JP2024003437A - 密封装置 - Google Patents

密封装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2024003437A
JP2024003437A JP2022102573A JP2022102573A JP2024003437A JP 2024003437 A JP2024003437 A JP 2024003437A JP 2022102573 A JP2022102573 A JP 2022102573A JP 2022102573 A JP2022102573 A JP 2022102573A JP 2024003437 A JP2024003437 A JP 2024003437A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ring
elastic
protrusion
elastic layer
cylindrical portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022102573A
Other languages
English (en)
Inventor
孝行 相原
Takayuki Aihara
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nok Corp filed Critical Nok Corp
Priority to JP2022102573A priority Critical patent/JP2024003437A/ja
Priority to CN202310577221.4A priority patent/CN117307716A/zh
Publication of JP2024003437A publication Critical patent/JP2024003437A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16JPISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
    • F16J15/00Sealings
    • F16J15/02Sealings between relatively-stationary surfaces
    • F16J15/06Sealings between relatively-stationary surfaces with solid packing compressed between sealing surfaces
    • F16J15/061Sealings between relatively-stationary surfaces with solid packing compressed between sealing surfaces with positioning means
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16JPISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
    • F16J15/00Sealings
    • F16J15/02Sealings between relatively-stationary surfaces
    • F16J15/06Sealings between relatively-stationary surfaces with solid packing compressed between sealing surfaces
    • F16J15/062Sealings between relatively-stationary surfaces with solid packing compressed between sealing surfaces characterised by the geometry of the seat
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16JPISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
    • F16J15/00Sealings
    • F16J15/02Sealings between relatively-stationary surfaces
    • F16J15/06Sealings between relatively-stationary surfaces with solid packing compressed between sealing surfaces
    • F16J15/10Sealings between relatively-stationary surfaces with solid packing compressed between sealing surfaces with non-metallic packing
    • F16J15/104Sealings between relatively-stationary surfaces with solid packing compressed between sealing surfaces with non-metallic packing characterised by structure
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16JPISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
    • F16J15/00Sealings
    • F16J15/02Sealings between relatively-stationary surfaces
    • F16J15/06Sealings between relatively-stationary surfaces with solid packing compressed between sealing surfaces
    • F16J15/10Sealings between relatively-stationary surfaces with solid packing compressed between sealing surfaces with non-metallic packing
    • F16J15/12Sealings between relatively-stationary surfaces with solid packing compressed between sealing surfaces with non-metallic packing with metal reinforcement or covering
