JPH11264335A - 内燃機関のスロットルバルブ制御システム - Google Patents

内燃機関のスロットルバルブ制御システム

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Publication number
JPH11264335A
JPH11264335A JP8945298A JP8945298A JPH11264335A JP H11264335 A JPH11264335 A JP H11264335A JP 8945298 A JP8945298 A JP 8945298A JP 8945298 A JP8945298 A JP 8945298A JP H11264335 A JPH11264335 A JP H11264335A
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JP
Japan
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opening
throttle valve
engine speed
control
internal combustion
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Withdrawn
Application number
JP8945298A
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English (en)
Inventor
Koichi Tanimoto
功一 谷本
Yasushi Ohara
康司 大原
Koichi Kaminaga
晃一 神永
Mitsuru Takada
充 高田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Soken Inc
Original Assignee
Nippon Soken Inc
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関の吸気音を省スペースで出力性能の
低下を伴うことなく低減することである。 【解決手段】 エンジン回転数センサ63により検出さ
れたエンジン回転数が所定の制御回転域にあり、かつア
クセル開度センサ64により検出されたアクセル開度が
所定の閾値よりも大きいとき、ECU61がスロットル
バルブ開度調整器62を制御してスロットルバルブ開度
を所定開度まで下げる構成とする。かかる構成とするこ
とで、吸気系1,2,3,4,5の共鳴状態を変え吸気
音を効果的に低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関のスロッ
トルバルブ制御システムによる吸気音低減に関する。
【0002】
【従来の技術】図14は車両等に搭載される内燃機関の
吸気系を示すもので、新気はクールエアインテークダク
ト71、エアクリーナ72、エアクリーナホース73を
経てスロットルボディ74を流通する。流通する空気は
スロットルボディ74においてスロットルバルブ741
の開度に応じた流通量に調量され、サージタンク75を
経て図略のインテークマニホールドに供給される。スロ
ットルバルブ741の開度を制御するスロットルバルブ
制御システム8は、アクセルの開度やエンジン回転数等
の各種センサ信号を入力とするECU81、スロットル
バルブ741を駆動するスロットルバルブ開度調整器8
2やスロットルバルブ開度センサ83等で構成される。
【0003】ところで車室内の静粛性の向上や周囲の環
境への配慮から、クールエアインテークダクト71の開
口端71aから放射される吸気音Pを低減することが要
請されている。図15はスロットルバルブ開度全開時に
おけるエンジン回転数と吸気音レベルの関係を示すもの
で、より静粛性の要求される低回転域において増音ピー
クが現れる。この増音ピークを低減するため種々の吸気
音対策が実施されている。例えば図16に示すようにク
ールエアインテークダクト71に大容量のレゾネータ7
5を装着したものがある。この方法は、レゾネータ75
を吸気音の増音ピークの周波数にチューニングすること
で、図17に示すように、図14の構成のものに比して
増音ピークの音圧レベルを低減できる(吸気音対策
A)。
【0004】吸気音対策には、図18に示すようにクー
ルエアインテークダクトの通路断面積を縮小する方法も
ある。吸気音Pの放射口であるクールエアインテークダ
クトを細径ダクト71Aとすることで、その音響質量を
増し、図19に示すように吸気音レベルを広範囲にわた
って低減している(吸気音対策B)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記吸気
音対策Aは、エンジンの設計変更の度に吸気系の共鳴周
波数にチューニングし直さなければならず、開発時間が
長くなるという問題がある。また、近年、車両のコンパ
クト化、多機能化に伴いレゾネータ75に十分な搭載ス
ペースを確保することが困難となり、レゾネータの容量
が小さくなって所望の低減効果が得られないという問題
がある。また上記吸気音対策Bは、クールエアインテー
クダクト71Aの通路断面積が小さいためにクールエア
インテークダクト71A内における空気流の圧力損失が
大きくなり、出力性能が低下するという問題がある。
【0006】本発明は上記実情に鑑みなされたもので、
その目的は、省スペースでかつ出力性能を維持した状態
で吸気音を効果的に低減する機能を付加したスロットル
バルブ制御システムを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者らは内燃機関の吸
気系における吸気音について、スロットルバルブ開度を
下げることで吸気系における共鳴状態が変化して吸気音
のレベルが吸気音レベルの高い回転域を中心に低下し、
スロットルバルブ開度を下げるほど吸気音低下作用は大
きいという知見を得た。
【0008】本発明はかかる知見に基づきなされたもの
で、請求項1記載の発明では、エンジン回転数検出手段
およびアクセル開度検出手段により検出されたエンジン
回転数およびアクセル開度に基づいて、制御手段がスロ
ットルバルブ開度調整手段を駆動し、スロットルバルブ
の開度を制御する構成を備えている。かつ制御手段は、
検出されたエンジン回転数が予め設定した制御回転域内
にあり、かつ検出されたアクセル開度が予め設定した閾
値よりも大きいとき、スロットルバルブ開度が予め設定
した所定開度まで下がるように設定する。
【0009】上記制御回転域を例えば吸気音レベルの高
