JPH11269394A - 接着性樹脂組成物 - Google Patents

接着性樹脂組成物

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JPH11269394A
JPH11269394A JP10095412A JP9541298A JPH11269394A JP H11269394 A JPH11269394 A JP H11269394A JP 10095412 A JP10095412 A JP 10095412A JP 9541298 A JP9541298 A JP 9541298A JP H11269394 A JPH11269394 A JP H11269394A
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alicyclic structure
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脂環式構造含有重合体の持つ耐熱性、耐湿
性、低吸水性、誘電特性などの諸特性を維持しつつ、微
細な凹凸を有する配線基板や電子部品類に対する接着性
に優れ、しかも長期信頼性に優れた接着性樹脂組成物を
提供すること。 【解決手段】 数平均分子量5,000以上の脂環式構
造含有重合体と分子量300〜3,000の低分子量化
合物とを含有する接着性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接着性樹脂組成物
に関し、さらに詳しくは、脂環式構造含有重合体を基材
とする、接着性、耐熱性、耐湿性、低吸水性、誘電特
性、長期信頼性に優れた接着性樹脂組成物に関する。本
発明の接着性樹脂組成物は、配線基板や電子部品などの
微細な凹凸面に対する接着性が良好で、しかも温度サイ
クル試験及び高温高湿試験による評価基準を満足するこ
とができる。したがって、本発明の接着性樹脂組成物
は、例えば、電子部品の配線基板への接着・接合、電子
部品の封止や絶縁、基板間の接続、層間絶縁膜、電子部
品の搬送などの分野に好適に適用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来より、エレクトロニクス実装技術の
分野において、接着剤、絶縁材、封止材などとして、各
種の接着性樹脂材料が用いられている。電子部品の接着
・接合技術の分野では、可能な限り短い距離にて配線基
板側の電極と半導体集積回路素子側の電極とを接続する
技術が開発されている。その具体例として、例えば、半
導体集積回路素子(半導体チップ)にバンプ(金属凸
起;Auバンプやはんだバンプ)を形成し、配線基板上
に絶縁樹脂層を形成し、圧接することにより、バンプを
介してダイレクトに半導体素子の電極と配線基板の電極
を最短距離で接合する方法が実用化されている。また、
半導体集積回路素子の電極と配線基板上の導体パターン
との間に弾力性のある導電メッキ樹脂ボールを介在さ
せ、絶縁樹脂の圧縮応力を利用して圧接接合する方法が
ある。いずれの方法においても、絶縁樹脂として、通
常、紫外線硬化型樹脂または熱硬化型樹脂が使用されて
いる。
【0003】基板間の接合においても、絶縁樹脂を接続
媒体とする技術が開発されている。具体的には、光硬化
絶縁樹脂を用いて、テープキャリアパッケージ(TC
P)のフィルムリードと、回路基板の電極同士を接続す
る技術が開発されている。リードの表面には、加工時に
形成された多数の凹凸が存在するが、このリード表面の
凹凸が電極表面に接触することにより、多数の電気的接
点を形成している。リードの周囲には、絶縁樹脂が充填
され、この樹脂の接着力と収縮力により、リードは回路
基板に固定された状態となる。プリント配線板上への電
子部品の搭載には、接着剤として、通常、紫外線硬化型
樹脂が使用されている。半導体チップと基板との間の樹
脂封止や樹脂封止型半導体パッケージなどには、封止材
として、多くの場合、紫外線硬化型樹脂または熱硬化型
樹脂が使用されている。
【0004】しかしながら、紫外線硬化型樹脂や熱硬化
型樹脂を用いて、ベアチップの実装や基板間の接続、樹
脂封止、配線基板上への半導体部品の搭載などを行う
と、組立工程で発生した接合不良や接着不良などにおけ
るリペア性に問題があった。半導体デバイスにおいて、
一部の欠陥のために、全体をスクラップすることは、コ
スト的に多大の損失となる。したがって、配線修理やチ
ップの交換、チップの再使用などの技術の確立が求めら
れている。また、封止用樹脂などとして使用されている
エポキシ樹脂は、耐熱性が低い。シリコーン樹脂は、接
着性が乏しく、コスト高である。フェノール樹脂は、吸
湿時電気絶縁性に乏しく実用性に問題がある。ポリイミ
ド樹脂は、接着性に乏しいため、吸湿リフロー後の吸湿
性が極めて悪い。ポリエチレン系、ポリプロピレン系、
アクリル系、ポリフェニレンスルフィド系などの熱可塑
性樹脂は、リペア性に優れているものの、接着性や高温
・高湿などでの長期信頼性に劣る。
【0005】一方、エチレンとテトラシクロドデセンと
の付加共重合体にエポキシ基などの極性基を付加させた
脂環式構造含有重合体は、耐熱性、耐湿性、低吸水性、
誘電特性などに優れていることから、電子部品の絶縁材
料として注目され、接着性樹脂材料としても有用である
ことが指摘されている(特開平62−27412号公
報)。しかしながら、単に極性基を導入した熱可塑性ノ
ルボルネン系樹脂は、微細凹凸を有する配線基板や電子
部品類の接着において、充分な接着性を発揮することが
できず、該熱可塑性ノルボルネン系樹脂を接着性樹脂層
として用いて、配線基板上に半導体部品を搭載した回路
板などは、温度サイクル試験(TCT)及び高温高湿試
験などの長期信頼性試験の合格率が下がる問題点があっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、脂環
式構造含有重合体の持つ耐熱性、耐湿性、低吸水性、誘
電特性などの諸特性を維持しつつ、微細な凹凸を有する
配線基板や電子部品類に対する接着性に優れ、しかも長
期信頼性に優れた接着性樹脂組成物を提供することにあ
る。本発明者は、前記従来技術の問題点を克服するため
に鋭意結果、数平均分子量5,000以上の脂環式構造
含有重合体に、分子量300〜3,000の低分子量化
合物を配合した樹脂組成物が、脂環式構造含有重合体が
本来有する優れた耐熱性、耐湿性、低吸水性、誘電特性
(低誘電率、低誘電正接)などの諸特性を維持しつつ、
微細な凹凸を有する配線基板や電子部品類に対する接着
性に優れることを見いだした。この接着性樹脂組成物
を、エレクトロニクス実装技術における接着性樹脂材料
として用いて得られたデバイスや電子機器は、長期信頼
性試験に合格し得るものである。また、脂環式構造含有
重合体は、熱可塑性樹脂であるため、リペア性に優れて
いる。本発明の接着性樹脂組成物は、配線基板等の上に
塗布して接着性樹脂層を形成し得るワニスとして、ある
いは接着性を有するシートとして、使用することが好ま
しい。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至
ったものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、数平均分子量5,000以上の脂環式構造含有重合
体と分子量300〜3,000の低分子量化合物とを含
有する接着性樹脂組成物が提供される。また、本発明に
よれば、上記の接着性樹脂組成物を有機溶媒に溶解また
は分散させてなるワニスが提供される。さらに、本発明
によれば、上記の接着性樹脂組成物を成形してなるシー
トが提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】脂環式構造含有重合体 本発明で使用される脂環式構造含有重合体は、主鎖及び
/または側鎖に脂環式構造を有するものであり、機械的
強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を含有
するものが好ましい。脂環式構造としては、飽和環状炭
化水素(シクロアルカン)構造、不飽和環状炭化水素
(シクロアルケン)構造などが挙げられるが、誘電特
性、耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造を有す
るものが好ましい。脂環式構造を構成する炭素原子数
は、格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは
5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であると
きに、機械的強度、耐熱性、及び成形性の特性が高度に
バランスされ好適である。
【0009】本発明に使用される脂環式構造含有重合体
中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目
的に応じて適宜選択されればよいが、通常30重量%以
上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重
量%以上である。脂環式構造含有重合体中の脂環式構造
を有する繰り返し単位の割合が過度に少ないと、誘電特
性、耐熱性、及び長期信頼性に劣り好ましくない。脂環
式構造含有重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位
以外の残部は、格別な限定はなく、使用目的に応じて適
宜選択される。
【0010】このような脂環式構造を有する重合体の具
体例としては、例えば、(1)ノルボルネン系重合体、
(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役
系ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素重合
体、及び(5)これらの水素添加物などが挙げられる。
これらの中でも、ノルボルネン系重合体及びその水素添
加物などの熱可塑性ノルボルネン系樹脂、環状共役ジエ
ン系重合体及びその水素添加物などが好ましく、ノルボ
ルネン系重合体及びその水素添加物がより好ましい。
【0011】(1)ノルボルネン系重合体 ノルボルネン系重合体としては、格別な制限はなく、例
