JPH11263770A - 新規なケトン誘導体及びその用途 - Google Patents

新規なケトン誘導体及びその用途

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JPH11263770A
JPH11263770A JP10209339A JP20933998A JPH11263770A JP H11263770 A JPH11263770 A JP H11263770A JP 10209339 A JP10209339 A JP 10209339A JP 20933998 A JP20933998 A JP 20933998A JP H11263770 A JPH11263770 A JP H11263770A
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JP
Japan
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carbon atoms
unsubstituted
substituted
hydrogen atom
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Application number
JP10209339A
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English (en)
Inventor
Seiichi Saito
清一 斎藤
Masashi Nagai
昌史 永井
Tomio Morino
富夫 森野
Gakudou Satou
学道 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】神経細胞分化促進作用を有する低毒性の低分子
化合物を提供すること。 【解決手段】一般式[1] 【化1】 [式中、Aが無置換または置換の炭素数1〜4の脂肪族
炭化水素基等を示し、Bが無置換または置換の炭素数1
〜4の脂肪族炭化水素基等を示し、またはAとBが共に
結合し炭素数3〜7のシクロアルカン−1−オン環(但
し炭素数5の場合を除く)を形成することを示し、Xが
O、S、SO、SO2またはNHを示し、Yが置換また
は無置換の炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基等を示し、
Zがカルボキシ基等を示す。]で表わされるケトン誘導
体またはその薬理学的に許容される塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬の技術分野に
属し、特に神経細胞分化促進剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】神経栄養因子は神経の分化誘導、生存維
持に関与する一群の蛋白質性化合物であり、その代表的
な物質として神経成長因子(以下NGFと略する)が知
られている(Ann.Neuro.、10巻、499〜
503項(1981))。神経栄養因子は中枢神経、末
梢神経のいずれにおいても神経の分化、生存維持、修復
に深く関与していることが明らかになってきている。
【0003】加齢、内的要因、外的要因により神経が障
害を受けると病的症状が発現する。たとえば中枢神経で
はアルツハイマー病や脳血管障害による痴呆、脳挫傷等
による意識障害、パーキンソン病による振戦や筋硬直等
が、また末梢神経では筋萎縮性側索硬化症、脊髄性筋萎
縮症や事故等に伴う神経損傷による運動機能障害、糖尿
病、尿毒症、ビタミンB1欠乏、ビタミンB12欠乏、
慢性肝障害、サルコイドーシス、アミロイドーシス、甲
状腺低下症、癌、血管炎、シェーグレン症候群、感染症
に伴う免疫異常、遺伝性疾患、物理的圧迫、薬剤(制癌
剤、抗結核剤、抗てんかん剤等)、または中毒(ヒ素、
タリウム、二硫化炭素等)等によるニューロパチーがよ
く知られている(臨床検査、40巻、760〜766項
(1996)))。これらの障害において神経が不可逆
的損傷を受けた場合、再生・修復は困難であると考えら
れてきた。しかし前述の神経栄養因子の神経に対する作
用を応用すれば神経障害の治療が可能ではないかという
仮説から、神経栄養因子の医薬品としての開発が検討さ
れている(Science、264巻、772〜774
項(1994))。たとえばNGFはアルツハイマー
病、末梢神経障害、または脊髄損傷に対して臨床応用が
試みられている。
【0004】しかしNGFは分子量約5万の蛋白質であ
り、神経障害の治療には長期間を有することから投与法
や製剤化の開発は容易ではない。またその遺伝子を導入
することによる遺伝子治療も検討されているが、効果は
未知数である。
【0005】ところで、ラット副腎髄質褐色細胞腫より
クローン化された株細胞であるPC12細胞はNGFを
添加することにより細胞の増殖を停止し、神経突起を有
する神経様細胞へ分化することが知られている。この方
法により、NGF様の神経細胞分化促進作用を有する物
質のスクリーニングが可能になり、例えば、抗生物質ス
タウロスポリンもPC12細胞の分化促進作用を有する
ことが示されている(神経化学、26巻、200〜22
0項(1987))。また最近、微生物ストレプトミセ
スSP.NK175203株FERMBP−4372に
より生産される生理活性物質NK175203(以下シ
スタサイクリンという)に同様の分化促進作用が見いだ
された(WO95/31992)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
スタウロスポリンは毒性や体内動態などから医薬品とし
ての応用は難しく、神経細胞分化促進作用を有しかつ低
毒性、また製造容易な合成低分子化合物の提供が強く期
待されている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らはシスタサイ
クリンの誘導体につき鋭意検討の結果、新たに後述一般
式[1]で表されるシクロペンタノン誘導体またはその
薬理学的に許容し得る塩を見い出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は下記の発明に関するものである。 (1)一般式[1]
【0008】
【化2】
【0009】[式中、Aは無置換または置換の炭素数1
〜4の脂肪族炭化水素基、または無置換または置換の芳
香族炭化水素、複素芳香環、または複素飽和環を示し、
Bは水素原子、または無置換または置換の炭素数1〜4
の脂肪族炭化水素基を示し、またはAとBが共に結合し
無置換または置換の炭素数3〜7のシクロアルカン−1
−オン環(但し炭素数5の場合を除く)を形成すること
を示し、XはO、S、SO、SO2またはNHを示し、
Yは置換または無置換の炭素数1〜6の脂肪族炭化水素
基、または置換または非置換の炭素数3〜6の芳香族炭
化水素基または複素芳香単環を示し、Zはカルボキシ基
またはカルボキシ基から誘導される基、無置換または置
換の炭素数1〜4のアルキル基またはアルケニル基、水
酸基または水酸基から誘導される基、アミノ基またはア
ミノ基から誘導される基、スルホン酸又はスルホン酸か
ら誘導される基、リン酸又はリン酸から誘導される基、
複素芳香単環、ハロゲン原子、または水素原子を示す。
但し、A、Bが共に結合してシクロブタン環を形成する
場合、(1)XがO、Yがメチル基、n−オクチル基、
またはn−ヘキサデシル基、Zがメトキシカルボニル
基、(2)XがO、Yがベンジル基、Zがベンジルオキ
シメチル基、(3)XがO、Yがp−メトキシベンジル
基、Zがp−メトキシベンジルオキシメチル基、(4)
XがO、Yがトリチル基、Zがトリチルオキシメチル基
である場合、またAが無置換のベンゼン環、Bが水素原
子の場合、XがS、Yがメチル基、エチル基、またはイ
ソプロピル基、Zがカルボキシ基である場合は除く]で
表わされるケトン誘導体またはその薬理学的に許容し得
る塩。
【0010】(2)前記(1)記載の一般式[1]にお
いて、Aが無置換または置換の炭素数1〜4の脂肪族炭
化水素基を示し、Bが水素原子、無置換または置換の炭
素数1〜4の脂肪族炭化水素基を示し、XがS、Oまた
はSOを示し、Yが炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基
(カルボキシ基またはカルボキシ基から誘導される基、
アミノ基またはアミノ基から誘導される基、または水酸
基または水酸基から誘導される基で1個以上の水素原子
が置換されている)を示し、Zがカルボキシ基またはカ
ルボキシ基から誘導される基、無置換または置換の炭素
数1〜4のアルキル基またはアルケニル基、水酸基また
は水酸基から誘導される基、アミノ基またはアミノ基か
ら誘導される基、複素芳香単環、ハロゲン原子、または
水素原子を示す前記(1)記載のケトン誘導体またはそ
の薬理学的に許容し得る塩。
【0011】(3)前記(1)記載の一般式[1]にお
いて、Aが炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を示し、B
が水素原子または炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を示
し、XがS、OまたはSOを示し、Yが炭素数1〜6の
脂肪族炭化水素基[カルボキシ基、COOR1(式中R
1は炭素数1〜4の置換または無置換のアルキル基また
はアルケニル基を示す)、CONR2R3(式中R2、
R3は同一かあるいは各々独立して水素原子、炭素数1
〜4の無置換または置換のアルキル基を示す)、COW
(式中Wは無置換、カルボキシ基またはカルボキシ基か
ら誘導される基、またはアミノ基またはアミノ基から誘
導される基で置換された複素環を示す)、NR4R5
(式中R4、R5は同一かあるいは各々独立して水素原
子、炭素数1〜4の無置換または置換のアルキル基、ま
たは炭素数1〜5の無置換または置換のアシル基を示
す)、またはOR6(式中R6は水素原子、炭素数1〜
4の無置換または置換のアルキル基、または炭素数1〜
5の無置換または置換のアシル基を示す)で少なくとも
1個以上の水素原子が置換されている]を示し、Zがカ
ルボキシ基、COOR7(式中R7は炭素数1〜4の無
置換または置換のアルキル基を示す)、CONR8R9
(式中R8、R9は同一かあるいは各々独立して水素原
子、炭素数1〜4の置換または無置換のアルキル基を示
す)、シアノ基、CH2OR10(式中R10は水素原
子、炭素数1〜4の無置換または置換のアルキル基、ま
たは炭素数1〜5の無置換または置換のアシル基を示
す)、水酸基、OCOR11(式中R11は炭素数1〜
4の無置換または置換のアルキル基を示す)、NR12
R13(式中R12、R13は同一かあるいは各々独立
して水素原子、炭素数1〜4の無置換または置換のアル
キル基、または炭素数1〜5の無置換または置換のアシ
ル基を示す)、5−テトラゾリル基、塩素原子、フッ素
原子、または水素原子を示す前記(2)記載のケトン誘
導体またはその薬理学的に許容し得る塩。
【0012】(4)前記(1)記載の一般式[1]にお
いて、Aが炭素数1〜4のアルキル基を示し、Bが水素
原子または炭素数1〜4のアルキル基を示し、XがSを
示し、Yが炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基{カルボキ
シ基、COOR1’(式中R1’は炭素数1〜4のアル
キル基またはアルケニル基を示す)、NHCOR14
(式中R14は炭素数1〜4の、その水素原子がフッ素
原子に置換されてもよいアルキル基を示す)、水酸基、
またはOCOR15(式中R15は炭素数1〜4のアル
キル基を示す)で少なくとも2個以上の水素原子が置換
されている}を示し、Zはカルボキシ基、COOR7’
(式中R7’は炭素数1〜4のアルキル基を示す)、ま
たはCH2OR10’(式中R10’は水素原子、また
は炭素数1〜5のアシル基を示す)を示す前記(3)記
載のケトン誘導体またはその薬理学的に許容し得る塩。
【0013】(5)前記(1)記載の一般式[1]にお
いて、Aがメチル基を示し、Bが水素原子を示し、Xが
Sを示し、Yが2−アセチルアミノ−2ーカルボキシエ
チル基または2−アセチルアミノ−2ーメトキシカルボ
ニルエチル基を示し、Zがカルボキシ基、メトキシカル
ボニル基、アセトキシメチル基、またはヒドロキシメチ
ル基を示す前記(4)記載のケトン誘導体またはその薬
理学的に許容し得る塩。
【0014】(6)前記(1)記載の一般式[1]にお
いて、Aが無置換または置換の芳香族炭化水素、複素芳
香環、または複素飽和環を示し、Bが水素原子、無置換
または置換の炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を示し、
XがS、OまたはSOを示し、Yが炭素数1〜6の脂肪
族炭化水素基(カルボキシ基またはカルボキシ基から誘
導される基、アミノ基またはアミノ基から誘導される
基、または水酸基または水酸基から誘導される基で1個
以上の水素原子が置換されている)を示し、Zがカルボ
キシ基またはカルボキシ基から誘導される基、無置換ま
たは置換の炭素数1〜4のアルキル基またはアルケニル
基、水酸基または水酸基から誘導される基、アミノ基ま
たはアミノ基から誘導される基、複素芳香単環、ハロゲ
ン原子、または水素原子を示す前記(1)記載のケトン
誘導体またはその薬理学的に許容し得る塩。
【0015】(7)前記(1)記載の一般式[1]にお
いて、Aが無置換または炭素数1〜4のアルキル基、ハ
ロゲン原子、水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ア
ミノ基、炭素数1〜4のアルキルまたはジアルキルアミ
ノ基、チオール基、カルボキシ基、炭素数1〜4のアル
コキシカルボニル基、炭素数1〜5のアシルオキシ基、
炭素数1〜5のアシルチオ基、または炭素数1〜5のア
シルアミノ基、シアノ基、またはトリフルオロメチル基
で1〜3個置換されたベンゼン環を示し、Bが水素原子
または炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を示し、Xが
S、OまたはSOを示し、Yが炭素数1〜6の脂肪族炭
化水素基[カルボキシ基、COOR1(式中R1は炭素
数1〜4の置換または無置換のアルキル基またはアルケ
ニル基を示す)、CONR2R3(式中R2、R3は同
一かあるいは各々独立して水素原子、炭素数1〜4の無
置換または置換のアルキル基を示す)、COW(式中W
は無置換、カルボキシ基またはカルボキシ基から誘導さ
れる基、またはアミノ基またはアミノ基から誘導される
基で置換された複素環を示す)、NR4R5(式中R
4、R5は同一かあるいは各々独立して水素原子、炭素
数1〜4の無置換または置換のアルキル基、または炭素
数1〜5の無置換または置換のアシル基を示す)、また
はOR6(式中R6は水素原子、炭素数1〜4の無置換
または置換のアルキル基、または炭素数1〜5の無置換
または置換のアシル基を示す)で少なくとも1個以上の
水素原子が置換されている]を示し、Zがカルボキシ
基、COOR7(式中R7は炭素数1〜4の無置換また
は置換のアルキル基を示す)、CONR8R9(式中R
8、R9は同一かあるいは各々独立して水素原子、炭素
数1〜4の置換または無置換のアルキル基を示す)、シ
アノ基、CH2OR10(式中R10は水素原子、炭素
数1〜4の無置換または置換のアルキル基、または炭素
