JPH11267661A - ホウ素含有排水の処理方法 - Google Patents
ホウ素含有排水の処理方法Info
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- JPH11267661A JPH11267661A JP10074324A JP7432498A JPH11267661A JP H11267661 A JPH11267661 A JP H11267661A JP 10074324 A JP10074324 A JP 10074324A JP 7432498 A JP7432498 A JP 7432498A JP H11267661 A JPH11267661 A JP H11267661A
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- Removal Of Specific Substances (AREA)
- Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ホウ素含有排水を、従来の凝集沈殿処理法あ
るいはイオン交換樹脂による処理法の利点を残しなが
ら、より効率的に、かつ低コストで処理する方法を提供
する。 【解決手段】 ホウ素含有排水である被処理水1を蒸発
濃縮塔3などで蒸発処理して濃縮液4と凝縮液5とに分
離する第1工程と、第1工程の凝縮液5を凝集沈殿処理
またはイオン交換処理してホウ素を除去する第2工程と
からなることを特徴とし、イオン交換処理に用いたイオ
ン交換樹脂の再生廃液を中和した後、前記ホウ素含有排
水と混合し、第1工程で蒸発処理することが好ましく、
蒸発処理が減圧蒸留法により行われることが好ましい。
るいはイオン交換樹脂による処理法の利点を残しなが
ら、より効率的に、かつ低コストで処理する方法を提供
する。 【解決手段】 ホウ素含有排水である被処理水1を蒸発
濃縮塔3などで蒸発処理して濃縮液4と凝縮液5とに分
離する第1工程と、第1工程の凝縮液5を凝集沈殿処理
またはイオン交換処理してホウ素を除去する第2工程と
からなることを特徴とし、イオン交換処理に用いたイオ
ン交換樹脂の再生廃液を中和した後、前記ホウ素含有排
水と混合し、第1工程で蒸発処理することが好ましく、
蒸発処理が減圧蒸留法により行われることが好ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力発電所の放
射性排水、石炭火力発電所の排煙脱硫排水および焼却炉
の洗煙排水等のホウ素含有排水からホウ素を効率よく除
去する方法に関する。
射性排水、石炭火力発電所の排煙脱硫排水および焼却炉
の洗煙排水等のホウ素含有排水からホウ素を効率よく除
去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ホウ素の摂取による人体への影響は十分
に解明されているとは云えず、また、水質汚濁防止法の
排出基準にもホウ素に関する規制値が見当たらない。水
道法水質基準には、監視項目の一つとしてホウ素が挙げ
られていて、その規制値は0.2mg/リットルと低い
数値が設定されている。現状の浄水処理方法(水道用水
をつくる方法)では、ホウ素は除去はできない。ホウ素
含有排水が上水道源に混入する場合、事前にホウ素含有
排水から排水処理方法によりホウ素を除去する必要があ
る。しかしながら現状では、ホウ素含有排水から効果的
にホウ素を除去する方法がない。
に解明されているとは云えず、また、水質汚濁防止法の
排出基準にもホウ素に関する規制値が見当たらない。水
道法水質基準には、監視項目の一つとしてホウ素が挙げ
られていて、その規制値は0.2mg/リットルと低い
数値が設定されている。現状の浄水処理方法(水道用水
をつくる方法)では、ホウ素は除去はできない。ホウ素
含有排水が上水道源に混入する場合、事前にホウ素含有
排水から排水処理方法によりホウ素を除去する必要があ
る。しかしながら現状では、ホウ素含有排水から効果的
にホウ素を除去する方法がない。
【0003】通常排出される、大部分のホウ素含有排水
は、その濃度に関わらず、ホウ素の形態はホウ酸塩、ホ
ウ酸(H3 BO3)もしくはホウ酸イオン(BO3 -3)とし
て存在する。これらのホウ素含有排水にフッ素が共存す
ると、ホウ素がフッ素イオンと結合して、ホウフッ化物
となる(以下、これらホウ素含有物を単に「ホウ素」と
記載する)。
は、その濃度に関わらず、ホウ素の形態はホウ酸塩、ホ
ウ酸(H3 BO3)もしくはホウ酸イオン(BO3 -3)とし
て存在する。これらのホウ素含有排水にフッ素が共存す
ると、ホウ素がフッ素イオンと結合して、ホウフッ化物
となる(以下、これらホウ素含有物を単に「ホウ素」と
記載する)。
【0004】ホウ素含有排水から、ホウ素を除去する方
法として、従来からアルミニウム化合物とカルシウム化
合物による凝集沈殿処理法やイオン交換樹脂法がよく知
られている。また、これらの処理法を組み合わせた処理
法もあり、例えば、初めに、ホウ素含有排水中のホウ素
をイオン交換樹脂で処理して除去し、イオン交換樹脂の
再生時に排出される再生廃液中のホウ素をアルミニウム
化合物とカルシウム化合物を添加する凝集沈殿処理法で
除去する方法が提案されている(特公昭58−1519
3号公報)。
