JP4304567B2 - セグメントタイプ砥石 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CBN(立方晶窒化硼素)、ダイヤモンド等の超砥粒を結合剤で結合した複数の砥石チップを基体に貼付したセグメントタイプ砥石に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
基体に超砥粒を金属メッキにより電着した電着砥石において、研削により生じる切粉の捌け及びクーラントの浸透をよくするために、砥石研削面に超砥粒を有する電着領域群と超砥粒を有さない窪み領域群とを所定のパターンで電着した電着砥石が特開平9−193022号公報に記載されているが、超砥粒を結合剤で結合した砥石チップを円盤状基体に貼付した砥石においては、研削面に超砥粒を含む領域と超砥粒を含まない領域とを設ける必要性は、現在まではなかった。
【0003】
砥石周速度を高くして研削能率を上げるために、超砥粒を結合剤で結合した砥石チップを円盤状基体に貼付した所謂セグメントタイプ砥石が使用されている。最近の厳しいコスト低減に応えるために、セグメントタイプ砥石の価格を低減し、研削比を向上してランニングコストを低くし、且つ研削焼け割れ等を生じることなく工作物を高速研削することが要求されている。
【0004】
また、焼入れされたスチール系の工作物を砥石周速度を高くして研削加工するために、超砥粒をビトリファイドボンドで結合した砥石チップを円盤状基体に貼付したセグメントタイプ砥石を用い、砥石チップの砥粒の集中度を下げることによって研削抵抗を小さくし、工作物を研削焼けなく、硬度の低下なく研削加工していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記要求を満足するには、セグメントタイプ砥石の摩耗を減少して研削比を向上するために、超砥粒の集中度を高くすると、ランニングコストは低減するが、高価な超砥粒の量が多くなって砥石の価格が高くなるとともに、研削熱により研削焼けが生じるという二律背反事項を解決する必要があった。
【0006】
また、集中度を下げて超砥粒をビトリファイドボンドで結合した砥石チップのセグメントタイプ砥石により、焼入れされたスチール系の工作物を砥石周速度を高くして研削能率を上げて研削加工すると、砥石摩耗がはやい不具合があった
本発明は、係る不具合を解消するためになされたもので、高価な超砥粒の使用量を少なくして砥石の価格を低減したにも拘わらず、超砥粒の集中度を高くして研削比を向上し、且つ研削焼け割れ等を生じることなく高速研削可能なセグメントタイプ砥石を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、超砥粒を結合剤で結合した砥石層を有する複数の砥石チップを基体に貼付した砥石において、前記各砥石チップの砥石層に複数穴を研削面に分散して設け、前記各砥石チップにおいて前記複数穴の開口総面積の研削面全面積に対する面積率を0.05〜0.6とし、前記砥石外周面の両側部分となる前記各砥石チップの砥石層の両側部分を超砥粒の集中度が高い一方側部分と低い他方側部分とで構成し、かつ前記各砥石チップの砥石層の一方側部分と他方側部分とで前記複数穴の面積率を異ならせたことである。
【0010】
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1に記載の砥石チップを貼付した砥石において、前記各砥石チップの砥石層の砥石回転方向の前端縁部には前記穴が設けられていないことである。
【0012】
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1又は2に記載のセグメントタイプ砥石において、前記砥石層に重ねて一体的に形成された超砥粒を含まない下地層で前記砥石チップを前記基体に貼付し、前記複数穴を前記砥石層を貫通して前記下地層の途中で止まる有底穴としたことである。
【0014】
【発明の作用・効果】
