JPH1127099A - 適応フィルタおよびこれを用いた信号処理装置 - Google Patents

適応フィルタおよびこれを用いた信号処理装置

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JPH1127099A
JPH1127099A JP17420297A JP17420297A JPH1127099A JP H1127099 A JPH1127099 A JP H1127099A JP 17420297 A JP17420297 A JP 17420297A JP 17420297 A JP17420297 A JP 17420297A JP H1127099 A JPH1127099 A JP H1127099A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】目的信号を歪ませたり、背景雑音に対して適応
してしまうことなく、確実な適応動作を可能とした適応
フィルタを提供する。 【解決手段】参照信号xにフィルタ演算を行うフィルタ
部11と、希望応答dからフィルタ部11の出力信号y
を差し引いて適応フィルタの出力信号eを得る減算器1
2と、参照信号xと出力信号eに基づいてフィルタ部1
1のフィルタ係数を更新するフィルタ更新部13を有
し、フィルタ更新部13は出力信号eのパワーがしきい
値以下のときはフィルタ係数の更新速度を決めるステッ
プサイズを非零の一定値とし、出力信号eのパワーがし
きい値を越えたときはステップサイズを出力信号パワー
の増加に対して減少させる適応モード制御部14と、こ
のモード制御部14により制御されたステップサイズを
含む更新演算式に従って更新演算を行うフィルタ更新演
算部15からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、適応フィルタおよ
びこれを用いた信号処理装置に係り、特に音声認識装置
やテレビ会議装置などで音声入力のためにマイクロホン
アレイを用いて妨害雑音を抑圧し目的信号の音声を抽出
するマイクロホンアレイ処理装置に適した適応フィルタ
およびこれを用いた信号処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】配列された複数のマイクロホンからなる
マイクロホンアレイを用い、このマイクロホンアレイの
出力信号を処理することにより、雑音を抑圧して目的音
源からの目的信号のみを抽出するマイクロホンアレイ処
理装置は、音声認識装置やテレビ会議装置などにおける
音声入力を目的として開発が進められている。中でも、
少ない数のマイクロホンで大きな雑音抑圧効果が得られ
る適応ビームフォーマを利用したマイクロホンアレイ処
理装置については、例えば文献1:電子情報通信学会編
「音響システムとデジタル処理」、文献2:Heykin:
“Adaptive FilterTheory (Plentice Hall)”に述べら
れているように、一般化サイドローブキャンセラ、フロ
スト型ビームフォーマおよび参照信号法など、種々の方
法が知られている。
【0003】適応ビームフォーマ処理は、基本的には妨
害雑音の到来方向に死角を有する指向性ビームを形成し
たフィルタにより妨害雑音を抑圧する処理である。この
適応ビームフォーマ処理では、目的信号が入力した際に
目的信号の一部が除去されて歪んだり、目的信号と妨害
雑音が同時に入力した際に目的信号が歪んだりするとい
う問題を避けるため、目的信号が入力した際に適応速度
を小さくすることが行われている。一般には、適応ビー
ムフォーマの出力信号パワーが大きい場合に、目的信号
が入力したものとみなして適応を停止する処理が行われ
る。ところが、出力信号パワーは目的信号が入力した場
合だけでなく、妨害雑音などの状況が変化した場合にも
増大するため、このように出力信号パワーが大きいとき
に完全に適応を停止することには問題がある。
【0004】一方、文献3: Julie E.Greenburg et.a
l.:“Evaluation of an adaptive beamforming method
for hearing aids ”,pp.1662-1676,Jarnul of Acous.
Soc.of Am.91(3),1992 に開示されている補聴器用のマ
イクロホンアレイでは、適応フィルタの適応アルゴリズ
ムとして一般的なNLMS(Normalized Least Mean Sq
uare)法によるフィルタ更新演算の式(1)を改良し、
式(2)のように参照信号パワーと出力信号パワーの和
に基づいて適応速度を正規化することにより、出力信号
パワーの増大時に適応を完全に停止せず、目的信号の歪
みを抑えるようにしている。
【0005】 Wn+1 =Wn −2μenn /Pr (1) Wn+1 =Wn −2μenn /(Pr +Po ) (2) ここで、nは時刻、Wn はフィルタ係数、μはステップ
サイズ、en (=dn−Wn Tn )は誤差信号、dn
は希望応答、Xn は参照信号xの最新のサンプルから過
去のサンプルをフィルタのタップ点数分だけ並べてベク
トルとした参照信号ベクトル、Pr は参照信号パワー、
o は出力信号パワーである。参照信号xは、一般に妨
害雑音と目的信号の一部および背景雑音が重畳した信号
となっている。式(1)(2)のいずれの場合も、適応
フィルタの適応速度は右辺第2項の大きさで決まる。
【0006】図14に、従来の適応フィルタの構成を示
す。この適応フィルタは、参照信号xにフィルタ演算を
施すフィルタ部101と、希望応答dからフィルタ部1
01の出力信号yを減算する減算器102と、フィルタ
部101のフィルタ係数について式(1)または(2)
に示した更新演算を行うフィルタ更新部103からなっ
ている。
【0007】通常のNLMS法や、文献3に記載の改良
されたNLMS法においては、妨害雑音も目的信号も存
在しない状況では、参照信号パワーPr が非常に小さく
なることから、式(1)(2)より理解されるように適
応速度が非常に大きくなるため、適応フィルタが背景雑
音に適応してしまうという問題がある。背景雑音に対し
て適応が進んだ場合、フィルタ係数は本来除去したい信
号を除去するのに適したフィルタ係数から遠ざかってし
まう。すなわち、妨害雑音が例えば音声のような非定常
な信号である場合には、妨害雑音パワーの小さい部分で
