JPH11268406A - インクジェット記録用紙用耐水性向上剤及びインクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙用耐水性向上剤及びインクジェット記録用紙

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JPH11268406A
JPH11268406A JP10076174A JP7617498A JPH11268406A JP H11268406 A JPH11268406 A JP H11268406A JP 10076174 A JP10076174 A JP 10076174A JP 7617498 A JP7617498 A JP 7617498A JP H11268406 A JPH11268406 A JP H11268406A
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理生 山田
Toshiaki Takahashi
俊章 高橋
Hirotaka Kinoshita
裕貴 木下
Toshio Gensho
俊男 玄正
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コーティングにより、記録用紙上に記録される
画像や文字などの耐水性を向上し、かつインク滲みを減
少することができるインクジェット記録用紙用耐水性向
上剤及びインクジェット記録用紙を提供する。 【解決手段】(A)ポリイソシアネート化合物、(B)ポリ
オール化合物及び(C)2〜10個のヒドロキシル基及び
/又はアミノ基を有する第3級アミン化合物を、(ヒド
ロキシル基及びアミノ基)/(イソシアネート基)の当量
比0.5以上1.0未満の割合で反応させて得られるポリ
ウレタンのイソシアネート基に、(D)1〜4個のヒドロ
キシル基若しくはアミノ基を有する第3級アミン化合物
又は(E)2個以上のアミノ基を有するアミン化合物を反
応させて得られるポリウレタンの第3級アミン構造を中
和又は4級化して得られるカチオン性ポリウレタン樹脂
を含有するインクジェット記録用紙用耐水性向上剤、並
びに、該耐水性向上剤をコーティングしてなるインクジ
ェット記録用紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用紙用耐水性向上剤及びインクジェット記録用紙に関
する。さらに詳しくは、本発明は、パルプ繊維に混合し
てスラリーとして抄造し、あるいは、普通紙や塗工紙に
含浸又はコーティングすることにより、記録用紙上に記
録される画像や文字などの耐水性を向上し、かつインク
滲みを減少することができるインクジェット記録用紙用
耐水性向上剤及び該耐水性向上剤をコーティングしてな
るインクジェット記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット方式のプリンターは、ノ
ズルからインクをジェット状に噴射して印字するプリン
ターである。インクジェット記録は、印字が静かで、現
像定着などの工程がなく、記録装置が簡単で、普通紙や
塗工紙を使用することができ、しかも、カラー化が容易
で、自由に画像や文字図形の記録ができるという特徴を
有しており、今日急激な成長が見られ、その将来性が注
目されている。しかし、インクジェット記録用紙として
普通紙を用いた場合には、記録後の水の付着により染料
が滲み出るなどの問題が生じるので、一般には耐水性向
上剤が使用される。耐水性向上剤としては、例えば、ジ
シアンジアミド縮合物、ポリアミン、ポリエチレンイミ
ンなどのカチオン性樹脂が提案されているが、耐水性の
不足、色調の変色、白紙部分の黄変、インク滲みなどの
問題が生じており、耐水性が良好で、色調の変色や白紙
部の黄変がなく、インク滲みのないインクジェット記録
用紙用耐水性向上剤及びインクジェット記録用紙が求め
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、普通紙や塗
工紙にコーティングすることにより、記録用紙上に記録
される画像や文字などの耐水性を向上し、かつインク滲
みを減少することができるインクジェット記録用紙用耐
水性向上剤及びインクジェット記録用紙を提供すること
を目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、(A)2個以上の
イソシアネート基を有する有機イソシアネート化合物、
(B)活性水素原子を2個以上有するポリオール化合物及
び(C)2〜10個のヒドロキシル基及び/又はアミノ基
を有する第3級アミン化合物を、(ヒドロキシル基及び
アミノ基)/(イソシアネート基)の当量比0.5以上1.
0未満の割合で反応させて得られるポリウレタン分子の
イソシアネート基に、(D)1〜4個のヒドロキシル基若
しくはアミノ基を有する第3級アミン化合物又は(E)2
個以上のアミノ基を有するアミン化合物を反応させて得
られるポリウレタン分子の第3級アミン構造の中和又は
4級化により得られるカチオン性ポリウレタン樹脂をコ
ーティングした記録用紙は、インクジェットプリンター
により記録された印字の耐水性が良好で、かつインク滲
みも生じないことを見いだし、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。すなわち、本発明は、(1)
(A)2個以上のイソシアネート基を有する有機イソシ
アネート化合物、(B)イソシアネート基と反応しうる
活性水素原子を2個以上有するポリオール化合物及び
(C)2〜10個のヒドロキシル基及び/又はアミノ基
を有する第3級アミン化合物を、(ヒドロキシル基及び
アミノ基)/(イソシアネート基)の当量比0.5以上
1.0未満の割合で反応させて得られるポリウレタン分
子のイソシアネート基に、(D)1〜4個のヒドロキシ
ル基若しくはアミノ基を有する第3級アミン化合物又は
(E)2個以上のアミノ基を有するアミン化合物を反応
させて得られるポリウレタン分子の第3級アミン構造の
中和又は4級化により得られるカチオン性ポリウレタン
樹脂を含有することを特徴とするインクジェット記録用
紙用耐水性向上剤、及び、(2)第(1)項記載のインク
ジェット記録用紙用耐水性向上剤をコーティングしてな
ることを特徴とするインクジェット記録用紙、を提供す
るものである。さらに、本発明の好ましい態様として、
(3)(A)成分の有機イソシアネート化合物と(B)成分
のポリオール化合物を反応させたのち、得られた反応生
成物と(C)成分の第3級アミン化合物を反応する第(1)
項記載のインクジェット記録用紙用耐水性向上剤、
(4)(A)成分の有機イソシアネート化合物が有するイ
ソシアネート基と、(B)成分のポリオール化合物が有す
るヒドロキシル基の当量比、(ヒドロキシル基)/(イ
ソシアネート基)が0.05〜0.20である第(1)項記
載のインクジェット記録用紙用耐水性向上剤、及び、
(5)(A)成分の有機イソシアネート化合物が有するイ
ソシアネート基と、(C)成分の第3級アミン化合物が有
するヒドロキシル基及びアミノ基の当量比、(ヒドロキ
シル基及びアミノ基)/(イソシアネート基)が0.50〜
0.80である第(1)項記載のインクジェット記録用紙
用耐水性向上剤、を挙げることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット記録用紙
用耐水性向上剤は、(A)2個以上のイソシアネート基を
有する有機イソシアネート化合物、(B)イソシアネート
基と反応しうる活性水素原子を2個以上有するポリオー
ル化合物及び(C)2〜10個のヒドロキシル基及び/又
はアミノ基を有する第3級アミン化合物を、(ヒドロキ
シル基及びアミノ基)/(イソシアネート基)の当量比0.
