JPH11267746A - 金属帯の巻取り方法および巻取り装置 - Google Patents

金属帯の巻取り方法および巻取り装置

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JPH11267746A
JPH11267746A JP6901298A JP6901298A JPH11267746A JP H11267746 A JPH11267746 A JP H11267746A JP 6901298 A JP6901298 A JP 6901298A JP 6901298 A JP6901298 A JP 6901298A JP H11267746 A JPH11267746 A JP H11267746A
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JP
Japan
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tension
length
winding
metal band
satisfies
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Withdrawn
Application number
JP6901298A
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English (en)
Inventor
Akinori Hiraiwa
亮紀 平岩
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Publication date
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  • Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バックリングおよび内径変形を防止して金属
帯を巻取ることができるようにする。 【解決手段】 油塗布装置によって錆油が塗布されたブ
ライト鋼板をリールに巻取るときに、全長をL0とし
て、0.015≦L1/L0≦0.050を満たす第1
長さL1までを第1張力T1で、0.100≦L2/L
0≦0.500を満たす第2長さL2までを第2張力T
2で、0.300≦L3/L0≦0.850およびL2
<L3を満たす第3長さL3までを第3張力で、第3長
さ以降を第4張力T4で巻取り、第1〜第4張力T1〜
T4が、0.60≦T2/T1≦0.75、0.85≦
T3/T2≦1.00、および0.60≦T4/T3≦
0.80をそれぞれ満たすように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、防錆油が塗布され
たブライト鋼板などの金属帯の巻取り方法、および巻取
り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】調質圧延によって、表面が高度の光沢を
有する状態に仕上げられ、防錆油が塗布されてコイル状
に巻取られたブライト鋼板は、精整工程で検査巻直しさ
れた後に、再度防錆油を巻取り長さに応じた塗布量で塗
布しながら所定の張力で巻取られ、出荷などに供され
る。このように防錆油が塗布されたブライト鋼板を巻取
るときに、一定の巻取り張力で巻取る場合、巻取り張力
が低いと、コイル状に巻取らて積重されたブライト鋼板
間に作用する摩擦力が小さくなり、ブライト鋼板間で滑
りが生じ、これによって図7に示すように、ブライト鋼
板が巻取られたコイル1が偏平状に潰れる「内径変形」
といわれる現象が生じる。このような内径変形を防止す
るために、巻取り張力を単純に増加させると、ブライト
鋼板に与えた張力によるコイルの径を小さくしようとす
る力が、コイルの内周部分に集中し、図8に示すよう
に、内周部分の一部1aが座屈する「バックリング」と
呼ばれる現象が発生する。
【0003】内径変形を防ぐための従来技術として、特
開昭61−226120号公報には、防錆油の塗布量
を、巻取り張力に比例するリール電流に反比例させて制
御しながら、防錆油を塗布して巻取るブライト鋼板の巻
取り方法が開示されている。この技術では、巻始めから
巻終わりに向かって、巻取り張力を減少させ、これに対
して防錆油の塗布量を増加させている。またバックリン
グを防ぐための従来技術として、特開平6−47435
号公報には、巻取られたコイルの中間層を、内周層およ
び外周層よりも巻取り張力の低い低張力で巻取る巻取り
方法が開示されている。さらに内径変形およびバックリ
ングを防ぐための技術として、図9に示すように、コイ
ル1内にスリーブ2を挿入する技術、および積重される
ブライト鋼板間にクラフト紙3を介在させる技術が知ら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開昭61−2261
20号公報に開示される技術では、リール電流を測定
し、自動制御を行うための設備が必要であり、新たに設
備投資しなければならない。加えて、巻取り張力の設定
によっては、内径変形およびバックリングが発生してし
まう。また特開平6−47435号公報では、バックリ
ングを防ぐことができたとしても、低い張力の中間層で
鋼板間に滑りが生じ、内径変形が生じしまうおそれがあ
る。特に表面が高度の光沢を有する状態に仕上げられる
ブライト鋼板では、内径変形が発生しやすい。さらにス
リーブ2を挿入する技術およびクラフト紙3を介在させ
る技術では、作業性が低下するとともに、スリーブ2お
よびクラフト紙3の費用など、新たな費用が発生する。
【0005】したがって本発明は、新たな設備投資を必
要とせず、かつ新たな費用の発生を防ぎ、さらに作業性
の低下を防止して、内径変形およびバックリングを防止
することができる金属帯の巻取り方法および巻取り装置
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、(a)防錆油が塗布された金属帯をコイル状にリー
ルに巻取る方法において、(b)金属帯の全長をL0と
し、全長L0に対して、コイルの巻始めからの金属帯の
長さの関係が、 0.015≦L1/L0≦0.050 …(1) を満たす第1長さL1、 0.100≦L2/L0≦0.500 …(2) を満たす第2長さL2、および 0.300≦L3/L0≦0.850 …(3) L2<L3 …(4) を満たす第3長さL3をそれぞれ定め、(c)コイルの
巻始めから第1長さL1未満の金属帯を巻取るときの第
1張力をT1、第1長さL1以上第2長さ未満の金属帯
を巻取るときの第2張力をT2、第2長さL2以上第3
長さL3未満の金属帯を巻取るときの第3張力をT3、
および第3長さL3以上巻終わりまでの金属帯を巻取る
ときの第4張力をT4とし、第1張力T1と第2張力T
2との関係が、 0.60≦T2/T1≦0.75 …(5) を満たし、第2張力T2と第3張力T3との関係が、 0.85≦T3/T2≦1.00 …(6) を満たし、第3張力T3と第4張力T4との関係が、 0.60≦T2/T1≦0.80 …(7) を満たす状態で、金属帯を巻取ることを特徴とする金属
帯の巻取り方法である。
【0007】本発明に従えば、防錆油が塗布された金属
帯をコイル状に巻取るにあたって、前記式(1)〜
