JPH11278936A - 光記録膜用保護膜のための焼結体の製造方法 - Google Patents

光記録膜用保護膜のための焼結体の製造方法

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JPH11278936A
JPH11278936A JP10083794A JP8379498A JPH11278936A JP H11278936 A JPH11278936 A JP H11278936A JP 10083794 A JP10083794 A JP 10083794A JP 8379498 A JP8379498 A JP 8379498A JP H11278936 A JPH11278936 A JP H11278936A
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JP
Japan
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powder
zns
sintered body
sio
sintering
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Application number
JP10083794A
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English (en)
Inventor
Shoji Takanashi
昌二 高梨
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スパッタリング用ターゲットに用いるターゲ
ット材として使用した時、安定した成膜が可能なZnS
−SiO2 焼結体の製造方法。 【解決手段】 平均粒径が5μm以下のZnS粉末を3
50〜600℃で熱処理し、該ZnS粉末を平均粒径が
5μm以上のSiO2 粉末と混合して造粒粉とし、該造
粒粉を焼結するZnS−SiO2 焼結体の製造方法であ
って、これにより該焼結体の相対密度が90%以上とな
る。前記焼結を、Ar雰囲気、または真空中で、950
〜1100℃の焼結温度で、150〜300kg/cm
2 に加圧した状態で行うことが好ましい。前記造粒粉
は、熱処理を行った前記ZnS粉末中に、球状または角
状の前記SiO2 粉末を10〜30 mol%添加して混合
することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録膜用保護膜
のための焼結体の製造方法に関し、特に、スパッタリン
グ法により光記録膜上に保護膜を成膜するための、ター
ゲット材に適したZnS−SiO2 焼結体の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】光ビームを照射して記録、消去を行う光
ディスクなどの光記録膜の両側は、光記録膜の保護のた
めに、SiO2 を添加したZnS(ZnS−SiO2
の保護膜で覆う構造をとっている。この保護膜は、主と
してスパッタリング用ターゲット(焼結体のターゲット
材を銅平板などに張り合わせたもの)を原料とし、高周
波(RF)スパッタリング法によって形成される。
【0003】ターゲット材であるZnS−SiO2 焼結
体の製造方法としては、特開平6−65725号公報に
おいて、粒径が5μm以下のZnS粉末およびSiO2
粉末を用い、ホットプレス法を用いたZnS−SiO2
焼結体の製造方法が開示されていて、該ZnS−SiO
2 焼結体の相対密度は90%以上である。しかし、該製
造方法では、原料粉末に純度99.999重量%以上の
高純度ZnS粉末および純度99.999重量%以上の
高純度SiO2 粉末が必要であるので、コストがかさむ
問題があった。
【0004】また、前記公報以前より、相対密度が90
%以上のZnS−SiO2 焼結体の製造には、950℃