フィルタ係数が本来の値から遠ざかり、妨害雑音パワー
の大きい部分でフィルタ係数が収束するという動作の繰
り返しとなり、この繰り返しの過程でフィルタ係数の収
束までの間、高いレベルの妨害雑音が出力されてしま
う。
【0008】この問題に対し、例えばエコーキャンセラ
では参照信号のレベルに基づいて適応を制御している。
すなわち、参照信号レベルがしきい値以下の場合には適
応を停止し、参照信号レベルがしきい値より大きい場合
にのみ適応を行うことによって、雑音の影響を低減して
いる。しかし、適応ビームフォーマでは、上述したよう
に妨害雑音と目的信号の一部および背景雑音が重畳した
ものが参照信号となっているため、単に参照信号レベル
が大きいときだけ適応するようにした場合、しきい値レ
ベル以下の妨害雑音があるときはこれを除去できないこ
とになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、適応
フィルタにおいて目的信号の入力時に目的信号が歪むと
いう現象を抑えるために、出力信号パワーが大きいとき
に適応を停止する処理を行う従来の方法では、目的信号
が入力した場合だけでなく状況が変化した場合にも出力
パワーが増大して適応を停止してしまうため、正しい適
応動作を行うことができないという問題がある。
【0010】また、従来のNLMS法や改善されたNL
MS法においては、妨害雑音も目的信号もなく参照信号
パワーが小さくなる状況での適応速度が非常に大きくな
るため、適応フィルタが背景雑音に対して適応してしま
うという問題があり、この問題を避けるためにエコーキ
ャンセラのように参照信号のレベルがしきい値以下の場
合には適応を停止し、しきい値より大きい場合にのみ適
応を行う方法では、適応ビームフォーマにおいてしきい
値レベル以下の妨害雑音があるときはこれを除去できな
いという問題が発生する。
【0011】本発明は、上述した従来技術の問題点を解
決するためになされたもので、目的信号を歪ませたり、
背景雑音に対して適応してしまうことなく、確実な適応
動作を可能とした適応フィルタおよびこれを用いた信号
処理装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係る適応フィルタは、出力信号パワーが予
め定めたしきい値以下のときには適応フィルタの更新速
度を決める係数であるステップサイズが非零のほぼ一定
値であり、出力信号パワーがしきい値を越えた場合には
ステップサイズが出力信号パワーの増加に対して減少す
るように適応モードが制御されることを基本的な特徴と
し、目的信号の歪み防止と背景雑音への適応防止の両立
を可能としている。
【0013】すなわち、適応フィルタに目的信号が入力
した場合は、出力信号パワーがしきい値より大きくな
り、ステップサイズが出力信号パワーの増加に対して減
少することで適応速度が小さくなるため、目的信号が歪
んでしまうことはない。一方、適応フィルタに妨害雑音
のみ入力した場合と背景雑音のみが入力した場合は、出
力信号パワーがしきい値以下となり、ステップサイズ固
定の適応フィルタとして動作する。この場合、ステップ
サイズが非零のほぼ一定値であるために、適応速度は入
力レベルに比例することになり、レベルの高い妨害雑音
に対しては速く適応できると共に、レベルの低い背景雑
音に適応してしまうことが防止される。
【0014】より具体的には、本発明に係る適応フィル
タは、少なくとも1チャネルの参照信号にフィルタ演算
を行って1チャネルの信号を出力するフィルタ手段と、
希望応答からフィルタ手段の出力信号を差し引いて適応
フィルタの出力信号を得る減算手段と、参照信号と減算
手段の出力信号に基づいてフィルタ手段を更新するフィ
ルタ更新手段とを有し、フィルタ更新手段において減算
手段の出力信号パワーを予め定められたしきい値と比較
し、出力信号パワーがしきい値以下のときはフィルタ手
段の更新速度を決める係数を非零のほぼ一定値とし、出
力信号パワーがしきい値を越えたときは該係数を出力信
号パワーの増加に対して減少させることを特徴とする。
【0015】本発明に係る他の適応フィルタは、複数チ
ャネルの入力信号を処理して1チャネルの信号を出力す
るフィルタ手段と、このフィルタ手段の特性変化範囲に
関して予め定めた拘束条件の下で該フィルタ手段を更新
するフィルタ更新手段とを有し、フィルタ更新手段にお
いてフィルタ手段の出力信号パワーを予め定められたし
きい値と比較し、出力信号パワーがしきい値以下のとき
はフィルタ手段の更新速度を決める係数を非零のほぼ一
定値とし、出力信号パワーがしきい値を越えたときは該
係数を出力信号パワーの増加に対して減少させることを
特徴とする。
【0016】本発明に係る適応フィルタにおけるフィル
タ更新手段は、より具体的には適応フィルタの出力信号
パワーを予め定められたしきい値と比較し、出力信号パ
ワーがしきい値以下のときはフィルタ手段の更新速度を
決める係数を非零のほぼ一定値とし、出力信号パワーが
しきい値を越えたときは該係数を出力信号パワーの増加
に対して減少させる制御を行う制御手段と、この制御手
段により制御された係数を含む更新演算式に従ってフィ
ルタ手段の更新演算を行う更新演算手段とにより構成さ
れる。
【0017】本発明に係る信号処理装置は、上述した適
応フィルタの前に複数チャネルの信号から目的信号に関
する成分を除去するブロッキングフィルタを配置し、こ
のブロッキングフィルタの出力信号を適応フィルタに参
照信号として入力する。
【0018】本発明に係る他の信号処理装置は、第1の
適応フィルタと、この第1の適応フィルタより適応速度
の大きい第2の適応フィルタとを具備し、第1の適応フ
ィルタは第2の適応フィルタの出力信号に基づいてフィ
ルタの更新が制御されることを特徴とする。このように
すると、収束速度がさらに改善される。
【0019】ここで、第1の適応フィルタにおいては、
その出力信号パワーを予め定められたしきい値と比較
し、出力信号パワーがしきい値以下のときは適応速度が
ほぼ一定値となり、出力信号パワーがしきい値を越えた
ときは第1および第2の適応フィルタの出力信号パワー
に応じて適応速度が変化するように、フィルタの更新が
制御される。さらに具体的には、第1の適応フィルタは
その出力信号パワーを予め定められたしきい値と比較
し、出力信号パワーがしきい値以下のときはフィルタの
更新速度を決める係数を非零のほぼ一定値とし、出力信
号パワーがしきい値を越えたときは該係数を第1および
