JPH11267946A - 単結晶インゴットの位置決め装置、位置決め加工システム、位置決め用治具、および位置決め加工方法 - Google Patents

単結晶インゴットの位置決め装置、位置決め加工システム、位置決め用治具、および位置決め加工方法

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JPH11267946A
JPH11267946A JP7631098A JP7631098A JPH11267946A JP H11267946 A JPH11267946 A JP H11267946A JP 7631098 A JP7631098 A JP 7631098A JP 7631098 A JP7631098 A JP 7631098A JP H11267946 A JPH11267946 A JP H11267946A
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政博 土屋
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Rigaku Denki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単結晶インゴットにオリフラまたはノッチ等
の結晶面指標を形成する際の位置決めを高精度に行える
ようにする。 【解決手段】 ノッチを研削する研削基準位置aと指標
確認点cとの間の相対角度φを検出する。また、指標確
認点cと結晶格子面を検出する測定点bとの間の相対角
度ψを検出する。これらの相対角度に基づき、研削基準
位置aと測定点bとの間の相対角度(φ−ψ)を求め
る。そして、この相対角度(φ−ψ)だけ単結晶インゴ
ット1を回転することにより、該単結晶インゴット1の
結晶格子面を研削基準位置aに位置決めする。この位置
決めを実現するため、指標確認点cには変位センサ16
が設けてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、単結晶インゴッ
トの外周面にオリフラまたはノッチ等の結晶面指標を形
成するための加工装置に併設される単結晶インゴットの
位置決め装置、これら加工装置と位置決め装置の各機能
を備えた位置決め加工システム、単結晶インゴットの位
置決めに用いられる位置決め用治具、および単結晶イン
ゴットの位置決め加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、シリコン(Si)、フェライト、
その他の各種単結晶材料が産業界で広く用いられてい
る。この単結晶材料は、一般に、チョコラルスキー引上
げ法などの技術を用いて円柱形状の単結晶インゴットと
して製造される。この単結晶インゴットは、外周面を研
削後、その外周面にオリフラまたはノッチ等の結晶面指
標を形成した状態で取り引きされている。
【0003】この結晶面指標は、単結晶インゴットの結
晶格子面に沿って形成し、その後、半導体製造工程にお
いて、単結晶インゴットから切り出されたウエハーに対
し半導体パターンを形成する際の位置決め基準として利
用される。したがって、結晶面指標の形成に際しては、
単結晶インゴットの結晶格子面を検出するとともに、こ
の結晶格子面を結晶面指標の研削位置へ正確に位置決め
することが必要となる。
【0004】そこで、従来は、加工装置にX線測定装置
を組み込み、加工装置に支持された単結晶インゴットの
外周面上にX線を照射するとともに、その照射点(測定
点)から反射してきたX線の強度を検出することによ
り、単結晶インゴットの結晶格子面を検出するシステム
が採用されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】さて、従来のこの種の
単結晶インゴットの加工システムにおいては、あらかじ
め設定した所定位置に結晶面指標の研削位置およびX線
測定装置による結晶格子面の測定点を配置しているが、
その配置調整は作業員の目視により行うか、または砥石
に直接結晶板を取り付けてX線測定による研削位置の確
認をしており、高い位置決め精度は望めなかった。
【0006】そこで、従来は結晶面指標を形成した後、
該単結晶インゴットを加工システムとは別に設けた専用
の検査装置に装着し、結晶格子面に沿って結晶面指標が
形成されているか否かを検査する工程(検査工程)が必
須となっていた。しかし、この検査工程は加工システム
