JPH11270695A - オイルシールおよび同オイルシールを用いたトルクコンバータ並びにパワーステアリング - Google Patents

オイルシールおよび同オイルシールを用いたトルクコンバータ並びにパワーステアリング

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JPH11270695A
JPH11270695A JP10076003A JP7600398A JPH11270695A JP H11270695 A JPH11270695 A JP H11270695A JP 10076003 A JP10076003 A JP 10076003A JP 7600398 A JP7600398 A JP 7600398A JP H11270695 A JPH11270695 A JP H11270695A
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JP
Japan
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seal
shaft
oil seal
lip
dust lip
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Application number
JP10076003A
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English (en)
Inventor
Koji Tange
宏司 丹下
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 予めセットしたオイルシールに軸を嵌入し組
付けるとき、オイルシールの軸心に対して上記軸が芯ず
れを生じた場合であっても、軸の外周面に付着した夾雑
物が内部へ入り込むことを防止できるオイルシールを提
供する。 【解決手段】 環状のシール本体19にシールリップ2
1とダストリップ25とを備えたオイルシール16にお
いて、前記ダストリップ25に、当該オイルシール16
に嵌入される軸の外周面に密に接する開口縁27を設け
ると共に、上記軸の芯ずれ等の変位時に前記開口縁27
を上記軸の外周面に密接した状態を保持して上記芯ずれ
等に対応するように、上記ダストリップ25に変形容易
部分を設けてなり、上記変形容易部分は、シール本体1
9に対するダストリップ25の付根部分29から開口縁
27付近に至る肉厚をほぼ一定に形成した構成であり、
かつダストリップ25の断面形状はほぼL字形状を呈す
る形状である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオイルシール及び同
オイルシールを用いたトルクコンバータ並びにパワース
テアリングに係り、さらに詳細には、オイルシールと当
該オイルシールに嵌入される軸部との間に塵等の夾雑物
が入り込むことのないオイルシールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のオイルシールは、図6に概略的か
つ概念的に示すように、環状のシール本体1の内側に軸
Sとの間のシールを行うシールリップ3を一体に備え、
シールリップ3の外周面に、シールリップ3を軸へ押圧
するように作用する環状のスプリング5を備えた構成が
一般的である。
【0003】上記構成のごときオイルシールにおいて
は、軸Sの組付時には軸Sの外周面にシールリップ3の
内周面が摺接するので、軸3の外周面に塵等の夾雑物7
が付着していると、上記夾雑物7は、図6(A)に示す
ように、シールリップ3と軸Sの外周面との接触部分に
集められる。オイルシール3の軸心と軸Sの軸心とが常
に一致した状態において軸Sの組付けを行う場合には、
前述のように夾雑物7が前記接触部分に集められる傾向
にあっても大きな問題となるようなことはない。
【0004】しかし、軸Sの組付けを手作業で行った
り、軸Sに振動を与えたり、また軸Sを僅かに揺動した
りして軸Sの組付けを行う場合には、図6(A)に示す
ように、オイルシールの軸心に対して軸Sの軸心が位置
ずれ(芯ずれ)することがある。この場合、軸Sが一側
に芯ずれを生じオイルシールと軸との接触部が一側にあ
