JPH11269897A - 河川の護岸緑化工法及び該工法に用いる土のう - Google Patents
河川の護岸緑化工法及び該工法に用いる土のうInfo
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Abstract
われても流失しない緑化を可能とする。 【解決手段】 護岸コンクリートブロック1の凹部2の
底面にアンカーボルト4を設し、ココナツ繊維不織布製
土のう5を該凹部2内に配置し、該土のう上に凹部上面
を覆う保形網体6を載置し、止め材7をアンカーボルト
4上端に挿通し、次いで土のう内部に種子混入植生基盤
材8を注入して土のうをコンクリートブロック凹部上面
まで膨らませ、次いで止め材7をアンカーボルト4に固
定する。
Description
とその実施に用いる植生用土のうに関するものであっ
て、コンクリートブロック護岸に植物を育成して護岸の
緑化を可能とするものであり、河川の建設(土木)技術
に関するものである。
対する意識が高まり、既設コンクリート護岸に対しても
その表面に人為的ではあっても植生を成立させようとす
る各種努力がなされるようになって来た。図7及び図8
に示す工法は、全国特定法面保護協会が1997年3月
31日に発行した「のり面と環境」第14号に紹介され
たものである。
+金網張工」として紹介された提案工法であって、既設
コンクリートブロック護岸の上に150mm厚の金網の軽
量枠をアンカーピンで固定し、軽量枠内に綿、麻等の織
物又は不織布製の植生土のうを充填し、上面に保護金網
を張設するものである。
入工」として紹介された提案工法であって、既設コンク
リートブロック護岸の上に、綿、麻製の袋状の注入マッ
トをアンカーピンで設置し、マット内に種子を含む基盤
材を注入するものである。
は、土のうが軽量枠及び金網で保護されてはいても、河
川の上流部等の急流にさらされ、巨大岩石の衝突を受け
る個所では軽量枠すら損傷を受けるため、土のうの保持
が完全でなく、また土のう表面が流下小石の高速衝突や
高速流のみによってすら破損を受け、しかも土のうの布
材の耐用年数も4〜5年程度であるため、半永久的な植
生基盤とは成り難く、洪水の度毎に大きな岩石の衝突を
受けるような場所ではとうてい護岸緑化が果せない。
材である綿、麻等の編織布や不織布が水中では3〜5年
程度の耐用年数であること、土のうが流石や流木等にさ
らされていること等による破損が生じ易いこと等によ
り、やはり半永久的な植生基盤となり難く、洪水の度毎
に大きな岩石の衝突を受けるような場所ではとうてい護
岸緑化が果せない。
弱点を克服するための土のうの材質構造面及び土のうの
設置構造面から新規な護岸緑化を提供し、半永久的なコ
ンクリート護岸緑化を可能とし、特に、洪水の度毎に大
きな岩石の衝突を受けるような河川の上流場所ですら護
岸緑化を可能とするものである。
び図2に示す如く、河川の法面に設置した護岸コンクリ
ートブロック1の凹部2の底面にアンカーボルト4を立
設し、ココナツ繊維不織布製土のう5を該凹部内に配置
し、該土のう上に該凹部2上面を覆う保形網体6を載置
すると共に止め材7をアンカーボルト4上端に挿通し、
次いで該土のう5内部に種子混入植生基盤材8を注入充
填して土のうを該コンクリートブロック凹部上面まで膨
らませ、次いで止め材7をアンカーボルト4に固定す
る。尚、本発明に言うコンクリートブロックの凹部の
「底面」は、全面がコンクリート打ちされた底面(実施
例)のみならず、地山と連通した部分を含む底面をも含
むものであり、要はアンカーボルトが立設固定出来る構
造を具備しておれば良い。
され、しかも保形網体が止め材によってアンカーボルト
で固定されているため、洪水時の急流や流下岩石に洗わ
れてもコンクリートブロック凹部内からの流失が阻止出
来、植生基盤材の吸出しも阻止出来る。
繊維自体が引張り強度が大で、水中での伸縮が殆んど無
いため流石による損傷を受けること無く、多孔質素材で
あるために保水性が良くて植物の根の成長を助け、ココ
ナツ繊維の水中及び土中での長期耐用年数(10年以
上)と相俣って護岸コンクリートブロックの早期且つ完
全な緑化が可能である。
材も金属製の帯板としたため、アンカーボルト4での締
着固定が容易であって、土のうの保護が確実であると共
に、エキスパンドメタル網や平帯鋼として入手及び施工
が容易であって、機能面とコスト面から有利に施工出来
る。
岸コンクリートブロック凹部2内への配置を、アンカー
ボルト4に上方から貫通させるため、作業が極めて容易
