ン酸、ホウ酸等を挙げることができ、これらの中でも特
に蓚酸が好ましい。
【0023】本発明の塩基性金属硝酸塩は、粒径が0.
5〜10μmであることが好ましく、1〜5μmである
ことがより好ましい。なお、粒径の測定は実施例に記載
された方法による。
【0024】本発明の塩基性金属硝酸塩は、例えば、塩
基性金属硝酸塩に対して所要量の表面改質剤と水を添加
し、混合して水分散液にした後、濾過、必要に応じて水
洗、乾燥を経て製造することができる。
【0025】表面改質剤と水の使用量は、塩基金属硝酸
塩100重量部に対して、表面改質剤は0.05〜5重
量部、水は95〜100重量部が望ましく、表面改質剤
と水は合計で100重量部にすることが望ましい。
【0026】上記した塩基性金属硝酸塩は、特に従来の
塩基性金属硝酸塩(ヒドロキシル基が不活性化されてい
ないもの)との間で物理的及び/又は化学的な相互作用
の大きい成分を含んだガス発生剤組成物に適用した場合
に、特に効果が大きい。
【0027】次に、上記した塩基性金属硝酸塩を含んだ
ガス発生剤組成物について説明する。本発明のガス発生
剤組成物は、酸化剤として上記の塩基性金属硝酸塩を含
むものである。燃料としては、グアニジン誘導体、テト
ラゾール誘導体等を挙げることができ、更に必要に応じ
て添加剤を含有することができる。
【0028】グアニジン誘導体、例えばニトログアニジ
ン(NQ)と、塩基性金属硝酸塩、例えば塩基性硝酸銅
(BCN)を混合したときに、NQとBCNの間の物理
的及び/又は化学的な相互作用が大きいと、NQとBC
Nの分解温度が低下して、ガス発生剤の性能に悪影響を
与える。即ち、NQの=NH基(イミノ基)とBCNの
−OH基との間で相互作用(例えば、水素結合、ファン
デルワールス力)が生じ、高温になった場合等におい
て、脱水等の化学反応で水等を生成するなどしてガス発
生剤の性能に悪影響を与える。
【0029】しかし、本発明では、BCN表面の−OH
基が不活性化されているので、NQの=NH基(イミノ
基)とBCNの−OH基との間での相互作用が抑制乃至
は防止されるので、ガス発生剤組成物の製造時の性能が
長期間維持できる。
【0030】燃料のグアニジン誘導体としては、グアニ
ジン、モノ、ジ又はトリアミノグアニジン硝酸塩、硝酸
グアニジン、炭酸グアニジン、ニトログアニジン(N
Q)、ジシアンジアミド(DCDA)及びニトロアミノ
グアニジン硝酸塩から選ばれる1又は2以上を挙げるこ
とができ、これらの中でもニトログアニジンが好まし
い。燃料のテトラゾール誘導体としては、5−アミノテ
トラゾール、ビテトラゾール等を挙げることができる。
【0031】ガス発生剤組成物中における燃料の含有量
は、酸化剤の種類及び酸素バランスにより異なるが、好
ましくは10〜60重量%、より好ましくは20〜50
重量%である。
【0032】ガス発生剤組成物中における塩基性金属硝
酸塩の含有量は、好ましくは40〜90重量%、より好
ましくは50〜80重量%である。
【0033】ガス発生剤組成物には、更にバインダ、ス
ラグ形成剤等の添加剤を配合することができる。バイン
ダとしては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、
カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMCN
a)、カルボキシメチルセルロースカリウム塩、カルボ
キシメチルセルロースアンモニウム塩、酢酸セルロー
ス、セルロースアセテートブチレート(CAB)、メチ
ルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒ
ドロキシエチルセルロース(HEC)、エチルヒドロキ
シエチルセルロース(EHEC)、ヒドロキシプロピル
セルロース(HPC)、カルボキシメチルエチルセルロ
ース(CMEC)、微結晶性セルロース、ポリアクリル
アミド、ポリアクリルアミドのアミノ化物、ポリアクリ
ルヒドラジド、アクリルアミド・アクリル酸金属塩共重
合体、ポリアクリルアミド・ポリアクリル酸エステル化
合物の共重合体、ポリビニルアルコール、アクリルゴ
ム、グアガム、デンプン、シリコーン、二硫化モリブデ
ン、酸性白土、タルク、ベントナイト、ケイソウ土、カ
オリン、ステアリン酸カルシウム、シリカ、アルミナ、
