JPH11271499A - 可変面積型電子ビーム描画装置におけるビームの測定方法 - Google Patents

可変面積型電子ビーム描画装置におけるビームの測定方法

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JPH11271499A
JPH11271499A JP7907798A JP7907798A JPH11271499A JP H11271499 A JPH11271499 A JP H11271499A JP 7907798 A JP7907798 A JP 7907798A JP 7907798 A JP7907798 A JP 7907798A JP H11271499 A JPH11271499 A JP H11271499A
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electron beam
slit
signal
variable area
evaluation function
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JP7907798A
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Tadashi Komagata
正 駒形
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Jeol Ltd
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Jeol Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 矩形ビームの左右の辺のシャープネスをも測
定することができる可変面積型電子ビーム描画装置にお
けるビームの測定方法を実現する。 【解決手段】 制御CPUはステージ駆動回路39を制
御して、ステージ38を移動させ、検出器40を電子ビ
ームEBの光軸の下に位置させる。この状態で図5と同
様に、検出器40におけるナイフエッジ部材を横切って
電子ビームの走査を行う。この走査は、位置決め偏向器
制御回路34から位置決め偏向器29に走査信号を供給
することによって行う。この走査により、検出器40か
ら得られた信号は、AD変換器41を経て波形メモリー
42に供給される。波形メモリー42に記憶された信号
と、制御CPU30に記憶された評価関数とにより、カ
ーブフィッティング処理が施される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、2枚のスリットを用い
て電子ビームを成形するようにした可変面積型電子ビー
ム描画装置におけるビームの測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、電子ビーム描画装置では、実際
の描画動作に先だって、描画に用いる電子ビームのサイ
ズや位置、あるいは、電子ビームのフォーカスの状態を
測定し、その測定結果に基づいて電子ビームの調整を行
っている。図1はこのような電子ビームの測定に用いら
れる装置の一例を示しており、1は測定される電子ビー
ムである。電子ビーム1は図示していないが、2枚の矩
形スリットと、2枚の矩形スリットの間に設けられた偏
向器によって断面が矩形に形成されている。
【0003】電子ビーム1は、最終段レンズ2によって
集束され、更に、静電偏向器3によって偏向を受ける。
偏向器3の下部には、ナイフエッジ部材4が配置されて
いるが、ナイフエッジ部材4は矩形の開口が設けられて
おり、その各内側は薄く直線状に形成されている。ナイ
フエッジ部材4の下部には、散乱された電子ビームをカ
ットするアパーチャ5が設けられ、更にその下部には、
電子ビームの電流量を検出するファラデーカップ6が配
置されている。
【0004】上記の構成で、偏向器2に図2(a)に示
す鋸歯状の偏向信号を印加すると、矩形の電子ビーム1
は、X方向に偏向を受ける。電子ビームの偏向により、
電子ビームは徐々にナイフエッジ部材4によって遮蔽さ
れ、ファラデーカップ6に入射する電子ビームの量は減
少する。電子ビーム1がナイフエッジ部材4によって完
全に遮蔽されると、ファラデーカップ6の検出電流は0
となる。
【0005】図2(b)は、ファラデーカップ6の検出
電流を示しており、この検出電流信号を1回微分する
と、図2(c)の信号が得られる。更に、図2(c)の
信号を再度微分すると、図2(d)の信号が得られる。
この図2(d)で横軸は電子ビームの走査位置であり、
信号の2つのピーク間の距離に基づいて電子ビームのサ