であり、しかも土のうを貫通後に、アンカーボルト4貫
通部周囲の繊維を手で寄せ合せてやれば、貫通部の破損
は修復出来て土のう内容物の流出は阻止出来る。
面からポット苗を挿入したから、コンクリートブロック
の緑化でありながら、土のう内の植生基盤材から生育し
た各種の草の中から河川岸に適した草花の早期育成が可
能となり、コンクリートブロックに優れた緑化環境が実
現出来る。
成した不織布シート50で袋体を形成し、少なくとも1
つの注入口Oを備えたココナツ繊維不織布製植生用土の
うとした。従って、不織布シート50が、天然繊維中で
最長の耐腐蝕年数を有するココナツ繊維であって、引張
り強度が大で水中での伸縮が殆んど無く、しかも繊維自
体多孔質素材でありながら絡合形態、即ち不織布形態で
あるため、洪水による流水に洗われても内容物の吸い出
し阻止機能及び保水機能が長期に亘って維持されて、植
物の根の成長と根張りを助け、植物が成長して活着する
まで十分に耐用可能な土のうが得られる。
面が接着剤噴霧層52であって、該接着剤噴霧層52を
袋の内面側に配置するため、シートは充填内容物の吸出
し防止機能及び必要保形性を有しながら、比較的硬化さ
れた面が内面であるために種子の発芽力によって芽の貫
通が可能でありながら、表面の繊維絡合層が植物の茎部
の維持及び自然表土類似機能を奏するため、自然環境に
やさしい土のうとなる。
乃至15cmのココナツ繊維fを、重量500〜900gr
/m2 、厚さ10〜20mmの絡合シート51とし、一面
に80〜110gr/m2 で接着剤を噴霧塗布した接着剤
噴霧層52を備えたものである。従って、長いココナツ
繊維を一定長に切断して絡合不織布形態とするため、均
質なシートの製造が容易であると共に、500〜900
gr/m2 、厚さ10〜20mmであるため植物の貫通育成
に支障が無く、且つ流水による内容物吸出しの阻止も可
能であり、しかも内表面が80〜110gr/m2 の量の
接着剤が噴霧付与されているため、充分な保形性を有し
ながら種子の発芽貫通が可能な土のうが得られる。
ト50を2つ折りし、三方を縫合すると共に、一隅部に
開口部Oを形成し、縫合糸Tを開口部Oの端部で締着用
の延長部T′とする。従って、厚みがあって比較的粗剛
なシートの縫合せも最少縫製で合理的に形成出来、且つ
開口部Oが土のうの隅であり、縫合糸Tの延長部T′が
残置してあるため、充填物注入後の開口部Oの閉止は縫
合糸の延長部T′を土のう開口部Oを絞った上から巻き
付けて止めることにより可能であり、土のうの製造及び
現場での施工が容易である。
ココナツ繊維を10〜15cmに切断し、1平方米当り7
50grの綿状マットに延展し、厚さ15mmになるように
ローラで供給しながらニードルパンチ処理し、次いで一
面に1平方米当り100grのナチュラルラテックス糊を
噴霧塗布してココナツ繊維不織布シート50を形成した
(図4(B))。
ートを長さL0 が2000mmに裁断(図3(A))し、
四辺が1,000mmの正方形に長さ中央から2つ折りし
て折重ね、三辺の開方部を縫糸Tで縫幅W1 が30mmで
縫合し、一隅に幅W2 が100mmの開口部Oを形成し、
縫糸Tを開口部O両側から締着用の延長部T′とした
(図3(B)、図4(A))。
しては条件の極めて厳しい急流河川上流部(新潟県姫
川)の災害復旧緑化対策試験施工に適用した。河川の岸
の法面の高水護岸のコンクリートブロックとして一辺X
1 が1600mmの正方形で厚さY1 が800mmの護岸コ
ンクリートブロック1を設置し、該ブロック1の表面に
は上辺が一辺X3 :1000mmの正方形で下辺が一辺X
2 :800mmの正方形で深さY2 :300mmの凹部2が
形成してあり、該凹部底面は全面コンクリート打ちで前
後左右等間隔に4本の埋設ナット3が設けてある。
に、長さ340mmで20mm径の両ネジボルト4を立設
し、次いでココナツ繊維不織布製で一辺が1000mmの
正方形の空の土のう5を開口部Oが斜面上方になるよう
にして各ボルト4に貫通し、ボルト貫通部周囲の繊維を
手作業で寄せることにより土のうシート50とボルト4
との間の隙間を無くする。
2mmで950mm×950mmの正方形のエキスパンドメタ
ル6を各ボルト4に通して凹部2上に配置すると共に、
エキスパンドメタル6の上部には止め材としての、長さ
950mm、幅50mm、厚さ6mmの平鋼帯板7を井桁状
(図1(A))に各ボルト4に挿通し、各ボルト4には
ナット10を仮止めする。次いで、空土のうの開口部O
からハイドロシーダーを用いて種子混入植生基盤材を注
