JPH112578A - 静電容量型圧力センサ - Google Patents

静電容量型圧力センサ

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JPH112578A
JPH112578A JP15629497A JP15629497A JPH112578A JP H112578 A JPH112578 A JP H112578A JP 15629497 A JP15629497 A JP 15629497A JP 15629497 A JP15629497 A JP 15629497A JP H112578 A JPH112578 A JP H112578A
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JP
Japan
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diaphragm
adhesive layer
electrode
pressure sensor
fixed substrate
Prior art date
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Application number
JP15629497A
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English (en)
Inventor
Yuko Fujii
優子 藤井
Kenzo Ochi
謙三 黄地
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数接続された暖房端末器に要求通りの温度
の温水を供給する。 【解決手段】 エアコン等の高温暖房端末器14につな
がる温水回路は、熱交換器1で加熱された高温水が直接
搬送される回路と、熱交換器1の手前で分岐された低温
水が流れるパイパス経路15と、高温端末器につながる
往き接続口手前から分岐した回路を流れる加熱された高
温水とが合流して床暖房等の低温暖房端末器13に供給
する回路で構成されている。これによって、バイパス経
路15に低温水量を制御する水量可変装置が設けられて
いるため、低温暖房端末器13に送る温水温度を高温水
温度に影響されることなく任意に調整することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電容量型圧力セ
ンサに関し、さらに詳しく言えば、固定基板に固着した
電極とダイヤフラムに固着した電極とによりコンデンサ
を構成し、そのダイヤフラムに作用する圧力をそれら両
電極間の静電容量に変換して出力する静電容量型圧力セ
ンサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の静電容量型圧力センサは
特開平5−231974号公報に記載されているような
ものが一般的であった。この静電容量型圧力センサは図
5に示すように、アルミナ製のダイアフラム1と、その
ダイアフラム1とほぼ同じ直径を持つアルミナ製の円形
の固定基板2を備えている。ダイヤフラム1の下面に
は、その外周縁から内側に離れて円板状の第一の電極3
が固着してある。この第一の電極3の直径はダイヤフラ
ム1の直径よりも小さく、したがって、第一の電極3の
外周縁とダイヤフラム1の外周縁の間には環状部が形成
されている。
【0003】固定基板2の上面の中央には、その外周縁
から内側に離れて円板状の第二の電極4が固着してあ
る。この第二の電極4の直径は固定基板2の直径よりも
小さいため、第二の電極4の外周縁と固定基板2の外周
縁の間には環状部が形成されている。さらに、この環状
部には溝5が形成されている。また、第一の電極3の直
径は、固定基板3の第二の電極4の直径にほぼ等しく形
成されている。
【0004】接着層6は、断面が矩形のソルダガラス製
で、固定基板2とダイヤフラム1の周縁部を円環状に接
合、封止している。第一の電極3と接着層6の間、第二
の電極4と接着層6の間には間隙がそれぞれ形成してあ
る。また、第一の電極3と第二の電極4の間には間隙が
形成され、その間隙と第一の電極3と第二の電極4によ