(4)を満たす第1〜第3長さL1〜L3に対応する領
域の巻取り張力が前記式(5)〜(7)を満たす第1〜
第4張力T1〜T4を満たす状態で、金属帯が巻取られ
る。詳しく述べると、金属帯は、巻始めから巻終わりに
向かって巻取り張力が減少されながら巻取られ、巻始め
から第1長さL1未満の金属帯を巻取るときの第1張力
T1に対する第1長さL1以上第2長さL2未満の金属
帯を巻取るときの第2張力の減少率を大きくし、前記第
2張力T2に対する第2長さL2以上第3長さL3未満
の金属帯を巻取るときの第3張力T3の減少率を小さ
く、または無くし、前記第3張力T3に対する第3長さ
L3以上巻終わりまでの金属帯を巻取るときの第4張力
T4の減少率を大きくしている。
【0008】このように第1〜第4張力T1〜T4を制
御して金属帯を巻取ったときにコイルの内周層は、第1
張力によって巻取られ、中間層は、第2および第3張力
T2,T3で巻取られ、外周層は、第4張力T4で巻取
られる。内周層は、中間層に対して大きな張力差を有し
て巻取られ、中間層は、外周層に対して大きな張力で巻
取られる。これによって内周層は高い第1張力T1で巻
取られ、内周層では、巻取られたときに積重される金属
帯間の摩擦力が大きくなり、積重された金属帯間での滑
りを防止することができる。また中間層を外周層に対し
て比較的高い張力で巻取ることによって、外周層の張力
を低く設定しても、外周層における金属帯間の滑りが中
間層で吸収されて、内周層に伝達されることを防ぐこと
ができる。したがって内径変形の発生を防止することが
できる。
【0009】また中間層および外周層を、内周層に比べ
て張力を大きく減少させて巻取ることによって、中間層
および外周層の張力によるコイルの径を小さくしようと
する力を小さくすることができ、内周層に座屈を生じる
ような大きな力が集中することを防ぐことができる。さ
らに第1長さL1を前記式(1)のように小さく定める
ことによって、高い張力で巻取られる層を薄くして、コ
イル径を小さくしようとする力が大きくなることを防ぐ
ことができる。さらに中間層に対する外周層の張力を小
さくして、外周層の張力によるコイルの径を小さくしよ
うとする力をさらに小さくすることができるとともに、
この力を中間層で吸収して、内周層に伝達されることを
防ぐことができる。したがってバックリングの発生を防
止することができる。
【0010】またこのように前記式(5)〜(7)を満
たす第1〜第4張力T1〜T4で、金属帯を巻取ること
によって、内径変形およびバックリングの発生を防止す
ることができるので、従来技術のようにリール電流を計
測しながら自動制御を行う設備を新たに設ける必要がな
く、またスリーブおよびクラフト紙は不要であり、これ
らの費用が発生することがない。
【0011】請求項2記載の本発明は、(a)金属帯に
防錆油を塗布する油塗布手段と、(b)油塗布手段によ
って防錆油が塗布された金属帯を巻取る巻取りリール
と、(c)巻取りリールを回転駆動するリール駆動手段
と、(d)油塗布手段よりも金属帯の走行方向上流側に
設けられ、金属帯に張力を与えることができるように金
属帯を挟持するピンチロールと、(e)ピンチロールの
回転数に基づいて、金属帯の巻取り長さを検出する巻取
り長さ検出手段と、(f)金属帯の巻取り張力を検出す
る張力検出手段と、(g)金属帯の全長をL0とし、全
長L0に対して、コイルの巻始めからの金属帯の長さの
関係が、 0.015≦L1/L0≦0.050 …(1) を満たす第1長さL1、 0.100≦L2/L0≦0.500 …(2) を満たす第2長さL2、および 0.300≦L3/L0≦0.850 …(3) L2<L3 …(4) を満たす第3長さL3が予め設定され、コイルの巻始め
から第1長さL1未満の金属帯を巻取るときの第1張力
をT1、第1長さL1以上第2長さ未満の金属帯を巻取
るときの第2張力をT2、第2長さL2以上第3長さL
3未満の金属帯を巻取るときの第3張力をT3、および
第3長さL3以上巻終わりまでの金属帯を巻取るときの
第4張力をT4とし、第1張力T1と第2張力T2との
関係が、 0.60≦T2/T1≦0.75 …(5) を満たし、第2張力T2と第3張力T3との関係が、 0.85≦T3/T2≦1.00 …(6) を満たし、第3張力T3と第4張力T4との関係が、 0.60≦T2/T1≦0.80 …(7) を満たすように、第1〜第4張力T1〜T4が予め設定
され、巻取り長さ検出手段の出力と張力検出手段の出力
とに応答し、金属帯の巻取り張力が、前記予め設定され
る第1〜第3長さT1〜T3に対応して、前記予め設定
される第1〜第4張力T1〜T4となるように、リール
駆動手段を制御する制御手段とを含むことを特徴とする
金属帯の巻取り装置である。
【0012】本発明に従えば、油塗布手段によって防錆
油が塗布された金属帯は、ピンチロールによって張力が
与えられることができるように挟持された状態で、長さ
検出手段および張力検出手段の出力に応答して制御手段
によってリール駆動手段が制御され、巻取り張力が制御
された状態で、金属帯がリールに巻取られる。制御手段
は、巻取り張力を、前記式(1)〜(4)を満たす第1
〜第3長さL1〜L3に対応する領域の巻取り張力が前
記式(5)〜(7)を満たす第1〜第4張力T1〜T4
となるように制御し、この状態で金属帯が巻取られる。
【0013】詳しく述べると、制御手段は、巻始めから
巻終わりに向かって巻取り張力が減少するように巻取張
力を制御し、巻始めから第1長さL1未満の金属帯を巻
取るときの第1張力T1に対する第1長さL1以上第2
長さL2未満の金属帯を巻取るときの第2張力の減少率
を大きくし、前記第2張力T2に対する第2長さL2以
上第3長さL3未満の金属帯を巻取るときの第3張力T
3の減少率を小さく、または無くし、前記第3張力T3
に対する第3長さL3以上巻終わりまでの金属帯を巻取
るときの第4張力T4の減少率を大きくしている。
【0014】このように第1〜第4張力T1〜T4を制
御して金属帯を巻取ったときにコイルの内周層は、第1
張力によって巻取られ、中間層は、第2および第3張力
T2,T3で巻取られ、外周層は、第4張力T4で巻取
られる。内周層は、中間層に対して大きな張力差を有し
て巻取られ、中間層は、外周層に対して大きな張力で巻
取られる。これによって内周層は高い第1張力T1で巻
取られ、内周層では、巻取られたときに積重される金属
帯間の摩擦力が大きくなり、積重された金属帯間での滑
りを防止することができる。また中間層を外周層に対し
て比較的高い張力で巻取ることによって、外周層の張力
を低く設定しても、外周層における金属帯間の滑りが中
間層で吸収されて、内周層に伝達されることを防ぐこと
ができる。したがって内径変形の発生を防止することが
できる。
【0015】また中間層および外周層を、内周層に比べ
て張力を大きく減少させて巻取ることによって、中間層
および外周層の張力によるコイルの径を小さくしようと
する力を小さくすることができ、内周層に座屈を生じる
ような大きな力が集中することを防ぐことができる。さ
らに第1長さL1を前記式(1)のように小さく定める
ことによって、高い張力で巻取られる層を薄くして、コ
イル径を小さくしようとする力が大きくなることを防ぐ
ことができる。さらに中間層に対する外周層の張力を小
さくして、外周層の張力によるコイルの径を小さくしよ