数1〜5の無置換または置換のアシル基を示すを示
す)、水酸基、OCOR11(式中R11は炭素数1〜
4の無置換または置換のアルキル基を示す)、NR12
R13(式中R12、R13は同一かあるいは各々独立
して水素原子、炭素数1〜4の無置換または置換のアル
キル基、または炭素数1〜5の無置換または置換のアシ
ル基を示す)、5−テトラゾリル基、塩素原子、フッ素
原子、または水素原子を示す前記(6)記載のケトン誘
導体またはその薬理学的に許容し得る塩。
【0016】(8)前記(1)の一般式[1]におい
て、Aが無置換、またはメチル基、メトキシ基、メトキ
シカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基で1〜3個置換されたベンゼン環
を示し、Bが水素原子または炭素数1〜4のアルキル基
を示し、XがSを示し、Yが炭素数1〜6の脂肪族炭化
水素基{カルボキシ基、COOR1’(式中R1’は炭
素数1〜4のアルキル基またはアルケニル基を示す)、
NHCOR14(式中R14は炭素数1〜4の、その水
素原子がフッ素原子に置換されてもよいアルキル基を示
す)、水酸基、またはOCOR15(式中R15は炭素
数1〜4のアルキル基を示す)で少なくとも2個以上の
水素原子が置換されている}を示し、Zはカルボキシ
基、COOR7’(式中R7’は炭素数1〜4のアルキ
ル基を示す)、またはCH2OR10’(式中R10’
は水素原子、または炭素数1〜5のアシル基を示す)を
示す前記(7)記載のケトン誘導体またはその薬理学的
に許容し得る塩。
【0017】(9)前記(1)記載の一般式[1]にお
いて、Aが無置換、またはメチル基、またはメトキシ基
で置換されたベンゼン環を示し、Bが水素原子を示し、
XがSを示し、Yが2−アセチルアミノ−2−カルボキ
シエチル基、2−アセチルアミノ−2ーメトキシカルボ
ニルエチル基、または2−アセチルアミノエチル基を示
し、Zがカルボキシ基、メトキシカルボニル基、アセト
キシメチル基、またはヒドロキシメチル基を示す前記
(8)記載のケトン誘導体またはその薬理学的に許容し
得る塩。
【0018】(10)前記(1)記載の一般式[1]に
おいて、AとBが共に結合し無置換または置換の炭素数
3〜7のシクロアルカン−1−オン環(但し炭素数5の
場合を除く)を形成することを示し、XがS、Oまたは
SOを示し、Yが炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基(カ
ルボキシ基またはカルボキシ基から誘導される基、アミ
ノ基またはアミノ基から誘導される基、または水酸基ま
たは水酸基から誘導される基で1個以上の水素原子が置
換されている)を示し、Zがカルボキシ基またはカルボ
キシ基から誘導される基、無置換または置換の炭素数1
〜4のアルキル基またはアルケニル基、水酸基または水
酸基から誘導される基、アミノ基またはアミノ基から誘
導される基、複素芳香単環、ハロゲン原子、または水素
原子を示す前記(1)記載のケトン誘導体またはその薬
理学的に許容し得る塩。
【0019】(11)前記(1)記載の一般式[1]に
おいて、AとBが共に結合し無置換または置換のシクロ
ブタン−1−オン環またはシクロヘキサン−1−オンを
形成することを示し、XがS、OまたはSOを示し、Y
が炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基[カルボキシ基、C
OOR1(式中R1は炭素数1〜4の置換または無置換
のアルキル基またはアルケニル基を示す)、CONR2
R3(式中R2、R3は同一かあるいは各々独立して水
素原子、炭素数1〜4の無置換または置換のアルキル基
を示す)、COW(式中Wは無置換、カルボキシ基また
はカルボキシ基から誘導される基、またはアミノ基また
はアミノ基から誘導される基で置換された複素環を示
す)、NR4R5(式中R4、R5は同一かあるいは各
々独立して水素原子、炭素数1〜4の無置換または置換
のアルキル基、または炭素数1〜5の無置換または置換
のアシル基を示す)、またはOR6(式中R6は水素原
子、炭素数1〜4の無置換または置換のアルキル基、ま
たは炭素数1〜5の無置換または置換のアシル基を示
す)で少なくとも1個以上の水素原子が置換されてい
る]を示し、Zがカルボキシ基、COOR7(式中R7
は炭素数1〜4の無置換または置換のアルキル基を示
す)、CONR8R9(式中R8、R9は同一かあるい
は各々独立して水素原子、炭素数1〜4の置換または無
置換のアルキル基を示す)、シアノ基、CH2OR10
(式中R10は水素原子、炭素数1〜4の無置換または
置換のアルキル基、または炭素数1〜5の無置換または
置換のアシル基を示すを示す)、水酸基、OCOR11
(式中R11は炭素数1〜4の無置換または置換のアル
キル基を示す)、NR12R13(式中R12、R13
は同一かあるいは各々独立して水素原子、炭素数1〜4
の無置換または置換のアルキル基、または炭素数1〜5
の無置換または置換のアシル基を示す)、5−テトラゾ
リル基、塩素原子、フッ素原子、または水素原子を示す
前記(10)記載のケトン誘導体またはその薬理学的に
許容し得る塩。
【0020】(12)前記(1)記載の一般式[1]に
おいて、AとBが共に結合しシクロブタン−1−オン環
またはシクロヘキサン−1−オンを形成することを示
し、XがSを示し、Yが炭素数1〜6の脂肪族炭化水素
基{カルボキシ基、COOR1’(式中R1’は炭素数
1〜4のアルキル基またはアルケニル基を示す)、また
はNHCOR14(式中R14は炭素数1〜4の、その
水素原子がフッ素原子に置換されてもよいアルキル基を
示す)、水酸基、またはOCOR15(式中R15は炭
素数1〜4のアルキル基を示す)で少なくとも2個以上
の水素原子が置換されている}を示し、Zがカルボキシ
基、COOR7’(式中R7’は炭素数1〜4のアルキ
ル基を示す)、またはCH2OR10’(式中R10’
は水素原子、または炭素数1〜5のアシル基を示す)を
示す前記(11)記載のケトン誘導体またはその薬理学
的に許容し得る塩。
【0021】(13)前記(1)記載の一般式[1]に
おいて、(I)AとBが共に結合しシクロブタン−1−
オン環を形成し、XがS、Yが2−アセチルアミノ−2
−カルボキシエチル基、Zがカルボキシ基、(II)A
とBが共に結合しシクロブタン−1−オン環を形成し、
XがS、Yが2−アセチルアミノ−2−メトキシカルボ
ニルエチル基、Zがメトキシカルボニル基、(III)
AとBが共に結合しシクロブタン−1−オン環を形成
し、XがS、Yが2、3−ジヒドロキシ−n−プロピル
基、Zがアセトキシメチル基、(IV)AとBが共に結
合し、シクロヘキサン−1−オン環を形成し、XがS、
Yが2−アセチルアミノ−2−カルボキシエチル基、Z
がカルボキシ基を示す前記(12)記載のケトン誘導体
またはその薬理学的に許容し得る塩。
【0022】(14)前記(1)〜(13)のいずれか
に記載のケトン誘導体(但し、A、Bが共に結合してシ
クロブタン環を形成する場合、(1)XがO、Yがメチ
ル基、n−オクチル基、またはn−ヘキサデシル基、Z
がメトキシカルボニル基、(2)XがO、Yがベンジル
基、Zがベンジルオキシメチル基、(3)XがO、Yが
p−メトキシベンジル基、Zがp−メトキシベンジルオ
キシメチル基、(4)XがO、Yがトリチル基、Zがト
リチルオキシメチル基である場合、またAが無置換のベ
ンゼン環、Bが水素原子の場合、XがS、Yがメチル
基、エチル基、またはイソプロピル基、Zがカルボキシ
基である場合を含む。)またはその薬理学的に許容し得
る塩を有効成分とする医薬。
【0023】(15)前記(1)〜(13)のいずれか
に記載のケトン誘導体(但し、A、Bが共に結合してシ
クロブタン環を形成する場合、(1)XがO、Yがメチ
ル基、n−オクチル基、またはn−ヘキサデシル基、Z
がメトキシカルボニル基、(2)XがO、Yがベンジル
基、Zがベンジルオキシメチル基、(3)XがO、Yが
p−メトキシベンジル基、Zがp−メトキシベンジルオ
キシメチル基、(4)XがO、Yがトリチル基、Zがト
リチルオキシメチル基である場合、またAが無置換のベ
ンゼン環、Bが水素原子の場合、XがS、Yがメチル
基、エチル基、またはイソプロピル基、Zがカルボキシ
基である場合を含む。)またはその薬理学的に許容し得
る塩を有効成分とする中枢神経障害治療薬。
【0024】(16)前記(1)〜(13)のいずれか
に記載のケトン誘導体(但し、A、Bが共に結合してシ
クロブタン環を形成する場合、(1)XがO、Yがメチ
ル基、n−オクチル基、またはn−ヘキサデシル基、Z
がメトキシカルボニル基、(2)XがO、Yがベンジル
基、Zがベンジルオキシメチル基、(3)XがO、Yが
p−メトキシベンジル基、Zがp−メトキシベンジルオ
キシメチル基、(4)XがO、Yがトリチル基、Zがト
リチルオキシメチル基である場合、またAが無置換のベ
ンゼン環、Bが水素原子の場合、XがS、Yがメチル
基、エチル基、またはイソプロピル基、Zがカルボキシ
基である場合を含む。)またはその薬理学的に許容し得
る塩を有効成分とする末梢神経障害治療薬。
【0025】(17)前記(1)〜(13)のいずれか
に記載のケトン誘導体(但し、A、Bが共に結合してシ
クロブタン環を形成する場合、(1)XがO、Yがメチ
ル基、n−オクチル基、またはn−ヘキサデシル基、Z
がメトキシカルボニル基、(2)XがO、Yがベンジル
基、Zがベンジルオキシメチル基、(3)XがO、Yが
p−メトキシベンジル基、Zがp−メトキシベンジルオ
キシメチル基、(4)XがO、Yがトリチル基、Zがト
リチルオキシメチル基である場合、またAが無置換のベ
ンゼン環、Bが水素原子の場合、XがS、Yがメチル
基、エチル基、またはイソプロピル基、Zがカルボキシ
基である場合を含む。)またはその薬理学的に許容し得
る塩を有効成分とする神経細胞分化促進剤。
【0026】本発明における神経分化促進剤は、中枢神
経障害または末梢神経障害の治療薬として患者に用いる
ことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
【0028】本発明において、一般式[1]のAにおけ
る無置換または置換の炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基
とは、置換基があってもよい炭素数1〜4のアルキル基
またはアルケニル基を示す。アルキル基としては例えば
メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、
イソプロピル基、tert−ブチル基等があげられる。
アルケニル基としては、例えばビニル基、2−プロペニ
ル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基があげられ
る。好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、
イソプロピル基であり、さらに好ましくはメチル基であ
る。この炭化水素基は無置換または置換のいずれでもよ
い。置換基を有する場合は例えば1〜6個、好ましくは
1〜3個の置換基を有してよい。置換基としては、例え
ばハロゲン原子、水酸基、チオール基、カルボキシ基、
メトキシカルボニル基、アセトキシ基、アセチルチオ
基、シアノ基、またはアセチルアミノ基があげられる。
ハロゲン原子としては臭素原子、塩素原子、またはフッ
素原子があげられる。好ましくは無置換の場合である。
【0029】一般式[1]のAにおける無置換または置
換の芳香族炭化水素、複素芳香環、または複素飽和環と
は、ベンゼン環、1−ナフタレン環、2−ナフタレン
環、チオフェン環、フラン環、ピロール環、イミダゾー
ル環、オキサゾール環、ピラゾール環、イソキサゾール
環、ピリジン環、ピラジン環、インダン環、キノリン
環、イソキノリン環、キナゾリン環、クマリン環、ピロ
リジン環、ピペリジン環、ピペラジン環等があげられ
る。好ましくはベンゼン環、複素芳香単環であり、さら
に好ましくはベンゼン環である。またこれらの環は無置
換または置換のいずれでもよい。置換基を有する場合
は、例えば1〜6個、好ましくは1〜3個の置換基を有
してよい。置換基としては、例えば炭素数1〜4のアル
キル基、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキ
ルオキシ基、アミノ基、炭素数1〜4のモノアルキルま
たはジアルキルアミノ基、チオール基、カルボキシ基、
炭素数1〜4のアルキルオキシカルボニル基、炭素数1
〜5のアシルオキシ基、炭素数1〜5のアシルチオ基、
または炭素数1〜5のアシルアミノ基、シアノ基、また
はトリフルオロメチル基等があげられる。ハロゲン原子
としては、臭素原子、塩素原子、またはフッ素原子があ
げられる。炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1
〜5のアシル基における炭素数1〜4のアルキル基につ
いては、Aの場合と同様である。好ましくは無置換、ま
たはメチル基、メトキシ基、メトキシカルボニル基、ニ
トロ基、シアノ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル
基で1〜3個置換される場合であり、さらに好ましくは
無置換、またはメチル基またはメトキシ基で置換される
場合である。
【0030】一般式[1]のBにおける無置換または置
換の炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基はAと同様であ
る。特に好ましいBとしては水素原子またはメチル基で
ある。
【0031】一般式[1]のAとBが共に結合し環を形
成することによる無置換または置換の炭素数3〜7のシ
クロアルカン−1−オン環(但し炭素数5の場合を除
く)はシクロプロパノン環、シクロブタノン環、シクロ
ヘキサノン環、またはシクロヘキサノン環を示す。好ま
しくはシクロブタノン環、またはシクロヘキサノン環で
ある。このシクロアルカン−1−オン環は一般式[1]
の置換以外は無置換または置換のいずれでもよい。置換
基を有する場合は例えば1〜4個、好ましくは1〜2個
の置換基を有してよい。置換基としては、例えばハロゲ
ン原子、水酸基、チオール基、カルボキシ基、メトキシ
カルボニル基、ヒドロキシメチル基、アセトキシメチル
基、シアノ基、またはアセチルアミノ基があげられる。
ハロゲン原子についてはAと同様である。好ましくは無
置換の場合である。
【0032】一般式[1]におけるXの中ではS、Oま
たはSOが好ましく、Sが最も好ましい。
【0033】一般式[1]のYにおける炭素数1〜6の
脂肪族炭化水素基とは、炭素数1〜6のアルキル基また
はアルケニル基を示す。アルキル基としては、例えばメ
チル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n
−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソプロピル基、te
rt−ブチル基等があげられる。またアルケニル基とし
ては、例えばビニル基、2−プロペニル基、イソプロペ
ニル基、2−ブテニル基があげられる。好ましくは炭素
数1〜4のアルキル基、さらに好ましくはエチル基であ
る。この炭化水素基は無置換または置換のいずれでもよ
い。置換基を有する場合は例えば1〜6個、好ましくは
1〜4個の置換基を有してよい。置換基の種類として
は、カルボキシ基またはカルボキシ基から誘導される
