JPH11277340A - ワイヤカット放電加工機の加工液供給ノズル装置 - Google Patents

ワイヤカット放電加工機の加工液供給ノズル装置

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JPH11277340A
JPH11277340A JP10103493A JP10349398A JPH11277340A JP H11277340 A JPH11277340 A JP H11277340A JP 10103493 A JP10103493 A JP 10103493A JP 10349398 A JP10349398 A JP 10349398A JP H11277340 A JPH11277340 A JP H11277340A
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昭夫 保坂
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    • B23K7/00Cutting, scarfing, or desurfacing by applying flames
    • B23K7/10Auxiliary devices, e.g. for guiding or supporting the torch
    • B23K7/102Auxiliary devices, e.g. for guiding or supporting the torch for controlling the spacial relationship between the workpieces and the gas torch

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 供給加工液の液圧により突出移動するノズル
と被加工物との衝突圧接を防止して荒加工を寸法精度良
く高速に行なうと共に、仕上げ加工も、放電間隙の加工
液流量の変動を抑えて寸法精度良く加工すること。 【解決手段】 ノズルとノズル本体間に皿バネを所定量
圧縮変形させた状態で介設してノズルを後退する向きに
常時押圧し、ノズルの突出移動を所定位置で制限する第
1のストッパとノズルの後退移動を所定位置で制限する
第2のストッパとを設け、第1の設定圧力で加工液が加
圧供給されたときノズルの突出移動を許容し、第1の設
定圧力よりも小さい第2の設定圧力で加工液が加圧供給
されたときノズルの移動を阻止するバネ定数の皿バネを
用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、間隔を置いて配置
した一対のワイヤガイドにより位置決めされて軸方向に
走行移動するワイヤ電極に微小な放電間隙を介して被加
工物を対向配置し、前記放電間隙に加工液を供給した状
態で、ワイヤ電極と被加工物間に間歇的な電圧パルスを
印加して繰返し放電を発生させると共に、両者間に相対
的な加工送りを与えて所望輪郭形状の切断加工を行なう
ワイヤカット放電加工機に於て、前記放電間隙に加工液
をワイヤ電極包皮状態で噴射して供給するノズル装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】同軸上にワイヤ電極が挿通するノズル本
体の円筒形の先端開口部にノズルを嵌挿し、ノズル本体
内に加圧供給された加工液の圧力によりピストン状にノ
ズルを前記開口部から突出させて被加工物表面に衝突圧
接させ、この圧接状態で加工液をワイヤ電極包皮状態で
放電間隙に噴射供給するようにしたノズル装置が、例え
ば特公平4−55805号公報に開示されている。そし
て、このノズル装置によれば、ノズル先端面が被加工物
の表面に密着した状態でノズル噴出口から加工液が噴射
されるから、噴射加工液のノズル先端面と被加工物表面
との間からの周囲への流出が防止され、噴射加工液を無
駄なく効率良く放電間隙に加圧注入して、放電間隙に於