り、この一側に前述のように夾雑物7を集めた後、軸S
が図6(B)に示すように他側に芯ずれを生じると、前
記一側においては軸Sの外周面とオイルシールのシール
リップ3との間に僅かな間隙を生じ、この間隙から夾雑
物7が内部へ入り込むことがある。
【0005】そこで、図6(C)に示すように、環状の
シール本体1に、軸Sの外周面に摺接する環状のダスト
リップ9を設けると共に、補助リップ11を設けた構成
のオイルシールもある。この種の構成においては、ダス
トリップ9と軸Sの外周面との接触部に夾雑物が集めら
れるが、オイルシールの軸心に対して軸Sの芯ずれを生
じると、上記芯ずれに対応してダストリップ9が大きく
変形するものではなく、軸Sの外周面とダストリップ9
との間に僅かな間隙を生じることがあり、さらに改善す
べき問題がある。
【0006】さらに、本発明に係る先行例として特開平
7−269712号公報がある。この先行例において
は、シール本体に、シールリップとダストリップとを備
えると共に、さらに補助リップを設けてダストリップを
二重に設けた構成である。すなわち、先行例は、シール
リップとダストリップを備えた構成に補助リップをさら
に追加した構成に相当するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記先行例における補
助リップ11は、図7に示すように、環状の座金13を
埋設した環状の基体部分15に対して円錐形状に設けて
あり、上記補助リップ11の付根部側11Aは肉厚に形
成してあり、開口縁側の先端側11Bは段差部11Cを
形成することによって薄肉に形成してある。
【0008】上記構成においては、P点付近を基準点と
して補助リップ11は例えば軸Sの右方向への芯ずれに
対応して11Dで示すように僅かに変形し得るものの、
軸Sの組付けを手作業で行ったり、振動を与えたり、ま
た軸Sを揺動したりして組付けるとき、軸Sがさらに右
方向へ大きく芯ずれを生じると、補助リップ11の開口
縁は楕円形に変形し、図7においての軸Sの左側部と補
助リップ11との間に僅かに間隙を生じるものであり、
前述した従来のオイルシールと同様に改善すべき問題点
を有するものである。また、補助リップ11を設けるこ
とによりオイルシールの全体的構成が複雑になるという
新たな問題を生じる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述のごとき
従来の問題に鑑みてなされたもので、請求項1に係る発
明は、環状のシール本体にシールリップとダストリップ
とを備えたオイルシールにおいて、前記ダストリップ
に、当該オイルシールに嵌入される軸の外周面に密に接
する開口縁を設けると共に、上記軸の芯ずれ等の変位時
に前記開口縁を上記軸の外周面に密接した状態で上記芯
ずれ等に対応するように、上記ダストリップに変形容易
部分を設けてなるオイルシールである。
【0010】請求項2の記載に係る発明は、請求項1に
記載の発明において、変形容易部分は、シール本体に対
するダストリップの付根部分から開口縁付近に至る肉厚
をほぼ一定に形成した構成であるオイルシールである。
【0011】請求項3の記載に係る発明は、請求項1に
記載の発明において、変形容易部分は、シール本体に対
するダストリップの付根部分から開口縁付近に至る途中
に薄肉部を形成した構成であるオイルシールである。
【0012】請求項4の記載に係る発明は、請求項1,
2又は3に記載の発明において、ダストリップの断面形
状はほぼL字形状を呈する形状であるオイルシールであ
る。
【0013】請求項5の記載に係る発明は、請求項1,
2,3又は4に記載の発明において、ダストリップの付
根から開口縁に至る寸法は、ダストリップの肉厚の約3
〜10倍であるオイルシールである。
【0014】請求項6の記載に係る発明は、トルクコン
バータにおけるタービンハブのスプライン孔にインプッ
トシャフトのスプラインをスプライン嵌合し、かつトル
クコンバータにおけるワンウエイクラッチのインナーレ
ースのスプライン孔にリアクションシャフトのスプライ
ンをスプライン嵌合し、さらにトルクコンバータにおけ
るインペラハブをオイルポンプのインナギアに嵌合した
構成のトルクコンバータにおいて、前記オイルポンプの
ハウジングと前記インペラハブとの間に、上記インペラ
ハブの外周面に密に接する開口縁を備えると共に前記オ
