JPH11271121A - フローセンサおよびその製造方法 - Google Patents

フローセンサおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH11271121A
JPH11271121A JP7208098A JP7208098A JPH11271121A JP H11271121 A JPH11271121 A JP H11271121A JP 7208098 A JP7208098 A JP 7208098A JP 7208098 A JP7208098 A JP 7208098A JP H11271121 A JPH11271121 A JP H11271121A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
sensor
thin film
fluid
flow sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7208098A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Wado
弘幸 和戸
Yoshinori Otsuka
義則 大塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP7208098A priority Critical patent/JPH11271121A/ja
Publication of JPH11271121A publication Critical patent/JPH11271121A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Volume Flow (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブリッジ型のマイクロヒータを設ける構成の
フローセンサで、基板への熱の損失を低減できるように
する。 【解決手段】 フローセンサ11のセンサチップ12
は、シリコン基板14の中央部に裏面まで貫通する空洞
部15が形成される。空洞部15を架橋するように薄膜
構造のマイクロヒータ16および温度センサ17が形成
される。支持基板13には空洞部15に対応する位置に
凹部21が形成される。センサチップ12を支持基板1
3に接着すると、マイクロヒータ16から支持基板13
までの距離Thはシリコン基板14の厚さと凹部21の
深さとの和の距離になる。距離Thを長く設定でき、マ
イクロヒータ16から基板への熱の損失が低減できるた
め、検出感度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、センサ基板に形成
された空洞部を架橋するように設けられた薄膜発熱部を
備え、この薄膜発熱部を発熱させた状態で近傍を流通す
る流体により奪われる熱量を検出してその流体の流量を
検出するようにしたフローセンサおよびその製造方法に
関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来より、流体の流量
を検出するフローセンサとしては、センサ基板に極めて
熱容量の小さい薄膜構造を有する発熱体と温度センサと
を設けた構成とし、温度センサ部分から発熱体にかけて
流通する流体が発熱体から奪う熱量に基づいてその流体
の流量を検出するようにした構成のものがある。
【0003】図8および図9はこのようなフローセンサ
1の一例を示している。センサ基板としてのシリコン基
板2の中央部には、エッチングにより所定深さまで凹部
を形成して空洞部3が設けられており、この空洞部3の
縁部間を架橋するように薄膜により形成したマイクロヒ
ータ4および温度センサ部5が設けられている。
【0004】これらマイクロヒータ4および温度センサ
5は、基本的には同じ膜構造を採用しており、金属膜な
どを蒸着してパターニングして形成したヒータパターン
層6を下部薄膜7および上部薄膜8で挟んで保持した状
態に構成したものである。このヒータパターン層6は、
空洞部3に架橋している膜構造内を複数回往復するよう
に細いパターンとして形成されており、その両端部がシ
リコン基板2の端部に導出され電極パッド6aとして形
成されている。
【0005】このような構成とすることで、例えば、図
中白抜き矢印Fで示す方向から、空気などの測定対象の
流体が流れてきたときに、温度センサ5によりその流体
