JPH11260581A - 誘電体バリア放電ランプ光源装置およびその給電装置 - Google Patents

誘電体バリア放電ランプ光源装置およびその給電装置

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JPH11260581A
JPH11260581A JP10078529A JP7852998A JPH11260581A JP H11260581 A JPH11260581 A JP H11260581A JP 10078529 A JP10078529 A JP 10078529A JP 7852998 A JP7852998 A JP 7852998A JP H11260581 A JPH11260581 A JP H11260581A
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barrier discharge
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    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ランプの発光効率を改善し、より経済性を求め
る。 【解決手段】誘電体バリア放電によってエキシマ分子を
生成する放電用ガスが充填された放電プラズマ空間3が
あって、放電用ガスに放電現象を誘起せしめる電極4,
5と放電用ガスの間に誘電体6,7が介在する構造を有
する誘電体バリア放電ランプ2と、電極に概略周期的な
交流の高電圧を印加するための給電装置1とを有する誘
電体バリア放電ランプ光源装置において、1回の放電を
終了してランプ印加電圧が次の放電に向けての変化を行
うに際し、ランプ印加電圧波形において、ランプ印加電
圧が有効放電開始電圧を過ぎる前に、ランプ印加電圧が
緩慢な変化を行う期間を有するものであって、1回の放
電と次の放電の終了時の電圧差と、1回の放電とランプ
印加電圧の緩慢な変化期間終了時の電圧差との比を0.
3以上0.9以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、放電ランプの一
種で、誘電体バリア放電によってエキシマ分子を形成
し、前記エキシマ分子から放射される光を利用するいわ
ゆる誘電体バリア放電ランプを含む、誘電体バリア放電
ランプ光源装置およびその給電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明に関連した技術としては、誘電体
バリア放電ランプについては、例えば特開平2−735
3号があり、そこには、放電容器にエキシマ分子を形成
する放電用ガスを充填し、誘電体バリア放電(別名オゾ
ナイザ放電あるいは無声放電。電気学会発行改定新版
「放電ハンドブック」平成1年6月再販7刷発行第26
3ページ参照)によってエキシマ分子を形成せしめ、前
記エキシマ分子から放射される光を取り出す放射器が記
載されている。
【0003】前記のような誘電体バリア放電ランプ、お
よび、これを含む光源装置は、従来の低圧水銀放電ラン
プや高圧アーク放電ランプには無い種々の特長を有して
いるため応用の可能性が多岐にわたっている。とりわ
け、近来の環境汚染問題への関心の高まりのなかで、紫
外線による光化学反応を応用した無公害の材料処理は、
その最も重要な応用のひとつであり、従って、誘電体バ
リア放電ランプ光源装置光源装置に対する高出力化への
要求には非常に強いものがある。
【0004】しかし、このような従来の技術のみによっ
ては、解決できないいくつかの大きな問題があった。第
1の問題は、消費電力の低減、ランプの発熱の低減、ラ
ンプの長寿命化に対する強い要望に応えるために、ラン
プの発光効率を改善しなければならない点である。第2
の問題は、前記したような、優れた紫外線応用の普及の
ためにより経済性が求められることである。これらの問
題は、高出力化、すなわち装置の大電力化に伴って、ま
すます重要になってくる。
【0005】以下において、ランプの発光効率を改善す
るための条件について説明する。
【0006】誘電体バリア放電ランプ(2)には、放電
プラズマ空間(3)を挟んで電極(4,5)の間に、1
枚または2枚の誘電体が存在する。図1は、2枚の誘電
体(6,7)が存在する誘電体バリア放電ランプを表し
ている。因みに、図1では、ランプ封体(8)が誘電体
(6,7)を兼ねている。
【0007】誘電体バリア放電ランプ(2)を点灯させ
る際は、その両極の電極(4,5)に、例えば、10k
Hz〜200kHz、2kV〜10kVの高周波の交流
電圧が給電装置(1)より印加される。ところが放電プ
ラズマ空間(3)と電極(4,5)の間に介在する誘電
体(6,7)のため、電極(4,5)から放電プラズマ
空間(3)に直接に電流が流れるのではなく、誘電体
(6,7)がコンデンサの働きをすることによって電流
が流れる。すなわち、各誘電体(6,7)の放電プラズ
マ空間(3)側の面には、各電極(4,5)側の面と等
量逆符号の電荷が誘電体の分極により誘起され、放電プ
ラズマ空間(3)を挟んで対向する誘電体(6,7)の
面の間で放電する。
【0008】誘電体(6,7)の放電プラズマ空間
(3)側の面に沿っては電流があまり流れないため、放
電が生じた部分では、誘電体(6,7)の放電プラズマ
空間(3)側の面に誘起された電荷は、放電により移動
した電荷により中和され、放電プラズマ空間(3)の電
界が減少するため、電極(4,5)への電圧印加が継続
されていても、放電電流はやがて停止してしまう。ただ
し、電極(4,5)への印加電圧がさらに上昇する場合
は、放電電流は持続する。1度放電が生じた後、放電が
停止した部分は、電極(4,5)に印加される電圧の極
性が反転するまで、再放電しない。
【0009】例えばキセノンガスを封入した誘電体バリ
ア放電ランプの場合、キセノンガスは、放電によりイオ
ンと電子に分離し、キセノンプラズマとなる。このプラ
ズマ中で、特定のエネルギー準位に励起されたキセノン
が結合し、エキシマ分子が形成される。キセノンエキシ
マは、ある寿命時間を経過すると解離してしまうが、こ
のときに開放されるエネルギーが真空紫外波長の光子と
して放出される。誘電体バリア放電ランプが真空紫外光
源として効率的に動作させるためには、このエキシマ分
子形成を効率的にする必要がある。
【0010】放電時に効率的なエキシマ分子形成を阻害
する大きな要因は、放電プラズマをエキシマ分子形成に
寄与しないエネルギー準位へ励起してしまうことであ
る。
【0011】放電開始直後の放電プラズマの電子運動は
集団的であり、エネルギーは高いが温度は低い状態にあ
る。この状態では、放電プラズマは、エキシマ分子を形
成するために必要な、共鳴状態に遷移する確率が高い。
しかし放電時間が長くなると、プラズマの電子運動は次
第に熱的、すなわちマックスウェル−ボルツマン分布と
呼ばれる熱平衡状態になり、プラズマ温度が上昇し、エ
キシマ分子を形成できないような、より高い励起状態に
遷移する確率が上昇してしまう。
【0012】さらに、エキシマ分子が形成された場合で
も、寿命時間の経過を待って所期の光子を放出して自然
に解離する前に、後続の放電により、エキシマ分子が破
壊される場合もある。実際、キセノンエキシマの例で
は、放電開始から真空紫外波長の光子放出まで、1μs
程度の期間を要し、この期間内の後続の放電や再放電
は、エキシマ発光の効率を低下させる。
【0013】すなわち、一度放電が開始したならば、後
続する放電のエネルギーはできるだけ小さくすることが
最も重要であることがわかる。
【0014】放電時間が短い場合であっても、その放電
期間に注入されるエネルギーが大き過ぎると、同様に高
い励起状態に遷移する確率が上昇してしまう。高い励起
状態に遷移したプラズマは、赤外線を放射して緩和し、
ランプの温度を上昇させるだけで、エキシマ発光に寄与
しない。
【0015】すなわち、エキシマ分子形成に寄与しない
エネルギー準位への放電プラズマの励起を抑制するよう
な放電駆動を行わなければならないのである。
【0016】誘電体バリア放電を含む、全てのパルス放
電によるエキシマ発光の高効率化を達成しようとする提
案として、特開平1−243363があり、これは、一
度放電が開始したならば、後続する放電のエネルギーは
できるだけ小さくすること、という前記の条件に沿うも
のである。しかし、この提案に記載されているものは、
どういうパラメータを調整すればエキシマ発光が高効率
化できるか、についてであって、そのパラメータ値の効
果的な条件や、それを実現できる給電装置の構成方法に
ついては、具体的には何ら示されていない。
【0017】前記エキシマ分子形成に寄与しないエネル
ギー準位への放電プラズマの励起を抑制した放電の条件
を満足できる可能性を有するランプ印加電圧波形のなか
の、最も単純な候補の一つとして、適当な振幅を有する
矩形波が考えられる。実際、誘電体バリア放電を利用し
た蛍光灯の駆動波形に関する改善提案として、例えば、
特開平6−163006がある。これによると、正負極
性の矩形パルス列や交流の矩形波で駆動することによ
り、蛍光灯の輝度が向上するということが述べられてい
る。このなかでは、矩形パルス列や矩形波について、周
波数やデューティ比に関連して、印加電圧の変化に対す
る輝度の変化の実験結果が記載されており、従来の正弦
波駆動と比較した効率の向上が説明されている。
【0018】しかし、このような単純な矩形波的な波形
では、給電装置を実際に構成する場合には大きな問題が
ある。この問題は、先述のように、誘電体バリア放電ラ
ンプは、誘電体(6,7)がコンデンサの働きをするこ
とによって電流が流れる構造を有し、基本的に全体とし
てコンデンサであるため、ランプ印加電圧の立上りまた
は立下りの瞬間にのみインパルス的な電流が流れること
に起因する。この様子は、ランプ印加電圧波形(Vs
(t))およびランプ電流波形(Is(t))を模式的に表
した図3において示されるようである。
【0019】通常、誘電体バリア放電ランプに印加する
ための交流の高電圧を発生する給電装置には、インバー
タ回路と昇圧トランスが使用されるが、その1次側巻線
に流れる電流は、1次側から2次側への電圧昇圧比に比
例して大きくなる。例えば、ランプ電流波形の尖頭電流
値が3Aであるとき、昇圧トランスの昇圧比が20倍で
あるならば、その1次側巻線に流れる尖頭電流値は実に
60Aにも達する。
【0020】この電流値は実現不可能なものではない
が、これに耐えるインバータ回路用のスイッチング素子
は高価なものとなってしまい、前記第2の問題の解決が
困難となってしまう。もちろん、点灯しようとする誘電
体バリア放電ランプの定格や、昇圧トランスの構成によ
って、この尖頭電流値は異なるが、いずれの場合でも、
この値を小さくする必要がある。前記特開平6−163
006の提案には、これを解決するための、具体的な指
針については述べられていない。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、前記第1の問題、すなわち、消費電力の低
減、ランプの発熱の低減、ランプの長寿命化に対する強
い要望に応えるために、ランプの発光効率を改善しなけ
ればならない問題、および、前記第2の問題すなわち、
