JPH11269116A - ジエリスリトールヒドロキシ脂肪族エーテル及び非イオン性界面活性剤、洗浄剤ならびに皮膚外用剤 - Google Patents

ジエリスリトールヒドロキシ脂肪族エーテル及び非イオン性界面活性剤、洗浄剤ならびに皮膚外用剤

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JPH11269116A
JPH11269116A JP10089390A JP8939098A JPH11269116A JP H11269116 A JPH11269116 A JP H11269116A JP 10089390 A JP10089390 A JP 10089390A JP 8939098 A JP8939098 A JP 8939098A JP H11269116 A JPH11269116 A JP H11269116A
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dierythritol
ether
skin
acid
erythritol
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JP10089390A
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Reiji Miyahara
令二 宮原
Tomiyuki Nanba
富幸 難波
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Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は皮膚及び毛髪に対して低刺激で、酸
化安定性が非常に優れた非イオン性界面活性剤と洗浄剤
ならびに皮膚外用剤を提供することを目的とする。 【解決手段】 下記一般式(I): 【化1】 (ただし、式中Rは炭素数8〜22の飽和または不飽和
の炭化水素基を表す。)で表されるジエリスリトールヒ
ドロキシ脂肪族エーテルおよびそれを配合することを特
徴とする洗浄剤ならびに皮膚外用剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非イオン性界面活性
剤、特にそれを配合した洗浄剤及び皮膚外用剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、非イオン性界面活性剤、ことにチ
ッソ原子を構成元素に含まない非イオン性界面活性剤が
皮膚外用剤の成分として多量に使用されている。前記チ
ッソ原子を構成元素に含まない非イオン性界面活性剤の
代表例として、オキシエチレン基、オキシプロピレン基
などの低分子量オキシアルキレン基をポリオキシアルキ
レン基として含有するものやグリセリン、ペンタエリス
リトール、ソルビタン、ソルビット、ショ糖、マルチト
ール等の多価アルコール型化合物の高級脂肪酸部分エス
テルやヒドロキシ脂肪族エーテル等が挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】低分子量オキシアルキ
レン基を含有する非イオン系界面活性剤にはHLB域を
広範囲かつ任意に調製しうるという利点がある反面、一
般に経時的に分解して刺激性等のある低分子量アルデヒ
ドを比較的発生しやすく、まれに皮膚に対する刺激性を
生じる場合もある。
【0004】また、たとえば、現在広く使用されている
糖長鎖脂肪酸部分エステルであるソルビタン部分エステ
ルの様な多価アルコール型化合物の高級脂肪酸部分エス
テルタイプの非イオン系界面活性剤を皮膚外用剤の成分
として用いた場合、エステル結合が分解しやすく、経日
安定性に問題が生じやすい。
【0005】さらに最近、特に化粧品業界では界面活性
剤の品質が一定で、その機能が明確であることが求めら
れるため、できるだけ純粋に近いものを求める傾向があ
り、この観点からすれば、種々のポリオール類の混合物
から製造した非イオン系界面活性剤などは好ましくはな
い。
【0006】多価アルコール型化合物のヒドロキシ脂肪
族エーテルについては、前記の様な欠点はないが、HL
Bは10〜15程度と比較的その幅がせまかった。本発
明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、皮
膚及び毛髪に対して低刺激で、酸化安定性が非常に優れ
た非イオン性界面活性剤、洗浄剤及び皮膚外用剤を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる事
情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、ジエリスリトールヒド
ロキシ脂肪族エーテルとそれを必須成分として配合する
