JPH11261310A - マイクロ波増幅器 - Google Patents

マイクロ波増幅器

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JPH11261310A JP10055499A JP5549998A JPH11261310A JP H11261310 A JPH11261310 A JP H11261310A JP 10055499 A JP10055499 A JP 10055499A JP 5549998 A JP5549998 A JP 5549998A JP H11261310 A JPH11261310 A JP H11261310A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 整合素子であるスタブのインピーダンスの調
整を可能とし、所望の増幅器の特性が得られるマイクロ
波増幅器を提供する。 【解決手段】 整合素子として機能するスタブを他の回
路素子から隔てて配置しスタブと他の回路素子との間を
ボンディングワイヤで数点接続し、その接続を切断する
ことにより整合回路のインピーダンス調整を可能とす
る。また、整合素子として機能するスタブにスイッチと
して機能しかつスイッチのバイアス条件が制御される能
動素子を接続し、バイアス電圧を変化させてスタブのイ
ンピーダンス調整をする。また、能動素子基板を挟んで
配置した整合回路基板間に整合回路基板間の距離を一定
に保つための金属片を配置する。さらに、動作周波数で
容量性スタブを含むバイアス供給回路、動作周波数で長
さ4分の1波長未満の結合線路及び伝送線路を有する整
合回路と能動素子をボンディングワイヤで接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、マイクロ波およ
びミリ波において動作周波数の調整が可能で、小型な特
徴を有するマイクロ波増幅器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波増幅器の整合回路として、先
端開放あるいは先端短絡のスタブが広く用いられてき
た。図7は“W-band Monolithic Low Noise Amplifiers
for Advanced MicrowaveScanning Radiometer”(1995
年 IEEE MICROWAVE AND GUIDED WAVE LETTERS)に記載
されている2段増幅器の構成図を示すものである。図7
において、33、35は整合素子であるマイクロストリ
ップ線路、34、36は先端開放スタブ、37は動作周
波数で長さ4分の1波長のマイクロストリップ線路、3
8は動作周波数で長さ4分の1波長の先端開放スタブ、
39は抵抗とキャパシタンスからなる低周波発振抑圧用
回路、40、41はバイアス印加用の端子、43は能動
素子、44は動作周波数で長さ4分の1波長の結合線路
で、直流成分の漏洩を防止するためのものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した構成を有する
マイクロ波増幅器は、整合回路と能動素子を同一のプロ
セスで半導体基板上に形成するモノリシックマイクロ波
集積回路を示すものであるが、マイクロ波、とりわけ周
波数が高くなるミリ波帯においては、能動素子の特性の
ばらつきにより、所望の増幅器の特性が得られなくなる
問題点があった。製造後のばらつきを調整する場合は、
整合回路と能動素子を同一のプロセスで半導体基板上に
形成するモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC:
MonolithicMicrowave Integrated Circuit)よりも、整
合回路と能動素子を異なる基板で構成するHMIC(H
MIC:Hybrid Microwave Integrated Circuit)の方
が有利である。しかし、HMICの場合、整合回路と能
動素子をボンディングワイヤで接続する必要が生じ、そ
の長さにより整合にずれが生じ、所望の増幅器の特性が
得られなくなる問題点があった。
【0004】また、ボンディングワイヤを用いる場合、
そのインダクタンス成分のために能動素子のインピーダ
ンスはスミスチャート上のG=1の定コンダクタンス円
よりも外側の誘導性の領域に位置する。そのため、従来
の増幅器のように先端開放スタブを用いて整合を取る
と、能動素子とスタブ間に必要となる伝送線路が長くな