ける加工液の圧力、流量を増大させることができ、この
結果、加工部の冷却作用を高めると共に泡の発生や外部
空気の巻込み流入を抑え、また生成加工屑の排除作用を
高めて、加工平均電流の大きな加工条件に於てもワイヤ
電極の過熱断線や気中放電による断線を防止すると共に
放電状態を安定化して、加工を高速に行なうことができ
る。
【0003】しかし反面、このように供給加工液の圧力
によりノズルをピストン状に突出させるノズル装置にあ
っては、加工液噴射の反力の作用だけでなく、ノズル先
端が被加工物表面に直接加圧接触することによる抗力の
作用によりノズル本体の取り付け部に歪みを生じさせ、
ノズル本体内に固定支持されるワイヤガイドが変位する
ことによって加工寸法精度を悪化させる問題がある。こ
のノズルが被加工物に圧接することによる加工精度悪化
の問題に対処するために、ノズル本体内の液圧が、ワイ
ヤ電極の軸方向に移動可能に配置されたノズルに対し
て、ノズル本体から突出させる向きと逆にノズル本体内
に後退させる向きの相反する向きに作用し、両作用力が
平衡するようにノズルの形状構造を工夫することによ
り、加工液噴出時にノズルを浮動状態として、ノズルと
被加工物との接触状態を圧力零での接触或いは極めて弱
い圧力での接触としたノズル装置が特許第265612
9号公報に開示されている。
【0004】尚、上述した特公平4−55805号公
報、及び特許第2656129号公報には、供給加工液
圧力を調整したりノズルの形状構造を工夫することによ
り、加工液噴出時にノズルを浮動状態として該ノズル先
端と被加工物表面間に微小隙間を形成することができる
旨記載されているが、浮動状態のノズルと被加工物間の
隙間は、後述するように噴射加工液の流動状態が加工送
りに伴って変化することから、上述した従来のノズル装
置では、前記隙間を所定長さに維持して加工を行なうこ
とはできない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】加工液を高圧、大流量
で供給して高速に荒加工を行なうような場合には、上述
した従来の各ノズル装置の使用により大きな支障はな
く、ノズルと被加工物との接触圧を低減した上述後者の
ノズル装置によれば殆ど問題は生じない。しかし、荒加
工に次ぐセカンドカット以降の中加工、及び仕上げ加
工、特に厳しい加工精度が要求される仕上げ加工の場合
は、放電加工により単位時間に生成する加工屑の量が少
ないから、放電間隙の加工液中の加工屑濃度を適正な濃
度に保って放電状態を安定化するために、放電間隙の加
工液流量を荒加工時よりも少なくする必要があり、ま
た、ワイヤ電極の振動による加工精度悪化を防止する点
からも、荒加工時よりも低圧・小流量で加工液が供給さ
れる。このように、荒加工時と仕上げ加工時では供給加
工液の圧力・流量が大きく異なり、従来は周知の圧力調
整弁や流量調整弁を用いて調整制御していたが、高圧・
大流量から低圧・小流量まで幅広く正確に安定した状態
で調整制御できる調整弁を得ることが実際上難しく、特
に低圧・小流量の領域での調整制御が不安定で調整誤差
が無視できず信頼性に欠ける問題があった。
【0006】一方、ワイヤカット放電加工によりパンチ
形状の加工(切断加工した中子部分を製品とする加工)
を行なうときは、荒加工で中子を切り落としてしまうと
中加工及び仕上げ加工時の位置決めが困難になるところ
から、荒加工は加工輪郭線の終了間際で通常1mm以下
程度の加工部分を残して加工を終了し、中加工及び仕上
げ加工は、中子を被加工物に支持させた状態で、荒加工
により形成されたスリット(加工溝)に加工液を噴射供
給しながら加工を行なう。この際、ノズル噴出口に対向
する被加工物表面のスリットの開口面積が、直線状のス
リット部、コーナや屈曲形状のスリット部等のスリット
の形状に応じて増減変化する。特に、スリット終端部で
は片側にしかスリットが存在しないため、前記面積が場
合によっては半分近くに減少する。そして、前記面積が
小さいときの方が流路断面積の減少により噴射加工液の