イルポンプに対する前記インプラハブの芯ずれ等に対応
するように変形容易な変形容易部分を備えたダストリッ
プとシールを行うシールリップとをシール本体に備えて
なるオイルシールを介在した構成のトルクコンバータで
ある。
【0015】請求項7の記載に係る発明は、パワーステ
アリングに係り、パワーステアリングにおいてピストン
を備えたラックと円筒状のシリンダとの間に、上記ラッ
クの外周面に密に接する開口縁を備えると共に前記シリ
ンダに対する前記ラックの芯ずれ等に対応するように変
形容易な変形容易部分を備えたダストリップとシールを
行なうシールリップとをシール本体に備えてなるオイル
シールを介在した構成のパワーステアリングである。
【0016】
【発明の効果】請求項1の記載に係る発明は、環状のシ
ール本体にシールリップとダストリップとを備えたオイ
ルシールにおいて、前記ダストリップに、当該オイルシ
ールに嵌入される軸の外周面に密に接する開口縁を設け
ると共に、上記軸の芯ずれ等の変位時に前記開口縁を上
記軸の外周面に密接した状態で上記芯ずれ等に対応する
ように、上記ダストリップに変形容易部分を設けてなる
オイルシールであるから、オイルシールの軸心に対して
軸の芯ずれを生じた場合には変形容易部分において変形
を生じて、オイルシールの開口縁が軸の外周面に密接し
た状態を保持して軸の芯ずれに対応し追従するので、オ
イルシールの開口縁と軸の外周面との間に僅かな間隙も
生じるようなことがなく、前述したごとき従来の問題を
解消することができる。
【0017】請求項2の記載に係る発明は、請求項1に
記載の発明において、変形容易部分は、シール本体に対
するダストリップの付根部分から開口縁付近に至る肉厚
をほぼ一定に形成した構成であるから、オイルシールの
軸心に対して軸の芯ずれを生じたときにダストストリッ
プ全体が芯ずれ方向に変形し易く、請求項1に記載の効
果と同様の効果を奏し得るものである。
【0018】請求項3の記載に係る発明は、請求項1に
記載の発明において、変形容易部分は、シール本体に対
するダストリップの付根部分から開口縁付近に至る途中
に薄肉部を形成した構成であるから、オイルシールの軸
心に対して軸の芯ずれを生じたとき、ダストリップは薄
肉部において芯ずれ方向に大きく変形して芯ずれに対応
し追従し得るものであり、前述した請求項1と同様の効
果を奏し得るものである。
【0019】請求項4の記載に係る発明は、請求項1,
2又は3に記載の発明において、ダストリップの断面形
状はほぼL字形状を呈する形状であるから、オイルシー
ルに対し軸の芯ずれを生じた場合、ダストリップの付根
付近を基準としてダストリップに変形を生じ易く、上記
芯ずれに対応して追従し得るものである。
【0020】請求項5の記載に係る発明は、請求項1,
2,3又は4に記載の発明において、ダストリップの付
根から開口縁に至る寸法は、ダストリップの肉厚の約3
〜10倍であるから、肉厚に比較してダストリップの付
根から開口縁に至る寸法が適切であり、オイルシールの
軸心に対して軸の芯ずれを生じた場合に、容易に対応し
て変形し追従し得るものである。
【0021】請求項6の記載に係る発明は、トルクコン
バータにおけるタービンハブのスプライン孔にインプッ
トシャフトのスプラインをスプライン嵌合し、かつトル
クコンバータにおけるワンウエイクラッチのインナーレ
ースのスプライン孔にリアクションシャフトのスプライ
ンをスプライン嵌合し、さらにトルクコンバータにおけ
るインペラハブをオイルポンプのインナギアに嵌合した
構成のトルクコンバータにおいて、前記オイルポンプの
ハウジングと前記インペラハブとの間に、上記インペラ
ハブの外周面に密に接する開口縁を備えると共に前記オ
イルポンプに対する前記インプラハブの芯ずれ等に対応
するように変形容易な変形容易部分を備えたダストリッ
プとシールを行うシールリップとをシール本体に備えて
なるオイルシールを介在した構成のトルクコンバータで
あるから、トルクコンバータにおいてオイルポンプのイ
ンナギアにトルクコンバータのインペラハブを嵌合し組
立てるとき、オイルポンプに対してインペラハブの芯ず
れを生じた場合であっても、オイルシールの作用によっ
て夾雑物を内部へ入れることなく組立てることができる
ものである。
【0022】請求項7の記載に係る発明は、パワーステ