り、整合回路が大型となる上に特性の狭帯域化を招いて
しまう問題があった。さらに、従来の増幅器において
は、直流成分漏洩を防止するためにMIM(Metal Insu
lator Metal)キャパシタや、動作周波数にて4分の1
波長となる結合線路を接続する必要があり、回路の大型
化、損失の増加を招いてしまう問題点があった。
【0005】この発明は上記の問題を解決するためにな
されたもので、整合素子であるスタブのインピーダンス
の調整を可能とすることができるマイクロ波増幅器を得
ることを目的とする。
【0006】また、HMICにおいてインダクタンスと
して機能するボンディングワイヤの長さを一定とするた
めに、金属片をスペーサとして基板間に挟むことで整合
のずれを抑圧し、所望の増幅器の特性を得ることができ
るマイクロ波増幅器を得ることを目的とする。
【0007】さらに、ボンディングワイヤと長さ4分の
1波長未満の容量性の結合線路からなる整合回路を用い
ることで、DC成分漏洩を防止する素子を別途接続する
必要をなくし、小型で高利得な増幅器を得ることができ
るマイクロ波増幅器を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係るマイクロ
波増幅器は、整合素子として機能するスタブを、他の回
路素子から隔てて配置し、上記スタブと上記他の回路素
子との間をボンディングワイヤまたはエアブリッジで数
点接続した整合回路を備えたもので、その接続を切断す
ることにより整合回路のインピーダンス調整を可能とし
たものである。
【0009】また、他の発明に係るマイクロ波増幅器
は、整合素子として機能するスタブに、スイッチとして
機能しかつスイッチのバイアス条件が制御される能動素
子を接続した整合回路を備えたもので、そのバイアス電
圧を変化させることでスタブのインピーダンス調整を可
能としたものである。
【0010】また、さらに他の発明に係るマイクロ波増
幅器は、能動素子を搭載した能動素子基板を挟んで配置
された整合回路を搭載した整合回路基板間に、上記能動
素子基板に隣接し整合回路基板間の距離を一定に保つた
めの金属片を配置したもので、金属片をスペーサとして
基板間に挟むことで整合のずれを抑圧し、所望の増幅器
の特性を得るものである。
【0011】さらに、さらにまた他の発明に係るマイク
ロ波増幅器は、動作周波数にて容量性となるスタブを含
むバイアス供給回路、動作周波数にて長さ4分の1波長
未満の結合線路及び伝送線路を有する整合回路と能動素
子とをボンディングワイヤで接続したもので、DC成分
漏洩を防止する素子を別途接続する必要をなくし、小型
で高利得な増幅器を得るものである。
【0012】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の
実施の形態1であるマイクロ波増幅器の整合回路部を示
す構成図である。図1において、1は増幅器の整合回路
を含む基板、2は整合回路内の伝送線路、3は本来は伝
送線路2に接続されて整合素子として機能するスタブ、
4は伝送線路2とスタブ3を接続するために設けられた
複数のボンディングワイヤ(あるいはエアブリッジ)で
ある。
【0013】上記構成においては、整合回路のインピー
ダンスを、ボンディングワイヤ4(あるいはエアブリッ
ジ)を切断することで調整することができ、増幅器の特
性を所望のものとすることができる。したがって、増幅
器内の能動素子がその製造プロセスにおいて特性のばら
つきを生じた場合においても、整合素子と他の回路素子
との間をボンディングワイヤ(あるいはエアブリッジ)
で数点接続し、その接続を切断することで、整合回路の
インピーダンスを調整することができるために、所望の
増幅器の特性を得ることができる。
【0014】実施の形態2.図2はこの発明の実施の形
態2であるマイクロ波増幅器の整合回路部を示す構成図
である。図2において、5は整合回路中の伝送線路、6
は整合素子であるスタブ、7はスイッチとして機能する
能動素子、8はそのスイッチ素子へのバイアス印加用端
子、9は直流成分阻止用のコンデンサ、10は増幅機能
を有する能動素子である。
【0015】上記構成においては、整合用のスタブ6
は、能動素子でなるスイッチ7のバイアス条件を変化さ
せることでそのインピーダンスを調整することができ、
スタブのインピーダンスを制御することができる。した
がって、スイッチ7のバイアス条件を変化させることで
整合用スタブのインピーダンスを変化させ、増幅器の特
性を制御することが可能となり、能動素子10の特性の
