JP2020122752A - 検出素子の形成方法及び検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】腐食剤を供給するエッチングホールの設置場所の自由度を向上させつつ、熱(分布)に対してより高い感度を有する検出装置を形成する技術を提供する。【解決手段】本発明は、単結晶半導体からなる基板の表面に、多結晶半導体からなる薄膜である犠牲層膜を形成する工程と、犠牲層膜の上に、検出素子としての機能を含む素子薄膜層を形成する工程と、素子薄膜層を部分的に腐食除去することで、該素子薄膜層を貫通し、系外と前記犠牲層膜の表面とを繋ぐ孔を形成する工程と、孔から腐食液を供給することで、前記犠牲層膜を等方的に腐食させて除去する工程と、さらに、前記犠牲層膜が除去された空間を介して腐食液を供給して前記基板を腐食させることで、前記基板に、前記素子薄膜層に対して開口する空洞を形成する工程と、を有する、検出素子の形成方法である。【選択図】図1

Description

本発明は、検出素子の形成方法及び検出装置に関する。
半導体からなる基板に、当該基板の表面に開口を有する空洞を形成し、さらに、基板表面における空洞の開口に対向するように検出素子が配置される検出装置が開示されている(例えば特許文献1―4)。また、基板の空洞の形成方法として、空洞となる基板の部分をシリコン酸化膜で形成し、当該シリコン酸化膜をエッチングにより腐食除去することによって空洞を形成する技術が開示されている(例えば非特許文献1)。
特許第5534193号公報 特許第4742972号公報 特許第4050857号公報 米国特許出願公開第2015/0020587号明細書
JOURNAL OF MICROELECTROMECHANICAL SYSTEMS,VOL.8,NO.1,MARCH 1999,A Micromachined Flow Shear−Stress Sensor Based on Thermal Transfer Principles
特許文献1‐4に開示される基板の空洞を形成する方法として、基板表面の空洞の開口となる部分にエッチングホールを形成し、このエッチングホールから基板を腐食除去するための腐食剤を供給することが考えられる。
しかしながら、基板が単結晶構造により形成される場合、腐食の進行に異方性があると考えられる。従って、腐食除去する領域の制御が困難で、所望の領域に空洞を設けるためにはエッチングホールの設置場所を厳密に検討する必要があると考えられる。
一方、非特許文献1に開示される空洞の作成方法の場合、エッチングホールを設けずに済む。しかしながら、このような空洞の作成方法の場合、空洞の深さは、酸化膜の膜厚に相当するものとなる。そうすると、空洞が浅く形成され、空洞内の熱は空洞の底部を介して基板へ移動してしまうため、本作成方法を熱(分布)の検出装置に適用し、検出素子が空洞の開口部分に配置される場合には、熱(分布)に対する感度が低下する不都合がある。
本発明者は、従来技術においては、腐食剤を供給するエッチングホールの設置場所の自由度が低くなり、あるいは、熱(分布)の検出装置における感度が低下することを見出した。
本発明は、一側面では、このような実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、腐食剤を供給するエッチングホールの設置場所の自由度を向上させつつ、熱(分布)に対してより高い感度を有する検出装置を形成する技術を提供することである。
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
すなわち本発明の一側面に係る検出素子の形成方法は、単結晶半導体からなる基板の表面に、多結晶半導体からなる薄膜である犠牲層膜を形成する工程と、前記犠牲層膜の上に、検出素子としての機能を含む素子薄膜層を形成する工程と、前記素子薄膜層を部分的に腐食除去することで、該素子薄膜層を貫通し、系外と前記犠牲層膜の表面とを繋ぐ孔を形成する工程と、前記孔から腐食液を供給することで、前記犠牲層膜を等方的に腐食させて除去する工程と、さらに、前記犠牲層膜が除去された空間を介して腐食液を供給して前記基板を腐食させることで、前記基板に、前記素子薄膜層に対して開口する空洞を形成する工程と、を有する、検出素子の形成方法である。
当該方法によれば、所定の腐食液が孔へ供給される場合、所定の腐食液による犠牲層膜の腐食が進行する。また、犠牲層膜に浸透した所定の腐食液が基板へも浸透し、基板の腐食が進行する。よって、基板に設けられた空洞の開口の形状を、犠牲層膜の形状に合わせることが可能となる。そして、当該開口部分に熱電対が存在する検出素子が形成される。
また、当該方法によれば、腐食液を供給する孔の位置が何れの位置であっても、孔から供給された腐食液は犠牲層膜を腐食除去し、このように腐食除去された領域に基づいて、さらに基板を腐食除去することが可能となる。すなわち、上記の検出素子の形成方法によれば、孔の設置場所の自由度は向上する。その結果、当該方法によれば、検出素子の性能を向上させるために熱電対及び孔の設置場所を柔軟に変更することができる。
また、当該方法によれば、所定の腐食液を所定量以上入れることにより、基板の腐食が進行し、所定の膜厚以上の深さの空洞を形成することができる。よって、空洞の底を介して熱が基板へ移動することは抑制される。よって、熱の変化に対する熱電対の検出感度が低下することは抑制される。
また、当該方法によれば、基板の裏面側に開口が形成される場合と比較し、空洞の寸法のばらつきを抑制することができる。よって、熱の分布のばらつきは抑制され、熱電対の出力がばらつくことは抑制される。
また、当該方法によれば、基板の表側に空洞の開口を形成することができる。よって、基板の表側と裏側とが開口している空洞を有する基板よりも、剛性の高い基板を生成することができる。
上記一側面に係る検出素子の形成方法において、前記犠牲層膜が形成される工程は、前記基板の表面に絶縁膜が形成される工程と、前記絶縁膜の一部が除去される工程と、前記絶縁膜が除去され前記基板が露出した露出部分の表面と、前記露出部分を囲む前記絶縁膜の縁の表面に前記犠牲層膜が形成される工程を含んでもよい。
当該方法によれば、絶縁膜が除去された部分に設けられる犠牲層膜が腐食される。また、当該犠牲層膜の下方に位置する基板も腐食される。ここで、基板の腐食にばらつきが生じることが考えられる。しかしながら、このような場合であっても、絶縁膜が除去された部分を囲む絶縁膜の縁の表面に設けられた犠牲層膜の腐食は等方的に進行する。すなわち、基板の腐食がばらつくことにより空洞の寸法にばらつきが生じる場合であっても、空洞に露出する素子薄膜層の面積のばらつきは抑制される。よって、空洞内に分布する熱が膜を介して熱電対へ伝わる度合いのばらつきは抑制される。よって、熱電対の感度のばらつきは抑制される。