5以上1.0未満の割合で反応させて得られるポリウレ
タン分子のイソシアネート基に、(D)1〜4個のヒドロ
キシル基若しくはアミノ基を有する第3級アミン化合物
又は(E)2個以上のアミノ基を有するアミン化合物を反
応させて得られるポリウレタン分子の第3級アミン構造
の中和又は4級化により得られるカチオン性ポリウレタ
ン樹脂を含有するものである。本発明において(A)成分
として使用する2個以上のイソシアネート基を有する有
機イソシアネート化合物には特に制限はなく、例えば、
2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジ
イソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p
−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、2,4'−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、2,2'−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、3,3'−ジメチル−4,4'−ビフェニレンジイソ
シアネート、3,3'−ジクロロ−4,4'−ビフェニレン
ジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネー
ト、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネー
ト、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、
トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−
シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘ
キシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水素添
加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘ
キシルメタンジイソシアネートなどを挙げることができ
る。これらの有機イソシアネート化合物は、1種を単独
で使用することができ、あるいは2種以上を組み合わせ
て使用することもできる。これらの有機イソシアネート
化合物の中で、ヘキサメチレンジイソシアネート及びキ
シリレンジイソシアネートを特に好適に使用することが
できる。
【0006】本発明において(B)成分として使用するイ
ソシアネート基と反応しうる活性水素原子を2個以上有
するポリオール化合物には特に制限はなく、例えば、ポ
リエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリ
カーボネートポリオール、ポリアセタールポリオール、
ポリアクリレートポリオール、ポリエステルアミドポリ
オール、ポリチオエーテルポリオールなどを挙げること
ができる。ポリエステルポリオールとしては、例えば、
エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチ
レングリコール、テトラメチレングリコール、1,5−
ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール、分子量が300〜1,
000であるポリエチレングリコール、ジプロピレング
リコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシ
エトキシベンゼン、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、ビスフェノールA、ビスフェノールS、水素添加ビ
スフェノールA、ハイドロキノン、又は、これらの化合
物のアルキレンオキサイド付加体などのジオール成分
と、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、ス
ベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボ
ン酸、ドデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン
酸、マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジ
カルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、
1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジ
カルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタ
ル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビスフェノキ
シエタン−p,p'−ジカルボン酸、又は、これらのジカ
ルボン酸の無水物若しくはエステル形成性誘導体などの
ジカルボン酸成分とから、縮合反応によって得られるポ
リエステル類、ε−カプロラクトンなどの環状エステル
化合物の開環重合反応によって得られるポリエステル
類、これらの共重合ポリエステル類などを挙げることが
できる。
【0007】ポリエーテルポリオールとしては、例え
ば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチ
レングリコール、1,3−ブタンジオール、テトラメチ
レングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリ
ン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
ソルビトール、しょ糖、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールS、水素添加ビスフェノールA、アコニット酸、ト
リメリット酸、ヘミメリット酸、燐酸、エチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、トリイソプロパノールアミ
ン、ピロガロール、ジヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシ
フタール酸、1,2,3−プロパントリチオールなどの活
性水素を2個以上有する化合物に、エチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチ
レンオキサイド、エピクロロヒドリン、テトラヒドロフ
ランなどのモノマーの1種又は2種以上を付加重合した
化合物などを挙げることができる。ポリカーボネートポ
リオールとしては、例えば、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコールなど
のグリコールとジフェニルカーボネート又はホスゲンと
の反応によって得られる化合物などを挙げることができ
る。本発明において、(B)成分のポリオール化合物は、
1種を単独で用いることができ、あるいは2種以上を組
み合わせて用いることもできる。上記のポリオール化合
物の中で、ポリプロピレングリコール、アジピン酸とジ
エチレングリコールの縮合物、ポリヘキサメチレンカー
ボネートグリコール、ビスフェノールAのプロピレンオ
キサイド付加物及びポリテトラメチレングリコールを好
適に使用することができる。
【0008】本発明において(C)成分として使用する2
〜10個のヒドロキシル基及び/又はアミノ基を有する
第3級アミン化合物としては、一般式[1]で表される
化合物などを挙げることができる。
【化1】 一般式[1]において、X及びYは−O−又は−NH−
であり、R1は炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜
4のヒドロキシアルキル基又はアミノアルキル基であ
り、R2及びR3は炭素数1〜4のアルキレン基であり、
nは1〜8である。XとYは同一であっても異なってい
てもよく、R2とR3は同一であっても異なっていてもよ
い。また、nが2〜8の場合、複数のR1はすべて同一
であっても異なるものが混在していてもよく、複数のR
3はすべて同一であっても異なるものが混在していても
よい。一般式[1]において、X及びYが−O−であ
り、R1がアルキル基であるジオール化合物としては、
例えばN−メチルジメチロールアミン、N−エチルジメ
チロールアミン、N−ブチルジメチロールアミン、N−
メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールア
ミン、N−ブチルジエタノールアミン、N−メチルジプ
ロパノールアミン、N−エチルジプロパノールアミン、
N−ブチルジプロパノールアミン、N,N'−ジメチル−
N,N'−ジヒドロキシエチルエチレンジアミン、N,N'
−ジエチル−N,N'−ジヒドロキシエチルエチレンジア
ミン、N,N'−ジブチル−N,N'−ジヒドロキシエチル
エチレンジアミン、N,N'−ジメチル−N,N'−ジヒド
ロキシエチルプロピレンジアミン、N,N'−ジエチル−
N,N'−ジヒドロキシエチルプロピレンジアミン、N,
N'−ジブチル−N,N'−ジヒドロキシエチルプロピレ
ンジアミン、N,N',N''−トリメチル−N,N''−ジヒ
ドロキシエチルジエチレントリアミン、N,N',N''−
トリエチル−N,N''−ジヒドロキシエチルジエチレン
トリアミン、N,N',N''−トリブチル−N,N''−ジヒ
ドロキシエチルジエチレントリアミン、N,N',N''−
トリメチル−N,N''−ジヒドロキシエチルジプロピレ
ントリアミン、N,N',N''−トリエチル−N,N''−ジ
ヒドロキシエチルジプロピレントリアミン、N,N',
N''−トリブチル−N,N''−ジヒドロキシエチルジプ
ロピレントリアミン、3,6,9,12−テトラメチル−
3,6,9,12−テトラアザテトラデカン−1,14−ジ
オール、3,6,9,12−テトラエチル−3,6,9,12
−テトラアザテトラデカン−1,14−ジオール、3,
6,9,12−テトラブチル−3,6,9,12−テトラア
ザテトラデカン−1,14−ジオール、3,6,9,12,
15−ペンタメチル−3,6,9,12,15−ペンタアザ
ヘプタデカン−1,17−ジオール、3,6,9,12,1
5−ペンタエチル−3,6,9,12,15−ペンタアザヘ
プタデカン−1,17−ジオール、3,6,9,12,15
−ペンタブチル−3,6,9,12,15−ペンタアザヘプ
タデカン−1,17−ジオールなどを挙げることができ
る。
【0009】一般式[1]において、X及びYが−NH
−であり、R1がアルキル基であるジアミン化合物とし
ては、例えば、メチルイミノビスエチルアミン、エチル
イミノビスエチルアミン、ブチルイミノビスエチルアミ
ン、メチルイミノビスプロピルアミン、ブチルイミノビ
スプロピルアミンなどを挙げることができる。一般式
[1]において、X及びYが−O−であり、R1がヒド
ロキシアルキル基であり、nが1であるトリオール化合
物としては、例えば、トリエタノールアミン、トリプロ
パノールアミンなどを挙げることができる。一般式
[1]において、X及びYが−NH−であり、R1がア
ミノアルキル基であり、nが1であるトリアミン化合物
としては、例えばトリ(2−アミノエチル)アミン、トリ
(2−アミノプロピル)アミンなどを挙げることができ
