JPH11267829A - ボックス構造継手の溶接施工方法 - Google Patents

ボックス構造継手の溶接施工方法

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JPH11267829A
JPH11267829A JP7217398A JP7217398A JPH11267829A JP H11267829 A JPH11267829 A JP H11267829A JP 7217398 A JP7217398 A JP 7217398A JP 7217398 A JP7217398 A JP 7217398A JP H11267829 A JPH11267829 A JP H11267829A
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JP
Japan
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welding
tack
joint
groove
carried out
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JP7217398A
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English (en)
Inventor
Yasuo Murai
康生 村井
Kenji Saito
賢司 斎藤
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 開先面内に仮付けがあっても、溶接線全線に
亘って、十分な溶け込み深さが確保できる新規な高能率
溶接施工方法の提供。 【解決手段】 鋼材1、2からなるボックス構造継手に
おけるレ形開先又はV形開先を、開先面内に仮付けを施
した上で本溶接するに際し、非消耗電極式アークまたは
プラズマを熱源とする溶接方法で、且つ溶接材料を用い
ないで仮付け5を行い、その後消耗電極式アーク溶接法
で本溶接を行うボックス構造継手の溶接施工方法であ
る。また、本溶接時に、仮付溶接部3を含めて、仮付溶
接時の溶込み深さより大きくなる溶接条件で溶接するこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、広範な利用分野に
亘って鋼構造物を製作する上において、より優れた強度
を得るための溶接施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼構造物のボックス構造継手におけるレ
形開先又はV形開先を溶接するに際しては、多くの場
合、鋼構造物の組立精度を確保するために、継手部を仮
付けした上で、本溶接を行う工程が適用されている。し
かしながら、少なくとも最終組立部材については、形状
の関係で開先裏面側に仮付けが施せないケースが多いこ
とから、表面側の開先面内に仮付けを施さねばならない
場合が生じる。
【0003】この場合、本溶接時に適用する条件より低
い溶接電流でMAG溶接あるいはCO2 溶接により仮付
けしたのち、本溶接を行っているのが現状である。これ
ら従来の仮付け方法では、必ず溶接材料が用いられてい
た。これは、仮付け溶接部の強度を溶着金属(溶接材料
が溶融して凝固した部分がその大部分を占める)の「の
ど厚」で確保するという考え方に由来する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図1の開先溶接部断面
図の例に示すように、T形継手のレ型開先の溶接におい
ては、溶接後の未溶着長さ(図中、r)が、継手の強度
を大きく左右し、これが大きくなると強度が大幅に減少
するため、極力小さくなるような施工を行うのが望まし
い。しかしながら前述のように、仮付けを行った場合開
先面内に仮付けビードが存在し、本溶接時の溶込み深さ
が該仮付けビード部では定常部に較べて浅くなるため、
この溶接溶込み深さが溶接線方向で変動して、前記仮付
けビード部分の未溶着長さが大きくなり、結果として継
手の強度が低下してしまう。
【0005】一方、溶接後の未溶着長さを小さくする狙
いで、元のルート厚さを0〜2mm程度と小さく設定した
場合、本溶接時に、能率が向上する高電流条件で施工す
ると、溶け落ちが発生するため、初層を低電流条件で溶
接した後、2層目、3層目と施工する方法を採らざるを
得なく、これが層数の増加につながる。従って、仮付け
溶接部を含めて未溶着長さが小さくかつ高能率な溶接条
件で適用できる溶接施工方法が斯界において強く望まれ
ている。
【0006】本発明は、このような問題点の解消を図る
ために成されたものであり、本発明の目的は、開先面内
に仮付けがあっても、溶接線全線に亘って、十分な溶け
込み深さが確保できる新規な高能率溶接施工方法を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】しかして、上記の目的を
達成するために、本発明者等によって鋭意研究と実験を
重ねた結果、以下に述べる構成とすることにより、上記
課題を解決できることを見出し、ここに本発明を完成す
るに至ったものである。
【0008】即ち、本発明に係る請求項1の発明に関し
ては、鋼材からなるボックス構造継手におけるレ形開先
又はV形開先を、開先面内に仮付けを施した上で、本溶
接する溶接施工方法において、非消耗電極式アークまた