第2の適応フィルタの出力信号パワーの比の増加に対し
て減少させるようにする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。 (第1の実施形態)図1を参照して、本発明による適応
フィルタを適応ノイズキャンセラに適用した場合の実施
形態について説明する。この適応フィルタは、参照信号
xに対しフィルタ演算を行って出力信号yを得る遅延線
タップフィルタにより構成されるフィルタ部11と、希
望応答dからフィルタ部11の出力信号yを減算して適
応フィルタの出力信号である誤差信号eを得る減算器1
2と、参照信号xと誤差信号eに基づいてフィルタ部1
1のフィルタ特性(フィルタ係数)を更新するフィルタ
更新部13からなる。以下、フィルタ部11のフィルタ
係数を更新する処理を単にフィルタ更新という。
【0021】ここで、フィルタ更新部13が図14に示
した従来の適応フィルタと異なっている。すなわち、こ
のフィルタ更新部13は、誤差信号eのパワーによって
適応モードを切り換え制御する適応モード制御部14
と、この適応モード制御部14によって制御される適応
モードに従って実際にフィルタ更新演算を行うフィルタ
更新演算部15とにより構成される。フィルタ更新演算
の詳細については、後述する。
【0022】本実施形態では、適応フィルタの適応アル
ゴリズムとして最も一般的なLMS(Least Mean Squr
e)法を例として説明するが、適応速度を制御できるア
ルゴリズムであれば、射影LMS法でもRLS(Recurs
ive Least Squre )法でも、これら以外のアルゴリズム
でもよい。
【0023】適応ノイズキャンセラでは、例えば図2に
示すようにマイクロホンM1を目的信号源の近傍に置
き、このマイクロホンM1の出力信号を希望応答dと
し、もう一つのマイクロホンM2を妨害雑音源の近傍に
置き、このマイクロホンM2の出力信号を参照信号xと
して使用する。この場合、マイクロホンM1には目的信
号と背景雑音が入力し、マイクロホンM2には妨害雑音
と背景雑音が入力する。マイクロホンM2には目的信号
がなるべく入力しないようにマイクロホン配置などの設
定を行うが、完全に目的信号が入力しないようにするこ
とは困難である。すなわち、マイクロホンM2には実際
には妨害雑音と背景雑音のほか、目的信号の成分も一部
入力する。
【0024】一般に、このような適応ノイズキャンセラ
では参照信号xと相関のある成分を希望応答dの中から
除去するため、マイクロホンM1,M2間で相関の大き
い妨害雑音が除去される。実際には、上述のように参照
信号x中に目的信号成分が混入した場合、妨害雑音だけ
でなく目的信号が除去されて目的信号が歪むことがある
ため、目的信号が入力した際に適応を遅くする必要があ
る。
【0025】LMS法による適応フィルタのフィルタ更
新演算は、従来では先の式(1)または(2)に基づい
て行われるが、本実施形態では適応フィルタの出力信号
である誤差信号eのパワー(以下、出力信号パワーとい
う)Po に応じて適応モードを切り換え、次式に基づい
てフィルタ更新演算を行う。 en =dn −Wn Tn (3) Po ≦Pa のとき Wn+1 =Wn −2μenna (4) Po >Pa のとき Wn+1 =Wn −2μenna /Po (5) ここで、Pa は予め定められた適応モード切換えのしき
い値、Wn はフィルタ部11のn回の更新後のフィルタ
係数、μはステップサイズ、en は適応フィルタの出力
信号(誤差信号)、dn は希望応答、Xn は参照信号x
の最新のサンプルから過去のサンプルをフィルタ部11
のタップ点数分だけ並べてベクトルとした参照信号ベク
トルである。予め設定される各種定数の値は、例えばフ
ィルタ部11のタップ数を100、ステップサイズμを
0.001、しきい値Pa を平均出力信号パワーの0.
001倍とするが、状況に応じて実験的に決めることが
望ましい。
【0026】次に、本実施形態におけるフィルタ更新動
作について図3を用いて説明する。図3は、フィルタ更
新演算式(2)(4)(5)における更新量を表す右辺
第2項において、誤差信号en と参照信号Xn の積en
n に掛かる係数(フィルタ係数の更新速度を決める係
数)の大きさの変化を図示したもので、この係数の大き
さをステップサイズμと区別して便宜上、実効ステップ
サイズと呼ぶことにする。図3(a)は、従来の改良さ
れたNLMS法におけるフィルタ更新演算式である式
(2)において、しきい値Pa 以下で適応停止を行った
場合の実効ステップサイズを参照信号パワーPr と出力
信号パワーPo の和に対して示したものであり、(b)
は本実施形態に基づくフィルタ更新演算式(4)(5)
の場合の実効ステップサイズを出力信号パワーPo に対
して示している。
【0027】NLMS法では、従来の技術でも述べたよ
うに、妨害雑音も目的信号もなく参照信号パワーPr
または参照信号パワーPr と出力信号パワーPo の和が
低い場合には、背景雑音に対して適応が進み、フィルタ
係数が本来除去したい妨害雑音を除去するための値から
遠ざかってしまうことを防ぐために、Pr またはPr+Po
がしきい値Pa 以下になったときに適応を停止してい
る。この場合、図3(a)に示すように実効ステップサ
イズは0になるので、Pr またはPr +Poがしきい値
a 以下となるような妨害雑音に対しては、全く適応で
きないことになる。
【0028】これに対し、本実施形態では出力信号パワ
ーPo がしきい値Pa 以下の場合は式(4)によりフィ
ルタ更新を行い、出力信号パワーPo がしきい値Pa
り大きい場合は式(5)によりフィルタ更新を行うよう
に適応モードを切り換えている。式(4)はステップサ
イズ固定のLMS法に基づくフィルタ更新演算式、式
(5)はNLMS法に基づくフィルタ更新演算式であ
り、実効ステップサイズは出力信号パワーPo に対して
図3(b)に示したように変化する。
【0029】すなわち、本実施形態ではPo ≦Pa の場
合は実効ステップサイズはμなる非零の一定値であり、
o >Pa の場合は実効ステップサイズはμ*Pa /P
o となってPo に反比例する。なお、Po ≦Pa の場合
の実効ステップサイズは厳密に非零の一定値である必要
はなく、ほぼ一定地であればよい。
【0030】従って、出力信号パワーPo がしきい値P
a 以下の場合の式(4)によるフィルタ更新でも、完全