い回転域やその外縁のより静粛性が要求される回転域に
設定する。内燃機関の吸気音レベルはアクセル開度とと
もに高くなり、アクセル開度が上記閾値よりも大きくな
り、エンジン回転数が上記制御回転域内に入るとスロッ
トルバルブの開度を所定開度まで下げることによる吸気
音低減効果で、吸気音を効果的に低減することができ
る。しかもレゾネータを設けたり、クールエアインテー
クダクトを細径とすることを要しないから、省スペース
でかつ出力性能を維持することができる。
【0010】請求項2記載の発明では、上記制御回転域
を、スロットルバルブ全開時における増音ピーク発生回
転域とする。増音ピーク発生回転域は吸気音レベルが高
い回転域であり、またより静粛性が要求される低回転域
でもあるから、特に効果的な吸気音低減作用が得られ
る。
【0011】請求項3記載の発明では、上記制御手段
を、アクセル開度の上記閾値を上記エンジン回転数検出
手段により検出されたエンジン回転数に対応して設定す
る構成とする。
【0012】吸気音レベルはエンジン回転数により異な
るので、アクセル開度の上記閾値をエンジン回転数に対
応して設定することでエンジン回転数に対応する吸気音
レベルに応じた適当な吸気音低減効果を得ることができ
る。
【0013】請求項4記載の発明では、上記制御手段
を、スロットルバルブ開度の上記所定開度を上記エンジ
ン回転数検出手段により検出されたエンジン回転数に対
応して設定する構成とする。
【0014】スロットルバルブ開度を下げるほど吸気音
低下作用は大きく、また吸気音レベルはエンジン回転数
により異なるので、スロットルバルブ開度の上記所定開
度をエンジン回転数に対応して設定することでエンジン
回転数に対応する吸気音レベルに応じた適当な吸気音低
減効果を得ることができる。
【0015】請求項5記載の発明では、上記制御手段
を、エンジン回転数検出手段により検出されたエンジン
回転数が上記制御回転域と非制御回転域間を跨いで変化
するとき、スロットルバルブ開度が予め設定した所定の
状態遷移時間をかけて連続的に変化するように設定す
る。
【0016】エンジン回転数が制御回転域と非制御回転
域間を跨いで変化しても、スロットルバルブ開度がステ
ップ的に変化することなく状態遷移時間をかけて、所定
開度からエンジン回転数およびアクセル開度等に基づい
て算出された通常開度へと、または通常開度から所定開
度へと連続的に変化するから、運転者はスロットルバル
ブ開度が通常開度と所定開度間で変化することによるシ
ョックを感じない。
【0017】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)本発明のスロッ
トルバルブ制御システムの説明に先立ち発明者らが得た
知見について説明する。発明者らは、内燃機関の吸気系
における吸気音の発生メカニズムについて鋭意研究を重
ねた結果、次のことがわかった。図2はエンジン回転数
Ne に対する吸気音レベルならびにトルクの関係の一例
を示すもので、破線が従来のスロットルバルブ開度制御
によるスロットルバルブ開度を全開としたものであり、
実線がスロットルバルブ開度を50%としたものであ
る。
【0018】図より知られるように、全開とした例では
低回転域において下限エンジン回転数N1 から上限エン
ジン回転数N2 までを範囲とする回転域に増音ピークが
発生する。一方スロットルバルブ開度を50%とした例
では全開とした例に対して吸気音レベルが最高10dB
以上低下され、増音ピークは実質的に消滅する。また増
音ピーク発生回転域の外縁部(上限エンジン回転数N2
からエンジン回転数N3 の範囲)においても吸気音が低
下した。これは増音ピーク発生回転域においてもスロッ
トルバルブを絞ることで、吸気系における共鳴状態が変
化し、共鳴エネルギーが減衰するものと認められる。ま
た内燃機関の発生するトルクについてみると、このスロ
ットルバルブ開度を50%とした例では、スロットルバ
ルブ開度を全開とした例に対して僅か8%低いのみであ
った。本発明は、かかる知見に基づきなされたものであ
る。
【0019】図1は、内燃機関のスロットルバルブ制御
システムを付設した吸気系を示すもので、吸気系は、新
気を吸い込むクールエアインテークダクト1、エアクリ
ーナエレメント21が格納されたエアクリーナ2、エア
クリーナホース3、スロットルボディ4、サージタンク
5が連結されて構成してあり、クールエアインテークダ
クト1を最上流としてこの順にクールエアインテークダ
クト1の開口端1aから導入された新気が流通するよう
になっており、サージタンク5を介して図略のインテー
クマニホールドへと供給される。吸気音Pは、この空気
流とは逆の経路を通ってクールエアインテークダクト1
の開口端1aから放射される。
【0020】スロットルボディ4のスロットルボア41
にはスロットルバルブ42が配設される。スロットルバ
ルブ42はスロットルボア41を径方向に橋渡しするス
ロットルシャフト43に固定され、スロットルシャフト
43を中心に回動するようになっており、回転角度に応
じてスロットルボア41面とスロットルバルブ42間に
形成される空気通路の面積が変わり、空気流量が調整さ
れるようになっている。
【0021】スロットルボディ4はスロットルシャフト
43を回転駆動してスロットルバルブ42の開度を調整
するスロットルバルブ開度調整器62と、スロットルシ
ャフト43の回転からスロットルバルブ42の開度を検
出するスロットルバルブ開度センサ65とを備えてい
る。スロットルバルブ開度センサ65からスロットルバ
ルブ42の開度の検出信号であるスロットルバルブ開度
信号601が出力され、制御手段たるECU61に入力
する。
【0022】ECU61はマイクロコンピュータ等で構
成された一般的な構成のものである。ECU61にはス
ロットルバルブ開度信号601の他、現在のエンジン運
転状態を示す各種信号、例えばエンジン回転数検出手段
たるクランク角センサ63からはエンジン回転数信号6
02が入力し、エンジン回転数が知られるようになって
いる。またアクセルペダル66に取り付けられたアクセ
ル開度検出手段たるアクセル開度センサ64からはアク
セル開度信号603が入力し、アクセルペダル66の踏
み込み量すなわちアクセル開度が知られるようになって
いる。ECU61はこれらのセンサによって得られたエ
ンジン状態に応じて適切なスロットルバルブ開度を決定
して制御開度θを設定し、これをスロットルバルブ開度
制御信号(以下、単に開度制御信号)604としてスロ
ットルバルブ開度調整器62に出力する。スロットルバ
ルブ開度調整器62はスロットルバルブ42を開度制御
信号604と対応する開度に調整する。
【0023】次に本スロットルバルブ制御システムにお