る。本発明において、2〜10個のヒドロキシル基及び
/又はアミノ基を有する第3級アミン化合物としては、
さらに、エチレンジアミン、プロピレンジアミンなどの
アミノ基を有する化合物に、エチレンオキサイド、プロ
ピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキ
サイド、エピクロロヒドリン、テトラヒドロフランなど
を付加した化合物などを挙げることができる。本発明に
おいて、(C)成分として用いる2〜10個のヒドロキシ
ル基及び/又はアミノ基を有する第3級アミン化合物
は、1種を単独で用いることができ、あるいは2種以上
を組み合わせて用いることもできる。上記の第3級アミ
ン化合物の中で、N−メチルジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、エチレンジアミンのプロピレンオキ
サイド付加物、メチルイミノビスプロピルアミン及びト
リ(2−アミノエチル)アミンを好適に使用することがで
きる。
【0010】本発明において、(A)成分の有機イソシア
ネート化合物、(B)成分のポリオール化合物及び(C)成
分の第3級アミン化合物を反応させる方法には特に制限
はなく、例えば、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を同
時に反応させることができ、(A)成分と(B)成分を反応
させたのち(C)成分を反応させることができ、あるい
は、(A)成分と(C)成分を反応させたのち(B)成分を反
応させることもできる。これらの方法の中で、(A)成分
の有機イソシアネート化合物と(B)成分のポリオール化
合物を反応させたのち(C)成分の第3級アミン化合物を
反応させる方法が好ましい。(A)成分と(B)成分を反応
させたのち(C)成分を反応させることにより、反応の再
現性を高めてロット間のばらつきを減少し、安定した品
質を有するインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を得
ることができる。本発明のインクジェット記録用紙用耐
水性向上剤においては、(A)成分の有機イソシアネート
化合物、(B)成分のポリオール化合物及び(C)成分の第
3級アミン化合物を、(ヒドロキシル基及びアミノ基)/
(イソシアネート基)の当量比0.5以上1.0未満の割
合、より好ましくは0.6〜0.9の割合、さらに好まし
くは0.7〜0.8の割合で反応させて、ポリウレタンを
合成する。(ヒドロキシル基及びアミノ基)/(イソシア
ネート基)の当量比が0.5未満であると、反応に関与し
ないイソシアネート基が多くなり、水に不溶性の白色粉
末状化合物を生じ、(ヒドロキシル基及びアミノ基)/
(イソシアネート基)の当量比が1.0以上であると、イ
ソシアネート基が消費し尽くされ、(D)成分の1〜4個
のヒドロキシル基若しくはアミノ基を有する第3級アミ
ン化合物又は(E)成分の2個以上のアミノ基を有するア
ミン化合物を反応させることが不可能となり、いずれの
場合も得られるインクジェット記録用紙用耐水性向上剤
の耐水性向上効果が十分に発現しないおそれがある。本
発明において、(A)成分の有機イソシアネート化合物が
有するイソシアネート基と、(B)成分のポリオール化合
物が有するヒドロキシル基は、(ヒドロキシル基)/(イ
ソシアネート基)の当量比が0.05〜0.20であるこ
とが好ましく、0.10〜0.15であることがより好ま
しい。本発明において、(A)成分の有機イソシアネート
化合物が有するイソシアネート基と、(C)成分の第3級
アミン化合物が有するヒドロキシル基及び/又はアミノ
基は、(ヒドロキシル基及びアミノ基)/(イソシアネー
ト基)の当量比が0.50〜0.80であることが好まし
く、0.60〜0.70であることがより好ましい。
【0011】本発明においては、(A)成分の有機イソシ
アネート化合物、(B)成分のポリオール化合物及び(C)
成分の第3級アミン化合物との反応に際して、反応促進
剤として、錫系触媒又はアミン系触媒を用いることがで
きる。このような錫系触媒には特に制限はなく、例え
ば、ジブチルスズジラウレート、スタナスオクトエート
などを挙げることができる。アミン系触媒には特に制限
はなく、例えば、トリエチレンジアミン、トリエチルア
ミン、テトラメチルプロパンジアミン、テトラメチルブ
タンジアミン、N−メチルモルホリンなどを挙げること
ができる。本発明において、(A)成分の有機イソシアネ
ート化合物、(B)成分のポリオール化合物及び(C)成分
の第3級アミン化合物との反応は、無溶剤下に行うこと
ができ、あるいは、反応系の反応抑制やベース粘度コン
トロールなどを目的として、イソシアネート基の反応に
直接関与しない有機溶剤の存在下に行うこともできる。
反応に関与しない有機溶剤としては、例えば、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ
イソブチルケトンなどのケトン類、蟻酸メチル、蟻酸エ
チル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチ
ル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチルなどの有
機酸エステル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メ
チルピロリドンなどの窒素化合物系溶剤などを挙げるこ
とができる。
【0012】本発明において(D)成分として使用する1
〜4個のヒドロキシル基又はアミノ基を有する第3級ア
ミン化合物には特に制限はなく、例えば、2−ジメチル
アミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、3
−ジメチルアミノプロパノール、3−ジエチルアミノプ
ロパノール、ジメチルアミノエトキシプロピルアルコー
ル、N−メチル−3−ヒドロキシピペリジン、N−エチ
ル−3−ヒドロキシピペリジン、N−メチル−4−ヒド
ロキシピペリジン、N−メチル−3−ピペリジンメタノ
ールなどの1個のヒドロキシル基を有する第3級アミ
ン、2−ジメチルアミノエチルアミン、2−ジエチルア
ミノエチルアミン、3−ジメチルアミノプロピルアミ
ン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミ
ノエトキシプロピルアミン、N−アミノメチルピペリジ
ン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノプロピル
ピペリジンなどの1個のアミノ基を有する第3級アミ
ン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタ
ノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N−メ
チルジプロパノールアミン、N−エチルジプロパノール
アミン、N−ブチルジプロパノールアミン、N,N'−ジ
メチル−N,N'−ジヒドロキシエチルエチレンジアミ
ン、N,N'−ジエチル−N,N'−ジヒドロキシエチルエ
チレンジアミン、N,N'−ジブチル−N,N'−ジヒドロ
キシエチルエチレンジアミン、N,N'−ジメチル−N,
N'−ジヒドロキシエチルプロピレンジアミン、N,N'
−ジエチル−N,N'−ジヒドロキシエチルプロピレンジ
アミン、N,N'−ジブチル−N,N'−ジヒドロキシエチ
ルプロピレンジアミンなどの2個のヒドロキシル基を有
する第3級アミン、メチルイミノビスエチルアミン、エ
チルイミノビスエチルアミン、ブチルイミノビスエチル
アミン、メチルイミノビスプロピルアミン、ブチルイミ
ノビスプロピルアミンなどの2個のアミノ基を有する第
3級アミン、トリエタノールアミン、トリプロパノール
アミンなどの3個のヒドロキシル基を有する第3級アミ
ン、トリ(2−アミノエチル)アミン、トリ(2−アミノ
プロピル)アミンなどの3個のアミノ基を有する第3級
アミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミンなどの
アミノ基を有する化合物に、エチレンオキサイド、プロ
ピレンオキサイドなどを付加して得られる4個のヒドロ
キシル基を有する第3級アミンなどを挙げることができ
る。これらの第3級アミン化合物は、1種を単独で用い
ることができ、あるいは2種以上を組み合わせて用いる
こともできる。これらの中で、ジメチルアミノエタノー
ル、ジメチルアミノエチルアミン、N−メチルジエタノ
ールアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、トリエ
タノールアミン及びエチレンジアミンのプロピレンオキ
サイド付加物を好適に使用することができる。本発明に
おいて(E)成分として使用する2個以上のアミノ基を有
するアミン化合物には特に制限はなく、例えば、エチレ
ンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミ
ノプロパン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテト
ラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピ
ルアミン、p−フェニレンジアミンなどを挙げることが
できる。これらのアミン化合物は、1種を単独で用いる
ことができ、あるいは2種以上を組み合わせて用いるこ
ともできる。これらの中で、ジエチレントリアミンを好
適に使用することができる。
【0013】本発明において、(A)成分の有機イソシア
ネート化合物、(B)成分のポリオール化合物及び(C)成
分の第3級アミン化合物を反応させて得られるポリウレ
タン分子のイソシアネート基に、(D)1〜4個のヒドロ
キシル基若しくはアミノ基を有する第3級アミン化合物
又は(E)2個以上のアミノ基を有するアミン化合物を反
応させる方法には特に制限はなく、イソシアネート基を
有するポリウレタンを含む反応混合物に、(D)成分の第
3級アミン化合物又は(E)成分のアミン化合物を添加
し、混合、加熱することにより、未反応で残存するイソ
シアネート基とヒドロキシル基又はアミノ基を反応する
ことができる。本発明においては、(A)成分の有機イソ
シアネート化合物、(B)成分のポリオール化合物及び
(C)成分の第3級アミン化合物を反応し、さらに(D)成
分の第3級アミン化合物又は(E)成分のアミン化合物を
反応することにより得られたポリウレタン分子の第3級
アミン構造を酸により中和し、あるいは、4級化剤によ
り4級化する。中和に用いる酸には特に制限はなく、例
えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、リンゴ
酸、クエン酸などの有機酸や、塩酸、硫酸、硝酸、リン
酸、フッ酸などの無機酸を挙げることができる。これら
の酸は、1種を単独で用いることができ、あるいは2種
以上を組み合わせて用いることもできる。これらの酸の
中で、酢酸を特に好適に使用することができる。本発明
において、ポリウレタン分子の有する第3級アミン構造
はその全部を中和することができ、あるいは、その一部
の中和にとどめることもできる。4級化に用いる4級化
剤には特に制限はなく、例えば、エチレンオキサイド、
プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレン
オキサイド、エピクロロヒドリンなどのオキシラン化合