優れた紫外線応用の普及のためにより経済性が求められ
る問題を同時に解決した誘電体バリア放電ランプ光源装
置およびその給電装置を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の請求項1に係る誘電体バリア放電ランプ光
源装置は、誘電体バリア放電によってエキシマ分子を生
成する放電用ガスが充填された放電プラズマ空間(3)
があって、前記放電用ガスに放電現象を誘起せしめるた
めの両極の電極(4,5)のうちの少なくとも一方と前
記放電用ガスの間に誘電体(6,7)が介在する構造を
有する誘電体バリア放電ランプ(2)と、前記誘電体バ
リア放電ランプの前記電極(4,5)に概略周期的な交
流の高電圧を印加するための給電装置(1)とを有する
誘電体バリア放電ランプ光源装置において、前記給電装
置(1)は、誘電体バリア放電ランプ(2)に対して、
1回の放電が終了して、ランプ印加電圧が次の放電に向
けて変化するに際し、ランプ印加電圧波形(Vs(t))
において、次の放電の有効放電開始電圧(+Ei,−E
i)を過ぎる前に緩慢な変化を行う期間を有し、その
後、急峻な変化が起こるように制御することを特徴とす
る。さらに、請求項2に係る発明は、上記請求項1に係
る誘電体バリア放電ランプ光源装置であって、前記1回
の放電を終了したときの電圧VAと、次の放電が終了す
るときの電圧VBとの差電圧ΔVx、および、前記電圧V
Aと、前記ランプ印加電圧が緩慢な変化を行う期間の終
了時の電圧VFとの差電圧ΔVy、について、0.3≦Δ
Vy/ΔVx≦0.9を満足することを特徴とする。
【0023】さらに、請求項3に係る給電装置は、誘電
体バリア放電によってエキシマ分子を生成する放電用ガ
スが充填された放電プラズマ空間(3)があって、前記
放電用ガスに放電現象を誘起せしめるための両極の電極
(4,5)のうちの少なくとも一方と前記放電用ガスの
間に誘電体(6,7)が介在する構造を有する誘電体バ
リア放電ランプ(2)に対し、前記誘電体バリア放電ラ
ンプの前記電極(4,5)に概略周期的な交流の高電圧
を印加するための誘電体バリア放電ランプ光源装置用給
電装置について、DC電圧源(12)の電圧を、それよ
りも高いDC電圧に昇圧して出力するチョッパ回路(2
6)と、2次側に交流の高電圧を発生する昇圧トランス
(10)と、前記チョッパ回路(26)よりの出力を交
流に変換して前記昇圧トランス(10)の1次側に供給
するためのインバータ回路(13)よりなる誘電体バリ
ア放電ランプ光源装置用給電装置であって、前記チョッ
パ回路(26)のスイッチ素子を制御するためのゲート
信号(Gc)が、前記インバータ回路(13)のスイッ
チ素子を制御するためのゲート信号(GU,GL)に対し
て同期して生成されることを特徴とする。
【0024】さらに、請求項4に係る光源装置は、給電
装置(1)が、請求項3に記載の誘電体バリア放電ラン
プ光源装置用給電装置であることを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1、請求項2の発
明の実施の形態について、図4を用いて説明する。
【0026】前記のエキシマ分子形成を効率的にするた
めの、エキシマ分子形成に寄与しないエネルギー準位へ
の放電プラズマの励起を抑制することの達成のために
は、ランプ印加電圧を上昇させて行き、放電開始電圧に
達して放電が開始されれば、できるだけ速やかに放電を
終了させればよい。
【0027】誘電体バリア放電ランプの電気回路的な動
作は、これをモデル的に表現した図2に示すように、放
電プラズマ空間(3)の放電路(9)は、放電抵抗(R
g)と放電スイッチ(SWg)を直列に接続したものと考
えればよい。また、誘電体バリア放電ランプ(2)に
は、電極(4,5)と放電プラズマ空間(3)の間に誘
電体(6,7)があり、これは電気回路的にはコンデン
サとして働く。ただし、誘電体が2枚の場合は、それぞ
れの誘電体が形成するコンデンサを直列合成した1個の
コンデンサ(Cd)と考えればよい。
【0028】この誘電体が形成するコンデンサ(Cd)
が放電プラズマ空間(3)に対して直列に挿入された構
造であるため、誘電体バリア放電ランプ(2)にはラン
プ印加電圧が変化している期間、もしくは変化した直後
のある期間内にのみ放電電流が流れる。
【0029】放電プラズマ空間(3)自体もコンデンサ
(Cg)を形成しており、放電が開始されれば、このコ
ンデンサ(Cg)に充電されたエネルギーのほとんどが
放電に費やされるため、給電装置は、放電開始以降に誘
電体バリア放電ランプ(2)に必要以上の電流を追加し
て流さないようなものとすればよいことがわかる。
【0030】放電開始電圧は、ガス圧と放電プラズマ空
間のギャップ間隔が決まればほとんど自動的に決まり、
また、放電プラズマ空間が形成するコンデンサ(Cg)
の静電容量は、放電プラズマ空間のギャップ間隔により
決まるため、1発の放電が開始してから終了するまでの
期間にプラズマに与えられる最小エネルギーは、放電プ
ラズマ空間が形成するコンデンサ(Cg)に充電された
電荷が全て放電するエネルギーであり、これはランプの
構造により決まってしまう。前記のエキシマ分子形成を
効率的にするための、エキシマ分子形成に寄与しないエ
ネルギー準位への放電プラズマの励起を抑制すること
は、この最小エネルギーの放電の条件において、最も良
く達成されることになる。
【0031】ところが、この最小エネルギーの放電の条
件では、放電プラズマ空間のギャップ間隔のランプ内の
位置的不均一の影響による1個のランプ内での放電の不
均一が生じやすい問題がある。
【0032】したがって、誘電体バリア放電ランプの全
壁面において均一に放電を生じせしめる余裕を持たせ
た、実用的な光源装置とするために、前記最小エネルギ
ーの放電の条件よりもランプ投入エネルギーを追加的に
高くし、しかも、ランプ投入エネルギーを追加的に高く
したことによるエキシマ発光の効率低下が容認可能な範
囲の条件に設定する必要がある。
【0033】当然ながら、追加的に高くするランプ投入
エネルギーは、エキシマ発光の効率低下を来さないタイ
ミングで投入されなければならず、このためには、この
エネルギー投入は、前記放電プラズマ空間が形成するコ
ンデンサ(Cg)に充電された電荷が全て放電するタイ
ミングに近接して、望ましくは重畳して行われる必要が
ある。したがって、ランプ印加電圧の変化速度につい
て、放電開始直前から、放電開始後の尖頭電圧値に達す
るまでの期間において、エキシマ発光の効率低下を来さ
ないために必要な急峻さを有する必要がある。
【0034】しかし、1回の放電終了後から次の放電開
始までの期間においてのランプ印加電圧波形について
は、その形状に対する制約は何も無い。つまり、放電が
終了した後、ランプ印加電圧の極性が反対方向に変化し
始めてから、次の放電開始の直前までの期間において
は、ランプ印加電圧の変化速度が、急峻である必要は無
い。これは、放電プラズマ空間(3)の電圧が放電開始
電圧に達しない限り放電は生じないからである。そし
て、放電が生じなければ、前記放電プラズマ空間のギャ
ップ間隔のランプ内の位置的不均一の影響による1個の
ランプ内での放電の不均一や、放電の仕方に起因する効
率低下の問題が起こり得ないからである。
【0035】すなわち、ランプ印加電圧の立上りまたは
立下り速度については、放電開始電圧を過ぎるときに高
速でありさえすれば、放電開始の前までは低速でもよい
ことがわかる。図4はこの様子を模式的に示す。
【0036】図4においては、ランプ印加電圧波形(V
s(t))が、負側ランプ電圧(VA)から正側ランプ電圧
(VB)まで変化するに際し、上昇時の放電開始電圧
(+Ei)より低い値を有する、ランプ電圧の急峻変化
の開始値(VF)に至るまでの部分(A1)において緩
慢に変化している。また、ランプ電圧の急峻変化の開始
値(VF)から正側ランプ電圧(VB)に至るまでの部分
(A2)において急峻に変化している。ここでは、図4
の場合と、前記図3の場合について、近似的なモデル解
析により、ランプ電流波形(Is(t))の尖頭電流値
(Ip1,Ip2)を比較してみる。
【0037】誘電体バリア放電ランプを表す回路モデル
として、図2を用いる。負側ランプ電圧VA、正側ラン
プ電圧VB、ランプ電圧の急峻変化の開始値VF、誘電体
が形成するコンデンサ(Cd)の静電容量Cd、放電プラ
ズマ空間が形成するコンデンサ(Cg)の静電容量Cg、
また、昇圧トランス(10)、誘電体バリア放電ランプ
(2)、およびこれらの相互接続に寄生する浮遊静電容
量Ceのそれぞれの値として、典型的実例の一つであ
る、次の値のものを設定する。 VA=−2500V 式4 VB=+2500V 式5 VF=+2000V 式6 Cg=35pF 式7 Cd=220pF 式8 Ce=100pF 式9
【0038】まず、ランプ印加電圧がVAである状態を
考える。この状態は、放電直後の状態であるから、放電
プラズマ空間(3)の放電プラズマ空間の静電容量Cg
に蓄積されていた電荷は、放電により短絡されて、ほと
んど全て中和され、放電プラズマ空間の静電容量Cgの
電圧は0Vと近似してよい。この状態における、誘電体
の静電容量Cdの蓄積電荷QdA、放電プラズマ空間の静
電容量Cgの蓄積電荷QgA、浮遊静電容量Ceの蓄積電荷
QeAは、それぞれ次のようになる。 QdA=Cd・VA 式10 QgA=0 式11 QeA=Ce・VA 式12
【0039】次に、ランプ印加電圧が、VAからVBに変
化した場合を考える。このとき、誘電体の静電容量Cd
と放電プラズマ空間の静電容量Cgの直列合成部分に流
れ込む電荷ΔQLAB、浮遊静電容量Ceに流れ込む電荷Δ
QsABは次のようになる。 ΔQLAB=(Cd・Cg/(Cd+Cg))(VB−VA) 式13 ΔQsAB=Ce(VB−VA) 式14 したがって、ランプ印加電圧の変化過程で給電装置から
流れ出す電荷ΔQABは、れらを合わせた、 ΔQAB=(Cd・Cg/(Cd+Cg)+Ce)(VB−VA) 式15 によって求められる。なお、このときの誘電体の静電容
量Cdの電圧VdBは、次式、VdB=(QdA+ΔQLAB)/Cd
に式10、式13を適用すれば VdB=(Cd・VB−Cg・VA)/(Cd+Cg) 式16 と計算される。
【0040】ここで、放電が生じると、前記のように、
放電プラズマ空間(3)の放電プラズマ空間の静電容量
Cgに蓄積されていた電荷は、放電により短絡されて、
ほとんど全て中和され、放電プラズマ空間の静電容量C
gの電圧は0Vと近似してよいから、ランプ印加電圧VB
は、誘電体の静電容量Cdに全て印加されるようにな
る。放電前の誘電体の静電容量Cdの電圧は、VdBであ
ったから、放電過程で給電装置から流れ出す電荷ΔQD
は、これらの差に基づいて、次式、ΔQD=Cd(VB+V
dB)から求めればよく、これに式16を適用すれば、 ΔQD=(Cd2/(Cd+Cg))(VB−VA) 式17 と計算される。
【0041】以上の結果を、図3のランプ印加電圧波形
に適用する。図3のランプ印加電圧の波形の場合、負側
ランプ電圧VAから正側ランプ電圧VBまでの期間の遷移
は急峻であるため、給電装置は、放電開始時刻(τ)近
辺の、短い時間Δtの期間に、式15のΔQABと式17