ことを特徴とする洗浄剤及び皮膚外用剤が皮膚及び毛髪
に対して低刺激で、酸化安定性が非常に優れていること
を見い出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】すなわち、本発明にかかるジエリスリトー
ルヒドロキシ脂肪族エーテルは下記一般式(I):
【化2】 (ただし、式中Rは炭素数8〜22の飽和または不飽和
の炭化水素基を表す。)で表されることを特徴とする。
また、本発明の前記ジエリスリトールヒドロキシ脂肪族
エーテルのHLBは10〜20であることを特徴とす
る。また、本発明の非イオン性界面活性剤は前記ジエリ
スリトールヒドロキシ脂肪族エーテルであることを特徴
とする。また、本発明の洗浄剤は、前記ジエリスリトー
ルヒドロキシ脂肪族エーテルを配合することを特徴とす
る。また、本発明の皮膚外用剤は、前記ジエリスリトー
ルヒドロキシ脂肪族エーテルを配合することを特徴とす
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のジエリスリトールヒドロキシ脂肪族エーテル
は、下記一般式(I):
【化3】 (ただし、式中Rは炭素数8〜22の飽和または不飽和
の炭化水素基を表す)で示される化合物である。前記R
の具体例としては、例えばオクチル基、ラウリル基、パ
ルミチル基、ステアリル基、2−エチルヘキシル基、イ
ソステアリル基、カプリル基等やオレイルアルコール残
基、パルミトオレイル基、エイコセニル基等が挙げられ
る。
【0010】前記の様な本発明のジエリスリトールヒド
ロキシ脂肪族エーテルは、脂肪族基の種類により性状が
異なるが、通常強粘性の液体または固体で、例えば、洗
浄性、分散性、乳化性、可溶化性、感触を改良する性質
等の機能があるため、各種医薬品や化粧料成分として好
適に使用され得る。その上分解してアルデヒドを生成し
やすいオキシアルキレン基やポリオキシアルキレン基、
さらには加水分解しやすいエステル結合が含有されてい
ないため、化学的安定性に優れたものである。
【0011】前記の様な本発明のジエリスリトールヒド
ロキシ脂肪族エーテルは、例えば、エリスリトールをジ
メチルスルホキシドやジメチルホルムアミド等の非水系
溶媒に溶解させるかまたは、エリスリトールの融点以上
で溶解し、これに一般式(II):
【化4】 (式中、Rは炭素数8〜22の飽和または不飽和の炭化
水素基を表す。)で示される化合物を添加して触媒の存
在下で反応させる方法等により製造し得る。一般式(I
I)で示される化合物は単独で用いても良く、2種以上
併用しても良い。
【0012】この反応に使用されるエリスリトールと一
般式(II)で示される化合物のモル比は1.5:1〜
3.0:1の様な比率でエリスリトールを過剰にするの
が好ましく、さらに2.0:1付近であるのが最も好ま
しい。
【0013】前記非水系溶媒としてはエリスリトールを
溶解するものであって、実質的にエリスリトールや一般
式(II)で示される化合物と反応しないものであれば
良く、沸点は反応温度以上であるのが望ましい。この様
な溶媒の具体例としては、例えば、ジメチルスルホキシ
ド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N
−メチルピロリドン、N−アセチルモルホリン、N−メ
チルコハク酸イミド等が挙げられる。
【0014】反応時のエリスリトールの濃度には特に限
定はないが、反応温度で溶解していることが好ましく、
反応温度がエリスリトールの融点以上であれば、溶媒な
しでも反応は進行する。また、この際、エリスリトール
2分子の縮合が起こり、ジエリスリトールが生成する。
【0015】また、前記触媒としては一般にエポキシ基
の反応触媒として知られている酸、アルカリ、アミンな
どを用い得るが、例えばN−メチルベンジルアミンの様
な3級アミン、ナトリウムメチラート、水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等が挙げられ、
さらに好ましいものとしては、円滑な反応促進と反応終
了時の除去の点から、テトラエチルアンモニウムハイド
ロオキシド、トリメチルベンジルアンモニウムハイドロ
オキシド等のテトラ低級アルキルベンジルアンモニウム
ハイドロオキシド等が挙げられる。
【0016】触媒の使用量は、使用する一般式(II)
で示される化合物に対して、0.1〜40重量%である
のが最も好ましい。反応温度としては50〜150℃が
好ましく、さらに80〜130℃が好ましい。反応温度
が50℃未満になると反応速度が遅い。
【0017】なお、溶媒を用いる場合には、水分を含ん
だまま反応させると一般式(II)で示される化合物が
アルカンジオールとなって消費されるので、加熱して乾
燥窒素ガスを吹き込んだり、減圧下で加熱脱水したりし
て水を除去してから反応させるのが好ましい。使用した