けるスロットルバルブ開度制御について説明する。本シ
ステムでは、クランク角センサ63から知られるエンジ
ン回転数Ne およびアクセル開度センサ64により検出
されたアクセル開度θacc (Ne )(以下、単にθacc
)が所定の条件を満たすとき吸気音を低減するための
スロットルバルブ開度制御を行う。図3にエンジン条件
(エンジン回転数Ne およびアクセル開度θacc )とス
ロットルバルブ開度制御の対応関係を示す。
【0024】図3において、アクセルペダル66の踏み
込みによりアクセル開度θacc は増加する。アクセル開
度θacc がアクセル開度閾値θact を越えた領域12で
あって、かつ増音ピーク発生回転域すなわちエンジン回
転数Ne が下限エンジン回転数N1 と上限エンジン回転
数N2 とで挟まれた領域13である領域14にある場合
に限り、吸気音低減のためのスロットルバルブ開度を絞
るスロットルバルブ開度制御(絞り制御)を行う。すな
わち領域14以外のエンジン条件においては、開度制御
信号604として出力する制御開度θを、エンジン回転
数Ne およびアクセル開度θacc によって算出される従
来と同様の通常のスロットルバルブ開度(通常開度)θ
nor に設定する。一方、領域14にあれば制御開度θ
を、特定のスロットルバルブ開度(特定開度)θthに設
定する。
【0025】吸気音のレベルは図2に示すごとくエンジ
ン回転数Ne によって大きく異なる。また吸気音の低減
効果はスロットルバルブ開度に依存し、開度の小さい方
が大きい。したがって特定開度θthは、予め実験等によ
り図2のような特性を求め、要求される吸気音の低減量
やトルクの低下量等に基づいてエンジン回転数Ne に対
応する特定開度θthを決めるのがよい。発明者らの実験
によれば特定開度θthは40〜60%とするのがよい。
また吸気音はアクセル開度θacc によっても異なるか
ら、アクセル開度閾値θact もエンジン回転数Ne に対
応する値に設定するのがよい。なお説明では特定開度θ
thおよびアクセル開度閾値θact はエンジン回転数Ne
によらず一定とする(上記図3および以下同じ)。
【0026】なお特定開度θthおよびアクセル開度閾値
θact がエンジン回転数Ne に対応したものとする場合
には、特定開度θthおよびアクセル開度閾値θact とエ
ンジン回転数Ne とを対応せしめるマップをECU61
を構成する例えばマイクロコンピュータのメモリ等に記
憶しておき、これより特定開度θthおよびアクセル開度
閾値θact を読み出すようにする。
【0027】図4はECU61の作動を示すフローチャ
ートで、これによりECU61により実行されるスロッ
トルバルブ開度制御を説明する。先ずステップS1で
は、現在のエンジン回転数Ne を読み込む。続くステッ
プS2では、読み込まれたエンジン回転数Ne が増音ピ
ーク発生回転域にあるかどうかを判定する。
【0028】ステップS2において肯定(N1 ≦Ne ≦
N2 )された場合、ステップS4に進み、現在のアクセ
ル開度θacc を読み込む。続くステップS5ではアクセ
ル開度θacc がアクセル開度閾値θact を越えたか否か
を判定する。例えばアクセル開度閾値θact を40%と
した場合、θacc ≧40%であるか否かを判定する。
【0029】ステップS5において肯定(θacc ≧θac
t )された場合、制御開度θを上記特定開度θthとする
(ステップS6)。そして特定開度θthに設定された制
御開度θを開度制御信号604としてスロットルバルブ
開度調整器62に出力し(ステップS7)、本ルーチン
を終了する。
【0030】なおステップS2において否定(Ne <N
1 またはN2 <Ne )された場合、およびステップS5
において否定(θacc <θact )された場合、ステップ
S3に進み、エンジン回転数Ne およびアクセル開度θ
acc に基づいて上記通常開度θnor を算出して制御開度
θを通常開度θnor とし、通常開度θnor を開度制御信
号604としてスロットルバルブ開度調整器に出力し
(ステップS7)、本ルーチンを終了する。
【0031】図5は上記制御フローにしたがって本発明
のスロットルバルブ開度制御を行った場合の、アクセル
開度θacc 、エンジン回転数Ne 、スロットルバルブ開
度θの経時変化の一例である。図例では、アクセル開度
θacc は時刻t0 から時刻t1 に到る途中でアクセル開
度閾値θact を越え、時刻t4 から時刻t5 に到る途中
で再びアクセル開度閾値θact よりも低下する。すなわ
ち時刻t0 から時刻t1 に到る途中から、時刻t4 から
時刻t5 に到る途中までの期間のエンジン条件が図3に
おける領域12となっている。
【0032】一方、エンジン回転数Ne は、時刻t1 に
おいて下限エンジン回転数N1 を越えて増音ピーク発生
回転域に入り、さらに時刻t2 において上限エンジン回
転数N2 を越えて増音ピーク発生回転域から出る。そし
て時刻t3 において上限エンジン回転数N2 よりも低下
し、時刻t4 においてさらに下限エンジン回転数N1よ
りも低下する。すなわち時刻t1 から時刻t2 までの期
間および時刻t3 から時刻t4 までの期間のエンジン条
件は図3における領域13となっており、またアクセル
開度θacc は上記のごとく図3における領域12ともな
っているから、図3における領域14となっている。
【0033】しかしてスロットルバルブ開度は、図例の
ごとく時刻t1 から時刻t2 までの期間および時刻3 か
ら時刻t4 までの期間が特定開度θthとなり、その他の
期間は、エンジン回転数Ne およびアクセル開度θacc
によって算出される通常開度θnor となる。
【0034】このように本発明のスロットルバルブ制御
システムによれば、エンジン回転数Ne が増音ピーク発
生回転域にあるときにアクセルペダル66が踏み込まれ
てアクセル開度θacc が急増し、吸気音が高くなる条件
がそろっても、上記絞り制御が行われて図2に示すよう
な吸気音低減効果を奏し吸気音の高くなることが回避さ
れる。しかも図2より知られるようにトルクの低下はわ
ずかであるから出力性能には殆ど影響を与えない。しか
もスロットルバルブ開度制御により吸気音の低減を図る
ので、レゾネータ等の部材は不要で省スペースである。
【0035】なお、図2より知られるように、エンジン
回転数Ne の全域にわたって、スロットルバルブ開度を
絞ってもトルクは僅かしか低下しない。したがって何ら
かの原因で常時スロットルバルブ開度が特定開度θthに
絞られることになってもエンジンの出力性能に与える影
響は少ない。
【0036】またスロットルバルブ開度を特定開度θth
