JPH11274049A - 位置測定方法および位置測定装置並びに露光装置 - Google Patents

位置測定方法および位置測定装置並びに露光装置

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JPH11274049A
JPH11274049A JP10076297A JP7629798A JPH11274049A JP H11274049 A JPH11274049 A JP H11274049A JP 10076297 A JP10076297 A JP 10076297A JP 7629798 A JP7629798 A JP 7629798A JP H11274049 A JPH11274049 A JP H11274049A
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bending
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interferometer
position measuring
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JP10076297A
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Motomasa Imai
基勝 今井
Yasuo Araki
康雄 荒木
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Nikon Corp
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70691Handling of masks or workpieces

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 平面鏡がずれてしまった場合でも製造品に不
良を生じず、またメンテナンスにも時間をかけない。 【解決手段】 互いにほぼ直交する第1および第2方向
に沿ってステージ8に設けられる2つの反射面22X、
22Yに、それぞれレーザビームを照射する光波干渉計
14の出力と、2つの反射面22X、22Yの少なくと
も一方に関して計測された曲がり量とに基づいて、第1
および第2方向に関するステージ8の座標位置を測定す
る。ステージ8に保持される物体の処理に伴う計測され
た曲がり量を用いたステージ8の移動中に、光波干渉計
14の出力に基づいて少なくとも一方の反射面22X、
22Yに関する曲がり量を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平面内で二次元移
動するステージの位置測定方法および位置測定装置並び
に露光装置に関し、特に、半導体装置の加工、検査等の
ように極めて高い精度が要求される測定する際に用いて
好適な位置測定方法および位置測定装置並びに露光装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、VLSIのパターン転写に用い
られる各種露光装置(ステッパー等)、転写マスクの描
画装置、マスクパターンの位置座標測定装置、あるいは
その他の位置決め装置では、対象物を保持して直交する
二軸(X、Y軸)方向に精密に移動するXYステージが
用いられている。このXYステージの座標計測には、例
えば、波長633nmで連続発振するHe−Neの周波
数安定化レーザを光源とした光波干渉計(レーザ干渉
計)が使われている。
【0003】レーザ干渉計は、本質的に一次元の測定し
かできないため、二次元の座標測定には同一のレーザ干
渉計二組用意する。そして、XYステージには、反射面
が互いにほぼ直交する二つの平面鏡を固定し、この二つ
の平面鏡の各々にレーザ干渉計からのビームを投射し、
各反射面の垂直方向の距離変化を計測することでステー
ジの二次元の座標位置が求められる。二つの平面鏡の各
反射面は、ステージの必要移動ストロークに合わせて、
x方向、y方向に延在するものとなっている。
【0004】このような平面鏡は、座標測定の基準とな
るので、その反射面は極めて高い平面性が要求されてい
る。例えば、レーザ干渉計の計測分解能は0.01μm
程度であり、また平面鏡の反射面の長さは、6インチの
半導体ウエハを載置するステージの場合、250mm程
度が必要とされている。
【0005】すなわち、250mmの反射面が全体的に
傾いていたり、部分的に曲がっていたり、あるいは局所
的な凹凸があった場合、その量が0.01μm以上ある
と、それがレーザ干渉計の計測値として取り込まれてし
まう。従って、平面鏡が0.05μmだけ曲がっていた
とすると、ステージの位置測定、または位置決めは、
0.05μmだけ理想的な直交座標系から曲がった曲線
(または斜交)座標系に従って行われることになる。
【0006】このため、平面鏡はできるだけ平面になる
ように製作されるが、製作誤差によって0.02μm程
度の凹凸が残っていた。もちろん、平面鏡の加工方法等
によっては、それ以上の精度も出すことも可能である
が、製作コストが格段に高くなるだけで、実際に二次元
移動ステージに固定するときの歪みや、その後の経時変
化により0.02μm以下の平面度を維持することは不
可能である。
【0007】そこで、従来、特開平3−10105号公
報に示されるように、上記二つの平面鏡の各々に対し
て、反射面の局部的な曲がり量を検出する計測手段を設
け、この計測手段により二つの平面鏡の曲がり量をほぼ
同時に計測、算出し、両方の計測値の差分を求めること
でステージの直進性の誤差が相殺された真の曲がり量を
求めて装置定数として扱う方法や装置が採用されてい
る。
【0008】この方法では、真の曲がり量をステージの
一方向の適当な位置関係毎に求めて記憶し、以後ステー
ジのこの方向の位置に応じてレーザ干渉計の計測値を補
正することにより平面鏡の曲がりが全くない場合と同様
の精度で位置計測を行うことができる。そして、同時
に、この位置計測結果に基づいて、ステージを目標位置
に位置決めすることができる。さらに、上記方法では、
ステージの二次元位置だけでなく、ヨーイング量も計測
して、この計測結果に基づいてステージを補正すること
ができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の位置測定方法および位置測定装置並びに
露光装置には、以下のような問題が存在する。平面鏡の
真の曲がり量を計測、記憶し、この記憶結果に基づいて
ステージの位置を補正しても、真の曲がり量を装置定数
として設定した後に平面鏡がずれることがある。これ
は、平面鏡をステージに固定した際の応力、ステージの
高速移動、平面鏡に加わる熱が主な原因として発生する
ものである。
【0010】この場合、ステージの位置が正しく計測さ
れないため、例えば、半導体製造装置では、マスクパタ
ーンの像を正確にウエハ上に転写できなくなってしま
う。この状態は、半導体素子製造後の検査工程で、この
半導体素子を検査するまで発見できないことが多かっ
た。
【0011】そのため、製造された半導体素子に不良品
が発生したり、再度装置を取り付けて平面鏡の曲がり量
を計測し直す必要が生じメンテナンスに時間がかかると
いう不都合があった。
【0012】本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、平面鏡がずれてしまった場合でも製造品に
不良が生じることなく、またメンテナンスにも時間のか
からない位置測定方法および位置測定装置並びに露光装
置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、実施の形態を示す図1ないし図7に対応
付けした以下の構成を採用している。請求項1記載の位
置測定方法は、互いにほぼ直交する第1および第2方向
(xおよびy方向)に沿ってステージ(8)に設けられ
る2つの反射面(22X、22Y)に、それぞれレーザ