のΔQDとを合わせた電荷ΔQ1、 ΔQ1=ΔQAB+ΔQD すなわち、ΔQ1=(Cd+Ce)(VB−VA) 式18 を全て出力しなければならない。この間の給電装置が出
力する平均電流値Im1は、ΔQ1をΔtで除して、 Im1=ΔQ1/Δt 式19 により求められる。これに前記式4〜式9の実例値を適
用し、また、過渡時間Δtとして、概ね、 Δt=1μs 式20 とし、また、尖頭電流値を平均電流値の2倍程度と見れ
ば、図3のランプ印加電圧の波形の場合の、給電装置の
尖頭電流値Ip1は、 Ip1=2Im1=3.2A 式21 となる。
【0042】次に、同様の計算を、図4のランプ印加電
圧波形に適用してみる。図4のランプ印加電圧の波形の
場合、負側ランプ電圧VAからランプ電圧の急峻変化の
開始値VFまでの期間の遷移は緩慢である。この期間の
ランプ印加電圧変化過程で給電装置から流れ出す電荷Δ
QAFは、式15の記号VBをVFに置き換えればよく、 ΔQAF=(C・Cg/(Cd+Cg)+Ce)(VF−VA)式22 である。一方、ランプ電圧の急峻変化の開始値VFから
正側ランプ電圧VBまでの期間の遷移は急峻であり、ま
た、放電が生じる。この期間のランプ印加電圧変化過程
で給電装置から流れ出す電荷ΔQFBは、式15のΔQAB
と式22のΔQAFの差、すなわち、 ΔQFB=(Cd・Cg/(Cd+Cg)+Ce)(VB−VF) 式23 で求められ、また、放電過程で給電装置から流れ出す電
荷ΔQDは式17のものと同じであるから、放電開始時
刻(τ)近辺の、短い時間Δtの期間に、給電装置が出
力しなければならない電荷は、式23のΔQFBと式17
のΔQDとを合わせた電荷ΔQ2、ΔQ2=ΔQFB+ΔQD すなわち、ΔQ2=(Cd・Cg/(Cd+Cg)+Ce)(VB−VF)+(Cd2/(Cd+Cg))( VB−VA) 式24 となる。図3の場合と同様に、この間の給電装置が出力
する平均電流値Im2は、ΔQ2をΔtで除して、 Im2=ΔQ2/Δt 式25 により求められる。また同様に、これに前記式4〜式9
の実例値を適用し、また、過渡時間Δtとして、式20
と同じ値を適用し、同じく尖頭電流値を平均電流値の2
倍程度と見れば、図4のランプ印加電圧波形の場合の、
給電装置の尖頭電流値Ip2は、Ip2=2Im2=2.0A
式26となる。
【0043】式26と式21とを比較することにより、
図3のランプ印加電圧の波形の場合の尖頭電流値Ip1に
比べ、図4のランプ印加電圧波形の場合の尖頭電流値Ip
2は、63%程度に低減されていることがわかる。図4
のランプ印加電圧波形の場合における、この尖頭電流値
の低減効果は、VAからVFまで、ランプ印加電圧が緩慢
に変化している期間中、微小充電電流Iwが長い時間にわ
たって流れることにより、放電時の急峻な電荷移動のう
ちのある割合を予め実行しておいた結果として生じてい
る。当然、この尖頭電流値の低減効果は、前記式4〜式
9の値が変われば変化するものである。
【0044】結果として、前記した、インバータ回路用
のスイッチング素子の尖頭電流値に関して、これの低
減、したがって前記第2の問題の解決に効果があること
がわかる。
【0045】また、ランプ電圧の急峻変化の開始値(V
F)は上昇時の放電開始電圧(+Ei)より低い値である
ため、前記したような、ランプ印加電圧の変化速度につ
いて、放電開始直前から、放電開始後の尖頭電圧値に達
するまでの期間において、エキシマ発光の効率低下を来
さないために必要な急峻さを持たせることができるた
め、前記第1の問題の解決に効果があることがわかる。
【0046】なお、式4〜式6を式1〜式3に適用する
と、 ΔVy/ΔVx=0.9 式27 となる。ランプ電圧の急峻変化の開始値(VF)につい
ては、これと正側ランプ電圧(VB)との間に上昇時の
放電開始電圧(+Ei)が位置するように設定されなけ
ればならない。式27のΔVy/ΔVxの場合は、ランプ
印加電圧の波形の全振幅の10%の範囲のなかに放電開
始電圧を位置させなければならないため、給電装置の安
定度があまり良くない光源装置においては、採用できに
くい場合があり得る。このような場合は、ΔVy/ΔVx
を0.8以下、安定度の悪さによっては0.7以下とする
方がよい。
【0047】ΔVy/ΔVxが大きいほど、尖頭電流値の
低減効果は大きい。前記式4〜式9の実例値のうち、式
6を次の値、VF=−1000V 式28とした場合
は、ΔVy/ΔVxの値0.3に相当し、同様の計算によ
り、この場合の尖頭電流値Ip2は、Ip2=2.8A 式
29と見積もられ、図3のランプ印加電圧波形の場合の
尖頭電流値Ip1に比べ、約88%への尖頭電流値の低減
となる。したがって、ΔVy/ΔVxの値としては望まし
くは0.4以上、低減効果を顕著にしたい場合は0.5以
上が有利である。因みに、ΔVy/ΔVxの値0.5に相当
する、 VF=0V 式30 とした場合は、尖頭電流値Ip2は、Ip2=2.6A 式
31すなわち、図3のランプ印加電圧波形の場合の尖頭
電流値Ip1に比べ、約81%への尖頭電流値の低減とな
る。
【0048】ランプ電圧の急峻変化の開始値(VF)を
過ぎた後の、ランプ印加電圧波形(Vs(t))立上りま
たは立下りの急峻さについては、前記したように、ラン
プ印加電圧の変化速度について、放電開始直前から、放
電開始後の尖頭電圧値に達するまでの期間において、エ
キシマ発光の効率低下を来さないために必要な急峻さで
あればよいが、具体的には、ランプ電圧の急峻変化の開
始値(VF)から尖頭電圧値に至る時間に換算して、1
0nsから1μsの範囲にあれば、通常は十分に効率的
である。
【0049】一方、ランプ電圧の急峻変化の開始値(V
F)に至るまでの、ランプ印加電圧の波形(Vs(t))立
上りまたは立下りの緩慢さについては、この期間の給電
装置の出力電流が、給電装置の電流出力能力に比して有
意に小さければよい。前記式22のΔQAFは、ランプ印
加電圧が負側ランプ電圧(VA)からランプ電圧の急峻
変化の開始値(VF)まで変化する期間に、給電装置が
出力する電荷であるから、この期間の出力電流を見積る
場合は、ΔQAFをこの期間の時間長さで除すればよい。
ランプ印加電圧波形(Vs(t))が、極性反転に関して
対称な波形の場合、ランプ印加電圧波形の周期Tと、1
周期のなかの緩慢変化する期間の占める割合αが与えら
れれば、ランプ印加電圧が負側ランプ電圧(VA)から
ランプ電圧の急峻変化の開始値(VF)まで緩慢変化す
る期間の平均電流iAFは、次式、 iAF=2ΔQAF/(αT) 式32 で求められる。なお、式32の右辺において、係数2が
乗じられているのは、現象が半周期毎に生じることによ
る。例えば、前記式4〜式9に記載の実例において、図
4のランプ印加電圧波形の周期T、1周期のなかの緩慢
変化する期間の占める割合αを 、T=20μs(50kHz) 式33 α=50% 式34 と仮定すれば、緩慢変化する期間の平均電流iAFは、次
のように見積もられる。 iAF=0.12A 式35 この値は、式26の尖頭電流値Ip2に比して、6%に過
ぎず、十分に小さい。式32より、緩慢変化する期間の
平均電流iAFは1周期のなかの緩慢変化する期間の占め
る割合(α)に反比例するから、αがこの場合の5分の
1程度の10%であっても、なおかつ十分実用的である
ことがわかる。逆にαがこの場合より大きく、例えば9
0%になれば、緩慢変化する期間の平均電流iAFはさら
に小さくなるから、より有利である。したがって、1周
期のなかの緩慢変化する期間の占める割合(α)につい
ては、概ね、10%から90%の範囲の任意の値を採用
すればよい。
【0050】前記浮遊静電容量Ceに関しては、通常
は、不要な尖頭電流を生成する要素として、極力これの
発生を防止するように工夫が行われるが、完全に除去す
ることは不可能である。しかし、本発明に従えば、尖頭
電流値の低減効果があるため、前記浮遊静電容量発生防
止のための努力は不要となる。ところで、前記式17に
関連する説明において述べたように、給電装置からは、
放電開始に伴う放電プラズマ空間の静電容量Cgの急激
な電圧低下を補う電流が流れ出すが、この電流は、前記
した、誘電体バリア放電ランプの全壁面において均一に
放電を生じせしめる余裕を持たせた、実用的な光源装置
とするために、前記最小エネルギーの放電の条件よりも
ランプ投入エネルギーを追加的に高くするための成分に
相当するものであり、これについては、前記したよう
に、放電プラズマ空間が形成するコンデンサ(Cg)に
充電された電荷が全て放電するタイミングに近接して、
望ましくは重畳して行われる必要がある。浮遊静電容量
は、このランプ投入エネルギーを追加的に高くするため
の電流供給の一部を担うことが可能であり、しかも、浮
遊静電容量からランプへの電流供給は、昇圧トランス等
を介する必要がないため、前記した望ましい重畳のタイ
ミングにて行われる。したがって、本発明においては、
前記浮遊静電容量Ceの存在を積極的に活用することが
できる大きな利点がある。この考えをさらに推し進め
て、コンデンサを誘電体バリア放電ランプ(2)に並列
に追加することで、より優れた誘電体バリア放電ランプ
光源装置とすることができる。追するコンデンサの静電
容量としては、前記式8に現れた、その誘電体バリア放
電ランプの誘電体の静電容量Cdの程度以下が望まし
い。なお、前記式17の表現のなかに浮遊静電容量Ce
が含まれないのは、放電時に浮遊静電容量からランプに
供給される電荷は、最終的に給電装置から浮遊静電容量
に対して補われるからである。
【0051】これまでは、主として、ランプ印加電圧が
負側ランプ電圧(VA)から正側ランプ電圧(VB)に変
化する場合の現象、効果について、上昇時の放電開始電
圧(+Ei)とランプ電圧の急峻変化の開始値(VF)と
関連させて説明した。当然ながら、ランプ印加電圧が正
側ランプ電圧(VB)から負側ランプ電圧(VA)に変化
する場合についても、電圧、電流の極性を逆にして、全
く同様の議論が成り立つ。
【0052】ここで、放電開始電圧について簡単に補足
する。有効放電開始電圧が上昇時の放電開始電圧(+E
i)のとき、ランプ印加電圧が低い値から上昇してこれ
を過ぎると、放電が開始し、やがて終了するが、放電終
了時点では、上昇時の放電開始電圧(+Ei)は消滅
し、有効放電開始電圧は、下降時の放電開始電圧(−E
i)に置き換わる。逆に有効放電開始電圧が下降時の放
電開始電圧(−Ei)のとき、ランプ印加電圧が高い値
から下降してこれを過ぎると、放電が開始し、やがて終
了するが、放電終了時点では、下降時の放電開始電圧
(−Ei)は消滅し、有効放電開始電圧は、上昇時の放
電開始電圧(+Ei)に置き換わる。なお、放電の条件
によっては、下降時の放電開始電圧が正、上昇時の放電
開始電圧が負となる場合もあり得る。また、ランプ印加
電圧波形(Vs(t))が、極性反転に関して非対称な波
形の場合、通常は、下降時の放電開始電圧と上昇時の放
電開始電圧の絶対値は等しくなくなる。
【0053】因みに、ここでの近似解析においては、現
象の順序として、ランプ印加電圧をVBに変化させた後
で、放電過程で給電装置から流れ出す電荷を見積もった
が、実際には、ランプ印加電圧が図3、図4に記載の、
上昇時の放電開始電圧(+Ei)に達した時点で放電が
開始するはずである。しかしこれについては、放電が開
始する直前の初期状態と、放電が終了してランプ印加電