法として、従来からアルミニウム化合物とカルシウム化
合物による凝集沈殿処理法やイオン交換樹脂法がよく知
られている。また、これらの処理法を組み合わせた処理
法もあり、例えば、初めに、ホウ素含有排水中のホウ素
をイオン交換樹脂で処理して除去し、イオン交換樹脂の
再生時に排出される再生廃液中のホウ素をアルミニウム
化合物とカルシウム化合物を添加する凝集沈殿処理法で
除去する方法が提案されている(特公昭58−1519
3号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の凝集沈殿処理法
やイオン交換樹脂法、あるいは特公昭58−15193
号公報に開示されるイオン交換樹脂法と凝集沈殿処理法
の組み合わせ法は、いずれも実用化に適した処理法であ
るが、なお、以下のような解決されなければならない問
題点が存在する。
やイオン交換樹脂法、あるいは特公昭58−15193
号公報に開示されるイオン交換樹脂法と凝集沈殿処理法
の組み合わせ法は、いずれも実用化に適した処理法であ
るが、なお、以下のような解決されなければならない問
題点が存在する。
【0006】(1)アルミニウム化合物とカルシウム化
合物を用い、凝集沈殿処理法でホウ素を除去する場合、
除去ホウ素1kgあたり必要なアルミニウム(Al)量
は、20〜40kgで、多量のアルミニウム化合物を必
要とし、薬品コストを高くする。 (2)多量のアルミニウム化合物を必要とする凝集沈殿
処理において、ホウ素除去の環境を最適の条件にするp
H調整に要するカルシウム化合物もまた多量に必要で、
薬品コストが上昇する。
合物を用い、凝集沈殿処理法でホウ素を除去する場合、
除去ホウ素1kgあたり必要なアルミニウム(Al)量
は、20〜40kgで、多量のアルミニウム化合物を必
要とし、薬品コストを高くする。 (2)多量のアルミニウム化合物を必要とする凝集沈殿
処理において、ホウ素除去の環境を最適の条件にするp
H調整に要するカルシウム化合物もまた多量に必要で、
薬品コストが上昇する。
【0007】(3)イオン交換樹脂法において、樹脂層
にホウ素含有排水を直接通水する場合、樹脂層の閉塞や
有機物汚染の防止のために、予め、ホウ素含有排水の濾
過や活性炭処理を行う前処理設備を必要とし、設備の過
大化を招く。 (4)ホウ素含有排水の通水でイオン交換樹脂がホウ素
で飽和すると、硫酸や硫酸アルミニウム或は水酸化ナト
リウム等の薬品による再生賦活を要し、薬品の使用量を
多くする。また、この再生処理に伴って生ずる再生廃液
を処理するための他の薬品を要し、その処理に伴って汚
泥も発生する。このため、さらに薬品代や汚泥処分費等
を要し、ランニングコストを更に大きくする。
にホウ素含有排水を直接通水する場合、樹脂層の閉塞や
有機物汚染の防止のために、予め、ホウ素含有排水の濾
過や活性炭処理を行う前処理設備を必要とし、設備の過
大化を招く。 (4)ホウ素含有排水の通水でイオン交換樹脂がホウ素
で飽和すると、硫酸や硫酸アルミニウム或は水酸化ナト
リウム等の薬品による再生賦活を要し、薬品の使用量を
多くする。また、この再生処理に伴って生ずる再生廃液
を処理するための他の薬品を要し、その処理に伴って汚
泥も発生する。このため、さらに薬品代や汚泥処分費等
を要し、ランニングコストを更に大きくする。
【0008】上記したように、従来から知られるこれら
の処理法にあっては、薬品コストや設備費等のランニン
グコストが大きく、なお、解決されなければならない課
題を残している。本発明は、このような事情に対処し
て、従来の処理法の欠陥を解消するため、鋭意研究した
結果、従来の凝集沈殿処理法あるいはイオン交換樹脂に
よる処理法の利点を残し、これに新たに蒸発法を組合わ
せた処理法により、より効率的に、かつ低コストで処理
することが可能な処理法の提供を目的としてなされたも
のである。
の処理法にあっては、薬品コストや設備費等のランニン
グコストが大きく、なお、解決されなければならない課
題を残している。本発明は、このような事情に対処し
て、従来の処理法の欠陥を解消するため、鋭意研究した
結果、従来の凝集沈殿処理法あるいはイオン交換樹脂に
よる処理法の利点を残し、これに新たに蒸発法を組合わ
せた処理法により、より効率的に、かつ低コストで処理
することが可能な処理法の提供を目的としてなされたも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明が解決しようとす
る課題は、ホウ素含有排水を蒸発処理して濃縮液と凝縮
液に分離する第1工程と、その第1工程の凝縮液を凝集
沈殿処理法またはイオン交換処理法によって、ホウ素を
除去する第2工程からなるホウ素含有排水の処理方法に
よって解決された。また、前記イオン交換処理に用いた
イオン交換樹脂の再生廃液を中和した後、前記ホウ素含
有排水と混合し、前記第1工程で蒸発処理することから
なるホウ素含有排水の処理方法によっても解決された。
る課題は、ホウ素含有排水を蒸発処理して濃縮液と凝縮
液に分離する第1工程と、その第1工程の凝縮液を凝集
沈殿処理法またはイオン交換処理法によって、ホウ素を
除去する第2工程からなるホウ素含有排水の処理方法に
よって解決された。また、前記イオン交換処理に用いた
イオン交換樹脂の再生廃液を中和した後、前記ホウ素含
有排水と混合し、前記第1工程で蒸発処理することから