ビームを照射する光波干渉計(14)の出力と、2つの
反射面(22X、22Y)の少なくとも一方に関して計
測された曲がり量とに基づいて、第1および第2方向
(xおよびy方向)に関するステージ(8)の座標位置
を測定する位置測定方法において、ステージ(8)に保
持される物体の所定の処理に伴う前記計測された曲がり
量を用いたステージ(8)の移動中に、光波干渉計(1
4)の出力に基づいて少なくとも一方の反射面(22
X、22Y)に関する曲がり量を算出するものである。
【0014】従って、本発明の位置測定方法では、光波
干渉計(14)が第1および第2方向(xおよびy方
向)に沿ってステージ(8)に設けられた2つの反射面
(22X、22Y)にそれぞれレーザビームを照射する
ことにより、2つの反射面(22X、22Y)に関する
曲がり量を計測すると共に、光波干渉計(14)の出力
と少なくとも一方の反射面(22X、22Y)に関する
曲がり量とに基づいて第1および第2方向(xおよびy
方向)に関するステージ(8)の座標位置を測定するこ
とができる。そして、この位置測定方法では、上記計測
された曲がり量を用いてステージ(8)を移動させなが
ら、ステージ(8)に保持された物体(W)に対して所
定の処理をすることができる。また、この位置測定方法
では、物体(W)の処理に伴うステージ(8)の移動中
においても、光波干渉計(14)の出力に基づいて少な
くとも一方の反射面(22X、22Y)に関する曲がり
量を算出することができる。
【0015】請求項2記載の位置測定方法は、請求項1
記載の位置測定方法において、算出された曲がり量が、
物体(W)の所定の処理後におけるステージ(8)の移
動に利用される、またはステージ(8)の移動を確認す
るために前記計測された曲がり量との比較に利用される
ものである。
【0016】従って、本発明の位置測定方法では、物体
(W)の処理に伴うステージ(8)の移動中において
も、光波干渉計(14)の出力に基づいて少なくとも一
方の反射面(22X、22Y)に関する曲がり量が算出
される。そして、この位置測定方法では、算出された曲
がり量に基づいて物体(W)の所定の処理後におけるス
テージ(8)の移動を補正することができる、またはス
テージ(8)の移動を確認するために計測された曲がり
量との比較に利用することができる。
【0017】請求項3記載の位置測定方法は、請求項2
記載の位置測定方法において、計測された曲がり量と算
出された曲がり量との偏差が所定値を越えたときに、物
体(W)の所定の処理に関して異常が発生していると判
定するものである。
【0018】従って、本発明の位置測定方法では、計測
された曲がり量と算出された曲がり量との偏差が所定値
を越えたときに、物体(W)の所定の処理に関して何ら
かの異常が発生していると判定することができる。
【0019】請求項4記載の位置測定方法は、請求項1
から3のいずれか一項に記載の位置測定方法において、
ステージ(8)が、光波干渉計(14)の出力に対応し
た計測位置を前記曲がり量で補正して得られる座標位置
に従って移動され、物体(W)の所定の処理後に、算出
された曲がり量に基づいて補正された座標位置を随時更
新するものである。
【0020】従って、本発明の位置測定方法では、光波
干渉計(14)の出力に対応した計測位置を曲がり量で
補正して得られる座標位置に従って、ステージ(8)を
移動させることができる。そして、この位置測定方法で
は、物体(W)の所定の処理後に、算出された曲がり量
に基づいて補正された座標位置を随時更新することがで
きる。
【0021】請求項5記載の位置測定方法は、請求項1
から4のいずれか一項に記載の位置測定方法において、
2つの反射面の一方(22X、22Y)に関する曲がり
量を算出するために、2つの反射面の他方(22Y、2
2X)に照射される少なくとも2本のレーザビームに対
応する光波干渉計(14)の出力に基づいて、第1およ
び第2方向(xおよびy方向)を含む面内でのステージ
(8)の回転量を検出するものである。
【0022】従って、本発明の位置測定方法では、2つ
の反射面の他方(22Y、22X)に照射される少なく
とも2本のレーザビームに対応する光波干渉計(14)
の出力に基づいて、第1および第2方向(xおよびy方
向)を含む面内でのステージ(8)の回転量を検出する
ことにより、2つの反射面(22X、22Y)の一方に
関する曲がり量を算出することができる。
【0023】請求項6記載の位置測定装置は、互いにほ
ぼ直交する第1および第2方向(xおよびy方向)に沿
ってステージ(8)に設けられる第1および第2反射面
(22Y、22X)にそれぞれレーザビーム(BYθ
1、BYθ2およびBXθ1、BXθ2)を照射する光
波干渉計(14)と、第1および第2反射面(22Y、
22X)の少なくとも一方に関する曲がり量を記憶する
メモリとを備え、光波干渉計(14)の出力と記憶され
た曲がり量とに基づいて、第1および第2方向(xおよ
びy方向)に関するステージ(8)の座標位置を測定す
る位置測定装置において、ステージ(8)に保持される
物体(W)の所定の処理に伴い、記憶された曲がり量を
用いてステージ(8)を移動している間に、光波干渉計
(14)の出力に基づいて少なくとも一方の反射面(2
2X、22Y)に関する曲がり量を算出する演算器を備
えたことを特徴とするものである。
【0024】従って、本発明の位置測定装置では、光波
干渉計(14)が第1および第2方向(xおよびy方
向)に沿ってステージ(8)に設けられた第1および第
2反射面(22Y、22X)にそれぞれレーザビーム
(BYθ1、BYθ2およびBXθ1、BXθ2)を照
射することにより、第1および第2反射面(22Y、2
2X)に関する曲がり量を計測して、少なくとも一方の
曲がり量をメモリに記憶することができる。そして、光
波干渉計(14)の出力とメモリに記憶された曲がり量
とに基づいて第1および第2方向(xおよびy方向)に
関するステージ(8)の座標位置を測定することができ
る。
【0025】ここで、この位置測定装置では、上記計記
憶された曲がり量を用いてステージ(8)を移動させな
がら、ステージ(8)に保持された物体(W)に対して
所定の処理をすることができる。また、この位置測定装
置では、物体(W)の処理に伴うステージ(8)の移動
中においても、演算器により、光波干渉計(14)の出
力に基づいて少なくとも一方の反射面(22X、22
Y)に関する曲がり量を算出することができる。
【0026】請求項7記載の位置測定装置は、請求項6
記載の位置測定装置において、光波干渉計(14)が、
第1方向(x方向)に離れた少なくとも2本のレーザビ
ーム(BYθ1、BYθ2)を第1反射面(22Y)に
照射する第1干渉計(YθI)と、第2方向(y方向)
に離れた少なくとも2本のレーザビーム(BXθ1、B
Xθ2)を第2反射面(22X)に照射する第2干渉計
(XθI)とを有し、演算器が、第1反射面(22Y)
に関する曲がり量を算出するために、第2干渉計(Xθ
I)によって検出される第1および第2方向(xおよび
y方向)を含む面内でのステージ(8)の回転量を用い
るものである。
【0027】従って、本発明の位置測定装置では、ま
ず、第2干渉計(XθI)が第2方向(y方向)に離れ
たレーザビーム(BXθ1、BXθ2)を第2反射面
(22X)に照射することにより第1および第2方向
(xおよびy方向)を含む面内でのステージ(8)の回
転量を検出する。また、第1干渉計(YθI)が第1方
向(x方向)に離れたレーザビーム(BYθ1、BYθ
2)を第1反射面(22Y)に照射することにより、第
1反射面(22Y)の曲がり量を計測することができ
る。そして、演算器が、検出されたステージ(8)の回
転量と計測された第1反射面(22Y)の曲がり量とに
基づいて、第1反射面(22Y)の真の曲がり量を算出
することができる。
【0028】請求項8記載の位置測定装置は、請求項6
または7記載の位置測定装置において、演算器が記憶さ
れた曲がり量および算出された曲がり量の偏差と所定値
とを比較する比較回路を有しており、偏差が所定値を越