以上(例えば1100℃)の高温でのホットプレスが必
要であることが知られているが、この高温でのホットプ
レスを行うと、主にSの揮発が活発化して、S量が低下
してしまう。このため、透過率等の膜特性が安定して得
られないという問題がある。また、この製造法により得
られたZnS−SiO2 焼結体をターゲット材として用
いて、成膜速度を高めるためにスパッタリングの投入電
力を高くして成膜を行うと、スパッタリング用ターゲッ
トに割れや欠け(チッピング)が生じてしまう。このた
め、保護膜が短時間で使用寿命に至るという問題を抱え
ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の方法は、この
ような従来の問題点を解決し、スパッタリング用ターゲ
ットに用いるターゲット材として使用した時、安定した
成膜が可能なZnS−SiO2 焼結体の製造方法を提供
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の方法は、平均粒
径が5μm以下のZnS粉末を350〜600℃で熱処
理し、該ZnS粉末を平均粒径が5μm以上のSiO2
粉末と混合して造粒粉とし、該造粒粉を焼結するZnS
−SiO2 焼結体の製造方法であって、これにより該焼
結体の相対密度が90%以上となる。
【0007】前記焼結を、Ar雰囲気または真空中で、
950〜1100℃の焼結温度で、150〜300kg
/cm2 に加圧した状態で行うことが好ましい。
【0008】前記造粒粉は、熱処理を行った前記ZnS
粉末中に前記SiO2 粉末を10〜30 mol%添加して
混合することが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明者は、従来より公知の製造
方法によって得られたZnS−SiO2 焼結体をターゲ
ット材に用いて行うスパッタリングにおいて、スパッタ
リング用ターゲットの割れや欠けの発生原因と、安定し
た膜特性の保護膜が得られない原因とについて、検討を
行った。
【0010】まず、前記特開平6−65725号公報に
挙げてある純度99.999重量%以上の高純度の原料
粉末ではなく、純度99.99重量%で粒径5μm以下
のZnS粉末と、純度99.9〜99.99重量%で粒
径5μm以下のSiO2 粉末を混ぜた造粒粉を使用する
と、1100℃以下の焼結温度でホットプレスを行った
ZnS−SiO2 焼結体の相対密度は、90%以下であ
った。一方、前記造粒粉に、1100℃より高い焼結温
度でホットプレスを行えば、ZnS−SiO2焼結体
は、容易に90%以上の相対密度を達成することができ
る。しかし、S含有率を測定すると、1100℃より高
い焼結温度で得られたZnS−SiO2 焼結体は、11
00℃以下の焼結温度で得られたZnS−SiO2 焼結
体に比べて、S含有率が減少していた。その結果、11
00℃より高い焼結温度で得られたZnS−SiO2
結体をターゲット材として用いて、スパッタリング法で
成膜を行った保護膜は、膜透過率などの膜特性が悪化し
ていた。また、成膜速度を高めるために投入電力を70
0Wにして成膜を行うと、スパッタリング用ターゲット
に割れや欠けが発生していた。
【0011】本発明者は、1100℃以下の焼結温度で
ホットプレスを行ったZnS−SiO2 焼結体と、11
00℃より高い焼結温度でホットプレスを行ったZnS
−SiO2 焼結体とについて解析を行った結果、成膜時
に割れや欠けが生じずに、成膜して得られる保護膜が安
定した膜特性であるには、以下の特性のZnS−SiO
2 焼結体をターゲット材として使用することが有効であ
ると分かった。
【0012】(1)1100℃以下の焼結温度で焼結を
行い、ZnS−SiO2 焼結体の相対密度が90%以上
である。
【0013】(2)β−ZnS相(111)面のピーク
強度の、α−ZnS相(100)面のピーク強度に対す
る比が1.0以上である。
【0014】(3)ZnのSに対する原子比が0.97