分散流通性が低下することから、放電間隙に於ける加工
液の圧力・流量が増大することになる。
【0007】このような、前記調整弁の性能に起因する
流量の変動、セカンドカット以降の加工に於ける加工送
りに伴うスリットの形状変化による流量の変動のいずれ
の場合にも、放電間隙の加工液の流量が変化すると、加
工屑濃度及び加工部の冷却作用の変化を生起させて放電
状態が不安定化すると共にワイヤ電極の振動状態が変化
することにより、加工精度が悪化して加工寸法のバラツ
キが大きくなり、また加工面にワイヤ電極に平行なスジ
(線状痕)が形成される。特に、低圧・小流量で加工液
が供給される仕上げ加工に於ては、荒加工時よりも流量
が少なく、また加工屑の生成量も少ないため、流量すな
わち流速の変動による加工屑濃度の変動率が大きくな
り、放電間隙の二次放電の多寡が加工取り代に大きく影
響を与える。また、前記調整弁では、低圧・小流量領域
での調整が不安定で無視できない調整誤差があるので、
放電間隙に於ける加工液流量を一定に制御するには、ノ
ズル室内の圧力を制御対象とするフィードバック自動制
御等の複雑な制御系を必要とする。
【0008】本発明は、従来のノズル装置の有する上述
した問題点に鑑み、荒加工に於て、ノズルと被加工物と
の衝突圧接を防止して寸法精度の良い加工を高速に行な
えると共に、仕上げ加工に於ても、複雑高級な制御装置
を用いることなく、放電間隙に於ける加工液流量の変動
を抑えて、寸法精度の良い仕上げ加工を行ない得る加工
液供給ノズル装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明の加工液供給ノズル装置は、両端面の夫々に
同軸上に円形の開口が形成されたノズル本体と、該ノズ
ル本体内に加工液を供給する加工液供給孔と、前記ノズ
ル本体の前記円形開口の一方の開口に同軸上に嵌挿され
て前記加工液供給孔から供給された加工液の圧力により
軸方向に移動するノズルと、前記ノズル本体に固定して
設けたガイドホルダと、該ガイドホルダ先端部に前記ノ
ズルと同軸上に固定して配置されたダイス状の前記ワイ
ヤガイドと、前記ノズル本体内側の環状段部と前記ノズ
ルの有するフランジ部との間に所定量圧縮変形した状態
で介設された皿バネと、供給加工液の圧力により前記一
方の開口から突出する前記ノズルの移動を所定位置で制
限する第1のストッパと、該ノズルの前記ノズル本体内
に後退する移動を所定位置で制限する第2のストッパと
を備えて成り、前記皿バネとして、第1の設定圧力で加
工液が加圧供給されたとき前記ノズルの前記一方の開口
から突出する移動を許容し、前記第1の設定圧力よりも
小さい第2の設定圧力で加工液が加圧供給されたとき前
記ノズルの移動を阻止するバネ定数(バネに単位長さの
変形を与えるのに必要な力)の皿バネを用いて成ること
を特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】図面に基づき、本発明の実施の形
態の一例を説明する。ワイヤカット放電加工機では、通
常、ベッド上に屹立させたカラムから被加工物の上下位
置に伸長させた上部アームと下部アームの夫々の先端部
に加工液供給ノズル装置を設けて、被加工物の上下両面
から加工液を噴射供給する。また、加工槽内に満たした
加工液中に被加工物を浸漬して加工を行なう場合も、放
電間隙にノズル装置から加工液が噴射供給される。
【0011】図1は、被加工物の上下に設けられるノズ
ル装置の内の下側に設けた本発明のノズル装置を示して
おり、図1(a)は荒加工時の状態を示し、図1(b)
は仕上げ加工時の状態を示す。図に於て、1はワイヤ電
極、2は円筒状のノズル本体であり、該ノズル本体2
は、基部2aとノズルホルダ部2bとからなり、ノズル
ホルダ部2bの上端面と基部2aの下端面の夫々に同軸
上に円形の開口3,4が形成されている。5は上部開口
3に軸方向移動可能に嵌挿されたノズルで、硬度の高い
非導電材料、例えばポリカーボネートにより形成され、
フランジ部5aを有しノズルホルダ部2bから脱落不能