なるホウ素含有排水の処理方法によっても解決された。
【0010】さらに、前記それぞれの第1工程の蒸発が
減圧蒸留法により行われることからなるホウ素含有排水
の処理方法によっても解決された。さらにまた、ホウ素
含有排水が、高濃度排水と低濃度排水に分別できる場合
には、まず、第1工程で高濃度のホウ素を含む排水を蒸
発法で蒸発処理して、濃縮液と凝縮液に分離し、次の第
2工程では、第1工程の凝縮液と低濃度のホウ素含有排
水を混合し、凝集沈殿処理法やイオン交換処理法でホウ
素を除去することによっても解決された。
減圧蒸留法により行われることからなるホウ素含有排水
の処理方法によっても解決された。さらにまた、ホウ素
含有排水が、高濃度排水と低濃度排水に分別できる場合
には、まず、第1工程で高濃度のホウ素を含む排水を蒸
発法で蒸発処理して、濃縮液と凝縮液に分離し、次の第
2工程では、第1工程の凝縮液と低濃度のホウ素含有排
水を混合し、凝集沈殿処理法やイオン交換処理法でホウ
素を除去することによっても解決された。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明を詳しく説明する。
本発明は、ホウ素含有排水の処理法に関し、第1の発明
は、ホウ素含有排水を蒸発法により蒸発処理して高濃度
のホウ素を含む濃縮液と凝縮液に分離する第1工程と、
次いで、第1工程で分離した凝縮液中に含まれる微量の
ホウ素を凝集沈殿処理して除去する第2工程とからなる
ことに特徴がある。
本発明は、ホウ素含有排水の処理法に関し、第1の発明
は、ホウ素含有排水を蒸発法により蒸発処理して高濃度
のホウ素を含む濃縮液と凝縮液に分離する第1工程と、
次いで、第1工程で分離した凝縮液中に含まれる微量の
ホウ素を凝集沈殿処理して除去する第2工程とからなる
ことに特徴がある。
【0012】上記において、処理対象となるホウ素含有
排水は、ホウ素を含有する排水であり、各種の工程排水
が混合した総合排水でもよいが、ホウ素含有量の多、少
により、高濃度系、低濃度系に分別できれば、初めに、
高濃度のホウ素含有排水を蒸発法で蒸発処理してホウ素
を除去し、次いで、同蒸発処理で発生した凝縮液と低濃
度のホウ素含有排水を混合して、凝集沈殿処理すること
により、残留ホウ素を効果的に除去できるので、より好
ましい。上記で、高濃度のホウ素含有排水とは、ホウ素
濃度が5mg/リットルより高いものを云い、低濃度の
ホウ素含有排水とは、ホウ素濃度が5mg/リットル以
下のものを云う。
排水は、ホウ素を含有する排水であり、各種の工程排水
が混合した総合排水でもよいが、ホウ素含有量の多、少
により、高濃度系、低濃度系に分別できれば、初めに、
高濃度のホウ素含有排水を蒸発法で蒸発処理してホウ素
を除去し、次いで、同蒸発処理で発生した凝縮液と低濃
度のホウ素含有排水を混合して、凝集沈殿処理すること
により、残留ホウ素を効果的に除去できるので、より好
ましい。上記で、高濃度のホウ素含有排水とは、ホウ素
濃度が5mg/リットルより高いものを云い、低濃度の
ホウ素含有排水とは、ホウ素濃度が5mg/リットル以
下のものを云う。
【0013】ホウ素含有排水を蒸発法で蒸発処理する
と、ホウ素含有排水中のホウ素の大部分が濃縮液側に移
行し、ごく少量のホウ素が凝縮液側に移行する。ホウ素
含有排水中のホウ素は、ホウ酸イオンやホウフッ化物の
形態で存在しているために、理論的には蒸発処理によっ
て凝縮液側に移行しないことになるが、実操作にあって
は、蒸発処理時の飛沫同伴等の現象によって凝縮液側に
も移行し、1〜5mg/リットルのホウ素(Bとして)
が凝縮液に含まれることになる。
と、ホウ素含有排水中のホウ素の大部分が濃縮液側に移
行し、ごく少量のホウ素が凝縮液側に移行する。ホウ素
含有排水中のホウ素は、ホウ酸イオンやホウフッ化物の
形態で存在しているために、理論的には蒸発処理によっ
て凝縮液側に移行しないことになるが、実操作にあって
は、蒸発処理時の飛沫同伴等の現象によって凝縮液側に
も移行し、1〜5mg/リットルのホウ素(Bとして)
が凝縮液に含まれることになる。
【0014】したがって、ホウ素含有排水を蒸発処理の
みで処理することは、ホウ素処理としては不十分とな
る。このため、ホウ素除去をより完全にする処理工程と
して、凝集沈殿処理による二次処理、つまり、本発明の
第2工程が必要となる。第2工程の被処理対象液は、第
1工程の凝縮液単独、および高濃度ホウ素含有排水の凝
縮液と他の低濃度ホウ素含有排水との混合排水である。
みで処理することは、ホウ素処理としては不十分とな
る。このため、ホウ素除去をより完全にする処理工程と
して、凝集沈殿処理による二次処理、つまり、本発明の
第2工程が必要となる。第2工程の被処理対象液は、第
1工程の凝縮液単独、および高濃度ホウ素含有排水の凝
縮液と他の低濃度ホウ素含有排水との混合排水である。
【0015】第2工程においては、上記の被処理対象液
にアルミニウム化合物を添加し、次いで、カルシウム化
合物もしくはカルシウム化合物とアルカリ剤を併用して
pH値を11〜12.5の範囲に調整し、ホウ素を不溶
解性沈殿物にする。この不溶解性沈殿物の固液分離は、
有機高分子凝集剤を添加して不溶解性沈殿物の沈降速度
を速めた後、重力分離、あるいは遠心分離により容易に
なされる。
にアルミニウム化合物を添加し、次いで、カルシウム化