ケイ酸ナトリウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ヒドロタ
ルサイト、マイカ、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭
酸塩、塩基性金属炭酸塩及びモリブデン酸塩から選ばれ
る1以上を挙げることができ、これらの中でも上記の燃
料及び塩基性金属硝酸塩との組合せを考慮するとグアガ
ムが好ましい。
【0034】金属水酸化物としては、水酸化アルミニウ
ムを挙げることができ、金属炭酸塩及び塩基性金属炭酸
塩としては、炭酸カルシウム、炭酸コバルト、塩基性炭
酸亜鉛、塩基性炭酸銅、塩基性炭酸コバルト、塩基性炭
酸鉄、塩基性炭酸ビスマス、塩基性炭酸マグネシウムか
ら選ばれる1以上を挙げることができ、モリブデン酸塩
としては、モリブデン酸コバルト及びモリブデン酸アン
モニウムから選ばれる1以上を挙げることができる。
【0035】ガス発生剤組成物中におけるバインダ等の
添加剤の含有量は、好ましくは0.1〜15重量%、よ
り好ましくは0.5〜12重量%である。
【0036】本発明のガス発生剤組成物は所望の形状に
成型することができ、単孔円柱状、多孔円柱状又はペレ
ット状の成型体にすることができる。これらの成型体
は、ガス発生剤に水又は有機溶媒を添加混合し、押出成
型する方法(単孔円柱状、多孔円柱状の成型体)又は打
錠機等を用いて圧縮成型する方法(ペレット状の成型
体)により製造することができる。
【0037】本発明のガス発生剤組成物は、例えば、各
種乗り物の運転席のエアバッグ用インフレータ、助手席
のエアバッグ用インフレータ、サイドエアバッグ用イン
フレータ、インフレータブルカーテン用インフレータ、
ニーボルスター用インフレータ、インフレータブルシー
トベルト用インフレータ、チューブラーシステム用イン
フレータ、プリテンショナー用ガス発生器に適用でき
る。
【0038】また本発明のガス発生剤組成物を使用する
インフレータは、ガスの供給が、ガス発生剤からだけの
パイロタイプと、アルゴン等の圧縮ガスとガス発生剤の
両方であるハイブリッドタイプのいずれでもよい。
【0039】更に本発明のガス発生剤組成物は、雷管や
スクイブのエネルギーをガス発生剤に伝えるためのエン
ハンサ剤(又はブースター)等と呼ばれるエネルギー増
幅剤として用いることもできる。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。なお、実施例における各測定法は下記のとおりであ
る。 (1)TG−DTA(熱重量−示差熱分析)測定 昇温速度20/分で、低温ピークのシフト(℃)を測定
した。 (2)粒径の確認 試料粉末を専用試料台に固定し、走査型電子顕微鏡によ
り、500倍、2,000倍、10,000倍の観察視
野像中における試料粉末粒径を計測した。なお、粒子が
針状粒子の場合は長さを粒径とし、板状粒子の場合は最
大対角長さを粒径とし、更に真球に類似した粒子は長径
を粒径とした。 (3)塩基性硝酸銅0.1g及び水5mlの分散系を、
室温で一昼夜〜一週間放置したときの外観を目視で観察
した。
【0041】合成例1 攪拌機付きビーカに硝酸銅三水塩36.3gを秤取り、
次いで蒸留水100mlを仕込み、攪拌しながら溶解させ
て得た溶液を60℃に加熱した。炭酸水素ナトリウム1
8.9gを水240mlに溶解した炭酸水素ナトリウム
水溶液を、1時間かけて添加した。添加終了後、混合物
を60℃で60分間攪拌下で熟成をした。室温で生成し
た沈殿物を濾過し、蒸留水で洗浄した。濾過性が非常に
良好な淡青色の固形物を得た。洗浄生成物の一部を11
0℃で空気中で乾燥したところ、淡青色を維持しており
熱安定性が非常に良好なものであった。残りの洗浄生成
物を110℃、1333.22Paの減圧下で乾燥し
て、収量17.4g(収率96.5%)で、塩基性硝酸
銅を得た。
【0042】実施例1 合成例1で得た粒状の塩基性硝酸銅100重量部に対し
て、表面改質剤としてのグリセリン1重量部及び水99
重量部を添加し、攪拌混合して水分散液を得た。次に、
この水分散液を室温で濾過した後、80℃24時間以上
乾燥して、表面のヒドロキシル基が水素結合で不活性化
された塩基性硝酸銅を得た。この塩基性硝酸銅につい
