JPH11273580A - イオン源 - Google Patents

イオン源

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JPH11273580A
JPH11273580A JP10342240A JP34224098A JPH11273580A JP H11273580 A JPH11273580 A JP H11273580A JP 10342240 A JP10342240 A JP 10342240A JP 34224098 A JP34224098 A JP 34224098A JP H11273580 A JPH11273580 A JP H11273580A
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JP
Japan
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chamber
anode
cathode
ion source
ion
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Application number
JP10342240A
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English (en)
Inventor
G Dadonikov Badim
ジー、 ダドニコフ ヴァディム
Nasa Goggi Meran
ナサー−ゴッヂ メーラン
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Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J27/00Ion beam tubes
    • H01J27/02Ion sources; Ion guns
    • H01J27/08Ion sources; Ion guns using arc discharge
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/06Sources
    • H01J2237/08Ion sources
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/30Electron or ion beam tubes for processing objects
    • H01J2237/317Processing objects on a microscale
    • H01J2237/31701Ion implantation

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Electron Sources, Ion Sources (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 カソードからの金属の気化を防止して、これ
によって発生する短絡を防止し、稼動効率を向上させる
ことができるイオン源を提供する。 【解決手段】 所定の方向に延びる磁力線を生成するよ
うな磁石と、イオン化可能な材料源をもつソース部がと
もに用いられるように構成されるイオン源100であっ
て、壁20によって区画されたチャンバと、前記チャン
バにおいて生成したイオンをチャンバの外に出すための
狭い出口開口とを備え、前記チャンバは、カソード40
およびチャンバの壁から離れておかれたアノード70と
を収容し、前記アノードは、前記開口、前記カソードお
よび前記磁力線の所定の方向に対してチャンバの中で生
成されたイオンが前記開口の近傍に集中するように配置
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、イオン源に関
し、特に基板にイオンを注入するためのイオン注入装置
に用いるためのイオン源に関する。
【0002】なお、本件出願は、1997年12月1日
に出願された米国特許出願No.08/980,513
の一部継続出願である。この出願は、本件出願と同時に
出願され且つ本件出願人に譲渡されている、“Space Ne
utralization of an Ion Beam”、“Ion Implantation
with Charge Neutralization”、及び、出願No.08
/982,210の“Transmitting a Signal Using Du
ty Cycle Modulation”とそれぞれ題する米国特許出願
に関連するものであり、前記各米国特許出願は、ここで