の温度を検出し、その検出温度に対して一定温度だけ高
く保持するようにマイクロヒータ4のヒータパターン層
6の端子間に通電する。このとき、流体の流量に応じて
マイクロヒータ4から奪われる熱量が変化するので、給
電量も流量に応じて変化することになり、そのときの給
電量を流量として換算することができ、これによって流
量を検出するようにしたものである。
【0006】ところで、このような熱線式のフローセン
サにおいては、数百度に加熱可能なヒータをセンサ内に
設ける必要があり、上述したフローセンサにおいても、
マイクロヒータ4により数百度まで昇温するように給電
することになる。このとき、消費電力の低減や熱応答性
を高めるために、一般に、マイクロヒータ4部分を数μ
m程度の薄膜構造として形成することで基板への熱伝導
による損失を抑制するようにしており、これによって熱
容量を低減させるようにした構造を採用している。
【0007】上記のように熱容量を低減させる構成を採
用したものとしては、例えば、特開平4−152221
号公報や特開平7−55523号公報に記載されている
ように、薄膜構造にスリットを形成することや、あるい
は局部的に薄肉化するなどの構造を採用して断熱するよ
うにしたものがある。
【0008】ところで、このようにして熱容量の大幅な
低減を行なうことによって、薄膜構造を通しての熱損失
だけではなく、ヒータパターン層6から測定対象の流体
を介してシリコン基板2側に伝達する熱の損失について
も無視できない問題となってくる。
【0009】つまり、図示の構造のフローセンサ1で
は、ブリッジ構造を採用して空洞部3としてシリコン基
板2の表面から凹部を形成する構成であるから、ヒータ
パターン層6を設けたマイクロヒータ4とシリコン基板
2の空洞部3底面部との間の距離Thは100〜300
μm程度の範囲となる。したがって、この構造を採用す
る関係から、ヒータパターン層6から空洞部3内の流体
を介してシリコン基板2側に伝達する熱損失が例えば数
ミリワット程度になることもあり、この結果、測定対象
の流体の流量が少ない範囲においては検出感度が低下し
てきてしまう不具合がある。
【0010】ブリッジ構造を採用したフローセンサで
は、上述のような熱損失が高くなるものの、次のような
利点がある。例えば、特開平3−261868号公報に
示されるものは、流体がヒータパターン層の上側だけで
なく、空洞部を介して流入した流体がヒータパターン層
の裏面側にも流通するので、検出感度が高くなる利点が
ある。
【0011】これに対して、ダイヤフラム構造を採用し
たフローセンサにおいては、基板の表面に形成したダイ
ヤフラムにヒータパターン層を設け、その裏面側はエッ
チングにより除去しているので、ダイヤフラム部は下地
の支持基板に対してほぼ基板と同じ距離だけ離れるの
で、ヒータパターン層からの熱損失が比較的低減できる
利点がある。
【0012】ところが、この構成では、基板の裏面側か
らダイヤフラムを形成するためのエッチングを行なう必
要があるので、距離をかせぐために基板の厚さを厚くす
ることに伴ってエッチング深さが大きくなり、エッチン
グ技術そのものが難しくなると共にエッチング時間も長
くなる。加えて、ダイヤフラム構造のものでは、ヒータ
パターン層の表面側には測定対象の流体が流通するが、
裏面側には流通しない構造となるので、検出感度はブリ
ッジ型の構造のものよりも低くなる。
【0013】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、検出感度特性が優れたブリッジ型の構
造を採用しながら薄膜発熱部から基板側へ逃げる熱の損
失を極力低減することができ、流体の流量が少ない場合
でも高い検出感度で検出動作を行なうことができるよう
にしたフローセンサおよびその製造方法を提供すること
にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明によれ
ば、センサ基板に形成された空洞部を架橋するように設
けられた薄膜発熱部を備え、この薄膜発熱部を発熱させ
た状態で近傍を流通する流体により奪われる熱量を検出
してその流体の流量を検出するようにしたフローセンサ
において、センサ基板の空洞部を、少なくともセンサ基
板の薄膜発熱部と対向する部分が裏面側まで貫通するよ
うに形成しているので、薄膜発熱部と対向するセンサ基
板あるいはこのセンサ基板を支持している基板との間の