    • F16J15/128Sealings between relatively-stationary surfaces with solid packing compressed between sealing surfaces with non-metallic packing with metal reinforcement or covering with metal covering
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K5/00Casings; Enclosures; Supports
    • H02K5/04Casings or enclosures characterised by the shape, form or construction thereof
    • H02K5/10Casings or enclosures characterised by the shape, form or construction thereof with arrangements for protection from ingress, e.g. water or fingers

Abstract

【課題】剛性環の変形を抑制するとともに、弾性環がむしれることを低減する。【解決手段】密封装置は、支持部材に取り付けられる円筒部と、円筒部の大気側に配置されるようになっている一端に形成された円板部とを有し、円板部は、大気側に配置されるようになっている第1の面と、第1の面と反対側にある第2の面とを有する剛性材料から形成された剛性環と、剛性環の円筒部に接合されて円筒部と支持部材との間に介在させられるようになっている介在円筒部と、介在円筒部の大気側に配置されるようになっている一端に形成されて、剛性環の円板部の第1の面に接合された弾性層とを有する弾性材料から形成された弾性環を備える。剛性環の円板部の第1の面は、大気側に向けて突出する複数の突起を有する。弾性環の弾性層は、円板部の第1の面における突起と突起以外の部分に接合されている。【選択図】図1

Description

本発明は、密封装置に関する。
特許文献1は、孔に装着されて孔を閉塞する密封装置を開示する。この密封装置は金属環と、金属環に接合された弾性環とを有する。金属環は孔に嵌め込まれる円筒部と、円筒部から径方向内側に広がる円板部とを有し、弾性環は円筒部の外周面に接合されて孔に嵌め込まれる外側円筒部と、円板部の大気側の面に接合された弾性層を有する。
特開2008-196553号公報
特許文献1に記載の密封装置においては、円板部の大気側の面に接合された弾性層は金属環の円板部の酸化を防止する。特に、水(塩水および泥水)が多い環境で密封装置が使用される場合、弾性層は有効である。弾性層は、円板部の必要箇所全体にわたって確実に形成されることが好ましい。
一方、弾性層は常に弾性環の外側円筒部を径方向内側に引っ張るため、剛性環を変形させるおそれがある。剛性環が変形すると、孔の内部の流体が漏れるおそれがある。
また、密封装置が装着される孔の内部圧力が高い場合、孔から密封装置が抜け出さないようにするための工夫が必要である。しかし、孔を有する部材の構造の変更が難しい場合には、そのような工夫は限定されるため、抜け出し防止のためには金属環の円筒部と孔の内周面の嵌め合い代を大きくする措置が取られる。
しかし、この嵌め合い代を大きくすると、密封装置を孔に圧入する際、金属環の円筒部の周囲に配置されて孔に嵌め込まれる弾性環の外側円筒部に大きな力が与えられ、外側円筒部がむしれることが懸念される。また、弾性層は常に弾性環の外側円筒部を径方向内側に引っ張るため、金属環の円筒部から外側円筒部を剥離させるよう作用し、密封装置を孔に圧入する際および密封装置の使用時、外側円筒部がむしれる懸念を増大させる。外側円筒部がむしれると、孔の内部の流体が漏れるおそれがある。
そこで、本発明は、剛性環の変形を抑制するとともに、弾性環がむしれることを低減する密封装置を提供する。
本発明に係るある態様は、密封装置を提供する。この密封装置は、支持部材に取り付けられる円筒部と、前記円筒部の大気側に配置されるようになっている一端に形成された円板部とを有し、前記円板部は、大気側に配置されるようになっている第1の面と、前記第1の面と反対側にある第2の面とを有する剛性材料から形成された剛性環と、前記剛性環の前記円筒部に接合されて前記円筒部と前記支持部材との間に介在させられるようになっている介在円筒部と、前記介在円筒部の大気側に配置されるようになっている一端に形成されて、前記剛性環の前記円板部の前記第1の面に接合された弾性層とを有する弾性材料から形成された弾性環とを備える。前記剛性環の前記円板部の前記第1の面は、大気側に向けて突出する複数の突起を有する。前記弾性環の前記弾性層は、前記円板部の前記第1の面における突起と前記突起以外の部分に接合されている。
この態様においては、剛性環の円板部に複数の突起を設けることによって、円板部に接合された弾性環の弾性層が突起の周囲で曲折し、弾性層内で力が伝達されにくくなり、弾性環の弾性層が弾性環の介在円筒部を径方向に引っ張る力が低減する。したがって、剛性環の変形が抑制される。また、金属環の円筒部から介在円筒部を剥離させようとする力(介在円筒部を径方向に引っ張る力)が低減するので、密封装置を支持部材に取り付ける際および密封装置の使用時、弾性環の介在円筒部がむしれることが低減される。
本発明の実施形態に係る密封装置が孔に圧入される状態を示す断面図である。 孔に圧入された使用中の実施形態に係る密封装置を示す断面図である。 孔に圧入されない状態での実施形態に係る密封装置の一部を拡大した断面図である。 図3の下面図である。 実施形態に係る密封装置の弾性環を型で形成する状態を示す断面図である。 孔に圧入された使用中の比較例に係る密封装置を示す断面図である。 孔に圧入されない状態での実施形態の変形例に係る密封装置の一部を拡大した断面図である。 孔に圧入されない状態での実施形態の他の変形例に係る密封装置の一部を拡大した断面図である。 使用中の実施形態の変形例に係る密封装置を示す断面図である。 使用中の実施形態の他の変形例に係る密封装置を示す断面図である。
以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る実施形態を説明する。図面の縮尺は必ずしも正確ではなく、一部の特徴は誇張または省略されることもある。
図1は使用前の本発明の実施形態に係る密封装置である密封栓1を示し、図2は使用中の密封装置である密封栓1を示す。図1および図2に示すように、密封栓1は、ハウジング(支持部材)2の孔3に圧入されることにより、ハウジング2に固定され、孔3を閉塞する。ハウジング2は、樹脂または金属、例えばアルミニウム合金から形成されている。
ハウジング2は、例えば電気自動車のモータのハウジングであり、大気側は水(塩水および泥水)が多い環境であるが、本発明の用途は、この実施形態に限定されず、他の機械または構造物のハウジングであってもよい。