うとする力をさらに小さくすることができるとともに、
この力を中間層で吸収して、内周層に伝達されることを
防ぐことができる。したがってバックリングの発生を防
止することができる。
【0016】さらに制御手段によって、第1〜第4張力
T1〜T4を制御することができ、作業者はたとえば操
作スイッチを操作するなどして制御する必要がない。さ
らに張力を付与するためのピンチロールは、油塗布手段
よりも上流側に設けられており、油塗布手段によって塗
布される防錆油によってピンチロールに対して金属帯が
滑ってしまうことがなく、金属帯に好適に張力を付与す
ることができるとともに、金属帯が傷付くことがない。
さらに巻取り長さ検出手段は、このようなピンチロール
の回転数に基づいて、巻取り長さを検出しているので、
ピンチロールに対して金属帯が滑り、巻取り長さの検出
精度が低下してしまうことがなく、高い精度で巻取り長
さを検出することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の一形態のブ
ライト鋼板の巻取り装置10を示す系統図あり、図2は
巻取り装置10の電気的構成を示すブロック図である。
本発明の巻取り方法は、巻取り装置10を用いて、金属
帯であるブライト鋼板11を巻取るために好適に実施さ
れる。巻取り装置10は、油塗布手段12と、巻取りリ
ール13と、モータ14と、ピンチロール15と、巻取
り長さ検出手段16と、張力検出手段17と、制御手段
19とを含む。
【0018】ブライト鋼板11は、たとえば炭素を10
ppm程度含有する低炭素鋼の冷延鋼板であり、調質圧
延によって、表面が高度の光沢を有する状態に仕上げら
れて、一度防錆油が塗布されてコイル状に巻取られ、こ
の後に精整ラインにおいて検査巻き直しされて、巻取り
装置10に供給されてくる。このブライト鋼板11は、
ピンチロール15を通過し、酸化して錆が出ることを防
ぐために油塗布装置12において再度防錆油が塗布され
た後に、デフレクタロール20を経て巻取りリール13
に巻取られる。油塗布手段12は、ブライト鋼板11が
通過可能な筺体内に、静電塗油装置を有し、筺体内を通
過するブライト鋼板11に、ノズル25から防錆油を微
粒子状にして噴霧し、霧化された油粒子は高圧電極26
a,26bにより静電気を帯電され、鋼表面に均一な油
膜を形成する。
【0019】リール駆動手段であるモータ14は、巻取
りリール13を巻取り方向Aに回転駆動する。ピンチロ
ール15は、油塗布手段12よりもブライト鋼板11の
走行方向B上流側に設けられ、一対のロール部材15
a,15bによってブライト鋼板11を所定の走行速度
で送出すことができるように挟持して、巻取りリール1
3と協働してブライト鋼板11に巻取る張力を与える。
詳しく述べると、ブライト鋼板11を各ロール部材15
a,15bによって挟持した状態で、モータ14の出力
トルクを制御しながら巻取ることによって、ブライト鋼
板11の巻取り張力を制御することができる。
【0020】長さ検出手段16は、ピンチロール15の
一方のロール部材15aの回転数を計測し、この回転数
に基づいて、ブライト鋼板15の巻取り長さを演算して
求め、このようにして検出した巻取り長さを表す検出長
さ信号S1を、制御手段19に出力する。張力検出手段
17は、モータ14の負荷電流値を計測し、この負荷電
流値に基づいて、ブライト鋼板11の巻取り張力を演算
して求め、このようにして検出した巻取り張力を表す検
出張力信号S2を、制御手段19に出力する。このとき
ブライト鋼板11の巻取り長さに応じてコイルの外径が
異なり、負荷電流値が一定であっても巻取り張力が異な
るので、巻取り長さに対応させて負荷電流値から巻取り
張力を演算すればよい。
【0021】制御手段19は、巻取り長さ検出手段16
の出力、および張力検出手段17の出力に応答し、検出
長さ信号S1が表す検出長さLと、予め設定される第1
〜第3長さL1〜L3とを比較し、検出張力信号S2が
表す検出張力Tが、第1〜第3長さL1〜L3に対応し
て予め設定される第1〜第4張力T1〜T4となるよう
に、モータ14を制御する。具体的には制御手段19
は、コンピュータによって実現され、モータ14を制御
するための駆動制御手段27に、ブライト鋼板11に与
えるべき張力が作用するように、モータ14を制御する
指示を表す張力制御指令信号S3を出力する。駆動制御
手段27は、張力指令信号S3に応答して、モータ14
に与える制御電流値を制御して、ブライト鋼板11に与
えるべき張力が作用するように、モータ14の出力トル
クを制御する。このときブライト鋼板11の巻取り長さ
に応じてコイルの外径が異なり、モータ14の出力トル
クが一定であっても巻取り張力が異なるので、巻取り長
さに対応させて出力トルクを変えるように、モータ14
に与える制御電流値を制御すればよい。
【0022】巻取り装置10は、上述の構成に加えて、
入力手段28および記憶手段29を備える。入力手段2
8は、たとえばキーボードによって実現され、ブライト
鋼板11の全長L0、前述の第1〜第3長さL1〜L
3、および前述の第1〜第4張力T1〜T4を、作業者
がキー操作することによって入力することができ、入力
された全長L0および第1〜第3長さL1〜L3を表す
設定長さ信号S4、ならびに第1〜第4張力T1〜T4
を表す設定張力信号S5を、制御手段19に出力する。
このように入力手段28は、第1〜第3長さL1〜L3
を設定するための長さ設定手段、および第1〜第4張力
T1〜T4を設定するための張力設定手段として機能す
る。制御手段19は、設定長さ信号S4および設定張力
信号S5が表す第1〜第3長さL1〜L3および第1〜
第4張力T1〜T4を記憶するように記憶指示信号S6
を記憶手段29に出力し、記憶手段29は、第1〜第3
長さL1〜L3および第1〜第4張力T1〜T4を記憶
する。また制御手段19は、記憶手段29に記憶された
第1〜第3長さL1〜L3および第1〜第4張力T1〜
T4を、読出すことができる。
【0023】第1〜第3長さL1〜L3は、図3に示す
ように、始端であるコイルの巻始めから終端であるコイ
ルの巻終わりまでのブライト鋼板11の全長をL0と
し、コイルの巻始めからのブライト鋼板の巻取り長さで
あって、全長L0に対して、 0.015≦L1/L0≦0.050 …(1) を満たす第1長さL1、 0.100≦L2/L0≦0.500 …(2) を満たす第2長さL2、および 0.300≦L3/L0≦0.850 …(3) L2<L3 …(4) を満たす第3長さL3に設定される。
【0024】第1〜第4張力T1〜T4は、ブライト鋼
板11の巻取り作業の第1〜第4工程における巻取り張
力である。コイルの巻始めから第1長さ未満のブライト
鋼板11を巻取る第1工程における巻取り張力が第1張
力T1であり、第1長さL1以上第2長さ未満のブライ
ト鋼板11を巻取る第2工程における巻取り張力が第2
張力T2であり、第2長さL2以上第3長さL3未満の
ブライト鋼板11を巻取る第3工程における巻取り張力
が第3張力T3であり、第3長さL3以上巻終わりまで
のブライト鋼板11を巻取る第4工程における巻取り張
力が第4張力T4である。
【0025】第1〜第4張力T1〜T4は、第1張力T