合物もしくはカルシウム化合物とアルカリ剤を併用して
pH値を11〜12.5の範囲に調整し、ホウ素を不溶
解性沈殿物にする。この不溶解性沈殿物の固液分離は、
有機高分子凝集剤を添加して不溶解性沈殿物の沈降速度
を速めた後、重力分離、あるいは遠心分離により容易に
なされる。
【0016】アルミニウム化合物としては、塩化アルミ
ニウム、硫酸アルミニウム等、アルミニウムを含有する
水溶性化合物が使用できる。カルシウム化合物として
は、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウ
ム等が挙げられる。アルカリ剤は、水酸化カルシウム以
外のカルシウム化合物を使用した場合に必要であり、主
に水酸化ナトリウムが使用される。
ニウム、硫酸アルミニウム等、アルミニウムを含有する
水溶性化合物が使用できる。カルシウム化合物として
は、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウ
ム等が挙げられる。アルカリ剤は、水酸化カルシウム以
外のカルシウム化合物を使用した場合に必要であり、主
に水酸化ナトリウムが使用される。
【0017】また、第2の発明は、その第1工程で、ホ
ウ素含有排水を蒸発法により蒸発処理し、その際に発生
する凝縮液を第2工程でイオン交換樹脂で処理してホウ
素を除去し、さらに使用したイオン交換樹脂の再生廃液
を中和した後、前記ホウ素含有排水と混合し、これを上
記第1工程の蒸発法により蒸発処理することを特徴とす
るものである。
ウ素含有排水を蒸発法により蒸発処理し、その際に発生
する凝縮液を第2工程でイオン交換樹脂で処理してホウ
素を除去し、さらに使用したイオン交換樹脂の再生廃液
を中和した後、前記ホウ素含有排水と混合し、これを上
記第1工程の蒸発法により蒸発処理することを特徴とす
るものである。
【0018】上記において、第2工程の被処理対象水の
ホウ素濃度が5mg/リットル以下の場合には、イオン
交換処理法を適用することができる。このイオン交換処
理法は、上記被処理対象水をアニオン交換樹脂層に通水
することによりホウ素を除去する。アニオン交換樹脂層
がホウ素で飽和し、ホウ素除去ができなくなると、アニ
オン交換樹脂を再生する。再生は硫酸あるいは硫酸と硫
酸アルミニウムの混合液を通液してホウ素を溶離し、樹
脂層を賦活することによりなされる。
ホウ素濃度が5mg/リットル以下の場合には、イオン
交換処理法を適用することができる。このイオン交換処
理法は、上記被処理対象水をアニオン交換樹脂層に通水
することによりホウ素を除去する。アニオン交換樹脂層
がホウ素で飽和し、ホウ素除去ができなくなると、アニ
オン交換樹脂を再生する。再生は硫酸あるいは硫酸と硫
酸アルミニウムの混合液を通液してホウ素を溶離し、樹
脂層を賦活することによりなされる。
【0019】上記の再生処理により生じた再生廃液中に
は、溶離したホウ素を高濃度に含んでいる。このため、
この再生廃液を、他の蒸発処理対象となるホウ素含有排
水と混合し、上記第1工程の蒸発法により蒸発処理す
る。この場合、再生廃液は強酸性であるので、蒸発処理
に際して予めアルカリ剤で中和処理をする必要がある。
再生廃液をアルカリ剤で中和すると、塩濃度が高くな
る。このため蒸発処理に際して、濃縮倍率が低下して水
回収率が低下するが、再生廃液のみを凝集沈殿処理する
方法に比べて、薬品量や汚泥発生量が軽減するので、な
お実用性が高い。
は、溶離したホウ素を高濃度に含んでいる。このため、
この再生廃液を、他の蒸発処理対象となるホウ素含有排
水と混合し、上記第1工程の蒸発法により蒸発処理す
る。この場合、再生廃液は強酸性であるので、蒸発処理
に際して予めアルカリ剤で中和処理をする必要がある。
再生廃液をアルカリ剤で中和すると、塩濃度が高くな
る。このため蒸発処理に際して、濃縮倍率が低下して水
回収率が低下するが、再生廃液のみを凝集沈殿処理する
方法に比べて、薬品量や汚泥発生量が軽減するので、な
お実用性が高い。
【0020】また、ホウ素含有排水が高濃度系と低濃度
系に分別できるならば、高濃度のホウ素含有排水を蒸発
処理してホウ素を除去し、この蒸発処理で発生した凝縮
液をイオン交換樹脂処理し、低濃度のホウ素含有排水
を、SS、COD等、イオン交換樹脂を劣化させる物質
を予め除去する前処理をした後にイオン交換樹脂処理す
るのが好ましい。
系に分別できるならば、高濃度のホウ素含有排水を蒸発
処理してホウ素を除去し、この蒸発処理で発生した凝縮
液をイオン交換樹脂処理し、低濃度のホウ素含有排水
を、SS、COD等、イオン交換樹脂を劣化させる物質
を予め除去する前処理をした後にイオン交換樹脂処理す
るのが好ましい。
【0021】更に、第3の発明は、蒸発法に間接式の蒸
発濃縮法を用いることに特徴を有するものである。蒸発
濃縮装置で蒸発処理を行う場合、ホウ素含有排水のSS
濃度が1000mg/リットル以下であれば、予備処理
をすることなく、蒸発濃縮装置で蒸発処理を行うことが
できる。通常、ホウ素処理の対象となる排水のSS濃度
は1000mg/リットル以下である。したがって、イ
オン交換樹脂により処理する場合のように濾過等の前処
理を必要としない。
発濃縮法を用いることに特徴を有するものである。蒸発
濃縮装置で蒸発処理を行う場合、ホウ素含有排水のSS