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、超砥粒を結合剤で結合した各砥石チップの砥石層に複数穴を研削面に分散して設け、各砥石チップにおいて複数穴の開口総面積の研削面全面積に対する面積率を0.05〜0.6としたので、各砥石チップの超砥粒の使用量を少なくして砥石の価格を低くすることができるとともに、穴以外の部分の超砥粒の集中度を高くして砥石摩耗を減少し、研削比を向上してランニングコストを低減することができる。また、複数穴が研削面に開口するので、クーラントが研削点に充分供給されて研削熱の除去が十分に行なわれ、切粉が複数穴に脱落して切粉の捌けがよくなり、工作物の加工面に研削焼け割れ等を生じることなく、高速研削により研削加工時間を減少することができる。
また、2種類の材質からなる工作物を研削する場合、硬度が高い材質部分は集中度が高い一方側部分で研削し、硬度が低い材質部分は集中度が低い他方側部分で研削するので、砥石層の両側部分が略均等に摩耗し、工作物を高精度に研削するとともに、砥石寿命を長くすることができる。
【0017】
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、各砥石チップの砥石層の砥石回転方向の前端縁部には穴が設けられていないので、穴により切り欠かれた砥石層前端縁部の切欠き部が研削抵抗により穴側に破損することがない。
【0019】
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、砥石層に重ねて一体的に形成された超砥粒を含まない下地層で砥石チップを基体に貼付し、砥石層を貫通する複数穴は下地層の途中で止まる有底穴とし下地層底面に開口していないので、製造時に下地層の底面が変形しなくて滑らかになり、砥石チップを基体に良好に強固に貼付することができる。
【0021】
【実施の形態】
以下、砥石層に複数穴を研削面に分散して設けたセグメントタイプ砥石を図面に基づいて説明する。図1において、円弧状の砥石チップ11は、超砥粒をビトリファイドボンドで結合した砥石層12が外周側に形成され、超砥粒を含まない下地層13が砥石層12の内側に重ねて一体的に形成されている。砥石層12は、CBN、ダイヤモンド等の超砥粒14をビトリファイド結合剤15等のビトリファイドボンドで集中度75〜300で3〜5mmの厚さに結合したもので、ビトリファイド結合剤15中には酸化アルミニウム(Al2O3)の粒子16が骨材として混入されている。下地層13は下地粒子19をビトリファイド結合剤15等のビトリファイドボンドで1〜3mmの厚さに結合したものである。結合剤としては、ビトリファイドボンドの他にレジン結合剤又はメタル結合剤を使用してもよい。
【0022】
砥石チップ11には、直径が0.5〜5mmの複数の穴17が砥石層12の外周表面である研削面18に均等に分散して設けられ、複数穴17は砥石層12を貫通して下地層13の途中で止まる有底穴となっている。なお、複数穴17は砥石層12及び下地層13を貫通する貫通穴としてもよい。
【0023】
複数穴17が研削面18に開口する穴総面積は、研削面18を研削精度に影響がない程度に均質に維持するために、砥石チップ11の研削面全面積に対して0.05〜0.6の面積率になっている。複数穴17が砥石層12との境界面から下地層13に入り込んでいる深さは、砥石層12が使用により薄くなった場合でも切粉が複数穴17内に脱落できるように、超砥粒14の粒径の3倍以上にされている。複数穴17の断面形状は円形又は楕円形状にするのが好ましいが、これら形状に限られるものではなく、矩形、三角、長穴形状などでもよい。
【0024】
図2に示すセグメントタイプ砥石20は、複数の砥石チップ11を鉄又はアルミニウム等の金属又は樹脂等で成形された円盤状基体21の外周面に並べ、下地層13の底面で接着剤により貼付して構成されている。砥石20においても複数穴17の開口総面積の複数砥石チップ11の研削面総面積に対する面積率は、各砥石チップ11と同じく0.05〜0.6になっている。