ってコンデンサを構成している。第一の電極3と第二の
電極4は、図示しないリード線を介して図示しない電気
回路に接続される。
【0005】固定基板2にダイヤフラム1を接合する際
には、固定基板2の環状部上に流動状としたソルダガラ
スをスクリーン印刷などにより付着させた後、その上に
ダイヤフラム1を電極を互いに対向させるように重ね合
わせ、さらに加圧して焼付けを行なって硬化し接合させ
る。また、加熱、加圧の際に環状部上に付着された溝5
にソルダガラスが流れ込み、それ以上第二の電極4側に
流れ込むことが無いように構成されている。
【0006】そして、上記従来の静電容量型圧力センサ
では、ダイヤフラム1のたわみ径、すなわち圧力の作用
を受けて撓むことができる範囲が、接着層6の内周縁の
位置によって決定される。このため、接着層6の内周縁
の位置は、ダイヤフラム1の有効範囲の大きさ、すなわ
ちたわみ径に直接影響を与える。
【0007】上記従来の容量型圧力センサでは、接着層
6の材料として流動状のソルダガラスを用いており、し
かも、固定基板2にダイヤフラム1を接合する工程で、
第一の電極3と第二の電極4の間隙が所定の小さな値、
例えば約30〜40/μmになるまで固定基板2上の流
動状ソルダガラスを加圧して焼き付ける。このため、加
圧、焼付けの際に、その接着層6であるソルダガラスが
第一の電極3と第二の電極4側のそれぞれに流れ込み、
接着層6の半径方向幅が所定値よりも大きくなることが
あるという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記する問題を防ぐた
めに固定基板2に溝5を設ける手段が知られているが、
溝5が第二の電極4側のみに設けられているので、加熱
した際に接着層6のソルダガラスが第二の電極4側に流
動し図6に示すように偏りが生じる。つまり接着層6が
第二の電極4側に傾いてしまうため、ダイアフラム1が
撓み初期特性にばらつきが生じてしまう。さらに、ソル
ダガラスの流動が1方向におこることからダイアフラム
1に内部応力が加わってしまい、温度特性などの基本特
性についても悪影響を及ぼしていた。
【0009】また、接着層6の流動を防ぐために固定基
板2に溝5を図に示すように接着層6の内側に設けてい
るが、ダイアフラム1には設けていないため、加圧焼成
した際にダイアフラム1の第一の電極3側に接着層6の
ソルダガラスが流動してしまう。このため、図7に示す
ようにダイアフラム1の撓み径が減少してしまい、感度
が低下するとともに、感度にばらつきが生じるという問
題がある。
【0010】そこで、本発明の目的は、簡単な構成で静
電容量特性のばらつきを小さくすることができる静電容
量型圧力センサを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の静電容量型圧力
センサは上記課題を解決するために、第一の電極を有す
るダイヤフラムと、前記第一の電極に所定の間隔をあけ
て対向し第二の電極を有する固定基板と、前記固定基板
およびダイヤフラムを接合する接着層とを備えていて、
前記ダイヤフラムに作用する圧力を前記第一の電極と第
二の電極間の静電容量の変化として検知する静電容量型
圧力センサにおいて、前記固定基板に前記接着層を囲む
環状の溝を有しており、その溝によって前記接着層の流
動を抑制したものである。
【0012】上記発明によれば固定基板上の接着層を囲
むように設けられた溝が加圧、焼成時に接着層が固定基
板上において第二の電極側接着層の外側に流動するのを
均一に抑制するため、接着層が偏ることがない。さらに
は撓み径を変化させることがないため、センサの初期容
量のばらつきを抑制し、センサ特性のばらつきも低減す
ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は各請求項に記載の形態に
て実施できるものであり、請求項1に記載のように、第
一の電極を有するダイヤフラムと、前記第一の電極に所
定の間隔をあけて対向し第二の電極を有する固定基板
と、前記固定基板およびダイヤフラムを接合する接着層
とを備えていて、前記ダイヤフラムに作用する圧力を前
記第一の電極と第二の電極間の静電容量の変化として検
知する静電容量型圧力センサにおいて、前記固定基板に