図1に示すように、孔3は、小径部3a、テーパ部3b、大径部3cおよびテーパ部3dを有する。小径部3a、テーパ部3b、大径部3cおよびテーパ部3dは、いずれも円形断面を有し、互いに同心である。小径部3aは孔3の奥に位置する。大径部3cは小径部3aより大きい内径を有し、テーパ部3bは小径部3aと大径部3cを接続する。テーパ部3dは大気側に位置し、孔3の奥に向かうほど小さい直径を有する。但し、孔3の形状は、図示に限定されない。
密封栓1は、剛性環6と、剛性環6に接合された弾性環8とを有する。
剛性環6は、金属または樹脂などの剛性材料から形成されている。剛性環6は、例えば、JIS(日本工業規格)のG3141に規定された冷間圧延鋼板(SPCC)の板をプレス加工で成形することにより製造される。
剛性環6は、円筒部6a、円板部6b、および接続部6cを有する。円筒部6aはハウジング2に取り付けられる。具体的には、円筒部6aはハウジング2の孔3に嵌め込まれる。円板部6bは、円筒部6aの大気側に配置されるようになっている一端に形成され、円筒部6aの径方向内側に広がっている。円板部6bは、大気側に配置されるようになっている第1の面6b1と、円筒部6aの内側に配置される第2の面6b2とを有する。接続部6cは、円筒部6aに円板部6bを接続し、円弧状に湾曲した断面を有する。
円筒部6aは、主円筒部6a1、端部6a2、および傾斜部6a3を有する。主円筒部6a1、端部6a2、および傾斜部6a3は、いずれも円形断面を有し、互いに同心である。密封栓1が孔3に圧入されていない図1および図3に示す状態で、主円筒部6a1は円筒形状を有する。端部6a2は、主円筒部6a1の円板部6bとは反対側に位置し、端部6a2の外周面はテーパである。すなわち、端部6a2の外周面は、主円筒部6a1から離れるほど小さい直径を有する。傾斜部6a3は、主円筒部6a1の円板部6b側に位置し、円錐台形状を有する。具体的には、傾斜部6a3は、円板部6bひいては大気側に向かうほど小さい直径を持つように傾斜している。
図2に示すように、円筒部6aの主円筒部6a1、端部6a2、および傾斜部6a3は、いずれも孔3に挿入される。この状態で、端部6a2は孔3の小径部3aに位置し、主円筒部6a1は孔3の小径部3a、テーパ部3bおよび大径部3cに位置し、傾斜部6a3は孔3の大径部3cおよびテーパ部3dに位置する。テーパの外周面を有する端部6a2は、円筒部6aを孔3に挿入されやすくする。孔3に嵌め込まれた状態で主円筒部6a1は、孔3の内周面から反力を受けて、小径部3a、テーパ部3bおよび大径部3cの輪郭にほぼ沿って変形させられる。
弾性環8は、弾性材料、例えばゴムを含むエラストマーから形成されている。利用可能なエラストマーは限定されない。但し、後述するように、この実施形態によれば、弾性環8のむしれを防止または低減することができる。この観点から、例えばアクリルゴムのような擦傷しやすいエラストマーを弾性環8の材料としてもよい。
弾性環8は、外側円筒部(介在円筒部)8aと、外側円筒部8aの大気側に配置されるようになっている端部に形成された弾性層8bとを有する。弾性層8bは、外側円筒部8aの径方向内側に広がっており、剛性環6の円板部6bの第1の面6b1の全体に接合されている。
外側円筒部8aは、剛性環6の円筒部6aの傾斜部6a3の外周面と接続部6cの外周面に接合されている。外側円筒部8aは、径方向外側に突出する円環状の隆条部8a1を有する。図2に示すように、隆条部8a1は、剛性環6の円筒部6aの外周面と孔3の内周面との間に介在させられる。すなわち、隆条部8a1は、孔3の大径部3cとテーパ部3dに嵌め込まれ、大径部3cの内周面とテーパ部3dの内周面に密に面接触させられ、剛性環6の円筒部6aの外周面と孔3の内周面との隙間を閉塞する。
図3に示すように、隆条部8a1の外周面はテーパである。すなわち隆条部8a1の外周面は、弾性層8bから離れるほど小さい直径を有する。したがって、隆条部8a1は孔3の大径部3cに嵌め込まれやすくなっている。
図1から図3に示すように、剛性環6の円板部6bは、大気側に向けて突出する複数の突起10を第1の面6b1に有する。突起10は、板をプレス加工して剛性環6に成形する際に形成される。したがって、第1の面6b1に形成された突起10に対応して、円板部6bの第2の面6b2には凹部12が形成されている。このように突起10の裏に凹部12が形成されるので、剛性環6の突起10をプレス加工で成形するのが容易である。
突起10の大部分は平坦であって、円板部6bの突起10以外の部分に対して平行である。図3に示すように、円板部6bの突起10以外の部分に対する突起10の突出量P(凹部12の深さ)はわずかである。
図4に示すように、複数の突起10ひいては凹部12は、剛性環6の中心軸線から等距離に配置されている。第1の面6b1は、突起10の間の部分である中間部14を有する。好ましくは、突起10は互いに等しい角間隔をおいて配置されているが、突起10の角間隔は必ずしも等しくなくてもよい。図4では、8つの突起10ひいては8つの凹部12が示されているが、突起10の数ひいては凹部12の数は、図示に限定されない。また、突起10および凹部12の形状も図示に限定されない。
図1から図3に示すように、弾性環8の弾性層8bは、剛性環6の円板部6bの第1の面6b1における突起10と突起10以外の部分に接合されている。剛性環6の第1の面6b1は突起10を有するが、図3に示すように、弾性環8の弾性層8bの大気側に配置されるようになっている面8b1は平坦であり、円板部6bに平行である。但し、面8b1は必ずしも平坦でなくてもよい。
図1の矢印Aの方向に密封栓1を押圧することにより、密封栓1はハウジング2の孔3に圧入される。この時、弾性環8の弾性層8bを矢印Aの方向に押圧する治具(図示せず)を使用することができる。
この実施形態に係る密封栓1の弾性環8は、図5に示す型15を用いて形成することができる。型15は、高い剛性を有する金属製であり、剛性環6が配置されるほぼ円柱状の内部空間15aを有する。内部空間15aの内周面には、剛性環6の円筒部6aの主円筒部6a1が嵌め込まれ、円筒部6aの傾斜部6a3が内部空間15aの内周面の隆条部15bに突き当てられる。すると、内部空間15aと剛性環6とで弾性環8を形成するためのキャビティ16が画定される。キャビティ16の円板部6bに対向する平坦面16aは、円板部6bに平行であり、弾性環8の弾性層8bの大気側の面8b1を形成する。
キャビティ16に弾性環8の弾性材料を配置して硬化させることにより、弾性環8が成形される。同時に弾性環8は剛性環6に接合される。弾性環8は弾性環8の成形方法は、プレスでもよいし、射出成形でもよい。キャビティ16に弾性環8の弾性材料を配置する前に、弾性環8と剛性環6の接合性を向上させる接着剤を剛性環6の第1の面6b1、接続部6cおよび傾斜部6a3に塗布することが好ましい。