物、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、パラトルエンスルホ
ン酸メチルなどのエステル化合物、メチルクロライド、
エチルクロライド、ベンジルクロライド、メチルブロマ
イド、エチルブロマイドなどのハロゲン化物などを挙げ
ることができる。これらの4級化剤は、1種を単独で用
いることができ、あるいは2種以上を組み合わせて用い
ることもできる。これらの4級化剤の中で、ジエチル硫
酸を特に好適に使用することができる。本発明におい
て、ポリウレタン分子の有する第3級アミン構造はその
全部を4級化することができ、あるいは、その一部の4
級化にとどめることもできる。本発明において、第3級
アミン構造の中和又は4級化を終了したポリウレタン分
子に、なお未反応のイソシアネート基が残存する場合
は、イソシアネート基を水と反応することによりアミノ
基に変換することが好ましい。イソシアネート基と水と
の反応条件には特に制限はなく、例えば、イソシアネー
ト基が残存するポリウレタンを過剰量の水に溶解又は分
散し、常温〜60℃、より好ましくは30〜50℃にお
いて、0.5〜5時間、より好ましくは1〜3時間反応
することにより、イソシアネート基を分解してアミノ基
に変換することができる。イソシアネート基をアミノ基
に変換することにより、インクジェット記録用紙用耐水
性向上剤の安定性を向上することができる。
【0014】本発明のインクジェット記録用紙用耐水性
向上剤の形態には特に制限はなく、例えば、第3級アミ
ン構造の中和又は4級化を行い、さらに必要に応じて未
反応のイソシアネート基を水と反応して分解したカチオ
ン性ポリウレタン樹脂を、水系媒体に溶解又は分散した
形態とすることができる。使用する水系媒体には特に制
限はなく、例えば、水に極性有機溶剤を添加した媒体な
どとすることができる。添加する極性有機溶剤には特に
制限はなく、例えば、メチルアルコール、エチルアルコ
ール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、
n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−
ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアル
コール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノ
ニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコ
ール、ドデシルアルコールなどのアルコール、フェノー
ル、クレゾールなどのフェノール類、3−メチル−3−
メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブチル
アセテート、エチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリ
コールモノブチルエーテル、エチレングリコールエチル
エーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチル
エーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、
ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコー
ルジブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチ
ルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエー
テル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ト
リプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリ
コールエーテル、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、1,3−ブタンジオール、ヘキシレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールな
どのグリコールなどを挙げることができる。水系媒体に
極性有機溶剤を含有せしめることにより、インクジェッ
ト記録用紙用耐水性向上剤の安定性を向上することがで
きる。
【0015】本発明のインクジェット記録用紙用耐水性
向上剤には、必要に応じて、公知のバインダー、無機顔
料、有機顔料などを配合することができる。バインダー
としては、例えば、酸化デンプン、ポリビニルアルコー
ルなどを挙げることができる。また、無機顔料として
は、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウ
ム、カオリン(白土)、タルク、硫酸カルシウム、硫酸
バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜
鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、
珪酸カルシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、ア
ルミナ、リトポンなどを挙げることができる。有機顔料
としては、例えば、スチレン系プラスチックピグメン
ト、アクリル系プラスチックピグメント、尿素樹脂顔料
などを挙げることができる。本発明のインクジェット記
録用紙用耐水性向上剤の使用方法には特に制限はなく、
例えば、紙料の調成時に混合チェストにおいてリファイ
ニングを終了したパルプに対して、填料、薬品、染料な
どとともにインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を添
加し、抄紙することができる。使用するパルプ繊維は、
通常用いられる木材パルプを主体とするが、他に合成パ
ルプ、合成繊維、ガラス繊維などの繊維状物質を併用す
ることもできる。また、本発明のインクジェット記録用
紙用耐水性向上剤を含有する処理浴を調製し、普通紙や
塗工紙を含浸させたのち、普通紙や塗工紙の表裏部の余
分な含浸液をサイズプレスなどにより取り除き、乾燥す
ることができる。さらに、本発明のインクジェット記録
用紙用耐水性向上剤を、普通紙や塗工紙にコーティング
することもできる。これらの方法の中で、インクジェッ
ト記録用紙用耐水性向上剤をコーティングする方法は、
工程管理が容易であり、多品種少量生産にも対応するこ
とができ、カチオン性ポリウレタン樹脂を紙の表層部分
のみに存在させて有効に活用することができるので、特
に好適に実施することができる。本発明のインクジェッ
ト記録用紙用耐水性向上剤をコーティングする場合、そ
の塗工量はカチオン性ポリウレタン樹脂として0.1〜
10.0g/m2であることが好ましく、0.2〜5.0g
/m2であることがより好ましい。本発明のインクジェ
ット記録用紙用耐水性向上剤をコーティングする方法に
は特に制限はなく、例えば、エアナイフコーター、ロー
ルコーター、ブレードコーター、バーコーター、ブラシ
コーター、チャンプレックスコーター、グラビアコータ
ーなどにより普通紙や塗工紙にコーティングし、乾燥す
ることができる。
【0016】本発明のインクジェット記録用紙用耐水性
向上剤の使用に際しては、染色媒染剤、消泡剤、分散
剤、増粘剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤、水溶性樹
脂、接着剤などを併用することができる。染色媒染剤と
しては、例えば、ジシアンジアミド縮合物、ポリアミ
ン、ポリエチレンイミンなどを挙げることができる。ま
た、水溶性樹脂及び接着剤としては、例えば、酸化デン
プン、エーテル化デンプン、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導
体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコ
ール及びその誘導体、無水マレイン酸樹脂、スチレン−
ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエ
ン共重合体などの共役ジエン系重合体ラッテクス、アク
リル酸エステル、メタクリル酸エステルの重合体又は共
重合体などのアクリル系重合体ラッテクス、エチレン−
酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラッテクス、
メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化性樹脂の水性接着
剤、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂などの熱可
塑性樹脂などを挙げることができる。なお、普通紙と
は、一般に使用される酸性紙又は中性紙であり、塗工紙
とは、バインダー、無機顔料、有機顔料などを塗工した
コーティング紙である。本発明のインクジェット記録用
紙用耐水性向上剤で処理したインクジェット記録用紙に
水性インクで記録すると、水性インク中の染料とインク
ジェット記録用紙中のカチオン性ポリウレタン樹脂が結
合し、染料の溶出が防止され、耐水性が向上するものと
考えられる。使用する水性インクは、染料としてアニオ
ン性直接染料又は酸性染料を含有し、その他に湿潤剤、
染料溶解剤、防腐剤などを含有するものであることが好
ましい。
【0017】水性インクに使用されるアニオン性直接染
料としては、例えば、C.I.Direct Black
2、4、9、11、14、17、19、22、27、3
2、36、38、41、48、49、51、56、6
2、71、74、75、77、78、80、105、1
06、107、108、112、113、117、13
2、146、154、194、C.I.Direct Y
ellow 1、2、4、8、11、12、24、2
5、26、27、28、33、34、39、41、4
2、44、48、50、51、58、72、85、8
6、87、88、98、100、110、C.I.Dir
ect Orange 3、8、10、26、29、3
9、41、49、51、102、C.I.Direct
Red 1、2、4、8、9、11、13、17、1
8、20、23、24、28、31、33、37、3
9、44、46、47、48、51、59、62、6
3、73、75、77、80、81、83、84、8
5、90、94、99、101、108、110、14
5、189、197、220、224、225、22
6、227、230、C.I.Direct Viole
t 1、7、9、12、35、48、51、90、9
4、C.I.Direct Blue 1、2、6、8、1
5、22、25、34、69、70、71、72、7
5、76、78、80、81、82、83、86、9
0、98、106、108、110、120、123、
158、163、165、192、193、194、1
95、196、199、200、201、202、20
3、207、218、236、237、239、24
6、258、C.I.Direct Green 1、6、
8、28、33、37、63、64、C.I.Direc
t Brown 1、2、6、25、27、44、58、
95、100、101、106、112、173、19
4、195、209、210、211などを挙げること
ができる。
【0018】また、酸性染料としては、例えば、C.I.