一般式(II)で示される化合物が消費されて反応が終
了すれば、触媒の中和剤となる酸またはアルカリ、例え
ば酢酸、硫酸、塩酸、リン酸等を加えて中和した後、反
応溶媒が留去される。この反応溶媒の留去は、反応生成
物の熱分解を避けるため、減圧下、100℃以下で行う
のが好ましい。
【0018】この様にして得られる反応生成物には目的
とするジエリスリトールヒドロキシ脂肪族エーテルのほ
かに、エリスリトール、ジエリスリトール、2個以上の
ヒドロキシ脂肪族エーテル基の結合したジエリスリトー
ルヒドロキシ脂肪族エーテル、エリスリトールヒドロキ
シ脂肪族エーテル等が含有されている。それ故、例え
ば、エリスリトール及び2個以上のヒドロキシ脂肪族エ
ーテル基の結合したジエリスリトールヒドロキシ脂肪族
エーテルは反応生成物をMEK、MIBK、メチルアル
コール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、
等のエリスリトールを実質的に溶解せず、2個以上のヒ
ドロキシ脂肪族エーテル基の結合したジエリスリトール
ヒドロキシ脂肪族エーテルを溶解する抽出溶媒に溶解・
抽出する方法により除去することができる。
【0019】なお、反応溶媒を留去した後の残留物が固
型塊状となって抽出困難な場合は、水または食塩のよう
な塩類を溶解した水と、例えばメチルエチルケトンの様
な溶媒との組み合わせとからなる2層の抽出溶媒系で反
応生成物を処理すると、水層に未反応のエリスリトール
及びジエリスリトールが溶解し、有機層にジエリスリト
ールヒドロキシ脂肪族エーテルの大部分が溶解するの
で、容易に分離することができる。
【0020】上記の様にして得られたジエリスリトール
ヒドロキシ脂肪族エーテルの抽出液は、そのまま界面活
性剤として使用しても良く、抽出溶媒を蒸発・濃縮して
から使用しても良い。さらに他の処理工程の後、例えば
活性炭等による脱色、吸着剤充填カラムによる精密精製
等を行った後に使用してもよい。
【0021】<洗浄剤および皮膚外用剤>また、本発明
のジエリスリトールヒドロキシ脂肪族エーテルを配合し
た洗浄剤および皮膚外用剤は化粧料、医薬品、医薬部外
品等、外皮に適用されるものを指し、従って、その剤型
も水溶液系、可溶化系、乳化系、粉末系、油液系、ゲル
系、軟膏系、水−油2層系、水−油−粉末3層系等、幅
広い形態を取り得る。本発明のジエリスリトールヒドロ
キシ脂肪族エーテルの洗浄剤および皮膚外用剤への配合
量は特に限定しないが、0.1〜10重量%が最も好ま
しい。0.1重量%以下であると非イオン性界面活性剤
としての機能が損なわれ、10重量%を超えるとベタツ
キを生じる。
【0022】本発明の洗浄剤および皮膚外用剤には、上
記必須成分の他に通常、化粧料や医薬品等の洗浄剤およ
び皮膚外用剤に用いられる他の成分、例えば、二酸化チ
タン、マイカ、タルク等の粉末成分、アボガド油、マカ
デミアナッツ油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ
油、月見草油、ヒマシ油、ヒマワリ油、茶実油、コメヌ
カ油、ホホバ油、カカオ脂、ヤシ油、すくワックス練、
スクワラン、牛脂、モクロウ、ミツロウ、キャンデリラ
ロウ、カルナバロウ、鯨ロウ、ラノリン、シリコン油、
流動パラフィン、セレシン、ワセリン、ポリオキシエチ
レン(8モル)オレイルアルコールエーテル、モノオレ
イン酸グリセリル等の油分、カプリルアルコール、ラウ
リルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコ
ール、コレステロール、フィトステロール等の高級アル
コール、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、ラノリン脂肪
酸、リノール酸、リノレン酸等の高級脂肪酸、パラアミ
ノ安息香酸、ホモメンチル−7N−アセチルアラントラ
ニレート、ブチルメトキシベンゾイルメタン、ジ−パラ
メトキシケイヒ酸−モノ−2−エチルヘキサン酸グリセ
リル、アミルサリシレート、オクチルシンナメート、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等の紫外線吸収
剤、ポリエチレングリコール、グリセリン、ソルビトー
ル、キシリトール、マルチトール、ムコ多糖、ヒアルロ
ン酸、コンドロイチン硫酸、キトサン等の保湿剤、メチ
ルセルロース、エチルセルロース、アラビアガム、ポリ
ビニルアルコール、モンモリロナイト、ラポナイト等の
増粘剤、エタノール、1,3−ブチレングリコール等の
有機溶剤、ブチルヒドロキシトルエン、トコフェロー
ル、フィチン酸等の酸化防止剤、安息香酸、サリチル
酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル
(エチルパラベン、ブチルパラベン等)、ヘキサクロロ