基、アミノ基またはアミノ基から誘導される基、または
水酸基または水酸基から誘導される基があげられる。炭
素数3〜6の芳香族炭化水素基または複素芳香単環と
は、芳香族炭化水素基としては、たとえばベンゼン環を
示し、複素芳香単環としては、窒素原子、酸素原子また
は硫黄原子を含む5員環または6員環を示す。置換基を
有する場合の置換基については、脂肪族炭化水素基の場
合と同様である。
【0034】カルボキシ基から誘導される基としては、
例えばカルボキシ基がエステル化またはアミド化された
官能基、シアノ基、またはこれらの官能基が還元された
ヒドロキシルメチル基、アミノメチル基、さらにはこれ
らの還元した官能基にアシル化またはアルキル化等の修
飾を施した官能基があげられる。好ましくはカルボキシ
基、COOR1(式中R1は炭素数1〜4の無置換また
は置換のアルキル基またはアルケニル基を示す)、CO
NR2R3(式中R2、R3は同一かまたは各々独立し
て水素原子、炭素数1〜4の無置換または置換のアルキ
ル基を示す)、COW(Wは無置換または置換の複素環
を示す)である。ここでR1におけるアルキル基は鎖
状、分鎖状、環状のいずれであってもよい。アルキル基
としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、tert−ブチル基またはシクロブ
チル基等があげられる。好ましいアルキル基としてはメ
チル基、エチル基、またはn−プロピル基であり、さら
に好ましくはメチル基である。またアルケニル基として
は、例えばビニル基、2−プロペニル基、イソプロペニ
ル基、2−ブテニル基があげられる。また置換基を有す
る場合は、例えば1〜6個、好ましくは1〜3個の置換
基を有してよい。置換基の種類としては、例えばハロゲ
ン原子、水酸基、チオール基、カルボキシ基、メトキシ
カルボニル基、アセチルオキシ基、アセチルチオ基、シ
アノ基、またはアセチルアミノ基があげられる。ハロゲ
ン原子についてはAと同様である。好ましいR1のアル
キル基は無置換である。ここでR2、R3におけるアル
キル基及び置換基を有する場合の置換基については、R
1と同様である。
【0035】Wにおいては、好ましくは複素飽和環、さ
らに好ましくはアゼチジン環、ピペリジン環、ピロリジ
ン環、ピペラジン環、ピペラジン環、またはモルホリン
環である。またこれらの環はカルボニル基と炭素原子ま
たは窒素原子で結合可能であり、好ましくは窒素原子で
カルボニル基と結合し、アミド結合を形成する場合であ
る。置換基を有する場合は1〜4個好ましくは1〜2個
の置換基を有してもよく、置換基の種類としては、カル
ボキシ基またはカルボキシ基から誘導される基、または
アミノ基またはアミノ基から誘導される基があげられ
る。それぞれについては本願明細書に記載されている通
りである。
【0036】アミノ基から誘導される基としては、例え
ばアミノ基がアルキル化、アシル化又はスルホニル化さ
れた官能基、ニトロ基、ヒドロキシアミノ基、イミノ
基、アミノ基の窒素原子を含んだ複素環があげられる。
好ましくはNR4R5(式中R4、R5は同一かまたは
各々独立して水素原子、炭素数1〜4の無置換または置
換のアルキル基、または炭素数1〜5の無置換または置
換のアシル基を示す)があげられる。ここでR4、R5
におけるアルキル基、及び置換基を有する場合の置換基
についてはR1の場合と同様である。またアシル基は鎖
状、分鎖状、環状、飽和または不飽和のいずれであって
もよい。アシル基としては、例えばアセチル基、プロピ
オニル基、アクロイル基、プロピオロイル基、n−ブチ
リル基、イソブチリル基、クロトノイル基、バレリル
基、イソバレリル基、ピバロイル基等があげられる。ま
た置換基を有する場合の置換基についてはR1の場合と
同様である。好ましくはNHCOR14(式中R14は
炭素数1〜4の、その水素原子がフッ素原子に置換され
てもよいアルキル基を示し、アルキル基についてはR1
の場合と同様である)である。置換されてもよいフッ素
原子の数は1〜9個であり、好ましくは1〜7個であ
る。最も好ましいR14はメチル基である。
【0037】水酸基から誘導される基としては、例えば
水酸基がアルキル化またはアシル化された官能基、ケト
基、ハロゲン原子があげられる。好ましくはOCOR1
5(式中R15は炭素数1〜4のアルキル基を示し、ア
ルキル基についてはR1の場合と同様である)である。
【0038】またこの誘導体におけるZは、カルボキシ
基またはそれから誘導される基、炭素数1〜4の無置換
または置換のアルキル基またはアルケニル基、水酸基ま
たはそれから誘導される基、アミノ基またはそれから誘
導される基、スルホン酸又はスルホン酸から誘導される
基、リン酸又はリン酸から誘導される基、複素芳香単
環、ハロゲン原子、または水素原子を示す。カルボキシ
基、アミノ基、水酸基から誘導される基としては、前記
と同様である。又、アミノ基から誘導される基として
は、例えばNHSO2Ph、NHCOCF3、NHCO
C2F5、NHSO2CF3、NHSO2C2F5等も
あげられる。またアルキル基、アルケニル基及びそれら
が置換基を有する場合の置換基については、Aの場合と
同様である。スルホン酸から誘導される基としては、ス
ルホン酸アミド誘導体、例えばSO2NH2、SO2N
HCH3、SO2N(CH3)2、SO2NHCOCH
3等があげられる。リン酸から誘導される基としては、
例えばP(O)(OH)H、P(O)(OH)(NH
2)、P(O)(OH)CH(OCH3)2等があげら
れる。好ましいZとしては、カルボキシ基、COOR7
(式中R7は炭素数1〜4の無置換または置換のアルキ
ル基を示す)、CONR8R9(式中R8、R9は同一
かまたは各々独立して水素原子あるいは各々独立して炭
素数1〜4の無置換または置換のアルキル基を示す)、
シアノ基、水酸基、CH2OR10(式中R10は水素
原子、炭素数1〜4の無置換または置換のアルキル基、
または炭素数1〜5の無置換または置換のアシル基を示
す)、OCOR11(式中R11は炭素数1〜4の無置
換または置換のアルキル基を示す)、NR12R13
(式中R12、R13は同一かまたは独立して水素原
子、炭素数1〜4の無置換または置換のアルキル基、ま
たは炭素数1〜5の無置換または置換のアシル基を示
す)、5−テトラゾリル基、塩素原子、、フッ素原子、
または水素原子があげられる。ここで、R7、R8、R
9、R10、R11、R12及びR13のアルキル基、
及び置換基を有する場合の置換基についてはR1の場合
と同様である。さらにR10、R12及びR13におけ
るアシル基、またそれらが置換基を有する場合の置換基
についてはR4の場合と同様である。R12、R13に
おいて好ましい組み合わせは、R12が水素原子、R1
3がアセチル基の場合である。ハロゲン原子としては、
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子があげら
れ、好ましくはフッ素原子、塩素原子である。さらに好
ましいZとしては、カルボキシ基、COOR7’(式中
R7’は炭素数1〜4のアルキル基を示す)、またはC
H2OR10’(式中R10’は水素原子または炭素数
1〜5のアシル基を示す)があげられる。ここで、R
7’のアルキル基についてはR1の場合と同様である。
さらにR10’におけるアシル基についてはR4の場合
と同様である。特に好ましくはカルボキシ基、メトキシ
カルボニル基、ヒドロキシメチル基、またはアセチルオ
キシメチル基等があげられる。
【0039】本発明の具体的なケトン誘導体としては、 (1)3−{(2R)−2−アセチルアミノ−2−カル
ボキシエチルチオ}メチル−4−オキソ−1−n−ペン
タン酸 (2)3−{(2R)−2−アセチルアミノ−2−メト
キシカルボニルエチルチオ}メチル−4−オキソ−1−
n−ペンタン酸 (3)トランス−2−{(2R)−2−アセチルアミノ
−2−メトキシカルボニルエチルチオ}メチル−3−エ
トキシカルボニル−1−シクロブタノン (4)トランス−2−{(2R)−2−アセチルアミノ
−2−カルボキシエチルチオ}メチル−3−オキソ−1
−シクロブタンカルボン酸 (5)2−(2、3−ジヒドロキシ−n−プロピル)チ
オメチル−3−アセトキシメチル−1−シクロブタノン (6)2−{(2R)−2−アセチルアミノ−2−カル
ボキシエチルチオ}メチル−3−オキソ−1−シクロヘ
キサンカルボン酸 (7)3−〔(2R)−(2−アセチルアミノ−2−カ
ルボキシ)エチルチオ〕メチル−4−オキソ−4−フェ
ニル酪酸 (8)3−〔(2R)−(2−アセチルアミノ−2−メ
トキシカルボニル)エチルチオ〕メチル−4−オキソ−
4−フェニル酪酸 (9)3−〔(2R)−(2−アセチルアミノ−2−メ
トキシカルボニル)エチルチオ〕メチル−4−(4−メ
トキシフェニル)−4−オキソ酪酸 (10)3−{2−(アセチルアミノ)エチルチオ}メ
チル−4−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ酪酸 (11)3−{2−(アセチルアミノ)エチルチオ}メ
チル−4−オキソ−4−フェニル酪酸 (12)3−{2−(アセチルアミノ)エチルチオ}メ
チル−4−(4−メチルフェニル)−3−オキソ酪酸 (13)3−{(2R)−(2−アセチルアミノ−2−
メトキシカルボニル)エチルチオ}メチル−4−(4−
メチルフェニル)−3−オキソ酪酸 (14)3−〔(2R)−(2−アセチルアミノ−2−
カルボキシ)エチルチオ〕メチル−4−オキソ−4−
(4−トリフルオロメチルフェニル)酪酸 (15)3−〔(2R)−(2−アセチルアミノ−2−
カルボキシ)エチルチオ〕メチル−4−オキソ−4−
(2−トリフルオロメチルフェニル)酪酸 (16)3−〔(2R)−(2−アセチルアミノ−2−
カルボキシ)エチルチオ〕メチル−4−オキソ−4−
(3−トリフルオロメチルフェニル)酪酸 (17)3−〔(2R)−(2−アセチルアミノ−2−
カルボキシ)エチルチオ〕メチル−4−オキソ−4−
(3−ピリジル)酪酸 (18)3−〔(2R)−(2−アセチルアミノ−2−
カルボキシ)エチルチオ〕メチル−4−オキソ−4−
(2−ピリジル)酪酸 (19)3−〔(2R)−(2−アセチルアミノ−2−
カルボキシ)エチルチオ〕メチル−4−オキソ−4−
(4−ピリジル)酪酸 (20)3−〔(2R)−(2−アセチルアミノ−2−
カルボキシ)エチルチオ〕メチル−4−(1−ナフチ
ル)−4−オキソ酪酸 (21)3−〔(2R)−(2−アセチルアミノ−2−
カルボキシ)エチルチオ〕メチル−4−(2−ナフチ
ル)−4−オキソ酪酸 (22)3−〔(2R)−(2−アセチルアミノ−2−
カルボキシ)エチルチオ〕メチル−4−オキソ−4−
(1−ピペリジル)酪酸 (23)3−〔(2R)−(2−アセチルアミノ−2−
カルボキシ)エチルチオ〕メチル−4−(4−メチル−
1−ピペラジニル)−4−オキソ酪酸 (24)3−〔(2R)−(2−アセチルアミノ−2−
カルボキシ)エチルチオ〕メチル−4−オキソ−4−
(4−フェニル−1−ピペラジニル)酪酸 (25)3−〔(2R)−(2−アセチルアミノ−2−
カルボキシ)エチルチオ〕メチル−4−(2−フリル)
−4−オキソ酪酸 (26)3−〔(2R)−(2−アセチルアミノ−2−
カルボキシ)エチルチオ〕メチル−4−(3−フリル)
−4−オキソ酪酸 (27)3−〔(2R)−(2−アセチルアミノ−2−
カルボキシ)エチルチオ〕メチル−4−オキソ−4−
(2−チエニル)酪酸 (28)3−〔(2R)−(2−アセチルアミノ−2−
カルボキシ)エチルチオ〕メチル−4−オキソ−4−
(3−チエニル)酪酸 (29)3−〔(2R)−(2−アセチルアミノ−2−
カルボキシ)エチルチオ〕メチル−4−オキソ−4−
(2−ピロリル)酪酸 (30)3−〔(2R)−(2−アセチルアミノ−2−
カルボキシ)エチルチオ〕メチル−4−オキソ−4−
(3−ピロリル)酪酸 (31)3−〔(2R)−(2−アセチルアミノ−2−
カルボキシ)エチルチオ〕メチル−4−(2−イミダゾ
リル)−4−オキソ酪酸 (32)3−((2R)−(2−アセチルアミノ−2−
メトキシカルボニル)エチルチオ)メチル−4−オキソ
−4−(3−ピリジル)酪酸 (33)4−〔(2R)−{(2−アセチルアミノ−2
−カルボキシ)エチルチオ}〕メチル−5−オキソ−5
−フェニルペンタン酸 (34)3−((2R)−(2−アセチルアミノ−2−
メトキシカルボニル)エチルチオ)メチル−4−オキソ
−4−(4−ブロモフェニル)酪酸 等があげられる。
【0040】尚、本発明で用いられるケトン誘導体には
立体異性体が存在するが、本発明はこれらの異性体すべ
てを包含する。例えば、幾何異性体及びその混合物、ジ
アステレオマー異性体及びその混合物、光学活性体及び
ラセミ体はすべて本発明に含まれる。
【0041】本発明における薬理学的に許容し得る塩と
して、酸との塩としては例えば塩酸塩、硫酸塩、リン酸
塩、アルミニウム塩等のIIIA族塩等の無機塩、p−
トルエンスルホン酸塩等の有機塩があげられる。塩基と
の塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属
塩、カルシウム等のアルカリ土類金属塩、メチルアミ
ン、エチレンジアミン等の有機塩等があげられる。これ
らは常法により作成される。
【0042】本発明のケトン誘導体の代表的な製造方法
を以下に示す。なお、本発明のケトン誘導体の合成法は
以下の方法に限定されるものではない。また、ここで示
される本発明化合物及びその中間体は、抽出、再結晶、
あるいはクロマトグラフィー等の通常の単離方法によっ
て単離される。本発明の一般式[1]において、Xが
S、OまたはNHを示す化合物は、一般式[2]
【0043】
【化3】
【0044】(式中Uは脱離基を示し、A’、B’及び
Z’はA、B及びZと同じ意味を示すが、官能基がある
場合にはその官能基は必要に応じて保護されていてもよ
い)で示されるケトン誘導体(1位のカルボニル基は必
要に応じて保護されていてもよい)(以下単に反応性誘
導体という)に、下記一般式[3]
【化4】HX2−Y’ [3] (式中X2はS、OまたはNHを示し、Y’はYと同じ
意味を示すが、官能基のある場合はその官能基は必要に
応じて保護されてもよい)で表わされる化合物を反応さ
せ、必要に応じて保護基を除去することにより得ること
ができる。前記の反応性誘導体の好ましいものとしては
例えば下記一般式[4]、[5]、[6][7]、
[8]の化合物があげられる。
【0045】
【化5】
【0046】(式中、R16は炭素数1〜10の炭化水
素基を示し、例えばアルキル基、アルケニル基、アリ−
ル基などを示し、これらの基は置換または非置換いずれ
でもよい。置換基が官能基である場合には必要に応じて
保護基で保護されていてもよい。またR17、R18は
同一かまたは各々独立して炭素数1〜4のアルキル基、
またはR17とR18が共に結合し、ピペラジン環また
はピロリジン環を形成することを示す。またA’、B’
及びZ’は、前記と同じ意味を示す。さらに、R16と
Z’が共に結合しγ−ブチロラクトン環を形成してもよ
い。)
【0047】一般式[4]、[5]、[6]、[7]お
よび[8]で表される化合物としては、例えば、以下の
ような化合物があげられる。 (a)4−アセチル−γ−ブチロラクトン (b)3−メチリデン−4−オキソ−1−n−ペンタン
酸 (c)トランス−2、3−ビス(アセトキシメチル)−
1−シクロブタノン (d)3−アセトキシメチル−2−メチリデン−1−シ
クロブタノン (e)3−エトキシカルボニル−2−メタンスルホキシ