上記一側面に係る検出素子の形成方法において、前記検出素子は、第一の温接点、及び第一の冷接点を有する第一の熱電対を直列に繋げて長手方向と垂直な方向に並べた第一熱電対列と、第二の温接点、及び第二の冷接点を有する第二の熱電対を直列に繋げて長手方向と垂直な方向に並べた第二熱電対列と、を有し、前記第一熱電対列と前記第二熱電対列とを、前記第一の温接点の列と前記第二の温接点の列とが直線状の電熱ヒータを挟んで対向するように配置することで形成された検出素子であり、前記孔は、前記第一熱電対列と前記第二熱電対列が配置された領域の、前記第一の熱電対と前記第二の熱電対の並び方向の両側に設けられることを特徴としてもよい。
当該方法によれば、孔の存在により、素子薄膜層に含まれる熱が基板へ移動することは抑制される。よって、素子薄膜層の周辺に分布する熱量の低下は抑制される。よって、素子薄膜層の周辺を流体が流れる場合、流体の流速の変化に対する熱の分布の変化の感度は高まる。すなわち、熱電対の感度は高まる。
また、当該方法によれば、孔を1つの開口として配置することが可能である。すなわち、孔の大きさを拡大することは容易となる。よって、基板に空洞を形成するために、孔から基板を腐食させる所定の腐食液を入れる場合、所定の腐食液を多く入れることは容易に行うことができる。すなわち、腐食の進行は促進される。
また、当該方法によれば、素子薄膜層が基板の表側に露出するだけではなく、空洞の内部へも露出する。よって、外部環境の変化が素子薄膜層に伝わりやすくなる。よって、熱電対の感度が向上する。
また、当該方法によれば、孔を介して空洞の外側を流れる流体が空洞の内部へ流入する。よって、熱電対の周辺の熱の移動が促進される。よって、空洞の内部に流体が流入しない場合と比較して、熱の変化を検出する熱電対の感度は向上する。
また、当該方法によれば、孔の存在により系外と空洞とは通じている。よって、空洞の内部に流体が存在する場合、空洞が密閉されることにより、流体の特性が変化することは抑制される。よって、流体の特性が変化することにより、熱電対の検出結果が変化し、検出の正確性が低下することは抑制される。
また、当該方法によれば、電熱ヒータによる加熱により、電熱ヒータを中心として対称に熱の分布が生じる。そして、熱の分布が生じている場所に流体が流れる場合、当該熱の分布に変化が生じる。よって、流体が流れる場合と流れない場合とによって第一熱電対列及び第二熱電対列からの出力に差が生じる。すなわち、当該構成によれば、第一熱電対列の出力及び第二熱電対列の出力の差に基づき流体の流量は算出可能となる。
また、当該方法によれば、電熱ヒータによって生成された熱が素子薄膜層を介して熱電対へ伝わる。よって、熱が空気を介して熱電対へ伝わる場合よりも分布する熱の変化に対する第一熱電対列の出力及び第二熱電対列の出力の応答速度は向上する。
また、当該方法によれば、電熱ヒータによって生成された熱が素子薄膜層を介して熱電対へ伝わる。よって、空気を介して熱電対へ伝わる場合よりも熱電対へ伝わる熱量は多くなる。よって、第一熱電対列の出力及び第二熱電対列の出力は大きくなり、第一熱電対列の出力及び第二熱電対列の出力に含まれるノイズの影響は相対的に低減される。また、流体の流速が速く、熱が流体によって奪われやすい状態であっても、流体の流量は検出可能となる。
上記一側面に係る検出素子の形成方法において、前記孔は、前記第一熱電対列と前記第二熱電対列が配置された領域の、前記第一の熱電対と前記第二の熱電対の並び方向の両側において、其々前記電熱ヒータを挟んで二箇所ずつ設けられることを特徴としてもよい。
当該方法によれば、素子薄膜層に含まれる熱が基板へ移動することは抑制される。よって、素子薄膜層の周辺に分布する熱量の低下は抑制される。よって、素子薄膜層の周辺を流体が流れる場合、流体の流速の変化に対する熱の分布の変化の感度は高まる。すなわち、熱電対の感度は高まる。
上記一側面に係る検出素子の形成方法において、前記孔は、さらに、前記第一熱電対列と前記第二熱電対列が配置された領域の、前記第一の熱電対と前記第二の熱電対の並び方向の少なくとも一部において、前記電熱ヒータを挟んで設けられることを特徴としてもよい。
当該方法によれば、電熱ヒータによって生じた熱が空気を介して移動する量が多くなる。よって、素子薄膜層の表面近傍を流れる流体の流速に対する熱電対の感度が高まる。
また、当該方法によれば、素子薄膜層の表面近傍を流体が流れる場合、素子薄膜層の表面近傍を流れる流体が孔を介して空洞の内部へ流入する量は増大する。よって、流体の流量が変化した場合の熱電対の周囲の熱の移動が促進される。すなわち、熱電対の感度は向上する。
上記一側面に係る検出素子の形成方法において、前記孔の少なくとも一部は、微小な点状の微小孔の集合として形成されることを特徴としてもよい。
当該方法によれば、微小孔の開孔面積の総和と同じ面積を有する1つの孔が開けられる場合と比較し、素子薄膜層の剛性は高められる。
上記一側面に係る検出素子の形成方法によって形成された検出素子を有する検出装置であって、前記検出素子は、第一の温接点、及び第一の冷接点を有する第一の熱電対を直列に繋げて長手方向と垂直な方向に並べた第一熱電対列と、第二の温接点、及び第二の冷接点を有する第二の熱電対を直列に繋げて長手方向と垂直な方向に並べた第二熱電対列と、を有し、前記第一熱電対列と前記第二熱電対列とを、前記第一の温接点の列と前記第二の温接点の列とが直線状の電熱ヒータを挟んで対向するように配置することで形成された検出素子であり、前記孔は、前記第一熱電対列と前記第二熱電対列が配置された領域の、前記第一の熱電対と前記第二の熱電対の並び方向の両側に設けられることを特徴としてもよい。
当該構成によれば、孔の存在により、素子薄膜層に含まれる熱が基板へ移動することは抑制される。よって、素子薄膜層の周辺に分布する熱量の低下は抑制される。よって、素子薄膜層の周辺を流体が流れる場合、流体の流速の変化に対する熱の分布の変化の感度は高まる。よって、熱電対の感度は高まる。
また、当該構成によれば、孔を1つの開口として配置することが可能である。すなわち、孔の大きさを拡大することは容易となる。よって、基板に空洞を形成するために、孔から基板を腐食させる所定の腐食液を入れる場合、所定の腐食液を多く入れることは容易に行うことができる。すなわち、腐食の進行は促進される。
また、当該構成によれば、素子薄膜層が基板の表側に露出するだけではなく、空洞の内部へも露出する。よって、外部環境の変化が素子薄膜層に伝わりやすくなる。よって、熱
電対の感度が向上する。
また、当該構成によれば、孔を介して空洞の外側を流れる流体が空洞の内部へ流入する。よって、熱電対の周辺の熱の移動が促進される。よって、空洞の内部に流体が流入しない場合と比較して、熱の変化を検出する熱電対の感度は向上する。