圧がVBに達した終状態について、これらが短い時間Δ
tで隔てられていることを仮定し、初期状態と終状態に
ついての状態の変化によって、その期間内に生じた現象
を、包括的に理解するための、解析上のテクニックであ
り、細かなタイミングの相違に関しては重要ではないこ
とを付け加えておく。
【0054】次に、本発明の請求項3の発明の実施の形
態について、図5を用いて説明する。
【0055】FET等を利用したスイッチ素子を利用し
て構成され、昇圧機能を有するチョッパ回路(26)に
よって、DC電圧源(12)のDC電圧(Vi)は、そ
れよりも高いDC電圧(Vj)に変換される。前記チョ
ッパ回路出力電圧(Vj)は、インバータ回路(13)
に供給される。FET等を利用したスイッチ素子を使用
して構成される前記インバータ回路(13)は、前記チ
ョッパ回路出力電圧(Vj)を交流(31)に変換して
昇圧トランス(10)の1次側に供給することにより、
前記昇圧トランス(10)の2次側には、交流高電圧の
出力(Vs)が発生する。そして、この出力(Vs)は、
前記誘電体バリア放電ランプ(2)の点灯のために供さ
れる。ここで、インバータゲート信号発生回路(29)
は、ゲート信号(GU,GL)を生成し、交流(31)が
所期の周波数とデューティサイクル比を有するものとな
るように、前記インバータ回路(13)のスイッチ素子
を制御する。また、チョッパゲート信号発生回路(3
0)は、ゲート信号(Gc)を生成し、前記インバータ
回路(13)に供給するDC電圧(Vj)を制御する。
【0056】ここで、本発明の誘電体バリア放電ランプ
光源装置用給電装置のチョッパ回路(26)の働きにつ
いて述べる。誘電体バリア放電ランプのランプ印加電圧
は、式4、式5の例に示したように、高い電圧であるた
め、昇圧トランス(10)が必要になる。昇圧トランス
(10)の昇圧比を大きく設定することにより、その2
次側出力(Vs)をいくらでも大きくすることは可能の
ようであるが、実際には、このようにすると、昇圧トラ
ンス(10)の1次2次間漏洩インダクタンス値が大き
くなるため、前記したような、ランプ印加電圧の変化速
度について、放電開始直前から、放電開始後の尖頭電圧
値に達するまでの期間において、エキシマ発光の効率低
下を来さないために必要な急峻さを持たせることができ
なくなってしまう。この急峻さの観点からは、昇圧トラ
ンス(10)の昇圧比は小さいほど有利であるし、やむ
を得ず大きくする場合でも限度があることがわかる。D
C電圧源(12)の電圧値は、本誘電体バリア放電ラン
プ光源装置用給電装置の設置される場所の環境により変
化する。例えば、DC電圧源(12)が外部より本誘電
体バリア放電ランプ光源装置用給電装置に供給される場
合は、DC電圧源(12)の電圧値として24Vや±1
5Vが供給される場合が多い。また、AC100Vが供
給され、これを本誘電体バリア放電ランプ光源装置用給
電装置内で整流してDC140Vや、倍圧整流してDC
280Vに変換する場合もあるが、何れにしても、昇圧
トランス(10)の昇圧比は大きくなってしまう。前記
急峻さの観点に沿って、昇圧トランス(10)の昇圧比
が、過大でない適当な値に抑制された状態であっても、
チョッパ回路(26)は、その昇圧能力が昇圧トランス
(10)の昇圧比の不足分を補うように設定されること
により、所期の2次側出力(Vs)の電圧値を得ること
を可能にする。
【0057】チョッパ回路(26)の昇圧能力は、その
スイッチ素子に供給される、ゲート信号(Gc)のパル
ス幅によって決まる。あるいは、ゲート信号(Gc)の
周波数を決めれば、そのデューティサイクル比によって
チョッパ回路(26)の昇圧能力が決まる。
【0058】一般の回路応用においては、インバータ回
路の前段にチョッパ回路を設置する場合は、チョッパ回
路の周波数は、インバータ回路の周波数よりも十分大き
くすることが多い。その理由は、チョッパ回路とは、そ
の負荷、すなわちインバータ回路への電荷の流出に伴う
平滑コンデンサの電圧低下を、チョッパ回路の高頻度の
充電により補うことにより、平滑コンデンサの電圧を、
近似的にDC電圧に見えるように制御するもので、チョ
ッパ回路の周波数が高いほど、リップルが減少し、DC
電圧と見なすときの精度が向上するからである。そし
て、一般のインバータ回路の場合は、平滑コンデンサの
電圧のチョッパ回路リップル大きく、DC電圧と見なす
ときの精度が悪ければ、それがそのままインバータ回路
の後段に現れ、供給電力の変動等の悪影響を及ぼす結果
となるからである。
【0059】したがって、このような場合、ゲート信号
発生回路は、周波数の異なる、チョッパ回路用のもの
と、インバータ回路用のものとを独立にそれぞれ設置し
なければならず、どうしてもコスト高になってしまう問
題がある。
【0060】しかし、最終負荷が誘電体バリア放電ラン
プの場合は、前記のように、1回の放電終了後から次の
放電開始までの期間においてのランプ印加電圧波形につ
いては、その形状に対する制約は何も無いため、チョッ
パ回路リップルを減少させる必要性は無い。
【0061】ただし、前記のように、ランプ印加電圧の
変化速度について、放電開始直前から、放電開始後の尖
頭電圧値に達するまでの期間において、エキシマ発光の
効率低下を来さないために必要な急峻さが求められ、ま
た、尖頭電圧値の大きさが1回の放電のランプ投入エネ
ルギーに直接関連するため、放電開始直前から、放電開
始後の尖頭電圧値に達するまでの期間におけるランプ印
加電圧波形の繰り返し再現性が、動作の安定のために必
要である。
【0062】したがって、チョッパ回路リップルを減少
させない場合には、チョッパ回路とインバータ回路のゲ
ート駆動を同期させて生成することが必要かつ十分であ
ることがわかる。このように、誘電体バリア放電ランプ
の、負荷としての特殊性を巧妙に利用できることは、本
発明の優れている点の一つである。
【0063】図5においては、前記インバータ回路(1
3)の動作周波数を決めるための1個の発振回路(2
7)があり、前記発振回路(27)よりの発振信号(2
8)は、前記インバータゲート信号発生回路(29)に
入力される。前記インバータゲート信号発生回路(2
9)が出力する前記ゲート信号(GU,GL)は、前記イ
ンバータ回路(13)に入力されるとともに、前記チョ
ッパゲート信号発生回路(30)に対しても入力され
る。前記チョッパゲート信号発生回路(30)は、前記
インバータ回路用ゲート信号(GU,GL)に基づいて動
作することによって前記チョッパ回路用ゲート信号(G
c)を生成する。このような構成により、前記チョッパ
回路(26)の前記スイッチ素子を制御するための前記
チョッパ回路用ゲート信号(Gc)は、前記インバータ
回路用ゲート信号(GU,GL)に対して確実に同期して
生成される。
【0064】あるいは、前記インバータ回路用ゲート信
号(GU,GL)が前記チョッパゲート信号発生回路(3
0)に対して入力される代わりに、前記発振回路(2
7)よりの前記発振信号(28)が前記チョッパゲート
信号発生回路(30)に対して入力されるようにし、前
記チョッパゲート信号発生回路(30)は、前記発振信
号(28)に基づいて動作することによって前記チョッ
パ回路用ゲート信号(Gc)を生成するものとしても、
前記チョッパ回路(26)の前記スイッチ素子を制御す
るための前記チョッパ回路用ゲート信号(Gc)は、前
記インバータ回路用ゲート信号(GU,GL)に対して確
実に同期して生成される。
【0065】したがって、前記図5に記載の構造を有す
る本発明の誘電体バリア放電ランプ光源装置用給電装置
は、インバータ回路(13)の前段にチョッパ回路(2
6)を設置したことによって、前記したような、ランプ
印加電圧の変化速度について、放電開始直前から、放電
開始後の尖頭電圧値に達するまでの期間において、エキ
シマ発光の効率低下を来さないために必要な急峻さの観
点に沿って、昇圧トランス(10)の昇圧比が、過大で
ない適当な値に抑制された状態であっても、チョッパ回
路(26)は、その昇圧能力が昇圧トランス(10)の
昇圧比の不足分を補うように設定されることにより、所
期の2次側出力(Vs)の電圧値を得ることが容易に実
現可能であるため、前記第1の問題の解決に効果がある
ことがわかる。
【0066】また、1個の発振回路(27)のみで構成
できるため、前記第2の問題の解決に効果があり、しか
も、前記チョッパ回路(26)の前記スイッチ素子を制
御するための前記チョッパ回路用ゲート信号(Gc)
は、前記インバータ回路用ゲート信号(GU,GL)に対
して確実に同期して生成されるようにしたことによっ
て、尖頭電圧値の大きさが1回の放電のランプ投入エネ
ルギーに直接関連するため、放電開始直前から、放電開
始後の尖頭電圧値に達するまでの期間におけるランプ印
加電圧波形の繰り返し再現性が、動作の安定のために必
要である条件をも満足することがわかる。
【0067】次に、本発明の請求項4の発明の実施の形
態について説明する。この発明の実施の形態は、前記図
5に記載の給電装置によって、前記図4に記載のランプ
印加電圧波形(Vs(t))を生成せしめ、誘電体バリア
放電ランプ(2)を点灯するものである。したがって、
この誘電体バリア放電ランプ光源装置は、本発明の請求
項1に記載の誘電体バリア放電ランプ光源装置が示す優
れた効果と、本発明の請求項3に記載の誘電体バリア放
電ランプ光源装置用給電装置が示す優れた効果とを併せ
持っていることがわかる。
【0068】すなわち、ランプ印加電圧の急峻な立上り
を実現できるように、昇圧トランス(10)の昇圧比
が、過大でない適当な値に抑制された状態であっても、
チョッパ回路(26)は、その昇圧能力が昇圧トランス
(10)の昇圧比の不足分を補うように設定されること
により、所期の2次側出力(Vs)の電圧値を得ること
が実現可能であり、このとき、ランプ電圧の急峻変化の
開始値(VF)は上昇時の放電開始電圧(+Ei)より低
い値に設定することができ、前記したような、ランプ印
加電圧の変化速度について、放電開始直前から、放電開
始後の尖頭電圧値に達するまでの期間において、エキシ
マ発光の効率低下を来さないために必要な急峻さを持た
せることができるため、前記第1の問題の解決に効果が
ある。
【0069】また、ランプ印加電圧波形(Vs(t))
が、負側ランプ電圧(VA)から正側ランプ電圧(VB)
まで変化するに際し、上昇時の放電開始電圧(+Ei)
より低い値を有する、ランプ電圧の急峻変化の開始値
(VF)に至るまでの部分(A1)において緩慢に変化
するように設定することにより、前記したような、ラン
プ印加電圧が緩慢に変化している期間中、微小充電電流
が長い時間にわたって流れることにより、放電時の急峻
な電荷移動のうちのある割合を予め実行され、さらに、
結果として、前記した、インバータ回路用のスイッチン
グ素子の尖頭電流値に関して、これの低減が可能で、1
個の発振回路(27)のみで構成できるため、前記第2
の問題の解決に効果があり、しかも、前記チョッパ回路
(26)の前記スイッチ素子を制御するための前記チョ
ッパ回路用ゲート信号(Gc)は、前記インバータ回路
用ゲート信号(GU,GL)に対して確実に同期して生成
されるようにしたことによって、尖頭電圧値の大きさが
1回の放電のランプ投入エネルギーに直接関連するた