距離を長くすることができ、これによって、薄膜発熱部
から測定対象となる流体を介してセンサ基板側に伝達す
る熱の損失を低減することができ、しかも、流体を薄膜
発熱部の裏面側にも流通させる構成を採用できるので検
出感度を高めたものとすることができるようになる。
【0015】請求項2の発明および請求項3の発明によ
れば、センサ基板を支持する支持基板に少なくとも薄膜
発熱部と対向する部分に凹部あるいは貫通孔を設けた構
成としているので、薄膜発熱部と支持基板との間の距離
を長く設定することができるようになり、センサ基板を
厚くすることにより薄膜白熱部と対向する部分の距離を
長く設定する構成を採用する必要がなくなって、センサ
基板を厚いものを採用することによる加工性や生産性の
低下を招くことなく検出感度を高めた構成で且つ熱の損
失を低減することができる構成とすることができる。
【0016】請求項4の発明および請求項5の発明によ
れば、センサ基板の空洞部を、測定対象の流体が流通す
る方向の少なくとも一方側に対して開口する溝部が連結
するように形成し、あるいは、支持基板を、検出対象の
流体が流通する方向の少なくとも一方側に対して開口す
る溝部を連通させるように形成したので、測定対象の流
体を溝部を介して空洞部内に導きやすくなり、薄膜発熱
部の上下の両面近傍に測定対象の流体が低流量の場合で
もより多くの流量で流通させることができるようにな
り、検出感度の向上を図ることができるようになる。
【0017】請求項6の発明によれば、請求項1ないし
5のいずれかに記載したフローセンサを製造する場合に
おいて、空洞部を形成する際に行なうエッチング処理工
程では、センサ基板の薄膜発熱部を形成する面側とその
裏面側との両側から同時にエッチング処理を行なって貫
通するように形成するので、ダイヤフラム型のものを製
造する場合におけるエッチング時間よりも半分程度に短
縮することができ、実質的に空洞部のみを設ける従来構
成のものとエッチング時間がほとんど変わらないように
して製造することができるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
をエアフローセンサに適用した場合の第1の実施形態に
ついて図1ないし図3を参照しながら説明する。図1は
エアフローセンサ11の外観を示すもので、センサチッ
プ12は支持基板13に接着により搭載されている。セ
ンサチップ12は、センサ基板としてのシリコン基板1
4(厚さ寸法Twは例えば600μm程度)を加工して
形成したもので、その中央部には対角線方向に長尺な六
角形状をなす空洞部15が基板14の裏面側まで貫通す
るように形成されている。
【0019】この空洞部15にはこれを架橋するように
形成された薄膜発熱体としてのマイクロヒータ16およ
び温度センサ17が設けられている。これらマイクロヒ
ータ16および温度センサ17は、図2(図1中測定流
体の流通方向であるA−A線の断面図)にも示すよう
に、発熱体となるヒータパターン層18が下部薄膜19
と上部薄膜20とにより挟んで保持するようにした構成
とされている。
【0020】支持基板13は、例えば、ガラス板やAl
(アルミナ)板などのセラミック系の基板(板厚
はTa)を用いており、上面中央部には深さ寸法がTz
(例えば200μm程度)の円筒状をなす凹部21が形
成されており、センサチップ12を搭載したときにその
空洞部15に対応する部分と連結するようになってい
る。
【0021】さて、上記のような構成のエアフローセン
サ11は、図中白抜き矢印Fで示すように、測定対象と
なる流体としての空気が流れてくる場合に、その上流側
に位置する温度センサ17により空気の温度を測定し、
下流側に位置するマイクロヒータ16に対して検出した
温度よりも一定温度ΔTだけ高くなるように通電する。
このときの供給電力は、流通する空気の量つまり流量に
応じてマイクロヒータ16から奪う熱量が異なることに
起因して変化するので、これを検出することにより空気
の流量を検出するようにしたものである。
【0022】この場合、前述したように、マイクロヒー
タ16に対して測定対象となる空気がブリッジ構造の部
分で表面側と空洞部15側に分かれてマイクロヒータ1
6のの上下を挟むようにして流れることから、ダイヤフ
ラム型のように表面側にしか流体が流通しない構造に比
べて、流体の流れに対する検出感度が高くなり、これに
よって流量が少ない領域でも精度良く検出動作を行なう
ことができるようになる。