前記接着層を囲む環状の溝を形成することにより、硬化
前の流動状の接着層が前記第二の電極側に流動しようと
しても、その溝により妨げられ、それより内側に入り込
む恐れがない。このため、接着層の幅(半径方向長さ)
がほぼ一定になり、その結果、ダイヤフラムの有効範囲
の直径もほぼ一定になる。そこで、静電容量特性のばら
つきをほとんどなくすことができる。さらに、溝を電極
側のみならず、接着層の外側にも設けているので接着層
の流動が均一におこり、接着層が一方に偏ることがな
い。このため、ダイアフラムが撓むことが無いので初期
容量のばらつきも低減することができる。
【0014】また、請求項2に記載のようにダイヤフラ
ムにも接着層を囲む環状の溝を設けることによって硬化
前の流動状の接着層が第一の電極側に流動しようとして
も、その溝により妨げられ、それより内側に入り込む恐
れがない。このため、接着層の幅(半径方向長さ)がほ
ぼ一定になり、その結果、ダイヤフラムの有効範囲の直
径もほぼ一定になる。そこで、静電容量特性のばらつき
をほとんどなくすことができる。
【0015】また、請求項3に記載のように、固定基板
またはダイアフラムに形成する環状の溝をレーザ加工に
より形成することにより、溝の深さを容易に変更でき、
さらにダイアフラムのような板厚の薄い基板にも溝を形
成することができる。
【0016】また、請求項4に記載のように、固定基板
またはダイアフラムに形成する環状の溝を超音波加工に
より形成することにより、溝の深さを容易に変更でき、
さらにダイアフラムのような板厚の薄い基板にも溝を形
成することができる。
【0017】また、請求項5に記載のように、固定基板
またはダイアフラムに溝を形成した後、熱処理を行うこ
とにより、固定基板やダイアフラムに溝を設けたことに
より発生した内部応力を除去し、初期特性のばらつきや
センサの温度特性などの基本特性のばらつきを抑制する
ことができる。
【0018】また、請求項6に記載のように、固定基板
またはダイアフラムをアルミナで構成し、アルミナ基板
に溝を形成した後、熱処理を約800〜1100℃で行
うことにより、熱処理はアルミナ基板の原子の移動が起
こる800℃から、アルミナ粒界がすべりをおこさない
1100℃でおこなうことになり、固定基板やダイアフ
ラムに溝を設けたことにより発生した内部応力を除去
し、初期特性のばらつきやセンサの温度特性などの基本
特性のばらつきを抑制することができる。
【0019】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づ
いて詳細に説明する。なお、図5ないし図7に示す従来
例における部分と同じ部分については同一符号を付与し
詳細な説明を省略する。
【0020】(実施例1)図1は、本発明の容量型圧力
センサの一実施例の断面図である。
【0021】図1において、静電容量型圧力センサは、
円形の固定基板2と、その固定基板2とほぼ同じ直径を
持つ円形のダイヤフラム1とを備えている。固定基板2
の上面の中央には、固定基板2の外周縁から内側に離れ
て円板状の第二の電極4が固着してある。この第二の電
極4の直径は固定基板2の直径よりも小さいため、固定
基板2の上面には、その外周縁と第二の電極4の外周の
間に環状部が形成されている。固定基板2およびダイヤ
フラム1は、ここではいずれもアルミナ製としてある。
しかし、他の絶縁性材料ももちろん使用可能であり、ダ
イアフラム1及び固定基板2の形状についても円形にか
ぎらない。
【0022】環状部には、第二の電極4の外周縁に近接
して、接着層6を囲むように環状の溝7、8が形成して
ある。この溝7、8は、断面形状がV字形であり、硬化
する前の流動状の接着層6が半径方向内側及び外側に流
動するのを抑制する作用をするものである。さらに、溝
7、8は、ここでは断面V字形としているが、他の形状
(例えば断面矩形、U字形)としてもよい。この溝7、
8は、アルミナ製の固定基板2を例えば金型でプレス成
形する際に、その金型に溝7、8に対応する形状の環状
突起を形成しておくことにより容易に形成できる。
【0023】また、レーザ加工や超音波加工によっても
容易に形成できる。レーザ加工や超音波加工の場合は前
述の環状突起を形成する場合と比較して容易に溝の深さ