濃度が1000mg/リットル以下であれば、予備処理
をすることなく、蒸発濃縮装置で蒸発処理を行うことが
できる。通常、ホウ素処理の対象となる排水のSS濃度
は1000mg/リットル以下である。したがって、イ
オン交換樹脂により処理する場合のように濾過等の前処
理を必要としない。
【0022】もちろん、熱源が豊富にあれば、排水中の
ホウ素濃度に関わらず、ホウ素含有排水の全量を蒸発処
理することもできるが、前述した理由により、凝縮液の
ホウ素濃度を5mg/リットル以下にはできないため
に、ホウ素処理はこの蒸発法だけでは不十分となる。蒸
発濃縮装置としては、蒸気を用いた間接式の蒸発濃縮装
置であれば、熱交換の方式はチューブラ型、プレート型
等、いずれの方式を用いても良い。また、蒸発濃縮装置
としては、複数の蒸発塔を設置し、減圧下で操作される
多重効用缶方式のものが、熱効率が高くより好ましい。
ホウ素濃度に関わらず、ホウ素含有排水の全量を蒸発処
理することもできるが、前述した理由により、凝縮液の
ホウ素濃度を5mg/リットル以下にはできないため
に、ホウ素処理はこの蒸発法だけでは不十分となる。蒸
発濃縮装置としては、蒸気を用いた間接式の蒸発濃縮装
置であれば、熱交換の方式はチューブラ型、プレート型
等、いずれの方式を用いても良い。また、蒸発濃縮装置
としては、複数の蒸発塔を設置し、減圧下で操作される
多重効用缶方式のものが、熱効率が高くより好ましい。
【0023】この蒸発濃縮装置の運転は、減圧蒸留によ
り運転するのが通常であり、運転条件は、絶対圧400
〜80mmHg(11〜53KPa)、蒸発温度50〜80
℃が好ましいが、これらの運転条件は排水の性状に対応
して適宜選定してもよい。この蒸発濃縮装置で発生する
蒸気は、凝縮器による間接冷却で、温度が約35℃、塩
濃度が約30〜500g/リットルで、蒸発濃縮装置か
ら排出される。さらに、分別により得られた高濃度のホ
ウ素含有排水を上記の蒸発法で蒸発処理して得た濃縮液
の場合には、全蒸発残留物(以下、「TS」という。)
に占めるホウ素含有率が高く、ホウ素の回収を有利にす
る。
り運転するのが通常であり、運転条件は、絶対圧400
〜80mmHg(11〜53KPa)、蒸発温度50〜80
℃が好ましいが、これらの運転条件は排水の性状に対応
して適宜選定してもよい。この蒸発濃縮装置で発生する
蒸気は、凝縮器による間接冷却で、温度が約35℃、塩
濃度が約30〜500g/リットルで、蒸発濃縮装置か
ら排出される。さらに、分別により得られた高濃度のホ
ウ素含有排水を上記の蒸発法で蒸発処理して得た濃縮液
の場合には、全蒸発残留物(以下、「TS」という。)
に占めるホウ素含有率が高く、ホウ素の回収を有利にす
る。
【0024】濃縮液中のTSに占めるホウ素含有率がホ
ウ酸として50重量%以上であれば、その濃縮液を蒸気
乾燥等の適当手段により乾燥することにより、乾燥物を
ホウ酸の原料とすることができる。また、ホウ素含有率
がホウ酸として50重量%以下の場合には、濃縮液が液
温50℃以上で排出されるので、これを10〜20℃に
冷却することにより、純度の高いホウ酸が回収できる。
ウ酸として50重量%以上であれば、その濃縮液を蒸気
乾燥等の適当手段により乾燥することにより、乾燥物を
ホウ酸の原料とすることができる。また、ホウ素含有率
がホウ酸として50重量%以下の場合には、濃縮液が液
温50℃以上で排出されるので、これを10〜20℃に
冷却することにより、純度の高いホウ酸が回収できる。
【0025】上記において、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明したが、なお第1の発明を実施する装置の
一例を図面により説明する。なお、本発明はこれによっ
て制限されるものではない。図1において、ホウ素含有
排水1が、胴部に加熱用蒸気2が供給され、内部が真空
ポンプ7の吸引で減圧状態となっている蒸発濃縮塔3に
適当手段により供給されると、ここで加熱用蒸気2と熱
交換することにより水分が蒸気となって蒸発し、これが
前記真空ポンプ7の吸引作用により吸引され、冷却水6
を循環する凝縮器8に移行して冷却され、凝縮液5とな
る。
て詳細に説明したが、なお第1の発明を実施する装置の
一例を図面により説明する。なお、本発明はこれによっ
て制限されるものではない。図1において、ホウ素含有
排水1が、胴部に加熱用蒸気2が供給され、内部が真空
ポンプ7の吸引で減圧状態となっている蒸発濃縮塔3に
適当手段により供給されると、ここで加熱用蒸気2と熱
交換することにより水分が蒸気となって蒸発し、これが
前記真空ポンプ7の吸引作用により吸引され、冷却水6
を循環する凝縮器8に移行して冷却され、凝縮液5とな
る。
【0026】凝縮液5は次いで、まず撹拌機9を備える
混合槽10に移行し、ここで図示しないアルミニウム化
合物、例えば硫酸アルミニウムとカルシウム化合物、例
えば水酸化カルシウムを添加して、凝縮液5中に残留す
るホウ素イオンを不溶性のホウ素化合物にする。次い
で、ここで形成した不溶性のホウ素化合物の沈降性を改
善するため、これを撹拌機9を備える凝集槽11に供給
し、図示しない有機高分子凝集剤を添加する。
混合槽10に移行し、ここで図示しないアルミニウム化
合物、例えば硫酸アルミニウムとカルシウム化合物、例
えば水酸化カルシウムを添加して、凝縮液5中に残留す