この実施形態においては、図3に示すように、弾性層8bの突起10に接合された部分の厚さtが、第1の面6b1の突起10以外の部分に接合された弾性層8bの部分の厚さTより小さいため、型15を用いてプレスまたは射出成形で弾性環8を剛性環6に接合する際、突起10の間に弾性環8の弾性材料が流れる流路が形成される。具体的には、突起10の間の中間部14(図3および図4参照)が弾性材料の流路となる。また、突起10と型15の平坦面16aの間にも弾性材料が配置され、これらの間で弾性材料が強く圧縮され、圧力が弾性材料全体に伝わる。したがって、弾性材料の流れが改善され、完成した弾性環8の弾性層8bの厚さT(第1の面6b1の突起10以外の部分に接合された部分の厚さ、図3参照)のバラツキが抑制され、第1の面6b1の全体にわたって確実に弾性材料を行き渡らせることができる。
また、図3に示すように、剛性環6の円板部6bに複数の突起10を設けることによって、円板部6bに接合された弾性層8bが突起10の周囲で曲折し、弾性層8b内で力が伝達されにくくなり、弾性環8の弾性層8bが弾性環8の外側円筒部8aを径方向に引っ張る力が低減する。特にこの実施形態では、弾性環8の弾性層8bの突起10に接合された部分の厚さtが、第1の面6b1の突起10以外の部分に接合された弾性層8bの部分の厚さTより小さいため、弾性層8bが弾性環8の外側円筒部8aを径方向内側に引っ張る力が顕著に低減する。弾性環8の弾性層8bの大気側の面8b1は平坦であるため、弾性環8の弾性層8bの突起10に接合された部分の厚さtが、第1の面6b1の突起10以外の部分に接合された弾性層8bの部分の厚さTより確実に小さくなる。
このように弾性層8bが弾性環8の外側円筒部8aを径方向内側に引っ張る力が低減するため、密封栓1を孔3に圧入する際および密封栓1の使用時、剛性環6の変形が抑制される。
また、金属環の円筒部6aから外側円筒部8aを剥離させようとする力(外側円筒部8aを径方向内側に引っ張る力)が低減するので、密封栓1を孔3に圧入する際および密封栓1の使用時、弾性環8の外側円筒部8aがむしれることが低減される。
図6は、孔2に圧入された比較例に係る密封栓1Aを示す。密封栓1Aにおいては、剛性環6の円板部6bに突起10が設けられていない。弾性環8の形成時に弾性材料の流れを改善する突起10がないので、剛性環6の円板部6bの第1の面6b1の全体にわたって弾性環8の弾性層8bを形成するには、比較例の弾性層8bの厚さは実施形態のそれより大きくせざるを得ない。また、弾性層8bが曲折せず平坦であるため、弾性層8b内で力が伝達されやすい。したがって、実施形態に比べて、弾性層8bが弾性環8の外側円筒部8aを径方向内側に引っ張る力が大きく、そのため図6に示すように剛性環6が湾曲してしまうおそれがある。剛性環6の湾曲は、密封栓1Aを孔3に圧入する際にも、密封栓1の使用時にも起こりうる。剛性環6が湾曲すると、孔3の内部の流体が漏れるおそれがある。
また、弾性層8bが弾性環8の外側円筒部8aを径方向内側に引っ張る大きい力が、金属環の円筒部6aから外側円筒部8aを剥離させるよう作用する。密封栓1Aを孔3に圧入する際および密封栓1の使用時に、弾性環8の外側円筒部8aがむしれる懸念がある。図6は、外側円筒部8aの隆条部8a1がギザギザにむしれている例を示す。外側円筒部8aがむしれると、やはり孔3の内部の流体が漏れるおそれがある。
この実施形態によれば、図6を参照して説明したこれらの課題を解消し、密封栓1の封止性能を長期にわたって維持することが可能である。
この実施形態において、弾性環8の弾性層8bの突起10に接合された部分の厚さt(図3参照)は、0.1mm以上、0.5mm未満であることが好ましい。厚さtが0.1mm以上である場合、密封栓1を孔3に圧入する際、例えば弾性層8bを突起10に接合された部分を治具で押しても、弾性層8bが損傷するおそれが少ない。また、厚さtが0.1mm以上である場合、密封栓1を孔3に圧入する際、および密封栓1の使用中に、弾性層8bの突起10に接合された部分がわずかに損傷しても、剛性環6の第1の面6b1が露出するおそれが少なく、第1の面6b1の酸化が抑制される。
厚さtが0.5mm以上である場合には、弾性層8bが弾性環8の外側円筒部8aを径方向内側に引っ張る力が強く、剛性環6が変形しやすく、密封栓1が孔3に圧入される際および密封栓1の使用時、弾性環8の外側円筒部8aがむしれるおそれがある。
但し、弾性環8の弾性材料、上記の接着剤の組成、および/または弾性環8の製造方法によって、弾性環8の必要とされる厚さは異なるため、厚さtは0.1mm以上、0.5mm未満には限定されない。
絶対必要というわけではないが、好ましくは、図3および図4に示すように、剛性環6の突起10と剛性環6の円板部6bの中心との距離Dは、円板部6bの半径Rの半分よりも大きい。つまり、剛性環6の突起10は円板部6bの外縁付近に配置されるため、弾性環8の弾性層8bの突起10に接合された厚さが小さい部分が弾性層8bの外縁付近に配置されている。したがって、弾性層8bの厚さが小さい部分が弾性層8の径方向内側に配置されている場合に比べて、弾性環8の弾性層8bが弾性環8の外側円筒部8aを径方向内側に引っ張る力が低減する。
上記の実施形態においては、弾性層8bの突起10に接合された部分の厚さtが、第1の面6b1の突起10以外の部分に接合された弾性層8bの部分の厚さTより小さい。しかし、図7および図8に示すように、必ずしも上記の実施形態のようになっていなくてもよい。図7および図8は、それぞれ、孔に圧入されない状態での実施形態の変形例に係る密封栓1の一部を拡大した断面図である。
図7に示す変形例では、弾性層8bの突起10に接合された部分の厚さtが、第1の面6b1の突起10以外の部分に接合された弾性層8bの部分の厚さTと等しい。つまり、弾性層8bの厚さは均一であり、弾性層8bは突起10と突起10以外の部分の形状に沿った形状を有する。図8に示す変形例では、弾性層8bの突起10に接合された部分の厚さtが、第1の面6b1の突起10以外の部分に接合された弾性層8bの部分の厚さTより大きい。
図7および図8に示す変形例においては、円板部6bに接合された弾性層8bが突起10の周囲で曲折し、弾性層8b内で力が伝達されにくくなり、弾性環8の弾性層8bが弾性環8の外側円筒部8aを径方向に引っ張る力が低減する。したがって、密封栓1を孔3に圧入する際および密封栓1の使用時、剛性環6の変形が抑制されるとともに、弾性環8の外側円筒部8aがむしれることが低減される。
図9は、使用中の実施形態の変形例に係る密封装置であるオイルシール21を示す。オイルシール21は、樹脂または金属から形成されたハウジング(支持部材)22の孔23に圧入されることにより、ハウジング22に固定されている。孔23の内部には、シャフト25が配置されている。シャフト25は、その軸線周りに回転する回転シャフトでもよいし、その軸線方向に沿って往復移動する往復シャフトでもよい。
オイルシール21は、剛性環26と、剛性環26に接合された弾性環28とを有する。
剛性環26は、金属または樹脂などの剛性材料から形成されている。剛性環26は、円筒部26aおよび円板部26bを有する。円筒部26aはハウジング22に取り付けられる。具体的には、円筒部26aはハウジング22の孔23に挿入される。円板部26bは、円筒部26aの大気側に配置されるようになっている一端に形成され、円筒部26aの径方向内側に広がっている。円板部26bは円環形状を有する。円板部26bは、大気側に配置されるようになっている第1の面26b1と、円筒部26aの内側に配置される第2の面26b2とを有する。