はプラズマを熱源とする溶接方法で、且つ溶接材料を用
いないで仮付けを行い、その後消耗電極式アーク溶接法
で本溶接を行うことを特徴とするボックス構造継手の溶
接施工方法である。
【0009】また、本発明に係る請求項2の発明は、前
記請求項1の発明に関して、本溶接時に、仮付溶接部を
含めて、仮付溶接時の溶込み深さより大きくなる溶接条
件で溶接することを特徴とするボックス構造継手の溶接
施工方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を、添付図面を参照しながら従来の溶接手段との比較の
上で具体的に説明する。
【0011】図2(イ)、(ロ)に示すように、従来の
消耗電極式アーク溶接による仮付け溶接では、比較的低
溶着速度条件で溶接しても、本溶接時の溶込み深さが仮
付け部3’において浅くなり、継手全体としては、高強
度のものが得られない。仮に図3に示すように、仮付け
溶接部3”において仮付けビード5’より溶込み深さが
深くなるような条件で本溶接を行ったとすると(図3
(イ)参照)、定常部4において溶け落ち6が発生し易
くなる(図3(ロ)参照)。また、溶け落ち6が発生し
ない場合でも、仮付け部の溶込みは定常部4に較べてか
なり小さいものになるため、継手全体の未溶着長さを小
さくするという目的は達成できない。
【0012】図4に本発明の実施の形態に係る非消耗電
極(この例ではTIG溶接)による、レ形開先における
仮付け溶接後の溶接ビード形状が模式図で示される。一
方、図5には、MAG溶接により極めて低い溶着速度の
条件(180A−22V−70 cm/mn)下の比較例に係
るレ形開先における仮付け溶接後の溶接ビード形状が模
式図で示される。
【0013】本発明の実施の形態では、溶接材料を用い
ないため、図5のMAG溶接によるものに比較して仮付
けビード5表面から先端部をエッジ形状にした方の部材
1の裏面(図中、下側の面)までの厚さが小さくなるこ
とが判る。さらに、本発明の実施の形態は、仮付けビー
ド5表面の幅が両部材1、2側に亘って広くなっている
ことが判る。この二つの特徴が、後に施工する本溶接時
に有効な働きをするのである。
【0014】先ず前者の部材1裏面までの厚さが小さく
なるという特徴については、本溶接における溶込みが、
仮付け溶接時のものを超え易くなる状況が形成されてい
ることにつながる。一方、仮付けビード5表面の幅が広
くなるという特徴については、本溶接時における定常部
4と仮付け部4の溶込み深さの差を極度に減少させるこ
とにつながる。すなわち、図6に示すように、仮付けの
ない個所はレ形開先のままであり、両側部材1、2の存
在により、溶接ルート方向へのアークの集中が阻害され
る。一方、仮付け部4は、残のど厚は定常部4に較べて
大きいが、仮付けビード5表面が広いため、アークが集
中し易くなることから、双方の個所の溶込み深さの差が
少なくなるのである。このことは、本溶接時に仮付け溶
接時の溶込み深さを超える条件で溶接しても、従来方法
のように定常部4で溶け落ちが発生することがなく、従
って、溶接線全線の未溶着長さを小さくする施工法の実
現につながるのである。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について添付図面を参
照しながら説明する。
【0016】第1実施例 T形継手における面内仮付け及び本溶接時の溶込み比較
試験を本発明の実施例と比較例とを対比した上で、鋼材
のT形継手において、本発目による方法と従来方法との
溶接各部の溶込み深さ(未溶着長さ)で比較した。この
場合の開先形状を図7に示す。鋼材は、部材1、2とも
軟鋼を用い、試験板長さは300mmとした。
【0017】試験の手順として、先ず、MAG溶接法及
び本発明による方法で、溶接線中央部に80mm長さの仮
付け溶接し、次いでMAG溶接により定常部及び仮付け
部を連続的に本溶接した。MAG溶接における溶接材料
は市販の1.2mmφワイヤを用い、シールドガスはAr
+20%CO2 とした。
【0018】表1に仮付溶接条件、表2に本溶接条件を
それぞれ示す。溶接後、それぞれの継手から、仮付け溶
接部と定常部より断面マクロ試験片を採取し、未溶着長
さを測定した。なお、本継手の判定基準として、仮付け
部を含めて未溶着長さが本溶接部のそれよりも小さいも
のを合格とした。
【0019】表3に試験条件及び評価結果を示す。この
表に示すように、本発明による条件では未溶着長さが仮
付け部を含めて満足することが確認された。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】第2実施例 第1実施例に示された試験に沿って、部材1におけるル
ート厚さを2mmとした上で、本発明による方法であるT
IG溶接及びプラズマ溶接により仮付け溶接し、次いで
本溶接を行い従来法と比較した。この継手における未溶
着長さの判定基準としては、仮付け部、本溶接部それぞ
れの未溶着長さが2mm以下のものを合格とした。
【0024】表4に仮付け溶接条件、表5に本溶接条件
をそれぞれ示す。また、表6に試験条件及び評価結果を
示す。表6に示されるように、本発明による条件では未
溶着長さが仮付け部を含めて満足することが確認され
た。
【0025】
【表4】
【0026】
【表5】
【0027】
【表6】
【0028】第3実施例 T形継手における曲げ疲労試験を行った。第1実施例に
おける、本発明例のNo.10と、比較例であるNo.
