JPH11264338A - 内燃機関のパイロット噴射制御装置 - Google Patents

内燃機関のパイロット噴射制御装置

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JPH11264338A
JPH11264338A JP6960398A JP6960398A JPH11264338A JP H11264338 A JPH11264338 A JP H11264338A JP 6960398 A JP6960398 A JP 6960398A JP 6960398 A JP6960398 A JP 6960398A JP H11264338 A JPH11264338 A JP H11264338A
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JP
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amount
injection
exhaust
concentration
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JP6960398A
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Kiyoshi Fujiwara
清 藤原
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃焼騒音、スモーク発生量を抑制しつつNO
x触媒への燃料成分(HC)の供給量をパイロット噴射
の量、時期によって制御する。 【解決手段】 エンジンの排気管に排ガス中のNOxを
還元浄化するNOx触媒を備え、主噴射に先立ってパイ
ロット噴射を実行するものにおいて、NOx触媒へのH
Cの供給量の過不足状態に応じてパイロット噴射の量、
または噴射時期を補正するパイロット噴射制御手段を設
けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は排気ガス中の窒素酸
化物を炭化水素によって還元浄化するNOx触媒を備え
た内燃機関で、炭化水素のNOx触媒への供給量を主噴
射に先立って実施されるパイロット噴射の噴射量または
噴射時期を変えることによって制御する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ディーゼル内燃機関の排気系に排
気ガス中の窒素酸化物(以下NOxという)を還元浄化
できる触媒(以下NOx触媒という)を設け、このNO
x触媒に燃料成分である炭化水素(以下HCという)を
所定量以上供給すればNOxの浄化率を上げることがで
きるという現象が知られており、それゆえNOx触媒へ
のHC添加用の燃料噴射装置を排気系に設けて適切な時
期に適当量の燃料噴射を行ったり、燃焼用に用いられる
燃料噴射装置から各気筒の排気行程時に主噴射とは別に
後噴射を行って燃料成分を触媒に供給する等の技術が開
発されている。前記NOx触媒としては例えば、金属を
担持したゼオライト等が一般に知られている。
【0003】上記のような従来技術は例えば、特開平6
−159043号公報に開示されている。この公報に記
載の技術はディーゼル内燃機関で主噴射に先立って少量
の燃料を噴射させるパイロット噴射を用いる場合に、内
燃機関の運転状態によってはパイロット噴射による燃料
が完全に燃焼せずHCが排気側に流れ、各気筒の排気行
程中に排気浄化用に供給される燃料と合わさって浄化に
必要なHC量以上の過剰なHCが供給され燃費が悪化す
る点を問題にしている。そしてこの問題を解決するため
に、過剰なHCがNOx触媒に供給されるような状況で
は各気筒における排気行程での燃料噴射量を減少させる
ようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術にも開示
があるようにディーゼル内燃機関においては、燃焼騒音
を低減するために主噴射に先立って少量の燃料を噴射す
るパイロット噴射が実施されているものがあるが、通常
このパイロット噴射の量はあまり多くすると燃料が完全
燃焼せずに未燃HCとして排気系に流れて大気中に放出
されることになるのであまり大きな値には設定されない
のが通常である。したがって図2にも示されるように、
