JPH11269474A - 潤滑剤組成物 - Google Patents

潤滑剤組成物

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JPH11269474A
JPH11269474A JP10115860A JP11586098A JPH11269474A JP H11269474 A JPH11269474 A JP H11269474A JP 10115860 A JP10115860 A JP 10115860A JP 11586098 A JP11586098 A JP 11586098A JP H11269474 A JPH11269474 A JP H11269474A
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JP
Japan
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fatty acid
castor oil
oil
reaction product
dehydrated castor
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JP10115860A
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English (en)
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Kimiya Mizui
公也 水井
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Hokoku Oil Mill Co Ltd
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Hokoku Oil Mill Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、潤滑剤組成物に関するものであ
り、 工業的入手の容易な原料から潤滑性と生分解性が
よく、従って環境に優しい潤滑剤や圧力媒体を提供する
ことを目的とするものである。 【構成】脱水ヒマシ油脂肪酸とメルカプト脂肪酸の反応
物、その部分エステル化物またはその塩の少なくともい
ずれかを含有することを特徴とする潤滑剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンおよび駆動装
置用などの油性潤滑油、金属、石材、セラミック、プラ
スチック等の加工時の加工性を向上させるために使用す
る油性および水性加工油剤や各種液圧伝達機構における
油性および水性圧力媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭60−60193では、エステル
や動植物油脂を基油とする圧延油にチオグリコール酸な
どの有機硫黄化合物を配合したことを特徴とする冷間圧
延油が請求されている。しかしながら臭気による環境問
題と潤滑性が不十分という問題があった。特開昭60−
167974では、チオグリコール酸またはチオグリコ
ール酸エステルの高級脂肪酸への付加物の塩を含有する
ことを特徴とする繊維処理用油剤が請求されている。し
かし、脱水ヒマシ油脂肪酸との反応物については全く示
唆されていない。文献(Materials Chem
istry and Physics 8573−57
7(1983))において、リノール酸とチオグリコー
ル酸の反応物の水性切削油への応用が提案されている。
しかしながら潤滑性能が十分ではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来技術ではリノール酸以外の工業的入手
可能原料から潤滑性に優れる潤滑剤を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、潤滑性に優
れると共に工業的製造が可能な構造を広く検討し、本発
明に到達した。即ち、本発明は、脱水ヒマシ油脂肪酸と
メルカプト脂肪酸の反応物、その部分エステル化物また
はその塩の少なくともいずれかを含有することを特徴と
する潤滑剤組成物、に関する。
【0005】脱水ヒマシ油脂肪酸は、文献(Kirk−
Othmer Encyclopedia of Ch
emical Tech−nology 4th Ed
ition vol5p.308)に示されるように、
ヒマシ油の脱水反応とそれに続く加水分解により製造さ
れ、必要に応じて真空蒸留される。なお、本文献によれ
ば脱水ヒマシ油脂肪酸における2ケの二重結合は、共
役、非共役が混在しているといわれている。
【0006】メルカプト脂肪酸は(1)式で表される。 HS−(CnH2n)−COOH (1) ここでSH、COOH基はそれぞれ任意の炭素に結合す
ることを示す。またnは、1〜10の整数を示す。メル
カプト脂肪酸は、モノハロゲン化脂肪酸と水硫化ナトリ
ウムとの反応などで製造することができる。これらのう
ち、チオグリコール酸、3−メルカプトプロピオン酸が
好ましく、特にチオグリコール酸は容易に入手できる
上、反応性が高いので好ましい。
【0007】脱水ヒマシ油脂肪酸とメルカプト脂肪酸の