とは別に設けた専用の検査装置により行っていたので、
単結晶インゴットの移送に手間がかかり、作業性が悪い
という問題を有していた。
【0007】この発明はこのような事情に鑑みてなされ
たもので、単結晶インゴットにオリフラまたはノッチ等
の結晶面指標を形成する際の位置決めを高精度に行える
ようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の単結晶インゴ
ット位置決め装置は、単結晶インゴットを支持して主軸
中心に回転可能なインゴット支持手段と、単結晶インゴ
ットの回転角度を検出する角度検出手段と、単結晶イン
ゴットの外周面に対し所定の研削基準位置を中心に接触
して同インゴットの外周面にオリフラまたはノッチ等の
結晶面指標を形成する研削手段とを備えた単結晶インゴ
ット加工装置に併設される。
【0009】そして、単結晶インゴットの外周面軌道上
に設定した所定の測定点にX線を照射するとともに、該
測定点から反射してきたX線の強度を検出することによ
り、単結晶インゴットの結晶格子面を検出するX線測定
手段と、単結晶インゴットに形成された結晶面指標を、
同インゴットの外周面軌道上に設定した所定の指標確認
点において検出する指標確認手段とを備えている。
【0010】また、この発明の単結晶インゴット位置決
め加工システムは、上述した単結晶インゴット加工装置
と位置決め装置の各機能を備えるべく、次の構成を有し
ている。 単結晶インゴットを支持して主軸中心に回転可能な
インゴット支持手段 単結晶インゴットの回転角度を検出する角度検出手
段 単結晶インゴットの外周面に対し、所定の研削基準
位置を中心に接触して同インゴットの外周面にオリフラ
またはノッチ等の結晶面指標を形成する研削手段 単結晶インゴットの外周面軌道上に設定した所定の
測定点にX線を照射するとともに、該測定点から反射し
てきたX線の強度を検出することにより、単結晶インゴ
ットの結晶格子面を検出するX線測定手段 単結晶インゴットに形成された結晶面指標を、同イ
ンゴットの外周面軌道上に設定した所定の指標確認点に
おいて検出する指標確認手段
【0011】上述した単結晶インゴットの位置決め加工
システムによれば、例えば、次の工程をもって単結晶イ
ンゴットを高精度に位置決めして、その外周面に結晶面
指標を形成することができる。
【0012】 研削基準位置と指標確認点との間の主
軸を中心とする相対角度を検出する指標確認位置検出工
程 この指標確認位置検出工程においては、例えば、単結晶
インゴットに模して形成したダミーインゴットをインゴ
ット支持手段により主軸中心に回転自在に支持するとと
もに、該ダミーインゴットの外周面に研削基準位置にて
研削手段をもって擬似的に結晶面指標を形成した後、ダ
ミーインゴットを回転させながら、該結晶面指標を指標
確認位置で検出する。このときの回転角度を角度検出手
段により検出することで、研削基準位置と指標確認点と
の間の主軸を中心とする相対角度を検出することができ
る。
【0013】 指標確認点と測定点との間の主軸を中
心とする相対角度を検出する測定位置検出工程 この測定位置検出工程は、例えば、次のような構成を備
えた単結晶インゴット位置決め用治具を、インゴット支
持手段に装着することで行うことができる。
【0014】すなわち、単結晶インゴット位置決め用治
具は、単結晶インゴットに模して外周面の少なくとも一
部を形成するとともに、該外周面にオリフラまたはノッ
チ等の結晶面指標を擬似的に形成した治具本体と、結晶
面指標に周方向の位置を合わせ、かつ面内回転可能に治
具本体の外周面に取り付けた結晶板とを備えている。
【0015】この単結晶インゴット位置決め用治具をイ
ンゴット支持手段により主軸中心に回転させながら、該
位置決め用治具の結晶面指標を指標確認手段により指標
確認点で検出するとともに、そのときの回転角度位置を
角度検出手段により検出する。
【0016】続いて、単結晶インゴット位置決め用治具
上に設けた結晶板の結晶格子面を、X線測定手段により
測定点で検出するとともに、そのときの回転角度位置を
角度検出手段により検出する。これらの回転角度位置に
基づき、指標確認点と測定点の間の主軸を中心とする相
対角度を検出することができる。
【0017】 X線測定手段をもって、インゴット支
持手段に支持された単結晶インゴットの外周面軌道上に
設定した測定点にX線を照射するとともに、該測定点か
ら反射してきたX線の強度を検出することにより、単結
晶インゴットの結晶格子面を検出する結晶格子面検出工