まずパイロット噴射量はパイロット噴射が無い状態に比
べて排気系に流れる未燃HC量が少なくなるように選ば
れる。そしてパイロット噴射の時期については燃焼騒音
がパイロット噴射無しの時に比べてできるだけ小さくな
るような時期が選ばれる。このように、パイロット噴射
の量と時期については上述の点を考慮して設定されるの
が普通である。
【0005】しかしながら、このようにパイロット噴射
の量と時期が設定されていてもディーゼル内燃機関では
燃焼に伴ってNOxが発生する。特にディーゼル内燃機
関では通常空燃比リーンの状態(理論空燃比に対して酸
素過剰の状態)で機関運転が行われ、NOxが発生しや
すい。したがって、排気系にNOx浄化触媒を設けてN
Oxを浄化するわけであるが、NOx触媒では浄化に還
元剤であるHCがある量は必要になる。上記の従来技術
ではNOx浄化に必要なHC量確保するために各気筒の
排気行程での燃料噴射や、リーンNOx触媒上流で直接
燃料噴射することによって調節しているが、このように
NOx浄化用の燃料噴射(HCの供給)を燃焼用の燃料
噴射とは別に行うことは、燃料制御の複雑さを招くこと
になり好ましくない。また、パイロット噴射を実行する
場合、燃焼に伴って発生するスモークはパイロット噴射
無しの時に比べ多くなるので、従来技術ではNOx浄化
に必要なHCの供給を制御することはできても、スモー
クの発生を抑制することはできなかった。
【0006】本発明者はパイロット噴射の量および時期
と排気系へ流れるHCの量、そして燃焼騒音、スモーク
発生量の関係が図2に示されるような関係にあることを
発見した。したがって本発明は、この発見に基づいてパ
イロット噴射の量または噴射時期の設定によって排気系
のリーンNOx触媒に供給されるHCの量を精度良くコ
ントロールでき、さらにスモークの発生も抑制すること
を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1に記載の発明では、主噴射に先立ってパイロ
ット噴射が実行可能な内燃機関において、内燃機関の排
気側で排気ガス中の窒素酸化物を炭化水素によって浄化
する触媒を備え、触媒に供給される炭化水素量の浄化に
必要とされる炭化水素に対する過不足度合いに応じて前
記パイロット噴射の噴射量を変化させるパイロット噴射
制御手段を設けた。
【0008】また、請求項2に記載の発明では、主噴射
に先立ってパイロット噴射が実行可能な内燃機関におい
て、内燃機関の排気通路において排気ガス中の窒素酸化
物を炭化水素によって浄化する触媒を備え、触媒に供給
される炭化水素量の浄化に必要とされる炭化水素に対す
る過不足度合いに応じて前記パイロット噴射の噴射時期
を変化させるパイロット噴射制御手段を設けた。
【0009】さらに、請求項3に記載の発明は、主噴射
に先立ってパイロット噴射が実行可能な内燃機関におい
て、内燃機関の排気通路において排気ガス中の窒素酸化
物を炭化水素によって浄化する触媒を備え、触媒に供給
される炭化水素量の浄化に必要とされる炭化水素に対す
る過不足度合いに応じて前記パイロット噴射の噴射量と
噴射時期の両方を変化させるパイロット噴射制御手段を
設けた
【0010】したがって、請求項1に記載の発明によれ
ば、窒素酸化物(NOx)の浄化に必要な炭化水素(H
C)の量に対して触媒に供給されているHCの量に過不
足がある場合、その過不足の度合いに応じてパイロット
噴射の噴射量を変化させ、触媒に供給されるHCの量を
コントロールする。この時のパイロット噴射量は図2に
示すような排気側に必要量のHCが供給され、スモーク
はパイロット噴射無しの場合に比べて小さくなるような
値に設定される。パイロット噴射時期について噴射量の
変更前後で変わらず、スモークの発生が小さくなるよう
な時期が選ばれる。
【0011】請求項2の発明によれば、窒素酸化物(N
Ox)の浄化に必要な炭化水素(HC)の量に対して触
媒に供給されているHCの量に過不足がある場合、その
過不足の度合いに応じてパイロット噴射の時期を図2に
示す関係から変化させる。この場合、パイロット噴射量
は排気側に必要なHCが供給できるだけ、かつスモーク
の発生が小さくなるような値に設定される。よって排気
側で必要なHC量をコントロールでき、またスモークの
発生も抑制できる。
【0012】請求項3の発明によれば、パイロット噴射