また、当該構成によれば、孔の存在により系外と空洞とは通じている。よって、空洞の内部に流体が存在する場合、空洞が密閉されることにより、流体の特性が変化することは抑制される。よって、流体の特性が変化することにより、熱電対の検出結果が変化し、検出の正確性が低下することは抑制される。
また、当該構成によれば、電熱ヒータによる加熱により、電熱ヒータを中心として対称に熱の分布が生じる。そして、熱の分布が生じている場所に流体が流れる場合、当該熱の分布に変化が生じる。よって、流体が流れる場合と流れない場合とによって第一熱電対列及び第二熱電対列からの出力に差が生じる。すなわち、当該構成によれば、第一熱電対列の出力及び第二熱電対列の出力の差に基づき流体の流量は算出可能となる。
また、当該構成によれば、電熱ヒータによって生成された熱が素子薄膜層を介して熱電対へ伝わる。よって、熱が空気を介して熱電対へ伝わる場合よりも分布する熱の変化に対する第一熱電対列の出力及び第二熱電対列の出力の応答速度は向上する。
また、当該構成によれば、電熱ヒータによって生成された熱が素子薄膜層を介して熱電対へ伝わる。よって、空気を介して熱電対へ伝わる場合よりも熱電対へ伝わる熱量は多くなる。よって、第一熱電対列の出力及び第二熱電対列の出力は大きくなり、第一熱電対列の出力及び第二熱電対列の出力に含まれるノイズの影響は相対的に低減される。また、流体の流速が速く、熱が流体によって奪われやすい状態であっても、流体の流量は検出可能となる。
上記一側面に係る検出装置において、前記孔は、前記第一熱電対列と前記第二熱電対列が配置された領域の、前記第一の熱電対と前記第二の熱電対の並び方向の両側において、其々前記電熱ヒータを挟んで二箇所ずつ設けられることを特徴としてもよい。
当該構成によれば、素子薄膜層に含まれる熱が基板へ移動することは抑制される。よって、素子薄膜層の周辺に分布する熱量の低下は抑制される。よって、素子薄膜層の周辺を流体が流れる場合、流体の流速の変化に対する熱の分布の変化の感度は高まる。よって、熱電対の感度が高まる。
上記一側面に係る検出装置において、前記孔は、さらに、前記第一熱電対列と前記第二熱電対列が配置された領域の、前記第一の熱電対と前記第二の熱電対の並び方向の少なくとも一部において、前記電熱ヒータを挟んで設けられることを特徴としてもよい。
当該構成によれば、電熱ヒータによって生じた熱が空気を介して移動する量が多くなる。よって、素子薄膜層の表面近傍を流れる流体の流速に対する熱電対の感度が高まる。
また、当該構成によれば、素子薄膜層の表面近傍を流体が流れる場合、素子薄膜層の表面近傍を流れる流体が孔を介して空洞の内部へ流入する量は増大する。よって、流体の流量が変化した場合の熱電対の周囲の熱の移動が促進される。すなわち、熱電対の感度は向上する。
上記一側面に係る検出装置において、前記孔の少なくとも一部は、微小な点状の微小孔
の集合として形成されることを特徴としてもよい。
当該構成によれば、微小孔の開孔面積の総和と同じ面積を有する1つの孔が開けられる場合と比較し、素子薄膜層の剛性は高められる。
本発明によれば、腐食剤を供給するエッチングホールの設置場所の自由度を向上させつつ、熱(分布)に対してより高い感度を有する検出装置を形成する技術を提供することができる。
図1は、実施形態に係る検出装置の概要の一例を模式的に例示する。 図2は、検出装置を用いた流量検出の原理を模式的に例示する。(A)は、流体が流れていない場合の温度分布の一例を模式的に例示する。(B)は、流体が流れている場合の温度分布の一例を模式的に例示する。 図3は、実施形態に係る検出装置の形成方法の一例を例示するフローチャートである。 図4は、検出装置の形成方法の一工程を模式的に例示する。 図5は、検出装置の形成方法の一工程を模式的に例示する。 図6は、検出装置の形成方法の一工程を模式的に例示する。 図7は、検出装置の形成方法の一工程を模式的に例示する。 図8は、検出装置の形成方法の一工程を模式的に例示する。 図9は、検出装置の形成方法の一工程を模式的に例示する。 図10は、従来の検出装置の概要の一例を模式的に例示する。 図11は、基板にエッチングホールを設けた場合に形成される空洞の概要を模式的に例示する。(A)は、エッチングホールが矩形である場合を示す。(B)はエッチングホールが楕円形である場合を示す。(C)は、エッチングホールがスリット状である場合を示す。 図12は、基板に複数のエッチングホールが設けられる場合に、形成される空洞の概要を模式的に例示する。 図13は、実施形態の変形例に係る検出装置の概要の一例を模式的に例示する。(A)は、エッチングホールが、複数の小さな孔から形成される場合を示す。(B)は、エッチングホールが、複数の小さな孔から形成され、さらにそれらの孔の一部がヒータ2とサーモパイル3A、3Bとの間に設けられる場合を示す。(C)は、ヒータとサーモパイルとの間に設けられるエッチングホールが、複数の小さな孔から形成される場合を示す。 図14は、実施形態の変形例に係る検出装置の概要の一例を模式的に例示する。(A)は、検出装置の上面図の概要の一例を示す。(B)は、検出装置の断面図の一例として、(A)におけるA―A矢印断面図を示す。 図15は、空洞の上部に位置するシリコン酸化膜がフッ酸水溶液の腐食により除去された場合の検出装置の概要の一例を模式的に例示する。
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
§1 構成例
図1は、本実施形態に係る検出装置1の概要の一例を模式的に例示する。図1は、検出装置1の上面図の概要の一例を示している。検出装置1は、中央部分にヒータ2を備える。また、検出装置1は、ヒータ2を中心として対称に設けられるサーモパイル3A、3Bを備える。ここで、ヒータ2は、本発明の「電熱ヒータ」の一例である。サーモパイル3A、3Bは、複数の熱電対が直列に接続されるものである。また、サーモパイル3Aが本発明の「第一の熱電対列」、サーモパイル3Bが本発明の「第二の熱電対列」の夫々に対応する。サーモパイル3A、3Bが並ぶ方向は、例えばヒータ2の近傍を流れる流体の流れる向きである。また、サーモパイル3A、3Bは、夫々温接点5A、5B、及び冷接点6A、6Bを備える。ここで、温接点5Aは、本発明の「第一の温接点」の一例である。また、冷接点6Aは、本発明の「第一の冷接点」の一例である。また、温接点5Bは、本発明の「第二の温接点」の一例である。また、冷接点6Bは、本発明の「第二の冷接点」の一例である。
また、検出装置1は、ヒータ2及びサーモパイル3A、3Bが配置される基板10を備える。基板10は、単結晶のシリコンにより形成される。また、基板10は、空洞11を有し、空洞11の上部に開口12を有する。空洞11及び開口12は、その中央部分を中心として基板10の表面方向に対称な形状をしている。また、検出装置1は、シリコン酸化膜8、13(後述する)、及びシリコン窒化膜9を備える。開口12は、シリコン酸化膜8によって覆われ、シリコン酸化膜8の上にヒータ2及びサーモパイル3A,3Bが形成される。また、シリコン酸化膜13は、開口12以外の基板10の表面を覆う。シリコン窒化膜9は、ヒータ2、及びサーモパイル3A、3Bを上面から覆う。また、検出装置1は、サーモパイル3A及び3Bの側方であって、開口12の縁に、シリコン酸化膜8及びシリコン窒化膜9を貫通し、系外と開口12とを連通させるエッチングホール14を備える。
