JPH11267975A - ガラス基板面取り用総型砥石 - Google Patents

ガラス基板面取り用総型砥石

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JPH11267975A
JPH11267975A JP7633398A JP7633398A JPH11267975A JP H11267975 A JPH11267975 A JP H11267975A JP 7633398 A JP7633398 A JP 7633398A JP 7633398 A JP7633398 A JP 7633398A JP H11267975 A JPH11267975 A JP H11267975A
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glass substrate
grinding
chamfering
grinding wheel
grindstone
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Fumio Obata
文雄 小幡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラス基板の面取り後のコバ部の稜線部に生
ずるチッピングあるいはクラックの進行を抑制し、さら
に砥石の寿命を延長させる面取り用総型砥石を実現す
る。 【解決手段】砥石1の研削面1eの輪郭は、複数の直線
あるいは曲線から構成され、かつガラス基板の表面に対
する砥石入射角1gは10゜以下とされている。又、砥
石1の研削面1eに蒸着されたダイヤモンド砥粒の粒径
は、砥石1の軸線方向において互いに異なる。研削面1
eの冷却作用を高める為に、研削面1eには等間隔にて
微細な冷却水吐出穴が複数配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般的なガラス基
板、あるいは液晶ディスプレイの素材に用いるガラス基
板等のコバ部を面取りする砥石に関わり、さらに詳しく
は面取りされたコバ部の精度を向上させることができる
砥石の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ガラス基板のコバ部面取り工程に
於いては、一般的に、図5に示すC面取り形状の輪郭を
有する総型砥石5a、あるいは図6に示すR面取り形状
の総型砥石6aが使用されている。
【0003】研削方法には、ガラス基板を固定して、2
000〜5000rpmで回転する砥石を移動し研削す
る方法、又はこの逆にガラス基板を移動させる方法の2
通りがある。
【0004】総型砥石の場合、一回の切り込みで全形を
整える為、研削量が大きく、砥石及び基板に加わる衝撃
が強くなる。この為、砥石の劣化及び基板の破損が生ず
る。そこで研削効率を向上させるために、図5に示すよ
うに、冷却用ホース5cを用いて、砥石5aと基板2の
間隙に向けて冷却水を吐出させたり、冷却用ホース5b
を用いて砥石の側面へ直接冷却水を吐出させ、研削面の
ダイヤモンド粒子の焼き付きやガラス基板のチッピング
等を防止する方法が主流であった。
【0005】さらに、C面取りとR面取りのいずれの加
工においても、冷却水の進入を容易にするため、ガラス
基板表面に対する砥石入射角は大きくするのが普通であ
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の技術では、図4に示す研削後のガラス基板2
のコバ部2cの稜線部3dにチッピング及び微細クラッ
クが生じ、後工程に於いて上記チッピング及びクラック
が進行する。特に液晶ディスプレイ用ガラス基板に於い
ては、ガラス粉、クラックに起因する製品不良の発生率
が高かった。
【0007】又、ガラス基板の表面に対する砥石の入射
角1gは冷却水の進入を容易にさせる為、従来は大きく
されていたが、総型砥石の場合回転スピードが高く、砥
石の回転に伴い飛散して無駄になる冷却水の比率が増
し、冷却作用が衰え砥石の耐命を著しく短くするという
問題があった。
【0008】そこで本発明は上記問題点を解決するもの
であり、その課題は、ガラス基板のコバ部の面取りに於
いてチッピングあるいはクラックを防止し、又、砥石の
長寿命を実現することにある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記目的を達成するた
め、本発明に係る砥石は、ガラス基板のコバ部の面取り
に用いられる研削用総型砥石であって、前記ガラス基板