えば、特開平3−14882号公報や特開平3−122
137号公報などに開示される方法によって、ノルボル
ネン系モノマーを重合したものが用いられる。具体的に
は、ノルボルネン系モノマーの開環重合体及びその水素
添加物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボ
ルネン系モノマーとビニル化合物との付加共重合体など
が挙げられる。これらの中でも、耐熱性や誘電特性と接
着性とを高度にバランスさせる上で、ノルボルネン系モ
ノマーの開環重合体水素添加物、ノルボルネン系モノマ
ーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーと共重合体可
能なビニル化合物の付加共重合体などが好ましく、ノル
ボルネン系モノマーの開重合体水素添加物が特に好まし
い。
【0012】ノルボルネン系モノマーとしては、例え
ば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用
名:ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.
1]ヘプタ−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ
[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチル−ビシク
ロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ブチル−ビシ
クロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチリデン
−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ−2−エン、5−ヘ
キシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5
−オクチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エ
ン、5−オクタデシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ
−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]
ヘプタ−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.
2.1]ヘプタ−2−エン、5−ビニル−ビシクロ
[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−プロペニル−ビ
シクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、トリシクロ
[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用
名:ジシクロペンタジエン)、トリシクロ[4.4.
0.12,5]ウンデカ−3,8−ジエン、トリシクロ
[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン、5−シク
ロペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン、5−シクロヘキセニルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−フェニル−ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、テトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン(慣用
名:テトラシクロドデセン)、8−メチルテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、
8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−ドデカ−3−エン、8−メチリデンテトラシ
クロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エ
ン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.
2,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−ビニルテト
ラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3
−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.0.
2,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−シクロペン
チル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、
8−シクロヘキセニル−テトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−フェニル−シ
クロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−ドデカ−3−エン;テトラシクロ[7.4.
0.110,13.02,7]トリデカ−2,4,6,11−テ
トラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テト
ラヒドロフルオレンともいう)、テトラシクロ[8.
4.0.111,14.0 3,8]テトラデカ−3,5,7,1
2−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,
10,10a−ヘキサヒドロアントラセンともいう)、
ペンタシクロ[6.5.13,6.0 2,7.09,13]ペンタ
デカ−3,10−ジエン、ペンタシクロ[7.4.0.
3,6.1 10,13.02,7]ペンタデカ−4,11−ジエ
ン、シクロペンタジエンの4量体以上の付加物、5−フ
ェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、テト
ラシクロ[6.5.0.12,5.08,13]トリデカ−
3,8,10,12−テトラエン(1,4−メタノ−
1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともい
う)、テトラシクロ[6.6.0.12,5.08,13]テ
トラデカ−3,8,10,12−テトラエン(1,4−
メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒド
ロアントラセンともいう)などの極性基を有さないノル
ボルネン系モノマーが挙げられる。
【0013】ノルボルネン系モノマーとしては、極性基
を有するものであってもよい。極性基としては、例え
ば、ヘテロ原子またはヘテロ原子を有する原子団などが
挙げられる。ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、
窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、ハロゲン原子などが
挙げられるが、接着性の観点から、酸素原子や窒素原子
が好ましい。かかる極性基の具体例としては、エポキシ
基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、オキシ基、エス
テル基、カルボニルオキシカルボニル基、シラノール
基、シリル基、アミノ基、ニトリル基、スルホン基、ア
ミド基などが挙げられる。
【0014】極性基を有するノルボルネン系モノマーの
具体例としては、例えば、5−メトキシ−カルボニル−
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シアノ
−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチ
ル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]
ヘプタ−2−エン、5−メトキシカルボニルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボ
ニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メ
チル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]
ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エトキシカルボニ
ルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2−メチルプロピ
オネイト、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル
−2−メチルオクタネイト、ビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒ
ドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−i−プロ
ピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6
−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン; 5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,
6−ジカルボン酸イミド、8−メトキシカルボニルテト
ラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3
−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシ
クロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エ
ン、8−ヒドロキシメチルテトラシクロ[4.4.0.