メチル−1−シクロブタノン (f)3−エトキシカルボニル−2−メチリデン−1−
シクロブタノン (g)2−〔(2、3−O−イソプロピロピリデン)プ
ロピルスルホニル〕メチル−3−オキソ−1−シクロヘ
キサンカルボン酸 (h)2−メチリデン−3−オキソ−1−シクロヘキサ
ンカルボン酸 (i)4−オキソ−4−フェニル−3−(1−ピペリジ
ル)メチル酪酸 (j)4−オキソ−4−(3−ピリジル)−3−(1−
ピペリジル)メチル酪酸 (k)4−(1−ピペリジル)メチル−5−オキソ−5
−フェニルペンタン酸 (l)3−(1−ピペリジル)メチル−4−オキソ−4
−(4−ブロモフェニル酪酸
【0048】一般式[3]において、XがSである場
合、一般式[3]で表される化合物としては、例えば以
下のような化合物があげられる。 (m)(2R)−2−アセチルアミノ−2−カルボキシ
エタンチオール (n)(2R)−2−アセチルアミノ−2−メトキシカ
ルボニルエタンチオール (o)2、3ージヒドロキシプロパン−1−チオール
(アルファーチオグリセリン)
【0049】この反応は一般式[2]の化合物と一般式
[3]の化合物とを縮合させることが出来ればいかなる
方法も使用できる。通常は有機溶媒中、水中またはその
混合溶媒中で行う。有機溶媒としては、ベンゼン、トル
エン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール等
のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテ
ル等のエーテル類、塩化メチレン、クロロホルム等のハ
ロゲン系炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等
のケトン類、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムア
ミド等の極性非プロトン性溶媒類等が使用されるが、好
ましくはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエ
ーテル類、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系
炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の
極性非プロトン性溶媒類、メタノール、エタノール等の
アルコール類、またはこれらの溶媒と水との混合溶媒が
用いられる。反応は一般に、酸、塩基の存在下、または
無触媒で進行するが、好ましくは塩基条件下で行う。ま
た無触媒の場合は、加熱により反応が進行する場合があ
る。反応剤としては、例えば水酸化カリウム、水酸化ナ
トリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム水素化ナトリ
ウム等の無機塩基、またはトリエチルアミン、1、8−
ジアザビシクロ[5、4、0]−ウンデカ−7−エン等
の有機塩基があげられる。これらの反応剤は0.1〜2
0倍モル程度使用し、好ましくは0.5〜5倍モル程度
を使用する。反応剤を用いる場合には反応温度は特に限
定せず、冷却、常温、加熱下のいずれでもよいが、好ま
しくは−20℃〜130℃がよい。また無触媒で加熱に
より縮合反応を行う場合は、30℃〜200℃が好まし
い。一般式[2]の化合物と一般式[3]の化合物は等
量反応させればよいが、実際の反応においては、一般式
[3]の化合物を過剰に(例えば1〜2倍モル)使用し
てもよい。反応は0.1〜200時間で行われ、好まし
くは0.1〜72時間である。
【0050】一般式[1]において、XがSO2を示す
化合物は、一般式[1]においてXがSを示す化合物を
酸化することにより製造することができる。酸化剤とし
ては、m−クロロ過安息香酸等の有機過酸、過マンガン
酸塩、クロム酸、四酸化ルテニウム等の無機系酸化剤、
過酸化水素、有機過酸化物等が用いられる。好ましくは
m−クロロ過安息香酸等の有機過酸である。
【0051】また一般式[1]において、XがSOを示
す化合物は、一般式[1]においてXがSを示す化合物
を酸化することにより製造することができる。酸化剤と
しては、m−クロロ過安息香酸等の有機過酸、二酸化マ
ンガン、クロム酸、四酸化ルテニウム等の無機系酸化
剤、過酸化水素、有機過酸化物、過ヨウ素酸等のハロゲ
ン系酸化剤等が用いられる。
【0052】たとえば、前記の化合物(a)、(b)は
以下のようにして得ることができる。
【0053】
【化6】
【0054】化合物(a)は公知化合物であり、例えば
Bull.Chem.Soc.Jpn.、32巻、12
82項(1959)に記載の方法により製造できる。化
合物(b)は公知化合物であり、例えば日本国特許出願
広告昭37−5911に記載の方法で製造できる。ま
た、化合物(a)を酸性または塩基性条件に供すること
により、化合物(b)を得ることができる。反応剤とし
ては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸ナトリウム水素化ナトリウム等の無機塩基、ト
リエチルアミン、1、8−ジアザビシクロ[5、4、
0]−ウンデカ−7−エン等の有機塩基、塩酸、硫酸等
の無機酸、またはp−トルエンスルホン酸等の有機酸が
あげられる。好ましくは1、8−ジアザビシクロ[5、
4、0]−ウンデカ−7−エン等の有機塩基、または硫
酸等の無機酸を用いることができる。
【0055】化合物(c)、(d)は以下のようにして
得ることができる。
【0056】
【化7】
【0057】化合物(c)類縁体は例えばTetrah
edron lett.、6453項(1989)に記
載されている公知化合物であり、化合物(c)も文献記
載の方法に従って容易に製造できる。化合物(c)を塩
基性条件に供することにより、化合物(d)を製造する
ことができる。反応剤としては、水酸化カリウム、水酸
化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム水素化ナ
トリウム等の無機塩基、トリエチルアミン、1、8−ジ
アザビシクロ[5、4、0]−ウンデカ−7−エン等の
有機塩基があげられる。好ましくはトリエチルアミン、
1、8−ジアザビシクロ[5、4、0]−ウンデカ−7
−エン等の有機塩基を用いればよい。
【0058】化合物(e)、(f)は以下のようにして
製造できる。
【0059】
【化8】
【0060】化合物(e−1)は公知化合物であり、例
えばJ.Org.Chem.、53巻、3841項(1
988)に記載の方法により製造できる。化合物(e−
1)から(e)及び(f)への変換は、J.Org.C
hem.、53巻、611項(1988)に記載の方法
に準じて容易に行うことができる。すなわち、化合物
(e−1)を塩基処理することによりアニオンを発生さ
せ、それをホルムアルデヒドで処理することにより化合
物(e−2)を得ることができる。塩基としては、LD
A、n−ブチルリチウム、KHMDS、水素化ナトリウ
ム等が用いられるが、好ましい塩基としてはLDAであ
る。ホルムアルデヒドは、重合体をクラッキングにより
単体として作用させることが好ましい。化合物(e−
2)を常法によりメシル化することにより、化合物
(e)が得られる。また、例えば反応剤としてメシルク
ロリドを、塩基としてトリエチルアミンを用い、塩化メ
チレン中氷冷化反応させた場合、化合物(e)を経由し
て化合物(f)を一挙に得ることができる。化合物
(g)、(h)は以下のようにして製造できる。
【0061】
【化9】
【0062】文献公知であり購入可能な化合物である化
合物(g−1)と化合物(g−2)を常法通りディール
スアルダー反応に供することにより、化合物(g−3)
を得ることができる。化合物(g−3)は水素化リチウ
ムアルミニウムによる還元及びシリル保護基の脱保護に
より化合物(g−4)に変換し、二酸化マンガンでアリ
ルアルコールを常法通り酸化して化合物(g−5)とし
た後、無水酢酸−ピリジンを反応剤とした水酸基のアセ
チル化、パラジウム−炭素による環内二重結合の還元に
より、化合物(g−6)を容易に製造することができ
る。化合物(g−6)から化合物(g−7)の反応は、
前記一般式[2]の化合物と一般式[3]の化合物との
縮合反応と同様の条件を用いることができ、一般式
[3]の化合物としてアルファーチオグリセリンを用い
ればよい。次に化合物(g−7)の1、2−ジオールを
保護するが、保護基としてはアセタール、ケタールまた
はオルソエステルを用いることができ、好ましくは酸触
媒とアセトンまたはその活性体を用いることによるイソ
プロピリデン化により化合物(g−8)を得ることがで
きる。続いて、常法通りアルカリ加水分解することによ
りアセチル基を除去して化合物(g−9)を得る。次に
化合物(g−9)のスルフィドをスルホンに酸化するこ
とにより化合物(gー10)を得る。この反応は、水酸
基が酸化されない条件において前記酸化反応と同様の条
件を用いることができるが、水酸基もカルボン酸まで酸
化された場合は化合物(g)が一挙に得られる。次いで
水酸基を酸化することにより化合物(g)を製造でき
る。酸化剤としては過マンガン酸塩、クロム酸等の無機
酸化剤が使用できるが、好ましくはクロム酸である。化
合物(h)は、化合物(g)を塩基条件下に、前記一般
式[2]の化合物と一般式[3]の化合物との縮合反応
と同様の条件を用いればよい。但し、一般式[3]の化
合物を加える必要はない。反応剤としては、例えば水酸
化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナ
トリウム等の無機塩基、またはトリエチルアミン、1、
8−ジアザビシクロ[5、4、0]−ウンデカ−7−エ
ン等の有機塩基があげられる。好ましい塩基としては、
トリエチルアミン等の有機塩基があげられる。
【0063】化合物(i)は公知化合物であり、例えば
J.Chem.Soc.(C)、2308項、(196
7)に記載の方法により製造できる。また、化合物
(j)は、該当するAのアルデヒド体にシアン化ナトリ
ウムまたは3−ベンジル−5−(2−ヒドロキシエチ
ル)−4−メチルチアゾリウムクロリド等を触媒として
アクリル酸誘導体を反応させ(Chem.Ber.、1
09巻、289頁、541項(1976))、次にマン
ニッヒ反応に供することにより得ることができる。マン
ニッヒ反応についてはすでに種々の総説にのべられてい
る(例えはTetrahedron、46巻、1791
項(1990)、Synthesis、1973、70
3項)。この反応において、2級アミンとしてはピペリ
ジンを用いる。化合物(k)は、公知化合物である5−
オキソ−5−フェニルペンタン酸をマンニッヒ反応に供
することにより得ることができる。化合物(l)は、文
献公知(Chem.Pharm.Bull.、36巻、
2050項(1988)の化合物である4−オキソ−4
−(4−ブロモフェニル)酪酸を、前述のマンニッヒ反
応に供することにより容易に製造できる。
【0064】化合物(m)は市販品(例えば東京化成
(株))として入手容易であり、化合物(n)は、化合
物(o)をメタノール中酸触媒存在下加熱することによ
り容易に製造できる。酸触媒としては塩酸、硫酸等の無
機酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸、またはフッ
化ホウ素エーテラート等のルイス酸等が用いられるが、
好ましくはp−トルエンスルホン酸等の有機酸である。
【0065】本発明のケトン誘導体またはその製薬上許
容し得る塩が神経分化促進剤として用いられる場合は、
単独または担体、賦形剤、稀釈剤、溶解補助剤等の製薬
上許容し得る添加剤と混合して注射剤、点滴剤、顆粒
剤、錠剤、細粒剤、散剤、カプセル剤、吸入剤、坐剤、
点眼剤、貼付剤、軟膏剤、スプレー剤等の製剤形態で用
いることができ、投与経路としては経口投与、または非
経口的投与(全身投与、局所投与等)が選択できる。
【0066】製剤中のケトン誘導体またはその製薬上許
容し得る塩の含量は、製剤により種々異なるが、通常
0.1〜100重量%であることが好ましい。投与量は
患者の年令、性別、体重、症状、治療目的等により決定
されるが、投与量は一般に0.001〜5000mg/
kg/日程度である。
【0067】
【実施例】次に、本発明のケトン誘導体またはその製薬
上許容し得る塩の神経分化促進作用及び製造法について
具体的に説明する。
【0068】試験例 化合物のPC12細胞に対する神経様突起伸長作用 グリーンらの方法(Ann.Rev.Neurosc
i.、3巻、353項(1980))に準じて行い、細
胞の形態変化の有無及び程度により効果を判定した。す
なわち、10%牛胎児血清と10%馬血清を添加したダ
ルベッコ変法イーグル培地にPC12細胞を約10万個
/mlになるように加え、コラーゲンコート96穴マル
チプレートで37度、5%CO2下に一晩培養した。こ
の状態において試験物質を添加し、1日後の形態変化を
顕微鏡で観察した。その結果、各試験物質のPC12細
胞に対する神経様突起伸長作用を引き起こす最小有効濃
度(MED、μg/ml)は以下の表1に示す通りであ
る。
【0069】
【表1】 表1. PC12細胞に対する神経様突起伸長を引き起こす最小有効濃度 化合物番号 MED(μg/ml) 1 25 2 13 3 0.8 4 13 5 50 6 50 7 13 8 6.3 9 50 10 100 11 13 12 13 13 13 32 3.1 33 6.3 34 3.1
【0070】実施例1 3−{(2R)−2−アセチルアミノ−2−カルボキシ
エチルチオ}メチル−4−オキソ−1−n−ペンタン酸
[化合物(1)]の製造 化合物(a)(256.3mg、2.00mmol)を
テトラヒドロフラン(3ml)に溶解し、1、8−ジア
ザビシクロ[5、4、0]−ウンデカ−7−エン(60
9mg、4.00mmol)を加え、室温で終夜反応を
行う。アンバーリスト−15(3g)を加え5分間攪拌
した後樹脂をろ別し、ろ液を減圧濃縮する。残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(40ml、ヘキサ
ン:酢酸エチル=3:2〜1:1)に供し、化合物
(b)を含むフラクションを分取する。このフラクショ
ンを減圧濃縮した後、残渣をテトラヒドロフラン(3m
l)に溶解し、N−アセチル−L−システイン(10
7.7mg、0.66mmol)及びトリエチルアミン
(265.1mg、2.62mmol)を加える。室温
で終夜攪拌した後、反応液を減圧濃縮する。残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(40ml、塩化メチ
レン:メタノール=10:1〜2:1)に供した後、目
的のフラクションを減圧濃縮し、テトラヒドロフラン
(3ml)及びメタノール(1ml)に溶解する。アン
バーリスト−15(2g)を加え3分間攪拌した後樹脂
をろ別し、ろ液を減圧濃縮する。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(40ml、塩化メチレン:メタ
ノール=10:1)に供し、化合物(1)(40.9m
g、収率7%)を得る。
【0071】1H−NMR(200MHz、DMSO−
d6)δ:1.86(3H、s)、2.18(3H、
s)、2.4〜2.6(2H、m)、2.7〜3.0
(4H、m)、3.05(1H、m)、4.38(1
H、ddd、J=8.1、8.1、5.1Hz)、8.