量と共に噴射時期も図2の関係に基づいて変化させるこ
とによって排気側で必要なHC量をコントロールでき、
またスモークの発生も抑制できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明をディーゼル内燃機
関に適用した実施の形態について図面に基づいて説明す
る。
【0014】まず、図1はディーゼルエンジンの全体構
成を示す図であり、エンジン本体1は4つの気筒が列状
に配置され、サージタンク2に連絡する4本の吸気管3
を介して各気筒に新気が供給されるようになっている。
一方、エンジンの排気系には各気筒から排出される排気
ガスを集合させる排気マニホールド5が設けられ、排気
マニホールド5には排気管6が接続されている。排気管
の途中にはHCの存在下で排気ガス中のNOxを還元浄
化できるNOx触媒を備える触媒コンバータ7が設けら
れている。NOx触媒は所定量のHCの存在でNOxと
HCを選択的に反応させる性質を持つもので、例えば金
属を担持したゼオライトで構成されるものを用いること
ができる。
【0015】各気筒には燃料噴射装置としてインジェク
タ4が設けられ、それぞれのインジェクタ4はコモンレ
ール8と呼ばれる高圧燃料蓄圧室に燃料供給管9によっ
て接続され、コモンレール8から各インジェクタ4に高
圧燃料が供給されるようになっている。各インジェクタ
4はエンジンECU10(エンジンエレクトリックコン
トロールユニット)の制御信号に基づいて所定の時期に
インジェクタ内部のニードル弁を開弁し各気筒内に開弁
時間とコモンレール8の燃料圧力に応じた所定量の燃料
を噴射するようになっている。インジェクタ4は様々な
構造のものが採用でき、その構造が本発明を直接左右す
るものではないので、インジェクタ内部の詳細な構造は
図示を省略する。なお11はコモンレール8に燃料タン
クの燃料を供給するための燃料ポンプであり、例えばエ
ンジンのクランク軸の回転力を用いて駆動され、またコ
モンレール8への燃料の供給量をコモンレール8内の圧
力に応じて変化させることが可能である。
【0016】また図1に示すように、エンジンECU1
0にはエンジンのクランク軸近傍に設けられるクランク
角センサ12の信号、スロットルセンサ13のスロット
ル開度信号、コモンレール圧力センサ14からの圧力信
号、エンジン本体1に設けられるエンジン水温センサ1
5からの水温信号、触媒コンバータ7上流に設けられる
排気温度センサ16、同じく触媒コンバータ7上流に設
けられる排気ガス中のHCの濃度を検出するHC濃度セ
ンサ17からの信号など各センサからの信号を取り込ん
で、後述するパイロット噴射の噴射量、噴射時期に関す
る制御信号、主噴射の噴射量、噴射時期に関する制御信
号を生成し、それら制御信号を各インジェクタ4へ出力
したり、また燃料ポンプ11を制御するための制御信号
を生成し、燃料ポンプ11へ出力したりする。エンジン
クランク角センサ12からの信号からはエンジンの回転
数が検出できる。なお、エンジンECU10はCPU
(演算処理装置)、ROM(制御プログラムや演算に使
用される各種値のマップを記憶する記憶装置)、RAM
(演算に必要な各種値を一時的に記憶する書き換え可能
な記憶装置)、双方向バス、各種インターフェイス回路
(A/D変換回路、D/A変換回路、駆動回路など)を
含む周知のマイクロコンピュータを用いることができ
る。
【0017】次に本実施形態において、NOx触媒に供
給されるHCの量がどの程度であるのかを知ることが重
要であるので、HC濃度センサ17についてさらに説明
する。
【0018】HC濃度センサは具体的には酸素濃度セン
サで構成され、排気ガス中の酸素の濃度から相対的にH
C濃度を推定するのである。酸素濃度センサは流入ガス
中の酸素濃度に比例した電流または電圧出力値が得られ
るものであり、予め空燃比が既知のガスを流したときの
酸素濃度センサの出力値と酸素濃度が既知のガスを流し
た時の酸素濃度センサの出力値を実験で求めておき、酸
素濃度センサの出力値から空燃比と酸素濃度を得、それ
らからHCの濃度を求めるのである。またNOxを浄化
するのに必要なHCの量は使用するNOx触媒によって
異なるので、予め使用するNOx触媒に排気ガスを流し
たときにNOxの還元浄化作用が最も高いHCの濃度を
求めておく。そして実際に排気ガスを流した場合のHC