フェン等の抗菌防腐剤、グリシン、アラニン、バリン、
ロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チ
ロシン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン、
タウリン、アルギニン、ヒスチジン等のアミノ酸及びこ
れらのアルカリ金属塩と塩酸塩、アシルサルコシン酸
(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム)、グルタ
チオン、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸等の有機
酸、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、
ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノ
エート、ビタミンB2及びその誘導体、ビタミンB12
ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類、アスコ
ルビン酸、アスコルビン酸硫酸エステル(塩)、アスコ
ルビン酸リン酸エステル(塩)、アスコルビン酸ジパル
ミテート等のビタミンC類、α−トコフェロール、β−
トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセ
テート、ビタミンEニコチネート等のビタミンE類、ビ
タミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン等
のビタミン類、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジ
ル、γ−オリザノール、アラントイン、グリチルリチン
酸(塩)、グリチルレチン酸及びその誘導体、ヒノキチ
オール、ムシジン、ビサボロール、ユーカリプトール、
チモール、イノシトール、サポニン類(サイコサポニ
ン、ニンジンサポニン、ヘチマサポニン、ムクロジサポ
ニン等)、パントテニルエチルエーテル、エチニルエス
トラジオール、トラネキサム酸、セファランチン、プラ
センタエキス等の各種薬剤、ギシギシ、クララ、コウホ
ネ、オレンジ、セージ、ノコギリソウ、ゼニアオイ、セ
ンキュウ、センブリ、タイム、トウキ、トウヒ、バー
チ、スギナ、ヘチマ、マロニエ、ユキノシタ、アルニ
カ、ユリ、ヨモギ、シャクヤク、アロエ、クチナシ、サ
ワラ等の有機溶媒、アルコール、多価アルコール、水、
水性アルコール等で抽出した天然エキス、色素、モノラ
ウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、セ
スキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタ
ン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポ
リエチレングリコールモノオレート、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリグリコールジエステル、ラウ
ロイルジエタノールアマイド、脂肪酸イソプロパノール
アマイド、マルチトールヒドロキシ脂肪族エーテル、ア
ルキル化多糖、アルキルグルコシド、シュガーエステル
等の非イオン性界面活性剤、ステアリルトリメチルアン
モニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、ラウリル
アミンオキサイド等のカチオン界面活性剤、パルミチン
酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナ
トリウム、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエ
タノールアミンエーテル、ロート油、リニアドデシルベ
ンゼン硫酸、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油マレイン
酸、アシルメチルタウリン等のアニオン界面活性剤、ヤ
シ油脂肪酸ヒドロキシプロピルベタイン等の両性界面活
性剤、香料、精製水等を配合することができる。また、
本発明の剤型は、任意であり、例えば化粧水等の可溶化
系、乳液、クリーム等の乳化系あるいはファンデーショ
ン、クレンジングフォーム、シャンプー、分散系、軟膏
等の剤型をとることができる。次に本発明のジエリスリ
トールヒドロキシ脂肪族エーテルを実施例に基づき説明
する。
【0023】
【実施例】ジエリスリトールヒドロキシステアリルエー
テルの合成 エリスリトール60.5gとKOH5.6gを水100
mlに溶かし、真空下水を留去し170〜180℃にて