えるときに警告を発するものである。
【0029】従って、本発明の位置測定装置では、演算
器の比較回路が、メモリに記憶された曲がり量および算
出された曲がり量の偏差と、所定値とを比較して、偏差
が所定値を越えるときに警告を発することができる。
【0030】請求項9記載の露光装置は、請求項6から
8のいずれか一項に記載された位置測定装置が、マスク
(R)を保持するマスクステージ(7)と、マスク
(R)のパターンが転写される基板(W)を保持する基
板ステージ(8)との少なくとも一方に設けられ、光波
干渉計(14)の出力を記憶された曲がり量で補正して
得られる座標位置を、算出された曲がり量で随時更新し
て、マスク(R)のパターンに対する基板(W)の露光
位置を調整するアライメント・コントローラ(24)を
備えたことを特徴とするものである。
【0031】従って、本発明の露光装置では、光波干渉
計(14)が第1および第2方向(xおよびy方向)に
沿って、マスクステージ(7)と基板ステージ(8)と
の少なくとも一方に設けられた第1および第2反射面
(22Y、22X)にそれぞれレーザビームを照射する
ことにより、第1および第2反射面(22Y、22X)
に関する曲がり量を計測して、少なくとも一方の曲がり
量をメモリに記憶することができる。
【0032】そして、この露光装置では、アライメント
・コントローラ(24)が、光波干渉計(14)の出力
をメモリに記憶された曲がり量で補正して得られる座標
位置を、演算器で算出された曲がり量で随時更新するこ
とにより、マスク(R)のパターンに対する基板(W)
の露光位置を調整することができる。
【0033】請求項10記載の露光装置は、請求項9記
載の露光装置において、基板(W)の複数の区画領域に
それぞれマスク(R)のパターンを順次転写している間
に、光波干渉計(14)の出力から一方の反射面(22
X、22Y)に関する曲がり量が算出されることを特徴
とするものである。
【0034】従って、本発明の露光装置では、基板
(W)の複数の区画領域にそれぞれマスク(R)のパタ
ーンを順次転写している間に、光波干渉計(14)が第
1および第2方向(xおよびy方向)に沿って、マスク
ステージ(7)と基板ステージ(8)との少なくとも一
方に設けられた第1および第2反射面(22Y、22
X)にそれぞれレーザビームを照射することにより、第
1および第2反射面(22Y、22X)に関する曲がり
量を計測して、少なくとも一方の曲がり量をメモリに記
憶することができる。
【0035】そして、この露光装置では、アライメント
・コントローラ(24)が、光波干渉計(14)の出力
をメモリに記憶された曲がり量で補正して得られる座標
位置を、基板(W)の複数の区画領域にそれぞれマスク
(R)のパターンを順次転写している間に演算器で算出
された曲がり量で随時更新することにより、マスク
(R)のパターンに対する基板(W)の露光位置を調整
することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の位置測定方法およ
び位置測定装置並びに露光装置の実施の形態を、図1な
いし図7を参照して説明する。ここでは、位置測定装置
を、ウエハをステップ・アンド・リピート方式で移動さ
せることによりウエハの区画された複数の露光領域に、
順次レチクルのパターンを投影転写するいわゆるステッ
パーにおいて、所定の処理(露光処理)を施される物体
であるウエハを保持するウエハステージに設ける場合の
例を用いて説明する。なお、ウエハステージが移動する
ほぼ直交する方向をx方向(第1方向)およびy方向
(第2方向)とする。
【0037】図2において、符号1は、露光装置であ
る。露光装置1は、防振台2,2によって防振された定
盤3の上に載置された露光装置本体4と、該露光装置本
体4を取り囲むチャンバ5とを備えるものである。露光
装置本体4には、照明光学系6と投影光学系PLとが設
けられている。
【0038】照明光学系6は、オプチカルインテグレー
タ(フライアイレンズ、またはロッド・インテグレー
タ)、可変視野絞り(レチクル・ブラインド)、および
その瞳面上での露光光(例えば二次光源)の形状や大き
さを規定する開口絞りなどを含み、露光光をレチクル・
ブラインドによって規定されるレチクル(マスク)R上
の照明領域に照明するものである。投影光学系PLは、
照明光学系6によって照明されたレチクルRのパターン
像PIをウエハ(基板)Wの上記区画領域に1/4また
は1/5に縮小して順次投影するものである。
【0039】図1に示すように、レチクルRは、投影光
学系PLの光軸AXと垂直な面内で二次元移動するレチ
クルステージ(マスクステージ)7上に保持されてい
る。ウエハWは、ウエハステージ(基板ステージ)8に
保持されている。ウエハステージ8には、該ウエハステ
ージ8をx方向に移動させるモータ9Xと、ウエハステ
ージ8をy方向に移動させるモータ9Yとがそれぞれ設
けられている。また、ウエハステージ8には、ウエハW
とほぼ等しい高さ位置に、アライメント系のキャリブレ
ーション等に用いられる基準マーク板FMが固設されて
いる。
【0040】さらに、ウエハステージ8の互いに直交す
る端縁には、移動鏡MX、MYがウエハステージ8上に
固定されている。移動鏡MXは、その反射面(第2反射
面)22Xがy方向に沿って延在するように設けられて
いる。移動鏡MYは、その反射面(第1反射面)22Y
がx方向に沿って延在するように設けられている。ま
た、ウエハステージ8には、位置測定装置13が設けら
れている。
【0041】位置測定装置13は、x方向およびy方向
に関するウエハステージ8の座標位置を測定するもので
あって、レーザ干渉計(光波干渉計)14およびアライ
メント・コントローラ24を備えた構成とされている。
レーザ干渉計14は、干渉計XI、YIとθ干渉計(第
2干渉計)XθIとθ干渉計(第1干渉計)YθIとか
ら構成されている。
【0042】干渉計XIは、プレーンミラー干渉計と呼
ばれ、ウエハステージ8のx方向の位置を検出するもの
であって、ビームスプリッタ2Xとミラー6Xとレシー
バ10Xと不図示のカウンタ回路等で構成されている。
ビームスプリッタ2Xは、He−Neレーザビーム1X
を偏光方向によって移動鏡MXへ向かう測定用ビームB
Xと、図3に示すように、ミラー6Xを介して投影光学
系PLに固定された参照用鏡7Xへ向かう参照用ビーム
BXrの2つに分けるものである。
【0043】He−Neレーザビーム1Xは、周波数差
を有すると共に、互いに直交した偏光成分(P偏光およ
びS偏光)から構成されている。図4に示すように、移
動鏡MXの反射面22Xには、干渉計XIからの測定用
ビームBXが垂直に投射されている。また、この測定用
ビームBXは、その中心線がx軸と平行、且つその延長
線が投影光学系PLの光軸AXが通る原点で交わるよう
に投射されるものである。
【0044】また、図3に示すように、ビームスプリッ
タ2Xと移動鏡MXとの間におけるビームBXの光路中
には、1/4波長板(以下、λ/4板と称する)3Aが
配置されている。そして、ビームスプリッタ2Xと参照
鏡7Xとの間におけるビームBXrの光路中には、λ/
4板3Bが配置されている。ビームスプリッタ2Xの下
側には、コーナキューブ5Xが固定されている。
【0045】レシーバ10Xは、参照鏡7Xからの反射
ビームと移動鏡MXからの反射ビームとを同軸に入射し
て両反射ビームの干渉によるフリンジの変化を光電検出
するものである。カウンタ回路は、干渉計XIのレシー
バ10Xから出力される信号をデジタルな座標値DXC
に変換する機能を有している。
【0046】干渉計YIは、干渉計XIと同様に、プレ
ーンミラー干渉計と呼ばれ、ウエハステージ8のy方向
の位置を検出するものであって、ビームスプリッタ2Y
とミラー6Yとレシーバ10Yと不図示のカウンタ回路
等で構成されている。ビームスプリッタ2Yは、He−
Neレーザビーム1Yを偏光方向によって移動鏡MYへ
向かう測定用ビームBYと、ミラー6Yを介して投影光
学系PLに固定された参照用鏡(不図示)へ向かう参照