反応は、脱水ヒマシ油脂肪酸とチオグリコール酸をラジ
カル開始剤の存在下または不在下に50〜180℃で1
5分〜数時間加熱攪拌することで行いうる。溶媒を使用
してもよい。反応後、溶媒や必要に応じて未反応成分を
減圧蒸留などの方法で回収してよい。ラジカル開始剤と
しては、ジ tert.ブチルパーオシド、ジクミルパ
ーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、クメンハイドロ
パーオキシド、過酢酸、過安息香酸、過酸化水素、過硫
酸塩などのパーオキシド類やアゾビスイソブチロニトリ
ルなどのアゾ化合物などの通常のラジカル開始剤が使用
できる。ラジカル発生を促進・抑制させる添加剤も必要
に応じて使用できる。
【0008】本発明の脱水ヒマシ油脂肪酸とメルカプト
脂肪酸反応物は、メルカプト基が脱水ヒマシ油脂肪酸の
二重結合に付加した主構造よりなるが、脱水ヒマシ油脂
肪酸オリゴマーとメルカプト脂肪酸付加物、メルカプト
脂肪酸オリゴマー、未反応脱水ヒマシ油脂肪酸などを含
有してもよい。脱水ヒマシ油脂肪酸とメルカプト脂肪酸
反応物の好ましい中和価の範囲は約210ないし約36
0である。中和価がこれより低いと水溶性潤滑剤の潤滑
性が低く、また、上限は反応性の限界による。また、鉱
油などへの溶解性向上のため、カルボン酸の一部を常法
によりエステル化してもよい。脱水ヒマシ油脂肪酸とメ
ルカプト脂肪酸反応物の部分エステル化での好ましい中
和価の範囲は約5ないし約100である。中和価がこれ
より低いと潤滑性が低下し、これより高いと鉱油への相
溶安定性が乏しく、また腐食性が懸念されるので好まし
くない。
【0009】本発明の潤滑剤組成物のうち油溶性のもの
は、鉱油、動植物油、合成炭化水素油、エステル油、炭
酸エステル油、ポリエーテル油などの基油に脱水ヒマシ
油脂肪酸とメルカプト脂肪酸の反応物またはその部分エ
ステル化物を単に添加し混合することで調製できる。脱
水ヒマシ油脂肪酸とメルカプト脂肪酸の反応物またはそ
の部分エステル化物は、0.005ないし10重量%、
好ましくは、0.01ないし5重量%使用される。公知
の油溶性潤滑剤添加剤の1種以上の併用も可能である。
【0010】本発明の潤滑剤組成物のうち水溶性のもの
は、塩基で塩を形成させて水に分散し調製できる。水溶
性潤滑剤組成物における脱水ヒマシ油脂肪酸とメルカプ
ト脂肪酸の反応物の濃度は、0.005ないし10重量
%、好ましくは0.01ないし5重量%である。そして
塩基はこの反応物との中和当量以上使用される。塩基と
しては、1種以上のアルカリ金属の水酸化物、重炭酸
塩、炭酸塩やアンモニア、アミン化合物が含まれる。ア
ルカリ金属化合物では、NaOH、KOH、LiOH、
NaHCO3、KHCO3、Na2CO3などが例示さ
れる。アミン化合物では、メチルアミン、ジメチルアミ
ン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミ
ン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルア
ミン、トリプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルア
ミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベン
ジルアミン、モルホリン、ピロール、ピロリジン、ピリ
ジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエ
タノールアミン、N,N−ジメチルアミノエタノール、
N,N−ジエチルアミノエタノール、エチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
1,2−プロピレンジアミン、ジプロピレントリアミ
ン、トリプロピレンテトラミン、アニリンなどが例示さ
れる。また、鉱油、合成炭化水素油、エステル油、炭酸
エステル油、ポリエーテル油などの基油や公知の界面活
性剤、油性剤、防腐剤、消泡剤などの水溶性潤滑剤添加
剤も含有してよい。
【0011】本発明の組成物の用途について述べる。油
溶性のものは、エンジンおよび駆動装置用などの潤滑
油、金属加工油、グリースなどに使用される。水溶性の
ものは水性切削油剤や金属、繊維等の加工・処理油剤や
各種液圧伝達機構における水性圧力媒体に使用される。
【0012】本発明の組成物は、工業的に入手が容易な
ものを原料とし、潤滑性と生分解性に優れることから、
環境に優しい潤滑剤を提供するものといえる。
【0013】
【実施例】発明の様態を以下の実施例で説明するが、こ
れらに限定されるものではない。実施例のなかで中和価
は日本油化学協会制定の基準油脂分析試験法により測定
した。単位は mg−KOH/gである。
【0014】また脱水ヒマシ油脂肪酸とメルカプト脂肪
酸の反応物の水溶化の方法と評価方法は次のとおりであ
る。 <水溶化方法>試料1重量%とトリエタノールアミン2
重量%を80℃に加熱した水道水98重量部に加え、攪
拌機で400回転,5分間攪拌混合する。 <水溶性潤滑剤の性能評価方法> (a)乳化安定性:水分散体を室温で100ml容器に
静置し、1週間までの経時変化を観察し、次のように判