め、放電開始直前から、放電開始後の尖頭電圧値に達す
るまでの期間におけるランプ印加電圧波形の繰り返し再
現性が、動作の安定のために必要である条件をも満足す
ることがわかる。
【0070】
【実施例】以下において、前記第1の問題、すなわち、
消費電力の低減、ランプの発熱の低減、ランプの長寿命
化に対する強い要望に応えるために、ランプの発光効率
を改善しなければならない問題、および、前記第2の問
題すなわち、優れた紫外線応用の普及のためにより経済
性が求められる問題とが解決された、本発明の誘電体バ
リア放電ランプ光源装置およびその給電装置の実施例に
ついて説明する。
【0071】図7は、本発明の請求項1に基づく誘電体
バリア放電ランプ光源装置のための給電装置(1)とし
て利用可能な、ハーフブリッジ方式と呼ばれるインバー
タ回路を利用した回路の、簡略化された回路図である。
インバータ回路は、FET等によるスイッチ素子(1
4,15)から構成され、DC電圧源(12)の電力
が、交流に変換されて、昇圧トランス(10)の1次側
に印加される。昇圧トランス(10)は、これを交流の
高電圧に変換し、これが誘電体バリア放電ランプ(2)
に印加される。インバータ回路の各スイッチ素子(1
4,15)には、インバータゲート駆動回路(16,1
7)が接続され、ゲート信号(GU,GL)に従って、各
スイッチ素子(14,15)のオンまたはオフが制御さ
れる。
【0072】ゲート信号(GU,GL)の様子と、ランプ
印加電圧波形(Vs(t))の関係の概略を図6に示す。
図6においては、ゲート信号(GU,GL)がローレベル
であるときは、それが接続されているスイッチ素子(1
4,15)がオフになり、ゲート信号(GU,GL)がハイ
レベルであるときは、それが接続されているスイッチ素
子(14,15)がオンになることを想定して記載して
いる。この実施例の特徴は、ゲート信号GUとゲート信
号GLの両方のゲート信号がローレベルである期間(To
ff)を意図的に導入することにより、ランプ印加電圧波
形(Vs(t))が緩慢に変化する部分(B1)を生成す
ることである。
【0073】両方のゲート信号がローレベルである期間
(Toff)の導入により、ランプ印加電圧波形の緩慢変
化部分(B1)が生ずる理由を以下において説明する。
前記のように、誘電体バリア放電ランプは、誘電体
(6,7)がコンデンサの働きをすることによって電流
が流れる構造を有し、基本的に全体としてコンデンサで
ある。すなわち、両方のゲート信号がローレベルである
期間(Toff)においては、既に誘電体バリア放電ラン
プは非放電状態であるため、図2の放電スイッチ(SW
g)は開いており、誘電体バリア放電ランプ(2)全体
としては、誘電体の静電容量Cdと放電プラズマ空間の
静電容量Cgの直列合成、そしてこれと浮遊静電容量Ce
の並列合成による1個の静電容量、 Coff=CdCg/(Cd+Cg)+Ce 式36 を有する純コンデンサと等価である。そして、両方のゲ
ート信号がローレベルである期間(Toff)に入って暫
くすると、昇圧トランス(10)の1次側は開放状態と
なる。このため、昇圧トランス2次側インダクタンスL
sと前記非放電時ランプ静電容量Coffとは、自由なLC
共振状態となり、共振による正弦波振動の一部として、
ランプ印加電圧波形の緩慢変化部分(B1)が生じるの
である。因みに、ランプ印加電圧波形の周期Tに対する
両方のゲート信号がローレベルである期間Toffの割
合、すなわちToff/Tは、概ね前記1周期のなかの緩慢
変化する期間の占める割合(α)に等しいことがわか
る。
【0074】したがって、前記式1、式2によって計算
されるΔVy/ΔVxが所期の値となるように、昇圧トラ
ンス2次側インダクタンスLs、非放電時ランプ静電容
量Coff、ランプ印加電圧波形の周期(T)、両方のゲ
ート信号がローレベルである期間(Toff)のそれぞれ
のパラメータの値を整合させて、光源装置を構成する必
要がある。
【0075】これらのパラメータのうち、非放電時ラン
プ静電容量Coffは、ランプの構造によりほとんど決ま
ってしまう。ランプ印加電圧波形の周期(T)について
は、ランプ投入電力に直接的に相関する量であること、
およびコア損失の観点から、調整範囲はあまり広くな
い。昇圧トランス2次側インダクタンスLsについて
は、コア損失の観点からの値の限界があるものの、調整
の自由度が比較的大きい。両方のゲート信号がローレベ
ルである期間(Toff)については、設定可能範囲が広
く、その理由は、先に、1周期のなかの緩慢変化する期
間の占める割合(α)に関するところで述べた通りであ
る。したがって、ΔVy/ΔVxの所期の値の達成のため
には、主として昇圧トランス2次側インダクタンスLs
と両方のゲート信号がローレベルである期間(Toff)
の値の組合せにより実現させることになる。なお、両方
のゲート信号がローレベルである期間(Toff)の値の
設定については、可変調整や、フィードバック的に自動
調整できるように給電装置を構成することも容易であ
る。
【0076】因みに、一般的には、図7のようなインバ
ータ回路においては、ゲート信号のデューティサイクル
比を増減、すなわちパルス幅変調(PWM)することに
より、負荷への電力制御を行う技術が知られているが、
前記のように、誘電体バリア放電ランプは、誘電体
(6,7)がコンデンサの働きをすることによって電流
が流れる構造を有し、基本的に全体としてコンデンサで
あるため、ランプ印加電圧の立上りまたは立下りの瞬間
にのみインパルス的な電流が流れるものであるため、こ
の方法によっては、誘電体バリア放電ランプの電力制御
はできない。前記のように、両方のゲート信号がローレ
ベルである期間(Toff)の値の設定の自由度を巧妙に
利用できることは、本発明の優れている点の一つであ
る。
【0077】なお、ランプ印加電圧波形(Vs(t))が
急峻に変化する部分(B2)に続く、放電が発生してい
る期間とその近傍部分(B3)の波形については、非常
に複雑である。この部分では、昇圧トランス(10)1
次側は、スイッチ素子(14,15)により、低いイン
ピーダンスにてDC電圧源(12)に接続されているた
め、昇圧トランス(10)の1次2次間漏洩インダクタ
ンス値と誘電体バリア放電ランプの静電容量とによるL
C共振状態となるが、一般に、昇圧トランス(10)の
1次2次間漏洩インダクタンス値は小さくなるように設
計されるため、共振周波数が高い上に、放電が開始して
それが終了するまでの期間は、放電スイッチ(SWg)
が閉じた状態であるため、誘電体バリア放電ランプの静
電容量は、前記式36とは異なる値であり、しかも、放
電抵抗(Rg)の値がこの期間中において変化すること
による複雑さがある。また、放電スイッチ(SWg)が
閉じることによる放電プラズマ空間(3)の急激な電圧
の低下と、これに伴う、昇圧トランス(10)からの電
流の流れ出しに関する挙動が複雑である。このとき、こ
の波形部分ににおいては、複雑なリンギング波形が生ず
る場合がある。そのため、図6のランプ印加電圧波形の
放電発生部分(B3)については、詳細にとらわれず
に、概念的に描かれたものである。
【0078】なお、前記リンギング波形が生ずる場合に
ついて、リンギングが収束する電圧より絶対値の大きい
尖頭電圧については、前記ΔVy/ΔVxの値を評価する
際には無視してよい。何となれば、リンギングは、トラ
ンスのような誘導成分と、誘電体バリア放電ランプのよ
うな容量成分とを含む回路における急峻な遷移過程にお
いては、不可避の現象であるが、本発明の趣旨は、この
ような放電それ自体に伴う不可避の尖頭電流を低減する
ことが目的ではなく、ランプ印加電圧が緩慢に変化して
いる期間中、微小充電電流が長い時間にわたって流れる
ことにより、放電時の急峻な電荷移動のうちのある割合
を予め実行しておくことにより、不可避でない尖頭電流
成分の低減を効果的に行うものだからである。したがっ
て、放電終了時の前記電圧VAおよびVBは、単に前記リ
ンギングが収束する電圧を考えればよい。
【0079】図8は、本発明の請求項1に基づく誘電体
バリア放電ランプ光源装置のための給電装置(1)とし
て利用可能な、プッシュプル方式と呼ばれるインバータ
回路を利用した回路の、簡略化された回路図である。こ
の構成においては、ゲート信号(GU,GL)として、前
記図6に記載のものと同様式のゲート信号(GU,GL)
を適用することができる。
【0080】図9は、本発明の請求項1に基づく誘電体
バリア放電ランプ光源装置のための給電装置(1)とし
て利用可能な、フルブリッジ方式と呼ばれるインバータ
回路を利用した回路の、簡略化された回路図である。こ
の構成においては、インバータ回路の各スイッチ素子
(18,19,20,21)には、インバータゲート駆動
回路(22,23,24,25)が接続され、ゲート信号
(GU1,GL1,GU2,GL2)に従って、各スイッチ素子
(18,19,20,21)のオンまたはオフが制御され
る。ゲート信号(GU1,GL1,GU2,GL2)として、前記
図6に記載のものと同様式のゲート信号(GU,GL)を
適用することができる。ただし、右上と左下のゲート信
号の組(GU1,GU2)には、図6のゲート信号GUを、左
上と右下のゲート信号の組(GL1,GL2)には、図6の
ゲート信号GLを適用すればよい。より一般的には、右
上と左下のゲート信号の組(GU1,GU2)の同時にハイ
レベルとなっている期間がゲート信号GUのように、左
上と右下のゲート信号の組(GL1,GL2)の同時にハイ
レベルとなっている期間がゲート信号GLのようになる
ように制御すればよい。
【0081】図7、図9、図8の何れの実施例において
も、ランプ印加電圧波形(Vs(t))が、負側ランプ電
圧(VA)から正側ランプ電圧(VB)まで変化するに際
し、上昇時の放電開始電圧(+Ei)より低い値を有す
る、ランプ電圧の急峻変化の開始値(VF)に至るまで
の部分(A1)において緩慢に変化するように設定する
ことにより、前記したような、ランプ印加電圧が緩慢に
変化している期間中、微小充電電流が長い時間にわたっ
て流れることにより、放電時の急峻な電荷移動のうちの
ある割合を予め実行され、結果として、前記した、イン
バータ回路用のスイッチング素子の尖頭電流値に関し
て、これの低減、したがって前記第2の問題の解決に効
果がある。また、ランプ電圧の急峻変化の開始値(V
F)は上昇時の放電開始電圧(+Ei)より低い値に設定
することにより、前記したような、ランプ印加電圧の変
化速度について、放電開始直前から、放電開始後の尖頭
電圧値に達するまでの期間において、エキシマ発光の効
率低下を来さないために必要な急峻さを持たせることが
できるため、前記第1の問題の解決に効果がある。
【0082】なお、図7、図9、図8において、それぞ
れの方式のインバータ回路について記載したが、スイッ
チ素子が1個のものなど、他のインバータ方式のもので
もよい。
【0083】図10は、本発明の請求項3に基づく誘電
体バリア放電ランプ光源装置用給電装置の簡略化された
回路図の一例である。
【0084】図10においては、DC電圧(Vi)のD
C電圧源は外部より供給されるものとしている。DC電
圧源にはコンデンサ(32)が装荷された上で、チョー
クコイル(33)を介してFET等を利用したスイッチ