【0023】また、マイクロヒータ16から空洞部15
を介して基板側つまり支持基板13側に逃げる熱の損失
については、その間の距離Thに依存する。本実施例に
おいては、上述したような構成とすることで、マイクロ
ヒータ16の下側の支持基板13までの空洞部15の距
離Thは、シリコン基板14の厚さTwと支持基板13
の凹部21の深さ寸法Tzの和にほぼ等しくなり、この
場合においては800μm程度の値となっている。
【0024】これにより、ブリッジ型の構造を採用した
フローセンサ11としながら、従来タイプのような凹部
を形成して得られる200〜300μm程度の距離Th
と異なり、マイクロヒータ16の下面から基板である支
持基板13部分までの距離Thを十分に大きい値に設定
することができるようになり、マイクロヒータ16のヒ
ータパターン層18で発生する熱が空洞部15内の空気
を介して支持基板13に伝達して損失となる量を抑制す
ることができるようになる。
【0025】なお、上述したThの値として必要な寸法
を設定するためには、使用するシリコン基板14の厚さ
Twや支持基板13の厚さTaに関係しているので、こ
れらによって必要な寸法を確保するようにすれば良い
が、必要なThの値そのものについては、検出流量範囲
やマイクロヒータ16の温度などによっても異なるため
一律に規定することができない。
【0026】しかし、実際上では、例えば、厚さTwが
400μmのシリコン基板14を用いたときに、従来構
成のもののThを200μm程度とし、本実施形態のお
けるThの値を1400μm程度とした場合(Tw=4
00μm,Tz=1000μm)とでは、マイクロヒー
タ16から空洞部を介して基板側に伝達する熱の損失
は、2mW程度異なってくることがわかった。
【0027】なお、この結果は、マイクロヒータ16の
部分の面積やセンサ形状の違いなどによって距離Thに
よる熱の損失量は異なり、定性的にみるとこの関係は、
距離Thに対して熱損失(熱の逃げ量)は反比例のよう
な関係にある。そこで、本実施形態における構造につい
て、見積もり計算を行なったところ、距離Thの値が6
00μm程度あれば、熱の逃げ量は距離Thが200μ
mの場合の半分程度まで抑制することができることがわ
かった。
【0028】そこで、この程度の熱の逃げ量の低減の効
果を期待することを前提とし、流量が少ない場合につい
ても十分な感度で測定できることを考慮すると、距離T
hの値を800μm程度以上となるように設定すること
が好ましいことがわかった。なお、要求される検出レベ
ルに応じて距離Thの条件は、決まってくるもので、上
記した値に限定されることはない。そして、設定しよう
とする距離Thの値に対しては、本実施形態の構成を採
用することにより、シリコン基板14の厚さ寸法に関係
なく支持基板13との関係で所望の値に設定することが
できるので、設計の自由度が向上していることがわか
る。
【0029】さて、次に、上記エアフローセンサ11の
製造工程について図3を参照して簡単に説明する。ま
ず、シリコン基板14に対して、下部薄膜19,ヒータ
パターン層18および上部薄膜20を順次積層形成する
(図3(a)参照)。この場合、下部薄膜19は、2層
構造を採用しており、1層目には、例えば窒化シリコン
(Si)膜をLPCVD法により75nm程度成
膜し、続いて2層目には、二酸化シリコン(SiO
膜をプラズマCVD法を用いて0.6μm程度成膜す
る。
【0030】なお、このように下部薄膜19を、2層の
構成としたのは、引張応力膜である窒化シリコン膜と圧
縮応力膜である二酸化シリコン膜を組み合わせることに
より下部薄膜19全体としての内部応力を緩和したもの
とするためであり、これによって、膜厚を従来よりも厚
くした場合でも内部応力によって自己破壊に至るのを防
止することができ、さらには、耐湿性の向上を図る構成
として耐環境性の向上を図るためである。
【0031】次に、下部薄膜19の上に、ヒータパター
ン層18となる白金(Pt)膜を真空蒸着法により20
0nm程度の膜厚で全面に成膜する。このとき、下地の
下部薄膜19に対する接着層として極薄い(例えば5n
m程度の膜厚)Ti層を設けている。この後、周知のフ
ォトリソグラフィ処理を行なって、図1に示したような
ヒータパターン層18の形状となるようにエッチングを
行なってパターニングする。
【0032】続いて、上部薄膜20として、1層目に二
酸化シリコン(SiO)膜をプラズマCVD法を用い