るホウ素イオンを不溶性のホウ素化合物にする。次い
で、ここで形成した不溶性のホウ素化合物の沈降性を改
善するため、これを撹拌機9を備える凝集槽11に供給
し、図示しない有機高分子凝集剤を添加する。
【0027】この処理で、沈降性が改善された不溶解性
のホウ素化合物を含む液は、次いで沈殿槽12に移行
し、予め設定した滞留により固−液分離し、不溶解性の
ホウ素化合物の濃度を高くした凝集沈殿汚泥14は沈殿
槽12の底部から系外に抜き出され、不溶解性のホウ素
化合を分離した上澄水は処理水13となる。
のホウ素化合物を含む液は、次いで沈殿槽12に移行
し、予め設定した滞留により固−液分離し、不溶解性の
ホウ素化合物の濃度を高くした凝集沈殿汚泥14は沈殿
槽12の底部から系外に抜き出され、不溶解性のホウ素
化合を分離した上澄水は処理水13となる。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこの実施例により制限されるものでは
ない。 実施例1 図1に示す処理系により、高濃度のホウ素含有排水を処
理した。処理に用いた蒸発濃縮装置は、薄膜流式蒸発装
置で、その仕様は内径80mm、高さ950mm、 電気
ヒータ加熱方式であり、有効容量は約5リットルであ
る。被処理水の性状を表1に示す。
するが、本発明はこの実施例により制限されるものでは
ない。 実施例1 図1に示す処理系により、高濃度のホウ素含有排水を処
理した。処理に用いた蒸発濃縮装置は、薄膜流式蒸発装
置で、その仕様は内径80mm、高さ950mm、 電気
ヒータ加熱方式であり、有効容量は約5リットルであ
る。被処理水の性状を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】上記性状の被処理水40リットルを、上記
仕様の蒸発濃縮装置を用いて、絶対圧150mmHg、
蒸気温度60℃の実験条件で約20倍まで蒸発処理し
て、TDS(溶解性蒸発残留物)50g/リットルの濃
縮液約2リットルと、下記表2に示す性状の凝縮液を約
36リットルを得た。
仕様の蒸発濃縮装置を用いて、絶対圧150mmHg、
蒸気温度60℃の実験条件で約20倍まで蒸発処理し
て、TDS(溶解性蒸発残留物)50g/リットルの濃
縮液約2リットルと、下記表2に示す性状の凝縮液を約
36リットルを得た。
【0031】
【表2】
【0032】上記性状の凝縮水1リットルに硫酸アルミ
ニウムを1000mg/リットルとなるように、水酸化
カルシウムを1500mg/リットルとなるように添加
し、水酸化ナトリウムでpH値を12.3に調整した
後、有機高分子凝集剤「エバグロース A−151」
((株)荏原製作所製)を2mg/リットルとなるよう
に添加して、凝集沈殿処理を行なった。この処理で得ら
れた処理水のホウ素濃度は0.2mg/リットルで、ホ
ウ素の除去率は93%強の成績であった。
ニウムを1000mg/リットルとなるように、水酸化
カルシウムを1500mg/リットルとなるように添加
し、水酸化ナトリウムでpH値を12.3に調整した
後、有機高分子凝集剤「エバグロース A−151」
((株)荏原製作所製)を2mg/リットルとなるよう
に添加して、凝集沈殿処理を行なった。この処理で得ら
れた処理水のホウ素濃度は0.2mg/リットルで、ホ
ウ素の除去率は93%強の成績であった。
【0033】実施例2 実施例1で得た凝縮水を、弱塩基性アニオン交換樹脂
(IRA−45)を充填して径15mm、高さ60mm
の換樹層を形成したイオン交換樹脂カラムにSV15h
-1で通水し、樹脂容量に対して約300倍通水したとこ
ろで、処理水のホウ素濃度が0.8mg/リットルに上
昇したので通水を止め、50g/リットル濃度の硫酸水
溶液をSV1.5h-1で通液して樹脂を再生した。再生
廃液中のホウ素濃度は、約800g/リットルであっ
た。
(IRA−45)を充填して径15mm、高さ60mm
の換樹層を形成したイオン交換樹脂カラムにSV15h
-1で通水し、樹脂容量に対して約300倍通水したとこ
ろで、処理水のホウ素濃度が0.8mg/リットルに上
昇したので通水を止め、50g/リットル濃度の硫酸水
溶液をSV1.5h-1で通液して樹脂を再生した。再生
廃液中のホウ素濃度は、約800g/リットルであっ
た。
【0034】次いで、この再生廃液1リットルを水酸化
ナトリウムで中和した後、実施例1の被処理水約20リ
ットルと混合し、実施例1の実験条件で約20倍に蒸発
処理した。得られた凝縮液は約1リットルで、ホウ素濃
度は3mg/リットルで、実施例1の数値に同じであっ
た。
ナトリウムで中和した後、実施例1の被処理水約20リ
ットルと混合し、実施例1の実験条件で約20倍に蒸発
処理した。得られた凝縮液は約1リットルで、ホウ素濃
度は3mg/リットルで、実施例1の数値に同じであっ
た。
【0035】
【比較例】本発明をより明確にするため、蒸発法以外の
処理法でホウ素含有排水を処理した場合の処理成績を比
較例で示す。 比較例1 実施例1に供した高濃度のホウ素含有排水1リットル
に、硫酸アルミニウムを20g/リットルとなるよう
に、水酸化カルシウムを10g/リットルとなるように
それぞれ添加して十分に撹拌して溶解混合した後、水酸
化ナトリウムでpHを12.3に調整し、さらに、凝集
剤「エバグロース A−151」を5mg/リットルと
