JPH11264654A - 断熱壁部材 - Google Patents

断熱壁部材

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JPH11264654A
JPH11264654A JP10067195A JP6719598A JPH11264654A JP H11264654 A JPH11264654 A JP H11264654A JP 10067195 A JP10067195 A JP 10067195A JP 6719598 A JP6719598 A JP 6719598A JP H11264654 A JPH11264654 A JP H11264654A
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尚孝 山本
Seiichiro Kito
誠一路 木藤
Nobuhiro Yanagisawa
伸浩 柳沢
Koichi Tatsu
晃一 達
Munekimi Hasegawa
宗侯 長谷川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空断熱パネルが損傷した場合、損傷個所が
容易に特定できる断熱壁部材を提供する。 【解決手段】 真空断熱パネル75を内装する外板14
0、あるいは内板120の表面に、内装する真空断熱パ
ネル75の配設位置を示す目印を設けた構成を具備す
る。配設位置を示す目印は区画線200であって、区画
線200は隣接する真空断熱パネル75の境界部分に対
応する位置に配設される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍車や保冷車に
装備される車両用断熱荷箱、あるいはコンテナ等の輸送
用断熱庫の断熱壁部材に関する。
【0002】
【従来の技術】(1)図7に示す冷凍車、保冷車などの
断熱庫の断熱壁20は、発泡ウレタンフォームや発泡ス
チレンフォーム等のスラブ(既に発泡させて板状に加工
したもの)30をアルミ展伸材あるいはFRP製の内板
24、外板22に接着剤40で接合したサンドイッチパ
ネルを用いている。または同様の内外板に独立発泡のウ
レタンを注入発泡させた構造を採用している。
【0003】(2)更に、この冷凍車の冷凍庫は予冷時
間の短縮化や庫内容積拡大が望まれている。予冷時間
は、荷物の積み込み前に冷凍庫内を所定の温度(低温)
へ冷し込む時間のことである。予冷時間の短縮化は、冷
凍庫への外気からの熱の進入を減少させる必要がある。
また、庫内容積の拡大は、横幅方向への拡大で対応させ
ているが、冷凍庫の外幅寸法は、法規により規制されて
いる。従って、庫内寸法の拡大の要望は、断熱壁の薄肉
化が必要とされる。
【0004】冷凍庫への外気からの熱の進入を減少させ
る、あるいは庫内の断熱性を損なわずに断熱壁の薄肉化
を達成するためには、冷凍庫壁の断熱性の向上が必要で
ある。ここで、断熱材として用いられている素材に対す
る熱伝導率を表1に示す。
【表1】 この表でもわかるように、真空断熱パネルの熱伝導率は
非常に低い値となっている。そこで、庫内の保冷を目的
とする壁材の断熱性の向上の手法としては、断熱材とし
て発泡プラスチックフォームより熱伝導率の低い真空断
熱パネルの応用が考えられる。
【0005】ここで、真空断熱パネルの構造を図8に示
す。真空断熱パネル75は、アルミラミネートフィルム
材753の間に連続発泡ウレタンフォーム751を充填
し、真空雰囲気中でシール部60を形成したものであ
る。アルミラミネートフィルム材753は、ポリエチレ
ン層753a、アルミ箔層753b、アルミ蒸着ポリエ
ステル層753c、ナイロン層753dを積層したもの
で、対向する表皮のポリエチレン層753aをヒートシ
ールして溶着部W1を形成している。
【0006】(3)この構成よりなる真空断熱パネル7
5は、家電冷蔵庫の一部に採用されている。真空断熱パ
ネルを配設した家電冷蔵庫の壁構造を図9により説明す
る。冷蔵庫壁の構造は、外板755にスチール、内板7
57に真空成形等で作られたABS樹脂等の板を用い、
その間に真空断熱パネル75を配設している。真空断熱
パネル75は外板755にホットメルト系接着剤759
で固定され、真空断熱パネル75と内板757及び外板