用ビームBYrの2つに分けるものである。
【0047】He−Neレーザビーム1Yは、周波数差
を有すると共に、互いに直交した偏光成分(P偏光およ
びS偏光)から構成されている。図4に示すように、移
動鏡MYの反射面22Yには、干渉計YIからの測定用
ビームBYが垂直に投射されている。また、この測定用
ビームBYは、その中心線がy軸と平行、且つその延長
線が投影光学系PLの光軸AXが通る原点で交わるよう
に投射されるものである。
【0048】レシーバ10Yは、参照鏡からの反射ビー
ムと移動鏡MYからの反射ビームとを同軸に入射して両
反射ビームの干渉によるフリンジの変化を光電検出する
ものである。カウンタ回路は、干渉計YIのレシーバ1
0Yから出力される信号をデジタルな座標値DYCに変
換する機能を有している。
【0049】なお、ビームスプリッタ2Yと移動鏡MY
との間におけるビームBYの光路中およびビームスプリ
ッタ2Yと参照鏡との間におけるビームBYrの光路中
に配置されるλ/4板については、干渉計XIと全く同
様の構造なので、その詳細説明は省略する。
【0050】図1に示すように、θ干渉計XθIは、移
動鏡MXの反射面22Xの曲がり量を計測するものであ
って、直交する2つの偏光で一定の周波数差を有するレ
ーザビーム11Xを入射して2方向に分岐させるビーム
スプリッタ12Xと、該ビームスプリッタ12Xで反射
した一部のビームを移動鏡MXの方向へ反射させるミラ
ー13Xと、レシーバ17Xと、デジタルカウンタ23
X等で概略構成されている。
【0051】図5に示すように、ビームスプリッタ12
Xで分岐されたレーザビーム11Xの一方は、ミラー1
3Xおよびλ/4板14Aを介してビームBXθ1とし
て移動鏡MXの反射面22Xに垂直に投射されている。
また、ビームスプリッタ12Xで分岐されたレーザビー
ム11Xの他方は、ミラー15X、16Xおよびλ/4
板14Bを介してビームBXθ2として移動鏡MXの反
射面22Xに垂直に、且つビームBXθ1と互いに平行
に所定間隔SXをあけて投射されている。そして、これ
らのビームBXθ1とビームBXθ2とのほぼ中間に
は、干渉計XIからの測定用ビームBXが位置してい
る。
【0052】レシーバ17Xは、移動鏡MXの反射面2
2Xで反射してビームBXθ1と同軸に戻ってくる反射
ビームと、ビームBXθ2と同軸に戻ってくる反射ビー
ムとをビームスプリッタ12Xを介して同軸に入射して
両反射ビームの干渉によるフリンジの変化を光電検出す
るものである。デジタルカウンタ23Xは、レシーバ1
7Xから出力される計測信号をデジタルデータDθXに
変換して後述する座標補正系15に出力するものであ
る。
【0053】図1に示すように、θ干渉計YθIは、移
動鏡MYの反射面22Yの曲がり量を計測するものであ
って、直交する2つの偏光で一定の周波数差を有するレ
ーザビーム11Yを入射して2方向に分岐させるビーム
スプリッタ12Yと、該ビームスプリッタ12Yで反射
した一部のビームを移動鏡MYの方向へ反射させるミラ
ー13Yと、レシーバ17Yと、デジタルカウンタ23
Y等で概略構成されている。
【0054】ビームスプリッタ12Yで分岐されたレー
ザビーム11Yの一方は、ミラー13Yで反射して図4
に示すように、ビームBYθ1として移動鏡MYの反射
面22Yに垂直に投射されている。また、ビームスプリ
ッタ12Yで分岐されたレーザビーム11Yの他方は、
ビームBYθ2として移動鏡MYの反射面22Yに垂直
に、且つビームBYθ1と互いに平行に所定間隔をあけ
て投射されている。そして、これらのビームBYθ1と
ビームBYθ2とのほぼ中間には、干渉計YIからの測
定用ビームBYが位置している。
【0055】レシーバ17Yは、移動鏡MYの反射面2
2Yで反射してビームBYθ1と同軸に戻ってくる反射
ビームと、ビームBYθ2と同軸に戻ってくる反射ビー
ムとをビームスプリッタ12Yを介して同軸に入射して
両反射ビームの干渉によるフリンジの変化を光電検出す
るものである。デジタルカウンタ23Yは、θ干渉計Y
θIのレシーバ17Yから送出される計測信号をデジタ
ルデータDθYに変換して後述する座標補正系15に出
力するものである。
【0056】なお、ミラー13Yと移動鏡MYとの間に
配置されるλ/4板、およびビームスプリッタ12Yと
移動鏡MYとの間に配置されるλ/4板、ミラーについ
ては、θ干渉計XθIと同様であるのでその説明を省略
する。また、θ干渉計XθI、YθIは、実際には不図
示の固定鏡を基準として、移動鏡MX、MYの2点での
光路差を計測する構成になっている。
【0057】一方、アライメント・コントローラ24
は、レチクルRのパターンに対してウエハWの露光位置
を調整するものであって、座標補正系15と制御系16
とから概略構成されている。
【0058】座標補正系15は、いずれも不図示の演算
器およびメモリを備えている。演算器は、デジタルカウ
ンタ23X、23Yからそれぞれ出力されたデジタルデ
ータDθX、DθYに基づいて、移動鏡MXの反射面2
2Xおよび移動鏡MYの反射面22Yに関する曲がり量
をそれぞれ算出すると共に、メモリに記憶するものであ
って、不図示の比較回路を有している。また、この演算
器は、ウエハステージ8の移動中においても移動鏡MX
の反射面22Xおよび移動鏡MYの反射面22Yに関す
る曲がり量をそれぞれ算出する構成とされている。
【0059】一方、メモリは、上記算出された反射鏡2
2X、22Yの曲がり量を個々に記憶すると共に、予め
設定される警告値(所定値)を記憶している。比較回路
は、メモリに記憶されている反射鏡22X、22Yの曲
がり量およびウエハステージ8の移動中に新たに算出さ
れた反射鏡22X、22Yの曲がり量の偏差と上記警告
値とを比較して、この偏差が警告値を越えるときに演算
器が警告を発する機能を備えている。
【0060】制御系16は、カウンタ回路で変換された
座標値DXC、DYCを、座標補正系15のメモリに記
憶された移動鏡MX、MYの曲がり量に基づいて補正す
る機能と、目標位置に対してウエハステージ8のモータ
9X、9Yを駆動する指令DSX、DSYを出力する機
能とを備えている。
【0061】また、この制御系16は、ウエハWの複数
の区画領域にレチクルRのパターンを順次転写している
間に、移動鏡MXの反射面22Xまたは移動鏡MYの2
2Yの曲がり量を算出するように座標補正系15を制御
すると共に、上記座標値DXC、DYCを補正して得ら
れたウエハステージ8の座標位置を、新たに得られた反
射面22X、22Yの曲がり量で随時更新する機能を備
えている。
【0062】また、図4に示すように、投影光学系PL
のフィールド外には、ウエハW上のアライメントマーク
(不図示)や基準マーク板FMの位置検出を行うオフ・
アキシス方式のウエハアライメント系WR、WLが固定
されている。ウエハアライメント系WR、WLの各検出
中心は、原点Oを通るy軸を挟んでx方向に対称に配置
されている。また、各検出中心のx方向の間隔は、予め
設定された一定値(ウエハWの直径より小さい値)に固
定されている。
【0063】なお、ウエハアライメント系WR、WL
は、それぞれウエハW上のx方向アライメントマークと
y方向アライメントマークとを同一対物レンズを介して
光電検出できるように、すなわち、マークの2次元の位
置ずれ検出が可能なように構成されている。
【0064】上記の構成の露光装置の内、まず位置測定
装置を構成する干渉計XI、YIの作用について以下に
説明する。
【0065】干渉計X1において、図3に示すように、
P偏光およびS偏光を有するレーザビーム1Xは、まず
ビームスプリッタ2Xに入射して、ここで偏光方向によ
って移動鏡MXへ向かう測定用ビームBXと、ミラー6
Xを介して参照鏡7Xへ向かう参照用ビームBXrとに
分離される。この際、ビームスプリッタ2Xで反射して
ミラー6Xへ向かう参照用ビームBXrはS偏光である
が、λ/4板3Bによって円偏光となって参照鏡7Xの
下半分に投射される。そして、参照鏡7Xで反射された
参照用ビームBXrは元の光路を戻る。