24(1H、d、J=8.1Hz) MS(FAB、POS)m/z:292[M+H]+
【0072】上記と同様の方法により、3−{(2R)
−2−アセチルアミノ−2−メトキシカルボニルエチル
チオ}メチル−4−オキソ−1−n−ペンタン酸[化合
物(2)]も製造できる。 1H−NMR(200MHz、DMSO−d6)δ:
1.86(3H、s)、2.17(3H、s)、2.4
〜2.7(2H、m)、2.7〜3.0(4H、m)、
3.04(1H、m)、3.65(3H、s)、4.4
6(1H、ddd、J=8.1、8.1、5.7H
z)、8.39(1H、d、J=8.1Hz) MS(FAB、POS)m/z:306[M+H]+
【0073】実施例2 トランス−2−{(2R)−2−アセチルアミノ−2−
メトキシカルボニルエチルチオ}メチル−3−エトキシ
カルボニル−1−シクロブタノン[化合物(3)]の製
造 その1 トランス−2−ヒドロキシメチル−3−エトキシカルボ
ニル−1−シクロブタノン[化合物(e−2)]の製造 n−ブチルリチウム(1.59M/ヘキサン溶液、2.
79mmol)のテトラヒドロフラン(8ml)溶液に
氷冷下ジイソプロピルアミン(0.296g、2.92
mmol)を加え、10分間攪拌する。−78℃に冷却
後、3−エトキシカルボニル−1−シクロブタノン[化
合物(e−1)](355.4mg、2.50mmo
l)のテトラヒドロフラン(3ml)溶液を滴下し、そ
のまま15分間攪拌する。一度0℃に昇温して15分間
攪拌後再び−78℃に冷却する。ヘキサメチルホスホラ
ミド(535.8mg、2.99mmol)を加え5分
間攪拌した後、160℃でクラッキングしたホルムアル
デヒドを−78℃のジエチルエーテルで捕捉した溶液
を、針を通じて流し込む。塩酸で反応を停止した後、不
溶物をろ別する。ろ液を減圧濃縮後、残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(50ml、ヘキサン:ジエ
チルエーテル=1:1〜1:2)に供し、化合物(e−
2)(50.7mg、収率12%)を得る。 1H−NMR(60Hz、CDCl3)δ:1.30
(3H、t、J=7Hz)、2.17(1H、br)、
3.23(2H、m)、3.6〜4.0(4H、m)、
4.20(2H、q、J=7Hz)
【0074】その2 2−メチリデン−3−エトキシカルボニル−1−シクロ
ブタノン[化合物(f)]の製造 化合物(e−2)を塩化メチレン(2ml)に溶解し、
氷冷下トリエチルアミン(60.1mg、0.59mm
ol)及びメシルクロリド(36.7mg、0.32m
mol)を加え、そのまま30分間攪拌する。水とジエ
チルエーテルを加えた後分液し、有機層を得る。水及び
飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減
圧濃縮することにより化合物(f)(40.3mg、収
率96%)を得る。 1H−NMR(60Hz、CDCl3)δ:1.33
(3H、t、J=7Hz)、3.30(1H、dd、J
=15Hz、8Hz)、3.40(1H、dd、J=1
5、6Hz)、4.00(1H、m)、4.40(2
H、q、J=7Hz)、5.50(1H、m)、6.0
3(1H、m)
【0075】その3 トランス−2−{(2R)−2−アセチルアミノ−2−
メトキシカルボニルエチルチオ}メチル−3−エトキシ
カルボニル−1−シクロブタノン[化合物(3)]の製
造 化合物(f)(40.3mg、0.26mmol)を塩
化メチレン(2ml)に溶解し、氷冷下N−アセチル−
L−システイン(46.1mg、0.26mmol)及
びトリエチルアミン(10.9mg、0.11mmo
l)を加え、そのまま1時間攪拌する。反応液を濃縮
し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20
ml、塩化メチレン:メタノール=40:1)及びSe
phadexLH−20(10ml、メタノール溶出)
で精製し、化合物(3)(27.4mg、收率36.4
%)を得る。 1H−NMR(200MHz、CDCl3)δ:1.3
1(3H、t、J=7.4Hz)、2.07(3H、
s)、2.80(2H、m)、3.0〜3.5(5H、
m)、3.78(3H、s)、3.84(1H、m)、
4.24(2H、dd、J=7.0、1.7Hz)、
4.83(1H、dt、J=7.6、4.9Hz)、
6.46(1H、brs、J=6.3Hz) MS(FAB、POS)m/z:332[M+H]+
【0076】実施例3 トランス−2−{(2R)−2−アセチルアミノ−2−
カルボキシエチルチオ}メチル−3−オキソ−1−シク
ロブタンカルボン酸[化合物(4)]の製造 化合物(3)(17.4mg、0.05mmol)に3
規定塩酸水溶液(4ml)を加え、室温で終夜攪拌す
る。反応液を減圧濃縮後、残渣をSephadexLH
−20(100ml及び200ml、メタノール溶出)
で2回、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(2m
l、塩化メチレン:メタノール=20:1〜2:1)で
2回精製し、化合物(4)(6.0mg、収率40%)
を得る。 1H−NMR(200MHz、CD3OD)δ:2.0
1(3H、s)、2.80〜4.0(8H、m)、4.
60(1H、m) MS(FAB、POS)m/z:290[M+H]+
【0077】実施例4 トランス−3−アセトキシメチル−2〔(2RS)−
2、3−ジヒドロキシプロピルチオ)メチル〕−1−シ
クロブタノン[化合物(5)]の製造法 その1 3−アセトキシメチル−2−メチリデン−1−シクロブ
タノン[化合物(d)]の製造 化合物(c)(30mg、0.14mmol)にテトラ
ヒドロフラン(1ml)、1、5−ジアザビシクロ
[5.4.0]ウンデカ−7−エン(25.5mg、
0.168mmol)を加え室温下、1時間攪拌する。
反応液をそのままシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(10ml、ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し
化合物(d)(23mg、收率95.5%)を得る。 1H−NMR(60MHz、CDCl3)δ:2.00
(3H、s)、2.65〜3.30(3H、m)、4.
33(2H、m)、5.30(1H、d、J=4.1H
z)、5.80(1H、d、J=4.1Hz)
【0078】その2 トランス−3−アセトキシメチル−2〔(2RS)−
2、3−ジヒドロキシプロピルチオ)メチル〕−1−シ
クロブタノン[化合物(5)]の製造法 化合物(d)(23mg、0.133mmol)をアセ
トン(1ml)に溶かし、これにアルファーチオグリセ
リン(11ul、0.133mmol)のメタノール
(1ml)溶液を加え、室温下1時間攪拌する。反応液
を濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−
(20ml、ジクロロメタン:メタノール=20:1)
で精製し、化合物(5)[19mg、收率51.3%]
を得る。1H−NMR(200MHz、CDCl3)
δ:2.07、2.10(3H、sx2)、2.45〜
3.45(8H、m)、3.50〜3.90(3H、
m)、4.33(2H、m)
【0079】実施例5 2−[(2R)−2−アセチルアミノ−2−カルボキシ
エチルチオ]メチル−3−オキソ−1−シクロヘキサン
カルボン酸[化合物(6)]の製造 その1 4、5−ジメトキシカルボニル−3−トリメチルシロキ
シ−1−シクロヘキセン〔化合物(g−3)〕の製造法 化合物(g−1)(589mg、4.09mmol)及
び化合物(g−2)(588mg、4.09mmol)
をベンゼンに溶解し、150℃で5時間反応を行う。反
応液を濃縮後、シリカゲルカラルムクロマトグラフィー
(80ml、ヘキサン:酢酸エチル=5:1〜3:1)
に供し、化合物(g−3)(875mg、74.6%)
を得る。 1H−NMR(200MHz、CDCl3)δ:0.0
5〜0.12(9H、m)、1.95〜2.20(1
H、m)、2.70〜2.94(1H、m)、2.95
〜3.19(1H、m)、3.68(3H、m)、3.