【0025】
図3の砥石外周面の展開図にように、複数穴17は研削面18に略均等に分散して設けられ、これにより、研削面18の摩耗が均一化され、工作物の研削加工面の研削精度が向上する。砥石20の外周面の両側端縁部を形成する各砥石チップ11の砥石層12の両側端縁部22には穴17が設けられていない。これにより、砥石層12各側端縁部23が穴17により切り欠かれ、この切欠き部が研削抵抗により破損するようなことがなくなる。なお、片側の側端縁部22のみが工作物の研削に関与する場合は、両側端縁部22の中、工作物を研削する側端縁部22にのみ穴17を設けないようにし、研削に関与しない側端縁部22には穴17を設けて超砥粒の量を減らすようにしてもよい。
【0026】
各砥石チップ11の砥石層12の砥石20の回転方向の前端縁部24には穴17が設けられていない。これにより、砥石層12の前端縁部25が穴17により切り欠かれ、この切欠き部が研削抵抗により穴側に破損するようなことがなくなる。なお、砥石層12の砥石回転方向の後端縁部26は前端縁部25より研削抵抗により破損しにくいが、後端縁部27にも穴17を設けないようにしてもよい。
【0027】
砥石チップ11を製造する装置及び方法を図4,5に基づいて説明する。長方形状の外型31の内側底部に下型32が嵌合され、砥石20の外径になる砥石チップ11の円弧面をプレス成形するための円弧状の凹型面32aが下型32の上面に形成されている。下型32に複数の取付穴が複数穴17に対応して垂直に穿設され、複数穴17を形成するための複数のピン33が凹型面32aから上方に突出するように取付穴に嵌着されている。なお、複数穴17が設けられない砥石チップ11の両側端縁部22及び前端縁部24に対応する下型32の凹型面32aの部分にはピン33は突設されない。図4(a)に示すように、砥石層12を構成する超砥粒、結合剤及び骨材等を混合した砥石層用粉体34が下型32上に複数のピン33より上方まで充填され、砥石層用粉体34の厚さが均一になるようにレべリングされる(工程46)。複数のピン37に対応する複数の逃し穴35aが垂直に穿設された第1上型35が外型31内に下降され、砥石層用粉体34を仮プレスして砥石層12を円弧状に仮成形する。このときピン33は砥石層用粉体34を貫通して上方に僅かに突出し逃し穴35aに嵌入する(工程47、図4(b)参照)。
【0028】
下地粒子19を含む下地層用粉体36が、仮プレス成形された砥石層用粉体34の上側に複数のピン33より上方まで充填され、下地層用粉体36の厚さが均一になるようにレべリングされる(工程48、図4(c)参照)。逃し穴が穿設されていない第2上型37が外型31内に下降され、下地層用粉体36と砥石層用粉体34とを同時にプレスし、下地層13が砥石層12の内側に重ねて一体的に成形され円弧状の砥石チップ11がプレス成形される(工程49、図4(d)参照)。このとき、砥石層12を貫通している複数のピン33は超砥粒14の粒径の3倍以上だけ下地層13に入り込んで下地層の途中まで達しているが、下地層13を貫通することはなく、ピン33の先端と下地層13の底面との間には肉厚が形成される。次に第2上型37が上昇され、砥石チップ11が外型31、下型32から離型される(工程50)。砥石チップ11を下型32からはずすと、ピン33の部分に複数穴17が形成される。砥石チップ11を下地層13の底面の半径と同じ半径の台に載せて乾燥後に焼成し(工程51,52)、砥石チップ11の製造が完了する。複数穴17に樹脂を充填する場合は、所望液状樹脂、又は液状樹脂と砥粒とを混合したものを複数穴17に充填し硬化させる(工程53)。
【0029】