1と第2張力T2との関係が、 0.60≦T2/T1≦0.75 …(5) を満たし、第2張力T2と第3張力T3との関係が、 0.85≦T3/T2≦1.00 …(6) を満たし、第3張力T3と第4張力T4との関係が、 0.60≦T2/T1≦0.80 …(7) を満たすように、それぞれ設定される。
【0026】図4は、巻取り装置10を用い、本発明の
巻取り方法を実施して、ブライト鋼板11を巻取るとき
の巻取り動作の一例を示すフローチャートである。ステ
ップa1でブライト鋼板11の巻取り動作が開始される
と、モータ14によって巻取りリール13を回転駆動す
る前のステップa2で、作業者は入力手段28によっ
て、ブライト鋼板11の全長L0、第1〜第3長さL1
〜L3、および第1〜第4張力T1〜T4が入力し、設
定する。設定された全長L0、第1〜第3長さL1〜L
3、および第1〜第4張力T1〜T4は、制御手段19
から記憶手段29に与えられて記憶される。
【0027】これら全長L0、第1〜第3長さL1〜L
3、および第1〜第4張力T1〜T4が設定された後
に、ステップa3で巻取りリール13が駆動される。こ
の状態で巻取り長さ検出手段16によって巻取り長さL
が検出されて、検出長さ信号S1が制御手段に出力され
るとともに、張力検出手段17によって巻取り張力Tが
検出されて、検出張力信号S2が制御手段に与えられ
る。次にステップa4で制御手段19によって、記憶手
段29に記憶されている第1長さL1が読出され、検出
された巻取り長さ(以下、「検出長さ」という場合があ
る)Lが、第1長さL1未満であるか否かが判断され
る。検出長さLが、第1長さL1未満であると判断され
たときには、ステップa5で制御手段19によって記憶
手段29に記憶されている第1張力T1が読出されて比
較対称張力TAに代入され、張力の比較対象が第1張力
T1とされる。
【0028】次にステップa6で制御手段19によっ
て、検出された巻取り張力(以下、「検出張力」という
場合がある)Tが、比較対象張力TAと等しいか否かが
判断される。検出張力Tが比較対象張力TAと等しいと
判断されたときには、ステップa3の処理に戻る。検出
張力Tが比較対称張力TAと等しくないと判断されたと
きには、ステップa7で制御手段19によって、検出張
力Tが比較対象張力TA未満であるか否かが破断され
る。
【0029】検出張力Tが検出比較張力TA未満である
と判断されたときには、ステップa8で制御手段19に
よって、巻取り張力を比較対象張力TAと一致するよう
に増加させるために、巻取り張力を増加させる指示を表
す張力制御指令信号S3が、駆動制御手段27に与えら
れる。駆動制御手段27は、この張力制御指令信号S3
に応答して、モータ14に与える制御電流値を増加さ
せ、これによって巻取り張力を増加させて比較対象張力
TAと一致するように制御される。このように張力を増
加させる処理をした後に、ステップa3の処理に戻る。
【0030】またステップa7の判断において、検出張
力Tが検出比較張力TA未満でないと判断されたときに
は、ステップa9で制御手段19によって、巻取り張力
を比較対象張力TAに一致するように減少させるため
に、巻取り張力を減少させる指示を表す張力制御指令信
号S3が、駆動制御手段27に与えられる。駆動制御手
段27は、この張力制御指令信号S3に応答して、モー
タ14に与える制御電流値を減少させ、これによって巻
取り張力を減少させて比較対象張力TAと一致するよう
に制御される。このように張力を減少させる処理をした
後に、ステップa3の処理に戻る。
【0031】ここでステップa4からステップa5の処
理を経て、ステップa6〜ステップa9の各処理が実行
されるときには、比較対象張力TAが採用されており、
巻取り張力が第1張力T1となるようにモータ14が制
御される。
【0032】前述のステップa4の判断において、検出
長さLが、第1長さL1未満でないと判断されたときに
は、ステップa10で制御手段19によって、記憶手段
29に記憶されている第2長さL2が読出され、検出長
さLが、第2長さL2未満であるか否かが判断される。
検出長さLが、第2長さL2未満であると判断されたと
きには、ステップa11で制御手段19によって記憶手
段29に記憶されている第2張力T2が読出されて比較
対象張力TAに代入され、張力の比較対象が第2張力T
2とされる。
【0033】この後に、比較対象張力TAとして第2張
力T2が採用された状態で、ステップa6〜ステップa
9の処理が実行され、巻取り張力が第2張力T2となる
ようにモータ14が制御される。
【0034】ステップa10の判断において、検出長さ
Lが、第2長さL2未満でないと判断されたときには、
ステップa12で制御手段19によって、記憶手段29
に記憶されている第3長さL3が読出され、検出長さL
が、第3長さL3未満であるか否かが判断される。検出
長さLが、第3長さL3未満であると判断されたときに
は、ステップa13で制御手段19によって記憶手段2
9に記憶されている第3張力T3が読出されて比較対象
張力TAに代入され、張力の比較対象が第3張力T3と
される。
【0035】この後に、比較対象張力TAとして第3張
力T3が採用された状態で、ステップa6〜ステップa
9の処理が実行され、巻取り張力が第3張力T3となる
ようにモータ14が制御される。
【0036】ステップa12の判断において、検出長さ
Lが、第3長さL3未満でないと判断されたときには、
ステップa14で制御手段19によって、記憶手段29
に記憶されているブライト鋼板11の全長L0が読出さ
れ、検出長さLが、全長L0未満であるか否かが判断さ
れる。検出長さLが、全長L0未満であると判断された
ときには、ステップa15で制御手段19によって記憶
手段29に記憶されている第4張力T4が読出されて比
較対象張力TAに代入され、張力の比較対象が第4張力
T4とされる。
【0037】この後に、比較対象張力TAとして第4張
力T4が採用された状態で、ステップa6〜ステップa
9の処理が実行され、巻取り張力が第4張力T4となる
ようにモータ14が制御される。
【0038】ステップa14の判断において、検出長さ
Lが、全長L0未満でないと判断されたときは、ステッ
プa16で、ブライト鋼板11の巻取りが終了した判断
されて、巻取り動作が終了する。このとき巻取リール1
3の駆動が停止される。
【0039】図5は本発明の巻取り方法に従う巻取り張
力の設定の一例を示すグラフであり、図6は巻取り装置
10を用いてブライト鋼板11を巻取ったコイルを軸方
向から見て模式的に示す側面図である。図5は、横軸が
巻取り長さLを示し、縦軸が巻取り張力Tを示してお
り、全長L0=1000mのブライト鋼板11を巻取る
ときの例である。この例では、第1長さL1=50m、
第2長さL2=300m、および第3長さL3=600
mであり、第1張力T1=9.5kgf/mm2、第2
張力T=7.0kgf/mm2 、第3張力T3=6.4
kgf/mm2 、および第4張力T4=4.8kgf/
mm2 である。
【0040】表1は第1〜第4工程における巻取り張力
T1〜T4の関係を示し、表2は、第1〜第3長さの全
長L0に対する比率を示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】図5および図6ならびに表1および表2を
参照して、ブライト鋼板11は、実線30で示すよう
に、巻始めから巻終わりに向かって巻取り張力Tが減少