【0066】このとき、反射ビームは、λ/4板3Bを
通ることによって送り光と直交したP偏光に変換され、
ビームスプリッタ2Xを透過してコーナキューブ5Xで
逆方向に反射され、再びビームスプリッタ2Xに入射す
る。P偏光のビームは、ビームスプリッタ2Xを透過し
て、再びミラー6X、λ/4板3Bを介して参照鏡7X
の上半分に到達する。ここで反射されたビームは、λ/
4板3B、ミラー6Xの順に戻り、S偏光に変換され
る。そして、ビームスプリッタ2Xで反射してレシーバ
10Xに入射する。
【0067】一方、ビームスプリッタ2Xを透過したレ
ーザビーム1Xの一部であり、P偏光の測定用ビームB
Xは、λ/4板3Aを介して移動鏡MXの反射面22X
の下半分に投射される。ここで反射された測定用ビーム
BXは、λ/4板3Aを介してS偏光に変換され、ビー
ムスプリッタ2Xで下方に反射される。そして、この測
定用ビームBXは、コーナキューブ5Xで逆方向に戻さ
れる。
【0068】コーナキューブ5XからのS偏光のビーム
は、再びλ/4板3Aを介して移動鏡MXの反射面22
Xの上半分に投射され、そこでの反射ビームは、λ/4
板3A、ビームスプリッタ2Xを介してP偏光に変換さ
れてレシーバ10Xに入射する。レシーバ10Xは、移
動鏡MXからの反射ビームと、参照鏡7Xからの反射ビ
ームとを偏光方向を合わせて互いに干渉させる。
【0069】そして、レシーバ10Xは、レーザビーム
1Xの偏光方向の違いによる周波数差を利用して、ヘテ
ロダイン方式で2つのビームBX、BXrにおける光路
の差の変化量を検出することができる。ここで検出され
た変化量は、カウンタ回路へ出力されてウエハステージ
8のx方向の座標値DXCとして変換される。
【0070】なお、干渉計YIについては、干渉計XI
と全く同様の構造であるので詳細な説明を省略するが、
干渉計YIはレーザビーム1Yの偏光方向の違いによる
周波数差を利用して、2つのビームBY、BYrにおけ
る光路の差の変化量を検出することができる。そして、
検出された変化量は、カウンタ回路へ出力されてウエハ
ステージ8のy方向の座標値DYCとして変換される。
【0071】続いて、θ干渉計XθIの作用について説
明する。図5に示すように、θ干渉計XθIにおいて、
P偏光およびS偏光を有するレーザビーム11Xは、ま
ずビームスプリッタ12Xに入射して、ここで偏光方向
によって分離される。すなわち、S偏光のビームは、ミ
ラー13X、λ/4板14Aを介して移動鏡MXの反射
面22Xの一点にビームBXθ1として垂直に投射され
る。また、ビームスプリッタ12Xを透過したP偏光の
ビームは、ミラー15X、16X、λ/4板14Bを介
して、移動鏡MXの反射面22Xの別の点にビームBX
θ2として垂直に投射される。
【0072】そして、ビームスプリッタ12Xが、ビー
ムBXθ1と同軸に戻ってくる反射ビームと、ビームB
Xθ2と同軸に戻ってくる反射ビームとをレシーバ17
Xへ向けて同軸に合成する。レシーバ17Xは、合成さ
れた反射ビームを偏光方向を合わせて互いに干渉させ
て、反射ビームの偏光方向の違いによる周波数差を利用
して、ヘテロダイン方式で2つのビームBXθ1、BX
θ2における光路差の変化量を検出する。
【0073】なお、θ干渉計YθIについては、θ干渉
計XθIと全く同様の構造であるので詳細な説明を省略
するが、θ干渉計YθIはレーザビーム11Yの偏光方
向の違いによる周波数差を利用して、2つのビームBY
θ1、BYθ2における光路の差の変化量を検出するこ
とができる。
【0074】次に、上記の干渉計XI、YIおよびθ干
渉計XθI、YθIを有する位置測定装置13を用い
て、移動鏡MX、MYの反射面22X、22Yの曲がり
量を計測すると共に、ウエハステージ8の座標位置を測
定する手順を説明する。ここでは、ウエハステージ8を
x方向に移動させながら移動鏡MYの曲がり量を計測す
る場合の例を用いて説明する。
【0075】また、上述したように、θ干渉計XθI、
YθIは、実際には固定鏡を基準にして移動鏡MX、M
Yの反射面22X、22Yの曲がり量を計測している
が、ここでは説明を簡単にするために、θ干渉計YθI
は図6に示すように、仮想的に固定された基準線RYを
基準にして移動鏡MYの反射面22Yを検出するものと
する。また、基準線RYと移動鏡MYとの距離をYA
(干渉計YIで計測される値)とし、その位置での移動
鏡MYの局部的な曲がり角をθY(x)とする。
【0076】θ干渉計YθIは、基準線RY上でx方向
に距離SYだけ離れた2点で、移動鏡MYまでの距離Y
θ1とYθ2との差分、Yθ(x)を計測する。すなわ
ち、θ干渉計YθIのデジタルカウンタ23Yは、次式
で決まるような差Yθ(x)を出力する。
【数1】 ここで、デジタルカウンタ23Yは、移動鏡MYがx方
向の基準点OXにあるとき、すなわち移動鏡MYの反射
面22Y上の固定された点OXに、干渉計YIのビーム
BYが入射している状態のときに零にリセットされる。
また、干渉計YIもその基準点OXで零リセットされ
る。
【0077】移動鏡MYの曲がり角θY(x)は、せい
ぜい1〜2秒程度の微小角である。また、距離SYは、
10mmから数十mmである。そのため、角度θY
(x)は次式で近似できる。
【数2】
【0078】一方、移動鏡MYの位置xにおける反射面
22Yの凹凸量ΔY(x)は、xの基準OXに対して次
式で求められる。
【数3】
【0079】このとき、ウエハステージ8はx方向に移
動しているが、移動時にx方向およびy方向を含む面内
での回転が同時に発生する。そのため、上記式(3)に
よって得られる測定値は、このウエハステージ8の回転
量を含んだ値になっており、この回転量による誤差分を
差し引く必要がある。そこで、y軸用の移動鏡MYの平
面度を測定するときに、x軸側のθ干渉計XθIを使っ
て、x方向の基準点O Xに対するウエハステージ8の回
転量Xθ(x)を求める。
【0080】この場合、ウエハステージ8は、x方向に
一次元移動するだけなので、θ干渉計XθIの2本のビ
ームBXθ1、BXθ2は、移動鏡MXの反射面22X
上の同一点に投射され続ける。θ干渉計XθIのデジタ
ルカウンタ23Xは、基準点OXで零リセットされてい
るため、位置xでのデジタルカウンタ23Xの値は原点
Xを基準としたウエハステージ8の回転量Xθ(x)
となる。
【0081】そこで、ウエハステージ8をx方向に移動
させると共に、θ干渉計XθIによる計測値Xθ(x)
を同時に読み込む。そして、得られた値を用いて、座標
補正系15の演算器が次式のような補正演算を行って、
移動鏡MYの反射面22Yの真の曲がり量DY(x)を
算出する。
【数4】
【0082】ここで、座標補正系15において、演算器
が上記式(2)ないし式(4)の演算を行うと共に、算
出した曲がり量DY(x)をメモリに記憶させる。そし
て、この曲がり量DY(x)をウエハステージ8のx方
向の位置に応じて干渉計YIの計測値を補正することに
より、移動鏡MYの曲がりが全くない場合と同等の精度
でウエハステージ8のy方向の位置測定を行うことがで
きる。
【0083】また、x軸用の移動鏡MXについてもウエ
ハステージ8をy方向に移動させることにより、上記移
動鏡MYと同様に真の曲がり量DX(y)が算出されて
メモリに記憶される。この場合、θ干渉計XθIのデジ
タルカウンタ23Xでの計測値をXθ(y)、θ干渉計
YθIのデジタルカウンタ23Yでの計測値をYθ
(y)として、次式によって真の曲がり量DX(y)を
求めることができる。
【数5】
【数6】
【0084】そして、座標補正系15において、演算器
が上記式(5)および式(6)の演算を行うと共に、算
出した曲がり量DX(y)をメモリに記憶させる。そし
て、この曲がり量DX(y)をウエハステージ8のy方
向の位置に応じて干渉計XIの計測値を補正することに
より、移動鏡MXの曲がりが全くない場合と同等の精度
でウエハステージ8のx方向の位置測定を行うことがで
きる。
【0085】なお、上記式(4)、(6)は、区間0〜