て0.6μm程度成膜し、続いて2層目には、窒化シリ
コン(Si)膜をLPCVD法により75nm程
度成膜する。なお、このように上部薄膜20も2層の構
成とするのは、下部薄膜19を2層に構成するのと全く
同じ理由からである。
【0033】次に、上部薄膜20および下部薄膜19の
所定部分をフォトリソグラフィ処理によってエッチング
することで所定形状にパターニングする(同図(b)参
照)。これにより、マイクロヒータ16部分および温度
センサ17部分を分離形成する。このとき、電極パッド
18aの部分にはコンタクトをとるために上部薄膜20
に開口部を20aを形成しておく。この後、空洞部15
を形成する工程でのエッチングに備えて保護膜22とし
て全面に500nm程度の膜厚のAu膜を蒸着などの方
法により形成し、電極パッド18aの部分に対応してパ
ターニングして他の部分をエッチングで除去する。
【0034】続いて、空洞部15を形成すべく、シリコ
ン基板14の表面および裏面の両側から所定形状にパタ
ーニングした開口部分23a,23bからTMAH溶液
などを用いて異方性エッチングを行ない、マイクロヒー
タ16および温度センサ17の部分がブリッジ状になる
ようにすると共に、上面から下面に貫通する孔部として
形成する(同図(c)参照)。これにより、マイクロヒ
ータ16および温度センサ17は、基板底面まで貫通し
た形状の空洞部15を架橋するように薄膜の構造体とし
て残された状態の構成とすることができる。
【0035】最後に、上述のようにして形成されたセン
サチップ12を支持基板13に接着する(同図(d)参
照)。このとき、支持基板13には、あらかじめ円形状
の凹部21を形成しておき、センサチップ12の接着に
際しては、センサチップ21の空洞部15の部分が支持
基板13の凹部21の部分と対応するように位置合わせ
した状態とする。
【0036】このような本実施形態によれば、センサチ
ップ12に形成する空洞部15をシリコン基板14の裏
面側まで貫通する構造とすると共に、支持基板13に凹
部21を形成し、マイクロヒータ16と空洞部15を介
した基板側との距離Thを大きく設定できるようにした
ので、マイクロヒータ16を発熱させたときに基板側に
伝導して損失する熱量を低減することができるようにな
り、流量が少ない範囲においても正確な検出動作を行な
うことができるようになる。
【0037】また、このように距離Thを任意に設定す
るための構造として、支持基板13に凹部21を形成す
るようにしたので、センサチップ12のシリコン基板1
4の厚さ寸法を厚く設定する必要がなくなり、エッチン
グを行なう時間の増大を招くことのも防止できる。
【0038】さらに、シリコン基板14に空洞部15を
形成する際のエッチング処理では、ダイヤフラムや凹部
を形成する場合と異なり、基板14の両面側から同時に
エッチングを行なうことができるので、エッチング量が
多いにもかかわらずエッチング時間を厚さ寸法Twの半
分の量をエッチングするのに必要な時間を要するのみで
形成することができる。
【0039】(第2の実施形態)図4および図5は、本
発明の第2の実施形態を示すもので、第1の実施形態と
異なるところは、センサチップ11に代えて、センサチ
ップ23を設けて流体が流通する方向の表面に溝部24
を形成して空洞部15と連結した構成にすると共に、支
持基板25に裏面側に貫通する貫通孔26を形成したと
ころである。
【0040】図4にはセンサチップ23のみを示してお
り、この図から明らかなように、第1の実施形態におけ
るセンサチップ11の流体の流通方向(図中に白抜き矢
印Fで示す)つまり、対角線方向に溝部24をエッチン
グにより形成したものであり、これにより、溝部24が
流体の流通経路として機能するようになるので、流体の
流れがスムーズになってマイクロヒータ16や温度セン
サ17の裏面側にも流体が十分流れるようになり、検出
感度が向上するようになる。
【0041】また、図5に示すように、溝部24を形成
することにより、空洞部15におけるシリコン基板14
の中央部での突起を上面側を除去した構造とすることが
できるので、マイクロヒータ16のシリコン基板14へ
の熱の損失を低減することができる。さらに、支持基板
25には貫通孔26を形成することにより、マイクロヒ
ータ16からの距離Thを大きく設定することができる
ようになるので、第1の実施形態に示したものよりもさ
らに熱の損失を抑制することができるようになる。