されながら巻取られ、第1工程においてブライト鋼板1
1を巻取るときの第1張力T1に対する第2工程におい
てブライト鋼板11を巻取るときの第2張力T2の減少
率が26%と大きく、第2張力T2に対する第3工程に
おいてブライト鋼板11を巻取るときの第3張力T3の
減少率が9%と小さく、第3張力T3に対する第4工程
においてブライト鋼板11を巻取るときの第4張力T4
の減少率が25%と大きく設定される。
【0044】このように巻取り張力Tを制御してブライ
ト鋼板11を巻取ったときに、第1工程において巻取ら
れた内周層11aは、第1張力T1によって巻取られ、
第2および第3工程において巻取られた中間層11b,
11cは、第2および第3張力T2,T3でそれぞれ巻
取られ、第4工程において巻取られた外周層11dは、
第4張力T4で巻取られる。内周層11aは、中間層1
1b,11cに対して大きな張力差を有して巻取られ、
中間層11b,11cは、外周層11dに対して大きな
張力で巻取られる。これによって内周層11aは高い第
1張力T1で巻取られ、内周層11aでは、巻取られた
ときに積重されるブライト鋼板11間の摩擦力が大きく
なり、積重されたブライト鋼板11間での滑りを防止す
ることができる。また中間層11b,11cを外周層1
1dに対して比較的高い張力で巻取ることによって、外
周層11dの張力を低く設定しても、外周層11dにお
けるブライト鋼板11間の滑りが中間層11b,11c
で吸収されて、内周層11aに伝達されることを防ぐこ
とができる。したがって図7を参照して述べた内径変形
の発生を防止することができる。
【0045】また中間層11b,11cおよび外周層1
1dを、内周層11aに比べて張力を大きく減少させて
巻取ることによって、中間層11b,11cおよび外周
層11dの張力によるコイルの径を小さくしようとする
力を小さくすることができ、内周層11aに座屈を生じ
るような大きな力が集中することを防ぐことができる。
さらに第1長さL1を前記式(1)のように、ここでは
5%と小さく定めることによって、高い張力で巻取られ
る層を薄くして、コイル径を小さくしようとする力が大
きくなることを防ぐことができる。さらに中間層11
b,11cに対する外周層11dの張力を小さくして、
外周層11dの張力によるコイルの径を小さくしようと
する力をさらに小さくすることができるとともに、この
力を中間層11b,11cで吸収して、内周層11aに
伝達されることを防ぐことができる。したがって図8を
参照して述べたバックリングの発生を防止することがで
きる。
【0046】このような効果を発揮することができる本
発明の巻取り方法および巻取り装置10は、酸化しやす
いために十分な防錆油の塗布を必要とし、表面が高度の
光沢を有する状態に仕上げられて、コイル状に巻取られ
たときに相互に滑りやすく、また板厚がたとえば後述の
ように0.4〜0.8mm程度の薄いブライト鋼板11
を巻取るために、好適に実施することができる。他の形
態として、ブライト鋼板以外の金属帯、たとえばブライ
ト仕上げされていない鋼板および鋼以外の金属を含有す
る金属帯などを巻取るために実施してもよい。
【0047】さらに巻取り装置10を用いる場合には、
制御手段19によって、第1〜第4張力T1〜T4を制
御することができ、作業者はたとえば操作スイッチを操
作するなどして制御する必要がない。さらに張力を付与
するためのピンチロール15は、油塗布手段12よりも
上流側に設けられており、油塗布手段12によって塗布
される防錆油によってピンチロール15に対してブライ
ト鋼板11が滑ってしまうことがなく、ブライト鋼板1
1に好適に張力を付与することができるとともに、ブラ
イト鋼板11が傷付くことがない。さらに巻取り長さ検
出手段16は、このようなピンチロール15の回転数に
基づいて、巻取り長さLを検出しているので、ピンチロ
ール15に対してブライト鋼板11が滑り、巻取り長さ
Lの検出精度が低下してしまうことがなく、高い精度で
巻取り長さLを検出することができる。
【0048】図5に示した第1〜第4張力は、一例であ
り、式(5)〜式(7)を満たす張力であれば、他の張
力に選ばれてもよい。また前述のように、第1張力T1
に対する第2張力T2の減少率、および第3張力T3に
対する第4張力T4減少率は大きいので、各破線31,
32で示すように、第1および第3長さL1,L3の前
後を利用し、徐々に張力を変化させるように制御しても
よい。
【0049】本件発明者は、上述の式(1)〜式(7)
を満たすよに、第1〜第3長さL1〜L3、および第1
〜第4張力T1〜T4を設定することによって、上述の
効果を達成することを明らかにするために、ブライト鋼
板11の巻取り試験を行い、内径変形およびバックリン
グの発生状況を定性的に評価している。この試験では、
厚さが0.4mm〜0.8mm、幅が1000〜120
0mm、長さが1000〜3000mの範囲から選択さ
れ、表面粗度がRa=0.1μm以下およびRmax=
1.5μm以下の範囲内にある炭素鋼製のブライト鋼板
11に、40℃における粘度が8.0cstである防錆
油を、巻取り長さLが300m未満のとき60mg/m
2 の塗布量で、巻取り長さLが300m以上のとき20
0mg/m2 の塗布量で、塗布しながら巻取った。
【0050】この試験では、第1条件を式(4)を満た
すこととし、第2条件を式(5)を満たすこととし、第
3条件を式(6)および式(7)を満たすこととし、第
4条件を式(1)を満たすこととし、第5条件を式
(2)を満たすこととし、第6条件を式(3)を満たす
こととして、第1〜第6条件のうち選択した1つの条件
について、残余の各条件を満たしている状態で、前記選
択した1つの条件を満たす実施例と、その1つの条件を
満たさない比較例とにおいて、バックリングおよび内径
変形の発生状態について評価している。比較例において
は、バックリングまたは内径変形の発生が確認された後
には、再度の巻取り試験を行っていない場合があるけれ
ども、実施例については、少なくとも1000回程度の
試験をそれぞれ行っている。
【0051】表3〜表8はこれらの試験の結果を示し、
表3は第2〜第6条件を満たす状態での第1条件に関す
る評価の結果を示し、表4は第1および第3〜第6条件
を満たす状態での第2条件に関する評価の結果を示し、
表5は第1、第2および第4〜第6条件を満たす状態で
の第3条件に関する評価の結果を示し、表6は第1〜第
3、第5および第6条件を満たす状態での第4条件に関
する評価の結果を示し、表7は第1〜第4および第6条
件を満たす状態での第5条件に関する評価の結果を示
し、表8は第1〜第5条件を満たす状態での第6条件に
関する評価の結果を示す。表3〜表8において、○印
は、複数回行われた試験において、1度もバックリング
または内径変形が発生しながった場合を示し、×印は、
複数回行われた試験において、1度でもバックリングま
たは内径変形が発生した場合を示す。
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】
【表5】
【0055】
【表6】
【0056】
【表7】
【0057】
【表8】
【0058】表3に示すように、第1および第2張力の
関係T2/T1が、0.60,0.70,0.75にそ
れぞれ選ばれて、第1条件を満たす実施例11〜13に