アリングに係り、パワーステアリングにおいてピストン
を備えたラックと円筒状のシリンダとの間に、上記ラッ
クの外周面に密に接する開口縁を備えると共に前記シリ
ンダに対する前記ラックの芯ずれ等に対応するように変
形容易な変形容易部分を備えたダストリップとシールを
行なうシールリップとをシール本体に備えてなるオイル
シールを介在した構成であるから、シリンダにラックを
組付けるとき、シリンダに対してラックを揺動しながら
組付ける場合であっても、オイルシールの作用によって
夾雑物を入れることなく組付けることができるものであ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態例について説明するに、前述した従来の構成と同
様の機能を奏する部分には同一符号を付することにして
重複した説明は省略する。
【0024】図1を参照するに、本例に係るオイルシー
ル16は断面形状がL字形状の環状の座金17を一体に
備えた環状のシール本体19を備えており、このシール
本体19の内側には軸(図1には図示省略)との間のシ
ールを行うシールリップ21が設けてあり、このシール
リップ21の外周面には、シールリップ21を締付ける
べく作用する環状のスプリング23が設けられている。
【0025】上記シール本体19,シールリップ21お
よびスプリング23は、従来のオイルシールにおけるシ
ール本体、シールリップ、スプリングと同一の構成でよ
いものであるから、シール本体、シールリップ及びスプ
リングについてのより詳細な説明は省略する。なお、シ
ール本体19は従来のオイルシールと同様に適宜のゴム
等によって形成してある。
【0026】図1に示すように、前記オイルシールのシ
ール本体19の適宜位置には環状のダストリップ25が
一体に設けてある。上記ダストリップ25は、当該オイ
ルシールに嵌入される軸(図1には図示省略)の外周面
に密に接する開口縁27を備えており、かつ上記軸の振
動、揺動や芯ずれなどの変位時に前記開口縁27が前記
軸の外周面に密に接した状態を保持して前記芯ずれ等に
対応して容易に追従変位できるように変形容易部分が上
記ダストリップ25に設けてある。
【0027】より詳細には、本例においては、シール本
体19に対するダストリップ25の付根部分29と前記
開口縁27を内周部に形成した開口縁付近部31を備
え、その断面形状はほぼL字形状を呈する形状である。
そして、ダストリップ25は、前記付根部分29から開
口縁付近部31の全体に亘ってほぼ一定の肉厚に形成し
てある。上記肉厚は変形を生じ易いように、前記シール
リップ21の肉厚に比較して薄く形成してある。
【0028】なお、本例においてはダストリップ25の
全体に亘ってほぼ一定の肉厚に形成してあるが、例えば
付根部分29の1部に薄肉部を形成し、この薄肉部にお
いて容易に変形を生じるようにしても良いものである。
【0029】さらに、前記ダストリップ25は、前記シ
ール本体19と付根部分29との境界部の付根から前記
開口縁27に亘る寸法Lはダストリップ25の肉厚Tの
3〜10倍に設定してある。上記寸法LがL<3Tの場
合にはダストリップ25の大きな変形を期待することが
できず、またL>10Tの場合には、ダストリップ25
の剛性強度が小さくなるので、前記寸法Lは、3T≦L
≦10Tであることが望ましいものである。
【0030】以上のごとき構成において、軸受部等の適
宜位置に予め設定してあるオイルシール16に対して軸
Sを挿入するとき、図2(A)に示すように、オイルシ
ールの軸心と軸Sの軸心とが一致した状態にあるとき、
オイルシールにおけるダストリップ25の開口縁27は
軸Sの全周面に密接した状態にある。
【0031】そして、オイルシールに対する軸Sの挿入
を進めて軸Sの組付けを行なうとき、軸Sの外周面に付
着している塵等の夾雑物7は軸Sの外周面とダストリッ
プ25との摺接部分に集められる。この際、図2
(B),(C)に示すように、オイルシールに対して軸
Sの芯ずれを生じた場合には、ダストリップ25におけ
る変形容易部分が大きく変形して対応するので、開口縁
27は軸Sの外周面に密接した状態に保持されて、上記
開口縁27と軸Sの外周面との間に僅かな間隙も生じる
ようなことがなく、前述したごとき従来の問題を解消し
得るものである。
【0032】より詳細には、図3に示すように、オイル