ここで、ヒータ2は、開口12の中央部分に配置される。そして、サーモパイル3Aの温接点5Aと冷接点6Aとは、開口12の縁を跨ぐように設けられる。すなわち、サーモパイル3Aの温接点5Aは、図1に示す上面視において開口12の内側に配置され、サーモパイル3Aの冷接点6Aは、開口12の外側に配置される。同様にして、サーモパイル3Bの温接点5Bと冷接点6Bとは、開口12の縁を跨ぐように設けられる。すなわち、サーモパイル3Bの温接点5Bは、開口12の内側に配置され、サーモパイル3Bの冷接点6Bは、開口12の外側に配置される。
§2 流量測定原理
次に、検出装置1を用いた流量検出の原理を説明する。図2は、検出装置1を用いた流量検出の原理を模式的に例示する。図2(A)は、流体が流れていない状態でヒータ2が通電している場合の温度分布の一例を模式的に例示する。一方、図2(B)は、流体が流れている状態でヒータ2を通電している場合の温度分布の一例を模式的に例示する。流体が流れていない場合、ヒータ2からの熱は、ヒータ2を中心として対称に拡散する。よって、温接点5Aの温度と冷接点6Aの温度との温度差と、温接点5Bの温度と冷接点6Bの温度との温度差とは同一となる。すなわち、サーモパイル3Aの出力とサーモパイル3Bの出力との間には差は生じない。一方、流体が流れている場合、ヒータ2からの熱は、流体の流れの影響を受け、ヒータ2を中心として対称に広がらず、下流のサーモパイル3B側へ、より拡散していく。よって、温接点5Aの温度と冷接点6Aの温度との温度差と、温接点5Bの温度と冷接点6Bの温度との温度差とは異なる。すなわち、サーモパイル3Aの出力とサーモパイル3Bの出力との間には差が生じる。また、流体の流量が多いほど、サーモパイル3Aとサーモパイル3Bの出力の差は大きくなる。上記の流体の流量とサーモパイル3Aと3Bの出力の差との関係は、例えば下記の数1のように表される。
Figure 2020122752
ここで、ΔVはサーモパイル3Aの出力とサーモパイル3Bの出力との差、Vはサーモパイル3Bの出力値、Vはサーモパイル3Aの出力値を表す。また、Rは流体の流速である。上記の式に基づき、サーモパイル3A、3Bの出力から流体の流量は算出可能となる。
§3 検出装置1の形成方法
次に、本実施形態に係る検出装置1の形成方法を説明する。図3は、本実施形態に係る検出装置1の形成方法の一例を例示するフローチャートである。なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
(ステップS101)
図4は、ステップS101における工程の概要の一例を模式的に例示する。ただし、図4は、検出装置1の片側を示す断面図の一例である。ステップS101では、基板10を用意する。この基板10は例えば、単結晶シリコンにより形成される。そして、シリコン酸化膜13を基板10の全面に成膜する。その後、シリコン酸化膜13の所定の部分をフォトリソグラフィ、エッチングなどにより、除去する。ここで、シリコン酸化膜13は、本発明の「素子薄膜層」の一例であり、本発明の「絶縁膜」の一例である。また、シリコン酸化膜13が基板10の全面に成膜されることは、本発明の「基板の表面に絶縁膜が形成される工程」の一例である。また、シリコン酸化膜13の所定の部分を除去することは、本発明の「素子薄膜層を部分的に腐食除去」すること、及び本発明の「絶縁膜の一部が除去される工程」の一例である。
(ステップS102)
図5は、ステップS102における工程の概要の一例を模式的に例示する。ステップS102では、シリコン酸化膜13を除去した部分に、ポリシリコン層15(以降、犠牲層Poly−Si層15という)を形成する。犠牲層Poly−Si層15は、シリコンの多結晶体を含む。犠牲層Poly−Si層15は、シリコン酸化膜13を除去した部分を囲むシリコン酸化膜13の表面部分16まで延長して形成される。ここで、犠牲層Poly−Si層15は、本発明の「犠牲層膜」の一例である。また、表面部分16は、本発明の「露出部分を囲む絶縁膜の縁の表面」の一例である。また、ステップS102は、本発明の「単結晶半導体からなる基板の表面に、多結晶半導体からなる薄膜である犠牲層膜を形成する工程」の一例である。また、ステップS102は、本発明の「絶縁膜が除去され基板が露出した露出部分の表面と、露出部分を囲む絶縁膜の縁の表面に犠牲層膜が形成される工程」の一例である。
(ステップS103)
図6は、ステップS103における工程の概要の一例を模式的に例示する。ステップS103では、シリコン酸化膜8が基板10を系外と絶縁させるために基板10の上に形成される。また、シリコン酸化膜8の上には、ポリシリコン層7が形成される。そして、ヒータ2がポリシリコン層7の上に形成される。また、ポリシリコン層7の上にサーモパイル3A、3Bが形成される。ここで、シリコン酸化膜8は、本発明の「素子薄膜層」を形成する膜の一例である。
(ステップS104)
図7は、ステップS104における工程の概要の一例を模式的に例示する。ステップS104では、ポリシリコン層7やその上に形成されるヒータ2及びサーモパイル3A、3Bをシリコン酸化膜8、及びシリコン窒化膜9によって被覆する。また、シリコン酸化膜8、及びシリコン窒化膜9を貫通し、系外と犠牲層Poly−Si層15とを連通させるエッチングホール14を設ける。ここで、シリコン窒化膜9は、本発明の「素子薄膜層」を形成する膜の一例である。また、エッチングホール14は、本発明の「孔」の一例である。また、ステップS103及びステップS104は、本発明の「犠牲層膜の上に、検出素子としての機能を含む素子薄膜層を形成する工程」の一例である。また、エッチングホール14を設けることは、本発明の「素子薄膜層を貫通し、系外と犠牲層膜の表面とを繋ぐ孔を形成する工程」の一例である。
(ステップS105)
図8は、ステップS105における工程の概要の一例を模式的に例示する。ステップS105では、エッチングホール14から犠牲層Poly−Si層15及び基板10を腐食させる腐食液を供給する。腐食液は、例えばTMAH(Tetramethylammo
nium hydroxide)液である。ここで、TMAH液は、本発明の「所定の腐
食液」の一例である。
犠牲層Poly−Si層15は、シリコンの多結晶体を含むため、TMAH液によって腐食が等方的に進行する性質を有する。すなわち、犠牲層Poly−Si層15は、基板10の実装面方向に腐食が等方的に進行していく。また、TMAH液は、犠牲層Poly−Si層15を介し、基板10へも浸透する。そして、基板10も腐食が進行する。