に装着されて、先端のノズル噴出口5bから加工液を噴
射する。6はノズルホルダ部2bの内側に形成された環
状段部3aとノズル5のフランジ部5aとの間に設けた
皿バネであり、該皿バネ6は所定量圧縮変形した状態で
設けられ、ノズル5を下方に常時押圧する。7は加工部
のワイヤ電極1を位置決めする上下一対のダイス状ワイ
ヤガイドのうちの下側ガイドであり、ノズル本体2の基
部2aに固定保持されるガイドホルダ8の先端部にノズ
ル5と同軸上に固定支持され、ガイドホルダ8には中心
部のワイヤ電極挿通孔に連通する加工液流通孔8aが形
成されている。9はノズル本体2内に加工液を供給する
加工液供給孔であって、図示しない加工液供給装置に管
を介して接続され、該供給孔9は流路10を介してノズ
ル室11に連通する。12はノズル室11内を流動する
加工液の圧力により上部開口3から突出する向きに移動
するノズル5の移動をフランジ部5aと当接することに
より制限する第1のストッパであり、13は皿バネ6の
反発力によるノズル5のノズルホルダ部2b内への後退
移動をフランジ部5aと当接することにより制限する第
2のストッパである。また、14は被加工物15が載置
される載物台、16は載物台14を固定支持するXYク
ロステーブル、17,18は該テーブル16をX軸及び
Y軸方向に移動させるX軸モータ及びY軸モータであ
る。尚、テーブル16、各モータ17,18は極めて模
式化した図であって、載物台14がX及びY軸方向に移
動可能であることを示している。19はノズル本体2を
支持する下部アーム、20は軸方向に走行移動するワイ
ヤ電極1を水平方向に案内するガイドローラ、21はワ
イヤ電極1に加工電源から電圧パルスを印加する通電子
である。該通電子21は加工液流通孔8a等から流入す
る加工液によって冷却される。また、15aは加工形成
されたスリット(加工溝)を示す。
【0012】図2は皿バネ6の一例の平面図(a)と正
面図(b)であり、截頭円錐形の環状に例えばポリカー
ボネートにより形成されている。また、図3は皿バネ6
の他の実施例を示す斜視図であり、(a)は菊座状に形
成した皿バネ、(b)は波板状に形成した皿バネを示
す。加工液が供給されていない状態で、皿バネ6が所定
量圧縮変形してノズル5を第2のストッパ13に常時押
し付けるように、環状段部3aとフランジ部5a間の長
さと皿バネ6の厚みとの関係が設計される。そして、皿
バネ6のバネ定数として、荒加工時の高い設定圧力(第
1の設定圧力)で加工液が供給されたときは、ノズル室
11内の液圧によりノズル5が上方へ移動することを許
し、仕上げ加工時の荒加工時よりも低い設定圧力(第2
の設定圧力)で加工液が供給されたときは、ノズル5を
上方へ押圧するノズル室11内の液圧に皿バネ6の反発
力(バネ定数×バネの圧縮変形長さ)が打勝ってノズル
5の移動を許さないバネ定数が選定される。
【0013】また、ノズルを移動させる距離は、第1の
ストッパと第2のストッパ間の僅かな距離であるから、
バネとして変形量の小さい皿バネの使用が可能であり、
装置を小型、軽量に構成することができる。
【0014】このような構成に於て、各モータ17,1
8を数値制御することにより載物台14をX軸及びY軸
に移動させて被加工物15のスタート孔15b(後述第
4図)をノズル噴出口5bに対向させ、リールから繰り
出されたワイヤ電極1を、図では省略した上側ノズル装
置からスタート孔15aを通り、下側ノズル装置のノズ
ル噴出口5b、ワイヤガイド7、下部開口4を通って、
ガイドローラ20から回収機構に到る所定の走行経路に
張架して、所定の張力、速さをもって軸方向に走行移動
させる。加工液としては、通常、イオン交換処理した純
水、あるいは純水に各種粉体、表面活性剤等を添加混合
した水系加工液が用いられ、加工液供給孔9から供給さ
れた加工液は、流路10を通ってノズル室11を満たし
てノズル噴出口5bに向かって流動し、この噴出口5b
からワイヤ電極1を包み込む態様で噴出して、被加工物