イズが求められる。また、2つのピーク位置の中間位置
に基づいて、電子ビームの位置が判明する。更に、ピー
クの波高値は、電子ビームのフォーカスの状態を示して
いる。このようにして得られたビームサイズ、ビーム位
置、フォーカス状態により、電子ビームの各種調整が行
われ、その後に正規の描画動作が実行される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した電子ビームの
サイズ等の測定において、図2(b)に示した検出信号
は、通常ノイズ成分が含まれている。図3(a)はノイ
ズ成分を含んだファラデーカップの検出信号波形を示し
ており、このようなノイズ成分を含んだ信号を1回微分
すると、図3(b)の信号が得られ、更に、2回微分し
た結果の信号は、図3(c)のようになる。この図3
(c)の信号は、2つのピークがノイズピークの中に埋
もれてしまい、正確なビームサイズ,位置,フォーカス
状態の測定が不可能となる。
【0007】そのため、信号の平滑化処理を行うことが
実施されている。図4(a)はノイズ成分を含んだ検出
信号であり、この信号を微分すると図4(b)の信号が
得られる。この時、1次微分信号はノイズ除去の平滑化
処理が施されている。この処理を実行した後、再度微分
を行うと、図4(c)の信号が得られる。この信号で
は、ピーク位置は正しく得られるものの、平滑化処理に
よってピークが鈍ってしまうため、ビームのフォーカス
状態を反映するピークの波高値は、正しいものとはなら
なくなり、実質的にフォーカス状態を正しく測定するこ
とはできない。
【0008】このため、ビームを直線状のエッジを有し
た部材を横切って走査し、この走査にともなって検出さ
れたビームの信号の変化に対してカーブフィッティング
を施し、ビームサイズや位置等の測定を行なうことが考
えられている。
【0009】図5はこのカーブフィッティングを行うた
めの構成の一例を示しており、図1の装置と同一番号は
同一構成要素を示す。この構成で、ファラデーカップ6
によって検出された電流信号は、AD変換器7によって
ディジタル信号に変換された後、波形メモリー8に供給
される。波形メモリー8に供給されて記憶された信号
は、制御CPU9によって読み出され、カーブフィッテ
ィング処理が施される。なお、制御CPU9は静電偏向
器3に電子ビーム1の走査信号を供給するための偏向回
路10を制御している。このような構成の動作を次に説
明する。
【0010】電子ビーム1のサイズ,位置,フォーカス
状態を測定する場合、制御CPU9は偏向回路10を制
御し、静電偏向器3に鋸歯状の偏向信号を印加する。こ
の偏向信号の印加に伴って、矩形の電子ビーム1は、X
方向に偏向を受ける。電子ビームの偏向により、電子ビ
ームは徐々にナイフエッジ部材4によって遮蔽され、フ
ァラデーカップ6に入射する電子ビームの量は減少す
る。電子ビーム1がナイフエッジ部材4によって完全に
遮蔽されると、ファラデーカップ6の検出電流は0とな
る。
【0011】図6(a)は電子ビーム1の偏向によって
得られたファラデーカップ6の検出信号波形を示してお
り、この検出信号は波形メモリー8に記憶される。この
波形メモリー8に記憶された検出信号は制御CPU9に
よって読み出され、一次微分が行われる。ここで、一次
微分波形は予め図7に示すようにモデル化してある。図
7においてaはビームサイズの2分の1、bはビーム位
置である。
【0012】カーブフィッティングにおける基本的な考
え方は、検出信号波形をモデル化した波形に対してフィ
ティング処理を行うことであり、図6(a)に示した信
号波形は、一次微分され図7に示すモデル化された信号
波形とフィッティングを行うことにより、図6(b)の
信号が得られる。フィッティング処理された信号はノイ
ズ成分が除去され、図6(b)の信号を更に微分するこ
とにより、図6(c)の信号が得られる。
【0013】この図6(c)の信号は、フィッティング
処理が施されているのでノイズ成分が除去されており、
更に、平滑化処理がされていないので、ナイフエッジの
端部に基づく信号成分が鈍らずに明瞭に残っており、従
って、電子ビーム1のサイズ,位置,フォーカス状態を
正確に測定することができる。
【0014】次により具体的なフィッティング処理につ
いて述べる。まず、波形メモリー8に記憶されたファラ
デーカップ6の検出信号は制御CPU9に読み出され、
一次微分処理が施される。一次微分信号に対して、制御
CPU9はフィッティグ処理を行う。このフィッティン
グ処理は、適宜な評価関数を用いて行う。例えば、aが
ビームサイズの1/2、bがビーム位置、cがフォーカ
ス情報とすると、次の評価関数を用いることができる。
【0015】Fi(a,b,c)=Tanh{(i−a