参照することにより本明細書に含まれるものとする。
【0003】
【従来の技術】イオン注入法によって半導体を製造する
場合にいくつかのタイプのイオン源が用いられる。イオ
ン注入法においては、動作時間の長い効率の良いイオン
源が必要とされている。イオン注入法において用いられ
ている1つのイオン源は、バーナスタイプのイオン源で
あって、これはイオン注入法において広く受け入れられ
ている。
【0004】図1は、1つのフィラメントを有するよう
なバーナスタイプのイオン源1の上側の板が取り除かれ
た状態の上面図である。イオン源1がカソード12とこ
れに接続されてカソード12を熱電子放出するように駆
動する電源を有している。イオン源1の壁14には、カ
ソード12に対してバイアス電圧がかけられており、そ
れによってアノードとして動作するようになっている。
反射板18がカソード12の後ろ側に配置され、もう1
つの反射板16がカソード12の向こう側に配置されて
いる。
【0005】イオン源は、図1に示すように、一方向の
磁界の中におかれている。稼動している間、イオン化さ
れるべきガスがチャンバの内部に放出され、そして、カ
ソード12から放出された電子によってイオン化され
る。反射板16,18は、カソードから放出された初期
の高速電子を反射し、そして、磁界の軸に沿った電子の
往復運動を生成させる。このような方法で、カソード1
2と壁14の間のイオン源の中にプラズマが生成され、
これはイオン源1の外に引出電極によって引き出され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】イオン源が稼働すると
カソード12から気化した金属のような材料が壁14の
上に析出し、スパッタされる。そして、壁14の上に膜
を形成する。この材料は、通常は、壁14に対して付着
力が弱いので、パーティクルや列状の剥片を形成し、こ
れはさらに絶縁部材19に跨って付着して、例えばカソ
ードとアノードをショートさせる。
【0007】従って、この発明の目的は、カソードから
の金属の気化を防止して、これによって発生する短絡を
防止し、稼動効率を向上させることができるイオン源を
提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】1つの態様においては、
この発明は、所定の方向に延びる磁力線を生成するよう
な磁石と、イオン化可能な材料源をもつソース部がとも
に用いられるように構成されるイオン源であって、壁に
よって区画されたチャンバと、チャンバにおいて生成し
たイオンをチャンバの外に出すための狭い出口開口とを
備えている。チャンバは、カソードおよびチャンバの壁
から離れておかれたアノードとを収容し、アノードは、
開口、カソードおよび磁力線の所定の方向に対してチャ
ンバの中で生成されたイオンが開口の近傍に集中するよ
うに配置されている。
【0009】他の態様においては、この発明は、所定の
方向に延びる磁力線を生成するような磁石とともに用い
るために構成されるイオン源である。イオン源は、壁に
よって区画されたチャンバと、チャンバの中で形成され
たイオンがチャンバの外に出ていくための比較的狭く細
長い出口スリットとを備えている。チャンバは、カソー
ドと、該カソードおよびチャンバの壁から離れて配置さ
れたアノードとを収容している。アノードはスリットの
近傍にそれとほぼ平行に配置されている。イオン源と磁
石とは磁力線がアノードに対してほぼ平行で、アノード
とカソードの間に生成される電界に対して所定の角度を
もつように配置されている。
【0010】さらに他の態様においては、この発明は、
ワークにイオンを注入するためのイオン注入装置であ
る。このイオン注入装置は、イオン源と、第1の方向に
イオンビームの焦点を合わせ、そして走査するための複
数の磁石と、ワークを保持して第1の方向に対して直交
する方向に動かすワークホルダーとを備えている。イオ
ン源は、所定の方向に延びる磁力線を生成するような磁
石とともに用いられるように構成されている。イオン源
は、壁によって区画されたチャンバと、チャンバで生成
されたイオンがチャンバの外に出ていくための比較的狭
い細長い出口スリットとを有している。チャンバの中に
は、カソードと、該カソードおよびチャンバの壁から離
れて配置されたアノードとが収容されている。アノード
は出口スリットの近傍にそれとほぼ平行に配置され、イ
オン源と磁石は、磁力線が、アノードとほぼ平行であ
り、アノードとカソードの間に生成される電界に対して
所定の角度をもっているように相対配置されている。
【0011】発明の好ましい実施の形態は、以下の特徴
の1又はそれ以上を有することができる。開口は比較的