(ステップS106)
図9は、ステップS106における工程の概要の一例を模式的に例示する。ステップS106では、TMAH液の腐食は、ステップS102において、シリコン酸化膜13を除去した部分を囲むシリコン酸化膜13の表面部分16の上に存在する犠牲層Poly−Si層15が腐食され、隙間17が形成されるまで行われる。そして、基板10が所望の深さまで腐食が進行し、基板10に空洞11が形成される。そして、TMAH液のエッチングホール14からの供給は停止される。ここで、ステップS106及びステップS107は、本発明の「孔から腐食液を供給することで、犠牲層膜を等方的に腐食させて除去する工程」の一例である。また、ステップS106及びステップS107は、本発明の「前記犠牲層膜が除去された空間を介して腐食液を供給して前記基板を腐食させることで、前記基板に、前記素子薄膜層に対して開口する空洞を形成する工程」の一例である。
図10は、従来の検出装置30の形成工程によって形成された従来の検出装置30の上面図の概要の一例を示している。従来の検出装置30の形成工程では、基板10Aの上に犠牲層Poly−Si層15を設けない。また、従来の検出装置30の形成工程では、エッチングホール34は、シリコン酸化膜8、及びシリコン窒化膜9を貫通するように設けない。従来の検出装置30では、エッチングホール34を基板10Aに設ける。また、従来の検出装置30では、基板10Aの中央部分にエッチングホール34を複数備える。
図11は、基板にエッチングホールを設け、エッチングホールからTMAH液が入れられた場合に、形成される空洞の一例を示している。図11(A)は、エッチングホール14Fが矩形である場合、図11(B)はエッチングホール14Fが楕円形である場合、図11(C)は、エッチングホール14Fがスリット状である場合を示している。図11に示されるように、基板10Aが標準的なシリコン基板((100)基板、XY軸が<110>方向)である場合、エッチングホールのX軸方向の最大横幅とY軸方向の最大縦幅からなる矩形の空洞11Gが形成される。
図12は、基板10Aに複数のエッチングホール14Gが設けられる場合に、形成される空洞11Gの一例を示している。図12に示されるように、複数のエッチングホール14Gが設けられ、それぞれのエッチングホール14GからTMAH液が入れられた場合、エッチングホール14G以上の大きさの空洞11Gが作製可能となる。
つまり、図11、及び図12のように複数のエッチングホール34から基板10Aを腐食させるための腐食液が入れられることにより、基板10Aの腐食が進行する。そして、基板10Aの中央部分に空洞41が形成される。そして、基板表面上にヒータ2及びサーモパイル3A、3Bが形成される。このような形成工程により従来の検出装置30は形成される。
しかしながら、従来の腐食方法の場合、基板10Aは、腐食液によって腐食される場合に、犠牲層Poly−Si層15よりも異方的に腐食される。よって、従来の腐食方法の場合、空洞41及び開口42の寸法にはばらつきが生じる。また、エッチングホールの位置、個数が適切に設定されない場合には、空洞41及び開口42を所望の形状・寸法とすることができなくなる。
[作用・効果]
上記の検出装置1の形成方法によれば、TMAH液がエッチングホール14へ入れられる場合、TMAH液による犠牲層Poly−Si層15の腐食が進行する。また、犠牲層Poly−Si層15に浸透したTMAH液が基板10へも浸透し、基板10の腐食が進行する。よって、犠牲層Poly−Si層15が設けられた部分が開口12となる空洞11が基板10に形成される。そして、開口12の部分にサーモパイル3A、3Bが存在する検出装置1が形成される。
また、上記の検出装置1の形成方法によれば、犠牲層Poly−Si層15はシリコンの多結晶体を含む。よって、犠牲層Poly−Si層15の腐食は、等方的に進行する。換言すれば、TMAH液を供給するエッチングホール14の位置が何れの位置であっても、エッチングホール14から供給されたTMAH液は犠牲層Poly−Si層15を腐食除去し、このように腐食除去された領域に基づいて、さらに基板10を腐食除去することが可能となる。すなわち、上記の検出装置1の形成方法によれば、エッチングホールの設置場所の自由度は向上する。よって、サーモパイル3A、3Bの設置場所の自由度も向上する。すなわち、当該方法によれば、検出装置1の性能を向上させるためにサーモパイル3A、3B及びエッチングホール14の設置場所を柔軟に変更することができる。
また、上記の検出装置1の形成方法によれば、TMAH液を入れる量に応じて基板10の腐食が進行する。よって、所定の膜厚以上の深さの空洞11を形成することができる。よって、空洞11の底を介して熱が基板10へ移動することは抑制される。よって、熱の変化に対するサーモパイル3A、3Bの検出感度が低下することは抑制される。
また、上記の検出装置1の形成方法によれば、基板10の裏面側に開口12が形成される場合と比較し、空洞11の寸法のばらつきを抑制することができる。よって、熱の分布のばらつきは抑制され、サーモパイル3A、3Bの出力がばらつくことは抑制される。
また、上記の検出装置1の形成方法によれば、基板10の表側に空洞11の開口12を形成することができる。よって、基板の表側と裏側とが開口している空洞を有する基板よりも、剛性の高い基板10を生成することができる。
また、上記の検出装置1の形成方法によれば、シリコン酸化膜13が除去された部分に設けられる犠牲層Poly−Si層15が腐食される。また、当該犠牲層Poly−Si
層15の下方に位置する基板10も腐食される。ここで、基板10の腐食にばらつきが生じることが考えられる。しかしながら、このような場合であっても、シリコン酸化膜13が除去された部分を囲むシリコン酸化膜13の縁の表面に設けられた犠牲層Poly−Si層15の腐食は等方的に進行する。そして、所定の隙間17が形成される。すなわち、基板10の腐食がばらつくことにより空洞11の寸法にばらつきが生じる場合であっても、隙間17の寸法のばらつきは抑制される。よって、空洞11に露出するシリコン酸化膜8の面積のばらつきは抑制される。よって、空洞11内に分布する熱がシリコン酸化膜8を介してサーモパイル3A、3Bへ伝わる度合いのばらつきは抑制される。よって、サーモパイル3A、3Bの感度のばらつきは抑制される。
また、上記の検出装置1によれば、ヒータ2による加熱により、ヒータ2を中心として対称に熱の分布が生じる。そして、例えばシリコン窒化膜9の表面近傍にサーモパイル3Aからサーモパイル3Bへ向かって流体が流れる場合、当該熱の分布に変化が生じる。よって、流体が流れる場合と流れない場合とによってサーモパイル3Aの出力とサーモパイル3Bの出力とに差が生じる。そして、上記の数1に基づき、流体の流量は算出可能となる。