なるように添加混合し、緩慢な撹拌条件下で凝集沈殿処
理を行なった。
処理法でホウ素含有排水を処理した場合の処理成績を比
較例で示す。 比較例1 実施例1に供した高濃度のホウ素含有排水1リットル
に、硫酸アルミニウムを20g/リットルとなるよう
に、水酸化カルシウムを10g/リットルとなるように
それぞれ添加して十分に撹拌して溶解混合した後、水酸
化ナトリウムでpHを12.3に調整し、さらに、凝集
剤「エバグロース A−151」を5mg/リットルと
なるように添加混合し、緩慢な撹拌条件下で凝集沈殿処
理を行なった。
【0036】固−液分離が完了した状態で、処理水のホ
ウ素濃度を測定したところ、9mg/リットルで、多量
の薬品を使用しても凝集沈殿処理のみでは、実施例1に
よる処理法になお及ばない処理結果であった。
ウ素濃度を測定したところ、9mg/リットルで、多量
の薬品を使用しても凝集沈殿処理のみでは、実施例1に
よる処理法になお及ばない処理結果であった。
【0037】比較例2 実施例1に供した被処理水を、孔径が1μmのMF膜で
濾過してSSを除去した後、弱塩基性アニオン交換樹脂
(IRA−45)を、径15mm、高さ60mmに充填
した樹脂層に、SV15h-1で通水した。樹脂容量に対
して、約30倍通水したところで、処理水のホウ素濃度
を測定したところ、1.1mg/リットルに上昇したの
で通水を停止して、実施例2と同様に硫酸で再生した。
濾過してSSを除去した後、弱塩基性アニオン交換樹脂
(IRA−45)を、径15mm、高さ60mmに充填
した樹脂層に、SV15h-1で通水した。樹脂容量に対
して、約30倍通水したところで、処理水のホウ素濃度
を測定したところ、1.1mg/リットルに上昇したの
で通水を停止して、実施例2と同様に硫酸で再生した。
【0038】この再生で生じた再生廃液1リットルに硫
酸アルミニウムを30g/リットルとなるように、水酸
化カルシウムを70g/リットルとなるように、エバグ
ロースA−151を8mg/リットルとなるように加え
て十分に混合したスラリーを凝集沈殿処理したところ、
固−液分離はできなかった。
酸アルミニウムを30g/リットルとなるように、水酸
化カルシウムを70g/リットルとなるように、エバグ
ロースA−151を8mg/リットルとなるように加え
て十分に混合したスラリーを凝集沈殿処理したところ、
固−液分離はできなかった。
【0039】このスラリーを孔径が1μmのMF膜で濾
過したところ、濾過水のホウ酸濃度は38mg/リット
ルであった。以上の結果から、高濃度にホウ素を含む再
生廃液を凝集沈殿処理法で処理してホウ素を除去する場
合、処理水のホウ素濃度の低減は困難で、その上、多量
の薬品が必要であることから、ホウ素濃度の高い排水を
直接、イオン交換法で処理するのは得策ではない。
過したところ、濾過水のホウ酸濃度は38mg/リット
ルであった。以上の結果から、高濃度にホウ素を含む再
生廃液を凝集沈殿処理法で処理してホウ素を除去する場
合、処理水のホウ素濃度の低減は困難で、その上、多量
の薬品が必要であることから、ホウ素濃度の高い排水を
直接、イオン交換法で処理するのは得策ではない。
【0040】
【発明の効果】本発明のホウ素含有排水の処理方法は、
従来から知られる処理法、例えば凝集沈殿処理法やイオ
ン交換樹脂処理法の前工程に、新たに蒸発による濃縮工
程(蒸発法という)を組み込んだことに最大の特徴を有
し、この処理方法をホウ素含有排水の処理に適用すると
きには、以下の効果がもたらされる。 (1)蒸発法を行うことにより、ホウ素含有排水をホウ
素濃度の高い濃縮物とホウ素濃度の低い凝縮物に分別で
き、凝縮物のみを後段の、例えば凝集沈殿処理法やイオ
ン交換樹脂処理法で処理するので、処理を容易にし、薬
品費の軽減や汚泥発生量の減少により処理費の低減をも
たらす。
従来から知られる処理法、例えば凝集沈殿処理法やイオ
ン交換樹脂処理法の前工程に、新たに蒸発による濃縮工
程(蒸発法という)を組み込んだことに最大の特徴を有
し、この処理方法をホウ素含有排水の処理に適用すると
きには、以下の効果がもたらされる。 (1)蒸発法を行うことにより、ホウ素含有排水をホウ
素濃度の高い濃縮物とホウ素濃度の低い凝縮物に分別で
き、凝縮物のみを後段の、例えば凝集沈殿処理法やイオ
ン交換樹脂処理法で処理するので、処理を容易にし、薬
品費の軽減や汚泥発生量の減少により処理費の低減をも
たらす。
【0041】(2)蒸発法を行うことにより、ホウ素含
有排水のホウ素濃度の変動が吸収でき、安定したホウ素
処理をもたらす。
有排水のホウ素濃度の変動が吸収でき、安定したホウ素
処理をもたらす。
【図1】本発明のホウ素含有排水の処理方法の一態様を
説明する処理系統図である。
説明する処理系統図である。
1 被処理水 2 加熱用蒸気 3 蒸発濃縮塔 4 濃縮液 5 凝縮液 6 冷却水 7 真空ポンプ 8 凝縮器 9 撹拌機 10 混合槽 11 凝集槽 12 沈殿槽 13 処理水 14 凝集沈殿汚泥
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C02F 9/00 502 C02F 9/00 502B 502P 502J 503 503G 504 504B 504E
Claims (3)
- 【請求項1】 ホウ素含有排水を蒸発処理して濃縮液と