を調節することができ、さらに板厚の薄い基板にも容易
に溝が形成できる。
【0024】ダイヤフラム1の下面には、ダイヤフラム
1の外周縁から内側に離れて円板状の第一の電極3が固
着してある。この第一の電極3の直径はダイヤフラム1
の直径よりも小さいため、ダイヤフラム1の下面には、
その外周縁と第一の電極3の外周縁との間に環状部が形
成されている。第一の電極3の直径は、固定基板3上に
設けられた第二の電極4の直径にほぼ等しい。
【0025】第一の電極3、第二の電極4は、例えば、
固定基板2またはダイヤフラム1の面上に金あるいは銀
ペーストをスクリーン印刷してから焼き付けたり、スパ
ッタリングにより付着させたりして固着させることがで
きる。第一の電極3、第二の電極4には、それぞれリー
ド線(図示省略)が接続してあり、それらのリード線を
介して所定の電気回路に接続する。
【0026】接着層6はソルダガラス製で、第一の電極
3、第二の電極4間に所定の間隙が形成されるように固
定基板2およびダイヤフラム1の外周部を接合すると共
に、それらの間を封止している。接着層6の断面形状は
略矩形で、その下面は、固定基板2の環状部に、その外
周縁側と電極側に設けられた溝7、8の間で接着してあ
る。第二の電極4と接着層6の間には、環状の間隙が形
成してある。接着層6の上面は、ダイヤフラム1の環状
部に接着してあり、その接着面の半径方向幅は接着層6
の下面の接着面の半径方向幅とほぼ同じである。第一の
電極3と接着層6の間にも、環状の間隙が形成してあ
る。
【0027】ダイヤフラム1は、外周部を接着層6に接
着されているので、その撓むことのできる範囲すなわち
有効範囲は、接着層6の内周縁よりも内側すなわち中心
側の部分である。その有効範囲の直径は、接着層6の内
周縁の直径にほぼ等しい。
【0028】接着層6によって固定基板2とダイヤフラ
ム1とを接合する際には、まず、固定基板2の環状部に
設けられた溝7、8の間の環状部に、スクリーン印刷な
どにより流動状のソルダガラスを塗布する。次に、その
ソルダガラスの上にダイヤフラム1を第一の電極3を下
に向けて重ね合わせる。その後、ダイヤフラム1を一定
圧力で加圧しながら加熱し、そのソルダガラスを焼き付
けて固定基板2とダイヤフラム1を接合、封止する。こ
のとき、第一の電極3と第二の電極4間との間隙が所定
値になるように圧力などを調整する。こうして固定基板
2とダイヤフラム1は、図1に示すように一体化され
る。
【0029】この静電容量型圧力センサでは、固定基板
2の第二の電極4の外側に溝7と接着層6の外側に溝8
が設けてあるため、加圧、加熱の際に、環状部上に付着
されたソルダガラスが電極側に流動しようとしても、そ
のソルダガラスは溝7及び8内に流れ込み、その流動性
によりそれ以上内側には流れ込むことができない。さら
に、接着層6の外側にも溝8が設けていることから、ソ
ルダガラスの流動が内側と外側に均一におこるため接着
層が一方にかたよることがない。
【0030】上記工程で30個の静電容量型圧力センサ
を作成し初期容量のばらつきを測定した。この結果、初
期容量の平均値が62.07pFとなり標準偏差が3.2
pFとなった。従来の図5に示した静電容量型圧力センサ
では、平均値が78.56pFで標準偏差が10.0pFで
あったことから、ばらつきを約1/3に抑制することが
でき歩留まりを向上することが可能となった。
【0031】さらに、−30℃〜60℃の環境下で初期
特性を測定して温度特性を評価した。この結果、本発明
の圧力センサは1.5%FSの温度特性を有するのに対
し、図5に示した従来の圧力センサは3.2%FSもあり
温度特性を約1/2に低減することが可能となった。
【0032】(実施例2)図2は本発明の実施例2にお
ける静電容量型圧力センサの断面図である。
【0033】本実施例2において、実施例1と異なる点
はダイアフラム1に溝9、10を設けて、接着層6の加
圧・焼成時にダイアフラム1の電極内部へ接着層6が流
動するのを抑制する点である。
【0034】次に動作、作用を説明する。固定基板2の
環状部上にスクリーン印刷などによって、流動状のソル
ダガラスを塗布された接着層6は加圧、焼成することに
よってダイアフラム1と固定基板2をシールするが、第
一の電極3と第二の電極4を所定の間隔になるよう最適