〜1.03の範囲内である。
【0015】これらの特性を満足するZnS−SiO2
焼結体をターゲット材に使用することによって、割れや
欠けが生じずに安定して保護膜の成膜ができる。
【0016】しかし、これらの特性を満足するZnS−
SiO2 焼結体を製造するためには、留意しなければな
らないことがあり、以下に本発明の方法の詳細および理
由を説明する。
【0017】「原料粉末」原料粉末には、350〜60
0℃で熱処理した平均粒径5μm以下のZnS粉末と、
平均粒径5μm以上のSiO2 粉末を用いる。
【0018】SiO2 粉末には、最大粒径が200μm
までのSiO2 粉末を用いることができ、平均粒径が1
0〜100μmのSiO2 粉末が好ましい。最大粒径が
200μmを超えると、成膜した保護膜中の組成分布に
支障が生じる場合がある。
【0019】SiO2 粉末の形状が球状であると、流動
性が向上するために、充填密度が高くでき、より高密度
化が可能となる。一方、角状であれば、充填密度は若干
低下するものの、ZnS−SiO2 焼結体の組織がジグ
ザグな粒界を持つために、特に粒界からの亀裂破壊に強
いZnS−SiO2 焼結体が得られる。さらに、後述す
る成膜時の割れや欠けに対して強固になりやすい。
【0020】また、球状と角状のそれぞれの特長を生か
し、用途によって使い分けることもできる。
【0021】「焼結密度」前述したように、1100℃
より高い高温下で焼結できないために、1100℃以下
の焼結温度で、90%以上の相対密度のZnS−SiO
2 焼結体を得るには、350〜600℃で熱処理した平
均粒径が5μm以下のZnS粉末と、平均粒径5μm以
上のSiO2 粉末が必要である。つまり、1100℃以
下では、焼結促進が大きく見込めないために、粗いSi
2 粉末を原料粉末に用いることで、原料粉末の粒度分
布を拡げて充填密度を高め、その結果、高密度化が可能
となる。
【0022】充填密度を高くするには、SiO2 粉末の
形状が球状の方がよい。
【0023】「Sの揮発」焼結温度が1100℃のよう
な高温になると、ZnSは熱解離が起こり、主にSの揮
発が活発化する。このためZnS−SiO2 焼結体中の
S量は減少し、該ZnS−SiO2 焼結体をターゲット
材として成膜した保護膜は、透過率等の膜特性が悪化す
る。ZnS−SiO2 焼結体中のS量の低下を補うため
に、原料粉末の段階でS粉末を減少分だけ添加しておく
等の工夫が考えられるが、焼結炉内をより汚染してしま
ったり、Sの偏析が生じてしまう等の問題で好ましくな
い。
【0024】本発明の方法では、ZnS−SiO2 焼結
体中のS量について、ZnのSに対する原子比が0.9
7〜1.03の範囲内であれば、安定した膜特性の保護
膜が得られることを見出した。このS量の制御には、焼
結温度を1100℃以下にすることが重要であると共
に、予め原料粉末を熱処理しておくことが必要である。
原料粉末の一つのZnS粉末中には未反応で存在する遊
離Sがある。この遊離Sを除去しておかないと、焼結中
にSが揮発し始め、ZnS−SiO2 焼結体表面のS濃
度が高くなり、良好な膜特性の保護膜が得られないばか
りか、長期的に安定した膜質の保護膜が得られない問題
が生じる。よって、ZnS粉末を予め熱処理して安定さ
せておくことで、焼結中のS量の変動を抑制し、長期的
に安定した膜質の保護膜を成膜するZnS−SiO2
結体を作製することができる。さらに、ZnS−SiO
2 焼結体中のS量について、ZnのSに対する原子比を
0.97から1.03の範囲内に制御することが容易と
なり、S濃度の分布のばらつきを小さくもできる。この
際の熱処理は、350〜600℃の温度で行う。この温
度範囲内であれば、ZnSの熱解離によるS量の減少や
部分的な酸化が行われず、ZnS粉末中の遊離Sを除去
できる。熱処理は、真空中、大気雰囲気、不活性ガス雰
囲気のいずれかを選べる。
【0025】「混合」混合には、ボールミル、振動ミ
ル、Vブレンダーなどを用いることもできるが、均一混