x、および0〜yでの積分の形で表してあるが、実際は
局所区間毎、例えば、5〜10ミリ毎の積分を行えばよ
い。すなわち、局所区間の長さをΔLとすると、x方向
での積分区間は、nを1以上の整数として、(n−1)
・ΔL〜n・ΔLの範囲で積分しては、n=n+1と順
次シフトさせる。従って、座標補正系15のメモリに
は、干渉計XI、YIの計測座標値のΔL毎に対応して
真の曲がり量DY(x)、DX(y)のデータがテーブ
ルとして記憶される。
【0086】続いて、上記の位置測定装置13を有する
露光装置1により、レチクルRに形成されたパターンの
像をウエハW上に投影転写する手順について説明する。
まず、露光処理を行う前に、ウエハステージ8をx方向
に移動させることにより位置測定装置13のメモリに、
移動鏡MYに関する真の曲がり量DY(x)を記憶させ
る。同様に、露光処理前にウエハステージをy方向に移
動させることにより位置測定装置13のメモリに、移動
鏡MXに関する真の曲がり量DX(y)を記憶させる。
【0087】次に、ウエハステージ8を介してウエハW
をステップ・アンド・リピート方式で移動させることに
より、照明光学系6の露光光で照明されたレチクルRの
パターンの像を投影光学系PLを介してウエハWの区画
された複数の露光領域に順次投影転写する露光処理を行
う。この露光処理中のウエハステージ8の移動に際して
は、レーザ干渉計14のうち、干渉計XI、YIがウエ
ハステージ8のx方向の位置およびy方向の位置をそれ
ぞれ計測すると共に、座標値DXC、DYCに変換して
アライメント・コントローラ24の制御系16に出力す
る。
【0088】そして、制御系16は、ウエハステージ8
の座標値DXC、DYCを、露光処理前にメモリに記憶
された移動鏡MX、MYの曲がり量DX(y)、DY
(x)に基づいて補正すると共に、補正された座標位置
にウエハステージ8が移動するようにモータ9X、9Y
に対して指令DSX、DSYを出力する。これにより、
ウエハWは、レチクルRのパターンに対する露光位置に
高精度に調整されて移動し、1層目のパターンを複数の
露光領域に順次投影転写される。
【0089】一方、上記露光処理中のウエハステージ8
の移動に際しても、θ干渉計XθI、YθIが移動鏡M
X、MYにおける2点の光路差の変化量を検出すると共
に、アライメント・コントローラ24の座標補正系15
が移動鏡MX、MYの真の曲がり量DX(y)、DY
(x)を算出している。また、この座標補正系15は、
一層目のパターンの露光処理が完了したときに、該露光
処理中に算出した曲がり量DX(y)、DY(x)と、
露光処理前にメモリに記憶された曲がり量DX(y)、
DY(x)との偏差も算出する。
【0090】そして、座標補正系15の比較回路が、こ
の偏差と、予めメモリに記憶されている警告値とを比較
して、偏差が警告値を越えたときには演算器が警告手段
により警告を発生させることにより、ウエハWに対する
露光処理に関して何らかの異常が発生していると判定す
ることができる。なお、この警告手段としては、ブザ
ー、アラーム等の警報を鳴らすものや、モニター画面に
警告を表示させたり、画面に表示されたショットマップ
データに所定のカラーを着色するもの等が適宜採用可能
である。
【0091】そして、比較回路において異常が判定され
なかった場合は、メモリに記憶された曲がり量DX
(y)、DY(x)を、露光処理前のものから1層目の
露光処理中に算出したものに更新する。続いて、2層目
の露光処理については、この更新された曲がり量DX
(y)、DY(x)に基づいてウエハステージ8の座標
補正が行われると共に、2層目の露光処理中に算出され
た曲がり量DX(y)、DY(x)がメモリに記憶され
て更新される。
【0092】すなわち、N層目の露光処理においては、
(N−1)層目の露光処理によって算出された曲がり量
DX(y)、DY(x)を用いてウエハステージ8の座
標位置が補正されると共に、N層目の露光処理で算出さ
れた曲がり量DX(y)、DY(x)が、(N+1)層
目の露光処理におけるウエハステージ8の座標補正に用
いられるデータとしてメモリに記憶・更新される。ま
た、このN層目の露光処理が完了した際には、(N−
1)層目およびN層目にそれぞれ算出される曲がり量D
X(y)、DY(x)の偏差を警告値と比較することに
より、N層目の露光処理中に何らかの異常が発生したか
どうかを判定する。
【0093】本実施の形態の位置測定方法および位置測
定装置並びに露光装置では、アライメント・コントロー
ラ24がウエハステージ8の座標補正に用いる移動鏡M
X、MYの反射面22X、22Yの曲がり量DX
(y)、DY(x)を、露光処理される層毎に随時更新
しているため、移動鏡MX、MYが熱等の影響により露
光処理中にずれたり、ひずみが発生した場合でも、常
に、このずれやひずみの影響を含めて補正した最新の曲
がり量に基づいてウエハステージ8の座標補正を行うこ
とができる。なお、この露光装置では、その最新の曲が
り量に基づいてレチクルステージ7の座標補正を行うよ
うにしてもよい。
【0094】さらに、この曲がり量DX(y)、DY
(x)の算出には、ウエハステージ8の回転量も検出し
ているので、この回転量の影響を排除した真の曲がり量
を算出することができる。そのため、本実施の形態の露
光装置では、レチクルRのパターン転写時にウエハWの
露光位置を高精度に調整することができ、良好な重ね合
わせ精度を得ることができる。
【0095】また、移動鏡MX、MYの曲がり量DX
(y)、DY(x)の計測および算出は、ウエハWに対
する露光処理に伴うウエハステージ8の移動中に行われ
ているので、別途曲がり量を算出するための工程を設け
る必要がなく、処理工程の作業効率の向上に寄与でき
る。さらに、露光処理される層毎に、曲がり量の偏差と
警告値とを比較して、偏差が警告値を越えたときには警
告を発生するので、処理中に何らかの異常が発生しても
後工程で発覚するのではなく、その都度対処することが
できる。
【0096】なお、上記実施の形態において、メモリに
記憶された曲がり量を層毎に更新する構成としたが、こ
れに限定されることなく、例えば、x方向およびy方向
に沿って矩形配列された露光領域の一列毎に更新するよ
うな構成であってもよい。この場合、座標補正系15の
比較回路が、露光処理に何らかの異常の発生を検知して
も、異常発生が検知された露光領域列以外の露光領域に
おいては、露光不良の原因を排除した状態で露光処理を
行える。
【0097】また、メモリには、移動鏡MX、MYの曲
がり量DX(y)、DY(x)が記憶され、制御系16
が記憶された曲がり量DX(y)、DY(x)を用いて
ウエハステージ8の座標値を補正する構成としたが、こ
れに限定されることなく、例えば、メモリに、曲がり量
DX(y)、DY(x)に基づいて補正された座標値を
記憶し、制御系16がこの座標値を用いてモータ9X、
9Yに指令DSX、DSYを出力するような構成として
もよい。
【0098】また、θ干渉計XθI、YθIが移動鏡M
X、MYの反射面22X、22Yに向けて2本のレーザ
ビームを投射する構成としたが、これに限られず3本以
上のレーザビームを投射するような構成であってもよ
い。ここで、本実施の形態においては、移動鏡MX、M
Yの反射面22X、22Yの曲がり量をコヒーレントな
ビームを用いたθ干渉計XθI、YθIで計測する構成
としたが、必ずしも干渉計を用いる必要はなく、例え
ば、オートコリメータ方式を利用して、平行光束を移動
鏡MX、MYの反射面22X、22Yに投射し、その反
射光束の反射方向の変化を光電検出する構成にしても同
じ効果が得られる。
【0099】一方、上記の露光装置では、ウエハステー
ジ8の座標位置を測定する際に、移動鏡MX、MYの反
射面22X、22Yの曲がり量DX(y)、DY(x)
を用いる構成としたが、ウエハアライメント系WR、W
LによりウエハW上のアライメントマークを検出するこ
とによって、ウエハWの装置座標系における位置を特定
するアライメント作業にも適用することができる。
【0100】これは、アライメント作業におけるウエハ