また、上記の検出装置1によれば、エッチングホール14の存在により、シリコン酸化膜8又はシリコン窒化膜9に含まれる熱が基板10へ移動することは抑制される。よって、シリコン酸化膜8又はシリコン窒化膜9の周辺に分布する熱量の低下は抑制される。よって、シリコン酸化膜8又はシリコン窒化膜9の表面の近傍においてサーモパイル3Aからサーモパイル3Bへ向かって流体が流れる場合、流体の流速の変化に対する熱の分布の変化の感度は高まる。よって、サーモパイル3A、3Bの感度は向上する。また、流体の流速が速く、熱が流体によって奪われやすい状態であっても、流体の流量は検出可能となる。
また、上記の検出装置1によれば、サーモパイル3A、3Bを覆うシリコン酸化膜8又はシリコン窒化膜9が基板10の表側に露出するだけではなく、空洞11へも露出する。よって、外部環境の変化がシリコン酸化膜8又はシリコン窒化膜9に伝わりやすくなる。また、シリコン酸化膜8又はシリコン窒化膜9に伝わった熱が基板10へ逃げづらくなる。よって、サーモパイル3A、3Bの感度が向上する。
また、上記の検出装置1によれば、エッチングホール14を介して空洞11の外側を流れる流体が空洞11の内部へ流入する。よって、サーモパイル3A、3Bの周辺の熱の移動が促進される。また、エッチングホール14は、サーモパイル3A及び3Bの側方であって、開口12の縁に設けられている。すなわち、エッチングホール14が設けられる場所は、ヒータ2やその他の部品などが存在しない場所であり、エッチングホール14を1つの開口として大きく設けることが可能となる。よって、空洞11の内部への流体の流入量を増大させることが容易となる。よって、空洞11の内部に流体が流入しない場合と比較して、熱の分布の変化を検出するサーモパイル3A、3Bの感度は向上する。また、エッチングホール14の大きさが大きく設けられることにより、TMAH液を多く入れることは容易となる。よって、腐食の進行は促進される。
また、上記の検出装置1によれば、エッチングホール14の存在により系外と空洞11とは通じている。よって、空洞11の内部に流体が存在する場合、空洞11の内部が昇温されつつ密閉されることにより、流体の圧力などの特性が変化することは抑制される。よって、流体の特性が変化することにより、サーモパイル3A、3Bへの熱の伝わりの度合いが変化することは抑制される。すなわち、サーモパイル3A、3Bの検出結果が変化し、検出の正確性が低下することは抑制される。
また、上記の検出装置1によれば、エッチングホール14がサーモパイル3A、3Bの側方に設けられており、ヒータ2とサーモパイル3A又は3Bとの間に設けられていない。よって、ヒータ2によって生成された熱が、シリコン酸化膜8又はシリコン窒化膜9を介してサーモパイル3A、3Bへ伝わる。よって、熱が空気を介してサーモパイル3A、3Bへ伝わる場合よりも分布する熱の変化に対するサーモパイル3A、3Bの応答速度は向上する。
また、上記の検出装置1によれば、ヒータ2によって生成された熱がシリコン酸化膜8又はシリコン窒化膜9を介してサーモパイル3A、3Bへ伝わる。よって、空気を介してサーモパイル3A、3Bへ伝わる場合よりもサーモパイル3A、3Bへ伝わる熱量は多くなる。よって、サーモパイル3A、3Bの出力は大きくなり、サーモパイル3A、3Bの出力に含まれるノイズの影響は相対的に低減される。また、流体の流速が速く、熱が流体によって奪われやすい状態である場合であっても、流体の流量は検出可能となる。
§4 変形例
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。例えば、以下のような変更が可能である。なお、以下では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、上記実施形態と同様の点については、適宜説明を省略した。以下の変形例は適宜組み合わせ可能である。
<4.1>
図13は、本実施形態の変形例に係る検出装置の概要の一例を示している。図13(A)は、エッチングホール14Aが、複数の小さな孔から形成される検出装置1Aの概要の一例を示している。そして、それら複数の小さな孔は、夫々略等しい間隔で設けられる。このような検出装置1Aによれば、複数の孔の開孔面積の総和と同じある面積を有する1つのエッチングホールが開けられる場合と比較し、シリコン酸化膜8及びシリコン窒化膜9の剛性は高められる。
図13(B)は、エッチングホール14Bが、複数の小さな孔から形成され、さらにそれらの孔の一部がヒータ2とサーモパイル3A、3Bとの間に設けられる検出装置1Bの概要の一例を示している。
このような検出装置1Bによれば、ヒータ2により生じた熱の空気を介して移動する量が大きくなる。よって、シリコン酸化膜8又はシリコン窒化膜9の表面近傍を流れる流体の流速に対するサーモパイル3A、3Bの感度が高まる。
また、このような検出装置1Bによれば、シリコン酸化膜8又はシリコン窒化膜9の表面近傍を流体が流れる場合、シリコン酸化膜8又はシリコン窒化膜9の表面近傍を流れる流体がエッチングホール14Bを介して空洞11の内部へ流入する量は増大する。よって、流体の流量が変化した場合のサーモパイル3A、3Bの周囲の熱の移動が促進される。すなわち、サーモパイル3A、3Bの感度の低下は抑制される。
図13(C)は、ヒータ2とサーモパイル3A、3Bとの間に設けられるエッチングホール14Cが、複数の小さな孔から形成される検出装置1Cの概要の一例を示している。また、検出装置1Cは、エッチングホール14Dが、サーモパイル3A、3Bの側方に設けられ、開口12の縁と連通し、1つの大きな孔から形成される部分を有する。
このような検出装置1Cは、検出装置1Bの構成に加え、サーモパイル3A、3Bの側方に設けられるエッチングホールを大きな開口とした構成である。よって、基板10に空
洞11を形成するために、エッチングホール14Dから基板10を腐食させるTMAH液を入れる場合、TMAH液を多く入れることができ、腐食の進行は促進される。
また、このような検出装置1Cによれば、エッチングホール14Dの存在により、シリコン酸化膜8又はシリコン窒化膜9に含まれる熱が基板10へ移動することは抑制される。よって、シリコン酸化膜8又はシリコン窒化膜9の周辺に分布する熱量の低下は抑制される。よって、シリコン酸化膜8又はシリコン窒化膜9の表面の近傍においてサーモパイル3Aからサーモパイル3Bへ向かって流体が流れる場合であって、流体の流速が速く、熱が流体によって奪われやすい状態であっても、流体の流量は検出可能となる。
また、このような検出装置1Cによれば、シリコン酸化膜8又はシリコン窒化膜9の表面近傍を流体が流れる場合、エッチングホール14Dを介して空洞11の外側を流れる流体が空洞11の内部へ流入する。よって、サーモパイル3A、3Bの周辺の熱の移動が促進される。また、エッチングホール14Dの大きさは拡大しやすく、空洞11の内部への流体の流入量を増大させることが容易となる。よって、空洞11の内部に流体が流入しない場合と比較して、熱の変化を検出するサーモパイル3A、3Bの感度は向上する。