Acid Black 1、2、7、15、17、24、
26、28、31、41、48、52、60、63、9
4、107、109、112、118、119、12
1、122、131、155、156、C.I.Acid
Yellow 1、3、4、7、11、12、13、1
4、17、18、19、23、25、29、34、3
6、38、40、41、42、44、49、53、5
5、59、61、71、72、76、78、99、11
1、114、116、122、135、161、17
2、C.I.Acid Orange 7、8、10、3
3、56、64、C.I.Acid Red 1、4、6、
8、13、14、15、18、19、21、26、2
7、30、32、34、35、37、40、42、5
1、52、54、57、80、82、83、85、8
7、88、89、92、94、97、106、108、
110、115、119、129、131、133、1
34、135、154、155、172、176、18
0、184、186、187、249、254、25
6、317、318、C.I.Acid Violet
7、11、15、34、35、41、43、49、7
5、C.I.Acid Blue 1、7、9、22、2
3、25、27、29、40、41、43、45、4
9、51、53、55、56、59、62、78、8
0、81、83、90、92、93、102、104、
111、113、117、120、124、126、1
45、167、171、175、183、229、23
4、236、C.I.Acid Green 3、12、1
9、27、41、C.I.Acid Brown 4、14
などを挙げることができる。
【0019】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例及び比較例におい
て、インクジェット記録用紙用耐水性向上剤の評価は下
記の方法により行った。 (1)インクジェット記録用紙の作製 インクジェット記録用紙用耐水性向上剤を水で希釈して
不揮発分2.6重量%の水溶液とし、JIS P 310
1に規定される坪量64g/m2の印刷用紙Aに 、バー
コーターを用いて19.2g/m2塗工し乾燥することに
より、カチオン性ポリウレタン樹脂0.5g/m2でコー
ティングされたインクジェット記録用紙を作製する。 (2)耐水性の評価 インクジェット記録用紙に、インクジェットプリンター
[エプソン(株)、MJ−700V2C]を用いて、黒色
(Black)、シアン(Cyan)、マゼンタ(Ma
genta)及び黄色(Yellow)の各単色をベタ
印刷し、1時間放置したのち流水に5分間浸漬し、印字
部分の変化を目視で観察して、下記の基準により評価す
る。 ○:印字部分が、水で流されたり、滲んだりしない。 △:印字部分が、やや滲む。 ×:印字部分が、明らかに水で流され、滲む。 (3)インク滲み防止性の評価 インクジェット記録用紙に、インクジェットプリンター
[エプソン(株)、MJ−700V2C]を用いて、黒色
単色をドット印字し、倍率50倍のルーペを用いてドッ
ト部分を観察し、下記の基準により評価する。 ○:滲みがない。 △:やや滲みがある。 ×:明らかに滲みがある。 実施例1 窒素置換した4つ口フラスコに、ポリプロピレングリコ
ール(平均分子量1,000)93.5重量部、N,N−
ジメチルホルムアミド20.0重量部及びヘキサメチレ
ンジイソシアネート125.6重量部を仕込み、80℃
で3時間反応させた。反応混合物を50℃以下に冷却し
たのち、N−メチルジエタノールアミン55.6重量部
を添加し、70℃で2時間反応させた。次に、反応混合
物を20℃以下に冷却したのち、予めジエチレントリア
ミン38.5重量部を99%酢酸44.9重量部で部分中
和したアミン塩水溶液を添加し、70℃で1時間、未反
応のイソシアネート基と反応させてポリウレタンを得
た。得られたポリウレタンに、99重量%酢酸28.0
重量部及び水593.9重量部を添加して均一に溶解さ
せ、31.3重量%カチオン性ポリウレタン樹脂水溶液
からなるインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を得
た。このインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を用い
てインクジェット記録用紙を作製し、耐水性とインク滲
み防止性の評価を行った。黒色、シアン、マゼンタ及び
黄色のいずれの単色についても、印字部分が、水で流さ
れたり、滲んだりすることはなかった。また、黒色単色
をドット印字したドット部分には、滲みは認められなか
った。
【0020】実施例2 窒素置換した4つ口フラスコに、ポリプロピレングリコ
ール(平均分子量1,000)88.4重量部、N,N−
ジメチルホルムアミド20.0重量部及びヘキサメチレ
ンジイソシアネート118.8重量部を仕込み、80℃
で3時間反応させた。反応混合物を50℃以下に冷却し
たのち、N−メチルジエタノールアミン52.6重量部
を添加し、70℃で2時間反応させた。次に、2−ジメ
チルアミノエタノール31.5重量部を添加し、70℃
で1時間、未反応のイソシアネート基と反応させてポリ
ウレタンを得た。得られたポリウレタンに、99%酢酸
48.2重量部及び水640.5重量部を添加して均一に
溶解させ、29.1重量%カチオン性ポリウレタン樹脂
水溶液からなるインクジェット記録用紙用耐水性向上剤
を得た。このインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を
用いてインクジェット記録用紙を作製し、耐水性とイン
ク滲み防止性の評価を行った。黒色、シアン、マゼンタ
及び黄色のいずれの単色についても、印字部分が、水で
流されたり、滲んだりすることはなかった。また、黒色
単色をドット印字したドット部分には、滲みは認められ
なかった。 実施例3 窒素置換した4つ口フラスコに、ポリプロピレングリコ
ール(平均分子量1,000)85.5重量部、N,N−
ジメチルホルムアミド20.0重量部及びヘキサメチレ
ンジイソシアネート114.8重量部を仕込み、80℃
で3時間反応させた。反応混合物を50℃以下に冷却し
たのち、N−メチルジエタノールアミン50.8重量部
を添加し、70℃で2時間反応させた。次に、N−メチ
ルジエタノールアミン40.6重量部を添加し、70℃
で1時間、未反応のイソシアネート基と反応させてポリ
ウレタンを得た。得られたポリウレタンに99%酢酸4
6.6重量部及び水641.7重量部を添加して均一に溶
解させ、29.2重量%カチオン性ポリウレタン樹脂水
溶液からなるインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を
得た。このインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を用
いてインクジェット記録用紙を作製し、耐水性とインク
滲み防止性の評価を行った。黒色、シアン、マゼンタ及
び黄色のいずれの単色についても、印字部分が、水で流
されたり、滲んだりすることはなかった。また、黒色単
色をドット印字したドット部分には、滲みは認められな
かった。 実施例4 窒素置換した4つ口フラスコに、ポリプロピレングリコ
ール(平均分子量1,000)82.6重量部、N,N−
ジメチルホルムアミド20.0重量部及びヘキサメチレ
ンジイソシアネート111.0重量部を仕込み、80℃
で3時間反応させた。反応混合物を50℃以下に冷却し
たのち、N−メチルジエタノールアミンを49.1重量
部を添加し、70℃で2時間反応させた。次に、トリエ
タノールアミン49.2重量部を添加し、70℃で1.5
時間、未反応のイソシアネート基と反応させてポリウレ
タンを得た。得られたポリウレタンに99%重量酢酸4
5.0重量部及び水643.1重量部を添加して均一に溶
解させ、29.2重量%カチオン性ポリウレタン樹脂水
溶液からなるインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を
得た。このインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を用
いてインクジェット記録用紙を作製し、耐水性とインク
滲み防止性の評価を行った。黒色、シアン、マゼンタ及
び黄色のいずれの単色についても、印字部分が、水で流
されたり、滲んだりすることはなかった。また、黒色単
色をドット印字したドット部分には、滲みは認められな
かった。
【0021】実施例5 窒素置換した4つ口フラスコに、ポリプロピレングリコ
ール(平均分子量1,000)88.5重量部、N,N−
ジメチルホルムアミド20.0重量部及びヘキサメチレ
ンジイソシアネート119.0重量部を仕込み、80℃
で3時間反応させた。反応混合物を50℃以下に冷却し
たのち、N−メチルジエタノールアミン52.7重量部
を添加し、70℃で2時間反応させた。次に、エチレン
ジアミンのプロピレンオキサイド付加物(平均分子量4
50)159.3重量部を添加し、70℃で1時間、未
反応のイソシアネート基と反応させてポリウレタンを得
