JPH11269266A - 高耐熱性有機微粉末 - Google Patents

高耐熱性有機微粉末

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JPH11269266A
JPH11269266A JP7253298A JP7253298A JPH11269266A JP H11269266 A JPH11269266 A JP H11269266A JP 7253298 A JP7253298 A JP 7253298A JP 7253298 A JP7253298 A JP 7253298A JP H11269266 A JPH11269266 A JP H11269266A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
highly heat
resistant organic
nonwoven fabric
obtd
Prior art date
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Pending
Application number
JP7253298A
Other languages
English (en)
Inventor
Takaharu Ichiyanagi
隆治 一柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Filing date
Publication date
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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 従来にない高耐熱性の有機物の微粉末を提供
する。 【解決手段】 500℃の空気中での1時間後の残留重
量保持率が30%以上である高耐熱性有機微粉末。この
粉末は例えば次の方法により得られる。ポリベンゾオキ
サゾール繊維を、カードを通してウェブを得た後、ニー
ドルパンチング法により不織布を得る。この不織布をド
ーナツ状とし、ロールにドーナツ状の不織布を多数嵌合
させる。次いで、この不織布をロールの両側からプレス
して硬い状態に仕上げる。次にこれを旋盤機にかけて回
転させながらバイトでフエルト表面を削り粉末を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高耐熱性の有機系素
材に関するものである。特に、高耐熱性と高難燃性、高
強度、高弾性率、高耐摩耗性などの機械的性質に優れ、
且つ硬さが柔らかく、電気絶縁性である高耐熱性有機微
粉末に関するものであり、単独あるいは複合材として成
形加工され用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】近年は省エネ化や生産性向上のため、例
えば粉末から成形された電気絶縁部品、ガスケット部
品、各種摺動部品等で、350℃以上の高温領域で長時
間使用でき、耐摩耗性に優れ、相手材を傷付けない高耐
熱性の材料が求められている。既存の有機材料の高耐熱
の粉末としてはポリベンズイミダゾール(PBI)やポ
リイミド等がある。しかし、ポリベンズイミダゾール
(PBI)の分解点は約450℃、ポリイミドの分解点
は約500℃であり、これらを350℃以上の高温領域
で連続的に使用することは困難である。一方、350℃
以上の高温領域で使用できる耐熱用の粉末素材として
は、カーボン、アスベスト、ガラス、アルミナ、シリコ
ンカーバイド等の無機材料や、各種の金属の粉末があ
る。しかし、これらの粉末は硬いため、他の材料と強い
力で接触した場合相手材を傷つけることがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を改良し、特に350℃以上の温度領域で連続的に使用
可能な高耐熱性有機微粉末を提供することを目的とする
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は500℃の空気
中での1時間加熱後の残留重量保持率が30%以上であ
ることを特徴とする高耐熱性有機粉末であって、粉末の
平均長さが400μm以下あるいはBET法による比表
面積が1m2 /g以上である粉末を提供するものであ
る。上記の耐熱有機粉末はポリベンザゾールが望まし
く、特にポリベンゾオキサゾール(PBO)が望まし
い。また、この粉末はポリベンザゾール繊維から製造さ
れたものが好適である、特にポリベンゾオキサゾール
(PBO)繊維が望ましい。ここで粉末の長さとは粉末
のあるゆる方向の寸法のうちで最も長い寸法を意味す
る。
【0005】ポリベンザゾール繊維とは、ポリベンザゾ
ールポリマーよりなる繊維をいい、ポリベンザゾール