に適応を停止しないので、妨害雑音に適応することがで
き、しかも式(4)はステップサイズ固定のフィルタ更
新であるため、レベルの低い背景雑音に適応してしまう
ことは少ない。一方、出力信号パワーPo がしきい値P
a より大きい場合の式(5)によるフィルタ更新では、
図3(b)において出力信号パワーPo がしきい値Pa
以上の部分に示されるように、実効ステップサイズが出
力信号パワーPo に反比例し適応が遅くなってくるの
で、目的信号の歪みを低減できる。
【0031】次に、図4に示すフローチャートを参照し
て上述した適応フィルタ処理の流れを説明する。まず、
初期設定でステップサイズμ、適応モード切り換えのし
きい値Pa 、フィルタ長Kを設定し、フィルタ係数を例
えば全て0、フィルタ更新回数nを0とおく(ステップ
S11)。
【0032】次に、参照信号xの複数のサンプルから参
照信号ベクトルXn を構成した後、式(3)により適応
フィルタ出力信号(誤差信号)en を計算し、この出力
信号en のパワーPo を計算する。出力信号パワーPo
の計算は、例えば信号en の最新の値からフィルタ部1
1のタップ数分までの過去の値の平均値を用いるように
する(ステップS12)。
【0033】次に、ステップS13において出力信号パ
ワーPo としきい値Pa を比較し、Po ≦Pa の場合は
ステップS14に進み、Po >Pa の場合はステップS
15に進む。ステップS14では、式(4)に従ってフ
ィルタ更新を行い、ステップS16に進む。ステップS
15では、式(5)に従ってフィルタ更新を行い、ステ
ップS16に進む。ステップS16では、nをインクリ
メントし、ステップS12に戻る。そして、以上の処理
を入力データの数だけ繰り返す。
【0034】このように本実施形態では、出力信号パワ
ーPo に応じて適応フィルタの適応モードをステップサ
イズ固定のLMS法とNLMS法との間で切り換え制御
することにより、目的信号の歪み低減と背景雑音への適
応防止の両立を図ることができる。
【0035】本実施形態では、Po >Pa の場合の実効
ステップサイズを式(5)に示されるようにμ*Pa
o として出力信号パワーPo に反比例するようにした
が、必ずしも正確に反比例するようにする必要はなく、
出力信号パワーPo の増加に対して減少させるようにす
ればよい。また、このようにPo >Pa の場合の実効ス
テップサイズを出力信号パワーPo の増加のみに依存し
て減少させる代りに、従来技術におけるフィルタ特性の
更新演算式である式(2)に示されるように、参照信号
パワーPr と出力信号パワーPo との和の増加に対して
減少させるようにしてもよい。
【0036】(第2の実施形態)本実施形態では、本発
明による適応フィルタを多チャネルに拡張した場合につ
しいて説明する。
【0037】この適応フィルタは、図5に示すように複
数チャネル(Mチャネル)の参照信号xに単位フィルタ
部21−1〜21−Mでフィルタ演算を施した後、それ
らの出力信号の和yを加算器26で求めて出力するフィ
ルタ部21と、希望応答dからフィルタ部21の出力信
号yを減算して適応フィルタの出力信号である誤差信号
eを得る減算器22と、参照信号xと誤差信号eに基づ
いてフィルタ部21の特性(フィルタ係数)を更新する
フィルタ更新部23からなる。
【0038】フィルタ更新部23は、誤差信号eのパワ
ーに応じて適応モードを切り換え制御する適応モード制
御部24と、この適応モード制御部24によって制御さ
れる適応モードに従って実際にフィルタ更新演算を行う
フィルタ更新演算部25とにより構成される。
【0039】次に、本実施形態の適応フィルタの動作を
説明する。チャネル数をM、1チャネル当たりの単位フ
ィルタ部21−1〜21−Mの各々のタップ数をKとす
る。適応フィルタの適応アルゴリズムとしては、最も一
般的なLMS法を例として説明するが、適応速度を制御
できるアルゴリズムならば射影LMS法でもRLS法で
も何でもよいことは第1の実施形態と同様である。
【0040】多チャネルのフィルタ部21は、図6に示
すようなタップ付き遅延線とその各タップ出力に係数を
乗じる係数乗算器とからなる遅延線タップフィルタをM
個並べて単位フィルタ部21−1〜21−Mが構成され
る。この多チャネルフィルタ部21のフィルタ特性は、
mチャネル目の遅延線タップフィルタのk番目の係数w
m,k を並べたベクトル Wn =(w1,1 ,w1,2 ,…,w1,K , …,wM-1,1 ,…,wM-1,KT (6) により表し、参照信号xは図5においてmチャネル目の
参照信号の最新のサンプルxm,n からフィルタタップ数
分過去までのサンプルを並べた次式により表すことにす
る。
【0041】 Xn =(x1,n ,x1,n-1 ,…,x1,n-K+1 , …,xM,n ,xM,n-1 ,…,xM,n-K+1T (7) フィルタ更新演算は上のWn ,Xn を用いると、式
(3)(4)(5)と全く同様に、次式に基づいて行わ
れる。
【0042】 en =dn −Wn Tn (8) Po ≦Pa のとき Wn+1 =Wn −2μenna (9) Po >Pa のとき Wn+1 =Wn −2μenna /Po (10) ここで、Pa は予め定められた適応モード切換えのしき
い値、en は適応フィルタの出力信号(誤差信号)、P
o は出力信号パワー、μはステップサイズである。予め
設定される各種定数の値は、例えば単位フィルタ部11
−1〜11−Mの各々のタップ数を100、ステップサ
イズμを0.001、しきい値Pa を平均出力信号パワ
ーの0.001倍とするが、状況に応じて実験的に決め
るのが望ましい。
【0043】本実施形態においても、第1の実施形態の
場合と同様に、適応フィルタの出力信号パワーPo によ
り適応モードをステップサイズ固定のLMSとNLMS
との間で切り換えており、式(9)のステップサイズ固
定のLMS法では雑音への適応を防止し、式(10)の
NLMS法では目的信号の歪みを低減している。
【0044】本実施形態の適応フィルタの処理の流れは
第1の実施形態と同様であるので、改めて述べない。こ
のように本実施形態では、多チャネル入力の適応フィル
タにおいて出力信号パワーPo に応じて適応フィルタの
適応モードをステップサイズ固定のLMS法とNLMS
法との間で切り換え制御することにより、目的信号の歪
み低減と背景雑音への適応防止の両立を図ることができ