た。得られたポリウレタンに99重量%酢酸68.8重
量部及び水384.3重量部を添加して均一に溶解さ
せ、47.0重量%カチオン性ポリウレタン樹脂水溶液
からなるインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を得
た。このインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を用い
てインクジェット記録用紙を作製し、耐水性とインク滲
み防止性の評価を行った。黒色とマゼンタの印字部分
は、水で流されたり、滲んだりすることはなかったが、
シアンと黄色の印字部分には、やや滲みが見られた。ま
た、黒色単色をドット印字したドット部分には、滲みは
認められなかった。 実施例6 窒素置換した4つ口フラスコに、ポリプロピレングリコ
ール(平均分子量1,000)88.5重量部、N,N−
ジメチルホルムアミド20.0重量部及びヘキサメチレ
ンジイソシアネート119.0重量部を仕込み、80℃
で3時間反応させた。反応混合物を50℃以下に冷却し
たのち、N−メチルジエタノールアミン52.7重量部
を添加し、70℃で2時間反応させた。次に、ジメチル
アミノエチルアミン31.2重量部を添加し、70℃で
1時間、未反応のイソシアネート基と反応させてポリウ
レタンを得た。得られたポリウレタンに99重量%酢酸
48.3重量部及び水640.3重量部を添加し均一に溶
解させ、29.1重量%カチオン性ポリウレタン樹脂水
溶液からなるインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を
得た。このインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を用
いてインクジェット記録用紙を作製し、耐水性とインク
滲み防止性の評価を行った。黒色、シアン、マゼンタ及
び黄色のいずれの単色についても、印字部分が、水で流
されたり、滲んだりすることはなかった。また、黒色単
色をドット印字したドット部分には、滲みは認められな
かった。
【0022】実施例7 窒素置換した4つ口フラスコに、ポリプロピレングリコ
ール(平均分子量1,000)77.8重量部、N,N−
ジメチルホルムアミド20.0重量部及びヘキサメチレ
ンジイソシアネート104.5重量部を仕込み、80℃
で3時間反応させた。反応混合物を50℃以下に冷却し
たのち、N−メチルジエタノールアミン46.3重量部
を添加し、70℃で2時間反応させた。次に、反応混合
物を20℃以下に冷却したのち、予めメチルイミノビス
プロピルアミン45.1重量部を99重量%酢酸18.9
重量部で部分中和したアミン塩水溶液を添加し、70℃
で1時間、未反応のイソシアネート基と反応させてポリ
ウレタンを得た。得られたポリウレタンに99重量%酢
酸42.4重量部を添加し、中和反応終了後水645.0
重量部を添加して均一に溶解させ、27.4重量%カチ
オン性ポリウレタン樹脂水溶液からなるインクジェット
記録用紙用耐水性向上剤を得た。このインクジェット記
録用紙用耐水性向上剤を用いてインクジェット記録用紙
を作製し、耐水性とインク滲み防止性の評価を行った。
黒色、シアン、マゼンタ及び黄色のいずれの単色につい
ても、印字部分が、水で流されたり、滲んだりすること
はなかった。また、黒色単色をドット印字したドット部
分には、滲みは認められなかった。 実施例8 窒素置換した4つ口フラスコに、ポリプロピレングリコ
ール(平均分子量1,000)77.8重量部、N,N−
ジメチルホルムアミド20.0重量部及びヘキサメチレ
ンジイソシアネート104.5重量部を仕込み、80℃
で3時間反応させた。反応混合物を50℃以下に冷却し
たのち、N−メチルジエタノールアミン46.3重量部
を添加し、70℃で2時間反応させた。次に、反応混合
物を20℃以下に冷却したのち、予めトリ(2−アミノ
エチル)アミン45.3重量部を99重量%酢酸37.8
重量部で部分中和したアミン塩水溶液を添加し、70℃
で1時間、未反応のイソシアネート基と反応させてポリ
ウレタンを得た。得られたポリウレタンに99重量%酢
酸42.4重量部を添加し、中和反応終了後水644.8
重量部を添加して均一に溶解させ、26.9重量%カチ
オン性ポリウレタン樹脂水溶液からなるインクジェット
記録用紙用耐水性向上剤を得た。このインクジェット記
録用紙用耐水性向上剤を用いてインクジェット記録用紙
を作製し、耐水性とインク滲み防止性の評価を行った。
黒色、シアン、マゼンタ及び黄色のいずれの単色につい
ても、印字部分が、水で流されたり、滲んだりすること
はなかった。また、黒色単色をドット印字したドット部
分には、滲みは認められなかった。 実施例9 窒素置換した4つ口フラスコに、ポリプロピレングリコ
ール(平均分子量1,000)93.5重量部、N,N−
ジメチルホルムアミド20.0重量部及びヘキサメチレ
ンジイソシアネート125.6重量部を仕込み、80℃
で3時間反応させた。反応混合物を50℃以下に冷却し
たのち、トリエタノールアミン46.4重量部を添加
し、70℃で2時間反応させた。次に、2−ジメチルア
ミノエタノール33.3重量部を添加し、70℃で1時
間、未反応のイソシアネート基と反応させてポリウレタ
ンを得た。得られたポリウレタンに99重量%酢酸4
1.1重量部及び水640.1重量部を添加して均一に溶
解させ、29.9重量%カチオン性ポリウレタン樹脂水
溶液からなるインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を
得た。このインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を用
いてインクジェット記録用紙を作製し、耐水性とインク
滲み防止性の評価を行った。黒色、シアン、マゼンタ及
び黄色のいずれの単色についても、印字部分が、水で流
されたり、滲んだりすることはなかった。また、黒色単
色をドット印字したドット部分には、滲みは認められな
かった。
【0023】実施例10 窒素置換した4つ口フラスコに、ポリプロピレングリコ
ール(平均分子量1,000)93.5重量部、N,N−
ジメチルホルムアミド20.0重量部及びヘキサメチレ
ンジイソシアネート125.6重量部を仕込み、80℃
で3時間反応させた。反応混合物を50℃以下に冷却し
たのち、エチレンジアミンのプロピレンオキサイド付加
物(平均分子量450)105.2重量部を添加し、7
0℃で2時間反応させた。次に、2−ジメチルアミノエ
タノール33.3重量部を添加し、70℃で1時間、未
反応のイソシアネート基と反応させてポリウレタンを得
た。得られたポリウレタンに99重量%酢酸50.5重
量部及び水571.9重量部を添加して均一に溶解さ
せ、35.8重量%カチオン性ポリウレタン樹脂水溶液
からなるインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を得
た。このインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を用い
てインクジェット記録用紙を作製し、耐水性とインク滲
み防止性の評価を行った。黒色、シアン、マゼンタ及び
黄色のいずれの単色についても、印字部分が、水で流さ
れたり、滲んだりすることはなかった。また、黒色単色
をドット印字したドット部分には、滲みは認められなか
った。 実施例11 窒素置換した4つ口フラスコに、ポリプロピレングリコ
ール(平均分子量1,000)93.5重量部、N,N−
ジメチルホルムアミド20.0重量部及びヘキサメチレ
ンジイソシアネート125.6重量部を仕込み、80℃
で3時間反応させた。反応混合物を40℃以下に冷却し
たのち、メチルイミノビスプロピルアミン67.7重量
部を添加し、40℃で2時間反応させた。次に、2−ジ
メチルアミノエタノール33.3重量部を添加し、70
℃で1時間、未反応のイソシアネート基と反応させてポ
リウレタンを得た。得られたポリウレタンに99重量%
酢酸50.9重量部及び水640.5重量部を添加して均
一に溶解させ、31.0重量%カチオン性ポリウレタン
樹脂水溶液からなるインクジェット記録用紙用耐水性向
上剤を得た。このインクジェット記録用紙用耐水性向上
剤を用いてインクジェット記録用紙を作製し、耐水性と
インク滲み防止性の評価を行った。黒色、シアン、マゼ
ンタ及び黄色のいずれの単色についても、印字部分が、
水で流されたり、滲んだりすることはなかった。また、
黒色単色をドット印字したドット部分には、滲みは認め
られなかった。 実施例12 窒素置換した4つ口フラスコに、ポリプロピレングリコ
ール(平均分子量1,000)93.5重量部、N,N−
ジメチルホルムアミド20.0重量部及びヘキサメチレ
ンジイソシアネート125.8重量部を仕込み、80℃
で3時間反応させた。反応混合物を50℃以下に冷却し
たのち、トリ(2−アミノエチル)アミン45.6重量部
を添加し、40℃で2時間反応させた。次に、2−ジメ
チルアミノエタノール33.4重量部を添加し、70℃
で1時間、未反応のイソシアネート基と反応させてポリ
ウレタンを得た。得られたポリウレタンに99重量%酢