おいては、バックリングおよび内径変形の発生が確認さ
れなかった。これに対して、第1および第2張力の関係
T2/T1が、0.58に選ばれて、第1条件を満たさ
ない比較例11では、内径変形の発生が確認され、第1
および第2張力の関係T2/T1が、0.77に選ばれ
て、第1条件を満たさない比較例12では、バックリン
グの発生が確認された。
【0059】表4に示すように、第2および第3張力の
関係T3/T2が、0.85,0.90,1.00にそ
れぞれ選ばれて、第2条件を満たす実施例21〜23に
おいては、バックリングおよび内径変形の発生が確認さ
れなかった。これに対して、第2および第3張力の関係
T3/T2が、0.82に選ばれて、第2条件を満たさ
ない比較例21では、内径変形の発生が確認され、第2
および第3張力の関係T3/T2が、1.03に選ばれ
て、第2条件を満たさない比較例22では、バックリン
グおよび内径変形の発生が確認された。
【0060】表5に示すように、第3および第4張力の
関係T4/T3が、0.60,0.70,0.80にそ
れぞれ選ばれて、第3条件を満たす実施例31〜33に
おいては、バックリングおよび内径変形の発生が確認さ
れなかった。これに対して、第3および第4張力の関係
T4/T3が、0.57に選ばれて、第3条件を満たさ
ない比較例31では、内径変形の発生が確認され、第3
および第4張力の関係T4/T3が、0.83に選ばれ
て、第3条件を満たさない比較例32では、内径変形の
発生が確認され、第3および第4張力の関係T4/T3
が、1.00に選ばれて、第3条件を満たさない比較例
33では、バックリングおよび内径変形の発生が確認さ
れた。
【0061】表6に示すように、全長に対する第1長さ
の関係L1/L0が、0.015,0.030,0.0
50にそれぞれ選ばれて、第4条件を満たす実施例41
〜43においては、バックリングおよび内径変形の発生
が確認されなかった。これに対して、全長に対する第1
長さの関係L1/L0が、0.014に選ばれて、第4
条件を満たさない比較例41では、内径変形の発生が確
認され、全長に対する第1長さの関係L1/L0が、
0.055に選ばれて、第4条件を満たさない比較例4
2では、バックリングの発生が確認された。
【0062】表7に示すように、全長に対する第2長さ
の関係L2/L0が、0.100,0.250,0.5
00にそれぞれ選ばれて、第5条件を満たす実施例51
〜53においては、バックリングおよび内径変形の発生
が確認されなかった。これに対して、全長に対する第2
長さの関係L2/L0が、0.090に選ばれて、第5
条件を満たさない比較例51では、内径変形の発生が確
認され、全長に対する第2長さの関係L2/L0が、
0.530に選ばれて、第5条件を満たさない比較例5
2では、バックリングの発生が確認され、全長に対する
第2長さの関係L2/L0が、0.600に選ばれて、
第5条件を満たさない比較例53では、バックリングお
よび内径変形の発生が確認された。
【0063】表8に示すように、全長に対する第3長さ
の関係L3/L0が、0.300,0.500,0.7
00,0.850にそれぞれ選ばれて、第6条件を満た
す実施例61〜64においては、バックリングおよび内
径変形の発生が確認されなかった。これに対して、全長
に対する第3長さの関係L3/L0が、0.250に選
ばれて、第5条件を満たさない比較例61では、内径変
形の発生が確認され、全長に対する第2長さの関係L3
/L0が、0.900に選ばれて、第6条件を満たさな
い比較例62では、バックリングおよび内径変形の発生
が確認された。
【0064】これらの試験の結果から、式(1)〜式
(7)に基づく第1〜第6条件のうち、1つの条件でも
満たさない場合には、バックリングおよび内径変形の少
なくともいずれか一方が生じるおそれがある。このよう
に第1〜第6条件を全て満たさなければバックリングお
よび内径変形を確実に防ぐことができないけれども、第
1〜第6条件を全て満たした本発明に従う状態で巻取れ
ば、バックリングおよび内径変形を確実に防ぐことがで
きることが明らかである。
【0065】上述の形態は、本発明の一例であり、この
形態に限定されることはなく、構成を変更することが可
能である。たとえば、巻取り方法を実施するための装置
は、上述の形態の装置10に限定されることはなく、た
とえば張力検出手段として、金属帯が巻きかけられるロ
ールに作用する力をロードセルなどを用いて検出する構
成であってもよく、また巻取り長さ検出手段は、ピンチ
ロール15とは別途に設けられるロールの回転数から検
出する構成であってもよい。また巻取り張力は、制御手
段によって言わば自動的に制御するように構成されたけ
れども、検出された巻取り長さおよび検出された巻取り
張力に対応して、たとえばバーニヤなどと呼ばれる操作
手段を作業者が手動操作して、制御するようにしてもよ
い。また試験に用いたブライト鋼板の寸法および表面粗
度は、一例であり、これに限定されることはなく、例示
した範囲外の値のブライト鋼板を巻取ってもよい。また
塗布する防錆油として、たとえば粘度8.0〜20.0
(40℃cst)の防錆油を用い、またその塗布量につ
いても、上記数値に限定されることはなく、巻始めから
の長さが300〜500mで区切られる領域に対して、
この長さまでの塗布量を60〜100mg/m2の範囲
から選択し、それ以降の塗布量を150〜250mg/
2の範囲から選択するようにしてもよく、さらに3つ
以上の領域に区切って塗布量調整をするようにしてもよ
い。また制御手段は、金属帯の材質および寸法などを入
力することによって全長L0および第1〜第3長さL1
〜L3、ならびに第1〜第4張力を所定の条件に従って
演算して設定する構成であってもよい。
【0066】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、内周層
では、巻取られたときに積重される金属帯間の摩擦力が
大きくなり、積重された金属帯間での滑りを防止するこ
とができ、内径変形の発生を防止することができる。ま
た内周層に座屈を生じるような大きな力が集中すること
を防ぐことができ、バックリングの発生を防止すること
ができる。
【0067】請求項2記載の本発明によれば、作業者は
たとえば操作スイッチを操作するなどして制御する必要
がなく、内径変形、バックリングを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の巻取り装置10を示す
系統図である。
【図2】巻取り装置10の電気的構成を示すブロック図
である。
【図3】第1〜第3長さL1〜L3の設定を示すグラフ
である。
【図4】巻取り装置10を用いてブライト鋼板を巻取る
ときの動作を示すフローチャートである。
【図5】巻取り張力の設定の一例を示すグラフである。
【図6】ブライト鋼板11を巻取ったコイルを示す側面
図である。
【図7】内径変形が生じたコイル1を示す斜視図であ
る。
【図8】バックリングが生じたコイル1を示す斜視図で
ある。
【図9】スリーブ2が挿入されるとともに、クラフト紙
3が介在されるコイル1を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 巻取り装置 11 ブライト鋼板 12 油塗布装置 13 巻取りリール 14 モータ 15 ピンチロール 16 巻取り長さ検出手段 17 張力検出手段 19 制御手段 28 入力手段 29 記憶手段