70(3H、s)、4.50(1H、m)、5.50〜
5.90(2H、m)
【0080】その2 4、5−ビス(ヒドロキシメチル)−3−ヒドロキシ−
1−シクロヘキセン〔化合物(g−4)〕の製造法 水素化リチウムヒドリドを無水テトラヒドロフラン(2
5ml)に懸濁し、氷冷化化合物(g−3)(875m
g、3.05mmol)の無水テトラヒドロフラン(4
ml)溶液を滴下する。2時間反応後水(0.196m
l)、15%水酸化ナトリウム水溶液(0.196m
l)、さらに水(0.59ml)を加え攪拌する。懸濁
液を濾別後濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(20ml、塩化メチレン:メタノール
=20:1)に供し、化合物(g−4)(340mg、
70.5%)を得る。
【0081】その3 5、6−ビス(ヒドロキシメチル)−2−シクロヘキセ
ン−1−オン〔化合物(g−5)〕の製造法 化合物(g−4)(320mg、2.02mmol)を
アセトン(20ml)に溶解し、二酸化マンガン(14
00mg)を徐々に加える。反応後沈澱を濾別し、濾液
を濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(40ml、塩化メチレン:メタノール=10:1)に
供し、化合物(g−5)(205mg、61.1%)を
得る。 1H−NMR(200MHz、CDCl3)δ:2.3
0〜2.60(4H、m)、3.65(2H、m)、
3.76(1H、dd、J=3.67Hz、11.08
Hz)、4.10(1H、dd、J=3.67Hz、1
1.08Hz)、5.98(1H、dt、J=2.12
Hz、12.13Hz)、7.08(1H、m)
【0082】その4 2、3−ビス(アセトキンメチル)−1−シクロヘキサ
ノン〔化合物(g−6)〕の製造法 化合物(g−5)(205mg、1.31mmol)に
ピリジン(10ml)及び無水酢酸(3ml)を加え、
室温で2時間反応を行う、反応液を濃縮後、残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(20ml、ヘキサ
ン:酢酸エチル=1:1)に供する。フラクションを濃
縮後、エタノール(20ml)に溶解し、パラジウム−
炭素(50%含水)(50mg)を加え、水素雰囲気下
で室温で終夜反応を行う。触媒を濾別後濾液を濃縮す
る。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(30
ml、塩化メチレン:メタノール=20:1)に供し、
化合物(g−6)(175mg、73.0%)を得る。 1H−NMR(200MHz、CDCl3)δ:1.7
0(2H、m)、1.89〜2.20(3H、m)、
2.02(3H、s)2.08(3H、s)4.13
(2H、m)4.38(2H、m)
【0083】その5 3−アセトキシメチル−2−[2、3−(ジヒドロキ
シ)プロピルチオ]メチル−1−シクロヘキサノン[化
合物(g−7)]の製造法 2、3−ビス(アセトキシメチル)−1−シクロヘキサ
ノン[化合物(g−6)](200mg、0.826m
mol)をアセトン(3ml)に溶かし、これにアルフ
ァーチオグリセリン(89.2mg、0.826mmo
l)のメタノール(1ml)溶液と1規定水酸化ナトリ
ウム(0.826ml)を加え、室温で1時間攪拌す
る。反応液にシリカゲル(1g)を加えて濃縮する。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(30ml、
ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製し、化
合物(g−7)(175mg、收率73.0%)を得
る。 MS(FAB、POS)m/z:291(M+H)+
【0084】その6 3−アセトキシメチル−2−〔(2、3−O−イソプロ
ピリデン)プロピルチオ〕メチル−1−シクロヘキサノ
ン[化合物(g−8)]の製造法 化合物(g−7)(170mg、0.586mmol)
を無水アセトン(1.5ml)に溶かし、これにp−ト
ルエンスルホン酸・1水和物(11mg、0.06mm
ol)、ジメトキシプロパン(0.34ml、1.76
mmol)を加え、室温で30分攪拌する。反応液に水
(2ml)を加え、飽和炭酸水素ナトリウムでpHを
7.0に調整した後、酢酸エチル(5ml)で3回抽出
する。有機層を飽和食塩水(5ml)で洗浄後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥、次いで濃縮し、化合物(g−8)
(191mg、收率98.7%)を得る。 1H−NMR(200MHz、CDCl3)δ:1.3
0(3H、s)、1.39(3H、s)、1.52〜
2.15(5H、m)、2.03(3H、s)、2.2
0〜3.05(7H、m)、3.67(1H、m)、
3.82〜4.29(4H、m)
【0085】その7 3−ヒドロキシメチル−2−[(2、3−O−イソプロ
ピリデン)プロピルチオ〕メチル−1−シクロヘキサノ
ン[化合物(g−9)]の製造法 化合物(g−8)(191mg、0.578mmol)
をメタノール(2ml)に溶かし、氷冷下水(0.2m
l)及び1規定水酸化ナトリウム(0.57ml)を加
え、そのまま15分間攪拌する。反応液に1規定塩酸を
加えpHを6.8に調整後、シリカゲル(500mg)
を加え濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(20ml、ジクロロメタン:メタノール=3
0:1)で精製し、化合物(g−9)(155mg、收
率93.1%)を得る。 MS(FAB、POS)m/z:289(M+H)+
【0086】その8 3−ヒドロキシメチル−2−[(2RS)−(2、3−
O−イソプロピリデン)プロピルスルホニル]メチル−
1−シクロヘキサノン[化合物(g−10)]の製造法 化合物(g−9)(155mg、0.538mmol)
をジクロロメタン(2ml)に溶かし、氷冷下m−クロ
ロ過安息香酸(232mg、80%純度、1.07mm
ol)のジクロロメタン溶液(5ml)を加え、そのま
ま1時間攪拌する。反応液を濾別後、濾液に水(4m
l)及び20%亜硫酸水素ナトリウム(0.17ml)
を加え、水層がpH7.0になるよう飽和炭酸水素ナト
リウムで調整する。水層をジクロロメタン(10ml)
で2回抽出後、ジクロロメタン層を飽和食塩水(15m
l)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮する。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(18m
l、ヘキサン:酢酸エチル=1:3)で精製し、化合物
(g−10)(151mg、收率87.7%)を得る。
MS(FAB、POS)m/z:321(M+H)+
【0087】その9 2−[(2、3−O−イソプロピロピリデン)プロピル
スルホニル]メチル−3−オキソ−1−シクロヘキサン
カルボン酸[化合物(g)]の製造法 化合物(g−10)(151mg、0.47mmol)
をアセトン(9ml)に溶かし、Jones試薬を反応
液がオレンジ色になるまで加え、室温下10分攪拌す
る。2−プロパノールを反応液が緑色になるまで加えた
後、濃縮する。濃縮液に水(5ml)を加え溶解し、ジ
クロロメタン(5ml)で3回抽出する。ジクロロメタ
ン層を飽和食塩水(10ml)で洗浄後、無水硫酸ナト
リウムで乾燥後濃縮し、化合物(g)(88.6mg、
收率56.4%)を得る。 MS(ESI、NEG)m/z333(M−H)−
【0088】その10 2−[(2R)−2−アセチルアミノ−2−カルボキシ
エチルチオ]メチル−3−オキソ−1−シクロヘキサン
カルボン酸[化合物(6)]の製造法 化合物(g)(88.6mg、0.265mmol)を
アセトン(3ml)に溶かし、この溶液にN−アセチル
−L−システイン(43.2mg、0.265mmo
l)、1規定水酸化ナトリウム(0.78ml、0.7
95mmol)及びメタノール(1ml)を加え、室温
下2時間攪拌する。反応液に1規定塩酸を加えpH6.
8に調整後濃縮し、残渣をSephadexLH−20
(200ml、80%含水メタノール)で精製すること
により、化合物(6)のナトリウム塩(57.7mg、
收率60.3%)を得る。 1H−NMR(200MHz、D2O)δ:1.52〜
2.18(4H、m)2.00(3H、s)、2.27
〜3.22(8H、m)、4.28(1H、dd、J=
4.03Hz、8.34Hz) MS(ESI、NEG)m/z:361(M−Na)−
【0089】実施例6 3−〔(2R)−(2−アセチルアミノ−2−カルボキ
シ)エチルチオ〕メチル−4−オキソ−4−フェニル酪
酸〔化合物(7)〕の製造 4−オキソ−3−(1−ピペリジル)メチル−4−フェ
ニル酪酸(66mg、0.24mmol)にN−アセチ
ル−L−システイン(39mg、0、24mmol)お
よびエタノ ル(4ml)を順次加え、2時間加熱還流
する。反応液を減圧濃縮した後、残渣に水(5ml)、
酢酸エチル(8ml)を加え、1規定塩酸で水層をpH
2.0に調整し分液する。水層をさらに酢酸エチル(8
ml)で2回抽出し、集めた酢酸エチル層を飽和食塩水
(5ml)で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃
縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(20ml、クロロホルム:メタノール=20:1)で
精製し、化合物(7)(45mg、収率53.1%)を
得る。 1H−NMR(60MHz、CD3OD)δ:2.19
(1.5H、s)、2.20(1.5H、s)、2.5
0−3.30(6H、m)、4.16(1H、m)、
4.58(1H、m)、7.55(3H、m)、8.0
0(2H、m) MS(FAB、POS)m/z:354(M+H)+
【0090】実施例7 3−〔(2R)−(2−アセチルアミノ−2−メトキシ
カルボニル)エチルチオ〕メチル−4−オキソ−4−フ
ェニル酪酸〔化合物(8)〕の製造 4−オキソ−3−(1−ピペリジル)メチル−4−フェ
ニル酪酸(103mg、0.37mmol)にN−アセ
チル−L−システイン メチルエステル(66.3m
g、0.37mmol)及びエタノール(4ml)を順
次加え、1時間加熱還流する。実施例6と同様に精製
し、化合物(8)(116mg、収率84.5%)を得
る。 1H−NMR(60MHz、CDCL3)δ:2.01
(1.5H、s)、2.03(1.5H、s)、2.4
8−3.16(6H、m)、3.70(1.5H、
s)、3.73(1H、s)、4.17(1H、m)、
4.85(1H、m)、6.70(1H、m)、7.5
2(3H、m)、7.90(2H、m) MS(FAB、POS)m/z:368(M+H)+
【0091】実施例8 3−〔(2R)−(2−アセチルアミノ−2−メトキシ
カルボニル)エチルチオ〕メチル−4−(4−メトキシ
フェニル)−4−オキソ酪酸〔化合物(9)〕の製造 4−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−3−(1
−ピペリジル)メチル酪酸(109mg、0.37mm
ol)にN−アセチル−L−システイン メチルエステ
ル(66.3mg、0.37mmol)及びエタノール
(3ml)を加え、2時間加熱還流する。実施例6と同
様に精製し、化合物(9)(110mg、収率73.4
%)を得る。 1H−NMR(200MHz、CDCl3)δ:1.9
8(1.5H、s)、2.05(1.5H、s)、2.
68(2H、m)、2.90(4H、m)、3.69
(1.5H、s)、3.72(1.5H、s)、3.8
9(3H、s)、4.02(1H、m)、4.80(1
H、m)、6.48−6.72(1H、m)、6.98
(2H、d、J=8.92Hz)、7.40(1H、b
rs)、7.98(2H、dd、J=3.3Hz、8.
92Hz) MS(FAB、POS)m/z:398(M+H)+
【0092】実施例9 3−{2−(アセチルアミノ)エチルチオ}メチル−4
−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ酪酸〔化合物
(10)〕の製造 4−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−3−(1
−ピペリジル)メチル酪酸(109mg、0.37mm
ol)にN−アセチルシステアミン(45mg、0.3
7mmol)及びエタノール(3ml)を加え、2時間
加熱還流する。実施例6と同様に精製し、化合物(1
0)(93mg、収率72%)を得る。 1H−NMR(200MHz、CDCl3)δ:1.9
8(3H、s)、2.58−2.76(4H、m)、
2.90(2H、m)、3.39(2H、m)、3.8
9(3H、m)、4.07(1H、m)、6.12(1
H、t、J=4.68Hz)、6.60(1H、br
s)、6.95(2H、d、J=8.9Hz)、7.9
8(2H、d、J=8.9Hz) MS(FAB、POS)m/z:340(M+H)+
【0093】実施例10 3−{2−(アセチルアミノ)エチルチオ}メチル−4
−オキソ−4−フェニル酪酸〔化合物(11)〕の製造 4−オキソ−4−フェニル−3−(1−ピペリジル)メ
チル酪酸(103mg、0.37mmol)にN−アセ
チルシステアミン(45mg、0.37mmol)及び
エタノール(3ml)を加え、2時間加熱還流する。実
施例6と同様に精製し、化合物(11)(83mg、収
率71.7%)を得る。 1H−NMR(200MHz、CDCl3)δ:1.9
7(3H、s)、2.58−2.78(4H、m)、
2.90(2H、m)、3.48(2H、m)、4.1
1(1H、m)、6.25(1H、t、J=5.21H
z)、7.50(3H、m)、7.98(2H、m)、
8.05(1H、brs) MS(FAB、POS)m/z:310(M+H)+
【0094】実施例11 3−{2−(アセチルアミノ)エチルチオ}メチル−4
−(4−メチルフェニル)−4−オキソ酪酸〔化合物
(12)〕の製造 4−(4−メチルフェニル)−4−オキソ−3−(1−
ピペリジル)メチル酪酸(131mg、0.47mmo
l)にN−アセチルシステアミン(57mg、0.47
mmol)及びエタノール(3ml)を加え、加熱還流
する。実施例6と同様に精製し、化合物(12)(11
4mg、収率73.6%)を得る。 1H−NMR(60MHz、CDCl3)δ:2.30
(3H、s)、2.70(3H、s)、2.76−3.
30(4H、m)、3.30−4.15(4H、m)、
4.33(1H、m)、6.70(1H、t、J=6.
0HZ)、7.50(2H、d、J=9.2Hz)、
7.80(1H、brs)、8.16(2H、d、J=
9.2Hz) MS(FAB、POS)m/z:382(M+H)+
【0095】実施例12 3−{(2R)−(2−アセチルアミノ−2−メトキシ
カルボニル)エチルチオ}メチル−4−(4−メチルフ
ェニル)−4−オキソ酪酸〔化合物(13)〕の製造 4−(4−メチルフェニル)−4−オキソ−3−(1−
ピペリジル)メチル酪酸(142mg、0.52mmo
l)にN−アセチル−L−システインメチルエステル
(92mg、0.52mmol)及びエタノール(3m
l)を加え、2時間加熱攪拌する。実施例6と同様に精
製し、化合物(13)(126mg、収率63.5%)
を得る。 1H−NMR(60MHZ、CDCl3)δ:2.30
(1.5H、s)、2.38(1.5H、s)、2.8
0(3H、s)、2.98−3.60(6H、m)、
4.01(1.5H、s)、4.10(1.5H、
s)、4.40(1H、m)、5.14(1H、m)、
7.02(1H、m)、7.41(1H、brs)、
7.52(2H、d、J=8.5Hz)、8.17(2
H、d、J=8.5Hz) MS(FAB、POS)m/z:324(M+H)+
【0096】実施例13 3−((2R)−(2−アセチルアミノ−2−メトキシ
カルボニル)エチルチオ)メチル−4−オキソ−4−
(3−ピリジル)酪酸(化合物(32)〕の製造 その1 4−オキソ−4−(3−ピリジル)酪酸 メチルエステ
ル〔(化合物32−A)〕の製造 窒素雰囲気下、シアン化ナトリウム(2.44g、50
mmol)の無水ジメチルフォルムアミド(80ml)
溶液に、3−ピリジンカルボキシアルデヒド(10.7
g、100mmol)の無水ジメチルフォルムアミド
(20ml)の溶液を30度にて30分間かけて滴下す
る。30分間攪拌後、反応液にアクリル酸メチル(8.
6g、100mmol)の無水ジメチルフォルムアミド
(80ml)溶液を1時間かけて滴下し、30度で3時
間攪拌する。反応液に酢酸(0.66ml)および水
(30ml)を加え、10分間攪拌を行った後、減圧濃
縮する。残渣に水(360ml)とクロロホルム(30
0mlx3)を加え、分液を行って有機層を得る。有機
層を飽和食塩水(300ml)で洗浄し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥後減圧濃縮する。残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(650ml、ヘキサン;酢酸エチ
ル=1:1−1:2)で精製し、化合物(32−A)
(7.87g、収率40.7%)を得る。 その2 4−オキソ−4−(3−ピリジン)酪酸〔化合物(32
−B)の製造 化合物(32−A)(5.04g、26.11mmo
l)をメタノール(60ml)に溶解し、1規定水酸化
ナトリウム水溶液(32ml)を加え、室温下で3時間
攪拌を行う。2規定塩酸(16ml)を加え減圧濃縮
後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(25
0ml、クロロホルム:メタノール:酢酸=20:1:
0.5)で精製し、化合物(32−B)(3.13g、
収率66.9%)を得る。 1H−NMR(200MHz、CD3OD)δ:2.7
2(3H、t、J=6.5Hz)、3.33(3H、
t、J=6.5Hz)、7.59(1H、m)、8.4
2(1H、m)、8.73(1H、m)、9.14(1
H、m) MS(FAB,POS)m/z:180(M+H)+ その3 4−オキソ−4−(3−ピリジル)−3−(1−ピペリ
ジル)メチル酪酸(化合物32−C)〕の製造 化合物(32−B)(246mg、1.37mmol)
にピペリジン(140mg、1.64mmol)及び3
7%ホルマリン(0.133ml、1.64mmol)
を加え、100℃で2時間攪拌する。反応液にシリカゲ
ル(1.8g)を加え濃縮後、残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(30ml、クロロホルム:メタノ
ール:酢酸=10:1:0.5〜10:5:3)で精製
し、化合物(32−C)(300mg、収率79%)を
得る。 1H−NMR(200MHz、CDCl3)δ:1.4
5〜1.80(6H、m)、2.30〜3.15(8
H、m)、4.28(1H、m)、7.46(1H、d
d、J=4.7Hz、8.0Hz)、8.00(1H、
brs)、8.37(1H、dt、J=2.0Hz、
8.0Hz)、8.78(1H、dd、J=1.6H
z、J=4.8Hz)、9.28(1H、d、J=1.