弾性環28は、弾性材料、例えばゴムを含むエラストマーから形成されている。利用可能なエラストマーは限定されない。但し、この変形例によれば、弾性環28のむしれを防止または低減することができる。この観点から、例えばアクリルゴムのような擦傷しやすいエラストマーを弾性環28の材料としてもよい。
弾性環28は、外側円筒部(介在円筒部)28aと、外側円筒部28aの大気側に配置されるようになっている端部に形成された弾性層28bとを有する。弾性層28bは、外側円筒部28aの径方向内側に広がっており、剛性環26の円板部26bの第1の面26b1の全体に接合されている。
弾性層28bは円環形状を有する。弾性環28は、弾性層28bの径方向内側に配置されたシールリップ29とダストリップ30を有する。シールリップ29の周囲にはシールリップ29を径方向内側に向けて押圧するガータースプリング31が巻かれている。但し、ガータースプリング31は絶対必要というわけではなく、ダストリップ30も絶対必要というわけではない。
外側円筒部28aは、剛性環26の円筒部26aの外周面に接合されている。外側円筒部28aは、剛性環26の円筒部26aの外周面と孔23の内周面との間に介在させられる。すなわち、外側円筒部28aは、孔23に嵌め込まれ、孔23の内周面に密に面接触させられ、剛性環26の円筒部26aの外周面と孔23の内周面との隙間を閉塞する。
剛性環26の円板部26bは、大気側に向けて突出する複数の突起32を第1の面26b1に有する。突起32は、板をプレス加工して剛性環26に成形する際に形成される。したがって、第1の面26b1に形成された突起32に対応して、円板部26bの第2の面26b2には凹部34が形成されている。このように突起32の裏に凹部34が形成されるので、剛性環26の突起32をプレス加工で成形するのが容易である。突起32の大部分は平坦であって、円板部26bの突起32以外の部分に対して平行である。円板部26bの突起32以外の部分に対する突起32の突出量P(凹部34の深さ)はわずかである。
図示しないが、複数の突起32ひいては凹部34は、剛性環26の中心軸線から等距離に配置されている。好ましくは、突起32は互いに等しい角間隔をおいて配置されているが、突起32の角間隔は必ずしも等しくなくてもよい。
弾性環28の弾性層28bは、剛性環26の円板部26bの第1の面26b1における突起32と突起32以外の部分に接合されている。剛性環26の第1の面26b1は突起32を有するが、弾性環28の弾性層28bの大気側に配置されるようになっている面28b1は平坦であり、円板部26bに平行である。但し、面28b1は必ずしも平坦でなくてもよい。
オイルシール21の弾性環28も、型を用いて、プレスまたは射出成形により、剛性環26に接合することができる。図5を参照して説明した理由と同じ理由により、剛性環26の円板部26bに複数の突起32を設けることによって、弾性材料の流れが改善され、完成した弾性環28の弾性層28bの厚さ(第1の面26b1の突起32以外の部分に接合された部分の厚さ)のバラツキが抑制され、第1の面26b1の全体にわたって確実に弾性材料を行き渡らせることができる。
また、円板部26bに接合された弾性層28bが突起32の周囲で曲折し、弾性層28b内で力が伝達されにくくなり、弾性環28の弾性層28bが弾性環28の外側円筒部28aを径方向に引っ張る力が低減する。特にこのオイルシール21では、弾性環28の弾性層28bの突起32に接合された部分の厚さが、第1の面26b1の突起32以外の部分に接合された弾性層28bの部分の厚さより小さいため、弾性層28bが弾性環28の外側円筒部28aを径方向内側に引っ張る力が顕著に低減する。弾性環28の弾性層28bの大気側の面28b1は平坦であるため、弾性環28の弾性層28bの突起32に接合された部分の厚さが、第1の面26b1の突起32以外の部分に接合された弾性層28bの部分の厚さより確実に小さくなる。但し、図7および図8に示す変形例をこのオイルシール21に適用してもよい。
このように弾性層28bが弾性環28の外側円筒部28aを径方向内側に引っ張る力が低減するため、オイルシール21を孔23に圧入する際およびオイルシール21の使用時、剛性環26の変形が抑制される。したがって、オイルシール21の封止性能を長期にわたって維持することが可能である。
また、金属環の円筒部26aから外側円筒部28aを剥離させようとする力(外側円筒部28aを径方向内側に引っ張る力)が低減するので、オイルシール21を孔23に圧入する際およびオイルシール21の使用時、弾性環28の外側円筒部28aがむしれることが低減される。したがって、オイルシール21の封止性能を長期にわたって維持することが可能である。
絶対必要というわけではないが、好ましくは、剛性環26の突起32と剛性環26の円板部26bの外縁との距離D1は、突起32と円板部26bの内縁との距離D2よりも小さい。つまり、剛性環26の突起32は円板部26bの外縁付近に配置されるため、弾性環28の弾性層28bの突起32に接合された厚さが小さい部分が弾性層28bの外縁付近に配置されている。したがって、弾性層28bの厚さが小さい部分が弾性層28の径方向内側に配置されている場合に比べて、弾性環28の弾性層28bが弾性環28の外側円筒部28aを径方向内側に引っ張る力が低減する。
図10は、使用中の実施形態の他の変形例に係る密封装置であるハブベアリングシール31を示す。ハブベアリングシール31は、ハブ軸受の外輪32と内輪33との間の間隙内に配置される。ハブベアリングシール31は、外側シール部材40と内側シール部材50を備える。外側シール部材40と内側シール部材50は、環状であるが、図10においては、それらの左側部分のみが示されている。図10において、外輪32と内輪33は仮想線で示し、外側シール部材40と内側シール部材50は、外輪32と内輪33との間で圧縮されていない状態を示す。
外側シール部材40は、外輪32に取り付けられて、回転しない固定シール部材である。外側シール部材40は、弾性環41および剛性環42を有する複合構造である。
弾性環41は、弾性材料、例えばエラストマーで形成されている。弾性環41は、リップ43,44,45を有する。
剛性環42は、剛性材料、例えば金属から形成されており、弾性環41を補強する。剛性環42は、ほぼL字形の断面形状を有する。剛性環42は、外輪32の孔に圧入されて固定されている。剛性環42の一部は、弾性環41に埋設されており、弾性環41に密着している。
内側シール部材50は、スリンガーすなわち回転シール部材とも呼ぶことができる。内側シール部材50は、内輪33に取り付けられており、内輪33の回転時に、内側シール部材50は内輪33とともに回転し、外部から到来する異物(例えば水)を跳ね飛ばす。
内側シール部材(密封装置)50も、剛性環51と、剛性環51に接合された弾性環52とを有する複合構造である。剛性環51は、金属または樹脂などの剛性材料から形成されている。