【手続補正書】
【提出日】平成10年4月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】調質圧延によって、表面が高度の光沢を
有する状態に仕上げられ、防錆油が塗布されてコイル状
に巻取られたブライト鋼板は、精整工程で検査巻直しさ
れた後に、再度防錆油を巻取り長さに応じた塗布量で塗
布しながら所定の張力で巻取られ、出荷などに供され
る。このように防錆油が塗布されたブライト鋼板を巻取
るときに、一定の巻取り張力で巻取る場合、巻取り張力
が低いと、コイル状に巻取られて積重されたブライト鋼
板間に作用する摩擦力が小さくなり、ブライト鋼板間で
滑りが生じ、これによって図7に示すように、ブライト
鋼板が巻取られたコイル1が偏平状に潰れる「内径変
形」といわれる現象が生じる。このような内径変形を防
止するために、巻取り張力を単純に増加させると、ブラ
イト鋼板に与えた張力によるコイルの径を小さくしよう
とする力が、コイルの内周部分に集中し、図8に示すよ
うに、内周部分の一部1aが座屈する「バックリング」
と呼ばれる現象が発生する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開昭61−2261
20号公報に開示される技術では、リール電流を測定
し、自動制御を行うための設備が必要であり、新たに設
備投資しなければならない。加えて、巻取り張力の設定
によっては、内径変形およびバックリングが発生してし
まう。また特開平6−47435号公報では、バックリ
ングを防ぐことができたとしても、低い張力の中間層で
鋼板間に滑りが生じ、内径変形が生じてしまうおそれが
ある。特に表面が高度の光沢を有する状態に仕上げられ
るブライト鋼板では、内径変形が発生しやすい。さらに
スリーブ2を挿入する技術およびクラフト紙3を介在さ
せる技術では、作業性が低下するとともに、スリーブ2
およびクラフト紙3の費用など、新たな費用が発生す
る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、(a)防錆油が塗布された金属帯をコイル状にリー
ルに巻取る方法において、(b)金属帯の全長をL0と
し、全長L0に対して、コイルの巻始めからの金属帯の
長さの関係が、 0.015≦L1/L0≦0.050 …(1) を満たす第1長さL1、 0.100≦L2/L0≦0.500 …(2) を満たす第2長さL2、および 0.300≦L3/L0≦0.850 …(3) L2<L3 …(4) を満たす第3長さL3をそれぞれ定め、(c)コイルの
巻始めから第1長さL1未満の金属帯を巻取るときの第
1張力をT1、第1長さL1以上第2長さ未満の金属帯
を巻取るときの第2張力をT2、第2長さL2以上第3
長さL3未満の金属帯を巻取るときの第3張力をT3、
および第3長さL3以上巻終わりまでの金属帯を巻取る
ときの第4張力をT4とし、第1張力T1と第2張力T
2との関係が、 0.60≦T2/T1≦0.75 …(5) を満たし、第2張力T2と第3張力T3との関係が、 0.85≦T3/T2≦1.00 …(6) を満たし、第3張力T3と第4張力T4との関係が、 0.60≦T4/T3≦0.80 …(7) を満たす状態で、金属帯を巻取ることを特徴とする金属
帯の巻取り方法である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】請求項2記載の本発明は、(a)金属帯に
防錆油を塗布する油塗布手段と、(b)油塗布手段によ
って防錆油が塗布された金属帯を巻取る巻取りリール
と、(c)巻取りリールを回転駆動するリール駆動手段
と、(d)油塗布手段よりも金属帯の走行方向上流側に
設けられ、金属帯に張力を与えることができるように金
属帯を挟持するピンチロールと、(e)ピンチロールの
回転数に基づいて、金属帯の巻取り長さを検出する巻取
り長さ検出手段と、(f)金属帯の巻取り張力を検出す
る張力検出手段と、(g)金属帯の全長をL0とし、全
長L0に対して、コイルの巻始めからの金属帯の長さの
関係が、 0.015≦L1/L0≦0.050 …(1) を満たす第1長さL1、 0.100≦L2/L0≦0.500 …(2) を満たす第2長さL2、および 0.300≦L3/L0≦0.850 …(3) L2<L3 …(4) を満たす第3長さL3が予め設定され、コイルの巻始め
から第1長さL1未満の金属帯を巻取るときの第1張力
をT1、第1長さL1以上第2長さ未満の金属帯を巻取
るときの第2張力をT2、第2長さL2以上第3長さL
3未満の金属帯を巻取るときの第3張力をT3、および
第3長さL3以上巻終わりまでの金属帯を巻取るときの
第4張力をT4とし、第1張力T1と第2張力T2との
関係が、 0.60≦T2/T1≦0.75 …(5) を満たし、第2張力T2と第3張力T3との関係が、 0.85≦T3/T2≦1.00 …(6) を満たし、第3張力T3と第4張力T4との関係が、 0.60≦T4/T3≦0.80 …(7) を満たすように、第1〜第4張力T1〜T4が予め設定
され、巻取り長さ検出手段の出力と張力検出手段の出力
とに応答し、金属帯の巻取り張力が、前記予め設定され
る第1〜第3長さT1〜T3に対応して、前記予め設定
される第1〜第4張力T1〜T4となるように、リール
駆動手段を制御する制御手段とを含むことを特徴とする
金属帯の巻取り装置である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】リール駆動手段であるモータ14は、巻取
りリール13を巻取り方向Aに回転駆動する。ピンチロ
ール15は、油塗布手段12よりもブライト鋼板11の
走行方向B上流側に設けられ、一対のロール部材15
a,15bによってブライト鋼板11を所定の走行速度
で送出すことができるように挟持して、巻取りリール1
3と協働してブライト鋼板11に巻取り張力を与える。
詳しく述べると、ブライト鋼板11を各ロール部材15
a,15bによって挟持した状態で、モータ14の出力
トルクを制御しながら巻取ることによって、ブライト鋼
板11の巻取り張力を制御することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】第1〜第4張力T1〜T4は、第1張力T
1と第2張力T2との関係が、 0.60≦T2/T1≦0.75 …(5) を満たし、第2張力T2と第3張力T3との関係が、 0.85≦T3/T2≦1.00 …(6) を満たし、第3張力T3と第4張力T4との関係が、 0.60≦T4/T3≦0.80 …(7) を満たすように、それぞれ設定される。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】これら全長L0、第1〜第3長さL1〜L
3、および第1〜第4張力T1〜T4が設定された後
に、ステップa3で巻取りリール13が駆動される。こ
の状態で巻取り長さ検出手段16によって巻取り長さL
が検出されて、検出長さ信号S1が制御手段に出力され
るとともに、張力検出手段17によって巻取り張力Tが
検出されて、検出張力信号S2が制御手段に与えられ
る。次にステップa4で制御手段19によって、記憶手
段29に記憶されている第1長さL1が読出され、検出