シールに対して、軸Sが図3において右方向に芯ずれを
生じて、ダストリップ25における開口縁27の右側部
27Aを右方向へ変位せしめると、上記ダストリップ2
5における変形容易部分、図3においては付根部分29
が容易に変形されて開口縁27の左側部27Bが軸Sの
芯ずれに対応して追従し、上記開口縁27が軸Sの外周
面に密接した状態が保持されるものである。
【0033】上記構成において、ダストリップ25は、
軸Sの組付作用時に軸Sが通常のように揺動されたりし
て、通常のように芯ずれを生じる場合の最大の芯ずれ量
に対応して変形容易部分が容易に変形し開口縁27が軸
Sの変位に追従し得るように設けてあるものである。
【0034】図4は本例に係るオイルシール16をトル
クコンバータに採用した例を示すものである。トルクコ
ンバータ33におけるタービンハブ35のスプライン孔
35Sにインプットシャフト37のスプリング37Sを
スプライン嵌合すると共に、上記トルクコンバータ33
におけるワンウエイクラッチのインナーレース39のス
プライン孔39Sにリアクションシャフト41のスプラ
イン41Sをスプライン嵌合し、さらに、上記トルクコ
ンバータ33におけるインペラハブ43を、オイルポン
プ(ギアポンプ)におけるインナギアに嵌合する場合、
オイルポンプにおけるハウジング45にセットしたオイ
ルシール16に前記インペラハブ43を嵌入し、トルク
コンバータ33を相対的に矢印A方向に揺動すると共に
矢印B方向に回動しているのが一般的である。
【0035】したがって、従来は、オイルシールとイン
ペラハブ43との間に僅かな間隙を生じて夾雑物を内部
へ入れ込んでしまうことがあるので、インペラハブ43
の外周面を清掃してトルクコンバータの組付け作業を行
っている。
【0036】ここで、オイルシールとして本例に係るオ
イルシール16を採用すると、オイルシール16にイン
ペラハブ43を嵌入した後にトルクコンバータ33を矢
印A方向へ揺動したり矢印B方向へ回動しても、前記イ
ンペラハブ43の外周面に対するオイルシール16にお
ける前記ダストリップ25の密接が保持されるので、夾
雑物が有る場合であっても夾雑物が入り込むことを防止
することができるものである。
【0037】図5は本例に係るオイルシール16をパワ
ーステアリングに採用した例を示すものである。パワー
ステアリングにおいて、ギアハウジング47と連結した
円筒形状のシリンダ49に、一端部側にラック歯部51
Tを備え、かつ中央部付近にピストン51Pを備えたラ
ック51を組付けるとき、シリンダ49及びラック51
が共に長いので、両者の軸心を一致せしめた状態で組付
けることが難しく、シリンダ49に対してラック51を
相対的に僅かに揺動し乍ら作業を行うのが一般的であ
る。
【0038】したがって、前記シリンダ49にセットし
たオイルシールとラック51との間に僅かに間隙を生じ
て、ラック51に付着していた夾雑物が入り込むことが
あるが、本例に係るオイルシール16を採用することに
より、上述のごとき問題は解消されるものである。
【0039】なお、図5において、符号53はギアハウ
ジング47を支持する受治具である。また、55はラッ
ク51の上端に取り付けたオイルシール挿入用ガイドで
あり、57はラック・オイルシール圧入ドリフト59内
に設けたラック圧入用スプリング61に備えた押圧パッ
ドである。
【0040】以上のごとき説明より理解されるように、
予めセットされたオイルシール16に対して軸Sを嵌入
し組付けるとき、軸Sを揺動したりすることによってオ
イルシール16の軸心と軸Sの軸心とが芯ずれを生じた
場合であっても、上記オイルシール16におけるダスト
リップ25の変形容易部分が上記芯ずれに対応するよう
に変形して、ダストリップ25の開口縁27が軸Sの外
周面に密接した状態が保持されるので、軸Sの外周面に
付着した夾雑物が組付物の内部に入り込むようなことが
ないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例に係るオイルシールの断面
説明図である。
【図2】オイルシールに軸を嵌入し組付けるときの作用
説明図である。
【図3】オイルシールにおけるダストリップが軸の芯ず
れに対応して変形することを説明するための説明図であ
る。
【図4】本例に係るオイルシールをトルクコンバータに