2,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−カルボキシ
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ
−3−エンなどが挙げられる。これらのノルボルネン系
モノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み
合わせて用いることができる。ノルボルネン系重合体中
のノルボルネン系モノマー単位の結合量の割合は、使用
目的に応じて適宜選択されるが、通常30重量%以上、
好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%
以上であり、それによって、誘電特性、耐熱性、長期信
頼性などの諸特性が高度にバランスされる。
【0015】ノルボルネン系モノマーと共重合可能なビ
ニル化合物としては、例えば、エチレン、プロピレン、
1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル
−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル
−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチ
ル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、
4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘ
キセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1
−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキ
サデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭
素数2〜20のエチレンまたはα−オレフィン;シクロ
ブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジ
メチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2
−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロ
オクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7
−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン;
1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジ
エン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オ
クタジエンなどの非共役ジエン;などが挙げられる。こ
れらのビニル化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種
以上を組み合わせて使用することができる。ノルボルネ
ン系モノマーまたはノルボルネン系モノマーと共重合可
能なビニル化合物との重合方法及び水素添加方法は、格
別な制限はなく、公知の方法に従って行うことができ
る。
【0016】ノルボルネン系モノマーの開環重合体は、
ノルボルネン系モノマーを、開環重合触媒として、ルテ
ニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウ
ム、白金などの金属のハロゲン化物、硝酸塩またはアセ
チルアセトン化合物と、還元剤とからなる触媒系、ある
いは、チタン、バナジウム、ジルコニウム、タングステ
ン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物またはアセチ
ルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからな
る触媒系を用いて、溶媒中または無溶媒で、通常、−5
0℃〜100℃の重合温度、0〜50kg/cm2の重
合圧力で、開環重合させることにより得ることができ
る。触媒系に、分子状酸素、アルコール、エーテル、過
酸化物、カルボン酸、酸無水物、酸クロリド、エステ
ル、ケトン、含窒素化合物、含硫黄化合物、含ハロゲン
化合物、分子状ヨウ素、その他のルイス酸などの第三成
分を加えて、重合活性や開環重合の選択性を高めること
ができる。
【0017】ノルボルネン系モノマーとビニル系化合物
との付加共重合体は、例えば、モノマー成分を、溶媒中
または無溶媒で、バナジウム化合物と有機アルミニウム
化合物とからなる触媒系の存在下で、通常、−50℃〜
100℃の重合温度、0〜50kg/cm2の重合圧力
で、共重合させる方法により得ることができる。水素添
加ノルボルネン系重合体は、常法に従って、開環重合体
を水素添加触媒の存在下に水素により水素化する方法に
より得ることができる。
【0018】(2)単環の環状オレフィン系重合体 単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、特開
昭64−66216号公報に開示されているシクロヘキ
セン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環
状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることができ
る。
【0019】(3)環状共役ジエン系重合体 環状共役ジエン系重合体としては、例えば、特開平6−
136057号公報や特開平7−258318号公報に
開示されているシクロペンタジエン、シクロヘキサジエ
ンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−または1,
4−付加重合した重合体及びその水素添加物などを用い
ることができる。
【0020】(4)ビニル脂環式炭化水素系重合体 ビニル脂環式炭化水素系重合体としては、例えば、特開
昭51−59989号公報に開示されているビニルシク
ロヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環式
炭化水素単量体の重合体及びその水素添加物、特開昭6
3−43910号公報や特開昭64−1706号公報な
どに開示されているスチレン、α−メチルスチレンなど
のビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環部分の水素添
加物などを用いることができる。
【0021】本発明において、特に高い接着性が要求さ
れる場合は、脂環式構造含有重合体の中でも、極性基を
有する脂環式構造含有重合体、より好ましくは、活性水
素含有の極性基を有する脂環式構造含有重合体が用いら
れる。極性基としては、例えば、ヘテロ原子またはヘテ
ロ原子を有する原子団などを挙げられる。ヘテロ原子と
しては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ
素原子、ハロゲン原子などが挙げられるが、接着性の観
点からは、酸素原子や窒素原子が好ましい。極性基の具
体例としては、エポキシ基、カルボキシル基、ヒドロキ
シル基、オキシ基、エステル基、カルボニルオキシカル
ボニル基、シラノール基、シリル基、アミノ基、ニトリ
ル基、スルホン基、アミド基などが挙げられる。これら
の中でも、エポキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル
基、カルボニルオキシカルボニル基、アミノ基、アミド
基などが好ましく、カルボキシル基、及びヒドロキシル
基が特に好ましい。
【0022】このような極性基を有する脂環式構造含有
重合体としては、前記極性基含有ノルボルネン系モノマ
ーを単独で、あるいはその他のノルボルネン系モノマー
やビニル化合物と(共)重合したものを用いてもよい
が、変性反応によりノルボルネン系ポリマー中に極性基
を導入した脂環式構造含有重合体が、高分子量でかつ極
性基を多く導入できるので、高い接着強度が求められる
場合に好適である。このような極性基変性の脂環式構造
含有重合体としては、格別な制限はなく、常法により変
性反応を行ったものが用いられる。具体的には、脂環式