【0018】 上記結晶格子面検出工程の後、指標確
認位置検出工程において検出した相対角度、および測定
位置検出工程において検出した相対角度に基づき算出し
た、研削基準位置と測定点との間の主軸を中心とする相
対角度だけ単結晶インゴットを回転することにより、該
単結晶インゴットの結晶格子面を研削基準位置に位置決
めする位置決め工程
【0019】 研削手段をもって、研削基準位置を中
心に単結晶インゴットの外周面を研削することにより、
同インゴットの外周面に結晶面指標を形成する研削工程
【0020】以上の工程により、本発明の位置決め加工
システムは、単結晶インゴットの結晶格子面を高精度に
研削基準位置へ位置決めして、オリフラまたはノッチ等
の結晶面指標を適正に形成することができる。
【0021】また、上記研削工程の後、単結晶インゴッ
トを回転させ、指標確認手段が指標確認点において結晶
面指標を検出したときの回転角度と、指標確認位置検出
工程により検出した相対角度とを比較する検査工程を実
行してもよい。この検査工程は、上述した単結晶インゴ
ットの位置決め加工システム上で実行できるので、加工
後の単結晶インゴットを別に設けた専用の検査装置へ移
送する手間を必要とせず、効率的に行うことができる。
【0022】しかも、検査工程で結晶面指標と結晶格子
面との間のズレを検出したときは、そのズレ量を補正値
としてそのまま単結晶インゴットの位置決め加工システ
ムにフィードバックすることができるので、同システム
の位置決めに関する補正作業も簡易に行うことができ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面を参照して詳細に説明する。図1はこの発明の
実施形態に係る単結晶インゴット位置決め加工システム
の概要を示す斜視図、図2は同システムに組み込まれる
位置決め装置の外観を示す斜視図である。
【0024】図1に示すように、この実施形態に係る単
結晶インゴット位置決め加工システムは、一対の支持部
材11,12(インゴット支持手段)、ノッチ形成砥石
13(研削手段)、周面研削砥石14、X線測定ユニッ
ト15(X線測定手段)、および変位センサ16(指標
確認手段)を備えている。このうち、一対の支持部材1
1,12、ノッチ形成砥石13、および周面研削砥石1
4は、単結晶インゴット加工装置の構成要素であり、X
線測定ユニット15、および変位センサ16は、図2に
示す単結晶インゴット位置決め装置の構成要素となって
いる。
【0025】本実施形態に係る単結晶インゴット位置決
め加工システムは、単結晶インゴット加工装置と単結晶
インゴット位置決め装置との組み合わせをもって構成し
てある。なお、単結晶インゴット加工装置については、
上記構成要素を備えた公知の各種加工装置(円筒研削
盤)を適用することができる。また、この実施形態で
は、結晶面指標としてノッチ2を単結晶インゴット1の
外周面に形成する場合の構成を示しているが、結晶面指
標としてオリフラを形成する場合も同様に構成すること
ができる。
【0026】一対の支持部材11,12は、協同して単
結晶インゴット1の両端を支持する。一方の支持部材
(駆動側支持部材)11は、回転駆動源17からの回転
駆動力により回転し、他方の支持部材(従動側支持部
材)12は、駆動側支持部材11に従動して回転する。
これら支持部材11,12に支持されて、単結晶インゴ
ット1は、主軸Oを中心に回転する。
【0027】回転駆動源17の駆動軸にはエンコーダ1
8(角度検出手段)が設けてあり、支持部材11,12
に支持された単結晶インゴット1の回転角度を検出でき
るようになっている。
【0028】ノッチ形成砥石13は、支持部材11,1
2に支持された単結晶インゴット1の外周面にノッチ2
を形成するための工具であり、単結晶インゴット加工装
置にあらかじめ設定された研削基準位置を中心にして単
結晶インゴット1の外周面に接触し、同インゴット1の
軸方向に移動しながらノッチ2を形成していく。
【0029】周面研削砥石14は、支持部材11,12
により支持された単結晶インゴット1の外周面を研削す
るための工具である。チョコラルスキー引上げ法などに
より製造された無垢の単結晶インゴット1は、まずこの
周面研削砥石14により外周面を研削され、その後、ノ
ッチ形成砥石13により同インゴット1の外周面にノッ
チ2が形成される。
【0030】X線測定ユニット15および変位センサ1
6は、既述したように単結晶インゴット位置決め装置2
0に装備されている(図2参照)。X線測定ユニット1