凝縮液とに分離する第1工程と、第1工程の凝縮液を凝
集沈殿処理またはイオン交換処理してホウ素を除去する
第2工程とからなることを特徴とするホウ素含有排水の
処理方法。 - 【請求項2】 前記イオン交換処理に用いたイオン交換
樹脂の再生廃液を中和した後、前記ホウ素含有排水と混
合し、前記第1工程で蒸発処理することを特徴とする請
求項1記載のホウ素含有排水の処理方法。 - 【請求項3】 前記蒸発処理が減圧蒸留法により行われ
ることを特徴とする請求項1または2記載のホウ素含有
排水の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10074324A JPH11267661A (ja) | 1998-03-23 | 1998-03-23 | ホウ素含有排水の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10074324A JPH11267661A (ja) | 1998-03-23 | 1998-03-23 | ホウ素含有排水の処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11267661A true JPH11267661A (ja) | 1999-10-05 |
Family
ID=13543831
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10074324A Pending JPH11267661A (ja) | 1998-03-23 | 1998-03-23 | ホウ素含有排水の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11267661A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001232372A (ja) * | 2000-02-21 | 2001-08-28 | Kurita Water Ind Ltd | ホウ素含有水の処理方法 |
JP2002263640A (ja) * | 2001-03-08 | 2002-09-17 | Yamanashi Prefecture | 水中のホウ素除去方法 |
JP2006130420A (ja) * | 2004-11-05 | 2006-05-25 | Yuuhei Inamori | リン成分の回収方法 |
CN108689544A (zh) * | 2018-07-24 | 2018-10-23 | 苏州方舟环保科技有限公司 | 一种零排放的含硼废水处理装置及方法 |
DE102021107592B3 (de) | 2021-03-25 | 2022-07-14 | EnBW Energie Baden-Württemberg AG | Anlage und Verfahren zum Abtrennen von Borsäurekristallen aus einem Borsäure-Wasser-Gemisch |
-
1998
- 1998-03-23 JP JP10074324A patent/JPH11267661A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001232372A (ja) * | 2000-02-21 | 2001-08-28 | Kurita Water Ind Ltd | ホウ素含有水の処理方法 |
JP4543478B2 (ja) * | 2000-02-21 | 2010-09-15 | 栗田工業株式会社 | ホウ素含有水の処理方法 |
JP2002263640A (ja) * | 2001-03-08 | 2002-09-17 | Yamanashi Prefecture | 水中のホウ素除去方法 |
JP2006130420A (ja) * | 2004-11-05 | 2006-05-25 | Yuuhei Inamori | リン成分の回収方法 |
JP4657680B2 (ja) * | 2004-11-05 | 2011-03-23 | 悠平 稲森 | リン成分の回収方法 |
CN108689544A (zh) * | 2018-07-24 | 2018-10-23 | 苏州方舟环保科技有限公司 | 一种零排放的含硼废水处理装置及方法 |
DE102021107592B3 (de) | 2021-03-25 | 2022-07-14 | EnBW Energie Baden-Württemberg AG | Anlage und Verfahren zum Abtrennen von Borsäurekristallen aus einem Borsäure-Wasser-Gemisch |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20060324 |
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060828 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070509 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070912 |