酸41.6重量部及び水626.5重量部を添加して均一
に溶解させ、30.2重量%カチオン性ポリウレタン樹
脂水溶液からなるインクジェット記録用紙用耐水性向上
剤を得た。このインクジェット記録用紙用耐水性向上剤
を用いてインクジェット記録用紙を作製し、耐水性とイ
ンク滲み防止性の評価を行った。黒色、シアン、マゼン
タ及び黄色のいずれの単色についても、印字部分が、水
で流されたり、滲んだりすることはなかった。また、黒
色単色をドット印字したドット部分には、滲みは認めら
れなかった。
【0024】実施例13 窒素置換した4つ口フラスコに、ポリプロピレングリコ
ール(平均分子量1,000)78.0重量部、N,N−
ジメチルホルムアミド20.0重量部及びキシリレンジ
イソシアネート117.2重量部を仕込み、80℃で3
時間反応させた。反応混合物を50℃以下に冷却したの
ち、N−メチルジエタノールアミン46.4重量部を添
加し、70℃で2時間反応させた。次に、2−ジメチル
アミノエタノール27.7重量部を添加し、70℃で1
時間、未反応のイソシアネート基と反応させてポリウレ
タンを得た。得られたポリウレタンに99重量%酢酸4
2.1重量部及び水668.6重量部を添加して均一に溶
解させ、26.9重量%カチオン性ポリウレタン樹脂水
溶液からなるインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を
得た。このインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を用
いてインクジェット記録用紙を作製し、耐水性とインク
滲み防止性の評価を行った。黒色、マゼンタ及び黄色の
いずれの単色についても、印字部分が、水で流された
り、滲んだりすることはなかったが、シアンの印字部分
には、やや滲みが見られた。また、黒色単色をドット印
字したドット部分に、やや滲みが認められた。 実施例14 窒素置換した4つ口フラスコに、アジピン酸とジエチレ
ングリコールの縮合物(平均分子量2,000)からな
るポリエステルポリオール136.8重量部、N,N−ジ
メチルホルムアミド20.0重量部及びヘキサメチレン
ジイソシアネート91.9重量部を仕込み、80℃で3
時間反応させた。反応混合物を50℃以下に冷却したの
ち、N−メチルジエタノールアミン40.7重量部を添
加し、70℃で2時間反応させた。次に、2−ジメチル
アミノエタノール24.4重量部添加し、70℃で1時
間、未反応のイソシアネート基と反応させてポリウレタ
ンを得た。得られたポリウレタンに99重量%酢酸3
7.3重量部及び水635.9重量部を添加して均一に溶
解させ、29.8重量%カチオン性ポリウレタン樹脂水
溶液からなるインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を
得た。このインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を用
いてインクジェット記録用紙を作製し、耐水性とインク
滲み防止性の評価を行った。黒色、シアン、マゼンタ及
び黄色のいずれの単色についても、印字部分が、水で流
されたり、滲んだりすることはなかった。また、黒色単
色をドット印字したドット部分に、やや滲みが認めら
た。
【0025】実施例15 窒素置換した4つ口フラスコに、ポリヘキサメチレンカ
ーボネートグリコール(平均分子量990)からなるポ
リカーボネートポリオール90.1重量部、N,N−ジメ
チルホルムアミド20.0重量部及びヘキサメチレンジ
イソシアネート122.3重量部を仕込み、80℃で3
時間反応させた。反応混合物を50℃以下に冷却したの
ち、N−メチルジエタノールアミン54.1重量部を添
加し、70℃で2時間反応させた。次に、2−ジメチル
アミノエタノール32.4重量部を添加し、70℃で1
時間、未反応のイソシアネート基と反応させてポリウレ
タンを得た。得られたポリウレタンに99重量%酢酸4
9.1重量部及び水632.0重量部を添加して均一に溶
解させ、29.9重量%カチオン性ポリウレタン樹脂水
溶液からなるインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を
得た。このインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を用
いてインクジェット記録用紙を作製し、耐水性とインク
滲み防止性の評価を行った。黒色、シアン、マゼンタ及
び黄色のいずれの単色についても、印字部分が、水で流
されたり、滲んだりすることはなかった。また、黒色単
色をドット印字したドット部分には、滲みは認められな
かった。 実施例16 窒素置換した4つ口フラスコに、ビスフェノールAのプ
ロピレンオキサイド付加物(平均分子量558)からな
るポリエーテルポリオール45.5重量部、N,N−ジメ
チルホルムアミド20.0重量部及びヘキサメチレンジ
イソシアネート109.6重量部を仕込み、80℃で3
時間反応させた。反応混合物を50℃以下に冷却したの
ち、N−メチルジエタノールアミン48.5重量部を添
加し、70℃で2時間反応させた。次に、2−ジメチル
アミノエタノール29.0重量部を添加し、70℃で1
時間、未反応のイソシアネート基と反応させてポリウレ
タンを得た。得られたポリウレタンを40℃以下に冷却
し、ジエチル硫酸113.0重量部を滴下し、80℃で
3時間反応させたのち、水634.4重量部を添加して
均一に溶解させ、34.6重量%カチオン性ポリウレタ
ン樹脂水溶液からなるインクジェット記録用紙用耐水性
向上剤を得た。このインクジェット記録用紙用耐水性向
上剤を用いてインクジェット記録用紙を作製し、耐水性
とインク滲み防止性の評価を行った。黒色、シアン、マ
ゼンタ及び黄色のいずれの単色についても、印字部分
が、水で流されたり、滲んだりすることはなかった。ま
た、黒色単色をドット印字したドット部分には、滲みは
認められなかった。 実施例17 窒素置換した4つ口フラスコに、ポリテトラメチレング
リコール(平均分子量1,000)95.3重量部、N,
N−ジメチルホルムアミド20.0重量部及びヘキサメ
チレンジイソシアネート128.0重量部を仕込み、8
0℃で3時間反応させた。反応混合物を50℃以下に冷
却したのち、N−メチルジエタノールアミン56.7重
量部を添加し、70℃で2時間反応させた。次に、2−
ジメチルアミノエタノール34.0重量部を添加し、7
0℃で1時間、未反応のイソシアネート基と反応させて
ポリウレタンを得た。得られたポリウレタンに、99重
量%酢酸23.1重量部を添加して部分中和を行い、さ
らに水642.9重量部を添加して均一に溶解させ、3
1.4重量%カチオン性ポリウレタン樹脂水溶液からな
るインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を得た。この
インクジェット記録用紙用耐水性向上剤を用いてインク
ジェット記録用紙を作製し、耐水性とインク滲み防止性
の評価を行った。黒色、シアン及びマゼンタのいずれの
単色についても、印字部分が、水で流されたり、滲んだ
りすることはなかったが、黄色の印字部分には、やや滲
みが見られた。また、黒色単色をドット印字したドット
部分には、滲みは認められなかった。
【0026】比較例1 窒素置換した4つ口フラスコに、ポリプロピレングリコ
ール(平均分子量1,000)163.3重量部、N,N
−ジメチルホルムアミド20.0重量部及びヘキサメチ
レンジイソシアネート73.1重量部を仕込み、80℃
で3時間反応させた。反応混合物を50℃以下に冷却し
たのち、N−メチルジエタノールアミン19.4重量部
を添加し、70℃で2時間反応させてポリウレタンを得
た。得られたポリウレタンに、99重量%酢酸16.3
重量部を添加し撹拌して均一化し、さらに水707.8
重量部を添加し均一に溶解した。溶解初期から未反応イ
ソシアネート基と水との反応は始まったが、未反応イソ
シアネート基と水を完全に反応させるために、さらに4
0℃で2時間反応させて、25.1重量%カチオン性ポ
リウレタン樹脂水溶液からなるインクジェット記録用紙
用耐水性向上剤を得た。このインクジェット記録用紙用
耐水性向上剤を用いてインクジェット記録用紙を作製
し、耐水性とインク滲み防止性の評価を行った。黒色、
シアン、マゼンタ及び黄色のいずれの単色についても、
印字部分にやや滲みが見られた。また、黒色単色をドッ
ト印字したドット部分に、やや滲みが認められた。 比較例2 窒素置換した4つ口フラスコに、ポリプロピレングリコ
ール(平均分子量1,000)86.5重量部、N,N−
ジメチルホルムアミド20.0重量部及びヘキサメチレ
ンジイソシアネート116.3重量部を仕込み、80℃
で3時間反応させた。反応混合物を50℃以下に冷却し
たのち、N−メチルジエタノールアミン22.6重量部
を添加し、70℃で2時間反応させた。次に、2−ジメ
チルアミノエタノール73.9重量部を仕込み、70℃
で1時間、未反応のイソシアネート基と反応させてポリ
ウレタンを得た。得られたポリウレタンに99重量%酢
酸31.0重量部を添加して部分中和を行い、水619.