−b)/c}−Tanh{(i+a−b)/c} なお、上式でiはビームの走査位置(i=1,2,……
…,n)を示している。フィッティングは、一次微分信
号のn個のデータAiと上記評価関数との差分の2乗和
が最小となるようにパラメータa,b,cを決定する。
すなわち、次式を用いてパラメータが決定される。
【0016】
【数1】
【0017】前記した例では、ファラデーカップ6の検
出信号を一次微分し、その後にフィッティング処理を行
ったが、この場合には、検出信号のSN比が比較的優れ
ている場合に適用することができる。ファラデーカップ
6の検出信号のSN比が比較的悪い場合には、波形メモ
リー8のn個のデータBi(i=1,2,……,n)と
評価関数Fiとの差分の2乗和
【0018】
【数2】
【0019】が最小となるようにパラメータa,b,c
を決定することができる。この場合、評価関数として
は、例えば、非線形最小2乗法を用いた次の関数を用い
ることができる。
【0020】Fi(a,b,c)=Log[Cosh
{(i+a−b)/c}]−Log[Cosh{(−i
+a+b)/c}] 上記はX方向のビームの測定であるが、同様にしてY方
向のビームの測定が行われる。このようにして、電子ビ
ームのビームサイズ、ビーム位置、フォーカス情報を測
定した後、ビームサイズの調整、ビーム位置の補正、フ
ォーカスの調整が実施され、その後、正規の描画動作が
開始される。
【0021】ところで、2枚の矩形状の成形スリットを
用いて矩形ビームを成形し、この矩形ビームの面積を変
えるようにした可変面積ビーム方式が利用されている。
この場合、2枚のスリットの間に電子レンズがあり、1
枚目のスリット像を2枚目のスリットに結像させてい
る。
【0022】この時、このレンズのフォーカスが合って
いないと被描画材料面での矩形ビームのフォーカスは、
第1スリット辺(例えば矩形ビームの下辺と右辺)と、
第2スリット辺(例えば上辺と左辺)とでフォーカスが
異なることとなる。上述したカーブフィッティング法で
は、この違いを測定することができなかった。
【0023】また、電子銃の調整やビームのアライメン
ト調整の具合によっては電流密度の分布が一様でなくな
るがこれを検出することができなかった。本発明は、こ
のような点に鑑みてなされたもので、その目的は、矩形
ビームの左右の辺のシャープネスをも測定することがで
きる可変面積型電子ビーム描画装置におけるビームの測
定方法を実現するにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に基づく
可変面積型電子ビーム描画装置におけるビームの測定方
法は、第1スリットと第2スリットとにより矩形ビーム
を成形するようにした可変面積型電子ビーム描画装置に
おいて、電子ビームを直線状のエッジを有した部材を横
切って走査し、この走査に伴って検出された電子ビーム
の信号の変化に対してカーブフィッティングを施し、電
子ビームのビームサイズ、ビーム位置、第1スリットの
フォーカス情報、第2スリットのフォーカス情報を測定
するようにしたことを特徴としている。
【0025】請求項1の発明では、電子ビームを直線状
のエッジを有した部材を横切って走査し、この走査に伴
って検出された電子ビームの信号の変化に対してカーブ
フィッティングを施し、電子ビームのビームサイズ、ビ
ーム位置、第1スリットのフォーカス情報、第2スリッ
トのフォーカス情報を測定し、ノイズの影響なく各情報
を正確に測定する。
【0026】請求項2の発明に基づく可変面積型電子ビ
ーム描画装置におけるビームの測定方法は、第1スリッ
トと第2スリットとにより矩形ビームを成形するように
した可変面積型電子ビーム描画装置において、電子ビー
ムを直線状のエッジを有した部材を横切って走査し、こ
の走査に伴って検出された電子ビームのn個のデータB
i(iは走査位置,i=1,2,………,n)と、aが
ビームサイズの1/2、bがビーム位置、c1が第1ス
リットのフォーカス情報、c2が第2スリットのフォー
カス情報である次の評価関数 Fi(a,b,c1,c2)=Log[Cosh{(i
+a−b)/c1}]−Log[Cosh{(−i+a
+b)/c2}] とを用い、データBiと評価関数Fiとの差分の2乗和
が最小となるようにパラメータa,b,c1,c2を決
定するようにしたことを特徴としている。
【0027】請求項2の発明では、検出信号のn個のデ
ータBiと評価関数Fiとの差分の2乗和が最小となる
ようにパラメータa,b,c1,c2を決定する。請求
項3の発明に基づく可変面積型電子ビーム描画装置にお
けるビームの測定方法は、第1スリットと第2スリット
とにより矩形ビームを成形するようにした可変面積型電