15とワイヤ電極1間の放電間隙に供給される。このよ
うにワイヤ電極を張架し加工液を噴射供給した状態で、
加工電源から被加工物15とワイヤ電極1間に間歇的な
電圧パルスを印加して繰返し放電を発生させると共に、
載物台14をX軸及びY軸に数値制御移動して被加工物
15に加工送りを与えることにより、所望輪郭形状の切
断加工が行なわれる。
【0015】そして、第1の設定圧力で加工液が加圧供
給されたとき、軸方向移動可能なノズルが液圧により皿
バネの反発力に抗してノズル本体から突出移動し、その
突出移動量が第1のストッパにより制限される。また、
第2の設定圧力で加工液が加圧供給されたとき、ノズル
は皿バネにより第2のストッパに押圧されたままで移動
しない。このように、供給加工液の設定圧力に応じてノ
ズル先端の位置が2段階に切り替え設定されるから、荒
加工を行なうときには、第1の設定圧力で加工液を加圧
供給することにより、図1(a)に示すように、ノズル
5が第2のストッパに当接していた状態から第1のスト
ッパに当接するまでの所定距離突出して、ノズル5先端
面と被加工物15の下面との間に所定長さL1の隙間を
形成した状態で加工液が噴射される。また、仕上げ加工
時には、図1(b)に示すように、第2の設定圧力で加
工液を加圧供給することにより、ノズル5は第2のスト
ッパに押し付けられたままで移動せず、ノズル5先端面
と被加工物15の下面との間に前記L1より大きい所定
長さL2の隙間を形成した状態で加工液が噴射される。
従って、ノズル本体2の取り付け高さと、ノズル5の第
1のストッパと第2のストッパ間の移動距離(L2−L
1)を適宜設計することにより、前記隙間の所定長さL
1及びL2を所望の長さに設定して、荒加工と仕上げ加
工の各加工を行なうことができる。
【0016】このように、第1の設定圧力による荒加工
時には、隙間L1を小さく設定し殆ど当接(軽接触)状
態として加工液を噴射供給することができるから、噴射
加工液を無駄なくスリット内に注入し、放電間隙に十分
な量の加工液を供給して、生成加工屑を能率良く排出す
ると共に加工部の冷却作用も高めることにより、高速加
工が可能となる。また、荒加工時には、加工送りの後方
に既加工済みのスリットが形成され、噴射加工液はこの
スリットに供給されることになるから、仕上げ加工時の
ように加工送りに伴い噴射加工液の流路断面積が比較的
大きく変化して放電間隙の加工液流量が変動することが
なく、安定した放電状態で寸法精度の良い加工が行なわ
れる。
【0017】また、第2の設定圧力による仕上げ加工時
には、隙間L2を比較的大きく設定して噴射加工液の流
路断面積を増大させ、ノズルから噴出した加工液の一部
を隙間L2から放射状に被加工物表面に沿って流出させ
ることにより、加工送りに伴うスリットの形状変化によ
り流路断面積が変化しても、この変化の影響が隙間L2
からの流出量の変動により吸収されて緩和されるため、
放電間隙に於ける加工液の流量の変動を小さく抑え、放
電間隙の加工屑濃度を適正に維持して、二次放電の影響
を押さえ安定した放電状態で寸法精度の良い加工を行な
うことができる。
【0018】また、仕上げ加工時には、比較的大きく形
成された隙間L2からかなりの量の加工液が流出するこ
とになるから、安定制御可能な程度の低圧・小流量で加
工液を加圧供給した状態で仕上げ加工を行なうことが可
能となり、従って、安定制御が困難な低圧・小流量の領
域で問題となる調整弁の調整誤差等の問題が解消され、
供給加工液の圧力・流量を設定値に安定に調整制御しな
がら仕上げ加工を行なうことができる。
【0019】また通常、被加工物の上側に配置される加
工液供給ノズル装置は、被加工物の板厚に応じて上下位
置を調整するために、カラムから伸長させた上部アーム
先端部に上下位置調整可能に設けられるのに対し、下側
の加工液供給ノズル装置は、下部アームの先端部に固定
して設けられるのが一般的であるが、本発明のノズル装
置によれば、供給加工液の設定圧力によってノズル先端
位置が2段階に切り替え設定されるから、1個のノズル