合が容易なボールミルを使用した混合が最も好ましい。
【0026】ボールミルを使用した混合時間では、12
〜72時間の範囲が好ましい。混合時間が12時間未満
であると、混合粉末が不均一となり、混合時間が72時
間を超えると、混合粉末中に不純物が多く混入するため
好ましくない。
【0027】「焼結方法」焼結には、ZnS粉末で覆っ
て焼結を行う雰囲気調整法や、不活性ガス雰囲気下で焼
結を行う常圧焼結法も採用できるが、ZnOの生成抑制
ができ、低温でも容易に高密度が得られるホットプレス
法が好ましい。
【0028】「焼結」該ホットプレス法で、Arガスを
導入した雰囲気や、真空中等で、焼結中の昇温速度は1
〜10℃/minが好ましい。
【0029】焼結温度は、1100℃以下が好ましく、
特に好ましくは950〜1100℃が良い。この際の焼
結時間は10時間以下が好ましい。焼結温度が950℃
未満であると、90%以上の相対密度のZnS−SiO
2 焼結体を得ることができない。また、焼結時の圧力
は、面圧で150〜300kg/cm2 が好ましい。
【0030】「成膜時の割れや欠け」通常、成膜時に起
こるスパッタリング用ターゲットの割れや欠けは、熱応
力によって起こり、多くは焼結体の低い焼結密度に起因
している。焼結密度が低いと、焼結体内の気孔率が高い
ために、気孔に応力が集中して亀裂が生じやすいからで
ある。
【0031】しかし、ZnS−SiO2 焼結体において
は、相対密度が90%以上であっても、成膜時に割れや
欠けが見られた。この割れや欠けの生じたZnS−Si
2焼結体の断面をSEM観察すると、割れや欠けの原
因となる他の欠陥(成形むら)等の生成は見られなかっ
た。さらに詳細に、観察検討した結果、この90%以上
の焼結密度のZnS−SiO2 焼結体には、異常粒成長
した粗大な結晶粒が局所的に見られ、これを基点に割れ
や欠けが発生していることが分かった。この粗大な結晶
粒は、焼結温度が1000℃近傍から徐々に見られ始
め、1100℃を超えると急激に増加していた。この粗
大な結晶粒の生成原因を調べるために、ZnS−SiO
2 焼結体のXRD測定を行った結果、α−ZnS相のピ
ークが1000℃近傍から徐々に見られ始め、1100
℃を超えると急激に増加していることが分かった。
【0032】すなわち、α−ZnS相の生成が割れや欠
けの発生原因に関与しているのであるから、成膜時に起
こるスパッタリング用ターゲットの割れや欠けを抑制す
るためには、1100℃以下で焼結することでα−Zn
S相を低減させ、かつ相対密度を90%以上にすること
が必要である。
【0033】前述したように、本発明の方法において
は、平均粒径5μm以上のSiO2 粉末を用いること
で、1100℃以下での焼結でも90%以上の相対密度
を達成している。該SiO2 粉末は粗大であるが、11
00℃以下の焼結温度でZnS粉末とSiO2 粉末間の
焼結が活発化することはないため、粒界からの亀裂等に
よる割れや欠けが生じることはない。
【0034】また、角状のSiO2 粉末を用いれば、成
膜時の割れや欠けに関してより強固なZnS−SiO2
焼結体が得られやすい。
【0035】「焼結体の分析方法」また、ZnS−Si
2 焼結体の分析方法は、以下の通りである。
【0036】α−ZnS相の生成状況は、得られたZn
S−SiO2 焼結体を粉末化してXRDにて測定を行
い、得られたピークから、β−ZnS相とα−ZnS相
を検出し、β−ZnS相(111)面のピーク強度の、
α−ZnS相(100)面のピーク強度に対する比をと
って評価を行った。ZnS−SiO2 焼結体中のS量の
分析方法は、得られたZnS−SiO2 焼結体の表面か
ら、深さ方向に0.2mm、2mmの位置まで研削し、
厚さ1mmの試料を切り出した後、粉末化してICP分
析をした。分析結果から、ZnとSの原子%を換算し、
Znの原子%の、Sの原子%に対する比をとって評価し
た。
【0037】