子ビーム描画装置において、電子ビームを直線状のエッ
ジを有した部材を横切って走査し、この走査に伴って検
出された荷電粒子ビームの信号を一次微分し、一次微分
信号のn個のデータAi(iは走査位置,i=1,2,
………,n)と、aがビームサイズの1/2、bがビー
ム位置、c1が第1スリットのフォーカス情報、c2が
第2スリットのフォーカス情報である次の評価関数 Fi(a,b,c1,c2)=Tanh{(i−a−
b)/c1}−Tanh{(i+a−b)/c2} とを用い、データAiと評価関数Fiとの差分の2乗和
が最小となるようにパラメータa,b,c1,c2を決
定するようにしたことを特徴としている。
【0028】請求項3の発明では、一次微分信号のn個
のデータAiと評価関数Fiとの差分の2乗和が最小と
なるようにパラメータa,b,c1,c2を決定する。
請求項4の発明に基づく可変面積型電子ビーム描画装置
におけるビームの測定方法は、請求項1〜3の発明にお
いて、評価関数に電流密度の分布パラメータを含めたこ
とを特徴としている。
【0029】請求項4の発明では、評価関数に電流密度
のパラメータを含めた。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図8は本発明を実施するた
めの可変面積型電子ビーム描画装置の一例を示してい
る。20は電子ビームEBを発生する電子銃であり、該
電子銃20から発生した電子ビームEBは、照射レンズ
21を介して第1成形スリット22上に照射される。第
1成形スリットの開口像は、成形レンズ23により、第
2成形スリット24上に結像されるが、その結像の位置
は、成形偏向器25により変えることができる。第2成
形スリット24により成形された像は、縮小レンズ2
6、対物レンズ27を経て描画材料28上に照射され
る。描画材料28への照射位置は、位置決め偏向器29
により変えることができる。
【0031】30は制御CPUであり、制御CPU30
はパターンデータメモリー31からのパターンデータを
データ転送回路32に転送する。データ転送回路32か
らのパターンデータは、成形偏向器25を制御する制御
回路33、位置決め偏向器29を制御する制御回路3
4、対物レンズ27の励磁を制御する制御回路35、電
子銃20から発生した電子ビームのブランキングを行う
ブランカー(ブランキング電極)36を制御するブラン
キングコントロール回路37に供給される。
【0032】更に、制御CPU30は、材料28のフィ
ールド毎の移動のために、材料28が載せられたステー
ジ38の駆動回路39を制御する。ステージ38の端部
には、検出器40が配置されているが、この検出器40
は、図5に示したナイフエッジ部材4、スリット5、フ
ァラデーカップ6より構成されている。
【0033】検出器40によって検出された信号は、A
D変換器41によってディジタル信号に変換された後、
波形メモリー42に記憶される。制御CPU30は、波
形メモリーに記憶されたデータに基づいてカーブフィッ
ティング処理を行い、ビームの測定を行う。このような
構成の動作を次に説明する。
【0034】まず、基本的な描画動作について説明す
る。パターンデータメモリ31に格納されたパターンデ
ータは、逐次読み出され、データ転送回路32に供給さ
れる。このデータ転送回路32からのデータに基づき、
偏向制御回路33は成形偏向器25を制御し、また、制
御回路34は位置決め偏向器29を制御する。
【0035】この結果、各パターンデータに基づき、成
形偏向器25により電子ビームの断面が単位パターン形
状に成形され、その単位パターンが順々に材料28上に
ショットされ、所望の形状のパターン描画が行われる。
なお、この時、ブランキングコントロール回路37から
ブランカー36へのブランキング信号により、材料28
への電子ビームのショットに同期して電子ビームのブラ
ンキングが実行される。
【0036】更に、材料28上の異なった領域への描画
の際には、制御CPU30からステージ駆動回路39へ
の指令により、ステージ38は所定の距離移動させられ
る。なお、ステージ38の移動距離は、図示していない
が、レーザー測長器により監視されており、測長器から
の測長結果に基づき、ステージの位置は正確に制御され
る。
【0037】次に、材料28へ照射される電子ビームの
フォーカス状態の測定について説明する。まず、制御C
PUはステージ駆動回路39を制御して、ステージ38
を移動させ、検出器40を電子ビームEBの光軸の下に
位置させる。この状態で図5と同様に、検出器40にお
けるナイフエッジ部材を横切って電子ビームの走査を行
う。
【0038】この走査は、位置決め偏向器制御回路34
から位置決め偏向器29に走査信号を供給することによ