【0042】また、図5に示しているように、センサチ
ップ24は、支持基板25に形成した凹部25a内に埋
め込んで、センサチップ23の溝部24の底面と同程度
の位置となるように配置すると共に、支持基板25の流
体が流入する部分の面25bおよび流出する部分の面2
5cを面取りをして滑らかな面として流体が流通しやす
くなるようにしたので、矢印F方向から流入する流体の
乱れが少なくなり、検出感度の向上を図ることができる
ようになる。
【0043】なお、上述の構成においては、支持基板2
5に貫通孔26を設けているが、前述したように、マイ
クロヒータ16からの距離Thを所望の距離に設定でき
る場合には、貫通しない凹部として形成する構成として
も良い。また、支持基板25の面25cの面取りは、必
要に応じて行うことができる。
【0044】(第3の実施形態)図6および図7は、本
発明の第3の実施形態を示すもので、第2の実施形態と
異なるところは、センサチップ23に代えて、センサチ
ップ27を設けて流体が流通する方向の裏面側にも流体
の流入側にのみ溝部28を形成して空洞部15と連結し
た構成にすると共に、マイクロヒータ16に代えて断熱
効果を高めたマイクロヒータ29を設け、さらに、支持
基板30も溝部28の形状に対応した形状に変更したと
ころである。
【0045】図6にはセンサチップ27のみを示してお
り、この図から明らかなように、第2の実施形態におけ
るセンサチップ23の流体の流入側にも溝部28をエッ
チングにより形成したものであり、これにより、溝部2
4および溝部28が流体の流入口として機能するように
なるので、流体の流れがスムーズになってマイクロヒー
タ29や温度センサ17の裏面側にも流体が十分流れる
ようになり、検出感度が向上するようになる。
【0046】なお、溝部28を流体の流入側にのみ形成
するのは、両側に形成すると、マイクロヒータ29およ
び温度センサ17を支持する機械的強度が低下して破壊
してしまう恐れがあるからである。また、ここでは、マ
イクロヒータ29として、ブリッジ部の端部から少し中
央部寄りにヒータパターン29aを配設し、端部側には
開口部29bを形成してシリコン基板14への熱の損失
を低減した構成としている。
【0047】次に、図7に示すように、支持基板30に
はセンサチップ27の溝部28に合わせて凹部30aを
形成すると共に、支持基板30の流体が流入する部分の
面30bおよび流体が流出する部分の面30cを面取り
をして滑らかな面として流体が流通しやすくなるように
したので、矢印F方向から流入しする流体の乱れが少な
くなり、検出感度の向上を図ることができるようにな
る。この支持基板30の面30cの面取りは必要に応じ
て設ければ良い。
【0048】なお、上述の実施形態の構成において、セ
ンサチップ27の溝部28および支持基板30の溝部3
0aを流体が流入する側に形成する構成としているが、
これに限らず、流体が流出する側に溝部28,30aに
相当する溝部を形成する構成としても良い。これによっ
ても、矢印F方向から流体が流入したときに、流体がセ
ンサチップの出口側で溝部を介して流れることができる
ので、上述同様にしてその流れをスムーズになるように
することができ、これにより、マイクロヒータ29およ
び温度センサ17の裏面側にも流体を十分に流れるよう
にすることができる。
【0049】本発明は、上記実施形態にのみ限定される
ものではなく、次のように変形また拡張できる。基板
は、シリコン基板14に代えて、SiC(炭化シリコ
ン)基板,ガラス基板あるいはセラミック基板など種々
のものを用いることができる。圧縮応力膜や引張応力膜
として、SiOx,SixNy,SixOyNz(x,
y,zは任意の整数)などのシリコンと酸素や窒素との
化合物を用いた膜を採用することができる。
【0050】ヒータパターン層18を形成する材料は、
Si,NiCr,TaN,SiC,Wなど種々のものを
使用することができる。ヒータパターン層18に形成す
る接着層は、Ti膜以外に接着機能を持つ材料を用いる
ことができるし、あるいは、ヒータパターン層18が下
地と直接密着する場合には設けない構成とすることもで
きる。
【0051】下部薄膜19および上部薄膜20は、ヒー
タパターン層18を保護する機能を有するものであれば
何でも良く、例えば、TlO,Al,Ta
あるいはMgOを用いた膜などを用いることができる
し、単層膜や多層膜の構造を採用することができる。
【0052】下部薄膜19と上部薄膜20とは、ヒータ