の表面に対する入射角を10゜以下としたことを特徴と
する。
【0010】本発明の構成によれば、コバ部の面取り時
における研削抵抗を緩和し、稜線部分に発生するチッピ
ングあるいはクラックを抑制させることができ、面取り
加工を高精度に行うことができる。
【0011】前記砥石の研削面の輪郭が複数の直線ある
いは曲線からの組み合わせで形成されていてもよい。
【0012】本発明の構成によれば、研削面の構成が複
数の直線あるいは曲線からの組み合わせで形成される
為、コバ部の面取り方式(例えばC面取り、R面取りな
ど)に応じて、研削面を如何なる形態に成形可能であ
る。例えば、ガラス基板の厚さの中心に対し、上下非対
象な面取りも容易である。
【0013】また、前記研削面の冷却作用を高める為
に、前記研削面に冷却水噴出穴を複数形成してもよい。
【0014】本発明の構成によれば、研削面の表面に冷
却水吐出穴を複数形成し、砥石中心部より放射状に冷却
水を放出させることで、砥石への冷却作用がより均一と
なり研削中に於けるガラス基板へのダメージを著しく低
減でき、又、砥石の寿命も延長可能となる。
【0015】また、前記研削面には砥粒が埋設されてお
り、この砥粒の粒度は、前記砥石の軸線方向において異
なるようにしてもよい。
【0016】総型砥石によると研削面の刃底に近いほど
研削抵抗が大きく砥石の刃底部に於いて局所的な摩耗が
生ずる。請求項4に記載の発明によれば、この刃底部の
砥粒を粗くし、そこから離れるほど、徐々に粒径を細か
く配置することによって、研削面の切削抵抗を均一にさ
せることができ、砥石の局所摩耗を防止することができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】次に添付図面を参照して本発明に
係わるガラス基板面取用総型砥石の実施形態について説
明する。
【0018】図1は、ガラス基板のコバ部の面取り加工
を行う研削装置の概略構成を示す側面図であり、図2は
図1の平面図である。この装置においては、ガラス基板
吸着台2bの上面にはガラス基板2が設置され、このガ
ラス基板2は真空吸着溝2dの作用により吸着台2bに
真空吸着される。上記ガラス基板吸着台2bは、ロット
レスシリンダー2aに取り付けられており、シリンダー
2aに沿って前後に移動する。一方、砥石1を駆動する
砥石軸7fは、モータ1cの駆動軸に直結されている。
図示しないマイクロメータを用いて、砥石軸7fの高さ
は一定に調節されている。この砥石1は2000〜50
00rpmで回転し、一定の速度で移動するガラス基板
2のコバ部2cを面取り研削し、破線2eで示す形態に
加工する。又、これらの機構に代えて、ガラス基板2を
固定し砥石1を移動させて研削する方式の機構も採用で
きるガラス基板2の表面に対する砥石1の入射角1g
は、10゜以下にされている。砥石1の研削面1eの輪
郭において、ガラス基板2の表面とで入射角1gを区画
する砥石1の入射辺1aは直線状であって、中央の曲線
あるいは直線と連続的に結びつく。入射角1gが10゜
以下とされたことにより、図4に示す稜線部3dのクラ
ックやチッピングを押さえることが可能である。
【0019】図3は、この面取り用総型砥石1の拡大図
である。研削面1eの輪郭は複数の曲線または直線から
構成されている。すなわち、曲線または直線1d,1
g,1fが円滑に連続すると共に、直線状の入射辺1a
と連なって、一つの研削面1eの輪郭が構成されてい
る。又、砥石1の研削面1eには、微細な冷却水吐出穴
1bが等間隔にて複数配置され、面取り加工時の冷却効
果を向上させる役割を果たしている。
【0020】さらに、面取り加工時の研削抵抗を均一に
するため、研削面1eに埋設(蒸着)されたダイヤモン
ド砥粒の粒度は、砥石1の軸線方向において異なる。具
体的には、研削面1eの中央に位置し刃底となる線1f
に対応する部分には、大きい粒径の大径砥粒3cが蒸着
され、線1fに隣接する線1hに対応する部分には、そ
れより小さい粒径の中径砥粒3bが蒸着され、入射辺1
aに近い線1dに対応する部分には、さらに小さい粒径
の小径砥粒3aが蒸着されている。
【0021】次に、図7を参照し、総型砥石1の内部に
おける上記の冷却水吐出穴1bへの給水構造について説
明する。砥石1の中央には、冷却水充填空間7dが形成
されており、この充填空間7aには、ジョイント7bを
介してホース7aから冷却水が供給される。この冷却水
充填空間7aは、微細な複数の冷却水吐出穴1bへ連結
されており、砥石の回転に伴いこれらの穴1bより放射
状に冷却水が吐出される。これにより、砥石1の表面と