剛性環51は、ほぼL字形の断面形状を有する。具体的には、剛性環51は、円筒状のスリーブ(円筒部)51aとフランジ(円板部)51bとを備える。スリーブ51aは、内輪33に取り付けられる。具体的には、スリーブ51aには、内輪(支持部材)33が締まり嵌め方式で嵌め入れられる(すなわち圧入される)。フランジ51bは、スリーブ51aの大気側に配置されるようになっている一端に形成され、スリーブ51aの径方向外側に広がっている。フランジ51bは円環形状を有する。フランジ51bは、大気側に配置されるようになっている第1の面51b1と、スリーブ51aの外側に配置される第2の面51b2とを有する。
外側シール部材40のリップ43は径方向内側に延びるラジアルリップ(グリースリップ)である。リップ44は径方向内側に延びるラジアルリップ(ダストリップ)である。リップ43,44は、内側シール部材50のスリーブ51aに向けて延び、リップ43,44の先端は、スリーブ51aの外周面に摺動可能に接触する。リップ45は、側方に延びるアキシャルリップ(サイドリップ)である。リップ45は、径方向外側かつ大気側に向けて延び、第2のシール部材50の剛性環51のフランジ51bの第2の面51b2に摺動可能に接触する。
弾性環52は、弾性材料、例えばゴムを含むエラストマーから形成されている。利用可能なエラストマーは限定されない。但し、この変形例によれば、弾性環52のむしれを防止または低減することができる。この観点から、例えばアクリルゴムのような擦傷しやすいエラストマーを弾性環52の材料としてもよい。
弾性環52は、内側円筒部(介在円筒部)52aと、内側円筒部52aの大気側に配置されるようになっている端部に形成された弾性層52bとを有する。弾性層52bは、内側円筒部52aの径方向外側に広がっており、剛性環51のフランジ51bの第1の面51b1の全体に接合されている。弾性層52bは円環形状を有する。
内側円筒部52aは、剛性環51のスリーブ51aの内周面に接合されている。内側円筒部52aは、剛性環51のスリーブ51aの内周面と内輪33の外周面との間に介在させられる。すなわち、内側円筒部52aは、内輪33の外周面に密に面接触させられ、剛性環51のスリーブ51aの内周面と内輪33の外周面との隙間を閉塞する。
剛性環51のフランジ51bは、大気側に向けて突出する複数の突起53を第1の面51b1に有する。突起53は、板をプレス加工して剛性環51に成形する際に形成される。したがって、第1の面51b1に形成された突起53に対応して、フランジ51bの第2の面51b2には凹部54が形成されている。このように突起53の裏に凹部54が形成されるので、剛性環51の突起53をプレス加工で成形するのが容易である。突起53の大部分は平坦であって、フランジ51bの突起53以外の部分に対して平行である。フランジ51bの突起53以外の部分に対する突起53の突出量P(凹部54の深さ)はわずかである。
図示しないが、複数の突起53ひいては凹部54は、剛性環51の中心軸線から等距離に配置されている。好ましくは、突起53は互いに等しい角間隔をおいて配置されているが、突起53の角間隔は必ずしも等しくなくてもよい。
弾性環52の弾性層52bは、剛性環51のフランジ51bの第1の面51b1における突起53と突起53以外の部分に接合されている。剛性環51の第1の面51b1は突起53を有するが、弾性環52の弾性層52bの大気側に配置されるようになっている面52b1は平坦であり、フランジ51bに平行である。但し、面52b1は必ずしも平坦でなくてもよい。
内側シール部材50の弾性環52も、型を用いて、プレスまたは射出成形により、剛性環51に接合することができる。図5を参照して説明した理由と同じ理由により、剛性環51のフランジ51bに複数の突起53を設けることによって、弾性材料の流れが改善され、完成した弾性環52の弾性層52bの厚さ(第1の面51b1の突起53以外の部分に接合された部分の厚さ)のバラツキが抑制され、第1の面51b1の全体にわたって確実に弾性材料を行き渡らせることができる。
また、フランジ51bに接合された弾性層52bが突起53の周囲で曲折し、弾性層52b内で力が伝達されにくくなり、弾性環52の弾性層52bが弾性環52の内側円筒部52aを径方向に引っ張る力が低減する。特にこの内側シール部材50では、弾性環52の弾性層52bの突起53に接合された部分の厚さが、第1の面51b1の突起53以外の部分に接合された弾性層52bの部分の厚さより小さいため、弾性層52bが弾性環52の内側円筒部52aを径方向外側に引っ張る力が顕著に低減する。弾性環52の弾性層52bの大気側の面52b1は平坦であるため、弾性環52の弾性層52bの突起53に接合された部分の厚さが、第1の面51b1の突起53以外の部分に接合された弾性層52bの部分の厚さより確実に小さくなる。但し、図7および図8に示す変形例をこの内側シール部材50に適用してもよい。
このように弾性層52bが弾性環52の内側円筒部52aを径方向外側に引っ張る力が低減するため、内側シール部材50を内輪33に取り付ける際および内側シール部材50の使用時、剛性環51の変形が抑制される。したがって、内側シール部材50の封止性能を長期にわたって維持することが可能である。
また、金属環のスリーブ51aから内側円筒部52aを剥離させようとする力(内側円筒部52aを径方向外側に引っ張る力)が低減するので、内側シール部材50を内輪33に取り付ける際および内側シール部材50の使用時、弾性環52の内側円筒部52aがむしれることが低減される。したがって、内側シール部材50の封止性能を長期にわたって維持することが可能である。
絶対必要というわけではないが、好ましくは、剛性環51の突起53と剛性環51のフランジ51bの外縁との距離D3は、突起53とフランジ51bの内縁との距離D4よりも大きい。つまり、剛性環51の突起53はフランジ51bの内縁付近に配置されるため、弾性環52の弾性層52bの突起53に接合された厚さが小さい部分が弾性層52bの内縁付近に配置されている。したがって、弾性層52bの厚さが小さい部分が弾性層52の径方向外側に配置されている場合に比べて、弾性環52の弾性層52bが弾性環52の内側円筒部52aを径方向外側に引っ張る力が低減する。
以上、本発明の好ましい実施形態を参照しながら本発明を図示して説明したが、当業者にとって特許請求の範囲に記載された発明の範囲から逸脱することなく、形式および詳細の変更が可能であることが理解されるであろう。このような変更、改変および修正は本発明の範囲に包含されるはずである。
本発明の態様は、下記の番号付けされた条項にも記載される。
条項1. 支持部材に取り付けられる円筒部と、前記円筒部の大気側に配置されるようになっている一端に形成された円板部とを有し、前記円板部は、大気側に配置されるようになっている第1の面と、前記第1の面と反対側にある第2の面とを有する剛性材料から形成された剛性環と、