る。
【0045】本実施形態では、Po >Pa の場合の実効
ステップサイズを式(10)に示されるようにμ*Pa
/Po として出力信号パワーPo に反比例するようにし
たが、必ずしも正確に反比例するようにする必要はな
く、出力信号パワーPo の増加に対して減少させるよう
にすればよい。また、このようにPo >Pa の場合の実
効ステップサイズを出力信号パワーPo の増加のみに依
存して減少させる代りに、従来技術におけるフィルタ特
性の更新演算式である式(2)に示されるように、参照
信号パワーPr と出力信号パワーPo との和の増加に対
して減少させるようにしてもよい。
【0046】(第3の実施形態)次に、第1または第2
の実施形態で述べた適応フィルタを、妨害雑音を抑圧し
て特定の方向から到来する目的信号のみを抽出する適応
ビームフォーマに適用した実施形態について図7を用い
て説明する。
【0047】図7は、適応ビームフォーマの中でも一般
的な一般化サイドローブキャンセル(GSC)と呼ばれ
る構成を示しており、複数チャネル(Mチャネル)の入
力信号sから目的信号を除去してM−1チャネルの信号
を出力するブロッキングフィルタ41と、第1または第
2の実施形態で説明した適応フィルタ42と、Mチャネ
ルの入力信号sの加算を行う加算器43からなる。
【0048】M=2の場合はM−1=1であるので、適
応フィルタ41として第1の実施形態で説明した1チャ
ネル入力の適応フィルタを用い、M>2の場合は適応フ
ィルタ41として第2の実施形態で説明した多チャネル
入力の適応フィルタを用いることになる。ここでは、M
>2として説明するが、M=2の場合は単にチャネル数
を減らして同様の処理を行うだけである。
【0049】GSCは、目的信号を除去するブロッキン
グフィルタの構成により種々のものがあるが、ここでは
最も簡単なGriffith-Jim型GSCを例にとって説明す
る。本発明の適応フィルタはブロッキングフィルタの方
式に依存していないので、このGriffith-Jim型以外のG
SCでも適用可能である。
【0050】Griffith-Jim型GSCのブロッキングフィ
ルタは、図8に示すようにMチャネルの入力信号の隣り
合ったチャネル間の差分をとるフィルタであり、全ての
チャネルに目的信号が同位相で入力した場合、目的信号
が消去された信号がM−1チャネル分出力される。mチ
ャネル目のブロッキングフィルタの出力信号は、時刻を
nとし、mチャネル目の入力信号をsm,n として、 xm,n =sm+1,n −sm,n (m=1,…,M−1) (11) である。
【0051】このブロッキングフィルタ41の出力信号
を第2の実施形態で述べた適応フィルタ42に参照信号
xとして入力してフィルタ更新を行う場合、更新演算式
は、適応フィルタ42のフィルタ係数をWn =(w
1,1 ,w1,2 ,…,w1,K ,…,wM-1,1 ,…,w
M-1,KT 、参照信号ベクトルをXn =(x1,n ,x
1,n-1 ,…,x1,n-K+1 ,…,xM,n ,xM,n-1 ,…,
M,n-K+1T として、 yn =ΣxM,n (12) en =yn −Wn Tn (13) Po ≦Pa のとき Wn+1 =Wn −2μenna (14) Po >Pa のとき Wn+1 =Wn −2μenna /Po (15) と表わされる。
【0052】このような適応ビームフォーマを例えば前
述したマイクロホンアレイ処理装置に適用して、音声を
目的信号として抽出する場合、音声の伝播揺らぎや音源
が完全な点音源でないことなどの原因により、ブロッキ
ングフィルタ41のみでは目的信号を完全に除去するこ
とは困難である。
【0053】これに対し、第1または第2の実施形態で
説明した適応フィルタをブロッキングフィルタ41の後
段に適応フィルタ42として配置すれば、この適応フィ
ルタは前述したように目的信号が入力した場合の目的信
号の歪み低減と、妨害雑音と目的信号がない場合の適応
フィルタの背景雑音への適応防止が可能であるため、よ
り性能を向上できる。
【0054】すなわち、本実施形態では適応フィルタ4
2において出力信号パワーPo がしきい値Pa 以下の場
合は式(14)によりフィルタ更新を行い、出力信号P
o がしきい値Pa より大きい場合は式(15)によりフ
ィルタ更新を行うように適応モードを切り換える。式
(14)はステップサイズ固定のLMS法なので、パワ
ーの低い背景雑音への適応が少なく、また完全に適応を
停止しないので、しきい値Pa 以下の妨害雑音に対して
は適応ができる。
【0055】一方、出力信号パワーが大きい場合の式
(15)による更新では、ステップサイズが出力信号パ
ワーに反比例するので目的信号の歪みを低減できる。次
に、図9に示すフローチャートを参照して本実施形態に
よる適応ビームフォーマの処理の流れを説明する。
【0056】まず、初期設定でステップサイズμ、適応
モード切り換えのしきい値Pa 、チャネル数M、フィル
タ長Kを設定し、フィルタの係数を例えば全て0、フィ
ルタ更新の回数nを0とおく(ステップS21)。
【0057】次に、入力チャネル間の差分信号xm,n
式(11)により計算する(ステップS22)。次に、
入力信号の和yn を式(12)により計算する(ステッ
プS23)。
【0058】次に、差分信号xm,n から参照信号ベクト
ルXn を構成し、誤差信号en を式(13)により計算
する(ステップS24)。次に、誤差信号en のパワー
o を計算して、ステップS25でPo としきい値Pa
を比較し、Po ≦Pa の場合はステップS26に進み、
o >Pa の場合はステップS27に進む。
【0059】ステップS26では、式(12)に従って
フィルタを更新し、ステップS28に進む。ステップS
27では、式(13)に従ってフィルタを更新し、ステ
ップS28に進む。次にステップS28では、nをイン
クリメントし、ステップS22に戻る。そして、以上の
処理を入力データの数だけ繰り返す。
【0060】このように本実施形態では適応ビームフォ
ーマ、特にGSCに本発明の適応フィルタを適用するこ
とにより、音声などの非定常な信号が入力する場合の雑
音抑圧性能を大幅に向上することが可能となる。
【0061】本実施形態では、Po >Pa の場合の実効
ステップサイズを式(15)に示されるように、μ*P
a /Po として出力信号パワーPo に反比例させたが、