とする領域を増音ピーク発生回転域(N1 ≦Ne ≦N2
)としているが、必ずしもこれに限定されるものでは
ない。図2より知られるように、増音ピーク発生回転域
の外縁部である、エンジン回転数Ne が上限回転数N2
よりも高い、回転数N3 までの回転域においても吸気音
低減効果が認められるので、かかる回転域まで広げるこ
ともできる。
【0037】(第2実施形態)図6は、スロットルバル
ブの制御開度θの変化状態例を示すものである。スロッ
トルバルブの制御開度θは、アクセル開度θacc がθac
c <θact のときにはエンジン回転数Ne によらずアク
セル開度θacc に比例した通常開度θnor でありスロッ
トルバルブ開度の絞り制御が行われることはない。
【0038】一方、スロットルバルブ開度の絞り制御が
行われる可能性のあるアクセル開度範囲(θacc ≧θac
t )においては以下のようである。スロットルバルブ開
度の通常制御が行われている状態(Ne <N1 またはN
2 <Ne )ではスロットルバルブ開度は図の斜めの破線
で示され、スロットルバルブ開度の絞り制御が行われて
いる状態(N1 ≦Ne ≦N2 )では、スロットルバルブ
開度は図の水平な実線で示される。図より知られるよう
に両状態間のスロットルバルブ開度の差Δθ(=θnor
−θth)はアクセル開度θacc が大きい程、拡がる。こ
の開度差Δθが大きい場合、エンジン回転数Ne が特定
開度θthに制御されている回転域(図例では吸気音の増
音ピークの発生回転域)を逸脱する瞬間すなわち下限回
転数N1あるいは上限回転数N2 に等しくなった時点
で、スロットルバルブ開度が上記実線側と上記破線側間
でステップ的に変化する。
【0039】本実施形態はかかる点に鑑み、スロットル
バルブ開度がステップ的に変化するのを回避して乗り心
地の向上を図ったものである。
【0040】本実施形態のスロットルバルブ制御システ
ムの構成は第1実施形態の構成においてECU61の行
う制御を変更したもので、全体構成は図1の構成と同じ
であるので省略し、システム各部の図1と同じ部分につ
いては第1実施形態の符号を用いるものとする。以下、
第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0041】図7は本実施形態においてECU61の行
う制御の概念を示すもので、エンジン回転数Ne がN1
±ΔNの範囲およびN2 ±ΔNの範囲を、エンジン回転
数遷移領域(以下、遷移領域)Ne2およびNe4とし、エ
ンジン回転数が遷移領域Ne2またはNe4に入った場合に
は、ECU61がスロットルバルブ開度の急激な変化を
回避するための状態遷移制御を行うようにする。なおエ
ンジン回転数Ne がN1 −ΔNよりも低い範囲およびN
2 +ΔNよりも高い範囲を制御外領域Ne1およびNe5と
し、制御開度θを通常開度θnor とする通常制御を行
う。エンジン回転数Ne がN1 +ΔNよりも高くN2 −
ΔNよりも低い範囲を制御領域Ne3とし、制御開度θを
特定開度thとする特定制御を行う。
【0042】図8〜図12はECU61の作動を示すフ
ローチャートで、これにより上記状態遷移制御を説明す
る。図8〜図12に示されるルーチンのサイクルタイム
は、エンジン回転数Ne の変化に対して十分に短くし
て、例えば現サイクルにおいて制御外領域Ne1(Ne <
N1 −ΔN)である場合は、次サイクルで遷移領域Ne2
を飛び越えて制御領域Ne3(N1 +ΔN<Ne <N2 −
ΔN)に変化することなく必ず遷移領域Ne2に入るよう
にする。
【0043】先ずステップS10では、現在のアクセル
開度θacc 、エンジン回転数Ne を読み込み、ステップ
S11ではこれらの読み込み値に基づいて通常開度θno
r を算出し、制御開度θを算出された通常開度θnor と
する。そしてステップS12ではアクセル開度θacc が
アクセル開度閾値θact を越えたか否かが判定される。
【0044】(アクセル開度θacc がアクセル開度閾値
θact よりも低い場合)ステップS12において否定
(θacc ≦θact )された場合、ステップS16に進
み、通常制御をする。すなわち通常開度θnor に設定さ
れた制御開度θを開度制御信号604としてスロットル
バルブ開度調整器62に出力する。
【0045】ステップS17,S18は、現サイクルの
ルーチンを終了する前に次サイクルのルーチンにおいて
前サイクルの状態を知るために必要な変数をセットする
ステップである。ステップS17では前サイクルにおい
てエンジン回転数Ne が遷移領域Ne2,Ne4にあったか
否かを判定するための変数であるFLAGを「0」にセ
ットする。FLAGは、「0」が遷移領域Ne2,Ne4の
いずれにもないことを示し、「1」が遷移領域Ne2また
はNe4にあることを示している。続くステップS18で
は、前サイクルの制御角度θを知るための変数である前
サイクル開度θold に、現サイクルの制御角度θ値を設
定する。かつ前サイクルのエンジン回転数Ne を知るた
めの変数である前サイクル回転数Nold に、ステップS
10において読み込まれたエンジン回転数Ne 値を設定
してルーチンを終了する。
【0046】ステップS12において肯定(θacc >θ
act )された場合、ステップS13に進む。ステップS
13,S14,S15は、ステップS10において読み
込まれたエンジン回転数Ne が制御外領域Ne1または
Ne5、遷移領域Ne2、遷移領域Ne4、制御領域N
e3のいずれにあるかを判定するステップで、以下に詳述
するようにそれぞれ異なる制御が行われる。
【0047】先ずステップS13では、エンジン回転数
Ne が制御外領域Ne1またはNe5内か否かを判定する。
【0048】(エンジン回転数Ne が制御外領域Ne1ま
たはNe5にある場合)ステップS13において肯定され
た場合、アクセル開度θacc がアクセル開度閾値θact
を越えていない場合と同様に通常制御をする。すなわち
上記ステップS16,S17,S18を実行する。
【0049】ステップS13において否定(エンジン回
転数Ne が制御外領域Ne1またはNe5のいずれにもな
い)された場合、ステップS14に進み、エンジン回転
数Neが遷移領域Ne2にあるか否かを判定する。
【0050】(エンジン回転数Ne が遷移領域Ne2にあ
る場合)ステップS14において肯定された場合、ステ
ップS19に進み、状態遷移制御が行われる。先ずステ
ップS19ではFLAGが0か否かを判定する。
【0051】ステップS19において肯定(FLAG=
0)された場合、ステップS20に進み、前サイクル回
転数Nold が制御外領域Ne1内か否かを判定する。