溶融させた。30分後、1,2−エポキシオクタデカン
26.8gとジメチルスルホキシド50mlを加え、さ
らに2時間、2mmHg、170〜180℃で攪拌しな
がらジメチルスルホキシドを留去した。この反応精製物
をダイアイオンHP−20のカラムクロマトグラフィー
に付し、始めイオン交換水で次に50%エタノールで溶
出させた。次に50%エタノール画分を濃縮後、70%
アセトンで再結晶し主生成物20.3gを得た。主生成
物についてIRスペクトル分析、1H−NMRスペクト
ル分析、13C−NMRスペクトル分析を行った。
【0024】(i)IRスペクトル分析 日本分光工業(株)製のFT/IR−5300を用い、K
Br錠剤法により測定したところ、3200〜3500
cm-1、2800〜3000cm-1、1300〜145
0cm-1及び1000〜1200cm-1にそれぞれOH
伸縮振動、長鎖アルキルのCHの伸縮振動、エリスリト
ールとヒドロキシアルキル基とのエーテル結合による吸
収、CO伸縮振動に基づく吸収が観察された。結果を図
1に示す。
【0025】(ii)1H−NMRスペクトル分析 日本電子(株)GX−400を用い、重ジメチルスルホキ
シドをようばいとして、内部標準TMSで測定したとこ
ろ、4.2〜4.6ppm()、3.2〜3.6pp
m()、1.2〜1.4ppm()、0.86pp
m()に、それぞれエリスリトールのOH基に隣接し
たCH基、−O−基に隣接したCH2基、長鎖アルキル
基のCH2基及び長鎖アルキル基の末端メチル基に基づ
くピークそれぞれ観測された。結果を図2に示す。
【0026】(iii)13C−NMRスペクトル分析 日本電子(株)GX−400を用い、重ジメチルスルホキ
シドをようばいとして、内部標準TMSで測定したとこ
ろ、60〜83ppm、22〜34ppm、13.9p
pmにそれぞれエリスリトールとヒドロキシアルキル基
の−O−基に隣接した炭素、長鎖アルキル基のCH2
の炭素、長鎖アルキル基の末端メチル基の炭素に基づく
ピークがそれぞれ観測された。結果を図3に示す。
【0027】表1に示すように、本合成例で得られた試
料を試料No.1とし、ほぼ同様に試料No.2〜7の
ジエリスリトールヒドロキシ脂肪族エーテルを合成し
た。なお、各試料のHLB(IOB×10)も併せて付
す。
【0028】
【表1】 ──────────────────────────────────── 試料 試料名 HLB No. (概算) ──────────────────────────────────── 1 ジエリスリトールヒドロキシステアリルエーテル 12.3 2 ジエリスリトールヒドロキシノニルエーテル 18.8 3 ジエリスリトールヒドロキシデシルエーテル 17.8 4 ジエリスリトールヒドロキシラウリルエーテル 16.0 5 ジエリスリトールヒドロキシミリスチルエーテル 14.5 6 ジエリスリトールヒドロキシパルミチルエーテル 13.3 7 ジエリスリトールヒドロキシ2−エチルヘキシルエーテル 20.6 ────────────────────────────────────
【0029】上記表よりわかるように、本発明のジエリ
スリトールヒドロキシ脂肪族エーテルでは、従来の多価
アルコール型化合物のヒドロキシ脂肪族エーテルのHL
Bが10〜15程度であったのに対し、より広範囲のH
LBを取ることが可能であり、HLBが10〜20のも
のを得ることが可能である。
【0030】加水分解安定性 つぎに、試料No.1〜7の1%水溶液を90℃で5時
間加熱したが、いずれの試料も加水分解はほとんど認め
られなかった。一方、市販のショ糖ラウリン酸エステル
では、表2に示すとおり、同一条件で約20%のエステ
ル基の分解が認められた。また、市販のポリエチレング
リコール(PEG)ラウリン酸エステルでは、表2に示
すとおり、約2%のエステル基の分解が認められた。な
お、加水分解度の測定は、冷却後の水溶液の一定量を取
り、エチルエーテルで抽出し、その抽出物の中和滴定量
から求めた。
【0031】
【表2】 ──────────────────────────── 試料 加水分解性(%) 酸化性 ──────────────────────────── 試料No.1 0.1 − 試料No.2 0.1 − 試料No.3 0.1 − 試料No.4 0.1 − 試料No.5 0.1 − 試料No.6 0.1 − 試料No.7 0.1 − ショ糖ラウリン酸エステル 20.1 − PEGラウリン酸エステル 2.1 + ──────────────────────────── −:陰性 +:陽性
【0032】酸化性 試料No.1〜7を80℃の容器上に100時間放置し
た後、それぞれの試料5gを採取した。その後、水50
0ml及び薄めたリン酸3mlを加えてから蒸留し、留
出量が190mlになった時点で蒸留を止め、水を加え