の濃度と最高還元浄化時のHC濃度からHC濃度の過不
足量を求めるのである。
【0019】エンジンECU10はクランク角センサ1
2の信号から回転数を、またスロットルセンサ13から
スロットル開度をそれぞれ取得し、回転数とスロットル
開度から定まる主噴射量と回転数とのマップ(前記RO
Mに記憶されている)、すなわち基本パイロット噴射時
期←主噴射量−回転数マップに基づいて基本パイロット
噴射時期を取得し、その基本噴射時期になるようにパイ
ロット噴射用インジェクタの通電開始時期制御信号を生
成する。そして基本パイロット噴射量←回転数−基本パ
イロット噴射時期マップ(同じくROMに記憶されてい
る)に基づいて基本パイロット噴射量を取得し、パイロ
ット噴射用インジェクタの通電時間制御信号を生成す
る。また同時にコモンレール圧力センサ12の値からコ
モンレール燃料供給量を制御するための燃料ポンプ11
の制御信号も生成する。
【0020】この後、本実施形態の特徴である排気側H
C濃度による基本パイロット噴射時期と基本噴射量の補
正を行う。エンジンECU10にはHC濃度センサ17
の信号が入力されており、その信号に基づいて先程説明
したようにHC濃度を求める。そして求められたHC濃
度が不足であれば不足量を求め、また過剰であれば過剰
量を求め不足または過剰量を解消するように基本パイロ
ット時期と噴射量とを変えるように先程の基本パイロッ
ト噴射用の通電開始時期制御信号と通電時間制御信号の
補正を行う。そして、クランク角センサ12の信号に基
づいて特定のインジェクタ4に補正された時期に補正さ
れた量に相当するインジェクタ通電時間制御信号を出力
し、パイロット噴射を実行する。
【0021】本実施形態において、検出されたHC濃度
によって基本パイロット噴射の噴射量と噴射時期を補正
しているのはパイロット噴射の量および時期と排気側の
HCの濃度、パイロット噴射の量および時期と燃焼騒
音、またパイロット噴射の量および時期とスモークの量
の図2に示すようなそれぞれの関係が新たに発見された
からである。
【0022】図2は排気量が2000cc、4気筒直噴
ディーゼルエンジンにおいて、エンジン回転数が約20
00rpm、主噴射量が約20mm3/st(1ストロ
ーク当りの噴射量)時のパイロット噴射量を5mm3
st(第1パイロット噴射量)、1mm3/st(第2
パイロット噴射量)とし、パイロット噴射時期と排気側
HC量、燃焼騒音、スモーク量のそれぞれの関係を示し
ている。図2から明らかなように、排気側HC量は第1
パイロット噴射量時に噴射時期を主噴射に対して早める
にしたがって増大する曲線に従い、第2パイロット噴射
量時に噴射時期を主噴射に対して早めるにしたがって極
小値をとる下に凸の曲線に従う。燃焼騒音は第1パイロ
ット噴射量時に噴射時期を主噴射に対して早めるにした
がって一端増加して極大値を取り、その後は減少する曲
線に従い、第2パイロット噴射量時に噴射時期を主噴射
に対して早めるにしたがって極小値をとる下に凸の曲線
に従う。スモークについては、第1、第2パイロット噴
射時でともに噴射時期を主噴射に対して早めるにしたが
って一端増加して極大値を取り、その後は減少する曲線
に従う。ただし、主噴射に近い領域でのパイロット噴射
では第1パイロット噴射量の方が第2パイロット噴射量
よりスモーク量が多くなるが、逆に噴射時期が主噴射に
対して早い領域では第2パイロット噴射量の方が第1パ
イロット噴射量よりスモークが多くなる。
【0023】すなわち、パイロット噴射量を第2のパイ
ロット噴射量にして、噴射時期を変化させると排気側で
のHC濃度は極小値を取る下に凸のカーブを描き、また
燃焼騒音も下に凸のカーブを描く。図2にも示すよう
に、第2のパイロット噴射量で燃焼騒音を極小にする噴
射時期では排気側HC濃度もほぼ極小になる。一方、パ
イロット噴射の噴射量を第2の噴射量よりも大きな第1
の値にした場合、噴射時期を早めるに連れて排気側HC
濃度は増加していくカーブを描く。また、燃焼騒音は噴
射時期を早めるに従い一端極大値を取り、その後次第に
減少するカーブを描く。スモークについては、パイロッ
ト噴射量は第2の噴射量よりも大きくした第1の噴射量
の方が噴射時期を早めた部分で見るとスモーク量は少な
くなる。
【0024】よって、本実施形態では図2の現象に基づ