<4.2>
図14は、本実施形態の変形例に係る検出装置の概要の一例を示している。図14(A)は、検出装置1Dの上面図の概要の一例を示している。そして、図14(B)は、図14(A)におけるA―A矢印断面図を示している。検出装置1Dは、ヒータ2を備えていない。そして、検出装置1Dのエッチングホール14Eは、サーモパイル3A、3Bの側方に位置する部分であって、系外と開口12の縁とが連通するように設けられる。また、エッチングホール14Eは、スリット状に設けられる。
[作用・効果]
このような検出装置1Dによれば、系外からシリコン酸化膜8又はシリコン窒化膜9へ向けて赤外線が照射された場合、シリコン酸化膜8又はシリコン窒化膜9が赤外線のエネルギーを吸収することにより加熱され、温接点5A又は温接点5Bの温度が上昇する。すなわち、このような検出装置1Dによれば、赤外線を検出することができる。また、エッチングホール14Eがスリット状に設けられることにより、赤外線のエネルギーを吸収する部分が狭まることは抑制される。よって、感度の高い赤外線検出装置を形成することができる。
また、上記のような検出装置1Dによれば、シリコン窒化膜9の表面に、赤外線を吸収する膜がコーティングされてもよい。赤外線を吸収する膜は、例えば、窒化チタンや金によって形成される。このような検出装置1Dによれば、赤外線の吸収効率は向上する。
<その他変形例>
また、上記の実施形態や変形例における検出装置の形成工程において、空洞11が完成した(ステップS106)後に、ステップS107として、エッチングホール14からフッ酸水溶液が入れられることにより、空洞11の上部に位置するシリコン酸化膜8が腐食されてもよい。図15は、空洞11の上部に位置するシリコン酸化膜8がフッ酸水溶液の腐食により除去された場合の検出装置の概要の一例を示している。このような工程を含む検出装置の形成工程によれば、空洞11の上部に位置するシリコン酸化膜8が無くなる。よって、サーモパイル3A、3Bを覆う膜が薄くなり、空洞11中の熱がサーモパイル3A、3Bを覆う膜を介してサーモパイル3A、3Bへ移動する速さは増大する。よって、流体の流量の変化に対するサーモパイル3A、3Bの出力の感度は向上する。
また、サーモパイル3A、3Bが並べられる向きは、流体の流れる方向に限定されず、
例えば流体の流れる方向を遮る方向に並べられてもよい。
また、検出装置1の形成工程のステップS102において、犠牲層Poly−Si層15は、シリコン酸化膜13を除去した部分を囲むシリコン酸化膜13の表面部分16まで延長して形成されなくともよい。すなわち、隙間17が形成されなくともよい。
また、エッチングホール14の位置は、上記で例示した場所に限定されず、犠牲層Poly−Si層15及び基板10を腐食可能な場所であればよい。
また、検出装置1Dのエッチングホール14Dは、スリット状でなくともよく、夫々略等しい間隔で設けられる複数の小さな孔から形成されてもよく、赤外線のエネルギーを吸収するシリコン窒化膜9の表面の面積が狭まることが抑制される形状であればよい。
また、エッチングホール14A等を形成する複数の小さな孔は、シリコン酸化膜8及びシリコン窒化膜9の剛性が高められるように形成されていればよい。よって、当該複数の小さな孔は、等しい間隔で設けられていなくともよい。また、当該複数の小さな孔の径は同一でも異なっていてもよい。
以上で開示した実施形態や変形例はそれぞれ組み合わせる事ができる。
なお、以下には本発明の構成要件と実施例の構成とを対比可能とするために、本発明の構成要件を図面の符号付きで記載しておく。
<付記1>
単結晶半導体からなる基板(10)の表面に、多結晶半導体からなる薄膜である犠牲層膜(15)を形成する工程と、
前記犠牲層膜(15)の上に、検出素子としての機能を含む素子薄膜層(8、9、13)を形成する工程と、
前記素子薄膜層(8、9、13)を部分的に腐食除去することで、該素子薄膜層(8、9、13)を貫通し、系外と前記犠牲層膜(15)の表面とを繋ぐ孔(14、14A、14B、14C、14D、14E)を形成する工程と、
前記孔(14、14A、14B、14C、14D、14E)から腐食液を供給することで、前記犠牲層膜(15)を等方的に腐食させて除去する工程と、
さらに、前記犠牲層膜(15)が除去された空間を介して腐食液を供給して前記基板(10)を腐食させることで、前記基板(10)に、前記素子薄膜層(8、9、13)に対して開口(12)する空洞(11)を形成する工程と、
を有する、検出素子の形成方法。
<付記2>
前記犠牲層膜(15)が形成される工程は、
前記基板(10)の表面に絶縁膜(13)が形成される工程と、
前記絶縁膜(13)の一部が除去される工程と、
前記絶縁膜(13)が除去され前記基板(10)が露出した露出部分の表面と、前記露出部分を囲む前記絶縁膜(13)の縁の表面(16)に前記犠牲層膜(15)が形成される工程を含む、
付記1に記載の検出素子の形成方法。
<付記3>
前記検出素子は、
第一の温接点(5A)、及び第一の冷接点(5B)を有する第一の熱電対を直列に繋げて長手方向と垂直な方向に並べた第一熱電対列(3A)と、
第二の温接点(6A)、及び第二の冷接点(6B)を有する第二の熱電対を直列に繋げて長手方向と垂直な方向に並べた第二熱電対列(3B)と、を有し、
前記第一熱電対列(3A)と前記第二熱電対列(3B)とを、前記第一の温接点(5A)の列と前記第二の温接点(6A)の列とが直線状の電熱ヒータ(2)を挟んで対向するように配置することで形成された検出素子であり、
前記孔(14、14A、14B、14D)は、前記第一熱電対列(3A)と前記第二熱電対列(3B)が配置された領域の、前記第一の熱電対と前記第二の熱電対の並び方向の両側に設けられることを特徴とする、付記1または2に記載の検出素子の形成方法。
<付記4>
前記孔(14、14A、14B、14D)は、前記第一熱電対列(3A)と前記第二熱電対列(3B)が配置された領域の、前記第一の熱電対と前記第二の熱電対の並び方向の両側において、其々前記電熱ヒータ(2)を挟んで二箇所ずつ設けられることを特徴とする、付記3に記載の検出素子の形成方法。
<付記5>
前記孔(14B、14C)は、さらに、前記第一熱電対列(3A)と前記第二熱電対列(3B)が配置された領域の、前記第一の熱電対と前記第二の熱電対の並び方向の少なくとも一部において、前記電熱ヒータ(2)を挟んで設けられることを特徴とする、付記4に記載の検出素子の形成方法。
<付記6>
前記孔(14A、14B、14C)の少なくとも一部は、微小な点状の微小孔の集合として形成されることを特徴とする、付記3から5のいずれか一項に記載の検出素子の形成方法。