755と内板757の空間には独立発泡のウレタンフォ
ーム756が現場発泡で形成されている。外板、内板、
アルミラミネートフィルムと独立発泡のウレタンフォー
ムの接合は、ウレタンフォームの自己接着性により強固
に接合されている。ここで、符号754は熱交換器の銅
パイプ、符号752はガス吸着剤であるゲッター材を示
す。ゲッター剤は真空度維持を阻害するガスを吸着する
素材を使用し、例えば、活性炭、ゼオライトの吸着タイ
プ及び化学反応による吸着タイプのものがある。
【0007】この種の真空断熱パネルの構造、充填物、
ゲッター剤は、例えば特開昭58−50393号、特開
昭59−148653号公報、特開昭61−14449
2号公報、特開昭61−241594号公報、特公昭6
1−1726号公報、特公平1−46759号公報、特
公平3−23825号公報、特公平5−63715号公
報、特開平6−321266号公報に開示されている。
また、断熱壁の構造は、特開平5−187597号公
報、特開平7−293783号公報がある。
【0008】(4)冷蔵庫の断熱壁部材に使用する真空
断熱パネルと、輸送用の冷凍庫の断熱壁部材に用いる真
空断熱パネルとの環境の相違は以下のようになってい
る。 ・ 輸送用の冷凍庫は、輸送時の振動がある。振動
は、アルミラミネートフィルム753の最外表面のナイ
ロン層753dと、それに接触あるいは干渉する相手物
との間での摩擦を発生させる。真空断熱パネル75はナ
イロン層側753dから摩耗し、穴が開く可能性があ
る。また、アルミラミネートフィルム753の最内表面
のポリエチレン753aとそれに接触する内部の充填物
751との間での摩擦を発生させる。真空断熱パネル7
51はポリエチレン層753d側から摩耗し、穴が開く
可能性がある。 ・ 荷役にフォークリフトを使用するため、フォーク
の爪で断熱壁を突く恐れがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】家電冷蔵庫と輸送用の
断熱庫には前述のような使用条件の違いがある。そこ
で、輸送用冷凍庫に家電冷蔵庫に使用されている真空断
熱パネル75を組み込んだ場合、次のような問題が発生
する。真空断熱パネル75は振動による摩耗、あるいは
フォークの爪で損傷を受けてラミネートフィルムに穴が
あく。通常、真空断熱パネルを輸送用の断熱庫の断熱壁
に配設する場合、小ブロックの真空断熱パネルを複数個
並べて連設するため、穴のあいた真空断熱パネルを新し
いものと交換することができる。しかし、真空断熱パネ
ルの厚さ約80μmのアルミラミネートフィルムに穴が
あいた場合、損傷を受けた真空断熱パネルが壁のどの部
位にあるのかがわからない。従って、損傷した真空断熱
パネルの修理を行うことができないという不都合が発生
した。損傷を受けた真空断熱パネルは、内部が大気圧と
なり断熱性が大幅に損なわれてしまう。その結果、長い
予冷時間、庫内の温度維持の不安定、外板の結露等の問
題が発生する。
【0010】そこで、本発明は上記問題を解決するため
に、真空断熱パネルが損傷した場合、損傷個所が容易に
特定できる断熱壁部材を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の断熱壁部材は、
真空断熱パネルを内装する外板、あるいは内板の真空断
熱パネルとの接合面の反対面に、内装する真空断熱パネ
ルの配設位置を示す目印を設けた構成を具備する。配設
位置を示す目印は引線、あるいはエアーリブであって、
内装する真空断熱パネルの端縁部に対応する位置に配設
されている。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面により
説明する。 実施の形態1(図1参照) 断熱壁部材100は内板120と外板140と、内板と
外板との間に配設する真空断熱パネル75を備えてい
る。内板120、外板140は、アルミ製、スチール
製、FRP製の板体である。真空断熱パネル75は、外
板140に接着剤110で接着されている。ここで、真
空断熱パネル75は、内外板の両方に接着させても良
い。また、固着手段としては、両面テープ、ファスナー
等を用いても良い。
【0013】接着剤としては、熱可塑性接着剤(酢酸ビ
ニル系、アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、