って行う。この走査により、検出器40から得られた信
号は、例えば、図3(a)の信号波形となる。この信号
は、AD変換器41を経て波形メモリー42に供給され
る。
【0039】ここで、検出器40によって検出され、一
次微分された図2(c)の信号波形において、左辺は第
1スリット像、右辺が第2スリット像となる。第1スリ
ット22と第2スリット24との間には成形レンズ23
があるため、一般的には厳密にみれば左右のフォーカス
は異なり、したがって、左右のエッジシャープネスも異
なることになる。
【0040】本発明では、この点を考慮し、制御CPU
30に記憶されている信号波形モデル(評価関数)を以
下のごとく表す。 Fi(a,b,c1,c2)=Log[Cosh{(i
+a−b)/c1}]−Log[Cosh{(−i+a
+b)/c2}] i=1,2,3,・・・,n 上記で、aがビームサイズの1/2、bがビーム位置、
c1が第1スリット22のエッジシャープネス、c2が
第2スリット24のエッジシャープネスを表している。
この評価関数Fiと、波形メモリー42に記憶されたn
個のデータBi(i=1,2,……,n)との差分の2
乗和が最小となるようにパラメータa,b,c1,c2
を決定することができる。
【0041】このように、信号波形モデルに第1,第2
スリットのパラメータを取り入れることにより、近似の
正確さが増すため、ビームサイズ、ビーム位置、フォー
カス情報(エッジシャープネス)の測定精度が向上する
と共に、装置のメンテナンス性も向上する。すなわち、
従来は成形レンズ23の調整・確認ができなかったが、
本発明の手法によれば、これができるようになる。
【0042】更に進んだ方法として、電流密度の分布パ
ラメータを導入することができる。ここでは説明を分か
りやすくするために、入力信号を微分した波形モデルを
以下のように考える。
【0043】Gi(a,b,c1,c2)=Tanh
{(i−a−b)/c1}−Tanh{(i+a−b)
/c2} この波形Giと、電流密度の大きさと分布(ここでは傾
き)を表す式Hiとの積が、矩形ビームのモデル式Ri
となる。
【0044】Hi(k1,k2)=k1×i+k2 Ri(a,b,c1,c2,k1,k2)=Gi×Hi
=(k1×i+k2)×[Tanh{(i−a−b)/
c1}−Tanh{(i+a−b)/c2}] これらの式を図示すると図9のようになる。図9(a)
はGi、図9(b)はHi、図9(c)はRiを表す。
【0045】なお、入力信号でカーブフィッティング処
理を行う場合には、上記したRiの積分形を使うが、こ
の式は項数が多くなるので、ここでの記述は省略する。
以上本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上記形
態に限定されない。例えば、入力信号のS/Nが優れて
いる場合には、微分処理後にフィッティングを行っても
良い。その場合の信号波形モデルの一例として、次の式
を用いることができる。
【0046】Fi(a,b,c1,c2)=Tanh
{(i−a−b)/c1}−Tanh{(i+a−b)
/c2} なお、この場合には、評価関数Fiと、ファラデーカッ
プ6によって検出された信号の一次微分された信号のn
個のデータAi(iは走査位置、i=1,2,3,……
…,n)との差分の2乗和が最小となるようにパラメー
タが決定される。
【0047】また、フィッティングの計算処理は、スピ
ード向上のため、制御CPUで行わず、別個のマイクロ
プロセッサーを用いても良い。更に、評価関数は、ビー
ムサイズ、ビーム位置、フォーカス情報(エッドシャー
プネス)を表せるものであれば、上式に限定されるもの
ではない。そして、電流密度分布を表す式に高次式を使
っても良い。この場合には、傾きだけでなくより詳細な
分布情報が得られる。
【0048】更にまた、ナイフエッジ部材4によって遮
蔽され、ファラデーカップ6に入射する電子ビームの量
を検出したが、直線状のエッジを有した2次電子や反射
電子の放出係数の高い材料を用い、その材料を横切って
荷電粒子ビームを走査し、材料からの2次電子や反射電
子を検出するように構成しても良い。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明で
は、電子ビームを直線状のエッジを有した部材を横切っ
て走査し、この走査に伴って検出された電子ビームの信
号の変化に対してカーブフィッティングを施し、電子ビ
ームのビームサイズ、ビーム位置、第1スリットのフォ
ーカス情報、第2スリットのフォーカス情報を測定する
ようにしたので、ノイズの影響なく2枚のスリットのフ
ォーカス情報も含めて各情報を正確に測定することがで
きる。
【0050】請求項2の発明では、検出信号のn個のデ