狭く細長いスリットである。アノードが細長く形成さ
れ、開口の近傍にそれと平行に配置され、スリット状の
開口のほぼ全長に渡って延びる。アノードがほぼ棒状で
ある。細長く延びたアノードが磁力線の所定の方向に対
して実質的に平行に配置されている。
【0012】チャンバが細長く延びたスリットの方向に
延びており、2つの端部をもっているチャンバのそれぞ
れの端部にはカソードが配置されている。長く延びたス
リットとアノードに対してカソードはチャンバの両端部
に対称に配置されている。負電位にバイアスされた電極
を用いてもよく、それによってイオン化のためにチャン
バの中に材料をスパッタさせる。
【0013】チャンバの壁が電子を偏向させるように選
択された電位を有するようにしてもよい。チャンバの壁
が実質的にカソードと同じ電位を有するようにしてもよ
い。カソードが間接的に加熱されたホットカソード、ま
たはコールドカソードであってもよい。カソードがタン
グステンワイヤのコイルであり、該コイルはほぼ円形形
状を有していてもよい。
【0014】磁石が上述した所定の方向に沿って磁束を
有する磁界を生成する。アノードとチャンバが磁界の中
に配置されている。磁石は、開口とチャンバの中で形成
された電界状態に対し、開口の方向へイオンに力を及ぼ
すように配列されている。磁界がカソードとアノードの
間で生成された電界と交差している。アノードがカソー
ドに対してアノードとカソードの間の電界がアノードの
近傍にイオンを集中させるように配置されている。アノ
ードが、開口、カソードおよび磁力線に対して、アノー
ドの近傍のイオンが開口に向かってドリフトするように
配置されている。
【0015】
【発明の実施の形態】図2は、本発明のイオン源が用い
られるようなイオン注入装置200の実施の形態を示し
ている。このようなイオン注入装置の一般的な特徴は、
例えば米国特許5,393,984に開示されている。
【0016】イオン注入装置200は、イオン源100
と、引出電極214と、分析磁石216と、スキャナ磁
石218と、コリメータ磁石220と、プラズマ電荷中
和器222と、ウエハ224とを有する。一般的に、イ
オン注入装置200は、リボン状のビームを発生し、こ
のビームは、いくつかの実施の形態においては、1ke
Vから100keVのエネルギ範囲を有している。ビー
ムは、上述の米国特許に説明されているように、高電流
で高パービアンスのビームである(いくつかの実施の形
態においては、ビームは0.02(mA)(amu)
1/2(KeV) −3/2)。ビームは、ウエハ面に渡
って一方向に磁気的に走査される。ウエハは別の方向に
動くこともでき、これにより、第2の方向における走査
を可能にする。
【0017】イオン源100は、注入のための正に帯電
したイオンを発生する。このイオンは、アルゴン、窒
素、解離したホウ素(BFの中に)、アルシン(arsi
ne)、及び、亜リン酸塩を含む。固体を蒸発後に注入す
ることもできる。そのような固体は、リン、砒素及びア
ンチモンを含む。他の物質を注入することもできる。イ
オンは、放出スリット10(図3参照)から出て、イオ
ン源に比較して負の電位を有する引出電極214によっ
て引き出される。引出電極214の形状及び位置は、安
定したイオンビームが当該電極から出るように選択され
ている。
【0018】次に、分析磁石216が、イオンの運動量
/電荷比(Mv/Q:vはイオンの速度、Qはイオンの
電荷、Mはイオンの質量である)に応じて望ましくない
不純物を除去することにより、イオンビームを分析す
る。次に、スキャナ磁石218が、ビームの経路に垂直
にイオンビームを走査する。この走査の後に、コリメー
タ磁石220が、イオンビームの向きを変えて、該ビー
ムが全走査領域において平行になるようにする。
【0019】イオン注入装置200は、最大で300ミ
リメートルの直径を有するウエハに注入を行えるような
寸法を有している。ウエハホルダ226が、ウエハに対
するビームの入射角のある範囲の中の選択された角度で
ウエハ224を保持する。この角度は、イオンビームに
対して直角入射から10°未満であるのが好ましい。こ
の実施の形態においては、イオンビームは、イオン源に
おいて90mm、ウエハにおいて60mmのビーム高さ
(すなわち、ビームの断面に沿ったビームの長さ)を有
するリボン状のビームである。
【0020】図3および図4を参照すると、イオン源1
00は蒸気放出チャンバを形成する壁20と前面板30
を有する。前面板30は、使用の際にイオン源100が
置かれる磁界50の磁力線に平行な方向に配列された放
出用スリット10を有している。放出スリット10によ
ってプラズマがイオン源100からイオンビームの形状