【0052】ステップS20において肯定された場合、
低回転側の制御外領域Ne1から遷移領域Ne2に入った最
初のサイクルであると判断されるので、通常開度θnor
である前サイクル開度θold から特定開度θthへの遷移
処理をするステップS21に進む。
【0053】ステップS21の詳細を示す図11におい
て、先ずステップS35では、状態遷移時間Δt、スロ
ットルバルブ開度制御時間(以下、単に開度制御時間)
dtおよびスロットルバルブ開度制御量(以下、単に開
度制御量)dθを算出し、続くステップS36〜S42
で、状態遷移時間Δtをかけて前サイクル開度θoldに
開度制御時間dt間隔で開度制御量dθを順次加算して
いくことで特定開度θthまでスロットルバルブ開度が段
階的に変化するように制御される。なお開度制御量dθ
はθold <θthなら正値であり、θold >θthなら負値
である。
【0054】ここで、状態遷移時間Δtは、短いとスロ
ットルバルブ開度が特定開度θthに達する開度変化が急
なものとなり、長いと開度変化が緩やかになって増音ピ
ーク発生回転域に入ってからの吸気音の低減効果が薄れ
る。したがって状態遷移時間Δtは、現在のエンジン回
転数Ne の変化速度、遷移領域の幅を決めるΔN等に依
存し、これらをパラメータとして算出するのがよい。ま
たこれらのパラメータに基づいてエンジン回転数Ne の
挙動を判定し、状態遷移時間Δtを求めるのがよい。
【0055】また開度制御時間dt、開度制御量dθ
は、例えば式(1)、(2)により算出される値を用
い、スロットルバルブ開度が時間的に等間隔で等量だけ
段階的に変化するようにする。 dt=Δt/n……(1) dθ=(Δθ/Δt)×dt……(2) ここでnは等分割数であり、十分大きな数に設定する。
【0056】開度制御時間dt、開度制御量dθはま
た、状態遷移時間Δtの間、スロットルバルブ開度が開
度変化する前または開度変化した後と滑らかに連続する
ように非線形に変化するように設定してもよい。
【0057】さて、ステップS36では遷移処理中のス
ロットルバルブ開度である遷移開度θnew を前サイクル
開度θold とし、続くステップS37では、制御開度θ
を遷移開度θnew と開度制御量dθとの加算値(θnew
+dθ)に設定し、開度制御信号604としてスロット
ルバルブ開度調整器62に出力する。
【0058】ステップS38では、フリーランカウンタ
FRCNTをリセットする。フリーランカウンタFRC
NTはリセット時点よりカウントを開始する。
【0059】ステップS39では、開度制御信号604
出力後の遷移開度θnew を読み込む。
【0060】ステップS40では、読み込まれた遷移開
度θnew と特定開度θthとの差の絶対値|θnew −θth
|が、例えば開度制御量dθの半分以下となったか否か
を判定する。開度制御量dθはθnew やθthに対して十
分小さな値であるため、|θnew −θth|≦dθ/2を
満たせば遷移開度θnew は特定開度θthに達したと判断
できる。
【0061】ステップS40において否定(|θnew −
θth|>dθ/2)された場合、ステップS41に進
み、現在のフリーランカウンタFRCNT値を読み込
む。続くステップS42では、フリーランカウンタFR
CNT値が開度制御時間dtを越えたか否かを判定す
る。
【0062】ステップS42において否定(FRCNT
<dt)された場合、ステップS41に戻り、FRCN
T≧dtとなるまでステップS41,S42が繰り返さ
れる。
【0063】そしてステップS42において肯定(FR
CNT≧dt)されると、ステップS37に戻り、ステ
ップS39において読み込まれた遷移開度θnew にさら
に開度制御量dθを加算した制御開度θを開度制御信号
604としてスロットルバルブ開度調整器62に出力す
る。次いでステップS38〜S40の手順が実行され、
スロットルバルブ開度が前サイクル開度θold から特定
開度θthに向けて変化する。
【0064】そしてステップS37〜S42が繰り返さ
れ、ステップS40において肯定(|θnew −θth|≦
dθ/2)されると、ステップS43に進み、制御開度
θを特定開度θthとし、ステップS11において算出し
た通常開度θnor をキャンセルする。
【0065】続くステップS22,S18は、ステップ
S17,S18と同様、現サイクルのルーチンを終了す
る前に次サイクルのルーチンにおいて前サイクルの状態
を知るために必要な変数を設定するステップであり、次
サイクルにおいて前サイクルのエンジン回転数Ne が遷
移領域(Ne2)にあったことを知られるようにするた
め、FLAGを「1」にセットし(ステップS22)、
前サイクル開度θold に、ステップS43においてセッ
トした制御開度θ値を設定するとともに、前サイクル回
転数Nold に、ステップS10において読み込まれたN
e 値を設定して(ステップS18)、ルーチンを終了す
る。
【0066】次に前サイクルにおいてエンジン回転数N
e が遷移領域になくステップS20において否定(前サ
イクルが制御外領域Ne1ではなかった)された場合、前
サイクルにおいてエンジン回転数Ne が制御領域Ne3に
あり、エンジン回転数Ne が低下して現サイクルで初め
て遷移領域Ne2に入ったと判断されるので、特定開度θ
thから通常開度θnor への遷移処理をするステップS2
3に進む。
【0067】ステップS23の詳細を示す図12におい
て、ステップS44〜S51は実質的にステップS21
のステップS35〜S42と同じ手順であり、ステップ
S44において、状態遷移時間Δt、開度制御時間dt
および開度制御量dθを算出し、ステップS45〜S5
1において、状態遷移時間Δtをかけて特定開度θthに
開度制御時間dt間隔で開度制御量dθを加算していく
ことで通常開度θnorまでスロットルバルブ開度が段階
的に変化するように制御される。なお開度制御量dθは
θnor >θthなら正値、θnor <θthなら負値である。
【0068】続くステップS45では遷移開度θnew を
前サイクル開度θold とし、続くステップS46では、
制御開度θを遷移開度θnew と開度制御量dθとの加算
値(θnew +dθ)に設定し、開度制御信号604とし
てスロットルバルブ開度調整器62に出力する。
【0069】ステップS47では、フリーランカウンタ
FRCNTをリセットしてフリーランカウンタFRCN
Tはリセット時点よりカウントを開始する。
【0070】ステップS48では、開度制御信号出力後
の遷移開度θnew を読み込む。
【0071】ステップS49では、読み込まれた遷移開