砥石チップ11をプレス成形する装置の他の例について説明する。図4に示した装置と同様の構成部品には同一の参照番号を付して詳細な説明を省略する。下型32に複数の嵌挿穴32bが複数穴17に対応して垂直に穿設され、複数穴17を形成するための複数のピン33が凹型面32aから上方に突出するように嵌挿穴32bに挿入されている。図6(a)に示すように、砥石層用粉体34が下型32上に複数のピン33より上方まで充填されてレべリングされる。複数のピン37に対応する複数の逃し穴35aが垂直に穿設された第1上型35によって砥石層用粉体34を仮プレスして砥石層12を円弧状に仮成形する。このときピン33は砥石層用粉体34を貫通して上方に僅かに突出し逃し穴35aに嵌入する(図6(b)参照)。嵌挿穴32bに対応して突出しピン38が上面に突設されたピン突出し治具39を外型31及び下型32の下方から当接させてピン33を突出しピン38の長さだけ上方に移動させる(図6(c)参照)。
【0030】
分級された下地層用粉体36が仮プレス成形された砥石層用粉体34の上側に複数のピン33より上方まで充填され、下地層用粉体36の厚さが均一になるようにレべリングされる(図4(d)参照)。第1上型35が外型31内に下降され、下地層用粉体36と砥石層用粉体34とを同時にプレスし、下地層13が砥石層12の内側に重ねて一体的に成形され円弧状の砥石チップ11がプレス成形される。このときピン33は下地層用粉体36を貫通して上方に僅かに突出し逃し穴35aに嵌入し、砥石チップ12に貫通した複数穴17が形成される(図6(e)参照)。第1上型35が上昇され、砥石チップ11が外型31、下型32、ピン33から離型される。
【0031】
砥石チップ11をプレス成形する装置のさらに他の例について説明する。図4に示した装置と同様の構成部品には同一の参照番号を付して詳細な説明を省略する。外型31の内側底部に嵌合された下型40の上面には、円弧状の凸型面40aが砥石20の円盤状基体21の外径と同径に形成されている。下型40に複数の嵌挿穴40bが複数穴17に対応して垂直に穿設され、複数穴17を形成するための複数のピン41が凸型面40aから上方に突出するように嵌挿穴40bに挿入されている。図7(a)に示すように、下地層用粉体36が下型40上に複数のピン41より上方まで充填されてレべリングされる。複数のピン41に対応する複数の逃し穴42aが垂直に穿設された上型42によって下地層用粉体36を仮プレスして下地層13を円弧状に仮成形する。このときピン41は下地層用粉体36を貫通して上方に僅かに突出し逃し穴42aに嵌入する(図7(b)参照)。挿入穴40bに対応して突出しピン38が上面に突設されたピン突出し治具39を外型31及び下型40の下方から当接させてピン41を突出しピン38の長さだけ上方に移動させる(図7(c)参照)。
【0032】
砥石層用粉体34が仮プレス成形された下地層用粉体36の上側に複数のピン41より上方まで充填され、砥石層用粉体34の厚さが均一になるようにレべリングされる(図7(d)参照)。上型42によって砥石層用粉体34と下地層用粉体36とを同時にプレスし、砥石層12が下地層12の外側に重ねて一体的に成形され円弧状の砥石チップ11がプレス成形される。このときピン41は砥石層用粉体34を貫通して上方に僅かに突出し逃し穴42aに嵌入し、砥石チップ12に貫通した複数穴17が形成される(図7(e)参照)。
【0033】
次に、セグメントタイプ砥石20の作動について説明する。砥石20を図8に示す研削盤55の砥石台56に軸承した砥石軸57に装着して回転駆動し、工作物Wを主軸台58及び心押台間に挟持して回転駆動する。砥石カバー59に取り付けられたクーラントノズル60から砥石20と工作物Wとの間の研削点Pにクーラントを供給するととともに、クーラントノズル61から砥石20の研削面18にクーラントを噴射しながら砥石台56を工作物Wに向かって研削送りし、砥石20により工作物Wを研削加工する。クーラントノズル61は研削点Pから砥石20の回転方向と逆方向に離れた位置で砥石20の研削面18にクーラントを吹き付けて研削面18を洗浄し、且つ複数穴17内にクーラントを供給して切粉を排出する。なお、クーラントノズル61に代えて、又はクーラントノズル61と共にエアノズルを設け、研削点Pから砥石20の回転方向と逆方向に離れた位置で砥石20の研削面18にエアノズルからエアを吹き付けて研削面18に付着した異物及び複数穴17内に脱落した切粉を吹き飛ばすようにしてもよい。