【実施例】(実施例1)400℃のAr雰囲気で、1時
間熱処理をした平均粒径2μmのZnS粉末中に、平均
粒径10μmの球状のSiO2 粉末を、20 mol%添加
し、原料粉末とした。この原料粉末を、樹脂製ポットに
入れ、硬質ZrO2 ボールを用いて乾式ボールミル混合
を18時間行った。造粒後、ホットプレスで1000℃
まで、5℃/minで昇温し、Ar雰囲気で、面圧20
0kg/cm2 で加圧しながら1時間焼結を行って、直
径160mm、厚さ7mmの円盤状の焼結体を得た。得
られた焼結体の焼結密度測定後、焼結体の一部を切断し
て粉末化し、XRD、ICP分析で測定を行った。得ら
れた結果を表1に示す。
【0038】また、得られた焼結体を直径150mm、
厚さ5mmの円盤状に加工して、スパッタリング用ター
ゲットを作製し、これを用いてRFマグネトロンスパッ
タリング法で成膜を行った。スパッタリング条件は、投
入電力700W、Arガス圧0.3Paに固定した。そ
して、1時間の成膜後のスパッタリング用ターゲットの
割れや欠けの発生状況を目視観察し、さらに膜厚が10
00A(オングストローム)になるように成膜して膜透
過率を調べた。結果を表1に示す。
【0039】(実施例2)400℃のAr雰囲気で、1
時間熱処理をした平均粒径2μmのZnS粉末中に、平
均粒径30μmの球状のSiO2 粉末を、20 mol%添
加し、原料粉末とした。この原料粉末を、樹脂製ポット
に入れ、硬質ZrO2 ボールを用いて乾式ボールミル混
合を18時間行った。造粒後、ホットプレスで1000
℃まで、5℃/minで昇温し、Ar雰囲気で、面圧2
00kg/cm2 で加圧しながら1時間焼結を行って、
直径160mm、厚さ7mmの円盤状の焼結体を得た。
得られた焼結体について、実施例1と同様な評価を行っ
た。得られた結果を表1に示す。
【0040】また、得られた焼結体を直径150mm、
厚さ5mmの円盤状に加工して、スパッタリング用ター
ゲットを作製し、実施例1と同様な成膜評価を行った。
結果を表1に示す。
【0041】(実施例3)400℃のAr雰囲気で、1
時間熱処理をした平均粒径2μmのZnS粉末中に、平
均粒径100μmの角状のSiO2 粉末を、20 mol%
添加し、原料粉末とした。この原料粉末を、樹脂製ポッ
トに入れ、硬質ZrO2 ボールを用いて乾式ボールミル
混合を18時間行った。造粒後、ホットプレスで100
0℃まで、5℃/minで昇温し、Ar雰囲気で、面圧
200kg/cm2 で加圧しながら1時間焼結を行っ
て、直径160mm、厚さ7mmの円盤状の焼結体を得
た。得られた焼結体について実施例1と同様な評価を行
った。得られた結果を表1に示す。
【0042】また、得られた焼結体を直径150mm、
厚さ5mmの円盤状に加工して、スパッタリング用ター
ゲットを作製し、実施例1と同様な成膜評価を行った。
結果を表1に示す。
【0043】(実施例4)400℃の大気雰囲気で、2
時間熱処理をした平均粒径2μmのZnS粉末中に、平
均粒径5μmの球状のSiO2 粉末を、20 mol%添加
し、原料粉末とした。この原料粉末を、樹脂製ポットに
入れ、硬質ZrO2 ボールを用いて乾式ボールミル混合
を18時間行った。造粒後、ホットプレスで1000℃
まで、5℃/minで昇温し、Ar雰囲気で、面圧20
0kg/cm2 で加圧しながら1時間焼結を行って、直
径160mm、厚さ7mmの円盤状の焼結体を得た。得
られた焼結体について実施例1と同様な評価を行った。
得られた結果を表1に示す。
【0044】また、得られた焼結体を直径150mm、
厚さ5mmの円盤状に加工して、スパッタリング用ター
ゲットを作製し、実施例1と同様な成膜評価を行った。
結果を表1に示す。
【0045】(実施例5)600℃のAr雰囲気で、1
時間熱処理をした平均粒径2μmのZnS粉末中に、平
均粒径30μmの球状のSiO2 粉末を、20 mol%添
加し、原料粉末とした。この原料粉末を、樹脂製ポット
に入れ、硬質ZrO2 ボールを用いて乾式ボールミル混