入充填し、土のうが膨れて凹部を埋める形態(図2)に
なればハイドロシーダーを外して、土のう開口部Oを絞
り、縫糸延長部T′で強固に巻回して結び止める。従っ
て、本例では土のうの厚みは約300mmに形成出来、こ
の厚みであれば深根性の植物でも根茎を十分張ることが
可能となる。
で仕切られた区域内に一定間隔になるように鋏でエキス
パンドメタルに切欠孔を形成し、該切欠孔下方の土のう
にも引裂き孔を開けて、上方から各ポット苗9を土のう
5内に挿入し、ポット苗上面の土のうの引裂き孔は手で
繊維を寄せて引裂き孔を閉止する。
ブロック1内に実施例1によって配置したココナツ繊維
土のう内には、10ブロック当りに用いる種子混入植生
基盤材として下記のとおり用いた。 種子:トールフエスク・サフアリ88gr、ペレニアルラ
イグラス・ナバホ54gr、バミューダグラス・U3の9
gr 基盤材:高度化成肥料(15−15−15)1kgr 、遅
効性肥料(ハイコントロール180)1kgr バーク堆肥(8mm40リットル)19袋、陶土(20kg
r )50袋 パーライト(100リットル)3袋、団粒化材2kgr 、
ファイバー(20リットル)2袋 また、ポット苗としては、図1(A)の上段2列(a)
に四季咲なでしこ10本を、中段2より(b)に四季咲
ヘメロカリス10本を、下段1列(c)にマツバギク5
本を植裁した。
水護岸のコンクリートブロックと同一の構造の低水護岸
のコンクリートブロック1への施工であって、試験施工
1の1個の大型土のうの使用に換えて、縦長の3個のセ
パレート型土のうとした。即ち、土のうは縦方向ボルト
列によって分割されるタイプに、両側の各縦長1000
mm、横長200mmの細長い土のう5′,5′と中間部の
縦長1000mm、横長600mmの土のう5″の3個と
し、種子混入植生基盤材は試験施工1と同一物を用い
た。但し、ポット苗としては、低水護岸であるためにヨ
シ(△印)6本、ガマ(×印)5本、マコモ(○印)5
本を用いた。
に流水による土のう内容物の吸出し阻止を重視する観点
から、土のうの設置に際してもボルト4の貫通による損
傷を避けると共に、ポット苗にも水生植物を適用した。
試験施工での高水護岸及び低水護岸は、洪水にさらされ
た所もあったが、ココナツ繊維不織布製土のうの吸出し
阻止機能、及び土のうの固定構造のために所期の作用効
果を奏した。試験施工の成果の追跡調査結果は下表のと
おり:
にあっては、凹部底面の大部分を孔開きとして地山と連
通させ、且つ凹部のブロック表面に対する専有面積も大
きくすれば、ココナツ繊維不織布製土のうの耐久性及び
土のうの保形網体と止め材との強力な保護の下にポット
苗の植物を柳類の如き適切な植物とすることにより、植
生物が地盤内に強固な根を張り、コンクリート護岸であ
っても永久緑化が可能となる。
に還元可能な材料で実施すれば、ココナツ繊維不織布製
土のうと共に、コンクリートブロック護岸の永久緑化時
点では全てが土壌に還元され、より良い自然環境緑化が
可能である。また、ポット苗用のポット容器も紙等の天
然繊維製とすれば永久緑化時に土壌に還元されるので好
ましい。また、土のう開口部Oの締着手段としては、開
口部の両シートに亘って1本の締着用の別紐を挿通して
おき、開口部閉止を1本の紐の両端を引張って開口部を
巾着の形態に締着しても良い。
形網体も止め材で保持されるため、洪水時の急流や流下
岩石に洗われてもコンクリートブロックの凹部内からの
流失が阻止出来、しかも土のうがココナツ繊維製である
ため、その長期耐用年数と多孔質による根物の根の成長
を助けることと相俣って、河川の護岸コンクリートブロ
ックの永久緑化が可能となる。
らポット苗を挿入するため、植生苗の適切な選択によっ
て護岸ブロックの緑化がより自然植生の生態に、且つよ
り美しい緑化生態に現出できる。
は、繊維自体が天然繊維中で最長の耐久年数を有し、引
張り強度も大で多孔質であるため、しかも繊維シートが
絡合形態(不織布形態)であるために、封入内容物の流
水による吸出しが阻止出来ると共に、植物の根の張りを
も助けて、植生物、種子植物を問わず植物が成長して十
分に根を張る迄土のうが保護し、従って、厳しい条件下
でも緑化を可能とする画期的な植生土のうである。
あり、(B)は略示側面図である。
のう作成用シートの展開平面図であり、(B)は縫製し
た土のうの平面図である。
図であり、(B)は略示側面図である。
明図であって、(A)は全体略示側面図、(B)は
(A)の一部拡大図である。
あって、(A)は全体略示側面図、(B)は(A)の一