な圧力を印加し焼成することによって所定の電極間隔に
設定する。
【0035】接着層6を加圧、焼成する際に接着層6は
加圧されることによって電極側に押し出される。さらに
焼成することで流動し図7に示すようにダイアフラム1
の撓み径が減少する。
【0036】静電容量型圧力センサはダイアフラム1が
被測定物によって撓み、それによって変化する電極間隔
を容量変化として検知し圧力を検出するものであり、特
性や感度に電極間隔は非常に大きな影響力をもつ。この
電極間隔にはダイアフラム1の板厚や撓み径(接着層6
の内径)が大きく関与しており、板厚は3乗分の1に比
例し、撓み径(半径)は、2乗に比例する。このため、
接着層6の流動により撓み径が若干変化しても感度に大
きな影響を及ぼす。
【0037】しかし、本実施例の静電容量型圧力センサ
はダイアフラム1に接着層6の流動を抑制する溝9、1
0が設けられているため、接着層6を加圧、焼成した時
点においても余剰の接着層6が溝9、10に入りこむた
め、撓み径が変化することがない。
【0038】本実施例2の静電容量型圧力センサを30
個作成し、感度を測定した。感度については、圧力を印
加しない時の出力(容量値)と200mmH2Oの圧力を印
加した時の出力を測定しその変化率を算出した。その結
果、感度の平均値が35.8%で標準偏差が3.8%で
あった。図5に示した従来の静電容量型圧力センサでは
感度の平均値が29.8%で標準偏差が9.4%であ
り、ダイアフラム1に溝9及び10を設けることによっ
て感度のばらつきが約2.5分の1に抑制することがで
きた。
【0039】(実施例3)図3は本発明の実施例3の製
造工程を示すフローチャートである。
【0040】本実施例3において、実施例1および実施
例2と異なる点はダイアフラム1と固定基板2にレーザ
加工や超音波加工を施して溝を形成し、溝を形成した後
に熱処理を行う点である。これは、溝を形成することに
よって基板内に内部応力が生じるため、基板に反りが発
生してしまい、さらには温度特性などの圧力センサの特
性にばらつきや誤差が生じる。これを防ぐため、本発明
では溝を形成した基板に熱処理を施して基板内の内部応
力を取り除いた。
【0041】特に、実施例1及び実施例2で説明したア
ルミナ基板を使用した場合について、高温処理温度を5
00℃〜1500℃に設定し反りと温度特性の関係を評
価した。この結果を図4に示す。この結果から解るよう
に、熱処理温度は800℃〜1100℃が望ましいこと
が判明した。つまり、800℃以下では、原子の移動が
なく、アルミナ基板の結晶化が行われないため完全に内
部歪みが取り除かれない。
【0042】さらに1100℃を越えるとフラックス成
分としてのガラスが高温域で軟化を起こしてしまうた
め、アルミナ粒界がすべりをおこす。
【0043】このため、ダイアフラム1および固定基板
2が反ってしまう結果となる。つまり、ダイアフラム1
と固定基板2を使用したばあいは熱処理温度を約800
℃〜1100℃で行うことにより基板内の内部応力を取
り除くことができ反りや温度変化による基板の変動を抑
制することが可能となった。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
係る静電容量型圧力センサは接着層を取り囲むように固
定基板上に溝を設けているので、接着層が均一に溝に流
動するため、接着層が一方に流動することによって生じ
る偏りがなく、ダイアフラムが反ることがない。さら
に、溝を形成しているため撓み径が変動することがない
ためセンサ特性のばらつきが低減でき、初期容量のばら
つきも低減できるという効果がある。
【0045】また、請求項2に係る静電容量型圧力セン
サはダイアフラムにも接着層を取り囲むように溝を形成
しているので、加圧・焼成しても撓み径が減少すること
が無いため、センサ特性のばらつきが低減できるという
効果がある。
【0046】また、請求項3に係る静電容量型圧力セン
サは請求項1または2の溝をレーザ加工により形成して
いるので、容易に溝の深さを変更及び調節でき、さらに
は板厚の薄い基板にも溝を形成可能となる。
【0047】また、請求項4に係る静電容量型圧力セン
サは請求項1または2の溝を超音波加工により形成して