5とについて、それぞれ2層目を360A−36V−3
5cm/minの条件で仕上げ溶接し、これの仮付け溶接個所
から図8に示すような疲労試験片を採取し、曲げ疲労試
験を実施した。試験は部材2から20mm離れた部材1の
表裏面に貼付された歪ゲージにより応力を設定し、応力
振幅16kgf/mm2 における破断繰り返し数を比較した。
【0029】表7に各試験片の曲げ疲労試験結果(破断
繰り返し数)を示す。この表7に示すように、本発明に
係るT形継手は、仮付け溶接部の未溶着長さが小さいこ
とから、比較例に較べて破断繰り返し数が極めて高く、
高強度であることが確認された。
【0030】
【表7】
【0031】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0032】すなわち本発明によれば、従来は溶接開先
面内に仮付け溶接が必要な場合の問題であった、仮付け
溶接部及び本溶接部の溶込み深さの不均一に起因する継
手強度の劣化を、溶接能率を低下させずに確実に防止す
ることが可能であって、高い信頼性を有する継手を得る
ことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】T形継手の開先溶接部の断面図である。
【図2】(イ)は従来のT形継手におけるアーク溶接の
模式図、(ロ)は(イ)におけるA−A線矢視断面図で
ある。
【図3】(イ)は従来のT形継手におけるアーク溶接の
仮付け部の模式図、(ロ)は同じく定常部の模式図であ
る。
【図4】本発明の実施の形態に係るレ形開先における仮
付け溶接後の溶接ビード形状を示す模式図である。
【図5】比較例に係るレ形開先における仮付け溶接後の
溶接ビード形状を示す模式図である。
【図6】レ形開先における仮付けがない個所の本溶接を
示す模式図である。
【図7】試験用T形継手のレ形開先部の寸法図である。
【図8】(イ)はT形継手の曲げ疲労試験を行うための
試験片の側面図、(ロ)は同じく正面図である。
【符号の説明】
1…部材 2…部材 3…仮
付け部 4…定常部 5…仮付けビード 6…溶
け落ち

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼材からなるボックス構造継手における
    レ形開先又はV形開先を、開先面内に仮付けを施した上
    で、本溶接する溶接施工方法において、非消耗電極式ア
    ークまたはプラズマを熱源とする溶接方法で、且つ溶接
    材料を用いないで仮付けを行い、その後消耗電極式アー
    ク溶接法で本溶接を行うことを特徴とするボックス構造
    継手の溶接施工方法。
  2. 【請求項2】 本溶接時に、仮付溶接部を含めて、仮付
    溶接時の溶込み深さより大きくなる溶接条件で溶接する
    請求項1記載のボックス構造継手の溶接施工方法。
JP7217398A 1998-03-20 1998-03-20 ボックス構造継手の溶接施工方法 Pending JPH11267829A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105817745A (zh) * 2016-04-13 2016-08-03 马鞍山十七冶工程科技有限责任公司 一种转炉炉壳现场安装环焊缝的焊接方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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