装置で、前記隙間を2段階の異なった所定長さに設定し
て、荒加工から仕上げ加工まで良好に行なうことができ
る。
【0020】
【実験例】ノズルの外径14mm、ノズル噴出口が直径
6mmで、前記所定長さL1=0.05mm、L2=
0.4mmに設定した本発明のノズル装置を被加工物の
上下両側に配置して、黄銅製0.2mmφのワイヤ電極
を用いて板厚40mmのSKD−11材を加工液浸漬状
態で10mm角のパンチ形状にワイヤカット放電加工し
た。ノズル先端と被加工物表面間に0.05mmの隙間
を形成した状態で、加工液を18kgf/cm2の圧
力、6.0l/minの流量で加圧供給して被加工物の
上下から噴射しながら、所定の電圧パルス条件で荒加工
を行なった後、加工液の供給圧力を1kgf/cm
2 、流量1.0l/minとして、ノズル先端と被加
工物表面間の隙間を0.4mmに切り替え設定した状態
で、順次所定の取代で3回の中加工及び仕上げ加工を所
定の電圧パルス条件で行なった。また比較のため、加工
液加圧供給時に液圧によりノズルが所定量突出し、供給
圧力を低減してもノズルの位置が後退しないノズル装置
を用い、ノズル先端を被加工物に殆ど当接(軽接触)さ
せた状態で、加工液供給状態及び電圧パルス条件を上記
と同じに設定して荒加工を行なった後、加工液供給圧力
を低圧に切り替えて加工液流量1.0l/minの設定
状態で3回中加工及び仕上げ加工を行なう実験(比較例
1)と、熟練者が加工の進行状態に応じて加工液流量を
0.5l/min以下で微調整しながら3回中加工及び
仕上げ加工を行なう実験(比較例2)とを行ない、得ら
れた夫々のパンチ形状製品の寸法を測定した。
【0021】寸法測定はデジタルマイクロメータを用い
て行ない、図4に示す、、、部の各寸法を40
mm厚の製品の上部、中央部、下部に於て測定した。測
定結果を下記の表1に示す。尚、図4に於てAB間は加
工残し部分であり、仕上げ加工終了後、加工除去して製
品を得た。ここでA部では、パンチ形状からかなり離れ
たスタート孔15bからスリットが加工形成され、B部
ではパンチ形状から僅かに離れた位置でスリットの加工
形成が終了している。
【0022】
【表1】
【0023】表1に示す実験結果から、次のことが分か
る。比較例2のように、加工液流量を熟練者が微調整し
ながら仕上げ加工すれば、製品各部の寸法のバラツキの
少ない精度の良い製品が得られる。一方、本発明のノズ
ル装置を用いれば、熟練者の微調整を要することなく、
比較例2と略同等の良好な寸法精度の製品を得ることが
できる。また、ノズルと被加工物間の隙間を荒加工時と
同じ狭い隙間としたままで流量の微調整を行なわない比
較例1では、製品各部の寸法のバラツキが大きく、特に
板厚中央部に於ける前記部や部と部や部の寸法
差は最大8μmに達している。また、加工面を観察する
と、比較例1では四つの角の各コーナ部付近約3mm程
度の箇所に深いスジ(線状痕)が形成されたが、本発明
と比較例2ではスジの形成が少なかった。
【0024】ここで、比較例1に於て大きな寸法のバラ
ツキが生じた理由は、次のように考えることができる。
B部ではパンチ形状から僅かに離れた位置までしかスリ
ットが加工形成されていないから、図4の部の寸法の
右側や部の寸法の上側を加工するとき、ノズル噴出口
に対向するスリットのB部側の長さが短く流路断面積が
小さい。そのため放電間隙を流動する加工液の流速が速
くなることにより、放電間隙からの加工屑の排出が促進
されて二次放電が少なくなり、その結果、部及び部
の外径寸法が大きくなる。このように仕上げ加工時に、
ノズル先端を被加工物に殆ど密着させ、且つ加工中に加
工液の流量を微調整しない場合は寸法精度が良くない。
これに対し、比較例2のように加工中に流量を微調整す
れば良好な寸法精度で加工することができ、本発明によ
れば、流量を微調整しなくても比較例2と略同等の良好
な寸法精度で加工することが可能となる。
【0025】
【発明の効果】本発明の加工液供給ノズル装置を用いれ