て、表1に示す各測定を行った。なお、対照として、合
成例1で得た塩基性硝酸銅を用いた。結果を表1に示
す。
【0043】実施例2 グリセリンに替えてポリビニルアルコールを用いた他は
実施例1と同様にして、表面のヒドロキシル基が水素結
合で不活性化された塩基性硝酸銅を得た。この塩基性硝
酸銅について、表1に示す各測定を行った。結果を表1
に示す。
【0044】実施例3 合成例1で得た粒状の塩基性硝酸銅100重量部に対し
て、表面改質剤としてのエチレンジアミン四酢酸1重量
部及び水99重量部を添加し、攪拌混合して水分散液を
得た。次に、この水溶液を実施例1と同様に処理して、
表面のヒドロキシル基がキレート結合で不活性化された
塩基性硝酸銅を得た。この塩基性硝酸銅について、表1
に示す各測定を行った。結果を表1に示す。
【0045】実施例4 合成例1で得た粒状の塩基性硝酸銅100重量部に対し
て、表面改質剤としての蓚酸1重量部及び水99重量部
を添加し、攪拌混合して水分散液を得た。次に、この水
溶液を実施例1と同様に処理して、表面のヒドロキシル
基が化学結合で不活性化された塩基性硝酸銅を得た。こ
の塩基性硝酸銅について、表1に示す各測定を行った。
結果を表1に示す。
【0046】実施例5 合成例1で得た粒状の塩基性硝酸銅100重量部に対し
て、表面改質剤としてのリン酸1重量部及び水99重量
部を添加し、攪拌混合して水分散液を得た。次に、この
水溶液を実施例1と同様に処理して、表面のヒドロキシ
ル基が化学結合で不活性化された塩基性硝酸銅を得た。
但し、濾過後に同量(前記の99重量部に相当する量)
の水を用い、数回に分けて洗浄した。この塩基性硝酸銅
について、表1に示す各測定を行った。結果を表1に示
す。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明の塩基性金属硝酸塩は、燃料成
分、特にニトログアジニン等のグアニジン誘導体と組み
合わせた場合、物理的及び化学的相互作用が抑制乃至防
止されるので、燃料成分の分解温度が低下して耐熱性が
低下することを防止できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C06B 43/00 C06B 43/00 C06D 5/00 C06D 5/00 Z

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子の又は粒子が破壊された塩基性金属
    硝酸塩であり、前記粒子又は粒子破壊物の表面に存在す
    るヒドロキシル基が不活性化されたものである塩基性金
    属硝酸塩。
  2. 【請求項2】 粒子の又は粒子破壊物の表面に存在する
    ヒドロキシル基が、表面改質剤との間で分子間水素結合
    を形成して不活性化されている請求項1記載の塩基性金
    属硝酸塩。
  3. 【請求項3】 表面改質剤が、グリセリン又はポリビニ
    ルアルコールである請求項2記載の塩基性金属硝酸塩。
  4. 【請求項4】 粒子の又は粒子破壊物の表面に存在する
    ヒドロキシル基が、表面改質剤との間でキレート結合を
    形成して不活性化されている請求項1記載の塩基性金属
    硝酸塩。
  5. 【請求項5】 表面改質剤が、エチレンジアミン四酢酸
    である請求項4記載の塩基性金属硝酸塩。
  6. 【請求項6】 粒子の又は粒子破壊物の表面に存在する
    ヒドロキシル基が、表面改質剤との間で化学結合を形成
    して不活性化されている請求項1記載の塩基性金属硝酸
    塩。
  7. 【請求項7】 表面改質剤が、蓚酸、リン酸又はホウ酸
    である請求項6記載の塩基性金属硝酸塩。
  8. 【請求項8】 塩基性金属硝酸塩が塩基性硝酸銅である
    請求項1〜7のいずれか1記載の塩基性金属硝酸塩。
  9. 【請求項9】 燃料としてグアニジン誘導体を含み、酸
    化剤として請求項1〜11のいずれか1記載の塩基性金
    属硝酸塩を含むガス発生剤組成物。
  10. 【請求項10】 グアニジン誘導体がニトログアニジン
    で、酸化剤が塩基性硝酸銅である請求項9記載のガス発
    生剤組成物。
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