5重量部を添加して均一に溶解させ、30.9重量%カ
チオン性ポリウレタン樹脂水溶液からなるインクジェッ
ト記録用紙用耐水性向上剤を得た。このインクジェット
記録用紙用耐水性向上剤を用いてインクジェット記録用
紙を作製し、耐水性とインク滲み防止性の評価を行っ
た。黒色、シアン、マゼンタ及び黄色のいずれの単色に
ついても、印字部分が、明らかに水で流され、滲んでい
た。また、黒色単色をドット印字したドット部分には、
明らかに滲みが認められた。
【0027】比較例3 窒素置換した4つ口フラスコに、ビスフェノールAのプ
ロピレンオキサイド付加物(平均分子量558)からな
るポリエーテルポリオール46.1重量部、N,N−ジメ
チルホルムアミド10.0重量部及びヘキサメチレンジ
イソシアネート55.2重量部を仕込み、80℃で3時
間反応させた。反応混合物にポリエチレングリコール
(平均分子量600)98.6重量部を添加し、さらに
70℃で2時間反応させてポリウレタンを得た。得られ
たポリウレタンに水790.0重量部を添加し均に一溶
解した。溶解初期から未反応イソシアネート基と水との
反応が始まったが、未反応イソシアネート基と水を完全
に反応させるために、さらに40℃で2時間反応させ
て、19.9重量%ノニオン性ポリウレタン樹脂水溶液
からなるインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を得
た。このインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を用い
てインクジェット記録用紙を作製し、耐水性とインク滲
み防止性の評価を行った。黒色、シアン、マゼンタ及び
黄色のいずれの単色についても、印字部分が、明らかに
水で流され、滲んでいた。また、黒色単色をドット印字
したドット部分には、明らかに滲みが認められた。 比較例4 カチオン性ポリウレタン樹脂の代わりに、ポリエチレン
イミン(分子量1,200)を使用して、インクジェッ
ト記録用紙を作製し、耐水性とインク滲み防止性の評価
を行った。黒色及びマゼンタの単色については、印字部
分がやや滲み、シアン及び黄色の印字部分については、
印字部分が明らかに水で流され、滲んでいた。また、黒
色単色をドット印刷したドット部分には、明らかに滲み
が認められた。実施例1〜17及び比較例1〜4の原料
組成及び耐水性とインク滲み防止性の評価結果を第1表
に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】[注]1)HMDI:ヘキサメチレンジイ
ソシアネート。 2)XDI:キシリレンジイソシアネート。 3)PPG:ポリプロピレングリコール(平均分子量
1,000)。 4)PEPO:ポリエステルポリオール、アジピン酸と
ジエチレングリコールの縮合物(平均分子量2,00
0)。 5)PCPO:ポリカーボネートポリオール、ポリヘキ
サメチレンカーボネートグリコール(平均分子量99
0)。 6)BPAPO:ポリエーテルポリオール、ビスフェノ
ールAのプロピレンオキサイド付加物(平均分子量55
8)。 7)PTMG:ポリテトラメチレングリコール(平均分
子量1,000)。 8)MDEA:N−メチルジエタノールアミン。 9)TEA:トリエタノールアミン。 10)EDAPO:エチレンジアミンのプロピレンオキ
サイド付加物(平均分子量450)。 11)MIBPA:メチルイミノビスプロピルアミン。 12)TAEA:トリ(2−アミノエチル)アミン。 13)PEG:ポリエチレングリコール(平均分子量6
00)。 14)DMAE:2−ジメチルアミノエタノール。 15)DMAEA:ジメチルアミノエチルアミン。 16)AA:99重量%酢酸。 17)DETA:ジエチレントリアミン。 18)DES:ジエチル硫酸。 第1表の結果から明らかなように、実施例1〜17の本
発明のインクジェット記録用紙用耐水性向上剤をコーテ
ィングして作製したインクジェット記録用紙は、いずれ
のインクに対しても優れた耐水性を有し、また、インク
滲み防止性にも優れている。これに対して、(D)成分の
第3級アミン化合物も、(E)成分のアミン化合物も反応
させていない比較例1及び比較例3のインクジェット記
録用紙用耐水性向上剤、(A)成分の有機イソシアネート
化合物、(B)成分のポリオール化合物及び(C)成分の第
3級アミン化合物の反応において、(ヒドロキシル基及
びアミノ基)/(イソシアネート基)の当量比が0.4であ
る比較例2のインクジェット記録用紙用耐水性向上剤、
従来よりインクジェット記録用紙用耐水性向上剤として
使用されているポリエチレンイミンを用いて作製したイ
ンクジェット記録用紙は、いずれも耐水性及びインク滲
み防止性に劣っている。
【0032】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録用紙用耐水
性向上剤をコーティングすることにより、インクジェッ
トプリンターを用いて記録される画像や文字の耐水性を
向上させ、インク滲みのない優れた画質のイメージを記
録することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玄正 俊男 福井県福井市文京4丁目23番1号 日華化 学株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)2個以上のイソシアネート基を有す
    る有機イソシアネート化合物、(B)イソシアネート基
    と反応しうる活性水素原子を2個以上有するポリオール
    化合物及び(C)2〜10個のヒドロキシル基及び/又
    はアミノ基を有する第3級アミン化合物を、(ヒドロキ
    シル基及びアミノ基)/(イソシアネート基)の当量比
    0.5以上1.0未満の割合で反応させて得られるポリウ
    レタン分子のイソシアネート基に、(D)1〜4個のヒ
    ドロキシル基若しくはアミノ基を有する第3級アミン化
    合物又は(E)2個以上のアミノ基を有するアミン化合
    物を反応させて得られるポリウレタン分子の第3級アミ
    ン構造の中和又は4級化により得られるカチオン性ポリ
    ウレタン樹脂を含有することを特徴とするインクジェッ
    ト記録用紙用耐水性向上剤。
  2. 【請求項2】請求項1記載のインクジェット記録用紙用
    耐水性向上剤をコーティングしてなることを特徴とする
    インクジェット記録用紙。
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