ータBiと評価関数Fiとの差分の2乗和が最小となる
ようにパラメータa,b,c1,c2を決定するように
したので、ノイズの影響なく2枚のスリットのフォーカ
ス情報も含めて各情報を正確に測定することができる。
【0051】請求項3の発明では、一次微分信号のn個
のデータAiと評価関数Fiとの差分の2乗和が最小と
なるようにパラメータa,b,c1,c2を決定するよ
うにしたので、ノイズの影響なく2枚のスリットのフォ
ーカス情報も含めて各情報を正確に測定することができ
る。
【0052】請求項4の発明では、評価関数に電流密度
のパラメータを含めたので、電流密度の大きさと分布
(傾き)をも測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の電子ビーム測定に用いられる装置の一例
を示す図である。
【図2】電子ビーム測定のための基本的な信号処理を説
明するための波形図である。
【図3】従来の信号処理による各種波形を示す図であ
る。
【図4】平滑化処理を伴った従来の信号処理による各種
波形を示す図である。
【図5】本発明を実施するための装置の一例を示す図で
ある。
【図6】フィッティング処理を伴った信号処理による各
種波形を示す図である。
【図7】モデル化された一次微分信号を示す図である。
【図8】本発明を実施するための可変面積型電子ビーム
描画装置を示す図である。
【図9】電流密度の大きさと分布を考慮した信号波形を
示す図である。
【符号の説明】
20 電子銃 21 照射レンズ 22 第1スリット 23 成形レンズ 24 第2スリット 25 成形偏向器 26 縮小レンズ 27 対物レンズ 28 被描画材料 29 位置決め偏向器 30 制御CPU 36 ブランカー 38 ステージ 40 検出器 41 AD変換器 42 波形メモリー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1スリットと第2スリットとにより矩
    形ビームを成形するようにした可変面積型電子ビーム描
    画装置において、電子ビームを直線状のエッジを有した
    部材を横切って走査し、この走査に伴って検出された電
    子ビームの信号の変化に対してカーブフィッティングを
    施し、電子ビームのビームサイズ、ビーム位置、第1ス
    リットのフォーカス情報、第2スリットのフォーカス情
    報を測定するようにした可変面積型電子ビーム描画装置
    におけるビームの測定方法。
  2. 【請求項2】 第1スリットと第2スリットとにより矩
    形ビームを成形するようにした可変面積型電子ビーム描
    画装置において、電子ビームを直線状のエッジを有した
    部材を横切って走査し、この走査に伴って検出された電
    子ビームのn個のデータBi(iは走査位置,i=1,
    2,………,n)と、aがビームサイズの1/2、bが
    ビーム位置、c1が第1スリットのフォーカス情報、c
    2が第2スリットのフォーカス情報である次の評価関数 Fi(a,b,c1,c2)=Log[Cosh{(i
    +a−b)/c1}]−Log[Cosh{(−i+a
    +b)/c2}] とを用い、データBiと評価関数Fiとの差分の2乗和
    が最小となるようにパラメータa,b,c1,c2を決
    定するようにした可変面積型電子ビーム描画装置におけ
    るビームの測定方法。
  3. 【請求項3】 第1スリットと第2スリットとにより矩
    形ビームを成形するようにした可変面積型電子ビーム描
    画装置において、電子ビームを直線状のエッジを有した
    部材を横切って走査し、この走査に伴って検出された荷
    電粒子ビームの信号を一次微分し、一次微分信号のn個
    のデータAi(iは走査位置,i=1,2,………,
    n)と、aがビームサイズの1/2、bがビーム位置、
    c1が第1スリットのフォーカス情報、c2が第2スリ
    ットのフォーカス情報である次の評価関数 Fi(a,b,c1,c2)=Tanh{(i−a−
    b)/c1}−Tanh{(i+a−b)/c2} とを用い、データAiと評価関数Fiとの差分の2乗和
    が最小となるようにパラメータa,b,c1,c2を決
    定するようにした可変面積型電子ビーム描画装置におけ
    るビームの測定方法。
  4. 【請求項4】 評価関数に電流密度の分布パラメータを
    含めた請求項1〜3記載の可変面積型電子ビーム描画装
    置におけるビームの測定方法。
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