(PBZ)とは、ポリベンゾオキサゾール(PBO)ホ
モポリマー、ポリベンゾチアゾール(PBT)ホモポリ
マー及びそれらPBO,PBTのランダム、シーケンシ
ャルあるいはブロック共重合ポリマーをいう。ここでポ
リベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール及びそれ
らのランダム、シーケンシャルあるいはブロック共重合
ポリマーは、例えばWolfe らの「Liquid Crystalline P
olymer Compositions,Process and Products」米国特許
第4,703,103 号(1987 年10月27日)、「Liquid Crystal
line Polymer Compositions,Process andProducts」米
国特許第 4,533,692号(1985 年8月6日),「Liquid Cry
stalline Poly(2,6-Benzothiazole) Compositions,Proc
ess and Products」米国特許第 4,533,724号(1985 年8
月6日),「Liquid Crystalline Polymer Compositions,
Process and Products 」米国特許第 4,533,693号(198
5 年8月6日), Eversの「Thermoxdatively Stable Art
iculated p-Benzobisoxazole and p-Benzobisthiazole
Polymers」米国特許第 4,359,567号(1982 年11月16日),
Tsai らの「Method for Making Heterocyclic Block C
opolymer」米国特許第 4,578,432号(1986 年3月25日)
等に記載されている。PBZポリマーに含まれる構造単
位としては、好ましくはライオトロピック液晶ポリマー
から選択される。モノマー単位は構造式(a)〜(h) に記
載されているモノマー単位からなり、さらに好ましく
は、本質的に構造式 (a)〜(c) から選択されたモノマー
単位からなる。
【0006】
【化1】
【0007】
【化2】
【0008】PBZポリマーのドープを形成するための
好適な溶媒としては、クレゾールやそのポリマーを溶解
し得る非酸化性の酸が含まれる。好適な酸溶媒の例とし
ては、ポリリン酸、メタンスルフォン酸および高濃度の
硫酸あるいはそれらの混合物が挙げられる。更に適する
溶媒はポリリン酸及びメタンスルフォン酸である。また
最も適する溶媒はポリリン酸である。
【0009】溶媒中のポリマー濃度は好ましくは少なく
とも約7重量%パーセント以上であり、より好ましくは
少なくとも約10重量%以上、更により好ましくは少な
くとも約14重量%以上である。最大ポリマー濃度は、
例えばポリマーの溶解性やドープ粘度といった実際上の
取り扱い性により限定される。それらの限界要因のため
に、ポリマー濃度は通常では20重量%を越えることは
ない。
【0010】好適なポリマーやコポリマーあるいはドー
プは次のような公知の手法で合成される。例えばWolfe
らの米国特許第4,533,693 号(1985 年8月6日)、Sybe
rtらの米国特許第4,772,678 号(1988 年9月20日)、
Harrisの米国特許第4,847,350号(1989 年7月11日)
に記載される方法で合成される。PBZポリマーはGreg
ory らの米国特許第5,089,591 号(1992 年2月18日)
によると、脱水性の酸溶媒中、非酸化性雰囲気下での比
較的高温、高剪断条件下において高い反応速度での高分
子量化が可能である。
【0011】このようにして重合されるドープは凝固液
と接触させる際に、高剪断力がドープに作用するように
して凝固させることにより微粉末重合体を製造すること
ができる。例えばドープを水、アルコールなどのPBZ
ポリマーの非溶媒中に高剪断力を与えて分散、凝固せし
めて微粉末化する方法がある。また、例えば米国特許第
5294390号(1994年5月15日)などに記載
された乾湿式紡糸方法で製造される繊維を用いても微粉
末を製造することができる。
【0012】次に繊維を用いて微粉末にする方法につい
て説明する。平均繊維径12μm(単糸1.5デニール)
で所定の平均繊維長を有するポリベンゾオキサゾール繊
維を、カードを通してウエブを得た後、ニードルパンチ
ング法により所定の厚みと密度を有する不織布を得る。
次にこの不織布を所定の寸法のドーナツ状に加工し、所
定の寸法のロールにドーナツ状の不織布を多数枚嵌合さ
せる。この方法によって不織布を構成する繊維が金属ロ
ールの法線方向に揃うようになる。次に、この不織布を
ロールの両側からプレスし密度0.5g/cc以上の硬
い状態に仕上げる。なお、この際硬く仕上げるために樹