6Hz) その4 3−((2R)−(2−アセチルアミノ−2−メトキシ
カルボニル)エチルチオ)メチル−4−オキソ−4−
(3−ピリジル)酪酸〔化合物(32)〕の製造 化合物(32−C)(150mg、0.54mmol)
のエタノール(3ml)溶液にN−アセチル−L−シス
テイン メチルエステル(96.2mg、0.54mm
ol)を加え、2時間加熱還流する。反応液を濃縮後、
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(30m
l、クロロフォルム:メタノール:酢酸=20:1:
0.5)で精製し、化合物32(89mg、収率44.
7%)を得る。 1H−NMR(200MHz、CDCl3)δ:1.9
8(1.5H、s)、2.01(1.5H、s)、2.
70(2H、m)、2.93(4H、m)、3.68
(1.5H、s)、3.71(1.5H、s)、4.0
6(1H、m)、4.79(1H、m)、6.80(1
H、m)、7.20(1H、m、NH)、7.49(1
H、m)、8.35(1H,m)、8.75(1H、
d、J=3.9Hz)、9.24(1H、s)、104
8(1H、brs) MS(FAB、pos)m/z:369(M+H)+
【0097】実施例14 4−〔(2R)−{(2−アセチルアミノ−2−カルボ
キシ)エチルチオ}〕メチル−5−オキソ−5−フェニ
ルペンタン酸〔化合物(33)〕製造 その1 4−(1−ピペラジニル)メチル−5−オキソ−5−フ
ェニルペンタン酸〔化合物(33−A)〕の製造 4−ベンゾイル酪酸(1000.9mg、5.21mm
ol)をホルマリン水溶液(507mg、6.25mm
ol)とピペリジン(532mg、6.25mmol)
に懸濁し、100度で3時間30分反応を行う。ピペリ
ジン(517mg、6.07mmol)を加え、さらに
3時間100度に加熱する。室温まで空冷後、減圧濃縮
する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1
00ml、ジクロロメタン:メタノール=10:1〜
5:1)で精製し、化合物(33−A)(1500.8
mg、収率99%)を得る。 1H−NMR(200MHz、CDCl3)δ:1.2
〜1.8(8H、m)、2.10(1H、m)、2.4
2(1H、m)、2.5〜3.0(4H、m)、3.1
6(1H、dd、J=2.0Hz、12.7Hz)、
2.42(1H、m)、2.5〜3.0(4H、m)、
3.16(1H、dd、J=2.0Hz、12.7H
z)、3.38(1H、dd、J=8.1Hz、12.
5Hz)、4.37(1H、m)、7.2〜7.4(2
H、m)、7.46(1H、t、J=7.4Hz)、
8.41(2H、d、J=7.2Hz)、9.30(1
H、br) MS(FAB、POS)m/z:290(M+H)+ その2 4−〔(2R)−{(2−アセチルアミノ−2−カルボ
キシ)エチルチオ}〕メチル−5−オキソ−5−フェニ
ルペンタン酸〔化合物(33)〕の製造 化合物(33−A)(576.0mg、1.99mmo
l)及び(R)−N−アセチルシステイン(324.7
mg、1.99mmol)をエタノール(5ml)に溶
解し、4時間加熱還流を行う。空冷後減圧収縮し、残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(100ml、
クロロホルム:メターノル=10:1〜3:1)で精製
し、化合物(33)(417.4mg、収率57%)を
得る。 1H−NMR(200MHz、DMSO−d6)δ:
1.7〜2.0(2H、m)、1.83(3H、d、J
=2Hz)、2.20(2H、t、J=7.3Hz)、
2.6〜3.0(4H、m)、3.86(1H、m)、
4.33(1H、dt、J=4.8Hz、7.4H
z)、7.5〜7.7(3H、m)、8.00(2H、
dd、J=7.0Hz,2.2Hz),8.09(1
H、d、J=7.3Hz). MS(FAB、NEG)m/z:366(M−H)+
【0098】実施例15 3−((2R)−(2−アセチルアミノ−2−メトキシ
カルボニル)エチルチオ)メチル−4−オキソ−4−
(4−ブロモフェニル)酪酸〔化合物(34)〕の製造 その1 4−オキソ−4−(4−ブロモフェニル)−3−(1−
ピペリジル)メチル酪酸〔(化合物34−A)〕の製造 4−オキソ−4−(4−ブロモフェニル〕酪酸(136
0mg、5.29mmol)にピペリジン(450m
g、5.29mmol)及び37%ホルマリン(10.
43ml、5.29mmol)を加え、溶解するまで加
熱した後、室温にて60時間攪拌する。反応液にシリカ
ゲル(7g)を加え濃縮後、残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(220ml、クロロホルム:メタノ
ール=10:1〜2:1)で精製し、化合物(34−
A)(642mg、収率34%)を得る。 1H−NMR(200MHz、CDCl3)δ:1.5
5〜1.65(2H、m)、1.66〜1.98(4
H、m)、2.35(1H、m)、2.70(1H、
m)、2.89(4H、m)、3.25(2H、d、J
=5.8Hz)、4.30(1H、m)、7.68(2
H、d、J=8.6Hz)、7.98(2H、d、J=
8.6Hz)、8.15(1H、drs) MS(FAB、NEG)m/z:354(M−H)− その2 3−((2R−(2−アセチルアミノ−2−メトキシカ
ルボニル)エチルチオ)メチル−4−オキソ−4−(4
−ブロモフェニル)酪酸〔化合物(34)〕の製造 化合物(34−A)(126mg、0.355mmo
l)のエタノール(4ml)溶液にN−アセチル−L−
システイン メチルエステル(63mg、0.355m
mol)を加え、1時間加熱還流する。反応液を濃縮
後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(25
ml、クロロホルム:メタノール=10:1〜3:1)
で精製し、化合物(34)(129mg、収率81.1
%)を得る。 1H−NMR(200MHz、CDCl3)δ:1.9
8(1.5H、s)、2.05(1.5H、s)、2.
68(2H、m)、2.90(4H、m)、3.69
(1.5H、s)、3.72(1.5H、s)、4.0
0(1H、m)、4.80(1H、m)、6.48(1
H、m)、7.08(1H、brs)、7.63(2
H、d、J=8.6Hz)、7.86(2H、m) MS(FAB、NEG)m/z:445、447(M−
・)
【0099】
【発明の効果】本発明により、ケトン誘導体またはその
製薬上許容し得る塩が、強力な神経分化促進作用を有す
ることが見いだされた。よって、本発明記載のケトン誘
導体またはその製薬上許容し得る塩を有効成分として含
有する薬剤組成物は神経細胞分化促進剤として有用であ
り、医薬、例えば中枢神経障害治療剤または末梢神経障
害治療剤への用途が示された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/38 A61K 31/38 31/415 31/415 31/44 31/44 31/445 31/445 31/495 31/495 C07C 323/41 C07C 323/41 323/59 323/59 C07D 213/50 C07D 213/50 233/64 106 233/64 106 295/10 295/10 Z A 307/54 307/54 333/22 333/22 521/00 521/00 // C07C 49/175 C07C 49/175 49/255 49/255 A 225/02 225/02 C07M 7:00

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[1] 【化1】 [式中、Aは無置換または置換の炭素数1〜4の脂肪族
    炭化水素基、または無置換または置換の芳香族炭化水
    素、複素芳香環、または複素飽和環を示し、Bは水素原
    子、または無置換または置換の炭素数1〜4の脂肪族炭
    化水素基を示し、またはAとBが共に結合し無置換また
    は置換の炭素数3〜7のシクロアルカン−1−オン環
    (但し炭素数5の場合を除く)を形成することを示し、
    XはO、S、SO、SO2またはNHを示し、Yは置換
    または無置換の炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基、また
    は置換または非置換の炭素数3〜6の芳香族炭化水素基
    または複素芳香単環を示し、Zはカルボキシ基またはカ
    ルボキシ基から誘導される基、無置換または置換の炭素
    数1〜4のアルキル基またはアルケニル基、水酸基また
    は水酸基から誘導される基、アミノ基またはアミノ基か
    ら誘導される基、スルホン酸又はスルホン酸から誘導さ
    れる基、リン酸又はリン酸から誘導される基、複素芳香
    単環、ハロゲン原子、または水素原子を示す。但し、
    A、Bが共に結合してシクロブタン環を形成する場合、
    (1)XがO、Yがメチル基、n−オクチル基、または
    n−ヘキサデシル基、Zがメトキシカルボニル基、
    (2)XがO、Yがベンジル基、Zがベンジルオキシメ
    チル基、(3)XがO、Yがp−メトキシベンジル基、
    Zがp−メトキシベンジルオキシメチル基、(4)Xが
    O、Yがトリチル基、Zがトリチルオキシメチル基であ
    る場合、またAが無置換のベンゼン環、Bが水素原子の
    場合、XがS、Yがメチル基、エチル基、またはイソプ
    ロピル基、Zがカルボキシ基である場合は除く]で表わ
    されるケトン誘導体またはその薬理学的に許容し得る
    塩。
  2. 【請求項2】請求項1記載の一般式[1]において、A
    が無置換または置換の炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基
    を示し、Bが水素原子、無置換または置換の炭素数1〜
    4の脂肪族炭化水素基を示し、XがS、OまたはSOを
    示し、Yが炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基(カルボキ
    シ基またはカルボキシ基から誘導される基、アミノ基ま
    たはアミノ基から誘導される基、または水酸基または水
    酸基から誘導される基で1個以上の水素原子が置換され
    ている)を示し、Zがカルボキシ基またはカルボキシ基
    から誘導される基、無置換または置換の炭素数1〜4の
    アルキル基またはアルケニル基、水酸基または水酸基か
    ら誘導される基、アミノ基またはアミノ基から誘導され
    る基、複素芳香単環、ハロゲン原子、または水素原子を
    示す請求項1記載のケトン誘導体またはその薬理学的に
    許容し得る塩。
  3. 【請求項3】請求項1記載の一般式[1]において、A
    が炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を示し、Bが水素原
    子または炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を示し、Xが
    S、OまたはSOを示し、Yが炭素数1〜6の脂肪族炭
    化水素基[カルボキシ基、COOR1(式中R1は炭素
    数1〜4の置換または無置換のアルキル基またはアルケ
    ニル基を示す)、CONR2R3(式中R2、R3は同
    一かあるいは各々独立して水素原子、炭素数1〜4の無
    置換または置換のアルキル基を示す)、COW(式中W
    は無置換、カルボキシ基またはカルボキシ基から誘導さ
    れる基、またはアミノ基またはアミノ基から誘導される
    基で置換された複素環を示す)、NR4R5(式中R
    4、R5は同一かあるいは各々独立して水素原子、炭素
    数1〜4の無置換または置換のアルキル基、または炭素
    数1〜5の無置換または置換のアシル基を示す)、また
    はOR6(式中R6は水素原子、炭素数1〜4の無置換
    または置換のアルキル基、または炭素数1〜5の無置換
    または置換のアシル基を示す)で少なくとも1個以上の
    水素原子が置換されている]を示し、Zがカルボキシ
    基、COOR7(式中R7は炭素数1〜4の無置換また
    は置換のアルキル基を示す)、CONR8R9(式中R
    8、R9は同一かあるいは各々独立して水素原子、炭素
    数1〜4の置換または無置換のアルキル基を示す)、シ
    アノ基、CH2OR10(式中R10は水素原子、炭素
    数1〜4の無置換または置換のアルキル基、または炭素
    数1〜5の無置換または置換のアシル基を示す)、水酸
    基、OCOR11(式中R11は炭素数1〜4の無置換
    または置換のアルキル基を示す)、NR12R13(式
    中R12、R13は同一かあるいは各々独立して水素原
    子、炭素数1〜4の無置換または置換のアルキル基、ま
    たは炭素数1〜5の無置換または置換のアシル基を示
    す)、5−テトラゾリル基、塩素原子、フッ素原子、ま
    たは水素原子を示す請求項2記載のケトン誘導体または
    その薬理学的に許容し得る塩。
  4. 【請求項4】請求項1記載の一般式[1]において、A
    が炭素数1〜4のアルキル基を示し、Bが水素原子また
    は炭素数1〜4のアルキル基を示し、XがSを示し、Y
    が炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基{カルボキシ基、C
    OOR1’(式中R1’は炭素数1〜4のアルキル基ま
    たはアルケニル基を示す)、NHCOR14(式中R1
    4は炭素数1〜4の、その水素原子がフッ素原子に置換
    されてもよいアルキル基を示す)、水酸基、またはOC
    OR15(式中R15は炭素数1〜4のアルキル基を示
    す)で少なくとも2個以上の水素原子が置換されてい
    る}を示し、Zはカルボキシ基、COOR7’(式中R
    7’は炭素数1〜4のアルキル基を示す)、またはCH
    2OR10’(式中R10’は水素原子、または炭素数
    1〜5のアシル基を示す)を示す請求項3記載のケトン
    誘導体またはその薬理学的に許容し得る塩。
  5. 【請求項5】請求項1記載の一般式[1]において、A
    がメチル基を示し、Bが水素原子を示し、XがSを示
    し、Yが2−アセチルアミノ−2ーカルボキシエチル基
    または2−アセチルアミノ−2ーメトキシカルボニルエ
    チル基を示し、Zがカルボキシ基、メトキシカルボニル
    基、アセトキシメチル基、またはヒドロキシメチル基を
    示す請求項4記載のケトン誘導体またはその薬理学的に
    許容し得る塩。