ステージ8のヨーイング量の測定時に、移動鏡MX、M
Yの反射面22X、22Yの曲がりの誤差が含まれるた
めである。そこで、予め移動鏡MX、MYの真の曲がり
量DX(y)、DY(x)、局所的な反射面22X、2
2Yの傾き情報Yθ(x)、Xθ(y)を計測してメモ
リに記憶しておき、θ干渉計XθI、YθIの実測値を
記憶したデータ値で補正する。これにより、この露光装
置では、反射面22X、22Y自体の曲がりの影響を差
し引いた真のヨーイング量を求めることができる。
【0101】また、上記ヨーイング量が求められた場合
には、ウエハWをヨーイングの方向と逆方向に微小回転
させ、ウエハW上の露光領域の配列方向を絶対座標系に
おいて常に一定にすることにより、一回の露光ショット
毎のチップローテーションを防ぐことも考えられる。
【0102】例えば、図7に示すように、ウエハステー
ジ8上にθ回転するウエハホルダWHを設け、モータM
T、制御系17で微小回転させる構成とする。さらにウ
エハホルダWHの一部に2つのコーナリフレクタ(直角
ミラー)CR1、CR2を固定し、ウエハステージ8上
に取り付けたθ干渉計WθIから各コーナリフレクタC
R1、CR2にビームを投射することで、ウエハホルダ
WHのウエハステージ8上での回転量を精密に計測でき
るようにする。
【0103】そして、制御系17が、補正された真のヨ
ーイング量をθ干渉計XθI、座標補正系15から入力
して、そのヨーイング量(ウエハステージ8の原点位置
を基準とした回転量)の分だけ逆方向にウエハホルダW
Hが回転するように、θ干渉計WθIの計測値をモニタ
ーしつつ、モータMTを制御することにより、ウエハW
の回転方向の位置を調整することができる。
【0104】一方、上記の露光装置1においては、露光
処理対象の物体をウエハとする構成としたが、これに限
られず、例えばレチクルや液晶ディスプレイに用いられ
るガラス基板であってもよい。また、位置測定装置を露
光装置に設ける構成としたが、マスクやウエハ等のパタ
ーンの座標位置を高精度に計測する測定装置にも適用可
能である。
【0105】また、ウエハステージ8に位置測定装置1
3を設ける構成としたが、これに限定されるものではな
く、レチクルステージ7に設ける構成や、両ステージ
7,8に設ける構成であってもよい。この場合、例え
ば、走査型の露光装置において、レチクルステージに位
置測定装置13と同様のものを配設することにより、露
光処理によってウエハに生じたひずみを補正することが
できる。
【0106】すなわち、ウエハに生じたひずみを検出し
た後に、レチクルとウエハとを走査露光する際に、レチ
クル側でウエハのひずみを相殺するように、位置測定装
置でレチクルステージの座標を測定しながら該レチクル
ステージを移動させて露光処理を行うことも可能であ
る。
【0107】なお、露光装置としては、レチクルRとウ
エハWとを静止した状態でレチクルRのパターンを露光
し、ウエハWを順次ステップ移動させるステップ・アン
ド・リピート型の露光装置でも、レチクルRとウエハW
とを同期移動してレチクルRのパターンを露光する走査
型の露光装置にも適用することができる。露光装置の種
類としては、半導体製造用の露光装置に限定されること
なく、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子パ
ターンを露光する液晶用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド
を製造するための露光装置にも広く適用できる。
【0108】また、照明光学系6の光源としては、Kr
Fエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレー
ザ(193nm)、F2レーザ(157nm)のみなら
ず、X線や電子線などの荷電粒子線を用いることができ
る。例えば、電子線を用いる場合には電子銃として、熱
電子放射型のランタンヘキサボライト(LaB6)、タ
ンタル(Ta)を用いることができる。
【0109】投影光学系PLの倍率は、縮小系のみなら
ず等倍および拡大系のいずれでもよい。また、投影光学
系PLとしては、エキシマレーザを用いる場合は硝材と
して石英や蛍石を用い、X線を用いる場合は反射屈折系
の光学系にし(レチクルも反射型タイプのものを用い
る。)、また電子線を用いる場合には光学系として電子
レンズおよび偏向器からなる電子光学系を用いればよ
い。なお、電子線が通過する光路は、真空状態にするこ
とはいうまでもない。また、投影光学系PLを用いるこ
となく、レチクルRとウエハWとを密接させてレチクル
Rのパターンを露光するプロキシミティ露光装置にも適
用することができる。
【0110】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る位
置測定方法では、ステージの移動中に算出した少なくと
も一方の反射面に関する曲がり量を、次回の処理におけ
る第1および第2方向に関する座標位置を測定する際に
用いることができるので、常に最新の曲がり量に基づい
て座標を補正することになり、測定精度の向上を実現す
ることができる。また、反射面の曲がり量を算出する工
程を別途設ける必要がないので、処理工程の簡素化にも
寄与することができる。
【0111】請求項2に係る位置測定方法では、算出さ
れた曲がり量を処理後のステージの移動に利用したとき
には、物体の次回の処理において座標位置を測定する際
に用いることができるので、常に最新の曲がり量に基づ
いて座標を補正することになり、測定精度の向上を実現
することができる。また、算出された曲がり量を計測さ
れた曲がり量との比較に利用したときには、ステージの
移動に際しての異常発生を該ステージの移動毎に確認す
ることができるという優れた効果を奏するものである。
【0112】請求項3に係る位置測定方法では、物体の
処理中に何らかの異常が発生しても後工程で発覚するの
ではなく、その都度対処することができるので、メンテ
ナンス作業にかかる時間を削減することができると共
に、不良品の発生も低減させることができる。
【0113】請求項4に係る位置測定方法では、ステー
ジの座標補正に用いる反射面の曲がり量を、物体の処理
毎に随時更新できるため、反射面が熱等の影響により処
理中にずれたり、ひずみが発生した場合でも、常に、こ
のずれやひずみの影響を含めて補正した最新の曲がり量
に基づいてステージの座標補正を行うことができるとい
う効果が得られる。
【0114】請求項5に係る位置測定方法では、ステー
ジの回転量の影響を排除した真の曲がり量を算出するこ
とができると共に、常に最新の曲がり量に基づいてステ
ージの座標を補正することになり、ステージの座標位置
を高精度に測定できるという効果が得られる。
【0115】請求項6に係る位置測定装置では、ステー
ジの移動中に算出した少なくとも一方の反射面に関する
曲がり量を、次回の処理における第1および第2方向に
関する座標位置を測定する際に用いることができるの
で、常に最新の曲がり量に基づいて座標を補正すること
になり、測定精度の向上を実現することができる。ま
た、反射面の曲がり量を算出する工程を別途設ける必要
がないので、処理工程の簡素化にも寄与できるという効
果が得られる。
【0116】請求項7に係る位置測定装置では、演算器
がステージの回転量の影響を排除した真の曲がり量を算
出することができると共に、常に最新の曲がり量に基づ
いてステージの座標を補正することになり、ステージの
座標位置を高精度に測定できるという効果が得られる。
【0117】請求項8に係る位置測定装置では、物体の
処理中に何らかの異常が発生しても比較回路が曲がり量
の偏差と所定値とを比較して演算器が警告を発するの
で、異常が後工程で発覚するのではなく、その都度対処
することができるので、メンテナンス作業にかかる時間
を削減することができると共に、不良品の発生も低減さ
せることができる。
【0118】請求項9に係る露光装置では、マスクのパ
ターンを基板に露光する際に、マスクステージと基板ス
テージとの少なくとも一方の座標補正に用いる反射面の