構造含有重合体の塩素化物、クロロスルフォン化物、極
性基含有不飽和化合物のグラフト変性物などが挙げら
れ、好ましくは、極性基含有不飽和化合物のグラフト変
性物である。
【0023】極性基含有不飽和化合物としては、例え
ば、グリシジルアクリレート、グリジルメタクリレー
ト、p−スチリルカルボン酸グリシジル、エンド−シス
−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−
ジカルボン酸、エンド−シス−ビシクロ[2,2,1]
ヘプト−5−エン−2−メチル−2,3−ジカルボン
酸、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリ
シジルエーテル、o−アリルフェノールのグリシジルエ
ーテル、m−アリルフェノールのグリシジルエーテル、
p−アリルフェノールのグリシジルエーテル等の不飽和
エポキシ化合物;アクリル酸、メタクリル酸、α−エチ
ルアクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、
エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン
−2,3−ジカルボン酸、メチル−エンドシス−ビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボ
ン酸などの不飽和カルボン酸化合物;無水マレイン酸、
クロロ無水マレイン酸、ブテニル無水コハク酸、テトラ
ヒドロ無水フタル酸、無水シトラコン酸などの不飽和無
水カルボン酸化合物;マレイン酸モノメチル、マレイン
酸ジメチル、グリシジルマレエートなどの不飽和エステ
ル化合物;アリルアルコール、2−アリル−6−メトキ
シフェノール、4−アリロキシ−2−ヒドロキシベンゾ
フェノン、3−アリロキシ−1,2−プロパンジオー
ル、2−アリルシフェノール、3−ブテン−1−オー
ル、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オ
ールなどの不飽和アルコール化合物;クロロジメチルビ
ニルシラン、トリメチルシリルアセチレン、5−トリメ
チルシリル−1,3−シクロペンタジエン、3−トリメ
チルシリルアリルアルコール、トリメチルシリルメタク
リレート、1−トリメチルシリロキシ−1,3−ブタジ
エン、1−トリメチルシリロキシ−シクロペンテン、2
−トリメチルシリロキシエチルメタクリレート、2−ト
リメチルシリロキシフラン、2−トリメチルシリロキシ
プロペン、アリロキシ−t−ブチルジメチルシラン、ア
リロキシトリメチルシランなどの不飽和シラン化合物;
などが挙げられる。これらの中でも、不飽和エポキシ化
合物や不飽和無水カルボン酸化合物が、変性率を高める
上で好適である。
【0024】ノルボルネン系重合体に極性基含有不飽和
化合物を効率よくグラフト共重合させるためには、通常
ラジカル開始剤の存在下に反応を実施することが好まし
い。ラジカル開始剤としては、例えば、有機ペルオキシ
ド、有機ペルエステルなどが好ましく使用される。この
ようなラジカル開始剤の具体的な例としては、ベンゾイ
ルペルオキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジ
クミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシドベン
ゾエート)ヘキシン−3、1,4−ビス(tert−ブ
チルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルペ
ルオキシド、tert−ブチルペルアセテート、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキ
シ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
ert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、tert−ブチ
ルペルベンゾエート、tert−ブチルベルフェニルア
セテート、tert−ブチルペルイソブチレ−ト、te
rt−ブチルペル−sec−オクトエート、tert−
ブチルペルピパレート、クミルペルピパレート、及びt
ert−ブチルペルジエチルアセテートを挙げることが
できる。さらに、本発明においては、ラジカル開始剤と
してアゾ化合物を使用することもできる。アゾ化合物の
具体的な例としては、アゾビスイソブチロニトリル及び
ジメチルアゾイソブチレートを挙げることができる。
【0025】これらのラジカル開始剤は、それぞれ単独
で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ
る。ラジカル開始剤の使用割合は、未変性の脂環式構造
含有重合体100重量部に対して、通常0.001〜3
0重量部、好ましくは0.01〜20重量部、より好ま
しくは0.1〜10重量部の範囲である。グラフト変性
反応は、特に限定はなく、常法に従って行うことができ
る。反応温度は、通常0〜400℃、好ましくは60〜
350℃で、反応時間は、通常1分間〜24時間、好ま
しくは30分間〜10時間の範囲である。脂環式構造含
有重合体のグラフト変性物のグラフト変性率は、使用目
的に応じて適宜選択されるが、重合体中の総モノマー単
位数を基準として、通常0.1〜100モル%、好まし
くは0.2〜50モル%、より好ましくは1〜30モル
%の範囲である。変性ノルボルネン系重合体のグラフト
変性率がこの範囲にあるときに、接着性、誘電特性、及
び長期信頼性が高度にバランスされ好適である。グラフ
ト変性率は、下式(1)で表される。 グラフト変性率(モル%)=(X/Y)×100 (1) X:グラフトした不飽和化合物による重合体中の変性基
の全モル数 Y:重合体の総モノマー単位数 Xは、グラフトモノマー変性残基全モル数ということが
でき、1H−NMRにより測定することができる。Y
は、重合体の重量平均分子量(Mw)/モノマーの分子
量に等しい。共重合の場合には、モノマーの分子量は、
モノマーの平均分子量とする。
【0026】また、本発明において好適なヒドロキシル
基またはカルボキシル基を有する脂環式構造含有重合体
は、上記のようにして不飽和エポキシ化合物、不飽和無
水カルボン酸化合物、不飽和エステル化合物をグラフト
変性させた後に、(a)活性水素含有化合物を反応させ
る方法、(b)活性水素含有化合物のアルカリ金属塩ま
たはアルカリ土類金属塩を反応させ、次いで、加水分解
させる方法などの方法によっても得ることができる。
【0027】活性水素含有化合物としては、電気陽性の
炭素に求核攻撃可能な物質であれば特に限定されない
が、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、及びカ
ルボキシル基からなる群より選ばれる少なくとも一種の
官能基を有する化合物が好ましく用いられる。具体的に
は、水;アンモニア;メタノール、エタノール、1−プ
ロパノール、2−プロパノール、アリルアルコール、1
−ブタノール、2−ブタノール、1−メチル−1−プロ
パノール、2−メチル−2−プロパノール、メタリルア
ルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−
ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチ
ル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3
−メチル−2−ブタノール、2,2−ジメチル−1−プ
ロパノール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、3
−メチル−3−ブテン−1−オール、シクロペンタノー
ル、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、ゲラニオ
ール、シトロネロール、ベンジルアルコール、フルフリ
ルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、グリセリンなどのアルコール類;モノメチルアミ
ン、モノエチルアミン、n−プロピルアミン、i−プロ
ピルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルア
ミン、ゲラニルアミン、ベンジルアミン、アニリン、エ
タノールアミン、ジエチルアミン、ジフェニルアミン、
ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ピペリ
ジン、ピロリジンなどのアミン類;メタンチオール、エ
タンチオール、ベンゼンチオール、チオフェノール、メ
ルカプトアセチックアシド、2−メルカプトニコチック
アシド、2−メルカプトベンゾイックアシド、3−メル
カプトプロピオニックアシド、2−メルカプトプロピオ
ニックアシド、メルカプトサクシニックアシド、N−
(2−メルカプトプロピオニル)グリシンなどのチオー
ル類;2−アミノ−2−ノルボルナンカルボキシリック
アシド、2−アミノ−1−ナフタレンスルフォニックア
シド、4−アミノ−1−ナフタレンスルフォニックアシ
ド、5−アミノ−2−ナフタレンスルフォニックアシ
ド、8−アミノ−2−ナフタレンスルフォニックアシ
ド、4−アミノ−1,8−ナフタリックアンヒドリド、
3−アミノ−2−ナフトイックアシド、3−アミノ−
2,7−ナフタレンジスルフォニックアシド、7−アミ
ノ−1,3−ナフタレンジスルフォニックアシド、2−
アミノ−a−(メトキシイミノ)−4−チアゾレアセチ
ックアシド、1−アミノ−1−シクロヘキサンカルボキ
シリックアシド、1−アミノ−1−シクロペンタンカル
ボキシリックアシド、1−アミノ−1−シクロプロパン
カルボキシリックアシド、イソニペコティックアシド、
ニコペチックアシド、ピペコリニックアシド、p−アミ
ノ安息香酸などのアミノ酸類;などが挙げられる。
【0028】これらの活性水素含有化合物は、それぞれ
単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることが
できる。活性水素含有化合物の使用量は、反応条件によ
り適宜選択されるが、グラフト反応で導入されたオキシ
基、エポキシ基、オキシカルボニル基、カルボニルオキ
シ基またはカルボニルオキシカルボニル基に対して、通
常0.1〜100当量、好ましくは0.3〜50当量、
より好ましくは0.5〜20当量の範囲である。活性水
素含有化合物の反応は、常法に従えばよく、グラフト反
応終了後、グラフト変性ポリマーを単離し反応させても
よいし、グラフト反応終了後の反応溶液に直接活性水素
含有化合物を添加させて反応させることもできる。反応
条件は、反応温度が通常0〜250℃、好ましくは50
〜200℃、反応時間が通常10分〜15時間、好まし
くは30分〜5時間である。
【0029】活性水素含有化合物のアルカリ金属塩また
はアルカリ土類金属塩としては、例えば、上記活性水素
含有化合物のリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシ
ウム塩等の化合物が挙げられる。活性水素含有化合物の
アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩反応は、常法
に従えばよく、グラフト反応終了後、グラフト変性ポリ
マーを単離し反応させてもよいし、グラフト反応終了後
の反応溶液に直接活性水素含有化合物を添加させて反応
させることもできる。反応条件は、反応温度が通常−5
0〜200℃、好ましくは0〜100℃、反応時間が通
常10分〜24時間、好ましくは30分〜10時間であ
る。加水分解は、通常、活性水素含有化合物のアルカリ
金属塩またはアルカリ土類金属塩反応後の反応液に、加
水分解試薬を添加して行うことができる。加水分解試薬
としては、特に限定されず、例えば、水、希塩酸、塩化
アンモニウム飽和水溶液、有機酸類を用いることができ
る。加水分解の反応は、反応温度が通常−50℃〜10
0℃、好ましくは0〜50℃、反応時間が通常1分〜2
4時間、好ましくは10分〜10時間である。極性基含
有の脂環式構造含有重合体中の極性基の割合は、使用目
的に応じて適宜選択すればよいが、重合体全繰り返し単
位当り、通常0.1〜100モル%、好ましくは0.2
〜50モル%、より好ましくは1〜30モル%の範囲で
あるときに、接着性と長期信頼性が高度にバランスされ
好適である。
【0030】本発明で使用される脂環式構造含有重合体
(極性基含有の脂環式構造含有重合体も含む)の分子量
は、使用目的に応じて適宜選択されるが、シクロヘキサ
ン溶液(重合体が溶解しない場合はトルエン溶液)のゲ
ル・パーミエーション・クロマトグラフ法で測定したポ
リスチレン換算の数平均分子量で、5,000以上、好
ましくは5,000〜500,000、より好ましくは
8,000〜200,000、特に好ましくは10,0
00〜100,000の範囲である。脂環式構造含有重
合体の数平均分子量が過度に小さいと、長期信頼性に劣
り、好ましくない。一方、脂環式環状構造含有重合体の
数平均分子量が過度に大きいと、微細な凹凸を有する回
路基板や電子部品類に対する接着性が低下する。本発明
で使用される脂環式構造含有重合体のガラス転移温度
(Tg)は、使用目的に応じて適宜選択されればよい
が、接着された電子部品類の使用環境からみて、できる
だけ高い方が好ましく、通常50℃以上、好ましくは7
0℃以上、より好ましくは100℃以上である。
【0031】低分子量化合物 本発明は、上記脂環式構造含有重合体に特定の分子量範
囲の低分子量化合物を配合することにより、接着性と長
期信頼性を高める点に特徴がある。詳細な機構について
は、現段階では明らかではないが、低分子量化合物を添
加することにより、脂環式構造含有重合体の粘度を低下
させ、また、被着体の微細凹凸面に対する樹脂組成物の
濡れ性を向上させて、被着体同士の接着性を向上させて
いるものと推定される。低分子量化合物の分子量は、ゲ
ル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)
で測定されるポリスチレン換算の分子量で300〜3,
000であり、好ましくは350〜2,000、より好
ましくは350〜1,000の範囲である。配合する低
分子量化合物の分子量が過度に小さい場合は、機械的強
度、耐熱性、及び長期信頼性に劣り、また、低分子量化
合物がブリードアウトしやすくなる。逆に、低分子量化
合物の分子量が大きすぎると、樹脂流れ性、接着性、及
び長期信頼性に劣る。
【0032】本発明に使用される低分子量化合物は、格
別限定されるものではないが、例えば、エチレン、プロ
ピレン、ブタジエンなどの重合性単量体のオリゴマー;
パラフィンオイル、ワックスなどの炭化水素化合物;
2,2′−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチ
ルフェノール)、4,4′−ブチリデン−ビス(6−t
−ブチル−m−クレゾール)、4,4′−チオビス(3
−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−
トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチル
フェニル)ブタン、2−(4,6−ジフェニル−1,
3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)
オキシ]−フェノール、2−ヒドロキシ−4−n−オク
チルオキシベンゾフェノン、2−[2−ヒドロキシ−
3,5−ビス(α,α′ジメチルベンジル)フェニル]
−2H−ベンゾトリアゾ−ル、2−(3,5−ジ−t−
ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキ
シフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)
−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−
t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフ
ェニル)ベンゾトリゾール、2,5,7,8−テトラメ
チル−2−(4′,8′,12′−トリメチルトリデシ
ル)クロマン−6−オールなどのフェノール類;トリフ
ェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイ
ト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニ
ルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニ
ル)ホスファイト、トリス(2、4−ジ−t−ブチルフ
ェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−4−
メチルフェニル)ホスファイト、トリス(シクロヘキシ
ルフェニル)ホスファイト、トリクレジルフォスフェー
ト、トリキシリルフォスフェート、トリフェニルフォス
フェート、トリエチルフェニルフォスフェート、ジフェ
ニルクレジルフォスフェート、モノフェニルジクレジル
フォスフェート、ジクレジルモノキシレニルフォスフェ
ート、ジフェニルモノキシレニルフォスフェート、モノ
フェニルジキシレニルフォスフェート、トリオクチルフ
ォスフェート、2−[[2,4,8,10−テトラキス
(1,1−ジメチルエテル)ジベンゾ[d,f][1,
3,2]ジオキサフォスフェピン6−イル]オキシ]−
N,N−ビス[2−[[2,4,8,10−テトラキス
(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,
3,2,]ジオキサフォスフェピン−6−イル]オキ
シ]−エチル]エタナミンなどの(亜)リン酸エステル
類;ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレー
ト、ソルビタンベヘネート、ソルビタンステアレート・
エチレンオキサイド2モル付加物、ソルビタンステアレ
ート・プロピレンオキサイド3モル付加物、ソルビトー
ルステアレート、ソルビトールステアレート・エチレン
オキサイド3モル付加物、グリセリンジパルミテート、
グリセリンジステアレート、グリセリンパルミテート・
エチレンオキサイド2モル付加物、ソルビタンステアレ
ートアジペート・エチレンオキサイド3モル付加物、ソ
ルビトールステアレートアジペート・エチレンオキサイ
ド2モル付加物、ジグリセリンパルミテートセバケート
・プロピレンオキサイド3モル付加物、ソルビトールパ
ルミテートアジペート・エチレンオキサイド3モル付加
物フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フ
タル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニ
ル、フタル酸オクチルデシル、5,7−ジ−t−ブチル
−3−(3,4−ジメチルフェニル)−3H−ベンゾフ
ラン−2−オンなどのエステル;3,3′−チオビスプ
ロピオン酸ジドデシルエステル、3,3′−チオビスプ
ロピオン酸ジオクタデシルエステル等の(チオ)エーテ
ル類;ケトン類;アルコール類;などが挙げられる。
【0033】これらの低分子量化合物の中でも、フタル
酸ジオクチル、グリセリンジステアレートなどのエステ
ル類や(亜)リン酸エステル類などが好ましい。これら
の低分子量化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以
上で組み合せて用いることが出来る。低分子量化合物の
配合量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、脂環式
構造含有重合体樹脂100重量部当り、通常1〜50重
量部、好ましくは3〜30重量部、より好ましくは5〜
15重量部の範囲であるときに、接着性と長期信頼性が
高度にバランスされて好適である。
【0034】接着性樹脂組成物 本発明の接着性樹脂組成物は、脂環式構造含有重合体及
び低分子量化合物を必須成分として、所望により、エラ
ストマーや樹脂などのその他のポリマー、及びその他の
配合剤を添加することができる。その他のポリマー及び
その他の配合剤の添加量は、本発明の目的を損ねない範
囲で適宜選択される。エラストマーは、ガラス転移温度
が40℃以下の重合体であって、通常のゴム質重合体及
び熱可塑性エラストマーが含まれる。なお、ブロック共
重合したゴム質重合体などでガラス転移温度が2点以上
ある場合は、最も低いガラス転移温度が40℃以下であ
れば本発明のガラス転移温度が40℃以下のゴム質重合
体として用いることができる。
【0035】エラストマーの例としては、イソプレン・
ゴム、その水素添加物;クロロプレンゴム、その水素添
加物;エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・α−
オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重
合体などの飽和ポリオレフィンゴム;エチレン・プロピ
レン・ジエン共重合体、α−オレフィン・ジエン共重合
体、ジエン共重合体、イソブチレン・イソプレン共重合
体、イソブチレン・ジエン共重合体などのジエン系共重
合体、これらのハロゲン化物、ジエン系重合体またはそ
のハロゲン化物の水素添加物;アクリロニトリル・ブタ
ジエン共重合体、その水素添加物;フッ化ビニリデン・
三フッ化エチレン共重合体、フッ化ビニリデン・六フッ
化プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン・六フッ化プ
ロピレン・四フッ化エチレン共重合体、プロピレン・四
フッ化エチレン共重合体などのフッ素ゴム;ウレタンゴ
ム、シリコーンゴム、ポリエーテル系ゴム、アクリルゴ
ム、クロルスルホン化ポリエチレンゴム、エピクロルヒ
ドリンゴム、プロピレンオキサイドゴム、エチレンアク
リルゴムなどの特殊ゴム;ノルボルネン系単量体とエチ
レンまたはα−オレフィンの共重合体、ノルボルネン系
単量体とエチレンとα−オレフィンの三元共重合体、ノ
ルボルネン系単量体の開環重合体、ノルボルネン系単量
体の開環重合体水素添加物などのノルボルネン系ゴム質
重合体;乳化重合または溶液重合したスチレン・ブタジ
エン・ゴム、ハイスチレンゴムなどのランダムまたはブ
ロック・スチレン・ブタジエン系共重合体、これらの水
素添加物;スチレン・ブタジエン・スチレン・ゴム、ス
チレン・イソプレン・スチレン・ゴム、スチレン・エチ
レン・ブタジエン・スチレン・ゴムなどの芳香族ビニル
系モノマー・共役ジエンのランダム共重合体、これらの
水素添加物;スチレン・ブタジエン・スチレン・ゴム、
スチレン・イソプレン・スチレン・ゴム、スチレン・エ
チレン・ブタジエン・スチレン・ゴムなどの芳香族ビニ
ル系モノマー・共役ジエンの直鎖状または放射状ブロッ
ク共重合体、それらの水素添加物などのスチレン系熱可
塑性エラストマーをはじめ、ウレタン系熱可塑性エラス
トマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、1,2−
ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系
熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー
などの熱可塑性エラストマー;等のものが挙げられる。
【0036】これらの中でも、芳香族ビニル系モノマー
と共役ジエン系モノマーの共重合体、およびその水素添
加物が、脂環式構造含有熱可塑性樹脂との分散性が良
く、好ましい。芳香族ビニル系モノマーと共役ジエン系
モノマーの共重合体は、ブロック共重合体でもランダム
共重合体でもよい。耐熱性の点から、芳香環以外の部分
を水素添加しているものがより好ましい。具体的には、
スチレン・ブタジエンブロック共重合体、スチレン・ブ
タジエン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・イ
ソプレン・ブロック共重合体、スチレン・イソプレン・
スチレン・ブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・
ランダム共重合体、及びこれらの水素添加物などが挙げ
られる。
【0037】また、その他のポリマーとしては、例え
ば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度
ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポ
リエチレン、ポリプロピレン、シンジオタクチックポリ
プロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、エチレン−エ
チルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重
合体などのポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル;
ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド;ポリカー
ボネート、ポリイミド、エポキシ樹脂などのその他の樹
脂;などが挙げられる。その他の配合剤としては、フィ
ラー、難燃剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、レベリング
剤、滑剤などが挙げられる。また、本発明の接着性樹脂
組成物の使用時に架橋構造を導入する必要がある場合に
は、脂環式構造含有重合体の各極性基に適した硬化剤、
硬化促進剤、硬化助剤などを適宜配合してもよい。
【0038】使用形態 本発明の接着性樹脂組成物の使用形態は、使用目的に応
じて適宜選択されればよいが、回路基板や電子部品など
の微細凹凸面の接着に用いる場合は、ワニスやシートの
形状で用いるのが好適である。本発明のワニスは、前記
接着性樹脂組成物を有機溶媒に溶解または分散させて調
製される。有機溶媒としては、成分を溶解または分散さ
せるものであれば格別な限定はないが、例えば、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;
n−ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水
素;シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;クロロベン
ゼン、ジクロルベンゼン、トリクロルベンゼンなどのハ
ロゲン化炭化水素;メチルエチルケトン、2−ペンタノ
ン、シクロヘキサノン等のケトン類;エーテル類;アル
コール類;等が挙げられる。これらの有機溶媒は、それ
ぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いるこ
とができる。有機溶媒の使用量は、脂環式構造含有重合
体及び低分子量化合物、必要に応じて含有されるその他
の成分を、均一に溶解ないしは分散するに足りる量比で
あればよいが、通常、固形分濃度が1〜80重量%、好
ましくは5〜60重量%、より好ましくは10〜50重
量%になる範囲で用いられる。
【0039】本発明のシートは、前記接着性樹脂組成物
をシート状に成形して得ることができる。シートの成形
方法としては、常法に従えばよく、例えば、上記本発明
のワニスを鏡面処理した金属板や樹脂製のキャリアフィ
ルム等の平滑面に塗布した後溶媒を乾燥させる方法、あ
るいは、前記本発明の接着性樹脂組成物をTダイから溶
融押出する方法などが選択される。本発明のシートの厚
みは、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常1〜
1.000μm、好ましくは5〜500μm、より好ま
しくは10〜100μmの範囲であるときに、接着性と
長期信頼性が高度にバランスされ、好適である。
【0040】接着方法 本発明の接着性樹脂組成物、ワニス、及びシートは、接
着性に優れ、かつ長期信頼性にも優れるので、多機種の
接着用途に使用できる。被着体同士を接着する方法とし
ては、例えば、(1)本発明のワニスを一方の被着体に
塗布した後、溶剤を乾燥させて接着性樹脂層を形成し、
次いで、該接着性樹脂層に他方の被着体を加熱圧着させ
る方法、(2)一方の被着体上に本発明のシートを積層
し、その上に他方の被着体を設置した後に、加熱圧着さ
せる方法などが挙げられる。
【0041】被着体としては、格別限定されるものでは
ないが、被着体が表面に微細な凹凸面を有する配線基板
や電子部品などであるときに、本発明の改良効果が顕著
に表れて好適である。表面に微細凹凸面を有する配線基
板や電子部品等としては、例えば、有機材料や無機材料
の基板上に金属導体の配線や電極などが形成されている
配線基板(例えば、多層配線基板、高密度実装基板、フ
レキシブルプリント基板などのプリント配線板、シリコ
ンウェハ基板、セラミック基板)、中央演算処理装置
(CPU)、半導体メモリ(DRAM)などのICチッ
プや、LSIチップなどの半導体素子、ボールグリッド
アレイ(BGA)、チップサイズパッケージ(CSP)
などの半導体パッケージなどが挙げられる。本発明の接
着性樹脂組成物は、エレクトロニクス実装技術におい
て、接着性樹脂材料として使用することができる。本発
明の接着性樹脂組成物は、例えば、電子部品の回路基板
への接着・接合、電子部品の封止や絶縁、基板間の接
続、層間絶縁膜、電子部品の搬送などの分野に好適に適
用することができる。
【0042】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明
についてより具体的に説明する。なお、実施例及び比較
例中の[部]及び[%]は、特に断りのない限り、それ
ぞれ重量基準である。物性の測定法及び評価法は、以下
の通りである。 (1)ガラス転移温度は、DSC法により測定した。 (2)分子量は、特に記載しない限り、クロロホルムを
溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ
ー(GPC)によるポリスチレン換算値として測定し
た。 (3)主鎖の水素添加率及びポリマーの変性率は、それ
ぞれ1H−NMRにより測定した。 (4)1MHzにおける誘電率及び誘電正接は、JIS
C6481に準じて測定した。
【0043】(5)接着強度は、接着性樹脂組成物を短
冊状の厚さ0.8mmのガラスエポキシ基板(FR−
4)とシリコンウェハにて挟み込み、200℃の熱プレ
スで圧着した。接着面積は、10×10mmである。こ
のサンプルの剪断強度を引張試験機によって測定し、接
着強度として。接着力は、以下の基準で評価した。 ◎:50kgf/cm2超過、 ○:20kgf/cm2超過、50kgf/cm2以下、 △:10kgf/cm2超過、20kgf/cm2以下、 ×:10kgf/cm2未満。 (6)耐熱性 接着性樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)を測定し、
以下の基準で耐熱性を評価した。 ◎:125℃超過、 ○:115℃超過、125℃以下、 △:105℃超過、115℃以下、 ×:105℃以下。
【0044】(7)温度サイクル試験(TCT)は、前
述のガラスエポキシ基板に接着性樹脂組成物を介して半
導体チップを加熱圧着してサンプルを調整した後、「−
30℃(15分間)→室温(5分間)→130℃(15
分間)→室温(5分間)」の温度サイクルを1サイクル
とし、これを繰り返すことで温度衝撃を加え、不良発生
(剥離)の有無を調べ、以下の基準で評価した。 ◎:500回以上不良の発生が観察されないもの、 ○:300以上500回未満で不良が観察されたもの、 △:100以上300回未満で不良が観察されたもの、 ×:100回未満で不良が観察されたもの。 (8)高温高湿試験は、前記と同様にして調製したサン
プルを用いて、湿度100%、110℃の環境下に一定
時間(HR)放置し、不良発生(剥離)の有無を調べ、
以下の基準で評価した。 ◎:250HR以上不良の発生が観察されないもの、 ○:150HR以上250HR未満で不良の発生が観察
されたもの、 △:100HR以上150HR未満で不良の発生が観察
されたもの、 ×:100HR未満で不良の発生が観察されたもの。
【0045】[合成例1]六塩化タングステン、トリイ
ソブチルアルミニウム、イソブチルアルコールからなる
重合触媒系を用い、公知の方法により8−エチルテトラ
シクロ[4.4.12,5.17,10.0]−3−ドデセン
(以下、ETDと略す)を重合した後、得られた開環重
合体をニッケルアセチルアセトナートとトリイソブチル
アルミニウムからなる水素添加触媒を用いて公知の方法
により水素化反応を行い、開環重合体水素添加重合体を
得た。得られた重合体100部に対して、無水マレイン
酸8部、ジクミルペルオキシド4部、tert−ブチル
ベンゼン300部を混合し、オートクレーブ中にて13
5℃、4時間反応を行った後、反応液を上記と同様にし
て凝固、乾燥し、無水マレイン酸変性ポリマー(A)を
得た。物性を表1に示した。
【0046】[合成例2]無水マレイン酸8部を2部