で引き出される。また、イオン源100はガス蒸気供給
ポート60を有している。
【0021】イオン源は2つのカソードフィラメント4
0を含んでおり、これはカソード40を通して電気が流
れたときに生成する磁界5が、磁界50の磁力線と平行
かつ同じ向きの磁力線を生成するように螺旋状に巻かれ
ている。カソード40は、フィラメント絶縁部材52に
よって壁20から絶縁されている。
【0022】また、イオン源100は、絶縁部材22に
よって壁20から間隔をおいて配置されかつ絶縁されて
いるアノード70を有している。イオン源100の他の
構成部材に対するアノード70の位置は以下に詳細に説
明する。しかしながら、簡単に説明すると、アノード7
0は放出スリットの近くにそして磁界50に平行に設け
られている。使用されている間、電界がアノード70、
カソード40、プラズマおよび壁20の間で生成される
(図5参照)。この電界は磁界50を横切っている。ア
ノード70は、互いに交差する磁界と電界がイオン源1
00の中で生成されたプラズマを放出スリット10の方
向にドリフトさせ、それによって、高電流のイオンビー
ムをより引き出せるように配置されている(アノード7
0、カソード40および放出スリットはイオン源の中で
対称的に配置されていることに留意する)。コネクタ8
0は稼動の間、カソード40を電源に接続するように用
いられる。同様のコネクタ(図示略)は、アノード70
を電源に接続するためにも設けられている。
【0023】以上にイオン源100の構成を説明したの
で、以下にイオン源100の動作について説明する。図
4は、イオン源が使用される間、接続される態様を示し
ている。カソード40はコネクタ80を介して電源90
(図6参照)に接続されている。電源90は、高電流電
源であって、カソード40を熱電子放出温度である例え
ば2500℃まで加熱するように動作する。この温度
で、カソード40はイオン源100のチャンバの中に電
子を放出し始める。アノード70とプラズマはカソード
40からさらに電子を引き出す。
【0024】バイアス用電源92(図6参照)が、カソ
ード40に対してアノードを、例えば、数百または数千
ボルトのオーダーで正電位にバイアスするように、カソ
ード40とアノード70に接続されている。壁20は電
源92のマイナス側端子に抵抗94(図6参照)を介し
て接続されており、これにより、壁20をカソード40
とほぼ同じ電圧をもつフローティングポテンシャル(浮
遊電位)に維持している。つまり、アノード70が、壁
から分離され絶縁されているので、壁はアノード70に
近い電位になるのではなくカソード40に近い電位にフ
ロートするように接続されることができる。
【0025】壁20はカソード40に近い電圧をもって
いるので、絶縁部材52に跨ってカソード40と壁20
との間にアークが発生する可能性が減少する。詳細に言
えば、もし壁20がアノード70と同じまたは近い電位
にある場合は、絶縁部材52を横切ってアークの発生が
起こり得る。このような可能性は、カソードから気化し
たような材料が絶縁部材52の上に析出するに従って増
加する。絶縁部材52に跨るアークの発生は、イオン源
100をショートさせる。アークの発生は、また、析出
した材料が分離して、プラズマの中で異物粒子となっ
て、プラズマを汚染する原因となる。しかしながら、こ
のイオン源100においては、壁はカソード40の電圧
に近い電位に維持されているので、絶縁部材52に跨る
電位差は最小に維持され、従って、絶縁部材52に跨る
アークの発生の可能性は少ない。
【0026】さらに、このイオン源100の稼動中に内
部に析出した材料が壁20に強固に結合しており、剥が
れて剥片を発生することが少ないことが観測された。こ
のような壁に対する強固な付着は、壁20がカソード4
0の電位に近い電位に維持されており、それによって、
壁20の上にイオンによって補助された材料の析出が起
こるからかもしれない。つまり、アノード70に対して
壁20をバイアスすることによって、イオン源の中の正
イオンは壁20に引きつけられる。従って、イオンは壁
20に衝突し、壁20に析出していた弱く結合していた
原子を分離させる。従って、強く結合した原子のみが壁
20に残っている。これらの原子は、剥片を作り出すこ
とがより少ない。
【0027】また、壁20に維持されている電圧は、プ
ラズマの生成を補助する。カソード40から放出された
電子が、イオン源100の中を通過する。磁界50は電
子を壁20から偏向し、それによって電子がイオン源1
00のチャンバの中でスピンする。それぞれのカソード
40とその反射板54はまた、電子をそれらから離れる
ように反射する。さらに、壁20もまたカソードと近い