曲がり量を随時更新できるため、この反射面が熱等の影
響により処理中にずれたり、ひずみが発生した場合で
も、常にこのずれやひずみの影響を含めてマスクのパタ
ーンに対する基板の露光位置が高精度に調整され、良好
な重ね合わせ精度を得ることができる。
【0119】請求項10に係る露光装置では、マスクの
パターンを基板に露光する際に、マスクステージと基板
ステージとの少なくとも一方の座標補正に用いる反射面
の曲がり量を、マスクのパターンが転写される基板の区
画領域毎に算出して更新しているため、この反射面が熱
等の影響により処理中にずれたり、ひずみが発生した場
合でも、区画領域毎にこのずれやひずみの影響を含めて
マスクのパターンに対する基板の露光位置が高精度に調
整され、良好な重ね合わせ精度を得ることができる。
【0120】また、この露光装置では、露光処理に何ら
かの異常が発生したときに、異常発生が検知された区画
領域列以外の露光領域においては、露光不良の原因を排
除した状態で露光処理を行うことができるため、露光処
理によって得られる製品の不良品を低減させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示す図であって、位置
測定装置が配設された露光装置の外観斜視図である。
【図2】 本発明の実施の形態を示す図であって、チャ
ンバー内に露光装置本体が配置された正断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態を示す図であって、座標
位置測定用の干渉計の構成図である。
【図4】 図1におけるウエハステージの配置を示す平
面図である。
【図5】 本発明の実施の形態を示す図であって、移動
鏡の曲がり量を測定するθ干渉計の構成図である。
【図6】 本発明の実施の形態を示す図であって、移動
鏡自体の曲がりを計測する際の説明図である。
【図7】 本発明の実施の形態を示す図であって、チッ
プローテーションを防ぐ構造の一例を示す平面図であ
る。
【符号の説明】 R レチクル(マスク) W ウエハ(基板) XθI θ干渉計(第2干渉計) YθI θ干渉計(第1干渉計) 7 レチクルステージ(マスクステージ) 8 ウエハステージ(基板ステージ) 13 位置測定装置 14 レーザ干渉計(光波干渉計) 22X 反射面(第2反射面) 22Y 反射面(第1反射面) 24 アライメント・コントローラ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いにほぼ直交する第1および第2方向
    に沿ってステージに設けられる2つの反射面に、それぞ
    れレーザビームを照射する光波干渉計の出力と、前記2
    つの反射面の少なくとも一方に関して計測された曲がり
    量とに基づいて、前記第1および第2方向に関する前記
    ステージの座標位置を測定する位置測定方法において、 前記ステージに保持される物体の所定の処理に伴う前記
    計測された曲がり量を用いた前記ステージの移動中に、
    前記光波干渉計の出力に基づいて前記少なくとも一方の
    反射面に関する曲がり量を算出することを特徴とする位
    置測定方法。
  2. 【請求項2】 前記算出された曲がり量は、前記物体の
    所定の処理後における前記ステージの移動に利用され
    る、または前記ステージの移動を確認するために前記計
    測された曲がり量との比較に利用されることを特徴とす
    る請求項1記載の位置測定方法。
  3. 【請求項3】 前記計測された曲がり量と前記算出され
    た曲がり量との偏差が所定値を越えたときに、前記物体
    の所定の処理に関して異常が発生していると判定するこ
    とを特徴とする請求項2記載の位置測定方法。
  4. 【請求項4】 前記ステージは、前記光波干渉計の出力
    に対応した計測位置を前記曲がり量で補正して得られる
    座標位置に従って移動され、 前記物体の所定の処理後に、前記算出された曲がり量に
    基づいて前記補正された座標位置を随時更新することを
    特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の位置
    測定方法。
  5. 【請求項5】 前記2つの反射面の一方に関する曲がり
    量を算出するために、前記2つの反射面の他方に照射さ
    れる少なくとも2本のレーザビームに対応する前記光波
    干渉計の出力に基づいて、前記第1および第2方向を含
    む面内での前記ステージの回転量を検出することを特徴
    とする請求項1から4のいずれか一項に記載の位置測定
    方法。
  6. 【請求項6】 互いにほぼ直交する第1および第2方向
    に沿ってステージに設けられる第1および第2反射面に
    それぞれレーザビームを照射する光波干渉計と、 前記第1および第2反射面の少なくとも一方に関する曲
    がり量を記憶するメモリとを備え、 前記光波干渉計の出力と前記記憶された曲がり量とに基
    づいて、前記第1および第2方向に関する前記ステージ
    の座標位置を測定する位置測定装置において、 前記ステージに保持される物体の所定の処理に伴い、前
    記記憶された曲がり量を用いて前記ステージを移動して
    いる間に、前記光波干渉計の出力に基づいて前記少なく
    とも一方の反射面に関する曲がり量を算出する演算器を
    備えたことを特徴とする位置測定装置。
  7. 【請求項7】 前記光波干渉計は、前記第1方向に離れ
    た少なくとも2本のレーザビームを前記第1反射面に照
    射する第1干渉計と、 前記第2方向に離れた少なくとも2本のレーザビームを
    前記第2反射面に照射する第2干渉計とを有し、 前記演算器は、前記第1反射面に関する曲がり量を算出
    するために、前記第2干渉計によって検出される前記第
    1および第2方向を含む面内での前記ステージの回転量
    を用いることを特徴とする請求項6記載の位置測定装
    置。
  8. 【請求項8】 前記演算器は、前記記憶された曲がり量
    および前記算出された曲がり量の偏差と所定値とを比較
    する比較回路を有し、前記偏差が前記所定値を越えると
    きに警告を発することを特徴とする請求項6または7記
    載の位置測定装置。
  9. 【請求項9】 請求項6から8のいずれか一項に記載さ
    れた位置測定装置が、マスクを保持するマスクステージ
    と、前記マスクのパターンが転写される基板を保持する
    基板ステージとの少なくとも一方に設けられ、 前記光波干渉計の出力を前記記憶された曲がり量で補正
    して得られる座標位置を、前記算出された曲がり量で随
    時更新して、前記マスクのパターンに対する前記基板の
    露光位置を調整するアライメント・コントローラを備え
    たことを特徴とする露光装置。
  10. 【請求項10】 前記基板の複数の区画領域にそれぞれ
    前記マスクのパターンを順次転写している間に、前記光
    波干渉計の出力から前記一方の反射面に関する曲がり量
    が算出されることを特徴とする請求項9記載の露光装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010004900A1 (ja) * 2008-07-09 2010-01-14 株式会社ニコン 位置計測方法、並びに露光方法及び装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010004900A1 (ja) * 2008-07-09 2010-01-14 株式会社ニコン 位置計測方法、並びに露光方法及び装置
JP5517071B2 (ja) * 2008-07-09 2014-06-11 株式会社ニコン 位置計測方法、並びに露光方法及び装置

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