5は、X線源21及びX線検出器22の他、X線回折測
定に必要とされる各種構成要素からなっている。この測
定ユニット15は、X線源21から単結晶インゴット1
の外周面に向けてX線を照射し、その周面で回折してき
たX線の強度をX線検出器22で検出することにより、
同インゴット1の結晶格子面を検出する機能を有してい
る。
【0031】このX線測定ユニット15による測定点
b、すなわち単結晶インゴット1の外周面に対するX線
の照射点は、単結晶インゴット位置決め装置20を位置
決め加工システムに組み込む際、任意に設定される。こ
の測定点bにおいて、単結晶インゴット1の結晶格子面
へのX線入射角度と、同格子面からの回折角度とが等し
くなったとき、X線検出器22で検出されるX線強度が
最大となる。X線測定ユニット15は、この最大X線強
度により結晶格子面の方位を検出する。
【0032】変位センサ16は、単結晶インゴット1の
外周面形状の変化に基づき、ノッチ2を検出する機能を
有している。この変位センサ16によりノッチ2を検出
する指標確認点cも、単結晶インゴット位置決め装置2
0を位置決め加工システムに組み込む際に設定される。
変位センサ16は、この指標確認点c上にノッチ2が移
動してきたとき、検出信号を出力する。
【0033】図4はこの実施形態に係る単結晶インゴッ
ト位置決め加工システムにおける研削基準位置a、測定
点b、指標確認点cの位置関係を示している。研削基準
位置aに対して、指標確認点cは回転角度φの位置に設
定してある。また、指標確認点cに対して、測定点bは
回転角度ψの位置に設定してある。
【0034】図3は指標確認点cと測定点bとの間の回
転角度ψを検出するために用いられる位置決め用治具を
示す斜視図、図5は同治具の側面図である。同図に示す
位置決め用治具30は、単結晶インゴット1に模して形
成した治具本体31と、この治具本体31に取り付けた
結晶板32とを備えている。
【0035】治具本体31の外周面には、軸方向に延在
するノッチ33が擬似的に形成してある。また、治具本
体31の外周面には一部に切欠き面31aが形成してあ
り、この切欠き面31a上に結晶板32が取り付けてあ
る。この結晶板32は、位置決め用治具30の中心軸O
を通る径方向の軸Pを中心に面内回転自在となってい
る。
【0036】ここで、ノッチ33の中心と結晶板32の
中心とは周方向の位置を合わせてある。また、結晶板3
2の回転軸Pはノッチ33の中心を通る法線と同一の方
向に位置決めしてある(図5参照)。なお、ノッチ33
の中心と結晶板32の中心とは、任意の角度に位置を合
わせてもよい。
【0037】治具本体31は、アルミ合金等の金属材料
で形成してある。結晶板32は、シリコン(Si)等の
単結晶材料で形成してあり、結晶格子面の方位に合わせ
て好ましくは結晶格子面と平行に)表面が形成してあ
る。結晶板32は、位置決め用治具30を支持部材1
1,12に装着して回転させたとき、測定点aを通過す
る位置に取り付けてある。
【0038】次に、上述の位置決め加工システムを用い
た単結晶インゴットの位置決め加工方法を説明する。図
6〜図8はこの実施形態に係る単結晶インゴットの位置
決め加工方法を説明するための図である。
【0039】この単結晶インゴットの位置決め加工方法
は、指標確認位置検出工程(図6)、測定位置検出工程
(図7)、結晶格子面検出工程(図8(a))、位置決
め工程、研削工程(図8(b))、および検査工程(図
8(c))の各工程からなる。
【0040】まず、研削基準位置aと指標確認点cとの
間の主軸Oを中心とする相対角度φ(図4参照)を検出
するために、指標確認位置検出工程を実施する。この指
標確認位置検出工程においては、図6に示すように、単
結晶インゴットに模して、アルミ合金等の金属材料で形
成したダミーインゴット40を、支持部材11,12に
より支持する。そして、ダミーインゴット40の外周面
に、研削基準位置aにてノッチ研削砥石13をもって擬
似的にノッチ41を形成する。エンコーダ18は、この
位置を原点に設定しておく。
【0041】次いで、ダミーインゴット40を主軸Oを
中心に回転させながら、外周面に形成したノッチ41を
指標確認位置cにて変位センサ16により検出するとと
もに、この検出時点の回転角度をエンコーダ18により
検出する。この回転角度が、研削基準位置aと指標確認
点cとの間の主軸Oを中心とする相対角度φである。次
に、指標確認点cと測定点bとの間の主軸Oを中心とす