【0034】
工作物Wが、例えば組立カムシャフトのジャーナル部を形成する引き抜きパイプ材のような焼入れされていない鋼材である場合、クーラントが研削点に複数穴によって良好に供給され、砥粒切刃の潤滑性が向上し、切粉が超砥粒14に溶着し難くなる。また、長い切粉が穴に入ることにより砥石表面の砥粒に絡み付くことが殆どなくなり溶着が防止される。これらにより、工作物Wを良好に研削できてドレスインターバルが長くなる。
【0035】
また、焼入れ鋼を研削する場合は、クーラントが研削点Pに複数穴17によって十分供給されるとともに、複数穴17に切粉が脱落して切粉の流れが良くなり、研削焼け割れのない高精度な研削加工面を得ることができる。例えば、硬度が高い工作物Wを高速研削する場合、超砥粒14の集中度を高くする必要があるが、砥石層12には複数穴17が設けられているので、体積が少なくなり、超砥粒14の量を同じ又は減少して集中度を高くすることができる。このように、工作物Wの硬度等に合わせて超砥粒14の量を増やすことなく砥石層12の集中度を調整して高くすることができ、集中度を高くしたことにより砥石寿命が長くなり、且つ複数穴17によってクーラントの供給、切粉の捌けが良くなり、砥石層12の切れ味が向上する。研削加工の一例として、粒度が♯100のCBN砥粒を集中度200でビトリファイドボンドによって結合した砥石チップを基体に貼付した従来のセグメントタイプ砥石により、焼き入れ鋼の工作物を研削加工した場合の研削動力、表面あらさ、砥石摩耗量を夫々100とした場合、同一のCBN砥粒を複数穴17を除いた部分の集中度200(複数穴17を含めた研削面全体での集中度175)でビトリファイドボンドによって結合した本発明を実施したセグメントタイプ砥石により、同一工作物を研削加工した場合は、砥石摩耗量が102と僅かに多くなったが、研削動力及び表面あらさは、91及び94と顕著に改善した。
【0036】
自動車部品のポンプロータなど溝数の多い量産部品の溝入れ加工では、溝の振れ精度及び部品一個当たりの砥石コストについて厳しい要求がある。セグメントタイプ砥石20を溝入れ砥石として使用すると、複数穴17によって超砥粒14の使用量を増加することなく集中度を高くし、且つ砥石円周方向及び母線方向の超砥粒14の密度を均一にすることができるので、砥石の消耗及び砥石円周方向及び母線方向での偏摩耗が少なくなるとともに、複数穴17によってクーラントの供給、切粉の捌けが良くなり、発熱量を除去、分散させることができて高精度、高効率な溝入れ加工を低コストで行なうことができる。
【0037】
図9に示す本発明の実施形態では、砥石チップ11の砥石層12の砥石20の円周方向に延在する一方側部分65には複数穴17を設け、他方側部分66には穴17を設けていない。このような砥石チップ11を製造する場合、型面の砥石層12の一方側部分65に対応する部分には複数のピン31が突設され、他方側部分66に対応する部分にはピン31が突設されていない下型32を用意し、下型32をピン31が有る型面部分と無い型面部分とを薄板で仕切った状態で、ピン31が有る部分には超砥粒14の集中度を高くした構成材料粒子群を充填し、無い部分には超砥粒14の集中度を低くした構成材料粒子群を充填してから薄板を取り除き、上型33で加圧して砥石層12を円弧状に成形する。この砥石層12のプレス成形工程以外は、前述の砥石チップの製造と同じである。この場合、超砥粒14の集中度が高い一方側部分65には複数穴17が設けられているので、体積が少なくなり超砥粒14の量を減らすことができる。他方側部分66には複数穴17が設けられていないが集中度が低いので、超砥粒14の量は少なくなり、砥石層12に使用される超砥粒14の全量を減少させることができる。
【0038】