合を18時間行った。造粒後、ホットプレスで1100
℃まで、5℃/minで昇温し、Ar雰囲気で、面圧2
00kg/cm2 で加圧しながら1時間焼結を行って、
直径160mm、厚さ7mmの円盤状の焼結体を得た。
得られた焼結体について実施例1と同様な評価を行っ
た。得られた結果を表1に示す。
【0046】また、得られた焼結体を直径150mm、
厚さ5mmの円盤状に加工して、スパッタリング用ター
ゲットを作製し、実施例1と同様な成膜評価を行った。
結果を表1に示す。
【0047】(実施例6)600℃のAr雰囲気で、1
時間熱処理をした平均粒径2μmのZnS粉末中に、平
均粒径30μmの球状のSiO2 粉末を、20 mol%添
加し、原料粉末とした。この原料粉末を、樹脂製ポット
に入れ、硬質ZrO2 ボールを用いて乾式ボールミル混
合を18時間行った。造粒後、ホットプレスで950℃
まで、5℃/minで昇温し、Ar雰囲気で、面圧20
0kg/cm2 で加圧しながら1時間焼結を行って、直
径160mm、厚さ7mmの円盤状の焼結体を得た。得
られた焼結体について実施例1と同様な評価を行った。
得られた結果を表1に示す。
【0048】また、得られた焼結体を直径150mm、
厚さ5mmの円盤状に加工して、スパッタリング用ター
ゲットを作製し、実施例1と同様な成膜評価を行った。
結果を表1に示す。
【0049】(比較例1)平均粒径2μmのZnS粉末
中に、平均粒径2μmのSiO2 粉末を、20 mol%添
加し、原料粉末とした。この原料粉末を、樹脂製ポット
に入れ、硬質ZrO2 ボールを用いて乾式ボールミル混
合を18時間行った。造粒後、ホットプレスで1000
℃まで、5℃/minで昇温し、Ar雰囲気で、面圧2
00kg/cm2 で加圧しながら1時間焼結を行って、
直径160mm、厚さ7mmの円盤状の焼結体を得た。
得られた焼結体について実施例1と同様な評価を行っ
た。得られた結果を表1に示す。
【0050】また、得られた焼結体を直径150mm、
厚さ5mmの円盤状に加工して、スパッタリング用ター
ゲットを作製し、実施例1と同様な成膜評価を行った。
結果を表1に示す。
【0051】(比較例2)平均粒径2μmのZnS粉末
中に、平均粒径2μmのSiO2 粉末を、20 mol%添
加し、原料粉末とした。この原料粉末を、樹脂製ポット
に入れ、硬質ZrO2 ボールを用いて乾式ボールミル混
合を18時間行った。造粒後、ホットプレスで1200
℃まで、5℃/minで昇温し、Ar雰囲気で、面圧2
00kg/cm2 で加圧しながら1時間焼結を行って、
直径160mm、厚さ7mmの円盤状の焼結体を得た。
得られた焼結体について実施例1と同様な評価を行っ
た。得られた結果を表1に示す。
【0052】また、得られた焼結体を直径150mm、
厚さ5mmの円盤状に加工して、スパッタリング用ター
ゲットを作製し、実施例1と同様な成膜評価を行った。
結果を表1に示す。
【0053】(比較例3)700℃大気雰囲気で1時間
熱処理した平均粒径2μmのZnS粉末中に、平均粒径
2μmのSiO2 粉末を、20 mol%添加し、原料粉末
とした。この原料粉末を、樹脂製ポットに入れ、硬質Z
rO2 ボールを用いて乾式ボールミル混合を18時間行
った。造粒後、ホットプレスで1100℃まで、5℃/
minで昇温し、Ar雰囲気で、面圧200kg/cm
2 で加圧しながら1時間焼結を行って、直径160m
m、厚さ7mmの円盤状の焼結体を得た。得られた焼結
体について実施例1と同様な評価を行った。得られた結
果を表1に示す。
【0054】また、得られた焼結体を直径150mm、
厚さ5mmの円盤状に加工して、スパッタリング用ター
ゲットを作製し、実施例1と同様な成膜評価を行った。
結果を表1に示す。
【0055】実施例1〜6のZnS粉末は、Ar雰囲気
かまたは大気中で、400℃かまたは600℃で熱処理
を行った。該ZnS粉末を、平均粒径が5μm以上のS