る相対角度ψ(図4参照)を検出するために、測定位置
検出工程を実施する。
【0042】この測定位置検出工程では、図3に示した
位置決め用治具30を、支持部材11,12で支持す
る。そして、位置決め用治具30を回転させながら、該
位置決め用治具30のノッチ33を変位センサ16によ
り指標確認点cで検出するとともに、そのときの回転角
度位置をエンコーダ18の原点に設定する(図7(a)
参照)。
【0043】続いて、位置決め用治具30を回転し、X
線測定ユニット15のX線検出器22が最大X線強度を
検出したときの回転角度を、エンコーダ18により検出
する(図7(b))。結晶板32の表面が結晶格子面と
平行に切り出してある場合には、X線検出器22が最大
X線強度を検出したとき、結晶板32の中心が測定点b
上に位置しており、結晶板32の表面に対してX線の入
射角と回折角とが等しくなっている。
【0044】結晶板32の中心は、既述したようにノッ
チ33の中心と周方向の位置を合わせてあるので、結晶
板32の中心が測定点b上に位置したとき、ノッチ33
の延長線上に測定点bが位置することになる。したがっ
て、このときの回転角度は、指標確認点cと測定点bと
の間の主軸Oを中心とする相対角度ψ=0となる。
【0045】一方、結晶板32の表面に対し結晶格子面
が傾いている場合は、X線検出器22が最大X線強度を
検出したときの回転角度(α)と、さらに結晶板32を
回転軸P周りに180゜回転させた姿勢において、X線
検出器22が最大X線強度を検出したときの回転角度
(β)とを検出する。そして、これら回転角度の平均値
((α+β)/2)が、指標確認点cと測定点bとの間
の主軸Oを中心とする相対角度ψとなる。
【0046】以上の工程により、研削基準位置aと指標
確認点cとの間の主軸Oを中心とする相対角度φと、指
標確認点cと測定点bとの間の主軸Oを中心とする相対
角度ψとを検出した後、支持部材11,12に単結晶イ
ンゴット1を装着し、周面研削砥石14により外周面を
研削する。
【0047】続いて、単結晶インゴット1の結晶格子面
を検出するための結晶格子面検出工程を行う。この結晶
格子面検出工程では、単結晶インゴット1を回転なが
ら、X線測定ユニット15のX線検出器22が最大X線
強度を検出したときの回転角度位置を、エンコーダ18
により検出する(図8(a))。このとき、測定点bに
おいて、単結晶インゴット1の結晶格子面1aに対する
X線の入射角と回折角とが一致している。
【0048】次に、指標確認位置検出工程において検出
した相対角度φ、および測定位置検出工程において検出
した相対角度ψに基づき、研削基準位置aと測定点bと
の間の主軸Oを中心とする相対角度(φ−ψ)を求め、
この相対角度(φ−ψ)だけ単結晶インゴット1を回転
する(位置決め工程)。この工程により、単結晶インゴ
ット1の結晶格子面1aを研削基準位置aに位置決めす
ることができる。
【0049】その後、ノッチ研削砥石13をもって、研
削基準位置aを中心に単結晶インゴット1の外周面を研
削することにより、同インゴット1の外周面にノッチ2
を形成する(研削工程:図8(b))。以上の工程によ
り、単結晶インゴット1の結晶格子面1aを高精度に研
削基準位置aに位置決めすることができ、その結果、ノ
ッチ2を結晶格子面1aに合わせて適正に形成すること
ができる。
【0050】この実施形態では、研削工程の後、ノッチ
2の形成位置が適正に結晶格子面1aと合致しているが
否かを検査するために、検査工程を実行している(図8
(c)参照)。検査工程では、単結晶インゴット1を回
転させながら、変位センサ16がノッチ2を検出するま
での回転角度をエンコーダ18で検出する。ノッチ2の
形成位置が適正に結晶格子面1aと合致しているとき
は、検出した回転角度が既述した相対角度φと一致す
る。
【0051】一方、検出した回転角度と既述した相対角
度φとの間にズレがあった場合は、そのズレ角度分が、
ノッチ2の形成位置と結晶格子面1aとの間のズレ量で
ある。そこで、この場合は検出したズレ角度を補正値と
して位置決め加工システムにフィードバックしておく。
さらに、単結晶インゴット1の周面を研削した後、結晶
格子面検出工程、位置決め工程、および研削工程を実行
して、改めて適正位置にノッチ2を形成することもでき
る。これらの検査工程、およびノッチの再形成は、単結
晶インゴット1を支持部材11,12に装着したまま行
えるため、作業能率が高い。
【0052】なお、この発明は上述した実施形態に限定