<付記7>
付記1または2に記載の方法によって形成された検出素子を有する検出装置(1、1A、1B、1C、1D)であって、
前記検出素子は、
第一の温接点(5A)、及び第一の冷接点(5B)を有する第一の熱電対を直列に繋げて長手方向と垂直な方向に並べた第一熱電対列(3A)と、
第二の温接点(6A)、及び第二の冷接点(6B)を有する第二の熱電対を直列に繋げて長手方向と垂直な方向に並べた第二熱電対列(3B)と、を有し、
前記第一熱電対列(3A)と前記第二熱電対列(3B)とを、前記第一の温接点(5A)の列と前記第二の温接点(6A)の列とが直線状の電熱ヒータ(2)を挟んで対向するように配置することで形成された検出素子であり、
前記孔(14、14A、14B、14D)は、前記第一熱電対列(3A)と前記第二熱電対列(3B)が配置された領域の、前記第一の熱電対と前記第二の熱電対の並び方向の両側に設けられることを特徴とする、検出装置(1、1A、1B、1C)。
<付記8>
前記孔(14、14A、14B、14D)は、前記第一熱電対列(3A)と前記第二熱電対列(3B)が配置された領域の、前記第一の熱電対と前記第二の熱電対の並び方向の両側において、其々前記電熱ヒータ(2)を挟んで二箇所ずつ設けられることを特徴とする、付記7に記載の検出装置(1、1A、1B、1D)。
<付記9>
前記孔(14B、14C)は、さらに、前記第一熱電対列(3A)と前記第二熱電対列(3B)が配置された領域の、前記第一の熱電対と前記第二の熱電対の並び方向の少なくとも一部において、前記電熱ヒータ(2)を挟んで設けられることを特徴とする、付記8に記載の検出装置(1B、1C)。
<付記10>
前記孔(14A、14B、14C)の少なくとも一部は、微小な点状の微小孔の集合として形成されることを特徴とする、付記7から9のいずれか一項に記載の検出装置(1A、1B、1C)。
1 :検出装置
1A :検出装置
1B :検出装置
1C :検出装置
1D :検出装置
2 :ヒータ
3A :サーモパイル
3B :サーモパイル
5A :温接点
5B :温接点
6A :冷接点
6B :冷接点
7 :ポリシリコン層
8 :シリコン酸化膜
9 :シリコン窒化膜
10 :基板
10A :基板
11 :空洞
11G :空洞
12 :開口
13 :シリコン酸化膜
14 :エッチングホール
14A :エッチングホール
14B :エッチングホール
14C :エッチングホール
14D :エッチングホール
14E :エッチングホール
14F :エッチングホール
14G :エッチングホール
15 :犠牲層Poly−Si層
16 :表面部分
17 :隙間
30 :検出装置
34 :エッチングホール
41 :空洞
42 :開口

Claims (10)

  1. 単結晶半導体からなる基板の表面に、多結晶半導体からなる薄膜である犠牲層膜を形成する工程と、
    前記犠牲層膜の上に、検出素子としての機能を含む素子薄膜層を形成する工程と、
    前記素子薄膜層を部分的に腐食除去することで、該素子薄膜層を貫通し、系外と前記犠牲層膜の表面とを繋ぐ孔を形成する工程と、
    前記孔から腐食液を供給することで、前記犠牲層膜を等方的に腐食させて除去する工程と、
    さらに、前記犠牲層膜が除去された空間を介して腐食液を供給して前記基板を腐食させることで、前記基板に、前記素子薄膜層に対して開口する空洞を形成する工程と、
    を有する、検出素子の形成方法。
  2. 前記犠牲層膜が形成される工程は、
    前記基板の表面に絶縁膜が形成される工程と、
    前記絶縁膜の一部が除去される工程と、
    前記絶縁膜が除去され前記基板が露出した露出部分の表面と、前記露出部分を囲む前記絶縁膜の縁の表面に前記犠牲層膜が形成される工程を含む、
    請求項1に記載の検出素子の形成方法。
  3. 前記検出素子は、
    第一の温接点、及び第一の冷接点を有する第一の熱電対を直列に繋げて長手方向と垂直な方向に並べた第一熱電対列と、
    第二の温接点、及び第二の冷接点を有する第二の熱電対を直列に繋げて長手方向と垂直な方向に並べた第二熱電対列と、を有し、
    前記第一熱電対列と前記第二熱電対列とを、前記第一の温接点の列と前記第二の温接点の列とが直線状の電熱ヒータを挟んで対向するように配置することで形成された検出素子であり、
    前記孔は、前記第一熱電対列と前記第二熱電対列が配置された領域の、前記第一の熱電対と前記第二の熱電対の並び方向の両側に設けられることを特徴とする、請求項1または2に記載の検出素子の形成方法。
  4. 前記孔は、前記第一熱電対列と前記第二熱電対列が配置された領域の、前記第一の熱電対と前記第二の熱電対の並び方向の両側において、其々前記電熱ヒータを挟んで二箇所ずつ設けられることを特徴とする、請求項3に記載の検出素子の形成方法。
  5. 前記孔は、さらに、前記第一熱電対列と前記第二熱電対列が配置された領域の、前記第一の熱電対と前記第二の熱電対の並び方向の少なくとも一部において、前記電熱ヒータを挟んで設けられることを特徴とする、請求項4に記載の検出素子の形成方法。
  6. 前記孔の少なくとも一部は、微小な点状の微小孔の集合として形成されることを特徴とする、請求項3から5のいずれか一項に記載の検出素子の形成方法。
  7. 請求項1または2に記載の方法によって形成された検出素子を有する検出装置であって、
    前記検出素子は、
    第一の温接点、及び第一の冷接点を有する第一の熱電対を直列に繋げて長手方向と垂直な方向に並べた第一熱電対列と、
    第二の温接点、及び第二の冷接点を有する第二の熱電対を直列に繋げて長手方向と垂直な方向に並べた第二熱電対列と、を有し、
    前記第一熱電対列と前記第二熱電対列とを、前記第一の温接点の列と前記第二の温接点の列とが直線状の電熱ヒータを挟んで対向するように配置することで形成された検出素子であり、
    前記孔は、前記第一熱電対列と前記第二熱電対列が配置された領域の、前記第一の熱電対と前記第二の熱電対の並び方向の両側に設けられることを特徴とする、検出装置。
  8. 前記孔は、前記第一熱電対列と前記第二熱電対列が配置された領域の、前記第一の熱電対と前記第二の熱電対の並び方向の両側において、其々前記電熱ヒータを挟んで二箇所ずつ設けられることを特徴とする、請求項7に記載の検出装置。
  9. 前記孔は、さらに、前記第一熱電対列と前記第二熱電対列が配置された領域の、前記第一の熱電対と前記第二の熱電対の並び方向の少なくとも一部において、前記電熱ヒータを挟んで設けられることを特徴とする、請求項8に記載の検出装置。
  10. 前記孔の少なくとも一部は、微小な点状の微小孔の集合として形成されることを特徴とする、請求項7から9のいずれか一項に記載の検出装置。
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