いて、例えばエンジン回転数が2000rpm、主噴射
量が20mm3/stの時は、基本パイロット噴射の噴
射量と噴射時期は、排気側HC量がパイロット噴射無し
時に比べて多く、燃焼騒音はパイロット噴射無し時に比
べて小さく、スモークもパイロット噴射無し時に比べて
小さい条件(図2の例では第1パイロット噴射量で主噴
射時期に対してクランク角で−40°)に設定する。こ
のように基本パイロット噴射量、時期の条件はエンジン
回転数、主噴射量ごとに予め実験によって求めておく。
そして次に排気側でのHC量の過不足に応じて基本パイ
ロット噴射量あるいは噴射時期を補正していく。もちろ
ん基本パイロット噴射量、噴射時期の両方を補正するこ
とも可能である。このようにすれば、排気側へのHCの
供給量の調整はパイロット噴射のみの制御で可能であ
り、燃焼騒音の低減、スモーク発生の抑制も同時になさ
れるのである。
【0025】次に本実施形態のパイロット噴射に関する
制御について図3を基に説明する。図3に記載のパイロ
ット噴射制御は基本パイロット噴射量、噴射時期の内、
基本パイロット噴射量のみを排気側HC量の過不足に応
じて補正する例を示している。まずS1でエンジンEC
Uはエンジン回転数(Ne)、スロットル開度(S)を
読込む。次にS2でエンジン回転数(Ne)、スロット
ル開度(S)によって決まる基本主噴射量マップ(予め
ROMに記憶しておく)から基本主噴射量(Qfin)
を読込む。S3ではエンジン回転数(Ne)と基本主噴
射量(Qfin)によって決まる基本パイロット噴射時
期マップ(予めROMに記憶しておく)から基本パイロ
ット噴射時期(TPfin)を読込む。S4では同じく
エンジン回転数(Ne)と基本主噴射量(Qfin)に
よって決まる基本パイロット噴射量マップ(予めROM
に記憶しておく)から基本パイロット噴射量(Qp)を
読込む。次にS5で排気温(Te)が基準温度より大き
いか否かを判定する。ここで基準温度は触媒が機能する
のに最低必要な温度を示しており、排気温がこの温度を
超えていない、すなわちS5でNOの場合は触媒による
NOxの浄化ができないと判断して速やかにHCの供給
量を減らすべくS10に以降する。一方排気温(Te)
が基準温度を超えている場合はS6に移行する。S6で
はHC濃度センサからの信号に基づいて排気側HC濃度
を読込む。S7では排気側HC濃度(C)がHC基準濃
度(Cs)と一致しているか、すなわち現在のHC濃度
はNOxを浄化するのに十分な量があるかを判定する。
HC基準濃度(Cs)は使用する触媒自体の物性、雰囲
気温度に依存するものであるので予め実験によって求め
ておく。そして排気側HC濃度(C)がHC基準濃度
(Cs)と一致していれば現在のパイロット噴射量、噴
射時期でNOx浄化が適正に行われていると判断し、基
本パイロット噴射時期(TPfin)、噴射量(Qp)
でパイロット噴射を実行する。一方、排気HC濃度
(C)が基準濃度(Cs)に対して過不足がある場合は
S8で過不足量を読込みS9に移行する。S9では前ス
テップの過不足量に基づいたパイロット基本噴射量の補
正量の計算を行う。この補正量は排気HC濃度の過不足
を解消するのに必要な量であり、特定の計算式によって
演算をしても良いし、予め記憶している過不足量に対す
る補正量のマップから求めてもよい。そしてS10でS
9の補正量に基づいて基本パイロット噴射量の補正を行
い、S14で補正されたパイロット噴射量に基づいてパ
イロット噴射を実行し、処理を終了する。なお、パイロ
ット噴射の時期はこのフローでは補正していないので基
本パイロット噴射時期(TPfin)に基づいて行う。
【0026】さらに別のパイロット噴射制御の例として
図4に基づいて説明する。先程の図3の例は基本パイロ
ット噴射量の補正のみを行うものであるが、図4の例は
基本パイロット噴射量と基本パイロット噴射時期の両方
を補正するものであり、図3のS10とS14の間にに
S11、S12、S13が加わった以外は図3のフロー
と同じである。すなわち、S10の基本パイロット噴射
量の補正の後にS11としてS8の過不足量に対する基
本パイロット噴射時期の補正量を計算し、その補正量に
基づいて基本パイロット噴射時期をS12で補正する。
そしてS13で補正されたパイロット噴射時期が所定パ
イロット噴射時期より早いか否かを判断する。ここで所