定する。 ○:分散状態保持、 ×: 分離 (b)摩擦係数と磨耗量:ファレックス式摩擦試験機に
て下記条件で測定した。テストピース: ASTM標準
スチール 荷重(kg)/時間(min):113/5+227/
5+340/5+454/5 摩擦係数:荷重 454kgの時の平均摩擦係数 磨耗量:使用前後のテストピース合計重量変化(mg) (c)ドリル切削性:ポール盤に金属用の3mmφドリ
ルで厚さ5mmのL型鉄板に穴開け作業時に、ドリルの
先端に試料液が連続で1滴/秒の速度で供給した。切れ
味がベストのものを10点とし、水単独を0点とし、3
サイクル繰り返しそれらの平均値で示した。 (d)発錆性:ゼムクリップの針金の表面をヤスリ掛け
し、1cmの長さに切り、水分散液に入れ、1週間まで
の表面の変化を観察。 ○:表面が黒ずむがそれ以上の変化なし、×:赤錆びで
腐食進行
【0015】また、油溶性潤滑剤の評価方法は次の通り
である。 <油溶性潤滑剤の性能評価方法> (a)相溶安定性:1重量%の鉱油(150ニュートラ
ル)混合液を室温で100ml容器に静置し、1週間ま
での経時変化を観察し、次のように判定する。 ○:透明均一、△:僅かに濁り、×:分離 (b)摩擦係数と磨耗量:ファレックス式摩擦試験機に
て下記条件で測定した。 テストピース:ASTM標準スチール 荷重(kg):5分毎に11.3kg階段式に上げてい
き、136kgで5分間にて終了する。 摩擦係数:荷重 90.7kgの時の平均摩擦係数 磨耗量:使用前後のテストピース合計重量変化(mg)
【0016】参考例1 攪拌機,温度計,留出管と冷却器付きの500mlの4
口フラスコに脱水ヒマシ油脂肪酸(豊国製油製DCOF
A、中和価200)56g、チオグリコール酸137g
を採り、窒素を雰囲気で攪拌下に80℃で3時間反応さ
せた。減圧下に過剰の未反応チオグリコール酸を除き、
室温で液状の脱水ヒマシ油脂肪酸とチオグリコール酸反
応物を得た。中和価232であった。
【0017】参考例2 参考例1の脱水ヒマシ油脂肪酸の代わりにリノール酸
(和光純薬工業製、中和価189)56gを使用して同
じように反応と後処理し、室温で液状のリノール酸とチ
オグリコール酸の反応物を得た(中和価230)。
【0018】参考例3 参考例1の脱水ヒマシ油脂肪酸の代わりにヒマシ油脂肪
酸(豊国製油製COFA、中和価187)60gを使用
して同じように反応と後処理し、室温で液状物を得た
(中和価190)。ほぼヒマシ油脂肪酸が回収された。
【0019】参考例4 冷却器付きの500mlのフラスコに参考例1の脱水ヒ
マシ油脂肪酸とチオダリコール酸反応物10gと2−エ
チルヘキサノール50gを加え、還流5時間後減圧で未
反応2−エチルヘキサノールを回収した。中和価21で
あった。
【0020】実施例1 参考例1の反応物1重量部とトリエタノールアミン2重
量部と水道水97重量部から前記の方法で水溶性潤滑剤
を調製し、評価した。結果を表1に示す。
【0021】比較例1 参考例2の反応物ついて実施例1と同様に水溶性潤滑剤
を調製し、評価した。結果を表1に示す。
【0022】比較例2 ヒマシ油脂肪酸1重量部とトリエタノールアミン2重量
部と水 97重量部を攪拌機で混合した後、実施例1と
同様に評価した。
【0023】比較例3 水道水単独について同様に評価した。
【0024】実施例2 鉱油(150ニュートラル)100重量部に参考例1の
反応物1重量部添加し、混合し、潤滑性を評価した。結
果を表2に示す。
【0025】実施例3 鉱油(150ニュートラル)100重量部に参考例4の
反応物1重量部添加し、混合し、潤滑性を評価した。結
果を表2に示す。
【0026】比較例4 鉱油(150ニュートラル)単独で潤滑性を評価した。
結果を表2に示す。
【0027】
【発明の効果】本発明の組成物は、工業的に入手が容易
なものを原料とし、潤滑性と生分解性に優れ、従って、
環境に優しい潤滑剤を提供する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10M 135:26) C10N 30:00 30:04 30:06 30:12 40:08 40:22 40:25 70:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脱水ヒマシ油脂肪酸とメルカプト脂肪酸の
    反応物、その部分エステル化物またはその塩の少なくと
    もいずれかを含有することを特徴とする潤滑剤組成物。
JP10115860A 1998-03-23 1998-03-23 潤滑剤組成物 Pending JPH11269474A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116948526A (zh) * 2023-07-24 2023-10-27 广东韶铸精锻有限公司 一种具有高耐疲劳性的齿轮及其制备方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116948526A (zh) * 2023-07-24 2023-10-27 广东韶铸精锻有限公司 一种具有高耐疲劳性的齿轮及其制备方法
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