JP2545242B2 - 鋼板の冷間圧延油 - Google Patents

鋼板の冷間圧延油

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JP2545242B2 JP25824987A JP25824987A JP2545242B2 JP 2545242 B2 JP2545242 B2 JP 2545242B2 JP 25824987 A JP25824987 A JP 25824987A JP 25824987 A JP25824987 A JP 25824987A JP 2545242 B2 JP2545242 B2 JP 2545242B2
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啓一 谷川
勇三 桧垣
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日清製油株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は潤滑性に優れた鋼板の冷間圧延油に関するも
のである。
(従来の技術) 薄鋼板に使用する冷間圧延油は動・植物油脂(牛脂、
豚脂、大豆油、ナタネ油、パーム油、ヤシ油等)を基油
とするものと、鉱物油を基油とするものに大別される。
近年、省エネルギー、生産能率の向上に伴ない高速圧
延、高圧下率圧延、ミルクリーン圧延が指向されてい
る。動・植物油脂を基油に用いた圧延油は高負荷・高速
圧延に適したものであるが、冷間圧延を行なった鋼板の
付着油分を脱脂せずに直接焼鈍すると、焼鈍工程におい
て鋼板表面汚れを生ずる。つまり潤滑性には優れるがミ
ルクリーン性には不敵なものである。
一方、鉱物油を基油とした圧延油を用いて冷間圧延に
供した場合には、冷薄鋼板を直接焼鈍しても表面汚れを
生ずることがなくミルクリーン性に優れている。しか
し、高負荷・高速圧延性に欠ける。
一般に鉱物油を基油とした圧延油は圧延潤滑性を高め
るために、動・植物油脂は脂肪酸(カプリン酸、ラウリ
ン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノ
レン酸等)あるいは油化学'73、11月号p695〜706に掲載
されているようなエステル類(アルコール成分がトリメ
チルロールプロパン、ペンタエリトリトール、2−エチ
ルヘキシルアルコール等によるモノエステル、ジエステ
ル、ポリオールエステル等の合成エステル)等の油性向
上剤を添加して用いられているが、これらの添加量はミ
ルクリーン性を保持するために必要最小限の狭い範囲に
調整されている。以上のように高潤滑性と高ミルクリー
ン性を同時に満足させうる冷間圧延油の検討は種々行な
われているが、(例えば特開昭56−135600、特開昭59−
80498)両者に適したものがないのが現状である。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は省エネルギー、省工程など生産能率の向上に
寄与する鋼用冷間圧延油で、高速度、高圧力下で生ずる
熱や機械的剪断に対して安定で、酸化、分解、重合等の
化学反応に対しても安定である。また焼鈍工程において
圧延油の熱分解残渣を生ずることなく容易に揮散し、鋼
板表面清浄性(ミルクリーン性)と高潤滑性を合せ持つ
ものである。
(問題点を解決するための手段、作用) 本発明はロジン、不均斉化ロジン、水素添加ロジンあ
るいは重合ロジンにエチレンオキサイドおよび/または
プロピレンオキサイドを付加したアルコールと炭素数6
以上の脂肪酸との反応生成物である合成エステルを含有
した鋼の冷間圧延油で、特に圧延滑性に優れ、同時にミ
ルクリーン性を有しており、薄鋼板の高圧下率圧延と、
冷延鋼板を脱脂することなく、焼鈍を効果的に行なうこ
とを可能とするものである。
本発明にいう合成エステルはこのような目的のために
分子設計し合成したものである。近年、圧延油添加成分
としてあるいは基油として合成エステルが用いられてい
るが、冷間圧延油に用いられている合成エステルはこの
目的のために合成されたものは少なく、エンジン油、油
圧作動油あるいは他の潤滑剤として用いられている既存
の合成エステルの中から選択している場合が多く、高潤
滑性と高ミルクリーン性の両者を充分に満足しうるもの
ではない。
本発明の合成エステルは冷間圧延油用として、すなわ
ち高潤滑性と高ミルクリーン性をかねそなえた特性を有
するもので、以下の如き分子設計からなるものである。
すなわち、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、あるい
はピマール酸等が主要構成成分であるロジン、不均斉化
ロジン、水素添加ロジンおよび重合ロジンにエチレンオ
キサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを付加し
たアルコールと炭素数6以上の脂肪酸とのエステル化生
成物を含有することを特徴とする鋼板冷間圧延油であ
る。
ロジンとエチレンオキサイドおよび/またはプロピレ
ンオキサイドとの付加反応はアルカリ酸媒等の触媒存在
下、所定量のエチレンオキサイドおよび/またはプロピ
レンオキサイドを常圧または加圧下で付加反応させるこ
とにより得られる。
エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサ
イドの付加モル数は特に限定するものではないが、得ら
れたエステル化生成物の潤滑性、ミルクリーン性等の性
能から平均3モル以下がより好ましい。
尚、本発明で用いるロジンとは、一般に知られている
もので例えばトールロジン、ガムロジン、ウッドロジン
等がある。
これらのロジンに水素添加を行なったものが水素添加
ロジンである。また、不均斉化ロジンの不均斉化とは、
同一化合物のある分子は還元を他の分子は酸化をうける
反応を不均斉化と言うが、本発明の不均斉化ロジンは水
素添加ロジンと同じようにアビエチン酸やピマール酸分
子等の構成分子が還元されたものである。また重合ロジ