  6. 【請求項6】請求項1記載の一般式[1]において、A
    が無置換または置換の芳香族炭化水素、複素芳香環、ま
    たは複素飽和環を示し、Bが水素原子、無置換または置
    換の炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を示し、XがS、
    OまたはSOを示し、Yが炭素数1〜6の脂肪族炭化水
    素基(カルボキシ基またはカルボキシ基から誘導される
    基、アミノ基またはアミノ基から誘導される基、または
    水酸基または水酸基から誘導される基で1個以上の水素
    原子が置換されている)を示し、Zがカルボキシ基また
    はカルボキシ基から誘導される基、無置換または置換の
    炭素数1〜4のアルキル基またはアルケニル基、水酸基
    または水酸基から誘導される基、アミノ基またはアミノ
    基から誘導される基、複素芳香単環、ハロゲン原子、ま
    たは水素原子を示す請求項1記載のケトン誘導体または
    その薬理学的に許容し得る塩。
  7. 【請求項7】請求項1記載の一般式[1]において、A
    が無置換または炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原
    子、水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基、アミノ基、
    炭素数1〜4のアルキルまたはジアルキルアミノ基、チ
    オール基、カルボキシ基、炭素数1〜4のアルコキシカ
    ルボニル基、炭素数1〜5のアシルオキシ基、炭素数1
    〜5のアシルチオ基、または炭素数1〜5のアシルアミ
    ノ基、シアノ基、またはトリフルオロメチル基で1〜3
    個置換されたベンゼン環を示し、Bが水素原子または炭
    素数1〜4の脂肪族炭化水素基を示し、XがS、Oまた
    はSOを示し、Yが炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基
    [カルボキシ基、COOR1(式中R1は炭素数1〜4
    の置換または無置換のアルキル基またはアルケニル基を
    示す)、CONR2R3(式中R2、R3は同一かある
    いは各々独立して水素原子、炭素数1〜4の無置換また
    は置換のアルキル基を示す)、COW(式中Wは無置
    換、カルボキシ基またはカルボキシ基から誘導される
    基、またはアミノ基またはアミノ基から誘導される基で
    置換された複素環を示す)、NR4R5(式中R4、R
    5は同一かあるいは各々独立して水素原子、炭素数1〜
    4の無置換または置換のアルキル基、または炭素数1〜
    5の無置換または置換のアシル基を示す)、またはOR
    6(式中R6は水素原子、炭素数1〜4の無置換または
    置換のアルキル基、または炭素数1〜5の無置換または
    置換のアシル基を示す)で少なくとも1個以上の水素原
    子が置換されている]を示し、Zがカルボキシ基、CO
    OR7(式中R7は炭素数1〜4の無置換または置換の
    アルキル基を示す)、CONR8R9(式中R8、R9
    は同一かあるいは各々独立して水素原子、炭素数1〜4
    の置換または無置換のアルキル基を示す)、シアノ基、
    CH2OR10(式中R10は水素原子、炭素数1〜4
    の無置換または置換のアルキル基、または炭素数1〜5
    の無置換または置換のアシル基を示すを示す)、水酸
    基、OCOR11(式中R11は炭素数1〜4の無置換
    または置換のアルキル基を示す)、NR12R13(式
    中R12、R13は同一かあるいは各々独立して水素原
    子、炭素数1〜4の無置換または置換のアルキル基、ま
    たは炭素数1〜5の無置換または置換のアシル基を示
    す)、5−テトラゾリル基、塩素原子、フッ素原子、ま
    たは水素原子を示す請求項6記載のケトン誘導体または
    その薬理学的に許容し得る塩。
  8. 【請求項8】請求項1記載の一般式[1]において、A
    が無置換、またはメチル基、メトキシ基、メトキシカル
    ボニル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、トリフ
    ルオロメチル基で1〜3個置換されたベンゼン環を示
    し、Bが水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示
    し、XがSを示し、Yが炭素数1〜6の脂肪族炭化水素
    基{カルボキシ基、COOR1’(式中R1’は炭素数
    1〜4のアルキル基またはアルケニル基を示す)、NH
    COR14(式中R14は炭素数1〜4の、その水素原
    子がフッ素原子に置換されてもよいアルキル基を示
    す)、水酸基、またはOCOR15(式中R15は炭素
    数1〜4のアルキル基を示す)で少なくとも2個以上の
    水素原子が置換されている}を示し、Zはカルボキシ
    基、COOR7’(式中R7’は炭素数1〜4のアルキ
    ル基を示す)、またはCH2OR10’(式中R10’
    は水素原子、または炭素数1〜5のアシル基を示す)を
    示す請求項7記載のケトン誘導体またはその薬理学的に
    許容し得る塩。
  9. 【請求項9】請求項1記載の一般式[1]において、A
    が無置換、またはメチル基、またはメトキシ基で置換さ
    れたベンゼン環を示し、Bが水素原子を示し、XがSを
    示し、Yが2−アセチルアミノ−2−カルボキシエチル
    基、2−アセチルアミノ−2ーメトキシカルボニルエチ
    ル基、または2−アセチルアミノエチル基を示し、Zが
    カルボキシ基、メトキシカルボニル基、アセトキシメチ
    ル基、またはヒドロキシメチル基を示す請求項8記載の
    ケトン誘導体またはその薬理学的に許容し得る塩。
  10. 【請求項10】請求項1記載の一般式[1]において、
    AとBが共に結合し無置換または置換の炭素数3〜7の
    シクロアルカン−1−オン環(但し炭素数5の場合を除
    く)を形成することを示し、XがS、OまたはSOを示
    し、Yが炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基(カルボキシ
    基またはカルボキシ基から誘導される基、アミノ基また
    はアミノ基から誘導される基、または水酸基または水酸
    基から誘導される基で1個以上の水素原子が置換されて
    いる)を示し、Zがカルボキシ基またはカルボキシ基か
    ら誘導される基、無置換または置換の炭素数1〜4のア
    ルキル基またはアルケニル基、水酸基または水酸基から
    誘導される基、アミノ基またはアミノ基から誘導される
    基、複素芳香単環、ハロゲン原子、または水素原子を示
    す請求項1記載のケトン誘導体またはその薬理学的に許
    容し得る塩。
  11. 【請求項11】請求項1記載の一般式[1]において、
    AとBが共に結合し無置換または置換のシクロブタン−
    1−オン環またはシクロヘキサン−1−オンを形成する
    ことを示し、XがS、OまたはSOを示し、Yが炭素数
    1〜6の脂肪族炭化水素基[カルボキシ基、COOR1
    (式中R1は炭素数1〜4の置換または無置換のアルキ
    ル基またはアルケニル基を示す)、CONR2R3(式
    中R2、R3は同一かあるいは各々独立して水素原子、
    炭素数1〜4の無置換または置換のアルキル基を示
    す)、COW(式中Wは無置換、カルボキシ基またはカ
    ルボキシ基から誘導される基、またはアミノ基またはア
    ミノ基から誘導される基で置換された複素環を示す)、
    NR4R5(式中R4、R5は同一かあるいは各々独立
    して水素原子、炭素数1〜4の無置換または置換のアル
    キル基、または炭素数1〜5の無置換または置換のアシ
    ル基を示す)、またはOR6(式中R6は水素原子、炭
    素数1〜4の無置換または置換のアルキル基、または炭
    素数1〜5の無置換または置換のアシル基を示す)で少
    なくとも1個以上の水素原子が置換されている]を示
    し、Zがカルボキシ基、COOR7(式中R7は炭素数
    1〜4の無置換または置換のアルキル基を示す)、CO
    NR8R9(式中R8、R9は同一かあるいは各々独立
    して水素原子、炭素数1〜4の置換または無置換のアル
    キル基を示す)、シアノ基、CH2OR10(式中R1
    0は水素原子、炭素数1〜4の無置換または置換のアル
    キル基、または炭素数1〜5の無置換または置換のアシ
    ル基を示すを示す)、水酸基、OCOR11(式中R1
    1は炭素数1〜4の無置換または置換のアルキル基を示
    す)、NR12R13(式中R12、R13は同一かあ
    るいは各々独立して水素原子、炭素数1〜4の無置換ま
    たは置換のアルキル基、または炭素数1〜5の無置換ま
    たは置換のアシル基を示す)、5−テトラゾリル基、塩
    素原子、フッ素原子、または水素原子を示す請求項10
    記載のケトン誘導体またはその薬理学的に許容し得る
    塩。
  12. 【請求項12】請求項1記載の一般式[1]において、
    AとBが共に結合しシクロブタン−1−オン環またはシ
    クロヘキサン−1−オンを形成することを示し、XがS
    を示し、Yが炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基{カルボ
    キシ基、COOR1’(式中R1’は炭素数1〜4のア
    ルキル基またはアルケニル基を示す)、またはNHCO
    R14(式中R14は炭素数1〜4の、その水素原子が
    フッ素原子に置換されてもよいアルキル基を示す)、水
    酸基、またはOCOR15(式中R15は炭素数1〜4
    のアルキル基を示す)で少なくとも2個以上の水素原子
    が置換されている}を示し、Zがカルボキシ基、COO
    R7’(式中R7’は炭素数1〜4のアルキル基を示
    す)、またはCH2OR10’(式中R10’は水素原
    子、または炭素数1〜5のアシル基を示す)を示す請求
    項11記載のケトン誘導体またはその薬理学的に許容し
    得る塩。
  13. 【請求項13】請求項1記載の一般式[1]において、
    (I)AとBが共に結合しシクロブタン−1−オン環を
    形成し、XがS、Yが2−アセチルアミノ−2−カルボ
    キシエチル基、Zがカルボキシ基、(II)AとBが共
    に結合しシクロブタン−1−オン環を形成し、XがS、
    Yが2−アセチルアミノ−2−メトキシカルボニルエチ
    ル基、Zがメトキシカルボニル基、(III)AとBが
    共に結合しシクロブタン−1−オン環を形成し、Xが
    S、Yが2、3−ジヒドロキシ−n−プロピル基、Zが
    アセトキシメチル基、(IV)AとBが共に結合し、シ
    クロヘキサン−1−オン環を形成し、XがS、Yが2−
    アセチルアミノ−2−カルボキシエチル基、Zがカルボ
    キシ基を示す請求項12記載のケトン誘導体またはその
    薬理学的に許容し得る塩。
  14. 【請求項14】請求項1〜13のいずれかに記載のケト
    ン誘導体(但し、A、Bが共に結合してシクロブタン環
    を形成する場合、(1)XがO、Yがメチル基、n−オ
    クチル基、またはn−ヘキサデシル基、Zがメトキシカ
    ルボニル基、(2)XがO、Yがベンジル基、Zがベン
    ジルオキシメチル基、(3)XがO、Yがp−メトキシ
    ベンジル基、Zがp−メトキシベンジルオキシメチル
    基、(4)XがO、Yがトリチル基、Zがトリチルオキ
    シメチル基である場合、またAが無置換のベンゼン環、
    Bが水素原子の場合、XがS、Yがメチル基、エチル
    基、またはイソプロピル基、Zがカルボキシ基である場
    合を含む。)またはその薬理学的に許容し得る塩を有効
    成分とする医薬。
  15. 【請求項15】請求項1〜13のいずれかに記載のケト
    ン誘導体(但し、A、Bが共に結合してシクロブタン環
    を形成する場合、(1)XがO、Yがメチル基、n−オ
    クチル基、またはn−ヘキサデシル基、Zがメトキシカ
    ルボニル基、(2)XがO、Yがベンジル基、Zがベン
    ジルオキシメチル基、(3)XがO、Yがp−メトキシ
    ベンジル基、Zがp−メトキシベンジルオキシメチル
    基、(4)XがO、Yがトリチル基、Zがトリチルオキ
    シメチル基である場合、またAが無置換のベンゼン環、
    Bが水素原子の場合、XがS、Yがメチル基、エチル
    基、またはイソプロピル基、Zがカルボキシ基である場
    合を含む。)またはその薬理学的に許容し得る塩を有効
    成分とする中枢神経障害治療薬。
  16. 【請求項16】請求項1〜13のいずれかに記載のケト
    ン誘導体(但し、A、Bが共に結合してシクロブタン環
    を形成する場合、(1)XがO、Yがメチル基、n−オ
    クチル基、またはn−ヘキサデシル基、Zがメトキシカ
    ルボニル基、(2)XがO、Yがベンジル基、Zがベン
    ジルオキシメチル基、(3)XがO、Yがp−メトキシ
    ベンジル基、Zがp−メトキシベンジルオキシメチル
    基、(4)XがO、Yがトリチル基、Zがトリチルオキ
    シメチル基である場合、またAが無置換のベンゼン環、
    Bが水素原子の場合、XがS、Yがメチル基、エチル
    基、またはイソプロピル基、Zがカルボキシ基である場
    合を含む。)またはその薬理学的に許容し得る塩を有効
    成分とする末梢神経障害治療薬。
  17. 【請求項17】請求項1〜13のいずれかに記載のケト
    ン誘導体(但し、A、Bが共に結合してシクロブタン環
    を形成する場合、(1)XがO、Yがメチル基、n−オ
    クチル基、またはn−ヘキサデシル基、Zがメトキシカ
    ルボニル基、(2)XがO、Yがベンジル基、Zがベン
    ジルオキシメチル基、(3)XがO、Yがp−メトキシ
    ベンジル基、Zがp−メトキシベンジルオキシメチル
    基、(4)XがO、Yがトリチル基、Zがトリチルオキ
    シメチル基である場合、またAが無置換のベンゼン環、
    Bが水素原子の場合、XがS、Yがメチル基、エチル
    基、またはイソプロピル基、Zがカルボキシ基である場
    合を含む。)またはその薬理学的に許容し得る塩を有効
    成分とする神経細胞分化促進剤。
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