素子(34)に接続される。スイッチ素子(34)がオ
ン状態からオフ状態に遷移したときに、チョークコイル
(33)に発生する誘導電圧は、昇圧されたDC電圧
(Vj)としてダイオード(35)を介して平滑コンデ
ンサ(36)に蓄えられる。因みに、前記チョークコイ
ル(33)、スイッチ素子(34)、ダイオード(3
5)そして平滑コンデンサ(36)よりなるチョッパ回
路は、昇圧型チョッパ回路と呼ばれる。チョッパ回路用
スイッチ素子(34)には、コンデンサ(37)と抵抗
(38)等よりなる、サージ吸収用のスナバ回路を設け
る場合がある。
【0085】図10においては、FET等を利用したス
イッチ素子(14,15)、昇圧トランス(10)より
構成されるインバータ回路は、図8のものと同じプッシ
ュプル方式のものを記載してある。チョッパ回路出力電
圧(Vj)は前記昇圧トランス(10)の1次側の中点
タップに接続される。ここで、昇圧トランス(10)
は、前記した、ランプ印加電圧の変化速度について、放
電開始直前から、放電開始後の尖頭電圧値に達するまで
の期間において、エキシマ発光の効率低下を来さないた
めに必要な急峻さを有するものを設置する。
【0086】コンデンサ(40)、抵抗器(41)の素
子定数に従う周波数の鋸歯状波を発生する鋸歯状波発振
回路(39)の出力は、電圧比較器(42)の一方の入
力端子に入力される。前記電圧比較器(42)の他方の
入力端子には、演算増幅器(43)よりの出力信号が入
力され、前記鋸歯状波発振回路(39)の出力鋸歯状波
と前記演算増幅器(43)よりの出力信号の電圧の高低
関係に応じてデューティサイクル比が変調された矩形波
の発振信号(28)が、前記電圧比較器(42)から出
力される。
【0087】前記電圧比較器(42)からの発振信号
(28)は、フリップフロップ(44)、論理積回路
(45,46)、トランジスタ(47,48)そして抵抗
器(49,50)からなるインバータゲート信号発生回
路に入力され、これによりインバータ回路用ゲート信号
(GU,GL)が生成される。インバータ回路用ゲート信
号(GU,GL)は、それぞれ抵抗器(51,52)を介し
て、前記インバータ回路用スイッチ素子(14,15)
の制御端子、すなわちゲート端子に入力される。
【0088】一方、チョッパゲート信号発生回路は、ダ
イオード(53,54)、抵抗器(55)よりなる信号
加算器を用いて構成され、これに対し、前記インバータ
回路用ゲート信号(GU,GL)が入力されることによ
り、チョッパ回路用ゲート信号(Gc)が生成される。
なお、前記信号加算器によりチョッパ回路用ゲート信号
(Gc)を生成する方法は、インバータ回路用ゲート信
号(GU,GL)に対して同期してこれを生成方法のうち
でも、最も簡単なものの一つである。チョッパ回路用ゲ
ート信号(Gc)は、トランジスタ(56,57)よりな
るバッファ回路、コンデンサ(58)と抵抗器(59)
よりなる微分回路、抵抗器(60)を介して、前記チョ
ッパ回路用スイッチ素子(34)の制御端子、すなわち
ゲート端子に入力される。
【0089】ここで、前記トランジスタ(56,57)
よりなるバッファ回路、コンデンサ(58)と抵抗器
(59)よりなる微分回路は、前記チョッパ回路用スイ
ッチ素子(34)がオフ時損失が発生し易いために、こ
れを低減する目的で付加してあるもので、要不要に鑑み
て省略しても構わない。一方、前記インバータ回路用ス
イッチ素子(14,15)は、オフ時損失があまり発生
しないために、特段のゲート駆動回路を付加していない
が、同様に、必要に応じて、前記トランジスタ(56,
57)よりなるバッファ回路に類似のバッファ回路等を
付加することが望まれる。
【0090】前記インバータ回路用スイッチ素子(1
4,15)、チョッパ回路用ゲート信号(Gc)、チョー
クコイル(33)の電流(IL)、チョッパ回路出力電
圧(Vj)およびランプ印加電圧波形(Vs(t))の関係
を概念的に記載した図12に示し、以下、この図につい
て簡単に説明する。
【0091】図12に示すように、2つのインバータ回
路用ゲート信号(GU,GL)のうちの何れか一方がハイ
レベルのときは、チョッパ回路用ゲート信号(Gc)が
ハイレベルとなっている。このため、チョッパ回路用ゲ
ート信号(Gc)の周波数は、回路動作の周波数、すな
わち、前記インバータ回路用スイッチ素子(14,1
5)それぞれの周波数の2倍になっている。前記チョッ
パ回路用ゲート信号(Gc)がハイレベルのときは、前
記チョッパ回路用スイッチ素子(34)がオンになるこ
とにより、前記チョークコイル(33)の電流(IL)
が増加し、チョークコイル(33)には磁気エネルギー
が蓄積されてゆく。前記チョッパ回路用ゲート信号(G
c)がローレベルになると、前記チョッパ回路用スイッ
チ素子(34)がオフになって、前記チョークコイル
(33)の電流(IL)が減少することにより、チョー
クコイル(33)に蓄積された磁気エネルギーが、電気
エネルギーとして前記平滑コンデンサ(36)に充電さ
れる。
【0092】一方、インバータ回路については、2つの
インバータ回路用ゲート信号(GU,GL)のうちの何れ
か一方がハイレベルとなると、2つのインバータ回路用
スイッチ素子(14,15)のうちの対応する一方がオ
ンになり、昇圧トランス(10)2次側において、ラン
プ印加電圧波形(Vs(t))は、極性が逆転する方向に
向けて急峻に変化し、そして誘電体バリア放電ランプ
(2)において放電が発生する。前記のように、誘電体
バリア放電ランプは、誘電体(6,7)がコンデンサの
働きをすることによって電流が流れる構造を有し、基本
的に全体としてコンデンサであるため、2つのインバー
タ回路用スイッチ素子(14,15)のうちの一方がオ
ンになった直後には、スイッチ素子およびランプにパル
ス的な電流が流れるものの、放電が終了後は、ランプに
は有意な電流は流れない。
【0093】したがって、2つのインバータ回路用スイ
ッチ素子(14,15)のうち一方がオンであっても、
スイッチ素子には、昇圧トランス(10)の1次側イン
ダクタンスの大きさに依存してゆっくりと増加する電
流、いわゆる励磁電流が流れるのみで、これは、前記の
インバータ回路用スイッチ素子がオンになった直後に流
れるパルス的な電流に比して非常に小さい。つまり、前
記のインバータ回路用スイッチ素子がオンになった直後
に流れるパルス的な電流が終了後は、前記平滑コンデン
サ(36)から流し出される電荷は少ないため、前記チ
ョッパ回路出力電圧(Vj)はほぼ一定である。図12
において、2つのインバータ回路用ゲート信号(GU,G
L)のうちの何れか一方がハイレベルになったときにチ
ョッパ回路出力電圧(Vj)がステップ的に低下し、そ
の後はほぼ一定的に描かれているのは、この事情によ
る。
【0094】ハイレベルであったインバータ回路用ゲー
ト信号がローレベルに復帰すると、前記チョッパ回路出
力電圧(Vj)が上昇するのは、前記のように前記チョ
ッパ回路用スイッチ素子(34)がオフになって、前記
平滑コンデンサ(36)に充電されることによる。この
期間は、2つの前記インバータ回路用スイッチ素子(1
4,15)は、両方ともオフであるから、チョッパ回路
が平滑コンデンサ(36)に充電することによるチョッ
パ回路出力電圧(Vj)のリプル、すなわち変動は、ラ
ンプ印加電圧波形(Vs(t))には全く現れない。
【0095】以上に述べた図12の説明より明らかなよ
うに、図10の実施例においては、チョッパ回路出力電
圧(Vj)に明らかなるリプルが存在しているにもかか
わらず、また、チョッパゲート信号発生回路として、極
めて簡単なダイオード(53,54)、抵抗器(55)
よりなる信号加算器を用いているにもかかわらず、誘電
体バリア放電ランプの良好な点灯に何ら悪影響を及ぼす
ことがない。このように、誘電体バリア放電ランプの、
負荷としての特殊性を巧妙に利用できることは、本発明
の優れている点の一つである。
【0096】図10の実施例においては、ランプ投入電
力のフィードバック安定化制御機能も含まれており、以
下においてこれを簡単に説明する。
【0097】ゲート信号発生回路等やフィードバック安
定化制御等の制御回路のための電源は、ダイオード(6
1)とコンデンサ(62)により、チョッパ回路の動作
に伴う、急峻な電源ピーク電流の影響が低減される。ま
た、フィードバック安定化制御の安定動作のための基準
電圧(Vref)を得るために、基準電圧源(63)とコ
ンデンサ(64)を設置してある。可変抵抗器(6
5)、抵抗器(66)によりフィードバック安定化制御
対象としてチョッパ回路出力電圧(Vj)が検出され、
これは、ダイオード(67)、抵抗器(68)、コンデ
ンサ(69)よりなるピークホールド回路によりチョッ
パ回路出力電圧(Vj)のリプルが除去された上で、前
記演算増幅器(43)の非反転入力端子に入力される。
基準電圧源(63)の出力電圧が抵抗器(70,71)
により、分圧的に変換された信号が、前記演算増幅器
(43)の反転入力端子に入力される。演算増幅器(4
3)を誤差積分回路として動作させるためのフィードバ
ックコンデンサ(72)を、演算増幅器(43)の出力
端子と反転入力端子の間に接続する。
【0098】このようなフィードバック安定化制御のた
めの回路構成により、もし、前記演算増幅器(43)の
非反転入力端子への入力電圧が反転入力端子への入力電
圧よりも高い場合は、前記演算増幅器(43)の出力電
圧が上昇し、前記電圧比較器(42)よりの発振信号
(28)のデューティサイクル比が低下、すなわち両方
のゲート信号がローレベルである期間が増加し、チョッ
パ回路用スイッチ素子(34)がオンである期間のデュ
ーティサイクル比が低下することにより、チョッパ回路
出力電圧(Vj)が低下するし、あるいは反対に、前記
演算増幅器(43)の非反転入力端子への入力電圧が反
転入力端子への入力電圧よりも低い場合は、逆の経過を
辿って、チョッパ回路出力電圧(Vj)が上昇するた
め、チョッパ回路の出力DC電圧(Vj)が一定に制御
され、結果としてランプ投入電力が一定にフィードバッ
ク安定化制御される。また、前記可変抵抗器(65)を
調整することによりランプ投入電力を増減することがで
きる。このようなフィードバック安定化制御機能は、D
C電圧源のDC電圧(Vi)に変動がある場合に非常に
有効である。
【0099】なお、フィードバック動作に伴って、発振
信号(28)のデューティサイクル比が変動し、その結
果インバータ回路用スイッチ素子(14,15)のデュ
ーティサイクル比が変動するが、この現象は、前記のよ
うに、誘電体バリア放電ランプは、誘電体(6,7)が
コンデンサの働きをすることによって電流が流れる構造
を有し、基本的に全体としてコンデンサであるため、2
つのインバータ回路用スイッチ素子(14,15)のう
ちの一方がオンになった直後には、スイッチ素子および
ランプにパルス的な電流が流れるものの、放電が終了後
は、ランプには有意な電流は流れないことにより、この
デューティサイクル比の変動は、ランプの放電自体やラ
ンプ投入電力に関しては、何ら問題にはならない。
【0100】図10の実施例は、チョッパ回路の出力D
C電圧(Vj)を一定に制御するものであったが、図1
0の破線で囲まれた回路部分(79)を、図11の破線