ンはロジン(単量体)が2個以上化学的に結合して分子
量が大きいロジン化合物(重合体)である。
一方、本発明のエステル化生成物を合成するために用
いられる脂肪酸としては、ヘキサン酸、オクタン酸、デ
カン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、アラキン酸、ベヘニン酸、モンタン酸、パ
ルミトオレイン酸、オレイン酸、エルカ酸、リシノール
酸、ヒドロキシステアリン酸、リノール酸、リノレン
酸、イソオクチル酸、イソデカン酸、イソラウリン酸、
イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン
酸、イソアラキン酸等の炭素数6以上の直鎖状及び側鎖
状の飽和、不飽和各脂肪酸である天然及び合成脂肪酸が
使用できる。炭素数が6未満の脂肪酸によるエステル化
生成物は鋼板を冷間圧延する際の潤滑性の向上程度が少
ない。
一方、脂肪酸の炭素数の上限は規制しないが、一般
に、工業的に安価で、入手可能な範囲としては、炭素数
30以下が好ましい。
本発明のエステル化生成物を合成するに際しては、無
触媒または触媒存在下、通常の方法で合成することがで
きるが、合成法については特に限定するものではない。
本発明のエステル化生成物は単独でも使用出来るが、他
の基油、例えば鉱物油や動・植物油脂、既製品の合成エ
ステル油と混合して使用することもできる。エステル化
生成物を他の基油と混合して用いる場合、その添加量は
潤滑性に効果を示す5%以上、望ましくは20重量%以上
の含有量とすることによって潤滑特性が保持される。
上記成分は、いずれもこれらに乳化剤を加えてエマル
ション液として用いることもできる。その他、実用圧延
油に添加剤として常用されている脂肪酸、酸化防止剤、
腐食防止剤などと組合せて使用することもできる。
以下具体的合成例を示す。
合成例1. 攪拌機、温度計、窒素ガス吹込管、水分離器を備えた
4ッ口フラスコにトールロジンのエチレンオキサイド平
均3モル付加物約911g、牛脂肪酸545gを仕込み、パラト
ルエンスルホン酸4gを触媒として添加し、キシレンを還
流溶剤として仕込量の5%を添加してよく撹拌し混合物
を180〜240℃にて計数量の水が留出するまで反応を行な
った。その必要時間は7時間であった。反応終了後水洗
し触媒を除去後、減圧にてキシレンを留去しついで活性
白土を用いて脱色濾過して黄褐色の液体を得た。
収量1250g:酸価4.1であった(第1表試料記号A)。
合成例2. 合成例1と同様の4ッ口フラスコに不均斉化ガムロジ
ンのプロピレンオキサイド1モル付加物774g、ドール油
脂肪酸640gを仕込みリン酸2.5gを触媒として添加しキシ
レン還流溶剤下180〜240℃にて計算量の水が留去するま
で反応を行った。その必要時間は8時間であった。反応
終了後合成例1と同様に精製を行ない、黄褐色の液体を
得た。
収量1210g、酸価5.4であった第1表試料記号B)。
合成例に示した方法に準じて、第1表に示したような
構造の異なる各種のロジンエステル化合物を合成した。
次に本発明を実施例に示してさらに詳細に説明する。
(実施例) 実用圧延油の基油に用いられている鉱油に、添加剤と
して常用されている乳化剤、脂肪酸及び酸化防止剤と本
発明の圧延油である合成エステルを配合した時に得られ
る圧延油組成の潤滑性と焼鈍性についての評価を行なっ
た。
エマルション圧延は2段ロール式圧延機で、圧延材料
(spcc)1.2×20×200mmを油分濃度3%、浴温50℃の条
件で、圧下率40%における圧延荷重を測定し圧延潤滑性
を評価した。また焼鈍性については供試エマルション液
で圧延したそのままの状態の鋼板を数10枚積み重ねた後
細巾の鋼帯で固定して小型焼鈍炉にて焼鈍した。
焼鈍の際の加熱条件は、HNXガス(H2:5%)120ml/min
雰囲気中で昇温速度を10℃/minとして600℃迄加熱し、6
00℃で1時間保持後放冷した。その後、鋼板表面にセロ
フアンテープを貼着し、表面付着物を採取し、これを白
色紙にはりつけて汚れの度合いを目視判定し、鋼板表面
清浄性を評価した。
試験結果を第2表にまとめて示すが、表中の記号が第
1表と同一である。
(発明の効果) 本発明のロジン、不均斉化ロジン、水素添加ロジンあ
るいは重合ロジンにエチレンオキサイドおよび/または
プロピレンオキサイドを付加したアルコールと炭素数6
以上の脂肪酸とのエステル化生成物は、その使用目的を
鋼板の圧延潤滑油として、そのための必要条件を考えて
分子設計したものであって、既存の合成エステルを冷間
圧延油として、あるいは添加剤に転用しているものとは
異なり、鋼板類の圧延潤滑性の向上により、従来の動・
植物油脂を用いた場合と比べて、動力費の節減など省エ
ネルギー、省資源に効果をもたらす。また焼鈍性にも優
れており、電解脂肪を省略することができ、設備費の低
減が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 129:18 129:32 129:40) (C10M 109/02 109:00 105:18 105:24) C10N 30:00 30:12 40:24

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロジン、不均斉化ロジン、水素添加ロジン
    あるいは重合ロジンにエチレンおよび/またはプロピレ
    ンオキサイドを付加したアルコールと、炭素数6以上の
    脂肪酸とのエステル化生成物よりなる群から選ばれた少
    なくとも1種の成分を含有する鋼板の冷間圧延油。
  2. 【請求項2】ロジンがトールロジン、ガムロジンまたは
    ウッドロジンである特許請求の範囲第(1)項記載の鋼
    板の冷間圧延油。
  3. 【請求項3】エチレンオキサイドおよび/またはプロピ
    レンオキサイドの付加モル数が平均3モル以下である特
    許請求の範囲第(1)項記載の鋼板の冷間圧延油。
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