て200mlとし、これを試験溶液として用いた。この
試験溶液10mlを取り、アセチルアセトン5mlを加
えて振り混ぜ、60℃の水浴中で10分間加熱した。冷
却後、波長420nm付近の極大吸収波長における吸光
度を測定したが、表2に示す様にアルデヒドの存在は認
められなかった。一方、ポリエチレングリコール(PE
G)ラウリン酸エステルを同様に処理して評価すると、
表2に示す様にアルデヒドの存在が認められた。なお、
ショ糖ラウリン酸エステルを同様に処理して評価して
も、表2に示す様にアルデヒドの存在は認められなかっ
た。
【0033】つぎに、ジエリスリトールヒドロキシ脂肪
族エーテルを配合した本発明の洗浄剤の実施例を記載す
る。なお、各種成分の配合量は重量%である。
【0034】 実施例1 シャンプー 重量% (1)エチレングリコール脂肪酸エステル 2.0 (2)ジエリスリトールヒドロキシラウリルエーテル 10.0 (3)ドデシルマルトシド 5.0 (4)ラウリルスルホベタイン 10.0 (5)ラウロイル加水分解シルクペプタイドナトリウム 5.0 (6)プロピレングリコール 2.0 (7)色剤、香料 適 量 (8)精製水 残 余 <製法>常法に準ずる。本発明のシャンプーは気泡性に
優れ、酸化安定性に優れていた。
【0035】 実施例2 ボディーシャンプー 重量% (1)グリセリン 5.0 (2)ラウロイル加水分解小麦タンパク質カリウム塩 5.0 (3)ジエリスリトールヒドロキシ2−エチルヘキシルエーテル 12.0 (4)ショ糖ミリスチン酸エステル 1.0 (5)ラウリルスルホコハク酸ナトリウム 5.0 (6)ヤシ油ジエタノールアマイド 3.0 (7)キレート剤 0.1 (8)色剤、香料 適 量 (9)精製水 残 余 <製法>常法に準ずる。本発明のボディーシャンプーは
気泡性に優れ、酸化安定性に優れていた。
【0036】 実施例3 固型セッケン 重量% (1)牛脂 20.0 (2)ヤシ油 12.0 (3)ヒマシ油 5.0 (4)オリーブ油 3.0 (5)ジエリスリトールヒドロキシステアリルエーテル 5.0 (6)エタノール 20.0 (7)マルチトールヒドロキシヘキサデシルエーテル 4.0 (8)グリセリン 5.0 (9)水酸化ナトリウム 3.7 (10)ショ糖 10.0 (11)シクロヘキシルクアニジン 3.0 (12)EDTA 0.1 (13)香料、色素 適 量 (14)精製水 残 余 <製法>常法に準ずる。本発明の固型セッケンは汚れ落
とし効果に優れ、酸化安定性に優れていた。
【0037】 実施例4 液体セッケン 重量% (1)ラウリン酸 3.0 (2)ミリスチン酸 7.0 (3)パルミチン酸 3.0 (4)オレイン酸 2.5 (5)ラウロイルジエタノールアマイド 6.0 (6)プロピレングリコール 11.0 (7)エリスリトール 4.0 (8)ラウロイル加水分解コラーゲンカリウム 10.0 (9)ショ糖 5.0 (10)ジエリスリトールヒドロキシラウリルエーテル 10.0 (11)EDTA 0.1 (12)p−アミノベンザミジン 1.0 (13)香料 適 量 (14)精製水 残 余 <製法>常法に準ずる。本発明の液体セッケンは汚れ落
とし効果に優れ、酸化安定性に優れていた。
【0038】つぎに、ジエリスリトールヒドロキシ脂肪
族エーテルを配合した本発明の皮膚外用剤の実施例を記
載する。なお、各種成分の配合量は重量%である。
【0039】 実施例5 ローション 重量% (1)エリスリトール 1.0 (2)トラネキサム酸 0.1 (3)プロピレングリコール 1.0 (4)ジエリスリトールヒドロキシステアリルエーテル 3.0 (5)アスコルビン酸マグネシウム 0.01 (6)クエン酸 0.2 (7)95%エタノール 10.0 (8)POE(20)ラウリルエーテル 0.5 (9)香料 適 量 (10)精製水 残 余 <製法>常法に準ずる。本発明のローションは肌荒れ改
善効果に優れ、酸化安定性に優れていた。
【0040】 実施例6 パック 重量% (1)カオリン 68.8 (2)タルク 23.0 (3)プロピレングリコール 4.5 (4)ジエリスリトールヒドロキシオレイルエーテル 2.0 (5)アスコルビン酸ナトリウム 0.1 (6)酢酸カルシウム 0.01 (7)尿素 0.5 (8)グリセリン 0.3 (9)香料 0.39 <製法>常法に準ずる。本発明のパックは汚れ落とし効
果に優れ、酸化安定性に優れていた。
【0041】 実施例7 栄養クリーム 重量% (1)ジエリスリトールヒドロキシパルミチルエーテル 2.0 (2)ステアリルアルコール 7.0 (3)還元ラノリン 2.0 (4)スクワラン 5.0 (5)オクチルドデカノール 6.0 (6)マルチトールヒドロキシラウリルエーテル 3.0 (7)グリセリルモノステアレート 2.0 (8)プロピレングリコール 5.0 (9)防腐剤 適 量 (10)香料 残 余 <製法>常法に準ずる。本発明の栄養クリームは肌荒れ