度θnew と通常開度θnor との差の絶対値|θnew −θ
nor |が、例えば開度制御量dθの半分以下となったか
否かを判定する。開度制御量dθはθnew やθnor に対
して十分小さな値であるため、|θnew −θnor |≦d
θ/2を満たせば遷移開度θnew は通常開度θnor に達
したと判断できる。
【0072】ステップS49において否定(|θnew −
θnor |>dθ/2)された場合、現在のフリーランカ
ウンタFRCNT値を読み込み(ステップS50)、フ
リーランカウンタFRCNTが開度制御時間dtを越え
たか否かを判定する(ステップS51)。
【0073】ステップS51において否定(FRCNT
<dt)された場合、ステップS50に戻り、FRCN
T≧dtとなるまでステップS50,S51が繰り返さ
れる。
【0074】そしてステップS51において肯定(FR
CNT≧dt)されると、ステップS46に戻り、ステ
ップS48において読み込まれた遷移開度θnew にさら
に開度制御量dθを加算した制御開度θを開度制御信号
604としてスロットルバルブ開度調整器62に出力し
て続くステップS47〜S49の手順が実行され、スロ
ットルバルブ開度が前サイクル開度θold (特定開度θ
th)から通常開度θnor に向けて変化する。
【0075】そしてステップS46〜S51が繰り返さ
れ、ステップS49において肯定(|θnew −θnor |
≦dθ/2)されると、ステップS22に進む。
【0076】そしてステップS22,S18では、次サ
イクルにおいて前サイクルのエンジン回転数Ne が遷移
領域(Ne2)にあったことを知られるようにするため、
FLAGを「1」に設定し(ステップS22)、前サイ
クル開度θold に、ステップS23の実行により達した
制御開度θ値を設定するとともに、前サイクル回転数N
old に、ステップS10において読み込まれたNe 値を
設定して(ステップS18)、ルーチンを終了する。
【0077】次にステップS19において否定(FLA
G≠0)された場合、すなわちエンジン回転数Ne が遷
移領域に2サイクル以上続けて入っている場合は、ステ
ップS27に進み、前サイクル開度θold が特定開度θ
thであるか否かを判定する。
【0078】ステップS27において肯定(θold =θ
th)された場合、すなわち状態遷移時間Δtをかけて通
常開度θnor から特定開度θthへと変化した後の状態す
なわち前サイクル開度θold から特定開度θthへの処理
(ステップS21)後の状態であると判断する。続くス
テップS28では特定開度θthを保持する処理を行う。
すなわち制御開度θを特定開度θthとしてステップS1
1において算出した通常開度θnor をキャンセルする。
そしてステップS29では更新された制御開度θを開度
制御信号604としてスロットルバルブ開度調整器62
に出力する。
【0079】続くステップS22,S18では、上記の
ごとく次サイクルのルーチンにおいて前サイクルの状態
を知られるようにするために必要なFLAG、θold 、
Nold をセットし、ルーチンを終了する。
【0080】ステップS27において否定(θold ≠θ
th)された場合、すなわち特定開度θthから通常開度θ
nor への処理(ステップS23)が行われた後の状態の
場合、制御開度θをステップS11において算出した通
常開度θnor に設定し、開度制御信号604としてスロ
ットルバルブ開度調整器62に出力し(ステップS2
9)、ステップS22,S18を実行してルーチンを終
了する。
【0081】ステップS14において否定(エンジン回
転数Ne が遷移領域Ne2にはない)された場合、ステッ
プS15に進み、エンジン回転数Ne が遷移領域Ne4内
か否かを判定する。
【0082】(エンジン回転数Ne が遷移領域Ne4にあ
る場合)ステップS15において肯定された場合、ステ
ップS24に進み、FLAGが0か否かを判定する。
【0083】ステップS24において肯定(FLAG=
0)された場合、ステップS25に進み、前サイクル回
転数Nold が制御外領域Ne5内か否かを判定する。
【0084】ステップS25において肯定された場合、
高回転側の制御外領域Ne5から遷移領域Ne4に入った最
初のサイクルであると判断されるので、通常開度θnor
である前サイクル開度θold から特定開度θthへの遷移
処理をするステップS26に進む。ステップS26はス
テップS21と同じ制御である。
【0085】そして現サイクルのルーチンを終了する前
に次サイクルのルーチンにおいて前サイクルの状態を知
るために必要な変数を設定するステップS22,S18
を実行する。すなわち次サイクルにおいて前サイクルの
エンジン回転数Ne が遷移領域(Ne4)にあったことを
知られるようにするため、FLAGを「1」にセットし
(ステップS22)、前サイクル開度θold に、S43
においてセットした制御開度θ値を設定するとともに、
前サイクル回転数Nold に、ステップS10において読
み込まれたNe 値を設定して(ステップS18)、ルー
チンを終了する。
【0086】次に前サイクルにおいてエンジン回転数N
e が遷移領域になく(ステップS24)、ステップS2
5において否定された場合、前サイクルにおいてエンジ
ン回転数Ne が制御領域Ne3にあり、エンジン回転数N
e が上昇して現サイクルで初めて遷移領域Ne4に入った
と判断されるので、特定開度θthから通常開度θnorへ
の遷移処理をするステップS23に進み、ステップS2
3では前サイクル開度θold (特定開度θth)から通常
開度θnor への状態遷移処理が行われる。
【0087】そして上記と同様にステップS22,S1
8を実行し、ルーチンを終了する。
【0088】次にステップS24において否定(FLA
G≠0)された場合、すなわちエンジン回転数Ne が遷
移領域Ne4に2サイクル以上続けて入っている場合は、
ステップS27〜S29が実行される。すなわち上記の
ごとく前サイクル開度θoldから特定開度θthへの処理
(ステップS21)後の状態であれば、特定開度θthを
開度制御信号604としてスロットルバルブ開度調整器
62に出力し、逆に特定開度θthから通常開度θnor へ
の処理(ステップS23)後の状態の場合であれば、通
常開度θnor を開度制御信号604としてスロットルバ
ルブ開度調整器62に出力する。続いてステップS2
2,S18を実行してルーチンを終了する。
【0089】次にステップ15において否定(エンジン
回転数Ne が遷移領域Ne4にはない)された場合、ステ
ップS13,S14において否定されたことと併せてエ
ンジン回転数Ne が制御領域Ne3にあると判断され、ス