部拡大図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 護岸コンクリートブロック(1)の凹部
(2)底面にアンカーボルト(4)を立設し、ココナツ
繊維不織布製土のう(5,5′,5″)を該凹部(2)
内に配置し、該土のう上に、該凹部(2)上面を覆う保
形網体(6)を載置すると共に止め材(7)をアンカー
ボルト(4)、上端に挿通し、次いで該土のう(5,
5′,5″)内部に種子混入植生基盤材(8)を注入充
填して土のうを該コンクリートブロック凹部上面まで膨
らませ、次いで止め材(7)をアンカーボルト(4)に
固定することを特徴とする河川の護岸緑化工法。 - 【請求項2】 保形網体(6)が金属製であり、止め材
(7)が金属製帯板である請求項1の護岸緑化工法。 - 【請求項3】 ココナツ繊維不織布製土のう(5)を立
設アンカーボルト(4)に上方から貫通させて凹部
(2)内に配置させる請求項1又は2の護岸緑化工法。 - 【請求項4】 ココナツ繊維不織布製土のう(5,
5′,5″)に上面からポット苗(9)を挿入する請求
項1乃至3のいずれか1項の護岸緑化工法。 - 【請求項5】 ココナツ繊維(f)を絡合して形成した
不織布シート(50)を縫合して袋体を形成し、少なく
とも1つの注入口(O)を備えたココナツ繊維不織布製
植生用土のう。 - 【請求項6】 シート(50)は一面が接着剤噴霧層
(52)であり、該接着剤噴霧層(52)を袋の内面側
に配置した請求項5のココナツ繊維不織布製植生用土の
う。 - 【請求項7】 シート(50)は、繊維長が10乃至1
5cmのココナツ繊維(f)を、重量500〜900gr/
m2 、厚さ10〜20mmの絡合不織布シート(51)と
し、一面に80〜110gr/m2 の接着剤を噴霧塗布し
た接着剤噴霧層(52)を形成した請求項5又は6のコ
コナツ繊維不織布製植生用土のう。 - 【請求項8】 一枚のシート(50)を2つ折りし、三
方を縫合(T0 )すると共に、一隅部に開口部(O)を
形成し、縫合糸(T)を開口部(O)の端部で、締着用
の延長部(T′)とした請求項5乃至7のいずれか1項
のココナツ繊維不織布製植生用土のう。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP07798398A JP3278608B2 (ja) | 1998-03-25 | 1998-03-25 | 河川の護岸緑化工法及び該工法に用いる土のう |
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JPH11269897A true JPH11269897A (ja) | 1999-10-05 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007020464A (ja) * | 2005-07-15 | 2007-02-01 | Sekisui Plastics Co Ltd | 屋上緑化で用いる保水排水基盤材を屋上に固定するための固定構造とそれを用いた屋上緑化設備 |
JP2018003454A (ja) * | 2016-07-01 | 2018-01-11 | 一般財団法人建設工学研究所 | 斜面の補強構造及び斜面の補強方法 |
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1998
- 1998-03-25 JP JP07798398A patent/JP3278608B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2007020464A (ja) * | 2005-07-15 | 2007-02-01 | Sekisui Plastics Co Ltd | 屋上緑化で用いる保水排水基盤材を屋上に固定するための固定構造とそれを用いた屋上緑化設備 |
JP4698315B2 (ja) * | 2005-07-15 | 2011-06-08 | 積水化成品工業株式会社 | 屋上緑化で用いる保水排水基盤材を屋上に固定するための固定構造とそれを用いた屋上緑化設備 |
JP2018003454A (ja) * | 2016-07-01 | 2018-01-11 | 一般財団法人建設工学研究所 | 斜面の補強構造及び斜面の補強方法 |
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