脂で固めてもよい。次に、これを旋盤機にかけ回転させ
ながらバイトでフエルト表面を削り、400 μm以下の粉
末を得る。ロールに不織布を配置する方法は本方法以外
によってももちろん可能で、要は不織布を構成する繊維
が金属ロールの法線方向に揃うようにすることが重要で
ある。これによって繊維軸方向に対してバイトが直角方
向に当たるようになり、細かい粉末が得られる。この方
法の利点は、該繊維や製造時に発生する屑を有効利用で
きることであり、今後の地球環境を守る観点からも重要
な技術である。
【0013】上記の得られた粉末の形状は繊維が割れ
て、細かいフィブリルを有しているものもあり、やや嵩
高い粉末が得られるが、得られた粉末は、所定のサイズ
を有する金網を通して分級することが可能である。
【0014】本発明の粉末は圧縮成形して航空宇宙、O
A機器、電気機器等の部材として幅広く使用することが
できる。また、ホットプレスによるシンタリング成形も
可能であり、良好な耐熱部材が得られる。更に、フェノ
ール樹脂などの耐熱難燃樹脂を含浸加工して使用するこ
とももちろん可能であるし、他の耐熱粉末を混合するこ
とも可能である。なお、粉末のサイズが400μm以上
であると、成形加工品の表面肌荒れが大きく良好なもの
が得られない。
【0015】〔実施例〕次に本発明の実施例を説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 実施例1 平均繊維径12μm(単糸1.5デニール)、平均繊維
長44mmのポリベンゾオキサゾール繊維を、カードを
通してウエブを得た後、ニードルパンチング法により厚
み3mm,密度0.35g/ccの不織布を得た。次に
この不織布を所定の寸法のドーナツ状に加工し、所定の
寸法のロールにドーナツ状の不織布を多数枚嵌合させ
た。次に、この不織布をロールの両側からプレスし密度
0.65g/ccの硬い状態に仕上げた。次に、これを旋
盤機にかけ回転させながらバイトでフエルト表面を削
り、粉末を得た。光学顕微鏡で粉末のサイズを測定した
結果、3〜500μmの細かい粉末であった。この粉末
を500℃の空気中での1時間加熱後の残留重量保持率
を測定したところ、62%であった。また、上記の3〜
500μmの粉末を篩にかけ、それぞれ100μm以
下、101〜400μm、401μm以上の3種類の粉
末に分級した。分級後の各粉末から成形品をホットプレ
スで作製したところ、401μm以上の粉末から作製し
た成形品は肌荒れが大きく表面の平滑性が良くなかっ
た。101〜400μmに分級した粉末から作製した成
形品を空気中500℃のオーブン中で加熱したところ1
時間後の重量保持率が78%であり、350℃以上の高
温領域で長時間使用でるものであった。、
【0016】比較例1 平均繊維径12μm(単糸1.5デニール), フィラメ
ント数3000, 総デニール4500のポリベンゾオキ
サゾール繊維のストランドをギロチン式のカッターで切
断して粉末を得た。得られた粉末の最低の長さは450
μmで、これ以下の長さの粉末を得ることは困難であっ
た。
【0017】
【発明の効果】本発明は350℃の空気中で長時間使用
することができる高耐熱性の有機微粉末であり、本発明
の微粉末を圧縮成形などによって成形することにより、
従来にない高耐熱性の成形物を提供することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 500℃の空気中での1時間加熱後の残
    留重量保持率が30%以上であることを特徴とする高耐
    熱性有機微粉末。
  2. 【請求項2】 粉末の平均長さが400μm以下である
    請求項1記載の高耐熱性有機微粉末。
  3. 【請求項3】 粉末のBET法による比表面積が1m2
    /g以上である請求項1記載の高耐熱性有機微粉末。
  4. 【請求項4】 粉末がポリベンザゾールであることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高耐熱性有機
    微粉末。
JP7253298A 1998-03-20 1998-03-20 高耐熱性有機微粉末 Pending JPH11269266A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007262158A (ja) * 2006-03-27 2007-10-11 Osaka Prefecture ポリオキサゾール又はその前駆体の微粒子及びその製造方法
WO2023021987A1 (ja) * 2021-08-20 2023-02-23 東洋紡株式会社 ポリベンゾオキサゾール粉末およびその製造方法

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