で囲まれた回路部分(80)のように変更すれば、誘電
体バリア放電ランプの電流に相関する信号の一定化制御
により、ランプ投入電力をフィードバック安定化制御す
るものとすることができる。
【0101】図10においては、コンデンサ(73)を
ランプ電流経路に挿入し、これに発生する電圧をフィー
ドバック安定化制御対象として、ダイオード(74)と
抵抗器(75)を介して、前記演算増幅器(43)の反
転入力端子に入力される。きこで、信号を直接は取得し
ないダイオード(76)と抵抗器(77)は、前記コン
デンサ(73)からの信号電流のバランスを保つための
もので、設置されることが望ましい。ランプ投入電力の
増減は、前記基準電圧(Vref)と前記演算増幅器(4
3)の反転入力端子の間に接続された可変抵抗器(7
8)の調整により行う。なお、フィードバック安定化制
御対象電圧を発生させるためのコンデンサ(73)を抵
抗器や、コンデンサと抵抗器の組合せ回路、あるいは適
当なインピーダンス素子に置き換えて、より適切なフィ
ードバック安定化制御対象信号を得るように工夫するこ
ともできる。
【0102】因みに、図10の実施例の誘電体バリア放
電ランプ光源装置用給電装置を構成するために用いた回
路素子のうち、前記鋸歯状波発振回路(39)、電圧比
較器(42)、演算増幅器(43)、フリップフロップ
(44)、論理積回路(45,46)、トランジスタ
(47,48)、基準電圧源(63)等が1パッケージ
に収納された集積回路が市販されており(例えば、テキ
サスインスツルメンツ社製TL494)、本実施例の誘
電体バリア放電ランプ光源装置用給電装置は、非常に少
ない部品点数で製作することができる。
【0103】以上の説明より明らかなように、前記図1
0および図11に記載の実施例の誘電体バリア放電ラン
プ光源装置用給電装置は、インバータ回路(13)の前
段にチョッパ回路(26)を設置したことによって、前
記したような、ランプ印加電圧の変化速度について、放
電開始直前から、放電開始後の尖頭電圧値に達するまで
の期間において、エキシマ発光の効率低下を来さないた
めに必要な急峻さの観点に沿って、昇圧トランス(1
0)の昇圧比が、過大でない適当な値に抑制された状態
であっても、チョッパ回路(26)は、その昇圧能力が
昇圧トランス(10)の昇圧比の不足分を補うように設
定されることにより、所期の2次側出力(Vs)の電圧
値を得ることが容易に実現可能であるため、前記第1の
問題の解決に効果があることがわかる。
【0104】また、非常に少ない部品点数のみで構成で
きるため、前記第2の問題の解決に効果があり、しか
も、前記チョッパ回路(26)の前記スイッチ素子を制
御するための前記チョッパ回路用ゲート信号(Gc)
は、前記インバータ回路用ゲート信号(GU,GL)に対
して確実に同期して生成されるようにしたことによっ
て、尖頭電圧値の大きさが1回の放電のランプ投入エネ
ルギーに直接関連するため、放電開始直前から、放電開
始後の尖頭電圧値に達するまでの期間におけるランプ印
加電圧波形の繰り返し再現性が、動作の安定のために必
要である条件をも満足するうえに、常にランプ投入電力
が安定な点灯が行われるものであることがわかる。
【0105】なお、図10の実施例において、インバー
タ回路は、図8に記載のプッシュプル方式のものを例示
したが、図7に記載のハーフブリッジ方式のものや、図
9に記載のフルブリッジ方式のものでもよく、さらに、
スイッチ素子が1個のものなど、他のインバータ方式の
ものでもよい。また、チョッパ回路用ゲート信号(G
c)を生成する方法として、ダイオード(53,54)、
抵抗器(55)よりなる信号加算器について記載した
が、記載の信号加算器の出力を反転したものや、位相を
ずらせたものなどでもよい。さらに、チョッパ回路につ
いては、図10に記載の昇圧型チョッパ回路以外にも、
例えば昇降圧型と呼ばれるものなど、他の形式のもので
もよい。
【0106】次に、本発明の請求項4に基づく誘電体バ
リア放電ランプ光源装置を構成する場合について、簡単
に説明する。
【0107】図10そして図11に記載の誘電体バリア
放電ランプ光源装置用給電装置において、前記式1、式
2によって計算されるΔVy/ΔVxが所期の値を有する
ようにするためには、最も簡単には、インバータ回路用
ゲート信号(GU,GL)について、両方のゲート信号が
ローレベルである期間(Toff)を導入したうえで、前
記式36に説明されているような、非放電時ランプ静電
容量Coffを測定し、この値と昇圧トランス2次側イン
ダクタンスLsの値とで決まる周波数の正弦波を生ずる
LC共振現象によって、ランプ印加電圧波形(Vs
(t))が、図6に記載のものとなり、結果として、前記
式1、式2によって計算されるΔVy/ΔVxが所期の値
となるように、昇圧トランス2次側インダクタンスL
s、ランプ印加電圧波形の周期(T)、両方のゲート信
号がローレベルである期間(Toff)のそれぞれのパラ
メータの値を整合させればよい。
【0108】ただし、両方のゲート信号がローレベルで
ある期間(Toff)の決定に際して、チョッパ回路用ス
イッチ素子(34)がオンである期間のデューティサイ
クル比の増減、すなわち両方のゲート信号がローレベル
である期間(Toff)の増減によるランプ投入電力フィ
ードバック安定化制御を行う場合は、両方のゲート信号
がローレベルである期間(Toff)を増減することによ
り、前記式1、式2によって計算されるΔVy/ΔVxが
変化して、その所期の値の範囲を超えないようにする方
がよい。そのためには、ランプ印加電圧波形の周期Tに
対する両方のゲート信号がローレベルである期間Toff
の割合、すなわちToff/Tは大きい値、具体的には50
%から90%の範囲内であることが望ましい。
【0109】何となれば、この値が、例えば80%のよ
うに大きい値であるということは、チョッパ回路用スイ
ッチ素子(34)がオンである期間のデューティサイク
ル比が、20%のように小さい値であるということを意
味し、フィードバック安定化制御の仮定において、この
小さい値が、例えばその−20%〜+20%の範囲で変
化したとしても、ランプ印加電圧波形の周期(T)のな
かでの変化で見れば16%〜24%の変化に過ぎず、し
たがって、前記式1、式2によって計算されるΔVy/Δ
Vxの値に与える影響は小さくなるからである。
【0110】両方のゲート信号がローレベルである期間
(Toff)が決定されたならば、DC電圧源のDC電圧
(Vi)、所期のチョッパ回路出力電圧(Vj)、ランプ
投入電力等の値から、チョークコイル(33)のインダ
クタンスを決めることができる。あるいは、これについ
ては、実験的に決めてもよい。
【0111】このように構成された誘電体バリア放電ラ
ンプ光源装置は、本発明の請求項1に記載の誘電体バリ
ア放電ランプ光源装置が示す優れた効果と、本発明の請
求項3に記載の誘電体バリア放電ランプ光源装置用給電
装置が示す優れた効果とを併せ持っていることがわか
る。
【0112】すなわち、ランプ印加電圧の急峻な立上り
を実現できるように、昇圧トランス(10)の昇圧比
が、過大でない適当な値に抑制された状態であっても、
チョッパ回路(26)は、その昇圧能力が昇圧トランス
(10)の昇圧比の不足分を補うように設定されること
により、所期の2次側出力(Vs)の電圧値を得ること
が実現可能であり、このとき、ランプ電圧の急峻変化の
開始値(VF)は上昇時の放電開始電圧(+Ei)より低
い値に設定することができ、前記したような、ランプ印
加電圧の変化速度について、放電開始直前から、放電開
始後の尖頭電圧値に達するまでの期間において、エキシ
マ発光の効率低下を来さないために必要な急峻さを持た
せることができるため、前記第1の問題の解決に効果が
ある。
【0113】また、ランプ印加電圧波形(Vs(t))
が、負側ランプ電圧(VA)から正側ランプ電圧(VB)
まで変化するに際し、上昇時の放電開始電圧(+Ei)
より低い値を有する、ランプ電圧の急峻変化の開始値
(VF)に至るまでの部分(A1)において緩慢に変化
するように設定することにより、前記したような、ラン
プ印加電圧が緩慢に変化している期間中、微小充電電流
が長い時間にわたって流れることにより、放電時の急峻
な電荷移動のうちのある割合を予め実行され、さらに、
結果として、前記した、インバータ回路用のスイッチン
グ素子の尖頭電流値に関して、これの低減が可能で、非
常に少ない部品点数のみで構成できるため、前記第2の
問題の解決に効果があり、しかも、前記チョッパ回路
(26)の前記スイッチ素子を制御するための前記チョ
ッパ回路用ゲート信号(Gc)は、前記インバータ回路
用ゲート信号(GU,GL)に対して確実に同期して生成
されるようにしたことによって、尖頭電圧値の大きさが
1回の放電のランプ投入エネルギーに直接関連するた
め、放電開始直前から、放電開始後の尖頭電圧値に達す
るまでの期間におけるランプ印加電圧波形の繰り返し再
現性が、動作の安定のために必要である条件をも満足す
るうえに、常にランプ投入電力が安定な点灯が行われる
ものであることがわかる。
【0114】以上において説明した事項に関して、当然
ながら、図面に記載の回路構成等については、主要な要
素のみを記載した一例であって、実際に応用する場合に
は、相当機能を有するより好適な他種の部品が入手可能
ならばそれに変更されたり、あるいは、使用する部品の
特徴、極性等の違いに応じて然るべく変更され、また、
必要に応じて周辺素子が追加されるべきものである。
【0115】本発明の誘電体バリア放電ランプ光源装置
およびその給電装置が有する優れた効果は、誘電体バリ
ア放電によって発生する光の使われ方の如何にかかわら
ず、常に有効に発揮される。前記した化学反応を応用し
た材料処理以外にも、例えば、ランプ封体ガラスの内面
や外面に蛍光体層を形成せしめる場合をも含め、発生す
る紫外線によって蛍光体を発光させるような応用におい
ても特に有効である。
【0116】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る誘電体バリア放
電ランプ光源装置は、誘電体バリア放電によってエキシ
マ分子を生成する放電用ガスが充填された放電プラズマ
空間(3)があって、前記放電用ガスに放電現象を誘起
せしめるための両極の電極(4,5)のうちの少なくと
も一方と前記放電用ガスの間に誘電体(6,7)が介在
する構造を有する誘電体バリア放電ランプ(2)と、前
記誘電体バリア放電ランプの前記電極(4,5)に概略
周期的な交流の高電圧を印加するための給電装置(1)
とを有する誘電体バリア放電ランプ光源装置において、
前記給電装置(1)は、誘電体バリア放電ランプ(2)
に対して、1回の放電が終了して、ランプ印加電圧が次
の放電に向けて変化するに際し、ランプ印加電圧波形
(Vs(t))において、次の放電の有効放電開始電圧
(+Ei,−Ei)を過ぎる前に緩慢な変化を行う期間を
有し、その後、急峻な変化が起こるように制御すること
としたため、前記第1の問題、すなわち、消費電力の低
減、ランプの発熱の低減、ランプの長寿命化に対する強
い要望に応えるために、ランプの発光効率を改善しなけ
ればならない問題、および、前記第2の問題すなわち、
優れた紫外線応用の普及のためにより経済性が求められ