テップS30に進む。
【0090】(エンジン回転数Ne が制御領域Ne3にあ
る場合)ステップS30では、前サイクル開度θold が
特定開度θthであるか否かを判定する。
【0091】ステップS27において否定(θold ≠θ
th)された場合は、前々サイクルにおいて制御領域Ne3
にあったが前サイクルにおいて遷移領域Ne2またはNe4
に入り特定開度θthから通常開度θnor への処理(ステ
ップS23)が行われ、現サイクルにおいて再び制御領
域Ne3に入ったものと判断される。制御領域Ne3ではス
ロットルバルブ開度は特定開度θthに制御されていなけ
ればならないので、ステップS31に進み、通常開度θ
nor である前サイクル開度θold から特定開度θthへの
遷移処理が行われる。ステップS31はステップS2
1,S26と同じであり、状態遷移時間Δtをかけてス
ロットルバルブ開度が前サイクル開度θold から特定開
度θthへ変化する。
【0092】続くステップS32,S18では、次サイ
クルにおいて前サイクルのエンジン回転数Ne が制御領
域Ne3にあったことを知られるようにするため、FLA
Gを「0」に設定し(ステップS32)、前サイクル開
度θold に、ステップS31の実行により達した制御開
度θ値(特定開度θth)を設定するとともに、前サイク
ル回転数Nold に、ステップS10において読み込まれ
たNe 値を設定して(ステップS18)、ルーチンを終
了する。
【0093】ステップS30において肯定(θold =θ
th)された場合、ステップS33に進み、特定開度θth
を保持する処理を行う。すなわち制御開度θを特定開度
θthとしてステップS11において算出した通常開度θ
nor をキャンセルする。次いでステップS34に進み、
更新された制御開度θを開度制御信号604としてスロ
ットルバルブ開度調整器62に出力する。そして上記の
ごとくステップS32,S18を実行してルーチンを終
了する。
【0094】図13は、状態遷移制御を付加した本実施
形態のスロットルバルブ制御システムの作動を示すもの
で、アクセル開度θacc 、エンジン回転数Ne 、スロッ
トルバルブ開度(制御開度θ)の経時変化の一例であ
る。図例では、アクセル開度θacc は時刻t1 において
アクセル開度閾値θact を越え、時刻t10においてアク
セル開度閾値θact よりも低下する。すなわち時刻t1
から時刻t10までの期間は、エンジン条件が図6におけ
るスロットルバルブ開度の絞り制御が行われる可能性の
あるアクセル開度範囲となっている。
【0095】先ず時刻t0 から時刻t1 まではアクセル
開度θacc がアクセル開度閾値θact よりも低く、スロ
ットルバルブ開度は通常開度θnor で推移する。
【0096】一方、エンジン回転数Ne は、低回転(制
御外領域Ne1)から漸次上昇し時刻t2 において遷移領
域Ne2に入る。遷移領域Ne2に入った最初のサイクルに
おいてステップS21が実行されてスロットルバルブ開
度が通常開度θnor から特定開度θthに向かって開度制
御量dθに応じた変化割合で制御される。そしてスロッ
トルバルブ開度は時刻t2 から状態遷移時間Δt後に特
定開度θthとなり、特定開度θthを保つ(ステップS2
8,S29)。
【0097】この時刻t2 から時刻t3 に到る途中でエ
ンジン回転数Ne は下限回転数N1を越え、さらに時刻
t3 において遷移領域Ne2から制御領域Ne3に入る。そ
してエンジン回転数Ne が制御領域Ne3にある間、毎サ
イクルの制御ルーチンにおいて、ステップS33,S3
4が実行されてスロットルバルブ開度は特定開度θthを
保つ。
【0098】そして時刻t4 において遷移領域Ne4に入
る。遷移領域Ne4に入った最初のサイクルにおいてステ
ップS23が実行されてスロットルバルブ開度が特定開
度θthから通常開度θnor に向かって開度制御量dθに
応じた変化割合で制御される。そしてスロットルバルブ
開度は時刻t4 から状態遷移時間Δt後に通常開度θno
r となり、その後のサイクルでは通常開度θnor で推移
する。
【0099】その後、時刻t5 においてエンジン回転数
Ne はN2 +ΔNを越え制御外領域Ne5に入り、引き続
き通常開度θnor で推移する。
【0100】この途中、エンジン回転数Ne は低下し、
時刻t6 において再び遷移領域Ne4に入る。遷移領域N
e4に入った最初のサイクルにおいてステップS26が実
行されてスロットルバルブ開度が通常開度θnor から特
定開度θthに向かって開度制御量dθに応じた変化割合
で制御される。そしてスロットルバルブ開度は時刻t6
から状態遷移時間Δt後の時刻に特定開度θthとなり、
その後のサイクルでは特定開度θthで推移する。
【0101】その後、時刻t7 においてエンジン回転数
Ne はN2 −ΔNを下回り制御領域Ne3に入り、引き続
き特定開度θthで推移する。
【0102】時刻t7 において、エンジン回転数Ne は
下限回転数N1 +ΔNを下回り遷移領域Ne2に入る。遷
移領域Ne2に入った最初のサイクルにおいてステップS
23が実行されてスロットルバルブ開度が特定開度θth
から通常開度θnor に向かって開度制御量dθに応じた
変化割合で制御される。そしてスロットルバルブ開度は
時刻t8 から状態遷移時間Δt後の時刻に通常開度θno
r となり、その後のサイクルでは通常開度θnor で推移
する。
【0103】その後、時刻t9 においてエンジン回転数
Ne はN1 −ΔNを下回り制御外領域Ne1に入り、引き
続き通常開度θnor の状態が続き、さらに時刻t10にお
いて再びアクセル開度θacc がアクセル開度閾値θact
よりも低くなるが通常開度θnor で推移する。
【0104】このように本実施形態になるスロットルバ
ルブ制御システムによれば、第1実施形態と同様に吸気
音低減効果を奏するとともに、スロットルバルブ開度が
通常開度θnor と特定開度θth間で状態遷移時間Δtを
かけて滑らかに変化してステップ的に変化することが回
避され、乗り心地の向上を図ることができる。
【0105】なお上記各実施形態において、ECUはマ
イクロコンピュータを備えた構成としているが論理回路
等を組み合わせて構成してもよい。またスロットルバル
ブ開度の制御は、スロットルバルブ開度調整器62をE
CUにより直接または間接に制御する電子制御でもよい
し、ダッシュポット等の減衰機構による機械制御でもよ
い。後者の制御の場合、減衰率を自在とする機構を設け
てエンジン条件に応じて減衰率を切り換えるようにして