ポリウレタン系等)、熱硬化性接着剤(アミノ系、尿素
系、メラミン系、フェノール系、レゾルシノール系、キ
シレン系、フラン系、エポキシ系、ウレタン系、アクリ
ル系、不飽和ポリエステル系等)、ホットメルト系接着
剤、ゴム系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、合成
水溶性接着剤、エマルジョン接着剤、液状ポリマー接着
剤等の使用が可能である。特に、屋外の日射による温度
上昇(約80〜90℃)を考慮すると、耐熱性のある熱
硬化性であるウレタン系、エポキシ系の接着剤及びホッ
トメルト系接着剤が有効である。
【0014】真空断熱パネル75のアルミラミネートフ
ィルム753内に充填されるコア材としては、前述の有
機物系の連続発泡のウレタンフォームの他に、例えば、
他の樹脂の発泡フォーム(ポリスチレン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、フェノール、ユリア、ABS、塩
化ビニル、ナイロン、エチレン酢酸ビニル、ラバー
等)、及び無機物系の発泡パーライト、シリカバルー
ン、ガラスマイクロバルーン、シリカ、含水珪酸、珪酸
カルシウム、珪藻土、メチル化珪酸、炭酸マグネシウ
ム、珪酸アルミナ、カーボンフォーム、並びに繊維状ウ
ール(グラスウール、石綿、アスベスト、セラミック繊
維、綿ウール、ポリエステルウール、シリカアルミナウ
ール等)等の使用が可能である。アルミラミネートフィ
ルム753内の真空度は特に規定しないが、10マイナ
ス2乗Torr位が真空への到達時間及びその断熱効果から
有効である。
【0015】この実施の形態では、内板120の表面に
区画線200を設けている。区画線200は内板120
の表面に塗料等で描かれている。区画線200の引線位
置は、内板120の内部に配設されている真空断熱パネ
ル75の位置がわかるように、真空断熱パネル75に対
応した位置に配設される。例えば、図1に示される断熱
壁部材100は内板120と外板140との間に、X方
向、Y方向の各辺に3個ずつ、9個の真空断熱パネル7
5が配設されている。内板120に設ける区画線200
は、X方向に真空断熱パネル75Aと真空断熱パネル7
5Bとの境界部分に対応する位置に区画線200Aを、
真空断熱パネル75Bと真空断熱パネル75Cとの境界
部分に対応する位置に区画線200Bを配設する。Y方
向も同様に、真空断熱パネル75Cと真空断熱パネル7
5Dとの境界部分に対応する位置に区画線200Cを、
真空断熱パネル75Dと真空断熱パネル75Eとの境界
部分に対応する位置に区画線200Dを配設する。この
ように、区画線200は連設される真空断熱パネル75
の境界部に位置して配設されている。
【0016】次に、この構成の断熱壁部材100におい
て、フォークリフトの爪50で断熱壁部材100を突い
てしまった場合を説明する(図2,3,4参照)。フォ
ークリフトの爪50が真空断熱パネル75Bを突いたと
き、内板120に爪50の突穴125が形成されると共
に、内装される真空断熱パネル75Bにも破損部76が
形成される。この破損部76ができた真空断熱パネル7
5Bは真空状態が維持出来ないので断熱性能が低下す
る。そこで、真空断熱パネル75Bが内装される個所の
目印として配設される区画線200A、200B,20
0Cを切断する。
【0017】区画線200は真空断熱パネルの境界線に
配設されているので、区画線200A、200B,20
0Cを切断して破損部76を有する真空断熱パネル75
Bを削除したとき、隣接する他の真空断熱パネル75
A、75C,に影響を与えることがない。次に、削除さ
れた場所に、新しい真空断熱パネル75を配設し、その
両側を新たな内板120N、新たな外板140Nを接着
剤等110で内板120、外板140に接合し、断熱壁
部材100の修理を完成する。
【0018】また、摩耗により真空断熱パネルに破断が
発生したとき、損傷を受けた真空断熱パネルは真空状態
が維持できず、断熱性能が薄れる。その結果、外板、あ
るいは内板の損傷真空断熱パネルを内装する位置に結露
が発生する。そこで、結露が発生している部分を破損真
空断熱パネルの存在位置と特定し、結露が存在する部分
の区画線を切断することにより破損真空断熱パネルを新