る問題が解決される。さらに、請求項2に係る発明で
は、前記1回の放電を終了したときの電圧VAと、次の
放電が終了するときの電圧VBとの差電圧ΔVx、およ
び、前記電圧VAと、前記ランプ印加電圧が緩慢な変化
を行う期間の終了時の電圧VFとの差電圧ΔVy、につい
て、0.3≦ΔVy/ΔVx≦0.9 を満足することとし
たため、請求項1に係る発明をより有利に実現すること
ができる。
【0117】さらに、請求項3に係る誘電体バリア放電
ランプ光源装置用給電装置は、誘電体バリア放電によっ
てエキシマ分子を生成する放電用ガスが充填された放電
プラズマ空間(3)があって、前記放電用ガスに放電現
象を誘起せしめるための両極の電極(4,5)のうちの
少なくとも一方と前記放電用ガスの間に誘電体(6,
7)が介在する構造を有する誘電体バリア放電ランプ
(2)に対し、前記誘電体バリア放電ランプの前記電極
(4,5)に概略周期的な交流の高電圧を印加するため
の誘電体バリア放電ランプ光源装置用給電装置につい
て、DC電圧源(12)の電圧を、それよりも高いDC
電圧に昇圧して出力するチョッパ回路(26)と、2次
側に交流の高電圧を発生する昇圧トランス(10)と、
前記チョッパ回路(26)よりの出力を交流に変換して
前記昇圧トランス(10)の1次側に供給するためのイ
ンバータ回路(13)よりなる誘電体バリア放電ランプ
光源装置用給電装置であって、前記チョッパ回路(2
6)のスイッチ素子を制御するためのゲート信号(G
c)が、前記インバータ回路(13)のスイッチ素子を
制御するためのゲート信号(GU,GL)に対して同期し
て生成されるものとした。これによって、インバータ回
路(13)の前段にチョッパ回路(26)を設置したこ
とによって、前記したような、ランプ印加電圧の変化速
度について、放電開始直前から、放電開始後の尖頭電圧
値に達するまでの期間において、エキシマ発光の効率低
下を来さないために必要な急峻さの観点に沿って、昇圧
トランス(10)の昇圧比が、過大でない適当な値に抑
制された状態であっても、チョッパ回路(26)は、そ
の昇圧能力が昇圧トランス(10)の昇圧比の不足分を
補うように設定されることにより、所期の2次側出力
(Vs)の電圧値を得ることが容易に実現可能であるた
め、前記第1の問題の解決に効果がある。また、1個の
発振回路(27)のみで構成できるため、前記第2の問
題の解決に効果があり、しかも、前記チョッパ回路(2
6)の前記スイッチ素子を制御するための前記チョッパ
回路用ゲート信号(Gc)は、前記インバータ回路用ゲ
ート信号(GU,GL)に対して確実に同期して生成され
るようにしたことによって、尖頭電圧値の大きさが1回
の放電のランプ投入エネルギーに直接関連するため、放
電開始直前から、放電開始後の尖頭電圧値に達するまで
の期間におけるランプ印加電圧波形の繰り返し再現性
が、動作の安定のために必要である条件をも満足する効
果がある。
【0118】さらに、請求項4に係る誘電体バリア放電
ランプ光源装置は、給電装置(1)が、請求項3に記載
の誘電体バリア放電ランプ光源装置用給電装置であるこ
とを特徴とするものとした。これによって、ランプ印加
電圧の急峻な立上りを実現できるように、昇圧トランス
(10)の昇圧比が、過大でない適当な値に抑制された
状態であっても、チョッパ回路(26)は、その昇圧能
力が昇圧トランス(10)の昇圧比の不足分を補うよう
に設定されることにより、所期の2次側出力(Vs)の
電圧値を得ることが実現可能であり、このとき、ランプ
電圧の急峻変化の開始値(VF)は上昇時の放電開始電
圧(+Ei)より低い値に設定することができ、前記し
たような、ランプ印加電圧の変化速度について、放電開
始直前から、放電開始後の尖頭電圧値に達するまでの期
間において、エキシマ発光の効率低下を来さないために
必要な急峻さを持たせることができるため、前記第1の
問題の解決に効果がある。また、ランプ印加電圧波形
(Vs(t))が、負側ランプ電圧(VA)から正側ランプ
電圧(VB)まで変化するに際し、上昇時の放電開始電
圧(+Ei)より低い値を有する、ランプ電圧の急峻変
化の開始値(VF)に至るまでの部分(A1)において
緩慢に変化するように設定することにより、前記したよ
うな、ランプ印加電圧が緩慢に変化している期間中、微
小充電電流が長い時間にわたって流れることにより、放
電時の急峻な電荷移動のうちのある割合を予め実行さ
れ、さらに、結果として、前記した、インバータ回路用
のスイッチング素子の尖頭電流値に関して、これの低減
が可能で、1個の発振回路(27)のみで構成できるた
め、前記第2の問題の解決に効果があり、しかも、前記
チョッパ回路(26)の前記スイッチ素子を制御するた
めの前記チョッパ回路用ゲート信号(Gc)は、前記イ
ンバータ回路用ゲート信号(GU,GL)に対して確実に
同期して生成されるようにしたことによって、尖頭電圧
値の大きさが1回の放電のランプ投入エネルギーに直接
関連するため、放電開始直前から、放電開始後の尖頭電
圧値に達するまでの期間におけるランプ印加電圧波形の
繰り返し再現性が、動作の安定のために必要である条件
をも満足する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】2枚の誘電体が存在する誘電体バリア放電ラン
【図2】誘電体バリア放電ランプの等価回路
【図3】矩形波のランプ印加電圧波形の概念の説明図
【図4】本発明の請求項1に係る誘電体バリア放電ラン
プ光源装置のランプ印加電圧波形の概念の説明図
【図5】本発明の請求項3に係る誘電体バリア放電ラン
プ光源装置用給電装置のブロック図
【図6】本発明の請求項1に係る誘電体バリア放電ラン
プ光源装置の一実施例の電気回路各部波形の概念図の一
【図7】本発明の請求項1に係る誘電体バリア放電ラン
プ光源装置の一実施例の簡略化された構成図の一例
【図8】本発明の請求項1に係る誘電体バリア放電ラン
プ光源装置の一実施例の簡略化された構成図の一例
【図9】本発明の請求項1に係る誘電体バリア放電ラン
プ光源装置の一実施例の簡略化された構成図の一例
【図10】本発明の請求項3に係る誘電体バリア放電ラ
ンプ光源装置用給電装置の一実施例の簡略化された構成
図の一例
【図11】本発明の請求項3に係る誘電体バリア放電ラ
ンプ光源装置用給電装置の他の実施例の簡略化された構
成の部分図の一例
【図12】本発明の請求項3に係る誘電体バリア放電ラ
ンプ光源装置用給電装置の一実施例の電気回路各部波形
の概念図の一例
【符号の説明】
1 給電装置 2 誘電体バリア放電ランプ 3 放電プラズマ空間 4、5 電極 6,7 誘電体 8 封体 9 放電路 10 昇圧トランス 11 交流高電圧 12 DC電圧源 13 インバータ回路 14,15 インバータ回路用スイッチ素子 16,17 インバータゲート駆動回路 18,19,20,21 スイッチ素子 22,23,24,25 インバータゲート駆動回路 26 チョッパ回路 27 発振回路 28 発振信号 29 インバータゲート信号発生回路 30 チョッパゲート信号発生回路 31 交流 32 コンデンサ 33 チョークコイル 34 チョッパ回路用スイッチ素子 Ip1,Ip2 尖頭電流値 Vs(t) ランプ印加電圧波形 Is(t) ランプ電流波形 A1 ランプ印加電圧波形の急峻変化部分 A2 ランプ印加電圧波形の緩慢変化部分 −EI 下降時の放電開始電圧 +EI 上昇時の放電開始電圧 +Ei,−EI 有効放電開始電圧 GU,GL インバータ回路用ゲート信号 Cd 誘電体が形成するコンデンサ Cg 放電プラズマ空間が形成するコンデンサ Ce 浮遊静電容量に起因するコンデンサ VA 負側ランプ電圧 VB 正側ランプ電圧 VF ランプ電圧の急峻変化の開始値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 溝尻 貴文 兵庫県姫路市別所町佐土1194番地 ウシオ 電機株式会社内 (72)発明者 廣瀬 賢一 兵庫県姫路市別所町佐土1194番地 ウシオ 電機株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘電体バリア放電によってエキシマ分子を
    生成する放電用ガスが充填された放電プラズマ空間
    (3)があって、前記放電用ガスに放電現象を誘起せし
    めるための両極の電極(4,5)のうちの少なくとも一
    方と前記放電用ガスの間に誘電体(6,7)が介在する
    構造を有する誘電体バリア放電ランプ(2)と、前記誘
    電体バリア放電ランプの前記電極(4,5)に概略周期
    的な交流の高電圧を印加するための給電装置(1)とを
    有する誘電体バリア放電ランプ光源装置において、 前記給電装置(1)は、誘電体バリア放電ランプ(2)
    に対して、1回の放電が終了して、ランプ印加電圧が次
    の放電に向けて変化するに際し、 ランプ印加電圧波形(Vs(t))において、次の放電の
    有効放電開始電圧(+Ei,−Ei)を過ぎる前に緩慢な
    変化を行う期間を有し、その後、急峻な変化が起こるよ
    うに制御することを特徴とする誘電体バリア放電光源装
    置。
  2. 【請求項2】前記1回の放電を終了したときの電圧VA
    と、次の放電が終了するときの電圧VBとの差電圧ΔV
    x、および、前記電圧VAと、前記ランプ印加電圧が緩慢
    な変化を行う期間の終了時の電圧VFとの差電圧ΔVy、
    について、 0.3≦ΔVy/ΔVx≦0.9 を満足することを特徴とする請求項1に記載する誘電体
    バリア放電ランプ光源装置。
  3. 【請求項3】誘電体バリア放電によってエキシマ分子を
    生成する放電用ガスが充填された放電プラズマ空間
    (3)があって、前記放電用ガスに放電現象を誘起せし
    めるための両極の電極(4,5)のうちの少なくとも一
    方と前記放電用ガスの間に誘電体(6,7)が介在する
    構造を有する誘電体バリア放電ランプ(2)に対し、前
    記誘電体バリア放電ランプの前記電極(4,5)に概略
    周期的な交流の高電圧を印加するための誘電体バリア放
    電ランプ光源装置用給電装置について、 DC電圧源(12)の電圧を、それよりも高いDC電圧
    に昇圧して出力するチョッパ回路(26)と、2次側に
    交流の高電圧を発生する昇圧トランス(10)と、前記
    チョッパ回路(26)よりの出力を交流に変換して前記
    昇圧トランス(10)の1次側に供給するためのインバ
    ータ回路(13)よりなる誘電体バリア放電ランプ光源
    装置用給電装置であって、前記チョッパ回路(26)の
    スイッチ素子を制御するためのゲート信号(Gc)が、
    前記インバータ回路(13)のスイッチ素子を制御する
    ためのゲート信号(GU,GL)に対して同期して生成さ
    れることを特徴とする誘電体バリア放電ランプ光源装置
    用給電装置。
  4. 【請求項4】前記給電装置(1)が、請求項3に記載の
    誘電体バリア放電ランプ光源装置用給電装置であること
    を特徴とする請求項1に記載の誘電体バリア放電ランプ
    光源装置。
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