ばらつきを整合回路で吸収することができる。さらに、
上記のバイアス条件を変化させることで整合回路のイン
ピーダンスを広範に変化させることが可能となるため、
増幅器を異なる複数の周波数帯域で動作させることも可
能となる。
【0016】実施の形態3.図3はこの発明の実施の形
態3であるマイクロ波増幅器の能動素子を搭載した基板
と整合回路を搭載した基板の接続構成を示すものであ
る。図3において、12、13は整合回路を搭載した整
合回路基板、14はこれら整合回路基板12と13間に
設けられた能動素子を搭載した能動素子基板、15は整
合回路基板12と13間の距離を調整するためのスペー
サとしてはたらく金属片、16、17は能動素子と整合
回路基板を接続するためのボンディングワイヤである。
【0017】上記構成において、金属片15は、能動素
子に隣接して配置され、整合回路の間の距離を一定に保
つスペーサとして機能する。したがって、金属片15を
整合回路基板12と13の間の距離を一定に保つスペー
サとして用いることで、ボンディングワイヤ16,17
の長さのばらつきを抑えることができる。ボンディング
ワイヤ16,17はマイクロ波帯においてはインダクタ
ンスとして働きその長さによって整合状態が変化するた
め、長さのばらつきを抑えることで所望の増幅器の特性
を得ることが可能となる。
【0018】実施の形態4.図4はこの発明の実施の形
態4であるマイクロ波増幅器の整合回路と能動素子との
接続構成を示すものである。図4において、20は能動
素子、21はボンディングワイヤ、22はマイクロスト
リップ線路、24は増幅器の動作周波数で4分の1波長
以上の長さを有するマイクロストリップ線路、25は動
作周波数で長さ4分の1波長となる先端開放スタブ、2
6は動作周波数にて長さ4分の1波長未満の結合線路、
27は抵抗とキャパシタンスからなる低周波発振抑圧用
の回路で、28はバイアス印加用の端子である。
【0019】次に動作について図5のスミスチャート及
び図6に示す結合線路の等価回路図を参照して説明す
る。マイクロ波より周波数の高いミリ波帯のHMIC増
幅器においては、ボンディングワイヤを含む能動デバイ
スのインピーダンスはそのインダクタンス成分のため
に、同図の点AのようにG=1の円の外側の誘導性の領
域に位置する。その場合、整合回路基板内のマイクロス
トリップ線路22により点Bへ動き、容量性スタブとし
て機能するマイクロストリップ線路24,先端開放スタ
ブ25からなる回路により点Cへ動く。
【0020】さらに、長さが4分の1波長未満の結合線
路26は、図6に示すように、直列のキャパシタンス3
0と伝送線路31からなる等価回路で表現できることを
考えると、図4中の結合線路26により、図5に示す点
Cは、点D、点D’を通りスミスチャートの中心へ動く
ため、整合を取ることができる。
【0021】したがって、図5の破線で示す従来の技術
である伝送線路と先端開放スタブを用いた整合に比べて
スミスチャート上を動く軌跡が短くなるため、回路の小
型化が可能となる上に、周波数に対する感受性が低くな
るため広帯域な特性を得ることができる。さらに、結合
線路26は、整合素子として機能するだけでなく、DC
成分の漏洩を防止する機能を併せ持つため、従来の技術
のように長さ4分の1波長の結合線路やMIMキャパシ
タを別途接続する必要がなくなり、小型、高利得な増幅
器が実現できる。なお以上の説明は能動素子の入力側に
ついて行ったが、出力側に関しても全く同様である。
【0022】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、増幅
器の整合回路において、インピーダンス整合に作用する
先端開放あるいは先端短絡スタブを他の回路素子から隔
てて配置し、その間をボンディングワイヤあるいはエア
ブリッジで数点接続し、その接続を切断することによ
り、整合回路のインピーダンス調整を可能とすること
で、半導体である能動素子の特性にばらつきが生じた場
合においても所望の増幅器の特性を得ることができる。
【0023】また、整合用の先端短絡スタブにスイッチ
として機能する能動素子を接続し、そのスイッチのバイ
アス条件を制御してスタブ部分のインピーダンスを調整
することで、所望の増幅器の特性を得ることができると
共に、複数の周波数帯で動作する増幅器を構成すること
ができる。
【0024】また、整合回路と能動素子が異なる基板か
らなる増幅器において、それらの距離を一定とするため
に能動素子に隣接して金属片を配置し、基板間の距離を