された巻取り長さ(以下、「検出長さ」という場合があ
る)Lが、第1長さL1未満であるか否かが判断され
る。検出長さLが、第1長さL1未満であると判断され
たときには、ステップa5で制御手段19によって記憶
手段29に記憶されている第1張力T1が読出されて比
較対象張力TAに代入され、張力の比較対象が第1張力
T1とされる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】次にステップa6で制御手段19によっ
て、検出された巻取り張力(以下、「検出張力」という
場合がある)Tが、比較対象張力TAと等しいか否かが
判断される。検出張力Tが比較対象張力TAと等しいと
判断されたときには、ステップa3の処理に戻る。検出
張力Tが比較対象張力TAと等しくないと判断されたと
きには、ステップa7で制御手段19によって、検出張
力Tが比較対象張力TA未満であるか否かが判断され
る。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】検出張力Tが比較対象張力TA未満である
と判断されたときには、ステップa8で制御手段19に
よって、巻取り張力を比較対象張力TAと一致するよう
に増加させるために、巻取り張力を増加させる指示を表
す張力制御指令信号S3が、駆動制御手段27に与えら
れる。駆動制御手段27は、この張力制御指令信号S3
に応答して、モータ14に与える制御電流値を増加さ
せ、これによって巻取り張力を増加させて比較対象張力
TAと一致するように制御される。このように張力を増
加させる処理をした後に、ステップa3の処理に戻る。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】またステップa7の判断において、検出張
力Tが比較対象張力TA未満でないと判断されたときに
は、ステップa9で制御手段19によって、巻取り張力
を比較対象張力TAに一致するように減少させるため
に、巻取り張力を減少させる指示を表す張力制御指令信
号S3が、駆動制御手段27に与えられる。駆動制御手
段27は、この張力制御指令信号S3に応答して、モー
タ14に与える制御電流値を減少させ、これによって巻
取り張力を減少させて比較対象張力TAと一致するよう
に制御される。このように張力を減少させる処理をした
後に、ステップa3の処理に戻る。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】この試験では、第1条件を式(5)を満た
すこととし、第2条件を式(6)を満たすこととし、第
3条件を式(7)を満たすこととし、第4条件を式
(1)を満たすこととし、第5条件を式(2)を満たす
こととし、第6条件を式(3)および式(4)を満たす
こととして、第1〜第6条件のうち選択した1つの条件
について、残余の各条件を満たしている状態で、前記選
択した1つの条件を満たす実施例と、その1つの条件を
満たさない比較例とにおいて、バックリングおよび内径
変形の発生状態について評価している。比較例において
は、バックリングまたは内径変形の発生が確認された後
には、再度の巻取り試験を行っていない場合があるけれ
ども、実施例については、少なくとも1000回程度の
試験をそれぞれ行っている。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)防錆油が塗布された金属帯をコイ
    ル状にリールに巻取る方法において、 (b)金属帯の全長をL0とし、全長L0に対して、コ
    イルの巻始めからの金属帯の長さの関係が、 0.015≦L1/L0≦0.050 を満たす第1長さL1、 0.100≦L2/L0≦0.500 を満たす第2長さL2、および 0.300≦L3/L0≦0.850 L2<L3 を満たす第3長さL3をそれぞれ定め、 (c)コイルの巻始めから第1長さL1未満の金属帯を
    巻取るときの第1張力をT1、第1長さL1以上第2長
    さ未満の金属帯を巻取るときの第2張力をT2、第2長
    さL2以上第3長さL3未満の金属帯を巻取るときの第
    3張力をT3、および第3長さL3以上巻終わりまでの
    金属帯を巻取るときの第4張力をT4とし、 第1張力T1と第2張力T2との関係が、 0.60≦T2/T1≦0.75 を満たし、第2張力T2と第3張力T3との関係が、 0.85≦T3/T2≦1.00 を満たし、第3張力T3と第4張力T4との関係が、 0.60≦T2/T1≦0.80 を満たす状態で、金属帯を巻取ることを特徴とする金属
    帯の巻取り方法。
  2. 【請求項2】 (a)金属帯に防錆油を塗布する油塗布
    手段と、 (b)油塗布手段によって防錆油が塗布された金属帯を
    巻取る巻取りリールと、 (c)巻取りリールを回転駆動するリール駆動手段と、 (d)油塗布手段よりも金属帯の走行方向上流側に設け
    られ、金属帯に張力を与えることができるように金属帯
    を挟持するピンチロールと、 (e)ピンチロールの回転数に基づいて、金属帯の巻取
    り長さを検出する巻取り長さ検出手段と、 (f)金属帯の巻取り張力を検出する張力検出手段と、 (g)金属帯の全長をL0とし、全長L0に対して、コ
    イルの巻始めからの金属帯の長さの関係が、 0.015≦L1/L0≦0.050 を満たす第1長さL1、 0.100≦L2/L0≦0.500 を満たす第2長さL2、および 0.300≦L3/L0≦0.850 L2<L3 を満たす第3長さL3が予め設定され、 コイルの巻始めから第1長さL1未満の金属帯を巻取る
    ときの第1張力をT1、第1長さL1以上第2長さ未満
    の金属帯を巻取るときの第2張力をT2、第2長さL2
    以上第3長さL3未満の金属帯を巻取るときの第3張力
    をT3、および第3長さL3以上巻終わりまでの金属帯
    を巻取るときの第4張力をT4とし、 第1張力T1と第2張力T2との関係が、 0.60≦T2/T1≦0.75 を満たし、第2張力T2と第3張力T3との関係が、 0.85≦T3/T2≦1.00 を満たし、第3張力T3と第4張力T4との関係が、 0.60≦T2/T1≦0.80 を満たすように、第1〜第4張力T1〜T4が予め設定
    され、 巻取り長さ検出手段の出力と張力検出手段の出力とに応
    答し、金属帯の巻取り張力が、前記予め設定される第1
    〜第3長さT1〜T3に対応して、前記予め設定される
    第1〜第4張力T1〜T4となるように、リール駆動手
    段を制御する制御手段とを含むことを特徴とする金属帯
    の巻取り装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008043996A (ja) * 2006-08-21 2008-02-28 Jfe Steel Kk 鋼帯巻き取り機
JP2011240461A (ja) * 2010-05-20 2011-12-01 Tokiwa Kotai Kk ガングスリッタ装置
CN104342548A (zh) * 2013-07-30 2015-02-11 宝山钢铁股份有限公司 取向硅钢MgO涂层钢卷的卷取方法

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