研削される基板2のコバ部2cとの間隙に瞬時にして水
の膜が形成されると共に、冷却水の連続供給により水の
膜が維持される。この作用により研削抵抗を大幅に減少
させる。
【0022】冷却水のホース7aが連結されたジョイン
ト7bは、砥石1の回転軸の位置に固定されたベアリン
グ7cに挿入されて、冷却水充填空間7dの内部まで延
びている。ベアリング7cは自身とジョイント7bとの
相対回転を許容しながらも、水漏れおよびジョイント7
bの脱落を防止する構造を有する。このベアリング7c
にジョイント7bを挿入したことにより、砥石回転時に
於いても、冷却用ホース7aは固定状態に保つことがで
きる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば以下
の効果を奏する。
【0024】請求項1に記載の発明によれば、ガラス基
板の表面に対する砥石の入射角を10゜以下にすること
により、コバ部の面取り加工時に於ける研削抵抗をやわ
らげ、コバ部の稜線部分に生ずるクラック及びチッピン
グ等の進行を押さえることができる。
【0025】請求項2に記載の発明によれば、研削面の
構成が複数の直線あるいは曲線からの組み合わせで形成
される為、コバ部の面取り方式(例えばC面取り、R面
取りなど)に応じて、研削面を如何なる形態に成形可能
である。例えば、ガラス基板の厚さの中心に対し、上下
非対象な面取りも容易である。
【0026】請求項3に記載の発明によれば、研削面の
表面に冷却水吐出穴を複数形成し、砥石中心部より放射
状に冷却水を放出させることで、砥石への冷却作用がよ
り均一となり研削中に於けるガラス基板へのダメージを
著しく低減でき、又、砥石の寿命も延長可能となる。
【0027】また、総型砥石によると研削面の刃底に近
いほど研削抵抗が大きく砥石の刃底部に於いて局所的な
摩耗が生ずる。請求項4に記載の発明によれば、この刃
底部の砥粒を粗くし、そこから離れるほど、徐々に粒径
を細かく配置することによって、研削面の切削抵抗を均
一にさせることができ、砥石の局所摩耗を防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるガラス基板のコバ部の面取り加
工を行う研削装置の概略構成を示す側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】本発明に係わるガラス基板面取り用総型砥石の
拡大側面図である。
【図4】コバ部の面取り加工後のガラス基板を示す側面
図である。
【図5】従来のガラス基板のコバ部のC面取り加工を行
う研削装置の概略構成を示す側面図である。
【図6】従来のガラス基板のコバ部のR面取り加工用の
砥石の側面図である。
【図7】上記総型砥石を示す側面図であり、特にその内
部構造と冷却水の流れ方向を表す。
【符号の説明】
1.砥石 1a.直線状の入射辺 1b.冷却水吐出穴 1c.モーター 1d.線 1h.線 1f.線 1g.入射角 1e.研削面 2.ガラス基板 2a.ロットレスシリンダー 2b.ガラス基板吸着台 2c.コバ部 2d.真空吸着溝 2e.面取り後のコバ部 3a.粒径小部 3b.粒径中部 3c.粒径大部 3d.稜線部 5a.C面取り砥石 5b.砥石側面冷却用ホース 5c.砥石,基板間冷却用ホース 6a.R面取り加工用砥石 7a.ホース 7b.ジョイント 7c.ベアリング 7d.冷却水充填空間 7e.砥石固定カラー 7f.砥石軸

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板のコバ部の面取りに用いられ
    る研削用総型砥石であって、 前記ガラス基板の表面に対する入射角を10゜以下とし
    たことを特徴とするガラス基板面取り用総型砥石。
  2. 【請求項2】 研削面の輪郭が複数の直線あるいは曲線
    からの組み合わせで形成されていることを特徴とする請
    求項1記載のガラス基板面取り用総型砥石。
  3. 【請求項3】 前記研削面の冷却作用を高める為に、前
    記研削面に冷却水噴出穴を複数形成したことを特徴とす
    る請求項1または2記載のガラス基板面取り用総型砥
    石。
  4. 【請求項4】 前記研削面には砥粒が埋設されており、
    この砥粒の粒度は、前記砥石の軸線方向において異なる
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の
    ガラス基板面取り用総型砥石。
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