たな真空断熱パネルに交換することが出来る。
【0019】この断熱壁部材100は損傷した真空断熱
パネルの位置が容易に特定でき、簡単に新たな真空断熱
パネルへの交換、修理が可能となった。その結果、断熱
庫の予冷時間の短縮化、庫内の安定した温度維持、結露
問題の解決が達成できる。この実施の形態では真空断熱
パネルは内板、あるいは外板のいずれかに固着された例
を示したが、内板、外板のいずれにも接合しない状態で
あっても良い。また、区画線は、リベットを装着、シー
ルを貼付する等によることもできる。
【0020】実施の形態2(図5,6参照) この実施の形態は、区画線に代えてエアーリブを配設し
ている。断熱壁部材150は内板120に真空断熱パネ
ル75の境界の位置にエアーリブ80を設置する。エア
ーリブ80は高さ寸法hを10mmとする突起を有し、
内板120に配設して、庫10内の荷物と側壁または床
との間に空間を設け、庫内冷気の循環効率をアップさせ
る棒状体である。エアーリブ80は取付具85で内板1
20に固着されている。エアーリブ80の配設間隔H
は、内装される真空断熱パネル75の寸法とする。そし
て、エアーリブ80の配設位置は、隣接する真空断熱パ
ネル75Aと75Bとの境界部分に対応する位置とす
る。
【0021】断熱壁部材150は内板120に穴があ
る、あるいは結露がある場所の近くのエアーリブ80を
外し、エアーリブ80の配設位置を切断することによ
り、損傷を有する真空断熱パネルを含む縦列を新たな真
空断熱パネルに交換することが出来る。この構成の断熱
壁部材150も断熱性能が低下した部位の特定が確実で
あって、他の真空断熱パネルを損傷することなく、損傷
個所のある真空断熱パネルを容易に交換可能とするもの
である。従って、容易な修理により予冷時間の短縮化、
庫内の安定した温度維持を可能とし、結露等の問題の発
生も修復可能となった。
【0022】
【発明の効果】従来、損傷した真空断熱パネルの位置が
不明なため修理を行うことができなかった断熱壁部材に
おいて、本発明により損傷している真空断熱パネルの位
置が特定でき、交換が容易となった。損傷部真空断熱パ
ネルの容易な修理により、予冷時間の短縮化、庫内の安
定した温度維持、結露等の問題が解決された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による断熱壁部材の斜視図。
【図2】損傷を受けた断熱壁部材の断面説明図。
【図3】破損真空断熱パネルの交換作業説明図。
【図4】破損真空断熱パネルの交換作業説明図。
【図5】エアーリブを用いた断熱壁部材の断面図。
【図6】冷凍車の断熱庫の説明図。
【図7】従来の冷凍車の断熱庫の説明図。
【図8】冷蔵庫における断熱壁構造の説明断面図。
【図9】真空断熱パネルの構成説明断面図。
【符号の説明】
50 フォーク 75 真空断熱パネル 76 破損部 80 エアーリブ 100 断熱壁部材 120 内板 140 外板 200 区画線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 達 晃一 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内 (72)発明者 長谷川 宗侯 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外板と、内板と、外板と内板との間に配
    設するラミネートフィルム内にコア材を充填し、真空雰
    囲気中でラミネートフィルムをシールした真空断熱パネ
    ルとを備えた断熱壁部材において、 内板、あるいは外板の真空断熱パネルとの接合面の反対
    面には、内装する真空断熱パネルの配設位置を示す目印
    を設けたことを特徴とする断熱壁部材。
  2. 【請求項2】 配設位置を示す目印は引線であって、内
    装する真空断熱パネルの端縁部に対応する位置に配設さ
    れてなる請求項1記載の断熱壁部材。
  3. 【請求項3】 配設位置を示す目印はエアーリブであっ
    て、内装する真空断熱パネルの端縁部に対応する位置に
    配設されてなる請求項1記載の断熱壁部材。
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