iO2 粉末と混合して造粒粉とし、該造粒粉を950〜
1100℃の焼結温度でホットプレスをして得られたZ
nS−SiO2 焼結体は、焼結密度が90%以上であ
り、β−ZnS相(111)面のピーク強度の、α−Z
nS相(100)面のピーク強度に対する比が1.0以
上であり、ZnのSに対する原子比が0.97〜1.0
3の範囲内であった。該ZnS−SiO2 焼結体を用い
て成膜を行った保護膜は、時間による変化の少ない安定
した膜透過率であり、成膜時のスパッタリング用ターゲ
ットに割れや欠けが発生することもなかった。
【0056】ZnS粉末の熱処理を行わないまま、低い
焼結温度でホットプレスを行った比較例1のZnS−S
iO2 焼結体の焼結密度は82%と低かった。そのた
め、該ZnS−SiO2 焼結体を用いて成膜を行った保
護膜は、膜透過率が低く、安定した良好な膜特性は得ら
れなかった。
【0057】ZnS粉末の熱処理を行わず、1200℃
の高い焼結温度でホットプレスをした比較例2のZnS
−SiO2 焼結体は、S濃度のばらつきが大きく、β−
ZnS相(111)面のピーク強度の、α−ZnS相
(100)面のピーク強度に対する比も0.1と低く、
特に表面のS濃度が高かった。そのため、膜透過率が低
く、安定した良好な膜特性は得られなかった。
【0058】また、比較例3では700℃の高温でZn
S粉末の熱処理を行った結果、Sの揮発が多くなりすぎ
て、焼結体には一部ZnO相の生成がみられて、ターゲ
ット材として不適当であった。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】以上、詳細に説明してきたように、本発
明の方法によれば、平均粒径が5μm以下のZnS粉末
を350〜600℃で熱処理し、平均粒径が5μm以上
のSiO2 粉末と混合して造粒粉とし、該造粒粉を焼結
するZnS−SiO2 焼結体の製造方法により、該Zn
S−SiO2 焼結体をスパッタリング用ターゲットに用
いるターゲット材として使用して得られる保護膜は、膜
透過率等の膜特性が高く、かつ安定していて、高品質な
光記録膜用保護膜を提供することができる。
【0061】また、成膜速度を高めるためにスパッタリ
ングの投入電力を高めて成膜を行っても、該ZnS−S
iO2 焼結体を使用したスパッタリング用ターゲットに
割れや欠けの発生することがないので、製造コストを著
しく低減できるという高い効果が得られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が5μm以下のZnS粉末を3
    50〜600℃で熱処理し、該ZnS粉末を平均粒径が
    5μm以上のSiO2 粉末と混合して造粒粉とし、該造
    粒粉を焼結することを特徴とするZnS−SiO2 焼結
    体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記焼結を、Ar雰囲気または真空中
    で、950〜1100℃の焼結温度で、150〜300
    kg/cm2 の加圧状態で行うことを特徴とする請求項
    1に記載のZnS−SiO2 焼結体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記造粒粉が、熱処理を行った前記Zn
    S粉末中に、前記SiO2 粉末を、10〜30 mol%添
    加して混合することで得られることを特徴とする請求項
    1または2に記載のZnS−SiO2 焼結体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 350〜600℃で熱処理を行った平均
    粒径が5μm以下のZnS粉末中に、平均粒径が5μm
    以上のSiO2 粉末を、10〜30 mol%添加して混合
    することで得られる造粒粉。
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