改善効果に優れ、酸化安定性に優れていた。
【0042】 実施例8 リップトリートメント 重量% (1)キャンデリラロウ 9.0 (2)固形パラフィン 8.0 (3)ミツロウ 5.0 (4)カルナバロウ 5.0 (5)モノ水素添加ロジンジイソステアリン酸グリセリル 11.0 (6)ジエリスリトールヒドロキシノニルエーテル 0.1 (7)グリセリン 17.0 (8)イソプロピルミリステート 15.0 (9)ヒマシ油 残 余 (10)酸化防止剤 適 量 (11)香料 適 量 <製法>常法に準ずる。本発明のリップトリートメント
は肌荒れ改善効果に優れ、酸化安定性に優れていた。
【0043】 実施例9 乳液 重量% (1)ジエリスリトールヒドロキシイソステアリルエーテル 3.0 (2)セタノール 1.0 (3)ワセリン 3.0 (4)ラノリンアルコール 2.0 (5)流動パラフィン 8.0 (6)スクワラン 2.0 (7)グリセリン 10.0 (8)POE(10)モノオレート 2.5 (9)プロピレングリコール 5.0 (10)エリスリトール 10.0 (11)防腐剤 適 量 (12)香料 適 量 (13)精製水 残 余 <製法>常法に準ずる。本発明の乳液は肌荒れ改善効果
に優れ、酸化安定性に優れていた。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のジエリス
リトールヒドロキシ脂肪族エーテルは、皮膚及び毛髪に
対して低刺激で、酸化安定性が非常に優れている非イオ
ン性界面活性剤である。また、本発明の洗浄剤は、上記
ジエリスリトールヒドロキシ脂肪族エーテルを配合する
こととしたので、皮膚及び毛髪に対して低刺激で、酸化
安定性が非常に優れている。また、本発明の皮膚外用剤
は、上記ジエリスリトールヒドロキシ脂肪族エーテルを
配合することとしたので、皮膚及び毛髪に対して低刺激
で、酸化安定性が非常に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるジエリスリトールヒドロキシ脂
肪族エーテルの1例である、合成ジエリスリトールヒド
ロキシステアリルエーテルのIRスペクトルを示したも
のである。
【図2】本発明におけるジエリスリトールヒドロキシ脂
肪族エーテルの1例である、合成ジエリスリトールヒド
ロキシステアリルエーテルの1H−NMRスペクトルを
示したものである。
【図3】本発明におけるジエリスリトールヒドロキシ脂
肪族エーテルの1例である、合成ジエリスリトールヒド
ロキシステアリルエーテルの13C−NMRスペクトルを
示したものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I): 【化1】 (ただし、式中Rは炭素数8〜22の飽和または不飽和
    の炭化水素基を表す。)で表されるジエリスリトールヒ
    ドロキシ脂肪族エーテル。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の化合物において、HL
    Bが10〜20であることを特徴とするジエリスリトー
    ルヒドロキシ脂肪族エーテル。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のジエリスリト
    ールヒドロキシ脂肪族エーテルであることを特徴とする
    非イオン性界面活性剤。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載のジエリスリト
    ールヒドロキシ脂肪族エーテルを配合することを特徴と
    する洗浄剤。
  5. 【請求項5】 請求項1または2に記載のジエリスリト
    ールヒドロキシ脂肪族エーテルを配合することを特徴と
    する皮膚外用剤。
JP10089390A 1998-03-18 1998-03-18 ジエリスリトールヒドロキシ脂肪族エーテル及び非イオン性界面活性剤、洗浄剤ならびに皮膚外用剤 Withdrawn JPH11269116A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002194395A (ja) * 2000-12-22 2002-07-10 Serarika Noda:Kk 洗浄剤
US6838544B2 (en) * 2001-06-06 2005-01-04 Rengo Co., Ltd. Polyol polymers, meso-erythritol polymers and their aliphatic acid esters and aliphatic ethers

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