ば、ノズル先端と被加工物間に比較的広い所定長さの隙
間を形成した状態で、比較的高い圧力で加工液を供給し
て仕上げ加工が行なわれるから、放電間隙に於ける加工
液の流量の変動を抑えて寸法精度の良い仕上げ加工を行
なうことができる。また、荒加工に於ても、ノズルを被
加工物に衝突圧接させることなく、且つノズル先端と被
加工物間に微小な所定長さの隙間を形成しノズルと被加
工物とを殆ど軽接触させた状態で、高圧で加工液を供給
して加工が行われるから、加工部のワイヤ電極を位置決
めするワイヤガイドを変位させることなく寸法精度の良
い加工が行なえると共に、放電間隙に十分大量の加工液
を供給して高速加工を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加工液供給ノズル装置の一例の荒加工
時(a)と仕上げ加工時(b)の状態を示す正面断面
図。
【図2】本発明の加工液供給ノズル装置に使用される皿
バネの一例を示す平面図(a)と正面図(b)。
【図3】本発明の加工液供給ノズル装置に使用される皿
バネの他の二例を示す斜視図。
【図4】実験結果を説明するための平面図。
【符号の説明】 1…………ワイヤ電極 2…………ノズル本体 2a………基部 2b………ノズルホルダ部 3…………円形開口 3a………環状段部 4…………円形開口 5…………ノズル 5a………フランジ部 5b………ノズル噴出口 6…………皿バネ 7…………ダイス状ワイヤガイド 8…………ガイドホルダ 8a………加工液流通孔 9…………加工液供給孔 10………流路 11………ノズル室 12………第1のストッパ 13………第2のストッパ 14………載物台 15………被加工物 15a……スリット 15b……スタート孔 16………XYクロステーブル 17………X軸モータ 18………Y軸モータ 19………下部アーム 20………ガイドローラ 21………通電子

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 間隔を置いて配置した一対のワイヤガイ
    ド間を軸方向に走行移動するワイヤ電極に微小な放電間
    隙を介して被加工物を対向配置し、前記放電間隙に加工
    液を供給した状態で、ワイヤ電極と被加工物間に間歇的
    な電圧パルスを印加して繰返し放電を発生させると共
    に、両者間に相対的な加工送りを与えて所望輪郭形状の
    切断加工を行なうワイヤカット放電加工機に於て、前記
    放電間隙に加工液をワイヤ電極包皮状態で噴射して供給
    するノズル装置であって、 両端面の夫々に同軸上に円形の開口が形成されたノズル
    本体と、該ノズル本体内に加工液を供給する加工液供給
    孔と、前記ノズル本体の前記円形開口の一方の開口に同
    軸上に嵌挿されて前記加工液供給孔から供給された加工
    液の圧力により軸方向に移動するノズルと、前記ノズル
    本体に固定して設けたガイドホルダと、該ガイドホルダ
    先端部に前記ノズルと同軸上に固定して配置されたダイ
    ス状の前記ワイヤガイドと、前記ノズル本体内側の環状
    段部と前記ノズルの有するフランジ部との間に所定量圧
    縮変形した状態で介設された皿バネと、供給加工液の圧
    力により前記一方の開口から突出する前記ノズルの移動
    を所定位置で制限する第1のストッパと、該ノズルの前
    記ノズル本体内に後退する移動を所定位置で制限する第
    2のストッパとを備えて成り、前記皿バネとして、第1
    の設定圧力で加工液が加圧供給されたとき前記ノズルの
    前記一方の開口から突出する移動を許容し、前記第1の
    設定圧力よりも小さい第2の設定圧力で加工液が加圧供
    給されたとき前記ノズルの移動を阻止するバネ定数の皿
    バネを用いて成ることを特徴とするワイヤカット放電加
    工機の加工液供給ノズル装置。
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