電圧をもっているため、電子を反射する。アノード70
は壁20よりも表面積がちいさいので、電子は再吸収の
ためのターゲットがより小さくなり、従ってイオン源1
00の中で、もし壁がアノード電位にあった場合よりも
長い寿命を有する。従って、電子は、概ねイオン源の中
で拡張された経路を走り、イオン源の中でガスをイオン
化してプラズマを生成するためにより長い期間を有す
る。さらに、全ての電子が最終的にアノード70に向か
って動くので、プラズマ生成の一部はアノード70の近
傍に、つまり放出スリット10の近傍に集中する。
【0028】前記に簡単に説明したように、図5を参照
するとアノード70、カソード40および壁20の間の
電位差は、磁界50の磁力線を横切るような電界を発生
させる。互いに交差する電界および磁界は、プラズマを
放出スリット10に向かってドリフトさせ、そして、高
密度のイオンが放出スリット10の近傍に集まって引き
出されるようにする。
【0029】アノード70の磁界50に対する相対的な
位置が、そのようなドリフトの方向を決定する。なぜな
ら、アノード70は磁界50の磁力線に対する電界の方
向を決定するからである。一般的には、イオン源100
の中の電界は、イオン源100の中の正イオンに対して
電界の方向に沿った力を及ぼす。磁界50はさらに、電
界の中において、その移動する面に対して直交するよう
な偏向力をイオンに及ぼす。この偏向力の方向は、いわ
ゆる「右手の法則」によって決定される。この右手の法
則によれば、もし人がその右手を親指、人差し指、中指
が全て互いに直交するように、そして、人差し指が正イ
オンの動きの方向(つまり電界の方向)を表し、中指が
磁界の方向を表すとすると、親指は正イオンに及ぼされ
る力の方向を表すことになる。このイオン源100の場
合は、アノードが、正イオンにかかる力が放出スリット
10に向かって上向になるように配置されている。その
結果、プラズマは放出スリット10に向かって流れ、そ
れによって、引出電極によってより効率的な引き出しが
なされ、より高いビーム電流が得られる。さらにアノー
ド70は放出スリット10の近くに配置されており、そ
れによって、放出スリット10の近傍へのプラズマの集
中を補助する。
【0030】図7は、このイオン源のここに開示したよ
うな原則によって組み立てられた実施の形態の実験の結
果を示す。この実験においては、10KeV、11B
のビームが生成された。分析磁石の後ろ側にファラデー
カップが置かれた。オシロスコープが、アーク電流を変
動させたときにファラデーカップに到達したビームの電
流を記録した。このアーク電流は、カソードとアノード
の間の電位差を一定に保持しつつ、フィラメントの加熱
を変えることによって変えられた。グラフ200は、壁
がアノードとして使用された場合のビーム電流とアーク
電流の関係を示す。グラフ202は、アノード70に類
似のアノードが用いられ、壁がカソードの電位に近い電
位でフロートするようにされたときの関係を示す。グラ
フから容易に分かるように、同じアーク電流であって
も、アノード70に類似のアノードが使われたときには
イオンビーム電流がアノードとして壁を用いたときより
も高かった。
【0031】特許請求の範囲に入る他の実施の形態は以
下の通りである。例えば、図8を参照すると、イオン源
100はスパッタリング電極110を含んでいる。この
電極は、注入されるべき固体材料でコーティングされて
いてもよい。代わりに、電極110を注入されるべき材
料から作成してもよい。この電極は、アノード70に対
して負電位に維持され、それによって、チャンバの中の
正イオンを引き付けるように作用するようにしてもよ
い。これらのイオンは電極に衝突して、電極110の材
料の原子をイオン源のチャンバの中にスパッタするよう
に作用する。この材料はプラズマを形成し、これは、さ
らにイオン注入のために引き出される。典型的には、電
極110に衝突する正イオンは、プラズマに中における
正イオンである。アルゴンのような不活性ガスを用いて
プラズマを形成してもよく、それによって、スパッタプ
ロセスを始めたり、スパッタプロセスを補助することが
できる。
【0032】発明の他の実施の形態は、コールドカソー
ド、間接的に加熱されるカソードまたはフリーマン(Fr
eeman)ソースのような他のタイプのイオン源におい
て、本発明の原理を用いるものを含むことができる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、カソードからの金属の気化を防止して、これによっ
て発生する短絡を防止し、イオン注入装置の稼動効率を
向上させることができる。さらに、発明の好ましい実施