定パイロット噴射時期とは、あまりパイロット噴射の噴
射時期があまり早いと燃料がシリンダボアに付着するこ
とがあるので、それ以上パイロット噴射を早めるとシリ
ンダボアに燃料が付着してしまうような境界の噴射時期
である。もし、補正されたパイロット噴射時期がこの所
定噴射時期よりも早くなるような場合(S13でNOの
場合)には噴射時期を遅らせるように補正量を修正する
S12に戻る。S13でYESの場合は補正されたパイ
ロット噴射量、時期に基づいてパイロット噴射を実行し
(S14)、処理を終了する。
【0027】なお、別実施形態としては例示しないが、
請求項2に対応するパイロット噴射制御のやり方とし
て、図4のフローチャートからS9、S10を削除した
ものもでもパイロット噴射による排気側へのHCの供給
量の調整、燃焼騒音の低減、スモーク発生の抑制を実現
することは可能である。
【0028】本実施の形態では、従来パイロット噴射、
主噴射を行い、主噴射の後に排気側HC供給のための噴
射を別に行っていたものに対し、パイロット噴射量のみ
またはパイロット噴射時期のみの変更で排気側へのHC
の供給量制御ができるので、制御が簡単になる。また、
パイロット噴射量、時期を図2に示すような関係を考慮
して適正に選択してやれば燃焼騒音の低減とスモーク発
生の抑制も同時に達成できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ディーゼルエンジンの全体構成を示す図。
【図2】パイロット噴射量、噴射時期に対する排気側H
Cの量、燃焼騒音、スモーク量それぞれの関係を示す
図。
【図3】第1実施形態のパイロット噴射量制御のフロー
チャート
【図4】第2実施形態のパイロット噴射量制御のフロー
チャート
【符号の説明】
1 エンジン本体 2 サージタンク 3 吸気管 4 インジェクタ 5 排気マニホールド 6 排気管 7 触媒コンバータ 8 コモンレール 9 燃料供給管 10 エンジンECU 11 燃料ポンプ 12 クランク角センサ 13 スロットルセンサ 14 コモンレール圧センサ 15 水温センサ 16 排気温センサ 17 HC濃度センサ(酸素濃度センサ)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主噴射に先立ってパイロット噴射が実行
    可能な内燃機関において、内燃機関の排気側で排気ガス
    中の窒素酸化物を炭化水素によって浄化する触媒を備
    え、触媒に供給される炭化水素量の浄化に必要とされる
    炭化水素に対する過不足度合いに応じて前記パイロット
    噴射の噴射量を変化させるパイロット噴射制御手段を設
    けたことを特徴とする内燃機関のパイロット噴射制御装
    置。
  2. 【請求項2】主噴射に先立ってパイロット噴射が実行可
    能な内燃機関において、内燃機関の排気通路において排
    気ガス中の窒素酸化物を炭化水素によって浄化する触媒
    を備え、触媒に供給される炭化水素量の浄化に必要とさ
    れる炭化水素に対する過不足度合いに応じて前記パイロ
    ット噴射の噴射時期を変化させるパイロット噴射制御手
    段を設けたことを特徴とする内燃機関のパイロット噴射
    制御装置。
  3. 【請求項3】 主噴射に先立ってパイロット噴射が実行
    可能な内燃機関において、内燃機関の排気通路において
    排気ガス中の窒素酸化物を炭化水素によって浄化する触
    媒を備え、触媒に供給される炭化水素量の浄化に必要と
    される炭化水素に対する過不足度合いに応じて前記パイ
    ロット噴射の噴射量と噴射時期の両方を変化させるパイ
    ロット噴射制御手段を設けたことを特徴とする内燃機関
    のパイロット噴射制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100534869B1 (ko) * 2002-10-31 2005-12-08 현대자동차주식회사 디젤 차량의 엔진 아이들시 소음 저감방법
JP2014009598A (ja) * 2012-06-28 2014-01-20 Mitsubishi Motors Corp ディーゼルエンジン

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