これにより、2種類の材質からなる工作物Wを研削する場合、硬度が高い材質部分は集中度が高い一方側部分65で研削し、硬度が低い材質部分は集中度が低い他方部分66で研削するので、砥石層12の両側部分65,66が略均等に摩耗し、工作物を高精度に研削するとともに、砥石寿命を長くすることができる。なお、砥石層12の他方側部分66にも一方側部分65と異なる穴密度で複数穴17を設け、一方側及び他方側部分65,66の超砥粒14の集中度を各部分が研削する工作物Wの硬度又は材質等に応じて変更するようにしてもよい。
【0042】
複数穴17には樹脂等の詰め物を充填してもよい。複数穴17に充填する樹脂は、耐水性、耐熱性、耐アルカリ性のエポキシ樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂、又は塩化ビニール、アセタール樹脂等の熱可塑性樹脂とし、有機、無機材料、金属材料粒子などを混入してもよい。複数穴17に充填した樹脂は、研削中に脱落した超砥粒14、骨材16等により削られて凹部を形成し、切粉の脱落を許容する。該凹部は浅いので、切粉はクーラントにより確実に除去され、複数穴17に入り込んだ切粉が工作物Wの加工面を傷つけるようなことがない。
【0043】
また、クーラントノズル61から砥石20の研削面18に向けて噴射されるクーラントの方向と回転する砥石20の複数穴17の方向とを相対的に略同じにし、複数穴底部までクーラントを供給して切粉を充分排出するために、複数穴17の底部が開口部から砥石20の回転方向と逆方向に離れた位置に位置するように、複数穴の中心線を複数穴の底中心と砥石中心とを結ぶ線分に対して0〜75度、好ましくは0〜45度だけ後方に傾斜させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 セグメントタイプ砥石の砥石チップを示す図。
【図2】 セグメントタイプ砥石を示す図。
【図3】 セグメントタイプ砥石外周面の展開図。
【図4】 砥石チップをプレス成形する装置を示す図。
【図5】 砥石チップの製造工程を示す図。
【図6】 砥石チップをプレス成形する他の装置を示す図。
【図7】 砥石チップをプレス成形するさらに他の装置を示す図。
【図8】 セグメントタイプ砥石を装着した研削盤で工作物を研削する状態を示す図。
【図9】 本発明の実施形態のセグメントタイプ砥石外周面の展開図。
【符号の説明】
11・・・砥石チップ、12・・・砥石層、13・・・下地層、14・・・超砥粒、15・・・結合剤(ビトリファイドボンド)、16・・・骨材、17・・・複数穴、18・・・研削面、19・・・下地粒子、20・・・砥石、21・・・基体、22・・・両端縁部、24・・・前側端縁部、27・・・後側端縁部、31・・・ピン、32・・・下型、33・・・上型、55・・・研削盤、56・・・砥石台、58・・・主軸台、60,61・・・クーラントノズル、65・・・砥石層の一方側部分、66・・・砥石層の他方側部分、W・・・工作物。
Claims (3)
- 超砥粒を結合剤で結合した砥石層を有する複数の砥石チップを基体に貼付した砥石において、前記各砥石チップの砥石層に複数穴を研削面に分散して設け、前記各砥石チップにおいて前記複数穴の開口総面積の研削面全面積に対する面積率を0.05〜0.6とし、前記砥石外周面の両側部分となる前記各砥石チップの砥石層の両側部分を超砥粒の集中度が高い一方側部分と低い他方側部分とで構成し、かつ前記各砥石チップの砥石層の一方側部分と他方側部分とで前記複数穴の面積率を異ならせたことを特徴とするセグメントタイプ砥石。
- 前記各砥石チップの砥石層の砥石回転方向の前端縁部には前記穴が設けられていないことを特徴とする請求項1に記載のセグメントタイプ砥石。
- 前記砥石層に重ねて一体的に形成された超砥粒を含まない下地層で前記砥石チップを前記基体に貼付し、前記複数穴を前記砥石層を貫通して前記下地層の途中で止まる有底穴としたことを特徴とする請求項1又は2に記載のセグメントタイプ砥石。
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