一定に保つ構造とすることで、基板間を接続するボンデ
ィングワイヤの長さのばらつきを抑え、増幅器の特性の
均一化を実現することができる。
【0025】さらに、動作周波数にて容量性となるスタ
ブを含むバイアス供給回路と、動作周波数において長さ
4分の1波長未満の結合線路により整合回路を構成し、
またその整合回路と能動素子をボンディングワイヤで接
続する構造を用いることで、小型、広帯域、高利得な増
幅器を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係るマイクロ波増
幅器の整合回路部を示す構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態2に係るマイクロ波増
幅器の整合回路部を示す構成図である。
【図3】 この発明の実施の形態3であるマイクロ波増
幅器の能動素子を搭載した基板と整合回路を搭載した基
板の接続構成を示すブロック図である。
【図4】 この発明の実施の形態4であるマイクロ波増
幅器の整合回路と能動素子との接続構成を示す回路図で
ある。
【図5】 この発明の実施の形態4の動作を説明するた
めのスミスチャートである。
【図6】 この発明の実施の形態4の動作を説明するた
めの容量性結合線路の等価回路図である。
【図7】 従来のマイクロ波増幅器の構成例を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
1 整合回路を含む基板、2 整合回路内の伝送線路、
3 整合用スタブ、4 ボンディングワイヤ(あるいは
エアブリッジ)、5 整合回路内の伝送線路、6 整合
用スタブ、7 スイッチとして機能する能動素子、8
スイッチのバイアス印加用端子、9 直流成分阻止用の
コンデンサ、10 増幅機能を有する能動素子、12,
13 整合回路基板、14 能動素子、15 金属片、
16、17 ボンディングワイヤ、20 能動素子、2
1 ボンディングワイヤ、22 マイクロストリップ線
路、24 長さ4分の1波長以上のマイクロストリップ
線路、25 長さ4分の1波長の先端開放スタブ、26
長さ4分の1波長未満の結合線路、27 低周波発振
抑圧用の回路、28 バイアス印加用端子、30 キャ
パシタンス、31 伝送線路、33、35 マイクロス
トリップ線路、34,36 先端開放スタブ、37 長
さ4分の1波長のマイクロストリップ線路、38 長さ
4分の1波長の先端開放スタブ、39 低周波発振抑圧
用の回路、40、41 バイアス印加用端子、43 能
動素子、44 長さ4分の1波長の結合線路。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 整合素子として機能するスタブを、他の
    回路素子から隔てて配置し、上記スタブと上記他の回路
    素子との間をボンディングワイヤまたはエアブリッジで
    数点接続した整合回路を備えたマイクロ波増幅器。
  2. 【請求項2】 整合素子として機能するスタブに、スイ
    ッチとして機能しかつスイッチのバイアス条件が制御さ
    れる能動素子を接続した整合回路を備えたマイクロ波増
    幅器。
  3. 【請求項3】 能動素子を搭載した能動素子基板を挟ん
    で配置された整合回路を搭載した整合回路基板間に、上
    記能動素子基板に隣接し整合回路基板間の距離を一定に
    保つための金属片を配置したマイクロ波増幅器。
  4. 【請求項4】 動作周波数にて容量性となるスタブを含
    むバイアス供給回路、動作周波数にて長さ4分の1波長
    未満の結合線路及び伝送線路を有する整合回路と能動素
    子とをボンディングワイヤで接続したマイクロ波増幅
    器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002368158A (ja) * 2001-06-07 2002-12-20 Mitsubishi Electric Corp 高周波半導体集積回路
KR100471386B1 (ko) * 2002-06-05 2005-02-21 주식회사 웨이브아이씨스 전기적 튜닝이 가능한 전치왜곡기
JP2006333194A (ja) * 2005-05-27 2006-12-07 Toppan Forms Co Ltd アンテナ部材及びそのインピーダンス調整方法

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