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内燃機関のスロットルバルブ制御シス
テムの第1実施形態の構成図である。
【図2】発明者らが得た知見を説明するグラフ図であ
る。
【図3】本発明の内燃機関のスロットルバルブ制御シス
テムの第1実施形態におけるスロットルバルブ開度制御
を説明する図である。
【図4】本発明の内燃機関のスロットルバルブ制御シス
テムの第1実施形態におけるスロットルバルブ開度制御
を示すフローチャートである。
【図5】本発明の内燃機関のスロットルバルブ制御シス
テムの第1実施形態におけるスロットルバルブ開度制御
の一例を示すタイムチャートである。
【図6】本発明の内燃機関のスロットルバルブ制御シス
テムの第2実施形態におけるスロットルバルブ開度制御
の解決する課題を説明するグラフである。
【図7】本発明の内燃機関のスロットルバルブ制御シス
テムの第2実施形態におけるスロットルバルブ開度制御
を説明する図である。
【図8】本発明の内燃機関のスロットルバルブ制御シス
テムの第2実施形態におけるスロットルバルブ開度制御
を示す第1のフローチャートである。
【図9】本発明の内燃機関のスロットルバルブ制御シス
テムの第2実施形態におけるスロットルバルブ開度制御
を示す第2のフローチャートである。
【図10】本発明の内燃機関のスロットルバルブ制御シ
ステムの第2実施形態におけるスロットルバルブ開度制
御を示す第3のフローチャートである。
【図11】本発明の内燃機関のスロットルバルブ制御シ
ステムの第2実施形態におけるスロットルバルブ開度制
御を示す第4のフローチャートである。
【図12】本発明の内燃機関のスロットルバルブ制御シ
ステムの第2実施形態におけるスロットルバルブ開度制
御を示す第5のフローチャートである。
【図13】本発明の内燃機関のスロットルバルブ制御シ
ステムの第2実施形態におけるスロットルバルブ開度制
御の一例を示すタイムチャートである。
【図14】内燃機関の吸気系の第1の例の構成図であ
る。
【図15】上記第1の例における吸気音のエンジン回転
数に対するグラフである。
【図16】内燃機関の吸気系の第2の例の構成図であ
る。
【図17】上記第2の例における吸気音のエンジン回転
数に対するグラフである。
【図18】内燃機関の吸気系の第3の例の構成図であ
る。
【図19】上記第3の例における吸気音及びトルクのエ
ンジン回転数に対するグラフである。
【符号の説明】
1 クールエアインテークダクト 2 エアクリーナ 3 エアクリーナホース 4 スロットルボディ 42 スロットルバルブ 5 サージタンク 6 スロットルバルブ制御システム 61 ECU(制御手段) 62 スロットルバルブ開度調整器(スロットルバルブ
開度調整手段) 63 エンジン回転数センサ(エンジン回転数検出手
段) 64 アクセル開度センサ(アクセル開度検出手段) 65 スロットルバルブ開度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神永 晃一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 高田 充 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スロットルバルブの開度を調整するスロ
    ットルバルブ開度調整手段と、内燃機関のエンジン回転
    数を検出するエンジン回転数検出手段と、アクセル開度
    を検出するアクセル開度検出手段と、少なくとも検出さ
    れたエンジン回転数およびアクセル開度に基づいてスロ
    ットルバルブ開度調整手段を駆動しスロットルバルブ開
    度を制御する制御手段とを具備し、制御手段を、検出さ
    れたエンジン回転数が予め設定した制御回転域内にあ
    り、かつ検出されたアクセル開度が予め設定した閾値よ
    りも大きいとき、スロットルバルブ開度が予め設定した
    所定開度まで下がるように設定したことを特徴とする内
    燃機関のスロットルバルブ制御システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の内燃機関のスロットルバ
    ルブ制御システムにおいて、上記制御回転域を、スロッ
    トルバルブ全開時における吸気音の増音ピーク発生回転
    域とした内燃機関のスロットルバルブ制御システム。
  3. 【請求項3】 請求項1または2いずれか記載の内燃機
    関のスロットルバルブ制御システムにおいて、上記制御
    手段を、アクセル開度の上記閾値を上記エンジン回転数
    検出手段により検出されたエンジン回転数に対応して設
    定する構成とした内燃機関のスロットルバルブ制御シス
    テム。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3いずれか記載の内燃機
    関のスロットルバルブ制御システムにおいて、上記制御
    手段を、スロットルバルブ開度の上記所定開度を上記エ
    ンジン回転数検出手段により検出されたエンジン回転数
    に対応して設定する構成とした内燃機関のスロットルバ
    ルブ制御システム。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4いずれか記載の内燃機
    関のスロットルバルブ制御システムにおいて、上記制御
    手段を、上記エンジン回転数検出手段により検出された
    エンジン回転数が上記制御回転域と非制御回転域間を跨
    いで変化するとき、スロットルバルブ開度が予め設定し
    た所定の状態遷移時間をかけて連続的に変化するように
    設定した内燃機関のスロットルバルブ制御システム。
JP8945298A 1998-03-18 1998-03-18 内燃機関のスロットルバルブ制御システム Withdrawn JPH11264335A (ja)

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Cited By (3)

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KR100435970B1 (ko) * 2002-06-24 2004-06-12 현대자동차주식회사 씨엔지 상용 차량의 흡기소음 저감장치와 그 제어방법
JP2006194194A (ja) * 2005-01-14 2006-07-27 Toyota Motor Corp 圧縮着火内燃機関の燃焼切替制御システム
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