されるものではない。例えば、結晶面指標としてオリフ
ラを単結晶インゴット1の外周面に形成する場合は、図
9に示すような角度センサ50(指標確認手段)を指標
確認点cに配設した構成としてもよい。
【0053】同図に示す角度センサ50は、支軸51と
一体に回動自在な揺動アーム52の両端に測定子53,
53を取り付けた構成となっている。支軸51には揺動
アーム52の回動角度を検出するエンコーダ54が装着
してある。エンコーダ54は、指標確認点cにおいて測
定子53,53がオリフラ3に接触するときの揺動アー
ム52の回動角度を基準角度に設定しておく。このよう
に構成すれば、エンコーダ54で揺動アーム52の回動
角度を監視し、基準角度を検出することにより、指標確
認点c上にオリフラ3が置かれたことを認識することが
でき、さらに回転角度の補正も行うことができる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、単結晶インゴットにオリフラまたはノッチ等の結晶
面指標を形成する際の位置決めを効率的かつ高精度に行
うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係る単結晶インゴット位
置決め加工システムの概要を示す斜視図である。
【図2】同システムに組み込まれる位置決め装置の外観
を示す斜視図である。
【図3】この発明の実施形態で用いられる位置決め用治
具を示す斜視図である。
【図4】この実施形態に係る単結晶インゴット位置決め
加工システムにおける研削基準位置、測定点、および指
標確認点の位置関係を示す図である。
【図5】図3に示した位置決め用治具の側面図である。
【図6】この発明の実施形態に係る単結晶インゴットの
位置決め加工方法を説明するための図である。
【図7】この発明の実施形態に係る単結晶インゴットの
位置決め加工方法を説明するための、図6に続く図であ
る。
【図8】この発明の実施形態に係る単結晶インゴットの
位置決め加工方法を説明するための、図7に続く図であ
る。
【図9】この発明を構成する指標確認手段の変形例を示
す図である。
【符号の説明】
1:単結晶インゴット 2:ノッチ 11:支持部材 13:ノッチ研削砥石 15:X線測定ユニット 16:変位センサ 18:エンコーダ 20:単結晶インゴット位置決め装置 21:X線源 22:X線検出器 30:位置決め用治具 31:治具本体 32:結晶板 33:ノッチ 40:ダミーインゴット 41:ノッチ 50:角度センサ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単結晶インゴットを支持して主軸中心に
    回転可能なインゴット支持手段と、前記単結晶インゴッ
    トの回転角度を検出する角度検出手段と、前記単結晶イ
    ンゴットの外周面に対し所定の研削基準位置を中心に接
    触して同インゴットの外周面にオリフラまたはノッチ等
    の結晶面指標を形成する研削手段と、を備えた単結晶イ
    ンゴット加工装置に併設される単結晶インゴットの位置
    決め装置であって、 前記単結晶インゴットの外周面軌道上に設定した所定の
    測定点にX線を照射するとともに、該測定点から反射し
    てきたX線の強度を検出することにより、前記単結晶イ
    ンゴットの結晶格子面を検出するX線測定手段と、 前記単結晶インゴットに形成された結晶面指標を、同イ
    ンゴットの外周面軌道上に設定した所定の指標確認点に
    おいて検出する指標確認手段と、を備えたことを特徴と
    する単結晶インゴットの位置決め装置。
  2. 【請求項2】 単結晶インゴットを支持して主軸中心に
    回転可能なインゴット支持手段と、 前記単結晶インゴットの回転角度を検出する角度検出手
    段と、 前記単結晶インゴットの外周面に対し所定の研削基準位
    置を中心に接触して同インゴットの外周面にオリフラま
    たはノッチ等の結晶面指標を形成する研削手段と、 前記単結晶インゴットの外周面軌道上に設定した所定の
    測定点にX線を照射するとともに、該測定点から反射し
    てきたX線の強度を検出することにより、前記単結晶イ
    ンゴットの結晶格子面を検出するX線測定手段と、 前記単結晶インゴットに形成された結晶面指標を、同イ
    ンゴットの外周面軌道上に設定した所定の指標確認点に
    おいて検出する指標確認手段と、を備えたことを特徴と
    する単結晶インゴットの位置決め加工システム。