前記剛性環の前記円筒部に接合されて前記円筒部と前記支持部材との間に介在させられるようになっている介在円筒部と、前記介在円筒部の大気側に配置されるようになっている一端に形成されて、前記剛性環の前記円板部の前記第1の面に接合された弾性層とを有する弾性材料から形成された弾性環とを備え、
前記剛性環の前記円板部の前記第1の面は、大気側に向けて突出する複数の突起を有し、
前記弾性環の前記弾性層は、前記円板部の前記第1の面における突起と前記突起以外の部分に接合されている
密封装置。
条項2. 前記円板部の前記第1の面における前記突起に接合された前記弾性層の部分の厚さが、前記第1の面における前記突起以外の部分に接合された前記弾性層の部分の厚さより小さい
条項1に記載の密封装置。
この条項によれば、型を用いてプレスまたは射出成形で弾性環を剛性環に接合する際、突起の間に弾性環の弾性材料が流れる流路が形成され、また、突起と型の間にも弾性材料が配置され、これらの間で弾性材料が強く圧縮され、圧力が弾性材料全体に伝わる。したがって、弾性材料の流れが改善され、完成した弾性環の弾性層の厚さのバラツキが抑制され、第1の面の全体にわたって確実に弾性材料を行き渡らせることができる。また、弾性層が弾性環の外側円筒部を径方向内側に引っ張る力が顕著に低減する。
条項3. 前記弾性環の前記弾性層の大気側に配置されるようになっている面は平坦である
条項1に記載の密封装置。
この条項によれば、弾性環の弾性層の突起に接合された部分の厚さが、第1の面の突起以外の部分に接合された弾性層の部分の厚さより確実に小さくなる。このため、弾性環の弾性層が弾性環の介在円筒部を径方向に引っ張る力が顕著に低減し、剛性環の変形が抑制され、孔に圧入される際、弾性環がむしれることが低減する。また、型を用いてプレスまたは射出成形で弾性環を剛性環に接合することが容易である。
条項4. 前記円板部の前記第1の面における前記突起に接合された前記弾性層の部分の厚さが、前記第1の面における前記突起以外の部分に接合された前記弾性層の部分の厚さ以上である
条項1に記載の密封装置。
条項5. 前記剛性環の前記円板部の前記第2の面は、前記突起の裏に凹部を有する
条項1から4のいずれか1項に記載の密封装置。
この条項によれば、剛性環の突起をプレス加工で成形するのが容易である。
条項6. 前記密封装置は、前記支持部材の孔を閉塞するようになっている密封栓であって、
前記剛性環の前記円筒部は、前記孔に嵌め込まれるようになっており、
前記剛性環の前記円板部は、前記円筒部の径方向内側に配置されており、
前記弾性環の前記介在円筒部は、前記円筒部の外周面に接合されて、前記円筒部の前記外周面と前記孔の内周面との間に介在させられるようになっており、
前記弾性環の前記弾性層は、前記介在円筒部の径方向内側に配置されており、
前記剛性環の前記突起と前記円板部の中心との距離は、前記円板部の半径の半分よりも大きい
条項1から5のいずれか1項に記載の密封装置。
この条項によれば、剛性環の突起は円板部の外縁付近に配置されるため、弾性環の弾性層の突起に接合された厚さが小さい部分が弾性層の外縁付近に配置されている。したがって、弾性層の厚さが小さい部分が弾性層の径方向内側に配置されている場合に比べて、弾性環の弾性層が弾性環の介在円筒部を径方向内側に引っ張る力が低減する。
条項7. 前記密封装置は、前記支持部材の孔に配置されるようになっているオイルシールであって、
前記剛性環の前記円筒部は、前記孔に挿入されるようになっており、
前記剛性環の前記円板部は、円環形状を有し、前記円筒部の径方向内側に配置されており、
前記弾性環の前記介在円筒部は、前記円筒部の外周面に接合されて、前記円筒部の前記外周面と前記孔の内周面との間に介在させられるようになっており、
前記弾性環の前記弾性層は、円環形状を有し、前記介在円筒部の径方向内側に配置されており、
前記弾性環は、前記孔の内部に配置されたシャフトに摺動可能に接触するようになっている少なくとも1つのリップをさらに備え、前記リップは、前記弾性層の径方向内側に配置され、
前記剛性環の前記突起と前記円板部の外縁との距離は、前記突起と前記円板部の内縁との距離よりも小さい
条項1から5のいずれか1項に記載の密封装置。
この条項によれば、剛性環の突起は円板部の外縁付近に配置されるため、弾性環の弾性層の突起に接合された厚さが小さい部分が弾性層の外縁付近に配置されている。したがって、弾性層の厚さが小さい部分が弾性層の径方向内側に配置されている場合に比べて、弾性環の弾性層が弾性環の介在円筒部を径方向内側に引っ張る力が低減する。
条項8. 前記密封装置は、前記支持部材の外側に配置されるようになっているシール部材であって、
前記剛性環の前記円筒部には、前記支持部材が嵌め入れられるようになっており、
前記剛性環の前記円板部は、円環形状を有し、前記円筒部の径方向外側に配置されており、
前記弾性環の前記介在円筒部は、前記円筒部の内周面に接合されて、前記円筒部の前記内周面と前記支持部材の外周面との間に介在させられるようになっており、
前記弾性環の前記弾性層は、円環形状を有し、前記介在円筒部の径方向外側に配置されており、
前記剛性環の前記突起と前記円板部の外縁との距離は、前記突起と前記円板部の内縁との距離よりも大きい
条項1から5のいずれか1項に記載の密封装置。
この条項によれば、剛性環の突起は円板部の内縁付近に配置されるため、弾性環の弾性層の突起に接合された厚さが小さい部分が弾性層の内縁付近に配置されている。したがって、弾性層の厚さが小さい部分が弾性層の径方向外側に配置されている場合に比べて、弾性環の弾性層が弾性環の介在円筒部を径方向外側に引っ張る力が低減する。
1 密封栓(密封装置)
2 ハウジング(支持部材)
3 孔
6 剛性環
8 弾性環
6a 円筒部
6b 円板部
6b1 第1の面
6b2 第2の面
6c 接続部
8 弾性環
8a 外側円筒部(介在円筒部)
8b 弾性層
10 突起
12 凹部
21 オイルシール(密封装置)
22 ハウジング(支持部材)
23 孔
26 剛性環
26a 円筒部
26b 円板部
26b1 第1の面
26b2 第2の面
28 弾性環
28a 外側円筒部(介在円筒部)
28b 弾性層
28b1 大気側の面
32 突起
34 凹部
33 内輪(支持部材)
50 内側シール部材(密封装置)
51 剛性環
51a スリーブ(円筒部)
51b フランジ(円板部)
51b1 第1の面
51b2 第2の面
52 弾性環
52a 内側円筒部(介在円筒部)
52b 弾性層
53 突起
54 凹部

Claims (8)

  1. 支持部材に取り付けられる円筒部と、前記円筒部の大気側に配置されるようになっている一端に形成された円板部とを有し、前記円板部は、大気側に配置されるようになっている第1の面と、前記第1の面と反対側にある第2の面とを有する剛性材料から形成された剛性環と、
    前記剛性環の前記円筒部に接合されて前記円筒部と前記支持部材との間に介在させられるようになっている介在円筒部と、前記介在円筒部の大気側に配置されるようになっている一端に形成されて、前記剛性環の前記円板部の前記第1の面に接合された弾性層とを有する弾性材料から形成された弾性環とを備え、