必ずしも正確に反比例するようにする必要はなく、出力
信号パワーPo の増加に対して減少させるようにすれば
よい。また、このようにPo >Pa の場合の実効ステッ
プサイズを出力信号パワーPo の増加のみに依存して減
少させる代りに、従来技術におけるフィルタ特性の更新
演算式である式(2)に示されるように、参照信号パワ
ーPr と出力信号パワーPo との和の増加に対して減少
させるようにしてもよい。
【0062】(第4の実施形態)次に、拘束条件の下で
パワーを最小化するフロスト型ビームフォーマに本発明
の適応フィルタを適用した場合の実施形態について述べ
る。
【0063】本実施形態のフロスト型ビームフォーマは
図10に示す構成であり、複数チャネル(Mチャネル)
の入力信号xに単位フィルタ部51−1〜51−Mでフ
ィルタ演算を施した後、それらの出力信号の和yを加算
器56で求めて出力するフィルタ部51と、出力信号y
に基づいてフィルタ部51の特性(フィルタ係数)を更
新するフィルタ更新部53からなる。フィルタ部51
は、例えば図6に示した多チャネルの遅延線タップフィ
ルタによって構成される。チャネル数はM、タップ数は
Kとする。フィルタ更新部53は、適応モード制御部5
4とフィルタ更新演算部55および拘束条件設定部57
からなる。
【0064】フィルタ更新部53では、処理に先立って
拘束条件設定部55においてフィルタ部51の特性変化
範囲を拘束するための拘束条件を設定し、この拘束条件
設定部57で設定された条件の下で、入力信号xに基づ
いてフィルタ更新演算部55でフィルタ部51の更新演
算を行う。このフィルタ更新演算の際、出力信号yのパ
ワーに基づき、適応モード制御部54により適応速度の
制御を行う。
【0065】ここで、フロスト型ビームフォーマの処理
に関して説明する。フロスト型ビームフォーマは、例え
ば、文献4:O.L.Frost,III,“An Algorithm for Linea
rlyConstrained Adaptive Array Processing ”,Proce
eding of The IEEE,Vol.60,No.8,pp.926-935(1972) に
詳述されているように、LMSアルゴリズムにより次式
に従ってフィルタ更新を行う。
【0066】 yn =Wn Tn (16) Wn+1 =P[Wn −μyn ]+F (17) ここでnは時刻、Wn =(w1,1 ,w1,2 ,…,w
1,K ,…,wM-1,1 ,…,wM-1,KT はフィルタ係
数、Xn =(x1,n ,x1,n-1 ,…,x1,n-K+1 ,…,
M,n ,xM,n-1 ,…,xM,n-K+1T は参照信号ベク
トル、Pは拘束条件により定まる部分空間への射影行
列、Fは該部分空間から拘束条件を満たす空間への平行
移動ベクトル、μはステップサイズ、yn はフィルタ出
力である。
【0067】射影行列Pと平行移動ベクトルFは、 P=I−A(AT A)-1T (18) F=A(AT A)-1G (19) により、適応処理の前に求めておく。ここで、AとGは
フィルタの拘束条件を定める行列であり、例えば、拘束
条件の数をJとし、AはA=[a1 ,a2 ,…,aj
…,aJ ]、GはJ/2+1番めのみ値が1で、他の要
素は0のベクトルとする。aj は例えば、 i=K*(m−1)+(K/2+1)−(J/2+1)+j (20) (m=1,2,…,M) で計算される番号iの要素の値が1で、他は0のベクト
ルを用いる。なお、上式において割り算は切り下げとす
る。
【0068】本実施形態においては、このフロスト型ビ
ームフォーマの更新演算式(16)(17)を変更し、
次式に基づいてフィルタ更新を行う。 yn =Wn Tn (21) Po ≦Pa のとき Wn+1 =P[Wn −μyna ]+F (22) Po >Pa のとき Wn+1 =P[Wn −μyna /Po ]+F (23) ここで、Po は出力信号yn のパワー、Pa は予め定め
たしきい値である。先の実施形態と同様、出力信号パワ
ーPo に応じて適応速度を切り換え制御するようにして
おり、出力信号パワーPo がしきい値以下の場合はステ
ップサイズ固定のLMS法、大きければNLMS法に切
り換える。
【0069】これによりGSCの場合と同様に、目的信
号が入力した場合には式(21)のNLMS法により適
応速度を遅くして目的信号の歪みを抑え、目的信号も妨
害雑音も入力していない場合には式(21)によるステ
ップサイズ固定のLMS法により、背景雑音への適応を
少なくしている。
【0070】次に、図11を参照して本実施形態の処理
の流れを説明する。まず、初期設定でステップサイズ
μ、適応モード切り換えしきい値Pa 、チャネル数M、
フィルタ長Kを設定し、フィルタの値を例えば全て0、
フィルタ更新の回数nを0とおく(ステップS31)。
【0071】次に、拘束条件を定める行列A,Gを構成
し、式(18)(19)により行列P,Fを求める(ス
テップS32)。次に、参照信号ベクトルXn を構成
し、フィルタ出力yn を式(21)により計算する(ス
テップS33)。
【0072】次に、フィルタ出力信号yn のパワーPo
を計算して、ステップS34でPoとしきい値Pa とを
比較し、Po ≦Pa の場合はステップS35に進み、P
o >Pa の場合はステップS36に進む。
【0073】ステップS35では、式(22)に従って
フィルタを更新し、ステップS37に進む。ステップS
36では、式(23)に従ってフィルタを更新し、ステ
ップS37に進む。次にステップS37では、nをイン
クリメントし、ステップS33に戻る。そして、以上の
処理を入力データの数だけ繰り返す。
【0074】以上に述べたように、フロスト型ビームフ
ォーマに本発明の適応フィルタを適用することにより、
音声などの非定常な信号を入力する場合の雑音抑圧性能
を大幅に向上することが可能となった。
【0075】(第5の実施形態)次に、第5の実施形態
として、本発明による適応フィルタを第1の適応フィル
タとし、これと適応速度がより大きい第2の適応フィル
タを組み合わせて、第2の適応フィルタの出力信号を利
用して第1の適応フィルタの適応速度を制御することに
より、第1の適応フィルタの性能をさらに向上させた信
号処理装置の実施形態について説明する。これは第1〜
第4の実施形態で説明した本発明の適応フィルタの収束
速度をさらに改善するものであり、特に定常的な信号が