の形態は、以下の利点の1又はそれ以上を有することが
できる。
【0034】イオン源の実施の形態においては、アノー
ドがイオン源の壁と離れているのでイオン源の壁がアノ
ードに対してフロートし、カソードの電位に近い電位に
達することができる。これにより、壁がアノードよりも
電子の反射板として作用する。従って、電子は壁よりも
小さいアノードによってのみ吸収される。従って、電子
はイオン源の中で長い経路をたどるのでイオン源の効率
が向上する。
【0035】いくつかの実施の形態においては、壁に析
出した材料が壁に強固に付着し、析出材料が剥がれにく
い。これにより剥片がイオン源を短絡させる可能性を低
減させる。他の実施の形態においては、カソードと壁が
同じ電位を持っているので、イオン源におけるアークの
発生が減少する。
【0036】他の実施の形態においては、イオン源が稼
動する磁界に対するアノードの配置によって、プラズマ
がイオン源の放出スリットに向かってドリフトし、放出
スリットの近傍に集中する。これにより、イオン源から
のイオンの引き出しの効率と引き出されるビームの電流
が増加する。
【図面の簡単な説明】
【図1】典型的なバーナスタイプのイオン源の上板を取
り除いて示す上面図である。
【図2】本発明のイオン源が用いられている注入装置の
平面図である。
【図3】本発明のイオン源の1実施の形態の斜視図であ
る。
【図4】図2のイオン源の上部板を取り除いた上面図で
ある。
【図5】イオン源の上面図であって、磁界と電界の関係
を示す図である。
【図6】イオン源が使用される場合のそれに接続された
電気回路を示す図である。
【図7】本発明の1実施の形態の性能に関して行われた
実験の結果を示す図である。
【図8】本発明のイオン源の他の実施の形態を示す図で
ある。
【符号の説明】
10 放出スリット 20 壁 40 カソード 52 絶縁部材 70 アノード 100 イオン源 200 イオン注入装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の方向に延びる磁力線を生成するよ
    うな磁石と、イオン化可能な材料源をもつソース部がと
    もに用いられるように構成されるイオン源であって、 壁によって区画されたチャンバと、 前記チャンバにおいて生成したイオンをチャンバの外に
    出すための狭い出口開口とを備え、 前記チャンバは、カソードおよびチャンバの壁から離れ
    ておかれたアノードとを収容し、 前記アノードは、前記開口、前記カソードおよび前記磁
    力線の所定の方向に対してチャンバの中で生成されたイ
    オンが前記開口の近傍に集中するように配置されている
    ことを特徴とするイオン源。
  2. 【請求項2】 所定の方向に延びる磁力線を生成するよ
    うな磁石とともに用いるために構成されるイオン源であ
    って、 壁によって区画されたチャンバと、 チャンバの中で形成されたイオンがチャンバの外に出て
    いくための比較的狭く細長い出口スリットとを備え、 前記チャンバは、カソードと、該カソードおよび前記チ
    ャンバの壁から離れて配置されたアノードとを収容し、 前記アノードは前記スリットの近傍にそれとほぼ平行に
    配置され、 前記イオン源と前記磁石とは磁力線がアノードに対して
    ほぼ平行で、前記アノードと前記カソードの間に生成さ
    れる電界に対して所定の角度をもつように配置されてい
    ることを特徴とするイオン源。
  3. 【請求項3】 ワークにイオンを注入するためのイオン
    注入装置であって、 イオン源と、 第1の方向にイオンビームの焦点を合わせ、そして走査
    するための複数の磁石と、 前記ワークを保持して第1の方向に対して直交する方向
    に動かすワークホルダーとを備え、 前記イオン源は、所定の方向に延びる磁力線を生成する
    ような磁石とともに用いられるように構成され、 該イオン源は、 壁によって区画されたチャンバと、 前記チャンバで生成されたイオンをチャンバから排出す
    るための比較的狭い細長い出口スリットとを有し、 該チャンバの中には、カソードと、該カソードおよび前
    記チャンバの壁から離れて配置されたアノードとが収容
    され、 アノードは前記出口スリットの近傍にそれとほぼ平行に
    配置され、 前記イオン源と前記磁石は、前記磁力線が、アノードと
    ほぼ平行であり、前記アノードと前記カソードの間に生
    成される電界に対して所定の角度をもっているように相
    対配置されていることを特徴とするイオン注入装置。
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