に、ジクミルペルオキシド4部を1部に、それぞれ変え
たこと以外は、合成例1と同様にして無水マレイン酸変
性ポリマーを得た。得られた重合体100部に対して、
イソプロピルアルコール3部を添加し135℃で1時間
分解反応を行い、マレイン酸ハーフエステル変性ポリマ
ー(B)を得た。物性を表1に示した。
【0047】[合成例3]無水マレイン酸をアリルアル
コールに代えたこと以外は、合成例1と同様にしてアリ
ルアルコール変性ポリマー(C)得た。物性を表1に示
した。
【0048】「合成例4」無水マレイン酸8部をアリル
グリシジルエーテル10部に代えたこと以外は、合成例
1と同様にして、エポキシ変性ポリマー(D)を得た。
物性を表1に示した。
【0049】[合成例5]合成例4と同様にしてエポキ
シ変性ポリマーを合成し、得られた重合体100部に対
してアンモニア3部を添加して135℃で1時間分解反
応を行い、アルコール変性ポリマー(E)を得た。物性
を表1に示した。
【0050】[合成例6]テトラシクロ[4.4.1
2,5.17,10.0]−3−ドデセン(以下、TCDと略
す)とエチレンを公知の方法により付加共重合して得た
付加共重合体(TCD/エチレン=38/62モル%)
を用いたこと以外は、合成例2と同様にしてマレイン酸
ハーフエステル変性ポリマー(F)を得た。それぞれの
物性を表1に示した。
【0051】[合成例7]特開平7−258318号公
報に記載されているLi系リビングアニオン重合触媒
〔n−BuLi/テトラメチレンジアミン(TMED
A:リビングアニオン安定化剤)=1/1(モル比)〕
を用いて1,3−シクロヘキサジエン(C−HD)を重
合して1,4−付加重合体を調製し、次いで、該重合体
を水素添加して水素化重合体を得た。この重合体を用い
たこと以外は、合成例2と同様にしてマレイン酸ハーフ
エステル変性ポリマー(G)を得た。物性を表1に示し
た。
【0052】[合成例8]無水マレイン酸をアクリルア
ミドに代えたこと以外は、合成例1と同様にしてアミド
変性ポリマー(H)得た。物性を表1に示した。
【0053】
【表1】 (脚注) (*1)TCD/エチレン=38/62(モル%) (*2)エポキシ基を分解してアルコール変性としたポ
リマー。
【0054】[実施例1]合成例1で得られたポリマー
(A)100部に対して、表2に示した配合比でフタル
酸ジオクチル(低分子量化合物)を添加し、次いで、樹
脂成分量が30%となるようにキシレンに溶解した。こ
の溶液を用いて、厚さ125μmのポリエチレンテレフ
タレート(PET)フィルム上にドクターブレードによ
って、厚さ200〜300μmに塗工し、160℃で1
時間、窒素中で乾燥させて厚さ50〜70μmのシート
を形成した。得られたシートPETフィルムから剥して
ガラスエポキシ基板上に置き、その上にシリコンを基体
とする半導体部品(125μmピッチ、360ピン)を
載せ、200℃で30秒間加熱、圧着して接着した。こ
のようにして得られたサンプルを用いて、初期の接着力
と耐熱性、温度サイクル試験(TCT)、高温高湿試験
における不良発生の有無を調査した。評価結果を表2に
示したが、このサンプルは、優れた結果を示した。ま
た、接着性樹脂層からの低分子量成分の溶出は、観察さ
れなかった。
【0055】[実施例2〜13]表2に示す低分子量化
合物を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてサンプ
ルを作成し、評価した。結果を表2に示す。なお、これ
らの実施例において、接着性樹脂層からの低分子量成分
の溶出は、観察されなかった。
【0056】[実施例14]実施例2で用いたポリマー
と低分子量化合物のキシレン溶液を、直接ガラスエポキ
シ基板上に塗布し、160℃で1時間、窒素中で乾燥さ
せた。その上にシリコンを基体とする半導体部品(12
5μmピッチ、360ピン)を載せ、実施例1〜13と
同様にして加熱圧着し、各試験を行った。実施例2と同
様に優れた結果を示した。また、接着性樹脂層からの低
分子量成分の溶出は、観察されなかった。
【0057】[実施例15]実施例6で用いたポリマー
と低分子量化合物のキシレン溶液を用いたこと以外は、
実施例14と同様にして各試験を行った。実施例6と同
様に優れた結果を示した。また、接着性樹脂層からの低
分子量成分の溶出は、観察されなかった。
【0058】[実施例16]ポリマー(A)の代わりに
合成例8で得たアクリルアミド変性ポリマー(H)を用
いたこと以外は、実施例1と同様にして各試験を行っ
た。接着力及び耐熱性は優れていたが、温度サイクル試
験(TCT)及び高温高湿試験の結果は、やや不満足な
ものであった。
【0059】[比較例1]フタル酸ジオクチル1代わり
にフタル酸ジメチルを用いたこと以外は、実施例1と同
様にしてサンプルを作成し、評価した。結果を表2に示
す。接着力の低下が著しく、耐熱性も不満足で、しかも
接着性樹脂層からの低分子量成分の溶出が観察され、信
頼性が低下しているのが確認された。
【0060】[比較例2]フタル酸ジオクチル10部の
代わりにトリエチルホスフェートを用いたこと以外は、
実施例1と同様にしてサンプルを作成し、評価した。結
果を表2に示す。諸物性の低下が著しく、しかも接着性
樹脂層からの低分子量成分の溶出が観察され、信頼性が
低下しているのが確認された。
【0061】[比較例3]フタル酸ジオクチル10部の
代わりに三井ハイワックス4052E(三井石油化学
製、分子量3,200、酸価20KOHmg/g)を用
いたこと以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作成
し、評価した。結果を表2に示す。耐熱性以外の諸物性
の低下が著しく、信頼性が低下しているのが確認され
た。
【0062】
【表2】 (脚注) (*1)AO−23:旭電化工業社製
【0063】
【化1】 (R=C12〜C14のアルキル基、Mw=約900) (*2)552A:旭電化工業社製
【0064】
【化2】
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、脂環式構造含有重合体
を基材とする、接着性、耐熱性、耐湿性、低吸水性、誘
電特性、長期信頼性に優れた接着性樹脂組成物が提供さ
れる。本発明の接着性樹脂組成物は、配線回路や電子部
品など微細な凹凸面に対する接着性が良好で、しかも、
温度サイクル試験及び高温高湿試験による評価基準を満
足することができる。また、本発明の接着性樹脂組成物
は、エレクトロニクス実装において、リペア性に優れて
いる。本発明の接着性樹脂組成物は、例えば、電子部品
の回路基板への接着・接合、電子部品の封止や絶縁、基
板間の接続、層間絶縁膜、電子部品の搬送などの分野
に、特に好適に適用することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数平均分子量5,000以上の脂環式構
    造含有重合体と分子量300〜3,000の低分子量化
    合物とを含有する接着性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 脂環式構造含有重合体100重量部に対
    して、低分子量化合物1〜50重量部を含有する請求項
    1記載の接着性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 脂環式構造含有重合体が、極性基を有す
    るものである請求項1または2記載の接着性樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 極性基が、エポキシ基、カルボニルオキ
    シカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ア
    ミノ基、またはアミド基である請求項3記載の接着性樹
    脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    接着性樹脂組成物を有機溶媒に溶解または分散させてな
    るワニス。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    接着性樹脂組成物を成形してなるシート。
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