いるので、容易に溝の深さを変更及び調節でき、さらに
は板厚の薄い基板にも溝を形成可能となる。
【0048】また、請求項5に係る静電容量型圧力セン
サは溝を形成したダイヤフラムまたは固定基板に熱処理
を行うことで、内部応力を取り除き基板の反りを低減す
る。さらに、温度変化による基板の変動を低減できるた
め温度特性を低減することが可能となる。
【0049】また、請求項6に係る静電容量型圧力セン
サは溝を形成したアルミナで構成されたダイヤフラムま
たは固定基板に800℃〜1100℃で熱処理を行うこ
とで、内部応力を効果的に効率良く取り除き基板の反り
を低減する。さらに、温度変化による基板の変動を低減
できるため温度特性を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における静電容量型圧力セン
サの断面図
【図2】本発明の実施例2における静電容量型圧力セン
サの断面図
【図3】本発明の実施例3における静電容量型圧力セン
サの製造工程を示すチャート
【図4】同実施例3における静電容量型圧力センサの熱
処理温度と反り及び温度特性の関係を示す特性図
【図5】従来の静電容量型圧力センサの断面図
【図6】従来の静電容量型圧力センサの一例を示す断面
【図7】従来の静電容量型圧力センサの他の例を示す断
面図
【符号の説明】
1 ダイアフラム 3 第一の電極 2 固定基板 4 第二の電極 6 接着層 5、6、7、8、9、10 溝

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一の電極を有するダイヤフラムと、前記
    第一の電極に所定の間隔をあけて対向し第二の電極を有
    する固定基板と、前記ダイアフラムおよび前記固定基板
    を接合する接着層とを備えていて、前記ダイヤフラムに
    作用する圧力を前記第一の電極と第二の電極間の静電容
    量の変化として検知する静電容量型圧力センサにおい
    て、前記固定基板に前記接着層を囲む環状の溝を有し、
    前記溝によって前記接着層の流動を抑制するようにした
    ことを特徴とする静電容量型圧力センサ。
  2. 【請求項2】ダイアフラムに接着層を囲む環状の溝を有
    しており、前記溝によって前記接着層の流動を抑制する
    ようにしたことを特徴とする請求項1記載の静電容量型
    圧力センサ。
  3. 【請求項3】固定基板またはダイアフラムに設けられた
    溝はレーザ加工により形成されたことを特徴とする請求
    項1または2記載の静電容量型圧力センサ。
  4. 【請求項4】固定基板またはダイアフラムに設けられた
    溝は超音波加工により形成されたことを特徴とする請求
    項1または2記載の静電容量型圧力センサ。
  5. 【請求項5】固定基板またはダイアフラムに溝を形成し
    た後、熱処理を行うことを特徴とする請求項1ないし4
    のいずれか1項記載の静電容量型圧力センサ。
  6. 【請求項6】固定基板またはダイアフラムをアルミナで
    構成し、アルミナ基板に溝を形成した後、熱処理を約8
    00〜1100℃で行うことを特徴とする請求項1ない
    し5のいずれか1項記載の静電容量型圧力センサ。
JP15629497A 1997-06-13 1997-06-13 静電容量型圧力センサ Pending JPH112578A (ja)

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JP15629497A Pending JPH112578A (ja) 1997-06-13 1997-06-13 静電容量型圧力センサ

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JP (1) JPH112578A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010038916A (ja) * 2008-07-31 2010-02-18 Sensata Technologies Inc 媒体の圧力を測定する圧力センサ

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