    前記剛性環の前記円板部の前記第1の面は、大気側に向けて突出する複数の突起を有し、
    前記弾性環の前記弾性層は、前記円板部の前記第1の面における突起と前記突起以外の部分に接合されている
    密封装置。
  2. 前記円板部の前記第1の面における前記突起に接合された前記弾性層の部分の厚さが、前記第1の面における前記突起以外の部分に接合された前記弾性層の部分の厚さより小さい
    請求項1に記載の密封装置。
  3. 前記弾性環の前記弾性層の大気側に配置されるようになっている面は平坦である
    請求項1に記載の密封装置。
  4. 前記円板部の前記第1の面における前記突起に接合された前記弾性層の部分の厚さが、前記第1の面における前記突起以外の部分に接合された前記弾性層の部分の厚さ以上である
    請求項1に記載の密封装置。
  5. 前記剛性環の前記円板部の前記第2の面は、前記突起の裏に凹部を有する
    請求項1から4のいずれか1項に記載の密封装置。
  6. 前記密封装置は、前記支持部材の孔を閉塞するようになっており、
    前記剛性環の前記円筒部は、前記孔に嵌め込まれるようになっており、
    前記剛性環の前記円板部は、前記円筒部の径方向内側に配置されており、
    前記弾性環の前記介在円筒部は、前記円筒部の外周面に接合されて、前記円筒部の前記外周面と前記孔の内周面との間に介在させられるようになっており、
    前記弾性環の前記弾性層は、前記介在円筒部の径方向内側に配置されており、
    前記剛性環の前記突起と前記円板部の中心との距離は、前記円板部の半径の半分よりも大きい
    請求項1から4のいずれか1項に記載の密封装置。
  7. 前記密封装置は、前記支持部材の孔に配置されるようになっており、
    前記剛性環の前記円筒部は、前記孔に挿入されるようになっており、
    前記剛性環の前記円板部は、円環形状を有し、前記円筒部の径方向内側に配置されており、
    前記弾性環の前記介在円筒部は、前記円筒部の外周面に接合されて、前記円筒部の前記外周面と前記孔の内周面との間に介在させられるようになっており、
    前記弾性環の前記弾性層は、円環形状を有し、前記介在円筒部の径方向内側に配置されており、
    前記弾性環は、前記孔の内部に配置されたシャフトに摺動可能に接触するようになっている少なくとも1つのリップをさらに備え、前記リップは、前記弾性層の径方向内側に配置され、
    前記剛性環の前記突起と前記円板部の外縁との距離は、前記突起と前記円板部の内縁との距離よりも小さい
    請求項1から4のいずれか1項に記載の密封装置。
  8. 前記密封装置は、前記支持部材の外側に配置されるようになっており、
    前記剛性環の前記円筒部には、前記支持部材が嵌め入れられるようになっており、
    前記剛性環の前記円板部は、円環形状を有し、前記円筒部の径方向外側に配置されており、
    前記弾性環の前記介在円筒部は、前記円筒部の内周面に接合されて、前記円筒部の前記内周面と前記支持部材の外周面との間に介在させられるようになっており、
    前記弾性環の前記弾性層は、円環形状を有し、前記介在円筒部の径方向外側に配置されており、
    前記剛性環の前記突起と前記円板部の外縁との距離は、前記突起と前記円板部の内縁との距離よりも大きい
    請求項1から4のいずれか1項に記載の密封装置。
JP2022102573A 2022-06-27 2022-06-27 密封装置 Pending JP2024003437A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022102573A JP2024003437A (ja) 2022-06-27 2022-06-27 密封装置
CN202310577221.4A CN117307716A (zh) 2022-06-27 2023-05-22 密封装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022102573A JP2024003437A (ja) 2022-06-27 2022-06-27 密封装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024003437A true JP2024003437A (ja) 2024-01-15

Family

ID=89280007

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022102573A Pending JP2024003437A (ja) 2022-06-27 2022-06-27 密封装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2024003437A (ja)
CN (1) CN117307716A (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
CN117307716A (zh) 2023-12-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1099069B1 (en) Unitized oil seal and method of manufacture
JP5196092B2 (ja) 密封装置
JP2007321760A (ja) 遠心ポンプ用、詳細には内燃機関の冷却液ポンプ用低摩擦の環状密閉アセンブリ
JP5348365B2 (ja) ユニバーサルジョイント用密封装置
US8425823B2 (en) Apply piston seal for a clutch
JP2006342829A (ja) 密封装置
US6464228B1 (en) Method of using a retrofittable severe duty seal for a shaft
CN111492161B (zh) 密封装置
JP2024003437A (ja) 密封装置
JP5768334B2 (ja) クラッチレリーズ軸受装置
JP2007024205A (ja) オイルシール
JP2011196503A (ja) 転がり軸受用密封装置組立体
JP2009074589A (ja) 密封装置
JP2020063823A (ja) 密封装置
WO2009084355A1 (ja) クラッチレリーズ軸受およびこれを備えるクラッチレリーズ軸受装置
WO2020080408A1 (ja) 密封装置
JP4396820B2 (ja) オイルシール
JP7285683B2 (ja) 密封装置、及び、密封構造
JP2526723Y2 (ja) 密封装置
JP2021167658A (ja) 密封装置および密封構造
JPH0810713Y2 (ja) 密封装置
JP6104620B2 (ja) 転がり軸受
JP2010249168A (ja) 密封装置
JP5582608B2 (ja) 軸封装置
JP2024017468A (ja) 密封装置