採用した場合の説明図である。
【図5】本例に係るオイルシールをパワーステアリング
に採用した場合の説明図である。
【図6】従来のオイルシールに軸を嵌入し組付ける場合
の問題点の説明図である。
【図7】先行例における補助リップの説明図である。
【符号の説明】
1 シール本体 3 シールリップ 7 夾雑物 9 ダストリップ 16 オイルシール 19 シール本体 21 シールリップ 25 ダストリップ 27 開口縁 29 付根部 31 開口縁付近部 33 トルクコンバータ 49 シリンダ 51 ラック

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状のシール本体にシールリップとダス
    トリップとを備えたオイルシールにおいて、前記ダスト
    リップに、当該オイルシールに嵌入される軸の外周面に
    密に接する開口縁を設けると共に、上記軸の芯ずれ等の
    変位時に前記開口縁を上記軸の外周面に密接した状態で
    上記芯ずれ等に対応するように、上記ダストリップに変
    形容易部分を設けてなることを特徴とするオイルシー
    ル。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の発明において、変形容
    易部分は、シール本体に対するダストリップの付根部分
    から開口縁付近に至る肉厚をほぼ一定に形成した構成で
    あることを特徴とするオイルシール。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の発明において、変形容
    易部分は、シール本体に対するダストリップの付根部分
    から開口縁付近に至る途中に薄肉部を形成した構成であ
    ることを特徴とするオイルシール。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3に記載の発明におい
    て、ダストリップの断面形状はほぼL字形状を呈する形
    状であることを特徴とするオイルシール。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3又は4に記載の発明に
    おいて、ダストリップの付根から開口縁に至る寸法は、
    ダストリップの肉厚の約3〜10倍であることを特徴と
    するオイルシール。
  6. 【請求項6】 トルクコンバータにおけるタービンハブ
    のスプライン孔にインプットシャフトのスプラインをス
    プライン嵌合し、かつトルクコンバータにおけるワンウ
    エイクラッチのインナーレースのスプライン孔にリアク
    ションシャフトのスプラインをスプライン嵌合し、さら
    にトルクコンバータにおけるインペラハブをオイルポン
    プのインナギアに嵌合した構成のトルクコンバータにお
    いて、前記オイルポンプのハウジングと前記インペラハ
    ブとの間に、上記インペラハブの外周面に密に接する開
    口縁を備えると共に前記オイルポンプに対する前記イン
    プラハブの芯ずれ等に対応するように変形容易な変形容
    易部分を備えたダストリップとシールを行うシールリッ
    プとをシール本体に備えてなるオイルシールを介在した
    構成であることを特徴とするトルクコンバータ。
  7. 【請求項7】 パワーステアリングにおいてピストンを
    備えたラックと円筒状のシリンダとの間に、上記ラック
    の外周面に密に接する開口縁を備えると共に前記シリン
    ダに対する前記ラックの芯ずれ等に対応するように変形
    容易な変形容易部分を備えたダストリップとシールを行
    なうシールリップとをシール本体に備えてなるオイルシ
    ールを介在した構成であることを特徴とするパワーステ
    アリング。
JP10076003A 1998-03-24 1998-03-24 オイルシールおよび同オイルシールを用いたトルクコンバータ並びにパワーステアリング Pending JPH11270695A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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