妨害雑音となっている場合のノイズキャンセラやビーム
フォーマにおいて、目的信号の歪みの低減と収束速度向
上を両立することができる。
【0076】図12に、本実施形態による信号処理装置
の構成を示す。この信号処理装置は第1の適応フィルタ
1と第2の適応フィルタ2により構成され、両者に同じ
入力信号が与えられる。
【0077】第1の適応フィルタ1は第1〜第4の実施
形態のいずれかの適応フィルタと同じ構成であり、参照
信号xに対してフィルタ演算を行って出力信号y1を得
るフィルタ部11−1と、希望応答dからフィルタ部1
1−1の出力信号を減算して誤差信号e1を得る減算器
12−1と、参照信号xと誤差信号e1に基づいてフィ
ルタ部11−1のフィルタ係数を更新する適応モード制
御部14−1およびフィルタ更新演算部15−1とから
なる。この第1の適応フィルタ1の出力信号が信号処理
装置の出力となる。
【0078】第2の適応フィルタ2は、一般的なNLM
Sアルゴリズムによる適応フィルタの構成であり、参照
信号xに対してフィルタ演算を行って出力信号y2を得
るフィルタ部11−2と、希望応答dからフィルタ部1
1−2の出力信号y2を減算して誤差信号e2を得る減
算器12−2と、参照信号xと誤差信号eに基づいてフ
ィルタ更新の演算を行うフィルタ更新演算部15−2と
からなる。
【0079】ここで、第2の適応フィルタ2は第1の適
応フィルタ1よりも適応速度が高く設定されており、第
2の適応フィルタ2の出力信号パワーに基づき、適応制
御部14−1において第1の適応フィルタ1の適応速度
を制御するようにする。適応速度は、例えばステップサ
イズの値を大きくしたり、フィルタのタップ数を少なく
することにより大きい値に設定できる。全体の処理は、
時刻をn、第1の適応フィルタ1のフィルタ係数をW
1、第2の適応フィルタ2のフィルタ係数をW2とお
き、次式により行う。
【0080】 e1n =dn −W1n Tn (24) e2n =dn −W2n Tn (25) W2n+1 =W2n −2μ2 e2nn /Pr (26) P1o ≦Pa のとき W1n+1 =W1n −2μ1 e1nna (27) P1o >Pa のとき W1n+1 =W1n −2μ1 e1nna /P1o *(P1o /P2o ) (28) ここで、e1n ,e2n はそれぞれ適応フィルタ1,2
の出力信号、Pr は参照信号パワー、dは希望応答、μ
1 ,μ2 はそれぞれ適応フィルタ1,2のステップサイ
ズである。μ2 の値はPa *μ1 よりも大きい値とし、
例えば、Pa *μ1 =0.000003、μ2 =0.2
とする。式(28)におけるαは、適応速度の加速係数
であり、例えば、1.5とする。
【0081】式(26)の適応フィルタ2の処理は一般
的なNLMS法におけるフィルタ更新演算式であり、ス
テップサイズμ2 を適応フィルタ1のステップサイズμ
1 よりも大きくしているため適応が速い。従って、第2
の適応フィルタ2では目的信号の歪みが大きいが、素早
く妨害雑音を除去することができる。
【0082】一方、第1の適応フィルタ1は逆に適応速
度を比較的遅くしているため、妨害雑音が入力した場
合、初期収束する前の時点で除去されずに出力された妨
害雑音のパワーによって適応速度が遅くなる。
【0083】そこで、式(28)に示すように、第1の
適応フィルタ1と第2の適応フィルタ2の出力信号パワ
ーの比P1o /P2o に応じて、第1の適応フィルタ1
のフィルタ更新の際の変化を大きくするようにする。妨
害雑音が入力した際、収束が速い第2の適応フィルタ2
の出力信号パワーP2o は、第1の適応フィルタ1の出
力信号パワーP1o よりも小さいので、パワー比P1o
/P2o は1より大きくなり、第1の低既往フィルタ1
の適応が速くなる。一方、目的信号が入力した場合、パ
ワー比P1o /P2o は1に近い値となるため、第1の
適応フィルタ1の適応速度は遅いままであり、入力信号
の歪み低減は保持される。
【0084】次に、図13を参照して本実施形態の処理
の流れを説明する。まず、初期設定でステップサイズμ
1 ,μ2 、適応モード切り換えのしきい値Pa 、適応速
度の加速係数α、フィルタ長Kを設定し、フィルタ係数
の値を例えば全て0、時刻nを0とおく(ステップS4
1)。
【0085】次に、参照信号xn から参照信号ベクトル
n を構成して、誤差信号e1n ,e2n を式(24)
(25)により計算し、さらに誤差信号e1n ,e2n
のパワーP1o ,P2o を計算する(ステップS4
2)。
【0086】次に、参照信号ベクトルXn から参照信号
パワーPr を求め、式(26)に従い、適応フィルタ2
の更新を行う(ステップS43)。次に、ステップS4
4において誤差信号e1n のパワーP1o としきい値P
aを比較し、P1o ≦Pa の場合はステップS45に進
み、P1o >Pa の場合はステップS46に進む。
【0087】ステップS45では、式(27)に従って
フィルタを更新し、ステップS47に進む。ステップS
46では、式(28)に従ってフィルタを更新し、ステ
ップS47に進む。ステップS47では、nをインクリ
メントし、ステップS42に戻る。そして、以上の処理
を入力データの数だけ繰り返す。
【0088】このように本実施形態では、出力信号パワ
ーに基づいて適応速度を切換え制御するようにした本発
明の適応フィルタを第1の適応フィルタ1として用い、
これより適応速度を速くした第2の適応フィルタ2の出
力信号に応じて第1の適応フィルタ1の適応速度を変化
させることにより、目的信号の歪みを低減したまま収束
速度を向上させることが可能となる。
【0089】これにより、適応ノイズキャンセラや適応
ビームフォーマにおいて、特に定常的な妨害雑音が入力
した場合の妨害雑音抑圧性能を大幅に向上させることが
できる。本実施形態における適応ビームフォーマは、第
3の実施形態で述べたGSC型、第4の実施形態で述べ
たフロスト型いずれにも適用可能である。
【0090】なお、本実施形態では参照信号が1チャネ
ルの場合について述べたが、第2の実施形態と同様に複
数チャネルの参照信号を扱うように構成することも可能
である。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば出
力信号パワーが予め定めたしきい値以下のときにはステ
ップサイズを非零のほぼ一定値とし、出力信号パワーが
しきい値を越えた場合にはステップサイズが出力信号パ