  3. 【請求項3】 単結晶インゴットに模して外周面の少な
    くとも一部を形成するとともに、該外周面にオリフラま
    たはノッチ等の結晶面指標を擬似的に形成した治具本体
    と、 前記結晶面指標に周方向の位置を合わせ、かつ面内回転
    可能に前記治具本体の外周面に取り付けた結晶板と、を
    備えたことを特徴とする単結晶インゴットの位置決め用
    治具。
  4. 【請求項4】 単結晶インゴットを主軸中心に回転自在
    に支持するとともに、該単結晶インゴットの外周面にオ
    リフラまたはノッチ等の結晶面指標を形成するための研
    削基準位置と、該単結晶インゴットの結晶格子面をX線
    回折測定により測定するための測定点と、該単結晶イン
    ゴットに形成した結晶面指標を検出するための指標確認
    点とを、該単結晶インゴットの外周面軌道上にあらかじ
    め設定してある単結晶インゴットの位置決め加工方法で
    あって、 前記研削基準位置と前記指標確認点との間の前記主軸を
    中心とする相対角度を検出する指標確認位置検出工程
    と、 前記指標確認点と前記測定点の間の前記主軸を中心とす
    る相対角度を検出する測定位置検出工程と、 前記測定点にX線を照射するとともに、該測定点から反
    射してきたX線の強度を検出することにより、前記単結
    晶インゴットの結晶格子面を検出する結晶格子面検出工
    程と、 この結晶格子面検出工程の後、前記指標確認位置検出工
    程において検出した相対角度、および前記測定位置検出
    工程において検出した相対角度に基づき算出した、前記
    研削基準位置と前記測定点との間の前記主軸を中心とす
    る相対角度だけ前記単結晶インゴットを回転することに
    より、該単結晶インゴットの結晶格子面を前記研削基準
    位置に位置決めする位置決め工程と、 前記研削基準位置を中心に前記単結晶インゴットの外周
    面を研削することにより、同インゴットの外周面に結晶
    面指標を形成する研削工程と、を含むことを特徴とする
    単結晶インゴットの位置決め加工方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の単結晶インゴットの位置
    決め加工方法において、 前記指標確認位置検出工程は、単結晶インゴットに模し
    て形成したダミーインゴットを主軸中心に回転自在に支
    持するとともに、該ダミーインゴットの外周面に前記研
    削基準位置にて擬似的に結晶面指標を形成した後、前記
    ダミーインゴットを回転させながら、該結晶面指標を前
    記指標確認位置で検出したときの回転角度を検出する工
    程であることを特徴とする単結晶インゴットの位置決め
    加工方法。
  6. 【請求項6】 請求項4または5記載の単結晶インゴッ
    トの位置決め加工方法において、 前記測定位置検出工程は、請求項3に記載した単結晶イ
    ンゴットの位置決め用治具を主軸中心に回転自在に支持
    し、該位置決め用治具の結晶面指標を前記指標確認点で
    検出したときの回転角度位置と、該位置決め用治具上の
    結晶板の結晶格子面を前記測定点で検出したときの回転
    角度位置とに基づき、前記指標確認点と前記測定点の間
    の前記主軸を中心とする相対角度を検出する工程である
    ことを特徴とする単結晶インゴットの位置決め加工方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項4乃至6のいずれか一項に記載し
    た単結晶インゴットの位置決め加工方法において、 前記研削工程の後、前記単結晶インゴットを回転させ、
    前記指標確認点において前記単結晶インゴットの外周面
    に形成した結晶面指標を検出したときの回転角度と前記
    指標確認位置検出工程により検出した相対角度とを比較
    する検査工程を実行することを特徴とする単結晶インゴ
    ットの位置決め加工方法。
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CN112606233A (zh) * 2020-12-15 2021-04-06 西安奕斯伟硅片技术有限公司 一种晶棒的加工方法及晶片

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