パターン層18を挟んで全く対称となるように構成する
もの以外に、各薄膜の内部応力を緩和すると共に、反り
モーメントを互いに打ち消し合うような特性を有するも
のであれば、膜の積層数や膜厚あるいは材質なども適宜
選択設定した膜構造を採用することができる。また、上
記条件を満たすようにすれば、圧縮応力膜および引張応
力膜を1層ずつではなく、複数層ずつ形成しても良い
し、配置の順序を入れ替える構成としても良い。さらに
は、下部薄膜19および上部薄膜20を構成する各膜を
アモルファス材料ではなく多結晶系の材質の膜として形
成することもできる。ただし、この場合には、アモルフ
ァス材料を用いた場合に比べて膜の内部応力の安定性が
多少低下する場合もある。
【0053】エッチング保護膜22は、必要に応じて設
ければ良く、ヒータパターン層18の材料がシリコンの
エッチングに耐える材質のものを使用する場合には省い
た構成とすることができる。
【0054】エアフローセンサ以外に、他の気体あるい
は液体などの流体の流量を計測するフローセンサにも適
用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す全体構成の外観
斜視図
【図2】図1中A−A線で示す断面部分を模式的に示す
縦断側面図
【図3】製造工程の進行に伴って示す模式的な縦断側面
【図4】本発明の第2の実施形態を示す図1相当図(支
持基板を除く)
【図5】図2相当図
【図6】本発明の第3の実施形態を示す図1相当図(支
持基板を除く)
【図7】図2相当図
【図8】従来例を示す図1相当図
【図9】図2相当図
【符号の説明】
11はフローセンサ、12,23,27はセンサチッ
プ、13,25,30は支持基板、14はシリコン基
板、15は空洞部、16,29はマイクロヒータ(薄膜
発熱部)、17は温度センサ、18はヒータパターン
層、19は下部薄膜、20は上部薄膜、21は凹部、2
4,28は溝部である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 センサ基板に形成された空洞部を架橋す
    るように設けられた薄膜発熱部を備え、この薄膜発熱部
    を発熱させた状態で近傍を流通する流体により奪われる
    熱量を検出してその流体の流量を検出するようにしたフ
    ローセンサにおいて、 前記空洞部は、少なくとも前記センサ基板の前記薄膜発
    熱部と対向する部分が裏面側まで貫通するように形成さ
    れていることを特徴とするフローセンサ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のフローセンサにおい
    て、 前記センサ基板を支持する支持基板を設け、この支持基
    板の少なくとも前記薄膜発熱部と対向する部分に凹部を
    設けたことを特徴とするフローセンサ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のフローセンサにおい
    て、 前記センサ基板を支持する支持基板を設け、この支持基
    板の少なくとも前記薄膜発熱部と対向する部分に貫通孔
    を設けたことを特徴とするフローセンサ。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載のフ
    ローセンサにおいて、 前記センサ基板の空洞部は、前記測定対象の流体が流通
    する方向の少なくとも一方側に対して開口した溝部が連
    結するように形成されていることを特徴とするフローセ
    ンサ。
  5. 【請求項5】 請求項2ないし4のいずれかに記載のフ
    ローセンサにおいて、 前記支持基板は、前記測定対象の流体が流通する方向の
    少なくとも一方側に対して開口した溝部が連結するよう
    に形成されていることを特徴とするフローセンサ。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載した
    フローセンサを製造する方法において、 前記空洞部は、前記センサ基板の前記薄膜発熱部を形成
    する面側とその裏面側との両側から同時にエッチング処
    理を行なって貫通するように形成するエッチング処理工
    程を含んでいることを特徴とするフローセンサの製造方
    法。