ワーの増加に対して減少するように適応モードを制御す
ることによって、目的信号の歪み防止と雑音への適応防
止の両立を可能とした適応フィルタおよびこれを用いた
信号処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る適応フィルタの
構成を示すブロック図
【図2】適応ノイズキャンセラの原理を説明するための
【図3】本発明と従来のフィルタ更新動作を比較して説
明するための図
【図4】第1の実施形態における適応フィルタ処理の流
れを示すフローチャート
【図5】本発明の第2の実施形態に係る多チャネル化し
た適応フィルタの構成を示すブロック図
【図6】第2の実施形態における多チャネルフィルタ部
の説明図
【図7】本発明の第3の実施形態に係る信号処理装置で
ある適応ビームフォーマの構成を示すブロック図
【図8】第3の実施形態で用いるブロッキングフィルタ
の一例の構成を示す図
【図9】第3の実施形態における処理の流れを示すフロ
ーチャート
【図10】本発明の第4の実施形態に係る信号処理装置
であるフロスト型ビームフォーマの構成を示すブロック
【図11】第4の実施形態における処理の流れを示すフ
ローチャート
【図12】本発明の第5の実施形態に係る信号処理装置
の構成を示すブロック図
【図13】第5の実施形態における処理の流れを示すフ
ローチャート
【図14】従来の適応フィルタの構成を示すブロック図
【符号の説明】 1…第1の適応フィルタ 2…第2の適応フィルタ 11,11−1,11−2…フィルタ部 12,12−1,12−2…減算器 13…フィルタ更新部 14,14−1…適応モード制御部 15,15−1,15−2…フィルタ更新演算部 21…フィルタ部 21−1〜21−M…単位フィルタ部 22…減算器 23…フィルタ更新部 24…適応モード制御部 25…フィルタ更新演算部 26…加算器 41…ブロッキングフィルタ 42…適応フィルタ 51…フィルタ部 51−1〜51−M…単位フィルタ部 52…減算器 53…フィルタ更新部 54…適応モード制御部 55…フィルタ更新演算部 56…加算器 57…拘束条件設定部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】出力信号パワーが予め定めたしきい値以下
    のときには適応フィルタの更新速度を決める係数が非零
    のほぼ一定値であり、出力信号パワーがしきい値を越え
    た場合には該係数が出力信号パワーの増加に対して減少
    するように適応モードが制御されることを特徴とする適
    応フィルタ。
  2. 【請求項2】少なくとも1チャネルの参照信号にフィル
    タ演算を行って1チャネルの信号を出力するフィルタ手
    段と、 希望応答から前記フィルタ手段の出力信号を差し引いて
    適応フィルタの出力信号を得る減算手段と、 前記参照信号と前記減算手段の出力信号に基づいて前記
    フィルタ手段を更新するフィルタ更新手段とを具備し、 前記フィルタ更新手段は、前記減算手段の出力信号パワ
    ーを予め定められたしきい値と比較し、出力信号パワー
    がしきい値以下のときは前記フィルタ手段の更新速度を
    決める係数を非零のほぼ一定値とし、出力信号パワーが
    しきい値を越えたときは該係数を出力信号パワーの増加
    に対して減少させることを特徴とする適応フィルタ。
  3. 【請求項3】複数チャネルの入力信号を処理して1チャ
    ネルの信号を出力するフィルタ手段と、 前記フィルタ手段の特性変化範囲に関して予め定めた拘
    束条件の下で該フィルタ手段を更新するフィルタ更新手
    段とを具備し、 前記フィルタ更新手段は、前記フィルタ手段の出力信号
    パワーを予め定められたしきい値と比較し、出力信号パ
    ワーがしきい値以下のときは前記フィルタ手段の更新速
    度を決める係数を非零のほぼ一定値とし、出力信号パワ
    ーがしきい値を越えたときは該係数を出力信号パワーの
    増加に対して減少させることを特徴とする適応フィル
    タ。
  4. 【請求項4】前記フィルタ更新手段は、 前記出力信号パワーを予め定められたしきい値と比較
    し、出力信号パワーがしきい値以下のときは前記フィル
    タ手段の更新速度を決める係数を非零のほぼ一定値と
    し、出力信号パワーがしきい値を越えたときは該係数を
    出力信号パワーの増加に対して減少させる制御を行う制
    御手段と、 この制御手段により制御された係数を含む更新演算式に
    従って前記フィルタ手段の更新演算を行う更新演算手段
    とからなることを特徴とする請求項2または3に記載の
    適応フィルタ。
  5. 【請求項5】複数チャネルの信号から目的信号に関する
    成分を除去するブロッキングフィルタと、 このブロッキングフィルタの出力信号を前記参照信号と
    して入力する請求項2または3に記載の適応フィルタと
    からなることを特徴する信号処理装置。
  6. 【請求項6】第1の適応フィルタと、この第1の適応フ
    ィルタより適応速度の大きい第2の適応フィルタとを具
    備し、第1の適応フィルタは第2の適応フィルタの出力
    信号に基づいてフィルタの更新が制御されることを特徴
    とする信号処理装置。
  7. 【請求項7】前記第1の適応フィルタは、その出力信号
    パワーを予め定められたしきい値と比較し、出力信号パ
    ワーがしきい値以下のときは適応速度が非零のほぼ一定
    値となり、出力信号パワーがしきい値を越えたときは該
    適応速度が第1および第2の適応フィルタの出力信号パ
    ワーに応じて変化するように、フィルタの更新が制御さ
    れることを特徴とする請求項6に記載の信号処理装置。
  8. 【請求項8】前記第1の適応フィルタは、その出力信号
    パワーを予め定められたしきい値と比較し、出力信号パ
    ワーがしきい値以下のときはフィルタの更新速度を決め
    る係数を非零のほぼ一定値とし、出力信号パワーがしき
    い値を越えたときは該係数を第1および第2の適応フィ
    ルタの出力信号パワーの比の増加に対して減少させるこ
    とを特徴とする請求項7に記載の信号処理装置。
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