JP7208098A 1998-03-20 1998-03-20 フローセンサおよびその製造方法 Pending JPH11271121A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7208098A JPH11271121A (ja) 1998-03-20 1998-03-20 フローセンサおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7208098A JPH11271121A (ja) 1998-03-20 1998-03-20 フローセンサおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11271121A true JPH11271121A (ja) 1999-10-05

Family

ID=13479089

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7208098A Pending JPH11271121A (ja) 1998-03-20 1998-03-20 フローセンサおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11271121A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005274515A (ja) * 2004-03-26 2005-10-06 Myotoku Ltd センサ及びその測定方法
JP2009302033A (ja) * 2008-06-10 2009-12-24 Samsung Electronics Co Ltd マイクロヒーター、その製造方法、及びマイクロヒーターを利用したパターン形成方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005274515A (ja) * 2004-03-26 2005-10-06 Myotoku Ltd センサ及びその測定方法
JP2009302033A (ja) * 2008-06-10 2009-12-24 Samsung Electronics Co Ltd マイクロヒーター、その製造方法、及びマイクロヒーターを利用したパターン形成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3867393B2 (ja) マイクロヒータおよびその製造方法ならびにエアフローセンサ
US5231878A (en) Mass air flow sensor
JPH01195327A (ja) 流速計測用薄膜マイクロセンサの中間構造体および同マイクロセンサの製造方法
JP4474771B2 (ja) 流量測定装置
US6615655B1 (en) Heat-sensitive type flow rate detecting element and holder therefor
JP2000131112A (ja) 感熱式流量センサ
US6725716B1 (en) Thermo-sensitive flow rate sensor and method of manufacturing the same
JP3655838B2 (ja) 感熱式流量センサ
JP2005024400A (ja) 感熱式流量検出素子およびその製造方法
JP4404297B2 (ja) フローセンサ
JPH11271121A (ja) フローセンサおよびその製造方法
JP3601993B2 (ja) 熱型センサおよびその製造方法
JPH08105854A (ja) Coセンサ
JP4258084B2 (ja) フローセンサおよびその製造方法
JP2000146656A (ja) フロ―センサおよびその製造方法
JP2000111377A (ja) 流量センサ並びに流量センサの製造方法
JP4258080B2 (ja) フローセンサ
JP2001165733A (ja) フローセンサとその製造方法
KR100559129B1 (ko) 감열식 공기유량센서
JP4253976B2 (ja) フローセンサ
JPH0593732A (ja) フローセンサ
JP2001153705A (ja) 熱型センサ、フローセンサおよびフローセンサの製造方法
JP2001165732A (ja) フローセンサおよびその製造方法
JPH06273208A (ja) 流量センサ
JP2020122752A (ja) 検出素子の形成方法及び検出装置